JP2009207227A - モータの電機子コアおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数の増加を来たすことなく、ティースとコア本体の嵌合部強度の向上を図ることのできるモータの電機子コアおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】圧粉磁性材から成るステータリング13U,13V,13Wの嵌合部や他部材との圧接部、ロータとの対向面28以外の部分に琺瑯を塗布し、その状態で大気焼成を行う。琺瑯を塗布した部分は非酸化処理部nとなり、琺瑯を塗布しなかった部分には酸化処理層oが形成される。酸化処理層oによって嵌合部等の強度が高まる。非酸化処理部nでは鉄損が生じにくくなる。
【選択図】図3
【解決手段】圧粉磁性材から成るステータリング13U,13V,13Wの嵌合部や他部材との圧接部、ロータとの対向面28以外の部分に琺瑯を塗布し、その状態で大気焼成を行う。琺瑯を塗布した部分は非酸化処理部nとなり、琺瑯を塗布しなかった部分には酸化処理層oが形成される。酸化処理層oによって嵌合部等の強度が高まる。非酸化処理部nでは鉄損が生じにくくなる。
【選択図】図3
Description
この発明は、圧粉磁性材を主材料として形成されるモータの電機子コアとその製造方法に関するものである。
モータのステータ側の電機子コアが圧粉磁性材によって形成されたものが知られいている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の電機子コアは、円環状のコア本体と、複数のティースが別々に圧粉磁性材によって形成され、各ティースの基端に形成した凸部を、コア本体側の凹部に嵌合することによってコア本体とティースが一体化されている。また、ティース側の凸部には、嵌合部の強度を高めるためにティース補強部材が取付けられている。
特開2007−325362号公報
特許文献1に記載の電機子コアは、円環状のコア本体と、複数のティースが別々に圧粉磁性材によって形成され、各ティースの基端に形成した凸部を、コア本体側の凹部に嵌合することによってコア本体とティースが一体化されている。また、ティース側の凸部には、嵌合部の強度を高めるためにティース補強部材が取付けられている。
しかし、この従来の電機子コアにおいては、ティースとコア本体の嵌合部の強度を高めるために別体のティース補強部材を取り付けなければならないため、部品点数が多くなり、製造が煩雑になることが懸念される。
そこで、この発明は、部品点数の増加を来たすことなく、ティースとコア本体の嵌合部強度の向上を図ることのできるモータの電機子コアおよびその製造方法を提供しようとするものである。
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、圧粉磁性材から成るコア本体(例えば、後述の実施形態におけるリターンパスブロック15u,15v,15w)と、圧粉磁性材から成り電磁コイル(例えば、後述の実施形態における環状コイル21U,21W)が巻回されるティース(例えば、後述の実施形態におけるティース16u,16v,16w)と、を備え、前記コア本体とティースに相互に嵌合される嵌合部(例えば、後述の実施形態における係合突起23および係止溝24)が設けられ、前記コア本体とティースが前記嵌合部での嵌合によって連結されているモータの電機子コアにおいて、前記コア本体とティースの嵌合部に酸化処理層(例えば、後述の実施形態における酸化処理層o)を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータの電機子コアにおいて、前記コア本体とティースの少なくとも前記嵌合部を除く部位の表面に非酸化処理部(例えば、後述の実施形態における非酸化処理部n)を設けたことを特徴とする。
これにより、コア本体とティースの表面のうちの嵌合部を除く領域に酸化されない部分ができる。
これにより、コア本体とティースの表面のうちの嵌合部を除く領域に酸化されない部分ができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のモータの電機子コアにおいて、前記コア本体とティースのうちの、少なくとも前記嵌合部と、エアギャップを介して相対変位する磁気作用相手部材(例えば、後述の実施形態におけるロータ12)との対向面(例えば、後述の実施形態における対向面28)とを除く部位の表面に非酸化処理部を設けたことを特徴とする。
これにより、コア本体とティースの表面のうちの嵌合部と、磁気作用相手部材との対向面を除く領域に酸化されない部分ができる。
これにより、コア本体とティースの表面のうちの嵌合部と、磁気作用相手部材との対向面を除く領域に酸化されない部分ができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載のモータの電機子コアにおいて、前記非酸化処理部は、琺瑯膜が被着されて成ることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、圧粉磁性材から成るコア本体と、圧粉磁性材から成り電磁コイルが巻回されるティースと、を備え、前記コア本体とティースに相互に嵌合される嵌合部が設けられ、前記コア本体とティースが前記嵌合部での嵌合によって連結されているモータの電機子コアの製造方法において、前記コア本体とティースの少なくとも前記嵌合部を除く表面に酸化防止膜処理を行う工程と、その後に大気焼成を行う工程と、を備えていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、圧粉磁性材から成るコア本体と、圧粉磁性材から成り電磁コイルが巻回されるティースと、を備え、前記コア本体とティースに相互に嵌合される嵌合部が設けられ、前記コア本体とティースが前記嵌合部での嵌合によって連結されているモータの電機子コアの製造方法において、前記コア本体とティースのうちの、少なくとも前記嵌合部と、エアギャップを介して相対変位する磁気作用相手部材との対向面とを除く部位の表面に酸化防止膜処理を行う工程と、その後に大気焼成を行う工程と、を備えていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載のモータの電機子コアの製造方法において、前記酸化防止膜処理は琺瑯を塗布することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、コア本体とティースの嵌合部に酸化処理層を設けたため、部品点数の増加を来たすことなく、ティースとコア本体の嵌合部の強度を向上させることが可能になる。
請求項2に記載の発明によれば、コア本体とティースの表面のうちの嵌合部を除く領域に酸化されない部分ができるため、嵌合部の強度を高めつつ、電機子コアでの鉄損を少なくすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、コア本体とティースの表面のうちの嵌合部と、磁気作用相手部材との対向面を除く領域に酸化されない部分ができるため、嵌合部の強度を高め、かつ、磁気作用相手部材との隙間寸法の精度を高めつつ、電機子コアでの鉄損を少なくすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、琺瑯膜を被着して非酸化処理部を構成したため、高温で加熱する前に琺瑯の釉薬を塗布することで、容易にかつ精度良く非酸化処理部を設けることができ、生産効率を高めることが可能になる。また、琺瑯膜は表面が滑らかで充分な硬度をもつため、電磁コイルに対する保護効果も得ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、コア本体とティースの少なくとも嵌合部を除く表面に酸化防止膜処理を行った後に大気焼成を行うため、一連の容易な作業によって電機子コアの表面に、嵌合部の酸化処理層と、非酸化処理部とを設けることができる。
請求項6に記載の発明によれば、コア本体とティースのうちの、少なくとも嵌合部と、磁気作用相手部材との対向面とを除く部位の表面に酸化防止膜処理を行い、その後に大気焼成を行うため、一連の容易な作業によって電機子コアの表面に、嵌合部および対向面の酸化処理層と、非酸化処理部とを設けることができる。
請求項7に記載の発明によれば、酸化防止膜処理で琺瑯を塗布するため、その後の大気焼成によって琺瑯膜の焼成と、他の部分の酸化処理を同時に行うことができ、生産効率をより高めることが可能になる。
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明にかかる電機子コアをステータ10として用いたクローポール型モータ1を示すものであり、図2,図3は、同モータ1のステータ10単体の組立状態での斜視図と分解斜視図である。
このモータ1は、例えば、ハイブリッド車両のエンジンとトランスミッションの間で両者に直結され、モータ動力を、トランスミッションを介して車輪に伝達するとともに、車輪やエンジンの動力を用いて発電を行うのに用いられる。ステータ10は、エンジンブロックに一体に結合されるアルミニウム製のモータハウジング(図示せず)の内部に取り付けられ、その内周側に同軸にロータ12(磁気作用相手部材)が回転可能に配置されている。ロータ12側には円周方向に沿って複数の永久磁石20が取り付けられ、ステータ10は、ロータ12を回転させるための回転磁界を発生する。
図1は、この発明にかかる電機子コアをステータ10として用いたクローポール型モータ1を示すものであり、図2,図3は、同モータ1のステータ10単体の組立状態での斜視図と分解斜視図である。
このモータ1は、例えば、ハイブリッド車両のエンジンとトランスミッションの間で両者に直結され、モータ動力を、トランスミッションを介して車輪に伝達するとともに、車輪やエンジンの動力を用いて発電を行うのに用いられる。ステータ10は、エンジンブロックに一体に結合されるアルミニウム製のモータハウジング(図示せず)の内部に取り付けられ、その内周側に同軸にロータ12(磁気作用相手部材)が回転可能に配置されている。ロータ12側には円周方向に沿って複数の永久磁石20が取り付けられ、ステータ10は、ロータ12を回転させるための回転磁界を発生する。
ステータ10は、U相,V相,W相の3相のステータリング13U,13V,13Wと、これらに係合されるU相とW相の環状コイル21U,21W(電磁コイル)を備えている。なお、図2においては、環状コイル21U,21Wが省略されている。
各ステータリング13U,13V,13Wは鉄系の圧粉磁性材によって形成され、外周壁をなす円環状のリターンパスブロック15u,15v,15w(コア本体)と、リターンパスブロック15u,15v,15wの内周から径方向内側に突出して環状コイル21U,21Wが係合される複数のティース16u,16v,16wと、を備えている。ステータリング13U,13V,13Wは、リターンパスブロック15u,15v,15wが軸方向に積層され、その状態で各ティース16u,16v,16wが円周方向に沿って所定の順序で配列されるようになっている。また、各ティース16u,16v,16wの径方向内側の端部には、ティース16u,16v,16wの一般断面よりも一回り大きく外側に張り出し、ロータ12の外周面に対峙して磁束の入出が行われる磁極爪17u,17v,17wが設けられている。
各ステータリング13U,13V,13Wは鉄系の圧粉磁性材によって形成され、外周壁をなす円環状のリターンパスブロック15u,15v,15w(コア本体)と、リターンパスブロック15u,15v,15wの内周から径方向内側に突出して環状コイル21U,21Wが係合される複数のティース16u,16v,16wと、を備えている。ステータリング13U,13V,13Wは、リターンパスブロック15u,15v,15wが軸方向に積層され、その状態で各ティース16u,16v,16wが円周方向に沿って所定の順序で配列されるようになっている。また、各ティース16u,16v,16wの径方向内側の端部には、ティース16u,16v,16wの一般断面よりも一回り大きく外側に張り出し、ロータ12の外周面に対峙して磁束の入出が行われる磁極爪17u,17v,17wが設けられている。
軸方向両側のステータリング13U,13Wは同構造とされ、両者が鏡面対象を成すようにステータリング13Vを間に挟んで組み付けられる。そして、ステータリング13U,13Wの各ティース16u,16wは、リターンパスブロック15u,15wとの連接領域から軸方向の一端側に山形状に膨出し、膨出部の先端側は、3相のステータリング13U,13V,13Wが組み立てられた状態において、他方のステータリング13W,13Uの内側領域の近傍まで達するようになっている。
また、軸方向中央のステータリング13Vの各ティース16vは、リターンパスブロック15vとの連接領域から軸方向の両側に膨出し、全体として略矩形状断面に形成されている。
また、軸方向中央のステータリング13Vの各ティース16vは、リターンパスブロック15vとの連接領域から軸方向の両側に膨出し、全体として略矩形状断面に形成されている。
環状コイル21U,21Wは平角線から成り、線材がそれぞれ所定数周回されて環状の帯として束ねられ、その後にプレス成形によって軸方向に蛇行した波形形状に造形されている。図10のステータ10の断面図に示すように、一方の環状コイル21Uは、ステータリング13Uのティース16uの断面の膨出部形状に略沿う山形状の蛇行曲げ部22uがティース16uと同数形成され、他方の環状コイル21Wは、同様にステータリング13Wのティース16wの断面の膨出部形状に略沿う山形状の蛇行曲げ部22wがティース16wと同数形成されている。
環状コイル21U,21Wは、ステータ10を組み立てる際に蛇行曲げ部22u,22wを各ステータリング13U,13Wのティース16u,16wに合致させるようにして、ステータリング13U,13V,13Wの内側に組み付けられる。こうしてステータリング13U,13V,13W内に組み付けられた環状コイル21U,21Wは蛇行曲げ部22u,22wがステータリング13U,13Wの山形状の各ティース16u,16wに沿って配置され、隣接する蛇行曲げ部22u,22wの間には、軸方向中央のステータリング13Vのティース16vが配置される。これにより、環状コイル21U,21Wは、ティース16vの周囲の相反領域にそれぞれ沿って配置される。
両環状コイル21U,21Wの蛇行曲げ部22u,22wは、相手環状コイル21W,21Uに対向する側に膨出し、互いに電気角で240°の位相差を持つように配置される。そして、両環状コイル21U,21WはV字状に結線され、互いの位相差が120°を成す正弦波で通電されることにより、回転磁界を発生する。
両環状コイル21U,21Wの蛇行曲げ部22u,22wは、相手環状コイル21W,21Uに対向する側に膨出し、互いに電気角で240°の位相差を持つように配置される。そして、両環状コイル21U,21WはV字状に結線され、互いの位相差が120°を成す正弦波で通電されることにより、回転磁界を発生する。
また、各ステータリング13U,13V,13Wの外周縁部には、リターンパスブロック15u,15v,15wの径方向外側に膨出する複数の膨出部18が設けられ、ステータリング13U,13V,13Wが軸方向で積層された状態において、膨出部18が図示しない締結ボルトによってモータハウジングに締結固定されるようになっている。
図4は、軸方向両側のステータリング13U,13Wのリターンパスブロック15u,15wを示す斜視図であり、図5(A),(B)は、ステータリング13U,13Wのティース16u,16wをそれぞれ別角度から見た斜視図、図6は、リターンパスブロック15u,15wとティース16u,16wの結合状態を示す斜視図である。また、図7は、軸方向中央のステータリング13Vのリターンパスブロック15vを示す斜視図であり、図8(A),(B)は、ステータリング13Vのティース16vをそれぞれ別角度から見た斜視図、図9は、リターンパスブロック15vとティース16vの結合状態を示す斜視図である。
これらの図に示すように、ステータリング13U,13V,13Wは、円環状のリターンパスブロック15u,15v,15wと各ティース16u,16v,16wが圧粉成形によって別部品として形成されている。各ティース16u,16v,16wの付根部には楔状の係合突起23(嵌合部)が突設され、リターンパスブロック15u,15v,15wの内周面には、対応するティース16u,16v,16wの係合突起23が嵌合される係止溝24(嵌合部)が形成されている。ティース16u,16v,16wとリターンパスブロック15u,15v,15wは係合突起23と係止溝24の嵌合によって相互に結合されている。
これらの図に示すように、ステータリング13U,13V,13Wは、円環状のリターンパスブロック15u,15v,15wと各ティース16u,16v,16wが圧粉成形によって別部品として形成されている。各ティース16u,16v,16wの付根部には楔状の係合突起23(嵌合部)が突設され、リターンパスブロック15u,15v,15wの内周面には、対応するティース16u,16v,16wの係合突起23が嵌合される係止溝24(嵌合部)が形成されている。ティース16u,16v,16wとリターンパスブロック15u,15v,15wは係合突起23と係止溝24の嵌合によって相互に結合されている。
ところで、ステータリング13U,13V,13Wを構成するリターンパスブロック15u,15v,15wとティース16u,16v,16wは、圧粉磁性材を型成形によって所定形状に造形した後に、以下で詳述する各処理によって内部歪の除去と、酸化による部分的な表面硬化が行われる。図4〜図9のうちのドットが付されている部分は、酸化による表面の硬化が行われていない非酸化処理部nであり、ドットの付されていない部分は、酸化による表面硬化が行われている酸化処理層oである。
具体的には、リターンパスブロック15u,15v,15wについては、ティース16u,16v,16wとの嵌合部となる係止溝24の内側と、締結ボルトの締め込みによる圧接荷重が作用する軸方向の端面26とに酸化処理層oが設けられ、その他の部分が非酸化処理部nとなっている。また、ティース16u,16v,16wについては、係合突起23を含む基端側の端面27と、ロータ12の外周面にエアギャップを介して対峙する磁極爪17u,17v,17wの対向面28とに酸化処理層oが設けられ、その他の部分が非酸化処理部nとなっている。なお、軸方向両側のステータリング13U,13Wのティース16u,16wについては、軸方向外側に向く端面29にも酸化処理層oが設けられている。
具体的には、リターンパスブロック15u,15v,15wについては、ティース16u,16v,16wとの嵌合部となる係止溝24の内側と、締結ボルトの締め込みによる圧接荷重が作用する軸方向の端面26とに酸化処理層oが設けられ、その他の部分が非酸化処理部nとなっている。また、ティース16u,16v,16wについては、係合突起23を含む基端側の端面27と、ロータ12の外周面にエアギャップを介して対峙する磁極爪17u,17v,17wの対向面28とに酸化処理層oが設けられ、その他の部分が非酸化処理部nとなっている。なお、軸方向両側のステータリング13U,13Wのティース16u,16wについては、軸方向外側に向く端面29にも酸化処理層oが設けられている。
以下、リターンパスブロック15u,15v,15wとティース16u,16v,16wの製造方法について図12の工程図を参照して説明する。なお、圧粉磁性材を型成形によって造形したものを圧粉成形体wと呼ぶものとする。
最初に、圧粉成形体wに対し、工程Aにおいて、窒素焼成を行うことによって内部の歪を除去し、その後に、工程Bにおいて、圧粉成形体wの表面の所定領域(非酸化処理部nに相当する領域)に非酸化処理剤30を塗布する(酸化防止膜処理)。この場合の非酸化処理剤30は、耐熱性を有し、かつ液状で圧粉成形体wの表面に容易に塗布できるものが望ましい。この例の場合、非酸化処理剤30として琺瑯の釉薬を用いている。なお、圧粉成形体wの表面に非酸化処理剤30を塗布するに際しては、塗布部以外をマスキングテープで覆って塗布を行い、塗布完了後にそのマスキングテープを除去する。
次に、工程Cにおいて、琺瑯(非酸化処理剤30)を塗布した圧粉成形体wに対して大気焼成を行い、圧粉成形体wの表面の琺瑯(非酸化処理剤30)のない領域に酸化処理層o(酸化鉄)を生成すると同時に、琺瑯の釉薬を高温で焼き付けて琺瑯膜31を生成する。
最初に、圧粉成形体wに対し、工程Aにおいて、窒素焼成を行うことによって内部の歪を除去し、その後に、工程Bにおいて、圧粉成形体wの表面の所定領域(非酸化処理部nに相当する領域)に非酸化処理剤30を塗布する(酸化防止膜処理)。この場合の非酸化処理剤30は、耐熱性を有し、かつ液状で圧粉成形体wの表面に容易に塗布できるものが望ましい。この例の場合、非酸化処理剤30として琺瑯の釉薬を用いている。なお、圧粉成形体wの表面に非酸化処理剤30を塗布するに際しては、塗布部以外をマスキングテープで覆って塗布を行い、塗布完了後にそのマスキングテープを除去する。
次に、工程Cにおいて、琺瑯(非酸化処理剤30)を塗布した圧粉成形体wに対して大気焼成を行い、圧粉成形体wの表面の琺瑯(非酸化処理剤30)のない領域に酸化処理層o(酸化鉄)を生成すると同時に、琺瑯の釉薬を高温で焼き付けて琺瑯膜31を生成する。
こうして製造されたリターンパスブロック15u,15v,15wとティース16u,16v,16wは、嵌合部(係止溝24,係合突起23)および他部材との圧接部(端面26,27)と、ロータ12との対向面28のみに酸化処理層oが形成され、他の部分には酸化処理層oが形成されないことになる。したがって、最終的に組み付けられたステータ10は表面の大半の部分が非酸化処理部nとなり、全域を酸化処理する場合に比較して鉄損が大幅に低減される。
そして、嵌合部(係止溝24,係合突起23)と圧接部(端面26,27)については、強度部品の追加を行うことなく、表面の酸化処理層oによって充分な強度を得ることが可能になる。また、ティース16u,16v,16wのロータ12との対向面28は、その表面に酸化処理層oが設けられることにより、ロータ12とのギャップ精度を高く維持することが可能になる。
よって、このステータ10においては、図13の鉄損と強度のバランス図に示すように、不要部位に非酸化処理剤30によるマスキングを施して大気焼成を行うことにより、必要部位の充分な強度を確保しつつ、鉄損を充分に低減することができる。
そして、嵌合部(係止溝24,係合突起23)と圧接部(端面26,27)については、強度部品の追加を行うことなく、表面の酸化処理層oによって充分な強度を得ることが可能になる。また、ティース16u,16v,16wのロータ12との対向面28は、その表面に酸化処理層oが設けられることにより、ロータ12とのギャップ精度を高く維持することが可能になる。
よって、このステータ10においては、図13の鉄損と強度のバランス図に示すように、不要部位に非酸化処理剤30によるマスキングを施して大気焼成を行うことにより、必要部位の充分な強度を確保しつつ、鉄損を充分に低減することができる。
また、このステータ10の製造においては、必要部位に非酸化処理剤30を塗布して大気焼成を行うため、マスキングテープを用いる場合に比較して、非酸化処理部nを精度良く、容易に設けることができる。
さらに、上記の例のように非酸化処理剤30として琺瑯を用いた場合には、大気焼成後に剥離する必要がなく、製造が容易であるとともに、表面が滑らかで充分な硬度をもつ琺瑯膜31によってステータ表面の多く部分をコーティングすることができる。
図11は、成形型から取り出したティース16u,16wの圧粉成形体wであるが、例えば、同図に示すようにティース16u,16wのコイルガイド面44上に成形型の見切り部によるバリ45があっても、大気焼成後にコイルガイド面44全域が琺瑯膜31(図10参照)でコーティングされることにより、バリ45による環状コイル21U,21W(電磁コイル)の損傷を防止することが可能になる。
図11は、成形型から取り出したティース16u,16wの圧粉成形体wであるが、例えば、同図に示すようにティース16u,16wのコイルガイド面44上に成形型の見切り部によるバリ45があっても、大気焼成後にコイルガイド面44全域が琺瑯膜31(図10参照)でコーティングされることにより、バリ45による環状コイル21U,21W(電磁コイル)の損傷を防止することが可能になる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、非酸化処理層の形成は琺瑯処理に限らず、他のセラミックコーティングやグラスライニング等を用いることも可能である。
また、上記の実施形態においては、この発明にかかる電機子コアをステータ側に用いたが、この発明にかかる電機子コアはロータ側に適用することも可能である。さらに、モータは回転タイプに限らず、直線的に作動するリニアモータであっても良い。
また、上記の実施形態においては、この発明にかかる電機子コアをステータ側に用いたが、この発明にかかる電機子コアはロータ側に適用することも可能である。さらに、モータは回転タイプに限らず、直線的に作動するリニアモータであっても良い。
10…ステータ(電機子コア)
12…ロータ(磁気作用相手部材)
15u,15v,15w…リターンパスブロック(コア本体)
16u,16v,16w…ティース
17u,17v,17w…磁極爪(対向面)
21U,21W…環状コイル(電磁コイル)
23…係合突起(嵌合部)
24…係止溝(嵌合部)
28…対向面
o…酸化処理層
n…非酸化処理部
12…ロータ(磁気作用相手部材)
15u,15v,15w…リターンパスブロック(コア本体)
16u,16v,16w…ティース
17u,17v,17w…磁極爪(対向面)
21U,21W…環状コイル(電磁コイル)
23…係合突起(嵌合部)
24…係止溝(嵌合部)
28…対向面
o…酸化処理層
n…非酸化処理部
Claims (7)
- 圧粉磁性材から成るコア本体と、圧粉磁性材から成り電磁コイルが巻回されるティースと、を備え、
前記コア本体とティースに相互に嵌合される嵌合部が設けられ、前記コア本体とティースが前記嵌合部での嵌合によって連結されているモータの電機子コアにおいて、
前記コア本体とティースの嵌合部に酸化処理層を設けたことを特徴とするモータの電機子コア。 - 前記コア本体とティースの少なくとも前記嵌合部を除く部位の表面に非酸化処理部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のモータの電機子コア。
- 前記コア本体とティースのうちの、少なくとも前記嵌合部と、エアギャップを介して相対変位する磁気作用相手部材との対向面とを除く部位の表面に非酸化処理部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のモータの電機子コア。
- 前記非酸化処理部は、琺瑯膜が被着されて成ることを特徴とする請求項2または3に記載のモータの電機子コア。
- 圧粉磁性材から成るコア本体と、圧粉磁性材から成り電磁コイルが巻回されるティースと、を備え、
前記コア本体とティースに相互に嵌合される嵌合部が設けられ、前記コア本体とティースが前記嵌合部での嵌合によって連結されているモータの電機子コアの製造方法において、
前記コア本体とティースの少なくとも前記嵌合部を除く表面に酸化防止膜処理を行う工程と、
その後に大気焼成を行う工程と、
を備えていることを特徴とするモータの電機子コアの製造方法。 - 圧粉磁性材から成るコア本体と、圧粉磁性材から成り電磁コイルが巻回されるティースと、を備え、
前記コア本体とティースに相互に嵌合される嵌合部が設けられ、前記コア本体とティースが前記嵌合部での嵌合によって連結されているモータの電機子コアの製造方法において、
前記コア本体とティースのうちの、少なくとも前記嵌合部と、エアギャップを介して相対変位する磁気作用相手部材との対向面とを除く部位の表面に酸化防止膜処理を行う工程と、
その後に大気焼成を行う工程と、
を備えていることを特徴とするモータの電機子コアの製造方法。 - 前記酸化防止膜処理は琺瑯を塗布することを特徴とする請求項5または6に記載のモータの電機子コアの製造方法。
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