JP2009208268A - インクカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクカートリッジ100は、内部のインク室101内にアーム70を有する。アーム70は、各々別部材からなる支軸77、軸受けリブ74、及び支持ブロック170によって回動可能に支持されている。軸受けリブ74は、フレーム50に一体に設けられている。軸受けリブ74の軸受け67に支軸77の一端が圧入されている。支持ブロック170は、支軸77の他端が圧入される軸受け185を有しており、支軸77を介して軸受けリブ74に取り付けられる。支軸77にアーム70の軸孔78が挿通されることでアーム70が回動可能となる。軸受けリブ74及び支持ブロック170それぞれの内面には、アーム70側へ突出する突起68,180が設けられており、アーム70が倒れた場合に、アーム70が突起68,180に当たってその倒れが防止される。
【選択図】図8
Description
図1は、本発明の一実施形態に係るインクカートリッジ100の外観構成を示す斜視図である。図2は、インクカートリッジ100の右側面図である。図3は、インクカートリッジ100の分解斜視図である。図4は、軸受けリブ74の拡大図である。図5は、アーム70の外観形状を示す斜視図である。図6は、支持ブロック170の外観形状を示す斜視図である。図7は、支持ブロック170の四面図であり、(A)には正面図が示されており、(B)には左側面図が示されており、(C)には右側面図が示されており、(D)には平面図が示されている。図8は、図2における切断線VIII−VIIIの断面図である。
インクカートリッジ100は、インクジェット記録方式の画像記録装置に適用されるものである。図1に示されるように、インクカートリッジ100は、扁平形状の略六面体として構成されている。詳細には、インクカートリッジ100は、幅方向(矢印31の方向、以下「幅方向31」と称する。)に細く、高さ方向(矢印32の方向)及び奥行き方向(矢印33の方向)が幅方向31よりも長い略直方体形状に形成されている。このインクカートリッジ100は、図1に示された起立状態で画像記録装置のカートリッジ収容部(不図示)に対して矢印30で示される方向(以下「挿入方向30」と称する。)に挿入される。
本体40は、フレーム50とフィルム65(図3参照、本発明の第1壁、第2壁に相当)とを備える。フレーム50は、インクカートリッジ100の筐体を構成する部材である。フレーム50は、インクカートリッジ100の六面34〜39を形成する。したがって、インクカートリッジ100の六面34〜39は、フレーム50の六面に一致する。以下において、インクカートリッジ100の各面に付された符号(34〜39)を用いてフレーム50の各面を示す。
図3に示されるように、フィルム65は、透明な樹脂で構成された薄肉状のものである。このフィルム65は、フレーム50の両側面38,39側の縁部、つまり、外周壁51の側面38,39側の縁部に、周知の熱溶着法によって溶着される。フィルム65によって開口58が閉塞される。これにより、フレーム50の外周壁51とフィルム65とによって囲まれた空間がインク室101として区画される。このように区画されたインク室101にインクが収容される。なお、本実施形態では、フレーム50とフィルム65とによってインク室101が形成されることとしたが、例えば、フレーム50自体を直方体の容器状に形成することによってその内部にインク室101が形成されてもよい。
フレーム50の後面35にインク注入部105が形成されている。インク注入部105は、フレーム50の後面35側に設けられている。具体的には、インク注入部105は、フレーム50の後面35の中段付近よりやや下側に配設されている。このインク注入部105からインクがインク室101に注入される。インクの注入手法としては、インク室101における脱気度を高めてインク室101における気泡の発生を防止するべく、減圧注入法(真空注入法とも呼ばれている)が採用される。具体的には、インク室101にインクを注入する前にインク室101内の空気を吸引排気してインク室101内の圧力を真空に近い圧力まで減圧し、その後、内外の圧力差を利用してインクをインク室101内に注入する。インクの注入後は、インク室101内の気圧が大気圧未満にされた状態でインク注入部105が密封される。したがって、未使用状態のインクカートリッジ100は、インク室101が大気圧未満に維持されている。
フレーム50の前面34には、検知部140(本発明の透光領域に相当)が設けられている。検知部140は、インク室101に収容されているインクの量を視覚的或いは光学的に検知するためのものである。検知部140は、フレーム50に一体に形成されている。したがって、検知部140は、フレーム50と同じ材質、つまり、透光性のある透明又は半透明の樹脂材料で構成されている。
検知部140の上部に大気連通バルブ80が設けられている。大気連通バルブ80は、フレーム50の前面34の上部に穿設された大気連通用の貫通孔81(図3参照)を開放又は閉塞する弁機構として構成されている。この大気連通バルブ80は、主として、バルブ本体87、コイルバネ86、シール部材83、キャップ85などの部材で構成されている。大気連通バルブ80は、常時は、バルブ本体87が貫通孔81を閉塞している。インクカートリッジ10が記録装置に装着されると、バルブ本体87のロッド84が押されて、バルブ本体87がコイルバネ86の付勢力に抗して作動して、貫通孔81が開放される。これにより、インク室101と外部とが連通して、インク室101内の空気層が大気圧と同圧になる。なお、本実施形態では、貫通孔81を閉塞する機構として大気連通バルブ80を用いることとしたが、大気連通バルブ80に代えて、貫通孔81をビニール製の粘着テープやフィルムなどで閉塞する簡素な閉塞手段を用いることも可能である。
検知部140の下方にインク供給バルブ90が設けられている。インク供給バルブ90は、フレーム50の前面34の下部に穿設されたインク供給用の貫通孔91(図3参照)を開放又は閉塞する弁機構として構成されている。このインク供給バルブ90は、主として、バルブ本体97、コイルバネ96、バネ受け94、シール部材93、キャップ95などの部材で構成されている。インク供給バルブ90は、常時は、バルブ本体97が貫通孔91を液密に閉塞している。インクカートリッジ10が記録装置に装着されると、図示しないインクニードルによってバルブ本体97がコイルバネ96の付勢力に抗して作動して、貫通孔91が開放される。これにより、インク室101内のインクを上記インクニードルを通じて記録装置側へ供給することが可能となる。
軸受けリブ74は、フレーム50に設けられている。具体的には、軸受けリブ74は、インク室101内の傾斜部52に立設されている。傾斜部52は、インク室101内において、前面34及び下面37で形成されるコーナー部分に設けられている。この傾斜部52は、外周壁51が上記コーナー部分で傾斜されることにより形成されている。本実施形態では、軸受けリブ74は、傾斜部52の幅方向31の端部、つまり、傾斜部52の左側面38側の端部に立設されている。
軸受け67は、基体62の中心に配置されている。軸受け67は、円柱状の支軸77の一端(第1の軸端)を支持するものである。支軸77は、後述するアーム70を回動可能に支持するものである。本実施形態では、支軸77の一端が軸受け67で固定されている。この軸受け67は、基体62の面63に垂直な方向へ突出する円筒状のボスであり、支軸77が挿入される軸孔64を有する。支軸77が軸孔64に挿入されることで、支軸77の一端の外周面が軸孔64内に嵌められる。つまり、支軸77の一端が軸孔64に外嵌される。軸孔64の内径は、支軸77の外径よりも小さく設定されている。軸受け67の軸孔64に、支軸77の一端が圧入される。これにより、支軸77の一端が軸受けリブ74に固定される。支軸77の他端(第2の軸端)は、後述するように、支持ブロック170側で支持される。軸受け67に固定された支軸77にアーム70の軸孔78が挿通されることで、アーム70が支軸に回動可能に支持される。
突起68は、軸受け67の上部に配置されている。突起68は、支軸77にアーム70が軸支された際に、支軸77の軸方向、つまり、幅方向31へアーム70が倒れることを防止するためのものである。この突起68は、棒状に形成されている。突起68は、図4に示されるように、面63に垂直な方向、つまり、軸孔64の軸方向へ突出している。換言すると、軸受け67に支軸77が固定され、更に支軸77にアーム70が回動可能に支持された状態で、突起68は、アーム70へ向けて突出している。突起68の先端は、球面状に形成されている。図4に示されるように、突起68は、基体62において、支軸77の支持点である軸受け67から軸孔64の軸方向に直交する方向へ最も離れた位置、つまり、基体62の縁部近傍に設けられている。突起68の突出長さは、軸受け67の突出長さと概ね同じ寸法に設定されている。
回り止め69は、軸受け67の近傍に設けられている。この回り止め69は、支持ブロック170が軸受けリブ74に取り付けられた際に、支持リブ74に対する支持ブロック170の回転を防止するためのものである。回り止め69は、図4に示されるように、面63に垂直な方向へ延出された棒状のリブである。支持ブロック170の取り付けについては後述する。
以下、図2、図3及び図5を参照して、アーム70の構成について詳細に説明する。
支軸77は、金属製であって、例えば、丸棒状の鋼材などからなる。この支軸77の円周面は平滑に形成されている。支軸77に採用される金属材料としてステンレス鋼があげられ、支軸77の円周面を研磨等により平滑に加工できる。もちろん、支軸77に採用する金属材料としてステンレス鋼以外を採用してもよい。要するに、支軸77は、フレーム50に採用される合成樹脂より剛性の高い材料から作製されていればよい。
フロート部73は、例えば、内部が中空状に形成されており、インクなどの液体に対して浮力を有する浮力体の役割を担っている。したがって、フロート部73は、インク量が所定量以下になると上方に変位する。これにより、フロート部73の変位に応じてアーム70が回動する。本実施形態では、インク中において、軸孔78からフロート部73に至る第2部位76が浮き上がるようにフロート部73が形成されている。なお、フロート部73を中空形状とせず、フロート部73自体をインクの比重よりも小さい比重の素材で形成してもよい。
インジケータ部72は、インク室101内のインクの残量を指し示すためのものである。アーム70が図2において時計方向へ回動されると、インジケータ部72が検知部140の内部空間に進入する。この内部空間に進入したインジケータ部72は、検知部140の下壁の内面に当たって、それ以上の回動が阻止される。これにより、アーム70は、インジケータ部72が第1位置に配置された姿勢となる。一方、アーム70が図2において反時計方向へ回動されると、インジケータ部72が検知部140の下壁の内面から離間して第2位置に配置される。第2位置は、検知部140の下壁の内面から所定距離だけ隔てた位置であり、アーム70は、インジケータ部72が第2位置に配置された姿勢で静止する。
図5に示されるように、アーム70は、平面71(本発明の平面に相当)を有する。平面71は、その両方の表面が平滑となるように形成されている。平面71は、軸孔78からフロート73に至る部位に設けられており、概ね第1部位75と同じ肉厚に形成されている。平面71は、アーム70が支軸77に回動可能に取り付けられた状態で、突起68(図4参照)に対向する位置に設けられている。この平面71は突起68に対して十分に大きい面積を有しており、インジケータ部72の移動可能範囲においてアーム70が回動した場合でも、平面71は、常に突起68と対向する。
本実施形態では、アーム70は、軸孔78から延出されてフロート部73に至る第2部位76が軸孔78から延出されてインジケータ部72に至る第1部位75よりも重量が大きくなるように形成されている。したがって、空気中においては、第2部位76が第1部位75よりも重い。そのため、インク室101にインクが入っていない状態では、アーム70は、支軸77を中心にして、図2において反時計方向へ回動する。これにより、インジケータ部72が検知部140の内部空間から離間する。つまり、インジケータ部72が内部空間から離間していることは、インク室101にインクが入っていないことを意味する。なお、フロート部73の下端がインク室101の底面に当たると、アーム70の回動が停止して、インジケータ部72が第2位置に維持される。
以下、図6及び図7を参照しながら、支持ブロック170の構成について詳細に説明する。なお、図6には、説明の便宜のため、外周壁51の一部が破線で示されている。
上述したように、本実施形態では、軸受けリブ74に突起68が設けられ、支持ブロック170に突起180が設けられている。これらの突起68,180は、図8に示されるように、アーム70に向かって突出している。アーム70が支軸77の軸方向、つまり、幅方向70へ倒れたとしても、直ちに突起68,180によって支持される。そのため、アーム70の倒れが防止されて、アーム70が倒れてインクカートリッジ100のフィルム65にアーム70が当たることもない。なお、本実施形態では、軸受けリブ74及び支持ブロック170の双方に突起を設けることとしたが、少なくともいずれか一方に突起が設けられていれば、アーム70の一方向の倒れが防止される。その結果、インクの表面張力やフィルム65の撓みによってアーム70がフィルム65に付着しなくなる。
50・・・フレーム
65・・・フィルム
67・・・軸受け
68・・・突起
70・・・アーム
71・・・平面
72・・・インジケータ部
73・・・フロート部
77・・・支軸
74・・・軸受けリブ
140・・・検知部
170・・・支持ブロック
185・・・軸受け
Claims (14)
- インクが収容されるインク室を区画する本体と、
上記インク室に回動可能に設けられ、回動中心に貫通孔が形成された回動部材と、
上記貫通孔に挿通された支軸と、
上記支軸の少なくとも一端を支持する支持部材と、
上記支持部材に設けられ、上記回動部材へ向けて突出する突出片と、を具備するインクカートリッジ。 - 上記支持部材は、上記支軸の第1の軸端を支持する第1部材と、上記支軸の第2の軸端を支持する第2部材とを有し、
上記第1部材は、上記本体に一体に設けられ、
上記第2部材は、上記第1部材に着脱可能に設けられている請求項1に記載のインクカートリッジ。 - 上記第1部材は、上記第1の軸端を外嵌して支持する第1軸受けを有し、
上記第2部材は、上記第2の軸端を外嵌して支持する第2軸受けを有する請求項2に記載のインクカートリッジ。 - 上記突出片は、上記第1部材及び上記第2部材の双方若しくはいずれか一方に設けられている請求項2又は3に記載のインクカートリッジ。
- 上記支持部材は合成樹脂を成形して得られるものであり、上記支軸は金属で形成されている請求項1から4のいずれかに記載のインクカートリッジ。
- 上記支軸の両端は、上記支持部材に固定され、上記回動部材は、上記支軸に回動可能に支持されている請求項1から5のいずれかに記載のインクカートリッジ。
- 上記回動部材は、上記貫通孔の軸方向に直交し且つ上記突出片に対向する平面を有する請求項1から6のいずれかに記載のインクカートリッジ。
- 上記突出片の先端は、球面状に形成されている請求項7に記載のインクカートリッジ。
- 上記突出片は、上記支持部材における上記支軸の支持点から上記支軸に直交する方向へ離れた位置に設けられている請求項1から8のいずれかに記載のインクカートリッジ。
- 上記突出片は、上記支軸の軸方向へ突出している請求項1から9のいずれかに記載のインクカートリッジ。
- 上記本体は、上記インク室を区画する第1壁と、該第1壁に対向する第2壁とを有し、
上記支軸は、上記1壁から上記第2壁に渡って設けられている請求項1から10のいずれかに記載のインクカートリッジ。 - 上記第1壁及び上記第2壁の双方若しくは一方が、上記本体の側面に設けられた開口を覆うフィルム状のシートで構成されている請求項11に記載のインクカートリッジ。
- 上記回動部材は、その第1端が所定の第1位置と該第1位置から離間された第2位置との間で移動可能なアームであり、
上記アームの上記第1端とは反対側の第2端に、上記インク室内のインク量に応じて移動するフロート部が設けられている請求項1から12のいずれかに記載のインクカートリッジ。 - 上記本体は、その内部空間が上記インク室と連続する中空であって透光性を有する透光領域を有し、
上記アームは、その第1端が上記透光領域内で移動するものである請求項13に記載のインクカートリッジ。
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