以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお以下の説明では、同一の部品については同一の符号を付すものとし、当該部品の名称や機能が同一である場合には、当該部品についての詳細な説明は繰り返さない。
また、以下では、携帯電話100を、本発明の「通信装置」の一例として説明を行うこととする。ただし、本発明は、PDAなどの他の携帯情報機器やその他の携帯型通信端末装置にも適用可能なものである。
[実施の形態1]
まず、通信装置の第1の実施の形態としての携帯電話100について説明する。図1は、本実施の形態に係る通信装置の一例としての携帯電話100を示す外観斜視図である。図1には、通信装置として、代表的に折畳式の携帯電話100を示すが、このような形式に限定されるものではない。そして、図1は、携帯電話100の筐体114,116を開いた状態における正面側の斜視図である。
図1に示すように、携帯電話100は、第1の筐体114と、第2の筐体116と、第1のスピーカ173と、第2のスピーカ174と、モニタ150と、カメラ142と、操作部120と、マイク172とを含む。第1の筐体114と第2の筐体116とは、接続部115にて折畳み可能に接続されている。
操作部120は、機能キー122Aなどの複数のキーを含む機能キー群122と、数字等の入力のためのテンキーを含むテンキー群124とを備える。機能キー群122は、モニタ150上の表示の少なくとも一部(表示全体、または、モニタ150上に表示されたカーソル等)を上下左右それぞれに所定の距離だけ移動させるための上キー121A,下キー121B,左キー121C,右キー121Dと、移動したカーソル等に対応する処理に決定したことを入力するための決定キー122Aと、を含む。なお、以下では、操作部120を「操作部」と呼び、操作部120の操作キーを総称して「入力キー」と呼ぶ。
次に、本実施の形態に係る携帯電話100のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施の形態に係る携帯電話100のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施の形態に係る携帯電話100は、第1のアンテナ1と、第1のアンテナ1により受信された第1の無線通信方式の信号の入力を受ける第1の無線通信部101と、第2のアンテナ2と、第2のアンテナ2により受信された第2の無線通信方式の信号の入力を受ける第2の無線通信部102と、ワークRAM(Random Access Memory)として使用される第1のメモリ3(一般的に揮発性のメモリが使用されるが、書き込み可能な不揮発性のメモリであってもよい。)と、制御プログラムなどのデータを格納する第2のメモリ4(一般的に不揮発性のメモリが使用される。)と、携帯電話100の各部に電力を供給する電池部103と、電池部103の電圧を測定する電圧測定部104と、外部から各種の指示の入力を受け付ける操作部120と、携帯電話100の各動作を制御するための制御装置105と、画像を表示するためのモニタ150と、外部からの音声を入力するマイク172と、電気信号に基づいて音声を出力するスピーカ173,174と、を備える。
より詳細には、本実施の形態に係る第1のメモリ3は、代表的に、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、PSRAM(Pseudo-SRAM、擬似SRAM)、SDRAM(Synchronous DRAM)などによって実現される。また、第2のメモリ4は、代表的に、EEPROM(Electrically EPROM)、NAND型フラッシュメモリ、NOR型フラッシュメモリ、ハードディスクなどによって実現される。なお、制御プログラム以外のデータ(フォントデータ、調整データ、ユーザ設定等)は、主に第2のメモリ4に格納されるが、一時的に第1のメモリ3に格納される構成であってもよい。
第1および第2の無線通信部101および102は、制御装置105による制御に応じて、それぞれアンテナ1および2を介して無線信号を発信し、外部からの無線信号を受信する。そして、第1の無線通信部101と第2の無線通信部102とは、異なる通信方式による通信を行うためのインターフェースである。
前述したように、本実施の形態においては、第1の無線通信部101は、第2の無線通信方式と比較して、通信範囲は広くないが、通信速度の速い第1の無線通信方式(たとえば無線LAN方式など)による通信を行うための機能を有するものとしている。そして、第2の無線通信部102は、第1の無線通信方式とは異なる通信プロトコルを利用するものであって、第1の無線通信方式と比較して、広範囲な通信範囲をサポートする第2の無線通信方式(たとえば、W−CDMA方式など)による通信を行うための機能を有している。その結果、第1および第2の無線通信部101および102における消費電力や、駆動電圧の最低値が異なる。
そして、本実施の形態においては、第1の無線通信部101は無線LAN方式による通信を行うものとし、第2の無線通信部102はW−CDMA方式による通信を行うものとしている。
制御装置105は、たとえばCPU(Central Processing Unit)やその他の演算処理装置と、後述する各機能を実現するためのプログラムとによって実現されるものであって、制御装置105と他の構成要素とは信号線を介して接続されている。より詳細には、上記の各種処理は、たとえば、第2のメモリ4に格納された各種の処理手順に関するプログラムが一旦第1のメモリ3へと読み出され、読み出されたプログラムがCPU上で実行されることによって、実現されるものである。ただし、制御装置105の全部または一部が、各機能を実現する専用の各種回路などによって実現されてもよい。
そして、制御装置105は、第1および第2の無線通信部101,102などの他の構成要素と連係しながら、携帯電話100が有する通話機能を実現する。また、制御装置105は、携帯電話100の各要素を制御するものであって、各種の演算を実施する装置である。また、制御装置105は、後述するように電池残量表示処理や、無線通信警告処理を行うものであって、当該処理結果を信号線を介してモニタ150に出力する。
操作部120は、キー入力などによってユーザから情報を受け付ける。モニタ150は、液晶パネルやCRTから構成されるものであって、制御装置105が出力した情報を表示する。
<機能構成>
図3は、実施の形態1に係る通信装置の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、本実施の形態に係る携帯電話100は、無線LAN方式(第1の無線通信方式)による通信を行う第1の無線通信部101と、第1の無線通信方式とは種別の異なるW−CDMA方式(第2の無線通信方式)による通信を行う第2の無線通信部102と、携帯電話100の各部に電力を供給する電池部103と、電池残量を測定する測定部104−1と、制御装置105と、情報を表示するモニタ150とを有する通信装置である。制御装置105は、測定部104−1にて検出した電池残量に基づいて第1の無線通信部101による通信が可能な残り時間と第2の無線通信部102による通信が可能な残り時間とを算出する通信時間算出部107と、モニタ150を制御する表示制御部111とを含む。
本実施の形態に係る携帯電話100は、通信時間算出部107によって、通信を行っている一方の無線通信部(たとえば、第1の無線通信部101)による通信が可能な残り時間と他方の無線通信部(たとえば、第2の無線通信部102)による通信が可能な残り時間とを算出する。
そして、表示制御部111が、一方の無線通信部(たとえば、第1の無線通信部101)による通信が可能な残り時間と他方の無線通信部(たとえば、第2の無線通信部102)による通信が可能な残り時間とをモニタ150を介して異なる表示態様で表示する。
電池部103は、たとえば充電式の電池であって、携帯電話100を構成する各部へ電力を供給する。
測定部104−1は、たとえば、電池部103の電圧を測定する電圧測定部104によって実現される。測定部104−1は、携帯電話100の電池部103の電池残量を測定する機能を有する。また、測定部104−1は、電流ゲージIC(Integrated Circuit)によって実現されてもよい。そして、電池部103からの放電電流に基づき、放電電流を積算することによって電池残量を測定してもよい。
制御装置105は、携帯電話100が有する各機能の制御を行う。そして、制御装置105が有する機能である無線制御部106は、第1の無線通信部101や第2の無線通信部102の無線通信プロトコルの制御を行う。
通信時間算出部107は、測定部104−1で測定した電池残量に基づいて、他方の無線通信部102による通信が可能な残り時間を算出する機能を有する。図4は、W−CDMAおよび無線LANによる累積通信時間と電池電圧との相関を示すイメージ図である。図5は、W−CDMAおよび無線LANによる累積通信時間と電池電圧との相関を示す表である。図中では、無線LANをWLANと表示する。
携帯電話100の第1のメモリ3もしくは第2のメモリ4には、図4または図5に示すような、累積通信時間と電池電圧とが対応付けられたデータベースが格納されており、通信時間算出部107はデータベースに基づいて、第1の無線通信部101による通信が可能な残り時間と、第2の無線通信部102による通信が可能な残り時間とを算出する。
電池電圧(測定電圧)V1aはW−CDMAによる通信ができなくなる最初の電池電圧である。電池電圧V2aはW−CDMAの電池残量が少ないことを警告通知するために設定された電池電圧である。電池電圧V3aは現在測定部104−1によってモニタされている電池電圧である。そして、W−CDMAによる通信を行う場合は、電池電圧V1a,V2a,V3aに相当する累積通信時間が、それぞれT1a,T2a,T3aとなる。
一方、電池電圧(測定電圧)V1bは無線LANによる通信ができなくなる電池電圧である。上記のように、電池電圧V3aは現在測定部104−1によってモニタされている電池電圧である。そして、無線LANによる通信を行う場合は、電池電圧V1b,V3aに相当する累積通信時間が、それぞれT1b,T3bとなる。
通信時間算出部107は、以下のようにして、W−CDMA方式(第2の無線通信方式)による残り通信時間の算出する。すなわち、通信時間算出部107は、測定部104−1によって現在測定されている電池電圧V3aから累積通信時間T3aを算出し、W−CDMAによる通信ができなくなる累積通信時間T1aから累積通信時間T3aを減じることによって残り通信時間を算出する。すなわち、W−CDMA方式(第2の無線通信方式)による通信可能な残り時間Tbは、以下の式から算出される。
Tb=T1a−T3a・・・(式1)
通信時間算出部107は、以下のようにして、無線LAN方式(第1の無線通信方式)による残り通信時間の算出する。すなわち、通信時間算出部107は、測定部104−1によって現在測定されている電池電圧V3bから累積通信時間T3bを算出し、無線LANによる通信ができなくなる累積通信時間T1bから累積通信時間T3bを減じることによって残り通信時間を算出する。すなわち、無線LAN方式(第1の無線通信方式)による通信可能な残り時間Tcは、以下の式から算出される。
Tc=T1b−T3b・・・(式2)
表示制御部111は、各種の情報を、モニタ150や図示しないライトなどを介して、ユーザに対して出力するためのものである。表示制御部111は、制御装置105にて演算された演算結果や各種情報を、液晶などの表示画面(モニタ150)に表示する機能を有する。
表示制御部111およびモニタ150によって実現される表示部110は、電源がONされている間、あるいは第1の無線通部101および第2の無線通信部102のうちの一方の無線通信部によるデータの送受信中に、一方の無線通信部による通信が可能な残り時間と他方の無線通信部による通信が可能な残り時間とを異なる表示態様で表示する。すなわち、第1の無線通信部101と第2の無線通信部102のいずれか一方(たとえば、第1の無線通信部101)を使用して通信を行っている間に、表示制御部111が、通信を行っている一方の無線通信部(たとえば、第1の無線通信部101)と他方の無線通信部(たとえば、第2の無線通信部102)による通信が可能な残り時間をモニタ150を介して異なる表示態様で表示する構成であってもよい。
より詳細には、「通信をおこなっている」とは「データの送受信中である」ことを意味し、たとえば、音声データの送受信中(通話中)、メールを含むユーザデータの送受信中、インターネット上のWebサイトから各種コンテンツのダウンロード中、通信事業者のポータルに登録されているWebサイトから各種コンテンツのダウンロード中などを意味する概念である。ここで、コンテンツとは、静止画像、動画像、プログラム等を含む概念である。
換言すれば、「通信をおこなっている」(データの送受信中である)状態とは、無線通信部101,102によって携帯電話100が通信回線と接続されている状態、すなわち通信回線との接続を確立した状態を意味するものであって、基地局の選択、受信の待ち受けなどのように、各通信システムを設立、維持するために必要となる通信を行っている状態は含まれないものとする。
そして、携帯電話100は、同時に一方の無線通信部101,102による送受信しか行えないものとしてもよい。たとえば、携帯電話100は、一方の無線通信部101,102を利用して通話(データの送受信)を行っている場合には、他方の無線通信部101,102では待ち受け(受信)のみが行われる。
たとえば、表示部110は、第1の無線通信部101による通信が可能な時間を第1の表示態様にて表示し、第2の無線通信部102による通信が可能な時間を第2の表示態様にて表示する。
あるいは、以下に詳述するように、表示部110は、通信を行っている無線通信部(たとえば、無線LANによる通信を行う第1の無線通信部101)による通信が可能な残り時間を第1の表示態様にて表示し、通信を行っていない無線通信部(たとえば、W−CDMAによる通信を行う第2の無線通信部102)による通信が可能な残り時間を第2の表示態様にて表示する。
図6は、異なる複数のインジケータが表示されたモニタ150を示す第1のイメージ図である。図6に示すように、表示部110は、通信を行っている無線通信部(たとえば、無線LANによる通信を行う第1の無線通信部101)による通信が可能な残り時間を第1のカラーで表示されるインジケータによって表示し、通信を行っていない無線通信部(たとえば、W−CDMAによる通信を行う第2の無線通信部102)による通信が可能な残り時間を第2のカラーで表示されるインジケータによって表示する。
図3から図6に示すように、表示部110は、一方の無線通信部による通信が可能な残り時間と他方の無線通信部による通信が可能な残り時間とを、モニタ150に表示されるインジケータなどを介して異なる表示態様で表示する。表示部110は、通信時間算出部107が算出した第1の無線通信部101による通信が可能な残り時間と第2の無線通信部102による通信が可能な残り時間とに基づいて、それぞれの通信が可能な残り時間の多寡を表示する。
たとえば、電池残量を5つのバーの点灯/消灯で表す場合について説明する。この場合は、表示部110は、通信時間算出部107が算出したW−CDMA方式による通信が可能な残り時間と無線LAN方式による通信が可能な残り時間とを5段階で表示する。図5に示すように、W−CDMA方式については、満充電状態から180分の通信が可能であるため、36分おきに左側のバーから順に消灯する。無線LAN方式については、満充電状態から220分の通信が可能であるため、44分おきに左側のバーから順に消灯する。
図6に戻って、以上をまとめると、モニタ150には、W−CDMA方式の電池残量を示す第1の領域150Aと、無線LAN方式の電池残量を示す第2の領域150Bとが形成される。第1の領域150Aには、5つのセグメント(バー表示)が点灯/消灯可能となっており、その点灯/消灯によって電池残量を示す。なお、各セグメントは、満充電時の通信可能な残り時間(設計値)に対する各時点の通信可能な残り時間に応じて点灯する。同様に、第2の領域150Bにも、5つのセグメント(バー表示)が点灯/消灯可能となっており、その点灯/消灯によって電池残量を示す。そして、各セグメントは、満充電時の通信可能な残り時間(設計値)に対する各時点の通信可能な残り時間に応じて点灯する。
図7は、異なる複数のインジケータが表示されたモニタ150を示す第2のイメージ図である。図7に示すように、表示部110は、通信を行っている無線通信部(たとえば、無線LANによる通信を行う第1の無線通信部101)による通信が可能な残り時間をより鮮明に(輝度の変化量を大きく)表示するインジケータによって表示し、通信を行っていない無線通信部(たとえば、W−CDMAによる通信を行う第2の無線通信部102)による通信が可能な残り時間をより不鮮明に(輝度の変化量を大きく)表示するインジケータによって表示する。
逆に、表示部110は、通信を行っている無線通信部(たとえば、無線LANによる通信を行う第1の無線通信部101)による通信が可能な残り時間をより不鮮明に(輝度の変化量を大きく)表示するインジケータによって表示し、通信を行っていない無線通信部(たとえば、W−CDMAによる通信を行う第2の無線通信部102)による通信が可能な残り時間をより鮮明に(輝度の変化量を大きく)表示するインジケータによって表示してもよい。
また、表示部110は、通信を行っている無線通信部による通信が可能な残り時間を濃い色のインジケータによって表示し、通信を行っていない無線通信部(たとえば、W−CDMAによる通信を行う第2の無線通信部102)による通信が可能な残り時間を薄い色のインジケータによって表示する。逆に、表示部110は、通信を行っている無線通信部による通信が可能な残り時間を薄い色のインジケータによって表示し、通信を行っていない無線通信部(たとえば、W−CDMAによる通信を行う第2の無線通信部102)による通信が可能な残り時間を濃い色のインジケータによって表示してもよい。
また、たとえば、表示部110は、一方の無線通信部による通信が可能な残り時間を第1のマークとともに表示し、他方の無線通信部による通信が可能な残り時間を第2のマークとともに表示する。
図8は、1つのインジケータが表示されたモニタ150を示す第1のイメージ図である。図9は、1つのインジケータが表示されたモニタ150を示す第2のイメージ図である。図8および図9に示すように、表示部110は、通信を行っている無線通信部(たとえば、無線LANによる通信を行う第1の無線通信部101)による通信が可能な残り時間と、通信を行っていない無線通信部(たとえば、W−CDMAによる通信を行う第2の無線通信部102)による通信が可能な残り時間とを統合して、1つのインジケータによって表示する。具体的には、表示部110は、通信を行っている無線通信部による通信が可能な残り時間と、通信を行っていない無線通信部による通信が可能な残り時間とを重ねて1つのインジケータによって表示する。
図8および図9に示すように、表示部110は、通信を行っている無線通信部による通信が可能な残り時間を、通信が不可能になる第1のマークとともに表示し、通信を行っていない無線通信部による通信が可能な残り時間を、通信が不可能になる第2のマークとともに表示する。
たとえば、左側の4つのバーをW−CDMA方式と無線LAN方式とのために共用して使用し、最も右側のバーのみをより通信可能時間が長い無線LAN方式のために使用する。すなわち、左側の4つのバーをW−CDMA方式における180÷4=45分おき、無線LAN方式における(220−56)÷4=41分おきに消灯し、無線LAN方式の通信が不可能になった際に最も右側のバーも消灯する。
図10は、1つのインジケータが表示されたモニタ150を示す第3のイメージ図である。図10に示すように、表示部110は、インジケータの上部に通信を行っている無線通信部による通信が可能な残り時間を表示し、インジケータの下部に通信を行っていない無線通信部による通信が可能な残り時間を表示する。上部側の表示方法および下部側の表示方法(バーの点灯・消灯方法)は、図6や図7のそれと同様であるので説明を繰り返さない。
上述したように、本実施の形態に係る表示部110は、通信を行っている無線通信部(たとえば、無線LANによる通信を行う第1の無線通信部101)による通信が可能な残り時間と、通信を行っていない無線通信部(たとえば、W−CDMAによる通信を行う第2の無線通信部102)による通信が可能な残り時間とを、ユーザが認識し易いように表示するものである。加えて、1つのインジケータにて、通信を行っている無線通信部による通信が可能な残り時間と、通信を行っていない無線通信部による通信が可能な残り時間とを表示する場合には、表示面積を削減することができる。
また、表示部110は、通信が開始されたり、通信方式が切り替えられた際に、通信を行っている無線通信部による通信が可能な残り時間をより明瞭に表示する。たとえば、表示部110は、通信を行っている無線通信部による通信が可能な残り時間をカラフルな色や濃い色によって表示する。この場合、表示部110は、通信が開始されたり、通信方式が切り替えられた際に、通信を行っていない無線通信部による通信が可能な残り時間を地味な色や薄い色によって表示する。
ただし、表示部110は、通信が開始されたり、通信方式が切り替えられたりした際に、通信を行っている無線通信部による通信が可能な残り時間を地味な色や薄い色によって表示してもよい。この場合、表示部110は、通信が開始されたり、通信方式が切り替えられたりした際に、通信を行っていない無線通信部による通信が可能な残り時間をより明瞭に表示する。たとえば、表示部110は、通信を行っていない無線通信部による通信が可能な残り時間をカラフルな色や濃い色によって表示する。
<電池残量表示処理>
次に、本実施の形態に係る電池残量表示処理について説明する。図11は、実施の形態1に係る通信装置における電池残量表示処理の流れを示すフローチャートである。
図11に示すように、ユーザが携帯電話100の電源をONすることにより(ステップ101、以下ステップをSと略す。)、測定部104−1が電池残量(電池電圧)の測定を開始する(S102)。制御装置105によって実現される通信時間算出部107が、測定部104−1により検出された電池残量に基づいて、無線LAN(第1の無線通信方式)およびW−CDMA(第2の無線通信方式)による通信が可能な残り時間の算出する(S103)。表示部110が、無線LAN(第1の無線通信方式)による通信が可能な残り時間と、W−CDMA(第2の無線通信方式)による通信が可能な残り時間とを表示する(S104)。
[実施の形態2]
次に、通信装置の実施の形態2としての携帯電話100について説明する。全体構成およびハードウェア構成については、図1および図2に示した実施の形態1に係る携帯電話100と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。以下では、本実施の形態に係る携帯電話100の機能構成について説明する。尚、本実施の形態に係る携帯電話100においても、第1の無線通信方式を無線LAN方式とし、第2の無線通信方式をW−CDMA方式とする。
本実施の形態に係る携帯電話100は、通信を行っている一方の無線通信部による通信が可能な残り時間と他方の無線通信部による通信が可能な残り時間とをモニタ150を介して表示するとともに、他方の無線通信部による通信が可能な残り時間が所定時間以下になった場合に警告を表示する。
<機能構成>
図12は、実施の形態2に係る通信装置の機能構成を示すブロック図である。図12に示すように、本実施の形態に係る携帯電話100は、第1の無線通信方式(たとえば、無線LAN方式など)による通信を行う第1の無線通信部101と、第1の無線通信方式とは種別の異なる第2の無線通信方式(たとえば、W−CDMA方式)による通信を行う第2の無線通信部102と、携帯電話100の各部に電力を供給する電池部103と、電池残量を測定する測定部104−1と、制御装置105と、情報を表示するモニタ150とを有する通信装置である。制御装置105は、測定部104−1にて検出した電池残量に基づいて第1の無線通信部101と第2の無線通信部102による通信が可能な残り時間を算出する通信時間算出部107と、無線制御部106と、判定部108と、第2の設定部117と、モニタ150を制御する表示制御部111とを含む。
以下では、携帯電話100が有する各種機能について説明するが、前述したように以下の各ブロックの機能や各ステップの処理は、CPU等によって実現される制御装置105上で実行されるソフトウェアによって実現される構成としてもよいし、ソフトウェアによって実現する代わりに各々を専用のハードウェア回路等によって実現してもよい。
電池部103と、測定部104−1と、無線制御部106と、通信時間算出部107とは、図3に示した実施の形態1に係る携帯電話100のそれらと同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
判定部108は、一方の無線通信部によるデータの送受信中に、通信を行っていない無線通信方式による通信が可能な残り時間Tbが予め設定された設定時間未満であるか否かの判定を行う。より詳細には、予め携帯電話100の第1のメモリ3または第2のメモリ4には設定時間Taが記憶されており、判定部108は、第1のメモリ3または第2のメモリ4から設定時間Taを読み出して、通信時間算出部107によって算出された残り時間Tbと設定時間の大小関係を判断するのである。ただし、第1のメモリ3または第2のメモリ4は、設定時間Taに対応する設定電圧V2を記憶してもよい。
前述したように、「データの送受信中である」とは、たとえば、音声データの送受信中(通話中)、メールを含むユーザデータの送受信中、インターネット上のWebサイトから各種コンテンツのダウンロード中、通信事業者のポータルに登録されているWebサイトから各種コンテンツのダウンロード中などを意味する概念である。ここで、コンテンツとは、静止画像、動画像、プログラム等を含む概念である。
換言すれば、「通信をおこなっている」(データの送受信中である)状態とは、無線通信部101,102によって携帯電話100が通信回線と接続されている状態、すなわち通信回線との接続を確立した状態を意味するものであって、基地局の選択、受信の待ち受けなどのように、各通信システムを設立、維持するために必要となる通信を行っている状態は含まれないものとする。
そして、携帯電話100は、同時に一方の無線通信部101,102による送受信しか行えないものとしてもよい。たとえば、携帯電話100は、一方の無線通信部101,102を利用して通話(データの送受信)を行っている場合には、他方の無線通信部101,102では待ち受け(受信)のみが行われる。
表示制御部111は、各種の情報を、モニタ150や図示しないライトなどを介して、ユーザに対して出力するためのものである。表示制御部111は、制御装置105にて演算された演算結果や各種情報を、液晶などの表示画面(モニタ150)に表示する機能を有する。
表示制御部111およびモニタ150によって実現される表示部110は、第1の無線通部101および第2の無線通信部102のうちの一方の無線通信部によるデータの送受信中に、一方の無線通信部による通信が可能な残り時間と他方の無線通信部による通信が可能な残り時間とを異なる表示態様で表示する。
そして、表示部110は、判定部108によって残り時間が予め設定された設定時間未満であるとの判定がされた場合に、残り時間が設定時間未満である旨の警告を出力する。たとえば、表示部110は、無線LAN方式による通信中に、モニタ150によって「W−CDMAによる通信可能時間はあと少しです。」という旨のメッセージを表示するものであってもよいし、携帯電話100の側面等に設けられた図示しないライトを点灯もしくは点滅させるものでもよい。
表示部110は、他方の(現在通信を行っていない)無線通信方式による通信可能な残り時間が予めユーザによって設定された複数の(数種類の)設定時間より短くなったときに、一方の(現在通信を行っている)無線通信方式による通信可能な残り時間と共に出力する構成にすると好ましい。
たとえば、図4に示すように、電池電圧V2がW−CDMA方式の電池残量が少ないことを警告通知するために設定された電池電圧とし、電池電圧V2に相当するW−CDMA方式の累積通信時間をそれぞれT2aとする。W−CDMA方式の電池残量が少ないことを警告通知するために設定された所定時間Taは以下の式から算出される。
Ta=T1a−T2a・・・(式3)
同様にして、無線LAN方式の電池残量が少ないことを警告通利するために設定された所定時間も算出することができる。
この場合において、ユーザが無線LANによる通話を行っているときに、W−CDMAによる通信可能な残り時間Tbが設定時間Ta未満となったときに、「W−CDMAによる通信可能時間が残り10分になりました。無線LANによる通信可能時間は残り15分です。」という表示を行う。そして、その後電池電圧がV2から更に低下すると、「W−CDMAによる通信可能時間が残り5分になりました。無線LANによる通信可能時間は残り7分です。」という表示を行うのである。
これによって携帯電話100の有する一方の無線通信方式による通信中において、ユーザが通信していない他の無線通信方式による通信が不可能になってしまうことを防止することができる。特に、表示部110が、警告を表示する構成や、ライトを点灯もしくは点滅させる構成の場合は、携帯電話100から音が鳴らないため、ユーザが携帯端末によってメールやインターネットを行っている場合に便利である。
第2の設定部117は、操作部120を介して外部からの第2の設定命令を受け付けて、予め設定されている設定時間を変更する。より詳細には、第2の設定部117は、外部からの変更命令を受け付けて、第1のメモリ3または第2のメモリ4に記憶された設定時間を更新するのである。
図13は、表示部110における設定時間入力画面を示すイメージ図である。図13に示すように、表示部110と操作部120とを介して、第2の設定部117は、第1の無線通信方式(第2の無線通信方式)による通信が可能な残り時間の設定命令(変更命令)を受け付ける。そして、設定命令(変更命令)を受け付けて、設定された残り時間Taについての情報を第1のメモリ3または第2のメモリ4に記憶する。より詳細には、ユーザが電池電圧V2を入力することは困難であるため、ユーザが確保したい第1の無線通信方式(第2の無線通信方式)による通信ができなくなるまでの残り時間(設定時間)をユーザに入力させる。そして、ユーザが入力した数値を図4における設定時間Taとして、たとえば、制御装置105が警告通知を行うべきW−CDMAの電池電圧V2を算出して、当該電池電圧V2を第1のメモリ3または第2のメモリ4に記憶する。
ここで、第2の無線通信部102を、第1の無線通信方式とは種別の異なる、第1の無線通信方式よりも通信に要する消費電力が大きい第2の無線通信方式による通信を行うものとし、通信時間算出部107が第1の無線通信部101が通信を行っている間に、電池残量に基づいて、第2の無線通信部102による通信が可能な残り時間を算出する構成としてもよい。たとえば、無線LAN方式による通信の方が、W−CDMA方式による通信よりも消費電力が大きい場合は、通信時間算出部107はW−CDMA方式による通信を行っている間に、電池残量に基づいて、無線LAN方式による通信が可能な残り時間を算出するのである。そして、判定部108は、残り時間が設定時間未満となったか否かを判定し、表示部110が警告を出力するのである。消費電力が大きい通信方式とは、複数の通信方式のうち、累積通信時間と電池電圧とのグラフの傾きが大きい方としてもよい。
また、第2の無線通信部102を、第1の無線通信方式とは種別の異なる、第1の無線通信方式よりも通信が可能な電圧(終止電圧)が高い第2の無線通信方式による通信を行うものとし、通信時間算出部107が第1の無線通信部101が通信を行っている間に、電池残量に基づいて、第2の無線通信部102による通信が可能な残り時間を算出する構成としてもよい。たとえば、無線LAN方式による通信の方が、W−CDMA方式による通信よりも終止電圧が高い場合は、通信時間算出部107はW−CDMA方式による通信を行っている間に、電池残量に基づいて、無線LAN方式による通信が可能な残り時間を算出するのである。そして、判定部108は、残り時間が設定時間未満となったか否かを判定し、表示部110が警告を出力するのである。終止電圧が高い無線通信方式とは、他方の無線通信方式よりも先に通信不能になる無線通信方式としてもよい。
また、第2の無線通信部102を、第1の無線通信方式とは種別の異なる、第1の無線通信方式よりも無線通信可能半径が大きい第2の無線通信方式による通信を行うものとし、通信時間算出部107が第1の無線通信部101が通信を行っている間に、電池残量に基づいて、第2の無線通信部102による通信が可能な残り時間を算出する構成としてもよい。たとえば、W−CDMA方式による通信の方が、無線LAN方式による通信よりも通信可能範囲が広い場合は、通信時間算出部107は無線LAN方式による通信を行っている間に、電池残量に基づいて、W−CDMA方式による通信が可能な残り時間を算出するのである。そして、判定部108は、残り時間が設定時間未満となったか否かを判定し、表示部110が警告を出力するのである。
そして、無線通信可能範囲が大きい第2の無線通信方式とは、当該無線通信方式による通信半径が他方の無線通信方式による通信半径よりも大きいものをいう。
また、第2の無線通信部102を、第1の無線通信方式とは種別の異なる、第1の無線通信方式よりもデータ伝送速度(データ通信速度)が大きい第2の無線通信方式による通信を行うものとし、通信時間算出部107が第1の無線通信部101が通信を行っている間に、電池残量に基づいて、第2の無線通信部102による通信が可能な残り時間を算出する構成としてもよい。たとえば、無線LAN方式による通信の方が、W−CDMA方式による通信よりもデータ伝送速度が大きい場合は、通信時間算出部107はW−CDMA方式による通信を行っている間に、電池残量に基づいて、無線LAN方式による通信が可能な残り時間を算出するのである。そして、判定部108は、残り時間が設定時間未満となったか否かを判定し、表示部110が警告を出力するのである。
データ伝送速度が大きい第2の無線通信方式とは、当該無線通信方式による単位時間当たりの伝送データ量が他方の無線通信方式による単位時間当たりの伝送データ量よりも大きいものをいう。
<無線通信警告処理>
次に、本実施の形態に係る無線通信警告処理について説明する。図14は、実施の形態2に係る通信装置における無線通信警告処理の流れを示すフローチャートである。
図14に示すように、ユーザが携帯電話100の電源をONすることにより(S201)、制御装置105によって実現される測定部104−1が電池残量(電池電圧)の測定を開始する(S202)。制御装置105によって実現される通信時間算出部107が、測定部104−1により検出された電池残量に基づいて、無線LAN(第1の無線通信方式)およびW−CDMA(第2の無線通信方式)による通信が可能な残り時間の算出する(S203)。表示部110が、無線LAN(第1の無線通信方式)による通信が可能な残り時間と、W−CDMA(第2の無線通信方式)による通信が可能な残り時間とを表示する(S204)。
次に、携帯電話100のユーザによって、ホットスポットなどの公衆無線LANサービス、または自宅での無線LANによる通信が開始され、すなわち第1の無線通信部102を使用したデータの送受信が開始されると(S205においてYESの場合)、制御装置105によって実現される判定部108が、不揮発性の第1のメモリ3または第2のメモリ4から予め設定された設定時間(図4におけるTa)を読み出して、設定時間と通信時間算出部107が算出した残り時間(図4におけるTb)とを比較する(S206)。通信可能な残り時間Tbが設定時間Taよりも短い場合(S206においてYESの場合)、表示制御部111が、モニタ150を介してユーザに対し、これ以上無線LANによる通信を継続すると、W−CDMAによる通信ができなくなる旨の警告メッセージを表示する(S207)。
ここで、携帯電話100の第1のメモリ3または第2のメモリ4に設定時間に対応する設定電圧が予め記憶されており、判定部108が測定部104−1によって測定された現在の電池電圧V3と設定電圧V2とを比較して、現在の電池電圧V3が設定電圧V2未満であるか否かの判定を行う構成であってもよい。
ユーザへの警告通知は、上記のような警告メッセージ以外に、表示制御部111がモニタ150を介して表示している電池残量表示の色を変更してもよいし、またはモニタ150の画面全体、モニタ150の電池残量表示、モニタ150の画面の一部を点滅させるものであってもよい。また、携帯電話100自体にバイブレーション機能を備え、当該バイブレーション機能を動作させるものであってもよい。
当該警告通知(S207)の後、ユーザが無線LAN方式による通信を終了すると(S208においてYESの場合)、第1の無線通信部101によるデータの送受信動作を終了し、すなわち無線LANによる通信を切断する(S209)。一方、当該警告通知(S207)の後、無線LANによる通信が継続されている場合は(S208においてNOの場合)、電池残量が無線LANによる通信が不可能な値に達したときに(S211においてYESの場合)、表示制御部111が電池残量が少なくなった旨および無線LANによる通信を切断する旨の警告メッセージをモニタ150に表示した後に(S212)、第1の無線通信部101によるデータの送受信動作を終了し、すなわち無線LANによる通信を切断する(S209)。
一方、無線LAN方式による通信を行っている間に、W−CDMA方式による通信が可能な残り時間Tbが設定時間Taを下回らなかった場合(S206においてNOの場合)は、警告通知を行う必要がない為、ユーザが無線LAN方式による通信を終了すると(S210においてYESの場合)、第1の無線通信部101によるデータの送受信動作を終了し、すなわち無線LANによる通信を切断する(S209)。
[実施の形態3]
次に、通信装置の実施の形態3としての携帯電話100について説明する。全体構成およびハードウェア構成については、図1および図2に示した実施の形態1に係る携帯電話100と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。以下では、本実施の形態に係る携帯電話100の機能構成について説明する。尚、本実施の形態に係る携帯電話100においても、第1の無線通信方式を無線LAN方式とし、第2の無線通信方式をW−CDMA方式とする。
本実施の形態に係る携帯電話100は、通信を行っている一方の無線通信部による通信が可能な残り時間と他方の無線通信部による通信が可能な残り時間とをモニタ150を介して表示するとともに、他方の無線通信部による通信が可能な残り時間が所定時間以下になった場合に警告音声を出力する。
<機能構成>
図15は、実施の形態3に係る通信装置の機能構成を示すブロック図である。図15に示すように、本実施の形態に係る携帯電話100は、第1の無線通信方式(たとえば、無線LAN方式など)による通信を行う第1の無線通信部101と、第1の無線通信方式とは種別の異なる第2の無線通信方式(たとえば、W−CDMA方式)による通信を行う第2の無線通信部102と、携帯電話100の各部に電力を供給する電池部103と、電池残量を測定する測定部104−1と、制御装置105と、情報を表示するモニタ150と、情報を音声にて発するスピーカ173(174)とを有する通信装置である。制御装置105は、測定部104−1にて検出した電池残量に基づいて無線通信部101,102による通信が可能な残り時間を算出する通信時間算出部107と、無線制御部106と、判定部108と、第2の設定部117と、音声制御部112とを含む。
以下では、携帯電話100が有する各種機能について説明するが、前述したように以下の各ブロックの機能や各ステップの処理は、CPU等によって実現される制御装置105上で実行されるソフトウェアによって実現される構成としてもよいし、ソフトウェアによって実現する代わりに各々を専用のハードウェア回路等によって実現してもよい。
電池部103と、測定部104−1と、無線制御部106と、通信時間算出部107と、表示制御部111とは、図3に示した実施の形態1に係る携帯電話100のそれらと同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。また、判定部108と第2の設定部117とは、図12に示した実施の形態2に係る携帯電話100のそれらと同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
音声制御部112は、第1のスピーカ173もしくは第2のスピーカ174の少なくとも一方を介すことにより、制御装置105による演算結果を音声によって出力するものである。
音声制御部112および第1のスピーカ173(第2のスピーカ174)によって実現される音声出力部113は、通信を行っていない無線通信方式による通信が可能な残り時間が短くなった旨の警告を、音声によって携帯電話100の外部(ユーザ)へと出力する。
当該警告は、たとえば筐体114,116の側面に備えられた第1のスピーカ173から出力されるものであってもよいし、通話音声が出力される第2のスピーカ174から通話音声とともに出力される構成であってもよい。また、当該警告は、第2のスピーカ174から発せられる単なるビープ音であってよいし、第1のスピーカ173から発せられる音声案内であってもよい。たとえば、判定部108によって、残り時間が設定時間未満であると判定された場合に、第2のスピーカ174が「W−CDMAによる通信可能時間が残り5分になりました。」という音声案内を発する構成であっても良い。
また、他の無線通信方式による通信が可能な残り時間が予めユーザによって設定された複数の設定時間のいずれかよりも短くなった場合に、音声制御部112がスピーカ173,174を介して一方の無線通信方式による通信が可能な残り時間と共に当該警告を出力する構成にすると好ましい。たとえば、図4に示したように、ユーザが無線LAN方式による通話を行っている間に、第1のスピーカ173によって「W−CDMAによる通信可能時間が残り10分になりました。無線LAN方式による通信可能時間は15分です。」という音声案内を行い、その後、「W−CDMAによる通信可能時間が残り5分になりました。無線LANによる通信可能時間は7分です。」という音声案内を行うのである。
これによって、通信装置の有する1の無線通信方式による通信中において、ユーザが通信していない他の無線通信方式による通信が不可能になってしまうことを防止することができる。特に、音声制御部112によって、ビープ音を発する形態や、スピーカによる「無線LANによる通信可能時間が残り5分になりました。」という音声案内を発する形態や、端末装置に備えられたバイブレータを作動させる形態においては、通話中などのようにユーザが携帯電話100の画面を見ずに通信を行っている場合に便利である。
<無線通信警告処理>
次に、本実施の形態に係る無線通信警告処理について説明する。本実施の形態に係る携帯電話100における無線通信警告処理の流れを示すフローチャートは、図14と同様に示される。本実施の形態に係る無線通信警告処理は、S207に関する処理や機能が異なる以外は、実施の形態2に係る携帯電話100の処理や機能と同様である。以下では、実施の形態2に係る携帯電話100の処理と同様のステップについては説明を繰り返さない。
図14を参照して、通信可能な残り時間Tbが設定時間Taよりも短くなった場合(S206においてYESの場合)について説明する。この場合は、音声制御部112がスピーカ173,174を介して、これ以上無線LANによる通信を継続するとW−CDMAによる通信ができなくなる旨の警告メッセージをユーザに対して発する(S207)。
次に、電池残量が無線LANによる通信が不可能な値に達した場合(S211においてYESの場合)について説明する。この場合は、携帯電話100の音声制御部112は、スピーカ173,174を介して、電池残量が少なくなった旨および無線LANによる通信を切断する旨の警告メッセージをユーザに対して発する(S212)。そして、無線LANによる通信を切断する(S209)。
[実施の形態4]
次に、通信装置の実施の形態4としての携帯電話100について説明する。全体構成およびハードウェア構成については、図1および図2に示した実施の形態1に係る携帯電話100と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。以下では、本実施の形態に係る携帯電話100の機能構成について説明する。尚、本実施の形態に係る携帯電話100においても、第1の無線通信方式を無線LAN方式とし、第2の無線通信方式をW−CDMA方式とする。
本実施の形態に係る携帯電話100は、通信を行っている一方の無線通信部による通信が可能な残り時間と他方の無線通信部による通信が可能な残り時間とをモニタ150を介して表示するとともに、他方の無線通信部による通信が可能な残り時間が所定時間以下になった場合に、他方の無線通信部による通信を切断する。
<機能構成>
図16は、実施の形態4に係る通信装置の機能構成を示すブロック図である。図16に示すように、本実施の形態に係る携帯電話100は、第1の無線通信方式(たとえば、無線LAN方式など)による通信を行う第1の無線通信部101と、第1の無線通信方式とは種別の異なる第2の無線通信方式(たとえば、W−CDMA方式)による通信を行う第2の無線通信部102と、携帯電話100の各部に電力を供給する電池部103と、電池残量を測定する測定部104−1と、制御装置105と、情報を表示するモニタ150とを有する通信装置である。制御装置105は、測定部104−1にて検出した電池残量に基づいて第1の無線通信部101と第2の無線通信部102による通信が可能な残り時間を算出する通信時間算出部107と、無線制御部106と、判定部108と、第2の設定部117と、第1の設定部118と、モニタ150を制御する表示制御部111とを含む。無線制御部106は、切断部126を含む。
本実施の形態に係る携帯電話100においては、予め少なくとも1種類の無線通信方式の優先度が、それ以外の無線通信方式の優先度よりも高く設定されている。
以下では、携帯電話100が有する各種機能について説明するが、前述したように以下の各ブロックの機能や各ステップの処理は、CPU等によって実現される制御装置105上で実行されるソフトウェアによって実現される構成としてもよいし、ソフトウェアによって実現する代わりに各々を専用のハードウェア回路等によって実現してもよい。
電池部103と、測定部104−1と、通信時間算出部107とは、図3に示した実施の形態1に係る携帯電話100のそれらと同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
判定部108は、非優先回線に設定された第1の無線通信方式による通信が行われている間に、優先回線に設定された第1の無線通信方式による通信が可能な残り時間Tbが予め設定された設定時間Ta未満であるか否かの判定を行う。より詳細には、予め携帯電話100の第1のメモリ3または第2のメモリ4には設定時間が記憶されており、判定部108は、第1のメモリ3または第2のメモリ4から設定時間を読み出して、通信時間算出部107によって算出された残り時間Tbと設定時間Taの大小関係を判断するのである。
第2の設定部117は、操作部120を介して外部からの第2の設定命令を受け付けて、予め設定された設定時間Taを変更(更新)する。当該設定時間Taは、第1のメモリ3または第2のメモリ4に記憶される。
第1の設定部118は、いずれか一方の無線通信方式を優先回線に、他方の無線通信方式を非優先回線に設定するものであって、当該設定情報は第1のメモリ3または第2のメモリ4に記憶される。
図17は、表示部110における優先回線の選択画面を示すイメージ図である。図17に示すように、表示部110と操作部120とを介して、第1の設定部118は、携帯電話100が有する無線通信部101,102のうち、いずれの無線通信方式を優先回線とするかについてのユーザからの選択命令を受け付ける。そして、第1の設定部118は、当該選択命令を受け付けて、いずれの無線通信方式が優先回線に設定されかについての情報を第1のメモリ3または第2のメモリ4に記憶する。
つまり、予め無線通信方式をW−CDMAと無線LANとし、W−CDMAが優先回線に、無線LANが非優先回線に設定されていても、ユーザの選択によって無線LANを優先回線とし、W−CDMAを非優先回線とすることができるのである。本実施の形態に係る携帯電話100においては、携帯電話100が有する無線通信方式を2回線としているが、携帯電話100が有する無線通信方式が3回線以上であっても上記構成は同様であって、その場合にはユーザが設定する優先回線や非優先回線に複数の回線を設定することができる。
図13に示すように、表示部110と操作部120とを介して、第2の設定部117は、優先回線に設定された無線通信方式による通信が可能な残り時間の設定命令(変更命令)を受け付ける。そして、設定命令(変更命令)を受け付けて、設定された残り時間についての情報を第1のメモリ3または第2のメモリ4に記憶する。より詳細には、ユーザが電池電圧を入力することは困難であるため、ユーザが確保したい優先回線での通信ができなくなるまでの残り時間(設定時間)をユーザに入力させる。そして、ユーザが入力した数値を図4における設定時間Taとして、制御装置105が警告通知または非優先回線の通信の切断を行うべきW−CDMAの電池電圧V2を算出して、当該電池電圧を第1のメモリ3または第2のメモリ4に記憶する。
切断部126は、判定部108によって、残り時間が予め設定された設定時間Ta未満であると判定された場合に非優先回線による通信を切断する。
<無線通信切断処理>
次に、本実施の形態に係る無線通信切断処理について説明する。図18は、実施の形態4に係る通信装置における無線通信切断処理の流れを示すフローチャートである。本実施の形態においては、操作部120および第1の設定部118を介して、予め優先回線(高い優先度が設定された回線)にW−CDMA方式による通信を行う第1の無線通信部が設定され、非優先回線(低い優先度が設定された回線)に無線LAN方式による通信を行う第2の無線通信部が設定されているものとする。
図18に示すように、ユーザが携帯電話100の電源をONすることにより(S301)、制御装置105によって実現される測定部104−1が電池残量(電池電圧)の測定を開始する(S302)。制御装置105によって実現される通信時間算出部107が、測定部104−1により検出された電池残量に基づいて、無線LAN(第1の無線通信方式)およびW−CDMA(第2の無線通信方式)による通信が可能な残り時間の算出する(S303)。表示部110が、無線LAN(第1の無線通信方式)による通信が可能な残り時間と、W−CDMA(第2の無線通信方式)による通信が可能な残り時間とを表示する(S304)。
次に、携帯電話100のユーザによって、ホットスポットなどの公衆無線LANサービス、または自宅での無線LANによる通信が開始され、すなわち第1の無線通信部101を使用したデータの送受信が開始されると(S305においてYESの場合)、制御装置105によって実現される判定部108が、不揮発性の第1のメモリ3または第2のメモリ4から予め設定された設定時間(図4におけるTa)を読み出して、設定時間Taと通信時間算出部107が算出した残り時間(図4におけるTb)とを比較する(S306)。通信可能な残り時間Tbが設定時間Taよりも短い場合(S306においてYESの場合)、切断部126が非優先回線である無線LANによる通信を切断する(S307)。ただし、携帯電話100が予め設定時間Taに対応する設定電圧V2を記憶しておき、判定部108は測定部104−1によって測定された現在の電圧V3と設定電圧V2を比較して、現在の電圧V3が設定電圧V2未満であるか否かの判定を行う構成であってもよい。
一方、非優先回線である無線LAN方式による通信を行っている間に、優先回線であるW−CDMA方式による通信が可能な残り時間Tbが設定時間Taを下回らなかった場合(S306においてNOの場合)は、非優先回線の切断処理を行う必要がない為、無線LANによる通信が切断されまで(S308においてYESとなるまで)、S306の判断が繰り返される。
実施の形態1〜4の説明では、第1および第2の無線通信方式をそれぞれW−CDMAおよび無線LANとしたが、無線通信方式はW−CDMAや無線LANに限定されるものではない。たとえば、PDC(Personal Digital Cellular)、PHS(Personal Handy-phone System)、GSM(Global System for Mobile Communications)、CDMA2000(Code Division Multiple Access 2000)、LTE(Long Term Evolution)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、HSPA(High Speed Packet Access)、Bluetooth(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)であってもよい。
そして、第1の無線通信方式と第2の無線通信方式との組み合わせとしては、たとえば、W−CDMA/HSPAと無線LAN、W−CDMA/HSPAとWiMAX、PHSと無線LANなどがあげられる。これらの組み合わせは、消費電力が大きく無線通信可能範囲が大きい無線通信方式と消費電力が小さく無線通信可能範囲が小さい無線通信方式との組み合わせや、消費電力が大きく伝送速度が大きい無線通信方式と消費電力が小さく伝送速度が小さい無線通信方式との組み合わせ等が挙げられる。そして、特定の場所では無線LANを使用し、それ以外の場所ではW−CDMAやHSPAといった広いエリアをカバーする無線通信方式を使用する、といった無線通信方式の使い分けを行うことが好ましい。
本実施の形態1〜4に係る携帯電話100は、このような使い分けを行う場合において、たとえば、無線LANによる通信中に、ユーザが知らないうちにW−CDMA(HSPA)が使用できなくなっていた、ということを避けることができる。逆に、本実施の形態1〜4に係る携帯電話100は、上記のような使い分けを行う場合において、たとえば、W−CDMAによる通信中に、ユーザが知らないうちに無線LANが使用できなくなっていた、ということも避けることができる。
[その他の実施の形態]
上記に示す実施の形態1〜4の各構成要素(機能ブロック)は、その本質を変容させることなく、互いに組み合わせ可能であり、他の実施の形態に適用することができる。たとえば、実施の形態2に係る携帯電話100に実施の形態3に係る音声出力部113を備えることも可能である。また、実施の形態2に係る携帯電話100に実施の形態4に係る切断部126を備えることも可能である。また、実施の形態3に係る携帯電話100に実施の形態4に係る切断部126を備えることも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2 アンテナ、3 第1のメモリ、4 第2のメモリ、100 携帯電話、101 第1の無線通信部、102 第2の無線通信部、103 電池部、104 測定部、105 制御装置、106 無線制御部、107 通信時間算出部、108 判定部、110 表示部、111 表示制御部、112 音声制御部、113 音声出力部、115 接続部、117 第2の設定部、118 第1の設定部、120 操作部、126 切断部、150 モニタ、172 マイク、173,174 スピーカ、Ta 設定時間、Tb,Tc 残り時間、V1a,V2a,V3a,V1b 電池電圧。