JP2009206027A - 電球形蛍光ランプ及び照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ランプ点灯時において、発光管の形状のイメージが投影されるのを抑制し、外観が低下することを防止できる電球形蛍光ランプ及び照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、カバー3内に収容される点灯装置7及び発光管支持ホルダ5と、発光管支持ホルダ5に支持され、一対の電極4g、4hを有するとともに発光管支持ホルダ5側よりも、その頂端部側に径大な膨出部を少なくとも一部に有するバルブ4eを備える発光管4と、発光管4が収容され、前記バルブ4eの膨出部よりも縮径した縮径部6bが形成され、かつ前記バルブの最大径の膨出部よりも径大な大径部を含んで少なくとも2部分以上に分割され、その分割接合面6−12が溶着されているとともに、肉厚が0.5mm〜1.5mmであって、可視光域の全光線透過率が85%以上で直線透過率が10%以下の熱可塑性の樹脂グローブとを備える電球形蛍光ランプである。
【選択図】図1

Description

本発明は、電球形蛍光ランプ及びこの電球形蛍光ランプを備える照明装置に関する。
従来、この種の電球形蛍光ランプは、JISに定義されている一般照明用電球に近い寸
法に小形化されており、一般照明用電球に近似した外観を有している。 近年では、グローブを透明又は光拡散性を有するガラスや合成樹脂により形成し、このグローブ内の狭隘な空間内に配設される屈曲バルブを螺旋形に形成して放電路長の増大を図ったものが提案されている(特許文献1参照)。そして、この特許文献1に示されたものは、一般照明用電球に近似した外観を保ち、バルブの最大径部をグローブ内に収容するため、グローブを2分割し、これらを接合する構成となっている。
特開2008−10404号公報
しかしながら、このような従来の電球形蛍光ランプでは、ランプが高輝度化してきたこと、グローブ内の狭隘な空間内にバルブを収納するためバルブ外面がグローブの内面に接近する傾向にあること等から、ランプ点灯時において、グローブにバルブイメージ、すなわち、発光管の形状のイメージが投影されて外観を損なうという課題がある。また、グローブの分割した線状の接合部が目立ち、これによっても外観を低下させてしまうという課題を抱えていた。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたもので、ランプ点灯時において、グローブに発光管の形状のイメージが投影されるのを抑制し、グローブの接合部が目立ちにくく、外観が低下することを防止できる電球形蛍光ランプ及び照明装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の電球形蛍光ランプは、一端側に口金が配設され、他端側に取付端部を有するカバーと;カバー内に収容される点灯装置及び発光管支持ホルダと;発光管支持ホルダに支持され、一対の電極を有するとともに発光管支持ホルダ側よりも、その頂端部側に径大な膨出部を少なくとも一部に有するバルブを備える発光管と;発光管が収容され、カバーの取付端部に取付けられる開口端部側に前記バルブの膨出部よりも縮径した縮径部が形成され、かつ前記バルブの最大径の膨出部よりも径大な大径部を含んで少なくとも2部分以上に分割され、その分割接合面が溶着されているとともに、肉厚が0.5mm〜1.5mmであって、可視光域の全光線透過率が85%以上で直線透過率が10%以下の熱可塑性の樹脂グローブと;を具備していることを特徴とする。
請求項2記載の電球形蛍光ランプは、前記樹脂グローブの分割接合面は、超音波溶着されていることを特徴とする。
請求項3記載の照明装置は、請求項1又は請求項2記載の電球形蛍光ランプと;電球形蛍光ランプが取付けられる器具本体と;を具備していることを特徴とする。
請求項1記載の電球形蛍光ランプによれば、発光効率の向上を図ることができ、また、ランプ点灯時において、グローブに発光管の形状のイメージが投影されるのを抑制し、グローブの接合部を目立ちにくく、外観が低下することを防止できる。
請求項2記載の電球形蛍光ランプによれば、樹脂グローブの分割接合面は、超音波溶着により接合するので、接着剤等の加工材料を必要とせず、簡単、迅速、強固、かつ均質に接合することができる。
請求項3記載の照明装置によれば、請求項1又は請求項2記載の電球形蛍光ランプを備えているので、これら電球形蛍光ランプの効果を奏する照明装置を提供することがきる。
以下、本発明の電球形蛍光ランプの実施形態を図1乃至図6を参照して説明する。図1は、電球形蛍光ランプの一部を縦断面で示す正面図、図2は、樹脂グローブの分割接合面の溶着状態を示す説明図、図3は、樹脂グローブの分割態様を示す説明図、図4は、図3の分割接合面を示す説明図、図5は、樹脂グローブの全光線透過率を示すグラフ、図6は、樹脂グローブの直線透過率を示すグラフである。
図1に示すように電球形蛍光ランプ1は、その管軸方向の一端に口金2を設けたカバー3、このカバー3の他端側に支持された発光管4、この発光管4の一端側を支持するカバー3に取付けられた発光管支持ホルダ5、発光管4を覆うとともに下端側でホルダ5の周囲を覆ってカバー3に取付けられた樹脂グローブ6、口金2及びカバー3の内側に収納された点灯装置7を備えている。そして、定格電力が例えば、40Wタイプ、60Wタイプ、100Wタイプの白熱電球等の一般照明用電球に近い寸法と外観に形成されている。この一般照明用電球とは、JIS C 7501に定義されている。
口金2は、エジソンタイプのE26形等で、ねじ山が形成された筒状部2aを備え、この筒状部2aは、その上端側をカバー3の一端部に被せて接着剤又はかしめ等により固定されている。
カバー3は、PBT等の耐熱性合成樹脂により形成され、下方に向けて漸次縮径する逆円錐台状部を有し、このカバー3の一端側には口金2の筒状部2aが取付けられ、カバー3の他端側には、取付端部3aが形成されている。
発光管支持ホルダ5は、PBT等の耐熱性合成樹脂により概略円筒状に形成されており、上端に基板面5aを有し、下端をカバー3に接着剤等により固着されている。そして、ホルダ5は、基板面5a上に、発光管4の一対の電極封止端部4a,4bを載置させて支持する支持凹部5b、5cと、電極封止端部4a,4b同士の間隙内に突出して、その径方
向のずれを規制する筒状突部5dを突設している。
樹脂グローブ6は、例えば、有機顔料を含んで乳白色を呈し、ポリカーボネート等の熱可塑性の合成樹脂により、白熱電球等の一般照明用電球のガラス球の形状に近い滑らかな曲面状に形成されている。そして、樹脂グローブ6は、ほぼ球状に形成された球状部6aと、この球状部6aの下方部に球状部6aの直径よりも小径に漸次縮径されたほぼ円筒状の縮径部6bを一体的に形成している。球状部6aは樹脂グローブ6の最大径をなす最大径部6cを有する。縮径部6bは、樹脂グローブ6の一端部に縮径開口端部6dが形成され、この開口端部6dの縁部がカバー3の取付端部3aの内側に嵌合されて例えば、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の接着剤により接着固定されている。
そして、樹脂グローブ6は、発光管4及び電球形蛍光ランプ1の管軸と直交する方向、すなわち、横方向に2分割されている。つまり、発光管4の最大外径部を横方向の分割線P−Pで上下に2分割して、頂端部側である球状部6a側のトップグローブ6−1と、縮径部6b側のアンダグローブ6−2とを形成している。
この樹脂グローブ6が、例えば、非分割で一体に形成されている場合には、発光管4の最大外径部の外径の方が樹脂グローブ6の縮径開口端部6dよりも大きいので、この開口端部6dから樹脂グローブ6内に発光管4を挿入できない。しかし、この樹脂グローブ6は、その分割線P−Pにより、トップグローブ6−1とアンダグローブ6−2とに上下に2分割されているので、発光管4を発光管支持ホルダ5上に立設した後、この発光管4の外側をその上下両方からアンダグローブ6―2とトップグローブ6−1によりそれぞれ被せ、これら両グローブ6−1、6−2の開口端同士の分割接合面6−12を超音波溶着により固着して一体に構成することができる。
すなわち、樹脂グローブ6において、分割線P−Pは、発光管4の最大径の膨出部、すなわち、発光管4の最大外径部よりも径大な大径部、例えば、最大径部6cを含んでいるので、この分割線P−Pに沿って分割することにより、アンダグローブ6―2とトップグローブ6−1により発光管4の全体を被覆することが可能となる。
ここで、図2を参照して上記アンダグローブ6―2とトップグローブ6−1の分割接合面6−12の超音波溶着について説明する。図2は、分割接合面6−12を示す拡大図である。トップグローブ6−1の分割接合面6−12aには、環状に突出部Pが形成されている。一方、アンダグローブ6―2の分割接合面6−12bには、環状に凹部Cが形成されている。まず、溶着に際しては、前記突出部Pと凹部Cとを突合せ、位置決めする。その後、超音波の縦方向の振動を加えると突出部Pが摩擦熱により瞬間的に溶解されて分割接合面6−12a、6−12b同士が接着される。なお、分割接合面6−12の溶着は、振動溶着等、他の溶着方法で行ってもよい。これら溶着の場合、相互の分割接合面の位置決め、接合強度の維持等のため、分割接合面6−12には所定の幅、すなわち、樹脂グローブ6は所定の肉厚を必要とする。
次に、図1に示す発光管4は、その頂端部側に形成された膨出部としての螺旋形部4cと、発光管支持ホルダ5側に形成された直状部4dとを有し、これらを一体に連結している。螺旋形部4cは、外径が例えば、10mmの直状円管状のガラスバルブ4eをほぼ等分の2つ折りに折曲し、その等分位置の折返し部4fを頂端として図示しない金型に巻き付けて2重螺旋形にモールド成形することにより形成される。ガラスバルブ4eは、内面に希土類等の蛍光体膜をほぼ全長に亘って形成し、軸方向両端部には、一対の電極4g、4hをそれぞれ封装して電極封止端部4a,4bを形成している。
膨出部としての螺旋形部4cは、樹脂グローブ6の最大径部6cを有する頂端6d側の球状部6a内に収容され、その螺旋径を、樹脂グローブ6の球状部6aの内面形状に対応させている。そして、頂端の折返し部4fから最大径部6cに向けて漸次拡径して、樹脂グローブ6の最大径部6cで螺旋径を最大とし、樹脂グローブ6の球状部6a下半部の縮径に対応して螺旋径を漸次縮径して直状部4dに一体に連続形成している。直状部4dは、一対の電極封止端部4a,4bをほぼ平行に並設して発光管支持ホルダ5の支持凹部5b、5c内に挿入されている。
点灯装置7は、点灯回路パターンを形成した縦基板を発光管支持ホルダ5内面に嵌入して固定している。縦基板の実装面には、電解コンデンサやトランジスタ等の点灯回路部品が実装されている。
次に、図3及び図4を参照して樹脂グローブ6の分割の態様について説明する。図3は、電球形蛍光ランプ1の一部を縦断面で示している。
(分割態様1)図3に示すA−A線を分割線とするものであり、上記実施形態と同様な分割態様である。電球形蛍光ランプ1の管軸と直交する方向、すなわち、横方向に2分割するものである。図4(a)に分割接合面6−12を示しており、この径寸法D1は、発光管4の最大径の膨出部よりも大径である。
(分割態様2)図3に示すB−B線を分割線とするものであり、電球形蛍光ランプ1の管軸方向、すなわち、縦方向に2分割するものである。図4(b)に分割接合面6−12を示しており、この径寸法D2は、発光管4の最大径の膨出部よりも大径である。
以上のような分割態様によれば、樹脂グローブ6により発光管4の全体を被覆することが可能となる。なお、分割態様は、上述の態様に限定されるものではない。要は、樹脂グローブ6を分割することにより、膨出部を有する発光管4の全体を被覆することが可能であればよい。
ところで、このように構成された電球形蛍光ランプ1において、ランプを点灯した場合に発光管4の形状のイメージが樹脂グローブ6を介して視認され、また、樹脂グローブ6の分割線P−Pが目立ち、外観を損なうという問題が生じていた。そこで、これらを解決するため研究、実験を試みた。
樹脂グローブ6の直線透過率が高いと発光管4の形状のイメージが見えやすいので、直線透過率を低くする必要がある。一方、全光線透過率を低くすれば、直線透過率も低下する傾向となるが、発光管4の発光効率を低下させてしまうこととなる。したがって、全光線透過率を下げずに、直線透過率を低くする必要がある。換言すれば、直線透過率を低くする分、拡散透過率を上げる必要がある。
以上を考慮し最適値を探求した一実施例について以下に説明する。本実施例では、樹脂グローブ6の肉厚を1.5mmに設定した。樹脂グローブ6の全光線透過率と直線透過率とを測定した結果、図5及び図6に示す結果となった。図5は、波長(横軸)と全光線透過率(縦軸)との関係の実測値を示し、図6は、波長(横軸)と直線透過率(縦軸)との関係の実測値を示している。これらをまとめると、表1に示すように、波長400nm〜800nmにおける全光線透過率と直線透過率の測定値が得られる。そして、この測定値に基づくと、全光線透過率は、可視光域(450nm〜800nm)の平均値で87%、直線透過率は、可視光域(450nm〜800nm)の平均値で4.6%の結果である。
Figure 2009206027
以上の本実施例の樹脂グローブ6を用いた場合には、全光線透過率を所定値に維持することにより、発光効率を維持でき、直線透過率を低くすることにより、拡散光の作用と相俟って発光管4の形状のイメージが投影されるのを抑制でき、樹脂グローブ6の接合部が目立ちにくくなるとの知見を得た。
次に、上記効果を達成するための最適値範囲について考察した。その結果、樹脂グローブ6の肉厚は0.5mm〜1.5mm、可視光域の全光線透過率は85%以上、直線透過率は10%以下との結論に至った。すなわち、上述したように樹脂グローブ6の分割接合面6−12の溶着には所定の肉厚を必要とする。樹脂グローブ6の肉厚が0.5mm未満であると、その溶着強度の維持等の観点から所定の肉厚に満たないものとなってしまい、加えて、直線透過率の上昇を来たしてしまう結果となる。また、1.5mmを超えると、全光線透過率に影響し、発光効率の低下を招来する。したがって、上記肉厚の範囲が好適であり、上記樹脂グローブ6の肉厚、全光線透過率及び直線透過率の範囲は、溶着に必要な肉厚、また、その肉厚が全光線透過率及び直線透過率に影響を与えるという現象に鑑み、これらを有機的に結合して所期の効果を達成し得るものということができる。
以上のように本実施形態の電球形蛍光ランプ1によれば、一般照明用電球近似の外観を得ることができ、また、発光管4の螺旋形部4cは、樹脂グローブ6の最大径部6cを含む比較的大容量の球状部6a内に収容されているので、バルブ径と螺旋径を共に大径化することができる。このために、螺旋形部4cの放電路長を伸ばすことが可能で、螺旋形部4cにおける光束の増大と発光効率の向上を図ることができる。また、樹脂グローブ6を肉厚、全光線透過率及び直線透過率において、最適値範囲に構成することにより、発光管4の形状のイメージが投影されるのを抑制でき、樹脂グローブ6の分割接合部が目立ちにくく、外観が低下するのを防止することができる。さらに、発光管4の直状部4dは、螺旋形部4cに比較し、暗くなりがちであるが、樹脂グローブ6の拡散透過率の上昇により、拡散光が作用することから改善が可能となる。さらにまた、樹脂グローブ6の分割接合面6−12は、超音波溶着により接合するので、接着剤等の特別な加工材料を必要とせず、簡単、迅速、強固、かつ均質に接合することができ、分割接合部自体を目立たなくすることができる。
次に、本発明の照明装置の実施形態について図7を参照して説明する。図7は、照明装置の概略の構成図である。この照明装置10は、例えば、ダウンライトであり、器具本体11を有し、器具本体11内にはソケット12及び反射体13が取付けられている。ソケット12には上述の電球形蛍光ランプ1の口金2がねじ込みにより装着されている。
本実施形態によれば、発光効率を維持でき、電球形蛍光ランプ1の発光管4の形状のイメージが投影されるのを抑制でき、樹脂グローブ6の接合部が目立ちにくく、外観が低下するのを防ぐことができる照明装置10を提供することができる。
本発明の電球形蛍光ランプの一部を縦断面で示す正面図である。 樹脂グローブの分割接合面の溶着状態を示す説明図である。 樹脂グローブの分割態様を示す説明図である。 図3の分割接合面を示す説明図である。 樹脂グローブの全光線透過率を示すグラフである。 樹脂グローブの直線透過率を示すグラフである。 本発明の照明装置を示す概略の構成図である。
符号の説明
1・・・電球形蛍光ランプ、2・・・口金、3・・・カバー、3a・・・取付端部、4・・・発光管、4e・・・バルブ、4g、4h・・・電極、5・・・発光管支持ホルダ、6・・・樹脂グローブ、6d・・・縮径部、6−12・・・分割接合面、7・・・点灯装置、10・・・照明装置

Claims (3)

  1. 一端側に口金が配設され、他端側に取付端部を有するカバーと;
    カバー内に収容される点灯装置及び発光管支持ホルダと;
    発光管支持ホルダに支持され、一対の電極を有するとともに発光管支持ホルダ側よりも、その頂端部側に径大な膨出部を少なくとも一部に有するバルブを備える発光管と;
    発光管が収容され、カバーの取付端部に取付けられる開口端部側に前記バルブの膨出部よりも縮径した縮径部が形成され、かつ前記バルブの最大径の膨出部よりも径大な大径部を含んで少なくとも2部分以上に分割され、その分割接合面が溶着されているとともに、肉厚が0.5mm〜1.5mmであって、可視光域の全光線透過率が85%以上で直線透過率が10%以下の熱可塑性の樹脂グローブと;
    を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
  2. 前記樹脂グローブの分割接合面は、超音波溶着されていることを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。
  3. 請求項1又は請求項2記載の電球形蛍光ランプと;
    電球形蛍光ランプが取付けられる器具本体と;
    を具備していることを特徴とする照明装置。
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