JP2009208479A - セラミックス構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セラミックス原料を含有する成形体の複数が、所定の構造に組み立てられた後、焼成されてなるセラミックス構造体10であって、成形体1が、セラミックス原料に加えて弾性化剤を含有し、その少なくとも一部分が弾性変形可能な性質を有するものであり、かつ所定の構造への組み立てが、成形体1の弾性変形を利用した成形体1相互の連結加工によるものであることを特徴とするセラミックス構造体。
【選択図】図1
Description
本実施の形態においては、セラミックス原料に、分散剤と水の混合液をスラリー化した際の水分量が15〜25%質量部となるように加えて調製したスラリーを、例えば、ポットミル等の混合機によって6〜140時間解砕する。水分量が25%を超えると、粉体種によっては沈降することがあり、15%未満であると、粉体種によっては初期粘性が高すぎ、解砕が十分行われないことがある。また、解砕時間が140時間を超えると、粉体種によってはスラリーが高粘性化することがあり、6時間未満であると、粉体種によっては解砕不十分となることがある。
坏土の成形の工程で、得られた攪拌したスラリーを60〜70℃まで冷却した後取り出し、ペレット化して乾燥することにより得られたペレットの水分量が15.5〜18.5%となるように水分調整を行うことが好ましく、16.5〜17.5%となるように水分調整を行うことがさらに好ましい。そして、上記ペレットから成形体を形成したときの成形体の水分量も、15.5〜18.5%であることが好ましく、16.5〜17.5%であることがさらに好ましい。スラリーを冷却したときの温度が70℃を超えると、取り出した際に坏土表面上から急激に水分が蒸散することがあり、60℃未満であると、坏土がゲル化し取り出しにくくなることがある。また、上記ペレット及び成形体の水分量はいずれも、18.5%を超えると、成形体が軟かすぎ、強度が低下することがあり、15.5%未満であると、成形体が硬すぎ、弾性変形による加工時に成形体を破損することがある。
図4に示す、打ち抜いたリング形状の成形体11のうちの一部を、図5に示すように、その一箇所で切断することによって2つの対向する切断面(対向切断面13,14)が弾性変形により互いに離間及び当接又は近接し得る切断リング形状の成形体12とし、得られた切断リング形状の成形体12を軽くひねることによって、図3(a)〜図3(c)に示すように、2つの対向する切断面(対向切断面)が互いに離間したものとすることができ、次いで、切断リング形状の成形体12の離間した状態の対向切断面のうちの一つをリング形状の成形体11に挿通した後、他方に当接又は近接する状態に戻すことにより、図1に示すような、リング形状の成形体11と切断リング形状の成形体12とが連結してチェーン構造を形成したものとすることができ、これを繰り返し、長鎖のチェーン状成形体を得ることができる。
得られたチェーン状成形体を室内で3〜24時間静置した後80〜130℃オーブンで2〜6時間乾燥させることが好ましい。次いで、乾燥したチェーン状成形体を焼成する。焼成方法としては特に制限はないが、例えば、平坦な板の上へジルコニア粗粒(平均粒系200ミクロン)を敷き、その上へ乾燥したチェーン状成形体チェーンを縮めた状態で置いて、この状態で焼成して、セラミックチェーンを得ることが好ましい。焼成条件としては、例えばアルミナを原料とする場合、室温から400℃までを昇温速度50〜200℃/時間で昇温し、400℃で1〜2時間保持し、400℃から1600℃までを昇温速度50〜200℃/時間で昇温し、1600℃で4〜6時間保持して行うことが好ましい。
アルミナ粉末(住友化学工業(株)製、商品名:AES−11C)1000グラムに分散剤及び水の混合液を加えた。分散剤としてのポリアクリル酸アンモニウム塩(東亜合成(株)製、商品名:A−6114)の質量は、アルミナ粉末の0.9質量%相当の質量とした。水分量はスラリー化した際に20質量%となるように調整した。調製したスラリーをポットミルにて8時間解砕した。
一般的な、高純度、高密度アルミナである、ニッカトー社製アルミナSSA−Sを比較例1とした。
サンプルを粉砕し、100メッシュ以下の粒径の粉体にする。プレスの後多元素同時蛍光X線分析装置(Philips社製PW2606)を用いて純度を測定した。
サンプルを130℃の乾燥炉にて2時間乾燥させた後、乾燥重量を測定した。その後煮沸及び真空引きにより表面気孔に水を浸透させた。このサンプルの空中重量と水中重量を測定した。この際に水の温度を測定し、得られる水密度からサンプルの体積を算出した。これら乾燥重量値と体積値から焼成体の嵩密度を測定した。
JIS R 1601に準拠する方法で、四点曲げ試験を行った。
Claims (10)
- セラミックス原料を含有する成形体の複数が、所定の構造に組み立てられた後、焼成されてなるセラミックス構造体であって、
前記成形体が、前記セラミックス原料に加えて弾性化剤を含有し、その少なくとも一部分が焼成前においてのみ弾性変形可能な性質を有するものであり、かつ前記所定の構造への組み立てが、前記成形体の弾性変形を利用した前記成形体相互の連結加工によるものであることを特徴とするセラミックス構造体。 - 複数の前記成形体のうち、一部がリング形状であり、残余が前記リング形状の一箇所が切断されて、その2つの対向する切断面(対向切断面)が弾性変形により互いに離間及び当接又は近接し得る切断リング形状であり、
前記成形体相互の連結加工が、前記切断リング形状の成形体の離間した状態の前記対向切断面のうちの一つが前記リング形状の成形体に挿通された後、他方に当接又は近接する状態に戻ることにより、前記リング形状の成形体と前記切断リング形状の成形体とが連結されてチェーン構造を形成する加工である請求項1に記載のセラミックス構造体。 - 前記セラミックス原料が、酸化物系セラミックス、複合酸化物、窒化物系セラミックス及び炭化物系セラミックスからなる群から選択される少なくとも一種を主成分とするものである請求項1又は2に記載のセラミックス構造体。
- 前記酸化物系セラミックスが、ムライト、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ、マグネシア、フェライト、コージェライト及び希土類元素の酸化物からなる群から選択される少なくとも一種である請求項3に記載のセラミックス構造体。
- 前記希土類元素の酸化物がイットリアである請求項4に記載のセラミックス構造体。
- 前記複合酸化物が、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素のマンガナイト及び希土類元素のクロマイトからなる群から選択される少なくとも一種である請求項3〜5のいずれかに記載のセラミックス構造体。
- 前記窒化物系セラミックスが、窒化アルミニウム、窒化珪素及びサイアロンからなる群から選択される少なくとも一種である請求項3〜6のいずれかに記載のセラミックス構造体。
- 前記炭化物系セラミックスが、炭化珪素、炭化ホウ素及び炭化タングステンからなる群から選択される少なくとも一種である請求項3〜7のいずれかに記載のセラミックス構造体。
- 前記弾性化剤が、ガラクトースを骨格とする多糖類、コラーゲンを骨格とするポリペプチド、又はこれらの混合物を主成分とするものである請求項1〜8のいずれかに記載のセラミックス構造体。
- 前記多糖類が寒天であり、前記ポリペプチドがゼラチンである請求項9に記載のセラミックス構造体。
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