JP2009207514A - 医療用チューブ - Google Patents

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Abstract

【課題】栄養剤または薬剤を、胃内に確実に投与することができる安全性の高い医療用チューブを提供すること。
【解決手段】栄養チューブ1は、患者の鼻から食道を経由して胃内に挿入され、栄養剤を投与するのに用いられるチューブであって、先端部の壁部を貫通する貫通孔21を有するチューブ本体2と、貫通孔21を開閉するシャッター部材3とを有している。このシャッター部材3は、接触する液体の性質によって体積が変化するゲルポリマーで構成された2つのリング状部材31、32からなる。このような栄養チューブ1は、各リング状部材31、32が膨張して閉状態にあるときに挿入される。そして、先端部が胃内に到達すると、各リング状部材31、32が胃液と接触して収縮し、貫通孔21が自動的に開く。これにより、栄養剤が気管に投与されてしまうのを防止しつつ、胃内に確実に投与するための栄養剤投与ルートが形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、経口または経鼻により、胃内に栄養剤または薬剤を投与する際に用いる医療用チューブに関する。
経口摂取が困難・不能な患者に対する経管栄養法として、持続的経鼻経管栄養法が主流となっており、広く用いられている。経鼻胃管栄養法は、柔軟な樹脂製のチューブを経鼻的に咽頭、食道を経由して胃内まで挿入し、そのチューブを栄養投与ルートとして栄養剤を投与する方法である。
この方法では、施術者は、チューブの先端部を確実に食道に挿通しなければならない。
しかしながら、チューブの挿通作業はブラインドで行われるため、チューブの先端部が誤って気管に挿入される場合がある。誤挿入に気づかないで気管内に栄養剤が投与されると、呼吸障害等の悪影響を引き起こすおそれがある。
上記のような課題に対し、従来では、体内に挿入したチューブで胃内容物を吸引し、内容物のpHを測定する方法、チューブを介して胃内に空気を注入し、気泡音を聴診器で確認する方法、チューブを介して排出される炭酸ガスの濃度を測定する方法等により、チューブの挿入個所を確認する必要があり、多大な手間を必要とする。
特開平9−99041号公報
本発明の目的は、栄養剤または薬剤を、胃内に確実に投与することができる安全性の高い医療用チューブを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1) 経口または経鼻により、胃内に栄養剤または薬剤を投与する医療用チューブであって、
壁部を貫通する貫通孔を有するチューブと、前記貫通孔を開閉する開閉手段とを備え、
前記開閉手段は、胃液との接触により体積が減少するゲルポリマーで構成され、胃液との接触により前記貫通孔を開状態とするシャッター部材を有することを特徴とする医療用チューブ。
(2) 前記貫通孔は、前記チューブの先端部に設けられた側孔であり、
前記シャッター部材は、前記貫通孔近傍の前記チューブを覆うよう設けられたリング状のものである上記(1)に記載の医療用チューブ。
(3) 前記シャッター部材は、前記貫通孔の先端側と基端側とにそれぞれ設けられている上記(2)に記載の医療用チューブ。
(4) 前記リング状をなすシャッター部材は、前記貫通孔に対応する窓部を有するものである上記(2)に記載の医療用チューブ。
(5) 前記シャッター部材の前記貫通孔と反対側の端部付近は、前記チューブに対して固定されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用チューブ。
(6) 前記ゲルポリマーは、その分子構造の一部にアニオン性基を有するものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療用チューブ。
(7) 前記ゲルポリマーは、前記アニオン性基を脱プロトン化する液体との接触により体積が増加し、前記貫通孔を塞ぐことによって、閉状態になるものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療用チューブ。
(8) 前記アニオン性基を脱プロトン化する液体として、中性緩衝液を用いる上記(7)に記載の医療用チューブ。
(9) 前記ゲルポリマーは、モノマー成分として、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの誘導体から選択される少なくとも1種を含むものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の医療用チューブ。
(10) 前記ゲルポリマーは、架橋剤として、エチレン性不飽和化合物を含むものである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の医療用チューブ。
本発明によれば、栄養チューブの先端部に設けられた栄養剤(または薬剤)を投与する孔部が、胃液との接触によって開状態をとるシャッター部材で開閉されるので、栄養剤を胃内に確実に投与することができる。すなわち、栄養チューブが誤って気管に挿入されたとしても、シャッター部材が閉状態を維持することができるので、栄養剤が気管内に投与されるのを防止することができる。その結果、患者に対して安全に栄養剤を投与することができる。
以下、本発明の医療用チューブを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の医療用チューブの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の医療用チューブの第1実施形態を示す斜視図、図2〜4は、図1に示す医療用チューブの使用状態を説明するための図である。なお、説明の都合上、図1中の右側および図2中の上側を「基端」、図1中の左側および図2中の下側を「先端」という。また、図1〜3中では、見易くするため、医療用チューブの長さ方向を短縮し、医療用チューブの太さ方向を誇張して模式的に図示したものであり、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは大きく異なる。
図1に示す栄養チューブ1(本発明の医療用チューブ)は、患者の口または鼻から食道を経由して胃内に挿入され、栄養剤(または薬剤)を投与するのに用いられるチューブであって、先端部にチューブの壁部を貫通する貫通孔21を有するチューブ本体2と、貫通孔21を開閉するシャッター部材3(開閉手段)とを有している。
このような栄養チューブ1は、先端部を患者の胃内に留置した状態で、患者の体外から胃内に栄養剤を供給するための栄養剤投与ルートを形成する。このとき、栄養剤は、チューブ本体2の基端側から供給され、栄養剤投与ルートを介して貫通孔21から胃内に投与される。本発明の医療用チューブは、シャッター部材3が胃液に接触したときに自動的に開状態となり、栄養剤の投与を可能にするものである。したがって、栄養チューブ1が気管に挿入されたり、体外にあるときは、シャッター部材3が閉状態となり、栄養剤を投与することができなくなっている。
以下、栄養チューブ1の各部の構成について詳述する。
図1に示すチューブ本体2は、可撓性を有する長尺状の管体であり、先端の端面は蓋体22によって塞がれている。
また、貫通孔21は、チューブ本体2の先端部の側壁を貫通する側孔である。図1に示すチューブ本体2では、貫通孔21が1つ設けられているが、2つ以上設けられていてもよい。
チューブ本体2の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリフッ化ビニリデン、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート等が挙げられる。
また、チューブ本体2の表面には、必要に応じて、被覆層を有していてもよい。この被覆層の構成材料としては、例えば、フッ素系樹脂等が挙げられる。
蓋体22は、チューブ本体2の先端面を閉塞するための栓であり、基端側はチューブ本体2の外径と同程度の外径であり、先端方向に向かって外径が漸減する略円錐状をなしている。このような蓋体22により、栄養チューブ1は、体腔内において容易かつスムーズな挿入が可能になる。
図1に示すシャッター部材3は、2つのリング状部材31、32で構成されている。これらのリング状部材31、32は、リング内側にチューブ本体2が挿通された状態で、貫通孔21を介して対向配置されている。すなわち、リング状部材31は、チューブ本体2の外周面を覆うように、貫通孔21の先端側に隣接して設けられており、一方、リング状部材32は、貫通孔21を介してリング状部材31と反対側(貫通孔21の基端側)に隣接して設けられている。
このようなリング状部材31、32は、それぞれ、液体との接触により体積が変化する性質を有するものである。
すなわち、これらのリング状部材31、32を構成するゲルポリマーは、ゲル化する前の乾燥状態では、ゲル状態をなしていないが、内部に液体を取り込むことによって膨張(膨潤)し、ゲル化する性質を有するものである。また、このようにして膨張したゲルポリマーは、所定の性質の液体と接触することにより、取り込んだ液体を放出して収縮する性質をも有するものである。
すなわち、このゲルポリマーは、接触する液体の性質により、膨張・収縮を選択可能なものである。このようなゲルポリマーは、一般に「環境感受性ゲルポリマー」と称される。
以上のようなことから、シャッター部材3は、接触する液体の性質によって、各リング状部材31、32が膨張し、貫通孔21を閉塞したり(閉状態となったり)、この閉状態から各リング状部材31、32が収縮すると、貫通孔21の閉塞が解除され、開状態となったりする。したがって、シャッター部材3が閉状態にあるとき、患者の体外と胃内とを繋ぐ栄養剤投与ルートは不通であり、栄養剤を投与することができない。一方、シャッター部材3が開状態にあるとき、栄養剤投与ルートが通じ、栄養剤を胃内に投与することができる。なお、図1は、開状態にある栄養チューブ1を示すものである。
環境感受性ゲルポリマーは、主に、環境感受性のモノマー成分またはプレポリマー成分を重合・架橋してなる架橋体であり、三次元網目構造を有するポリマーで構成される。
このような環境感受性ゲルポリマーは、分子鎖の隙間に空孔を有している。この空孔は、分子鎖間の結合力に応じて拡大・縮小するが、この分子鎖間の結合力は、ゲルポリマーが存在する環境に応じて変化する。このような性質により、環境感受性ゲルポリマーは、環境の変化に応じて、空孔内に液体を取り込んだり、取り込んだ液体を排出したりすることができる。
環境感受性ゲルポリマーのモノマー成分またはプレポリマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらの誘導体、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルリン酸等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
このうち、アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらの誘導体が特に好ましく用いられる。アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらの誘導体は、環境感受性のモノマー成分(プレポリマー成分)であり、これらを含むゲルポリマーは、後述するイオン性官能基を有するものとなるため、より環境感受性の高いものとなる。
また、環境感受性ゲルポリマーのモノマー成分またはプレポリマー成分は、上記のほかに、2−ヒドロキシエチルアクリラート、2−ヒドロキシエチルメタクリラート、アクリルアミドやメタクリルアミド、またはこれらの誘導体のようなエチレン性不飽和モノマーを含むのが好ましい。
このうち、アクリルアミドが特に好ましく用いられる。アクリルアミドを含むことにより、ゲルポリマーの機械的特性を高めることができる。
また、モノマー成分またはプレポリマー成分は、その分子構造の一部にイオン性官能基を有する。これにより、環境感受性ゲルポリマーは、接触する液体の組成や含まれるイオンの濃度等に応じて、選択的に膨張率・収縮率が高くなる。このため、シャッター部材3の開閉をより確実に調整することができる。また、環境感受性ゲルポリマーの親水性が高くなるため、より多くの液体を積極的に吸収し、膨張し得るものとなる。
このイオン性官能基は、アニオン性基であり、このようなイオン性官能基を含む環境感受性ゲルポリマーは、脱プロトン化することにより膨張する。また、膨張した環境感受性ゲルポリマーは、プロトン化することにより収縮する。したがって、アニオン性基を含む環境感受性ゲルポリマーは、脱プロトン化作用を示す液体に接触することにより膨張し、その後、プロトン化作用を示す液体に接触することにより収縮する。
アニオン性基としては、例えば、カルボン酸基、メルカプト基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。
なお、各リング状部材31、32の非膨張時の厚さ(チューブ本体2の径方向に平行な厚さ)および長さ(チューブ本体2に長手方向に並行な長さ)は、貫通孔21の口径に応じて、適宜選択されるが、膨張が飽和した状態(最も膨張した状態)で2つのリング状部材31、32が貫通孔21を塞ぎ得るような厚さであるのが好ましい。各リング状部材31、32の厚さをこのように設定することにより、シャッター部材3の開閉を確実に行うことができる。
具体的には、各リング状部材31、32の非膨張時の平均厚さは、10μm〜1mm程度であるのが好ましく、20〜500μm程度であるのがより好ましい。
また、各リング状部材31、32の非膨張時の長さは、3〜20mm程度であるのが好ましく、5〜15mm程度であるのがより好ましい。
また、チューブ本体2の表面の、リング状部材31の先端部付近と、リング状部材32の基端部付近には、それぞれ、各リング状部材31、32の厚さより高さが低い凸条23が設けられている。凸条23は、リング状をなしており、この凸条23に覆いかぶさるように、各リング状部材31、32が設けられている。これにより、各リング状部材31、32は、凸条23に引っ掛かることによって、チューブ本体2に固定されることとなる。その結果、各リング状部材31、32が膨張する際に、凸条23に引っ掛かっている部分は、膨張が抑制されることとなり、その反対側の部分の膨張が促進されることとなる。すなわち、リング状部材31の基端側の膨張とリング状部材32の先端側の膨張がそれぞれ促進されることとなり、貫通孔21の開閉をより効率よく行うことができる。
なお、凸条23は、各リング状部材31、32をチューブ本体2の表面に固定し得るものであればよく、その形状は特に限定されない。例えば、凸条23に換えて、接着剤を用いて各リング状部材31、32をチューブ本体2の表面に固定するようにしてもよい。
次に、上記のような栄養チューブ1の使用方法(作用)について説明する。
経鼻胃管栄養法では、チューブを鼻から挿入し、先端部を患者の胃内に留置する。
この操作に先立って、栄養チューブ1において、各リング状部材31、32を膨張させてシャッター部材3を閉状態とする。これにより、栄養剤投与ルートが不通となる。
シャッター部材3を閉状態にするには、まず、図2(a)に示す栄養チューブ1を用意し、次に、シャッター部材3を高pHの液体Lに浸漬する(図2(b)参照)。これにより、ゲルポリマーが高pHの液体Lに接触する。ここで、高pHの液体Lは、患者の胃液より相対的にpHが大きい液体であればよいが、好ましくはpH7〜11程度、より好ましくはpH7〜10程度とされる。このような高pHの液体Lは、脱プロトン化作用が胃液より強いため、ゲルポリマー中のアニオン性基を速やかに脱プロトン化する。これにより、各リング状部材31、32は速やかに膨張し、シャッター部材3は閉状態となる。
このような高pHの液体Lには、pHを調整した緩衝液が好適であり、pH7前後の中性緩衝液が特に好適に用いられる。中性緩衝液は生体安全性が高いため、仮に、膨張したシャッター部材3が胃内で収縮する際に、シャッター部材3中に取り込まれた中性緩衝液が胃内に拡散したとしても、胃内の生体安全性を確保することができる。
次に、図3に示すように、シャッター部材3が閉状態にある栄養チューブ1を、患者の鼻から挿入し、先端部を胃内に留置する。すると、シャッター部材3が胃液に接触する。胃液は、通常pH1〜3程度と強酸性液体であるため、シャッター部材3は速やかにプロトン化される。その結果、各リング状部材31、32は収縮し、シャッター部材3が開状態となる。これにより、栄養剤投与ルートが開通する。
栄養剤投与ルートが開通すると、基端側から栄養チューブ1内に栄養剤を供給することによって、図3中の矢印で示すように、栄養剤投与ルートを介して栄養剤が貫通孔21から胃内へと投与される。
なお、栄養チューブ1は、通常、図4に実線で示すように、鼻腔、咽頭を経て食道に挿入されるが、万が一、図4に破線で示すように、患者の気管に挿入されたとしても、シャッター部材3は閉状態を維持することができる。これは、気管内または肺内に存在する液体は通常中性であるため、この液体にシャッター部材3が接触したとしても、各リング状部材31、32が収縮することはないからである。すなわち、栄養チューブ1は、気管内または肺内においてシャッター部材3が閉状態に維持され、栄養剤投与ルートを不通の状態で維持される。したがって、栄養チューブ1によれば、気管内または肺内への栄養剤の誤投与を確実に防止することができる。
以上のようにして、患者の気管内に栄養剤が投与されるのを防止しつつ、胃内に確実に栄養剤を投与することができる。
次に、栄養チューブ1の作製方法について説明する。
[1]まず、シャッター部材3を形成するための原材料を準備する。
ゲルポリマーの原料となるモノマー成分(プレポリマー成分)、架橋剤、重合開始剤および溶媒を用意する。そして、これらを混合し、溶液を調製する。これにより、モノマー成分が重合するとともに立体的に架橋し、三次元網目構造を形成してなるゲルポリマーが得られる。
なお、全モノマー成分中の環境感受性モノマー成分の含有率は、10〜50質量%程度であるのが好ましく、10〜30質量%程度であるのがより好ましい。
また、溶液中のモノマー成分の含有率は、特に限定されないが、好ましくは20〜30質量%程度とされる。
架橋剤としては、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテルのようなエチレン性不飽和化合物等が挙げられる。エチレン性不飽和化合物は、モノマー成分とともに三次元網目構造を確実に形成し得る架橋剤として機能するため、シャッター部材3を形成するための架橋剤として特に好適なものである。
このうち、N,N’−メチレンビスアクリルアミドがより好ましく用いられる。
溶液中の架橋剤の含有率は、特に限定されないが、好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満とされる。
また、重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
また、溶媒には、例えば、水、エタノール等を用いることができる。
さらに、必要に応じて、溶液中に造孔剤を含んでいてもよい。これにより、シャッター部材3として、多孔質状のものが得られる。このような多孔質状のシャッター部材3は、表面積が大きいため、液体の吸収速度が高くなり、膨張速度の高いものとなる。
造孔剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、氷、スクロース、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。
また、造孔剤の平均粒径は、好ましくは1〜25μm程度、より好ましくは3〜10μm程度とされる。
さらに、溶液中の造孔剤の含有率は、5〜50質量%程度であるのが好ましく、10〜20質量%程度であるのがより好ましい。
また、必要に応じて、溶液中にX線不透過材料で構成された粒子を含んでいてもよい。これにより、シャッター部材3にX線造影性が得られ、X線透視下で栄養チューブ1の先端部の位置を容易に確認することができる。
[2]次いで、得られた溶液を、チューブ本体2の表面の、シャッター部材3を形成すべき個所に塗布する。これにより、チューブ本体2の表面にゲルポリマーの層が形成される。
溶液の塗布方法としては、例えば、浸漬法、刷毛塗り法、ディスペンサ法等が挙げられる。
[3]次いで、得られたゲルポリマーの層を、洗浄液で洗浄する。これにより、未反応の残留モノマー成分、造孔剤等を除去する。
以上のように、チューブ本体2の表面にシャッター部材3を形成し、栄養チューブ1を作製することができる。
<第2実施形態>
図5は、本発明の医療用チューブの第2実施形態を示す斜視図である。なお、説明の都合上、図5中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図5中では、見易くするため、医療用チューブの長さ方向を短縮し、医療用チューブの太さ方向を誇張して模式的に図示したものであり、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは大きく異なる。
以下、この図を参照して本発明の医療用チューブの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、開状態にある(収縮した)シャッター部材3が、貫通孔21に対応する窓部を有するリング状部材であること以外は前記第1実施形態と同様である。
すなわち、図5に示す栄養チューブ1は、先端部にチューブ内外を貫通する貫通孔21を有するチューブ本体2と、貫通孔21を開閉するシャッター部材3とを有している。
図5に示すシャッター部材3は、チューブ本体2の表面のうち、長手方向で貫通孔21と同じ位置に設けられている。また、シャッター部材3は、開状態にあるとき、貫通孔21と同様の大きさの窓部33が形成されたリング状をなしており、貫通孔21の開口と窓部33とが重なるように設けられている。
シャッター部材3が開状態にあるとき、図5(a)に示すように、貫通孔21と窓部33とが連通し、栄養剤投与ルートが開通する。
一方、シャッター部材3を構成するゲルポリマーが膨張すると、窓部33が塞がり、図5(b)に示すように、シャッター部材3が閉状態となる。その結果、貫通孔21が閉塞され、栄養剤投与ルートが不通となる。
以上のような第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
また、図5に示すシャッター部材3は、貫通孔21を取り囲むようにゲルポリマーが配置されているため、より短時間で貫通孔21を開閉することができる。
なお、窓部33の形状は、特に限定されず、例えば、窓部33が長手方向に拡張されることによって、シャッター部材3が、一部が欠損したリング状をなすものになってもよい。
以上、本発明の医療用チューブを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、医療用チューブを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
例えば、前記各実施形態では、貫通孔21がチューブ本体2の側壁に形成されているが、貫通孔21は、チューブ本体2の先端面にあってもよい。
また、本発明の医療用チューブは、前記各実施形態の構成を組み合わせたものであってもよい。
本発明の医療用チューブの第1実施形態を示す斜視図である。 図1に示す医療用チューブの使用状態を説明するための図である。 図1に示す医療用チューブの使用状態を説明するための図である。 図1に示す医療用チューブの使用状態を説明するための図である。 本発明の医療用チューブの第2実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
1 医療用チューブ
2 チューブ本体
21 貫通孔
22 蓋体
23 凸条
3 シャッター部材
31、32 リング状部材
33 窓部
L 高pHの液体

Claims (10)

  1. 経口または経鼻により、胃内に栄養剤または薬剤を投与する医療用チューブであって、
    壁部を貫通する貫通孔を有するチューブと、前記貫通孔を開閉する開閉手段とを備え、
    前記開閉手段は、胃液との接触により体積が減少するゲルポリマーで構成され、胃液との接触により前記貫通孔を開状態とするシャッター部材を有することを特徴とする医療用チューブ。
  2. 前記貫通孔は、前記チューブの先端部に設けられた側孔であり、
    前記シャッター部材は、前記貫通孔近傍の前記チューブを覆うよう設けられたリング状のものである請求項1に記載の医療用チューブ。
  3. 前記シャッター部材は、前記貫通孔の先端側と基端側とにそれぞれ設けられている請求項2に記載の医療用チューブ。
  4. 前記リング状をなすシャッター部材は、前記貫通孔に対応する窓部を有するものである請求項2に記載の医療用チューブ。
  5. 前記シャッター部材の前記貫通孔と反対側の端部付近は、前記チューブに対して固定されている請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用チューブ。
  6. 前記ゲルポリマーは、その分子構造の一部にアニオン性基を有するものである請求項1ないし5のいずれかに記載の医療用チューブ。
  7. 前記ゲルポリマーは、前記アニオン性基を脱プロトン化する液体との接触により体積が増加し、前記貫通孔を塞ぐことによって、閉状態になるものである請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用チューブ。
  8. 前記アニオン性基を脱プロトン化する液体として、中性緩衝液を用いる請求項7に記載の医療用チューブ。
  9. 前記ゲルポリマーは、モノマー成分として、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの誘導体から選択される少なくとも1種を含むものである請求項1ないし8のいずれかに記載の医療用チューブ。
  10. 前記ゲルポリマーは、架橋剤として、エチレン性不飽和化合物を含むものである請求項1ないし9のいずれかに記載の医療用チューブ。
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KR20180079952A (ko) * 2017-01-03 2018-07-11 이세효 유도철심을 사용하여 이물감을 감소시킨 위장용 영양관
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