JP2009205868A - 固体電解質燃料電池システムおよび固体電解質燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷変動に対する応答性、および燃焼効率が優れる固体電解質燃料電池システムを提供する。
【解決手段】固体電解質からなる壁もしくは膜の一方の面に燃料極を形成した空間を有し、他方の面に酸化剤ガス極を形成した空間を有する固体電解質燃料電池と、該燃料電池にて発電反応を終えた排燃料ガスを混合し燃焼する燃焼器とを備えた固体電解質燃料電池システムであって、酸化剤ガス供給手段から燃焼器に供給された酸化剤ガスが、燃料極を形成した空間から排出される排燃料ガスと混合し燃焼して加熱された後、燃焼器に連通する酸化剤ガス極を形成した空間に供給されることを特徴とする固体電解質燃料電池システム。
【選択図】図1

Description

本発明は固体電解質燃料電池に関し、特に負荷変動に対する応答性、および燃焼効率が優れる固体電解質燃料電池システムに関する。
近年、エネルギー需要の増大とエネルギー源の多様化に伴って、様々な発電方式が研究開発及び実用化されており、その主要な発電方式の一つとして燃料電池が知られている。中でも固体電解質燃料電池は、純水素以外の多種多様な炭化水素系燃料が使用可能で、かつ高い発電効率が得られるなどの点において優れており、種々の方式が研究開発されている。
図10は、このような固体電解質燃料電池(以下、燃料電池ともいう)のシステムの一例である。この方法は、酸化剤ガス(通常は空気)を熱交換器16により予熱し、更に予熱された前記酸化剤ガスは、必要に応じバーナー用燃料供給弁19からバーナー17に燃料を供給して燃焼させて昇温した後、燃料電池本体1の固体電解質壁または膜(以下、電解質膜で代表させることもある)3の一方の面に酸化剤ガス極4が形成された空間6に供給される。一方、燃料は熱交換器16により予熱された後、電解質膜3の他の面に燃料極5が形成された空間7に供給される。燃料電池本体1で発電反応が終わった酸化剤ガスの排ガス、および未反応燃料を含む排燃料ガスは、燃焼器18に導入され混合して燃焼し、その燃焼排ガスは前記熱交換器16に加熱用熱源として送られ酸化剤ガスおよび燃料の予熱に利用される。
一方、電解質膜、電極、酸化剤ガス、燃料を含む固体電解質燃料電池は、通常は出力電圧が一定になるよう制御される。電圧一定制御のもとでは、該燃料電池の最大電流値(つまり最大電力値)は、図9に示す通り燃料電池の温度に依存する。そのため、該燃料電池に接続されている負荷が急激に増えた場合、そのままでは電圧が低下したままとなるので、電圧を設定電圧に維持すべく燃料電池の温度をその負荷に対応する温度まで昇温させると同時に、発電用燃料も負荷に見合う流量に増やす制御が必要となる。図10による方法では、燃料電池本体1を負荷に対応する温度まで昇温すべく、バーナー用燃料供給弁19にて燃料流量を増やすと同時に、発電用燃料も、燃料流量調節弁8により負荷に対応する流量に増やよう制御される。このように、バーナー用燃料供給弁19は、燃料電池本体1の温度を、その負荷に対応する温度に維持する目的で制御され、発電用燃料流量調節弁8はその負荷に対応する発電量(すなわち電流値)を制御する目的で用いられることになるが、各々の燃料供給弁は相互に影響を及ぼし合うことから、極めて複雑な制御システムにならざるを得ない。例えば、負荷がステップ状に増加した場合の過渡状態から静定するまでの状態を考えると、先ず負荷が増加することにより電圧が低下し、この電圧低下に比例(及び積分)するフィードバック量によりバーナー用燃料供給弁19及び発電用燃料流量調節弁8の開度を増やし、供給する燃料量を増やす。しかし、負荷が変化した初期には、燃料電池の温度はまだ必要な温度に到達していないため、供給された発電用燃料の一部は、発電に寄与することなく燃料排ガスとして排出され、燃焼器内で燃焼し熱交換器18の加熱源となる。
一方、負荷が増加する過渡状態の後期では、燃料電池本体1の温度は設定電圧を維持するに足る温度まで上昇し、発電用燃料量も発電量を維持するに足る燃料量が供給されるものの、発電量の増加に伴い、燃料電池内部での発熱も増加するため、バーナー用燃料供給弁19及び発電用燃料流量調節弁8とも絞り込みの操作に入る。この場合、それぞれの燃料弁の内、何れか一方のみの絞り込みでは最適な運転状態を保持することはできず、両方の燃料弁について、それぞれ一定の比率で絞り込むことになる。しかし、これらの比率は高負荷及び低負荷の場合とで異なる比率になるため、あらゆる運転状態を想定してこれらの比率を精度よく設定することは極めて困難である。
このように、電圧一定制御を行う目的で、相互に影響しあうバーナー用燃料供給弁19及び発電用の燃料流量調節弁8をそれぞれ個別に制御し、なおかつ最も燃料消費が少なくて済む運転(すなわち最も燃料効率の良い運転)を実現するためには極めて煩雑な制御ロジックが必要となり、信頼性、制御性、経済性の点で問題があった。
負荷が急激に低下した場合も同様で、燃料電池本体1の温度は直ぐには下がらず高い温度の状態にあるので、先ず発電用の燃料調節弁8を絞り込み電圧上昇を抑えると同時に、バーナー用燃料供給弁19を絞り込み燃料電池の温度を低減させる操作に入る。燃料電池本体1の温度が低下し始めると、今度は発電用燃料が不足してくるので、電圧を一定に保つために発電用燃料流量調節弁8は逆に僅かづつ増やす操作に入る。
以上に示す煩雑な制御を避ける方法として、バーナー用燃料供給弁19は燃料電池本体1の温度が常に一定になるよう燃料量を制御し、発電用燃料流量調節弁8は、負荷変動に対して常に電圧が一定になるよう燃料供給量を制御する方法がある。しかしこの方法では、燃料電池本体1の温度を、常時最高出力を出すことのできる高い温度に保持し続けることになるので、特に低負荷時では不必要に高い温度を維持することになって、燃料電池の効率を低下させる欠点がある。
なお、負荷変動に対し電圧を一定に維持するため、燃料供給弁19は一般にPI(比例・積分)制御もしくはPID(比例・積分・微分)制御が行われるが、図10の方式では、燃料電池本体1、燃焼器18、熱交換器16を含めた熱容量が大きくなり、従って時定数が大きくなって、負荷変動に対し実用的に充分な速度で応答できない欠点があった。
また、図10に示す方法の他の実施形態の一つとして特許文献1の方法がある。この方法は、図10に示す燃焼器18が触媒燃焼器であること、およびバーナー17が無い点が特徴であるが、反応が終わった酸化剤ガスの排ガスおよび未反応燃料を含む排燃料ガスを燃焼器18に導入し、その燃焼排ガスで酸化剤ガスおよび燃料の予熱を行う点は上記方法と同じであるため、同様に負荷に対する追従性が劣る欠点があった。
また、特許文献2の方法は、図11に示すように起動用燃料極側燃焼器21の燃焼ガスと起動用燃料極側温度調整ガス22を混合して得たガスを、起動用燃料極側燃焼器21の燃焼ガスの後流において混合拡散して燃料電池側にある多孔質整流体を介して燃料電池本体1の燃料極に供給し、かつ起動用酸化剤ガス極側燃焼器20の燃焼ガスと起動用酸化剤ガス極側温度調整ガス23を混合して得たガスを、起動用酸化剤ガス極側燃焼器20の燃焼ガスの後流において混合拡散して燃料電池側にある隔離板方向から燃料電池本体1の酸化剤ガス極に供給し、燃料電池本体1を昇温して起動させる固体電解質燃料電池システムである。
この方法は、燃料電池の安定起動を目的とし、前述の図10による方法で示したバーナーを燃料側および酸化剤ガス側の両方に設けているが、通常運転中の負荷変動に対する制御に関するものではない。そして、燃焼システムとしては、酸化剤ガス中に燃料ガスを供給し、その燃焼ガスを酸化剤ガスの気流中に拡散・混合させることによって酸化剤ガスの昇温を行うもので、燃料電池内で発電反応が終了した排燃料ガスを燃焼器に導いて燃焼させて酸化剤ガスの昇温を行うものではない。
特許文献2の方法は、図10の燃焼システムと同様に起動用の燃焼器を備えているので、この燃焼器の点火と消火を複数個の制御弁で頻繁に行っても、負荷に対し充分な応答性が得られず、かつ複雑な制御弁操作が必要となるなどの欠点を有している。
特開2004−152757号公報 特開2007−328989号公報
本発明は、負荷追従性に優れ、かつ急速起動が可能な高効率固体電解質燃料電池システムの提供を目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するためになされたもので、酸化剤ガス供給手段から供給された酸化剤ガスを、燃料極を形成した空間から排出される排燃料ガスと混合して燃焼させて加熱することにより、負荷変動に対する応答性の優れた固体電解質燃料電池システムが得られることを見出し、本発明に至ったものである。
本発明は、従来の燃焼システムにおける欠点を解消するためになされたもので、以下に示す固体電解質燃料電池システムを提供する。
(1) 固体電解質からなる壁もしくは膜の一方の面に燃料極を形成した空間を有し、他方の面に酸化剤ガス極を形成した空間を有する固体電解質燃料電池と、該燃料電池にて発電反応を終えた排燃料ガスと混合し燃焼する燃焼器とを備えた固体電解質燃料電池システムであって、酸化剤ガス供給手段から燃焼器に供給された酸化剤ガスが、燃料極を形成した空間から排出される排燃料ガスと混合し燃焼して加熱された後、燃焼器に連通する酸化剤ガス極を形成した空間に供給されることを特徴とする固体電解質燃料電池システム。
(2) 酸化剤ガスが空気もしくは酸素富化膜を用いて酸素富化された空気である上記(1)に記載の固体電解質燃料電池システム。
(3) 燃焼器が、酸化触媒を用いた触媒燃焼バーナーであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の固体電解質燃料電池システム。
(4) 酸化剤ガス供給手段から供給された酸化剤ガスを、酸化剤ガス供給手段と燃焼器に連通した流路に設けた予熱器により、酸化剤ガス極を形成した空間から排出される排酸化剤ガスを加熱源として予熱することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の固体電解質燃料電池システム。
(5) 燃焼器と酸化剤ガス極を形成した空間に連通した流路に燃料予熱器を設け、燃料供給手段から供給された燃料ガスの予熱を燃焼器で昇温された酸化剤ガスを加熱源として該燃料予熱器において行うことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の固体電解質燃料電池システム。
(6) 固体電解質燃料電池が、ハニカム型、チューブ型、平板積層型、平板内複数電極型または平板凹凸型であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の固体電解質燃料電池システム。
(7) 固体電解質からなる壁もしくは膜の一方の面に燃料極を形成した空間における燃料ガスの流れ方向と、他方の面に酸化剤ガス極を形成した空間における酸化剤ガスの流れ方向とが、同一または逆向きであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の固体電解質燃料電池システム。
(8) 固体電解質からなる壁もしくは膜の一方の面に燃料極を形成した空間を有し、他方の面に酸化剤ガス極を形成した空間を有する固体電解質燃料電池に供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスの何れか一方もしくは両方が、該燃料電池内部に設けた流路を通り、供給口とは反対側の端部で反転し、それぞれ燃料極を形成した空間および酸化剤ガス極を形成した空間に供給されることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の固体電解質燃料電池システム。
(9) 固体電解質からなる壁もしくは膜の一方の面に燃料極を形成した空間に供給する燃料ガスの供給量を、単一もしくは複数の燃料流量調節弁を用いて出力電圧が一定となるよう制御することを特徴と上記(1)〜(8)のいずれかに記載の固体電解質燃料電池システム。
(10) 固体電解質からなる壁もしくは膜の一方の面に燃料極を形成した空間を有し、他方の面に酸化剤ガス極を形成した空間を有する固体電解質燃料電池と、該燃料電池の発電反応を終えた排燃料ガスを混合し燃焼する燃焼器とを備えており、該燃焼器は前記燃料電池と酸化剤ガス供給手段とに連通する流路に設けられており、酸化剤ガス供給手段から燃焼器に供給された酸化剤ガスが、該燃焼器において燃料極を形成した空間から排出される前記排燃料ガスと混合し燃焼して加熱されるように構成されていることを特徴とする固体電解質燃料電池。
(11) 酸化剤ガス供給手段と燃焼器に連通した流路に予熱器を設け、該予熱器を、固体電解質からなる壁もしくは膜の一方の面に燃料極を形成した空間を有し、他方の面に酸化剤ガス極を形成した空間を有する固体電解質燃料電池の外周部全周に配置し、該固体電解質燃料電池が、該予熱器に内包され、該予熱器と該燃料電池が一体化した構造であることを特徴とする上記(10)に記載の固体電解質燃料電池。
本発明によれば、上記の解決手段によって次のような効果が得られる。
燃料電池は、発電装置として常に負荷側が要求する電圧を維持しつつ負荷側に必要な電流を供給しなければならず、制御としては電圧一定制御である。例えば、負荷が急激に増加し電圧が低下すると、電圧を設定値に回復すべく燃料流量を増やして作動温度を上げ、電圧が回復すると、すなわち電流値に対応する作動温度に到達すると、燃料流量は所定の電圧を保持する燃料流量に収束する。逆に、負荷が急激に低下し電圧が上昇すると、電圧を設定値に回復すべく燃料流量を絞り、電圧が回復すると燃料流量は所定の電圧を保持できる流量に収束するものが好ましい。しかも、これらが負荷に追従して迅速に対応することが好ましい。
電圧一定制御(負荷制御)を行うということは、常に一定電圧のもとで負荷側が要求する電流を発生し続けることを意味する。そのためには、固体電解質、電極、燃料ガス、酸化剤ガスを含む電池の構造体、すなわち燃料電池本体の温度を、電流値に対応する温度に設定しなければならない。負荷制御を行う場合、相互に影響し合う複数の燃料調整弁を用いて上記温度制御を行うことは制御が非常に複雑となり、信頼性を低下させるうえ、システムも高価になる。
本発明による方法は、単一の燃料流量調節弁を用いて、負荷に対応した燃料流量をフィードバック制御(PI制御、PID制御またはフィードフォワード制御)することができるので、制御方法が簡素化され信頼性、経済性ともに向上する。
また、本発明によれば燃焼器で燃焼する燃料は発電を終えた排燃料ガスで、この排燃料ガスを燃焼させて負荷に対応する温度まで酸化剤ガスを直接熱交換により加熱するので、熱交換器で加熱する方法に比べ負荷変動に対する応答性が格段に向上する。つまり、熱交換器が持つ熱容量(時定数が大きくなる)により温度追従性が低下するのに比べ、本発明による方法は直接熱交換であるため予熱器の熱容量を“ゼロ”とみなしうるためである。
さらに、本発明は、酸化剤ガス極を形成した空間から排出される未反応酸化剤ガスを含む排酸化剤ガスを、排燃料ガスと混合することなく酸化剤ガスの予熱に利用することもできる。したがって、排酸化剤ガスと排燃料ガスとを燃焼させた燃焼排ガスを、熱交換器の加熱源として酸化剤ガスの予熱に用いる場合に比べ、熱交換器の出口温度を低く抑えることができるので、排ガス損失を低減し、熱効率を向上させることができる。
さらにまた、本発明は単一の燃料流量調節弁を用いて、もしくは流量制御の精度を向上させる目的で複数の燃料流量調節弁によるグループ制御を用いて、電圧が常に一定になるよう制御されるので、供給される燃料は、発電のために消費される燃料と、所定の電圧に維持する(すなわち燃料電池本体を必要な電流値に対応した温度に維持する)ためにその全量が消費されるので、燃料消費が最も少ないすなわち燃料効率が最も高いシステムを構築することができる。
一例として、負荷が低負荷から高負荷にステップ状に変化した場合、電圧一定制御が行われているので、電圧の偏差によるフィードバックが働き、燃料流量調節弁の開度が増え、燃料はその負荷に対応する以上の流量が流れる。しかし、この時点では未だ燃料電池本体の温度はその負荷に対応する温度には到達していないので、燃料排ガス中の未反応燃料の割合が多くなり、燃焼器での発熱量が増加する。これにより、燃料電池本体の昇温が加速される効果が生まれる。また、負荷が低負荷から高負荷に変化する過渡状態の後期では、燃料電池本体の温度がその負荷に対応する温度まで昇温するために発電量が増え、燃料排ガス中の未反応燃料の割合が少なくなり、燃焼器での発熱量が徐々に低減し、ついには静定状態に入る。このように、本発明を用いて電圧一定制御を行うことにより、必要な発電量と燃料電池本体の温度が自動的に調整され、最も燃料消費の少ない制御を行うことができる。上記とは逆に、負荷が急激に低下した場合も全く逆の作用で、結果として最も燃料消費の少ない制御を行うことができる。
負荷変動に対する他の制御方法として、従来の方法のように、バーナーの燃焼熱で燃料電池本体の温度を常時最高負荷が出せる温度に保持しつつ、負荷変動に対しては発電用燃料を加減する方法で達成することは可能ではあるが、低負荷時においても高い温度を保持し続けることは燃料消費を増大させ、かつ構成部品の耐久性を損なうことになり好ましくない。
なお、負荷が充分に大きい場合には、燃料電池本体での発熱量も増えるため、燃焼器での燃焼量は、燃料排ガス中の僅かの未反応燃料を燃やすだけの熱量が発生するのみで、酸化剤ガス中の酸素分圧を大きく損なうことはない。
また本発明によれば、酸化剤ガスを燃焼排ガスで直接熱交換し、更に燃料電池本体を内包する形で酸化剤ガス予熱器を配置することにより、最も熱放散が少なくかつ熱容量も最も少ない構造とすることができるため、急速起動及び負荷変動に対する追従性に優れた燃料電池を提供することができる。
本発明の固体電解質燃料電池システムは、固体電解質からなる壁もしくは膜(以下、固体電解質膜で代表する)の一方の面に燃料極を形成した空間を有し、他方の面に酸化剤ガス極を形成した空間を有する固体電解質燃料電池と、酸化剤ガスを固体電解質燃料電池に供給する流路に設置された燃焼器とを備えており、該燃料電池の排燃料ガスを該燃焼器に戻して酸化剤ガスと混合して燃焼させることによって酸化剤ガスを直に加熱することを特徴としている。このように酸化剤ガスを燃料電池から排出される排燃料ガスと混合して燃焼させ直接に加熱することによって、固体電解質燃料電池の負荷変動に対する優れた応答性と優れた燃焼効率とが得られる。
上記固体電解質燃料電池システムにおいて、固体電解質膜の一方の面に燃料極を形成した空間(燃料極セル)と、他方の面に酸化剤ガス極を形成した空間(空気極セル)とを有する固体電解質燃料電池は、従来の固体電解質燃料電池と基本的には同一であり、従来の固体電解質燃料電池の技術が広く使用できる。例えば、固体電解質膜の材料としては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジウム安定化ジルコニア(ScSZ)、ランタンガレード系固体電解質材(LSGM、LSGMC)、GDC(ガドリウム・セリア)などを使用できる。さらにLSGMとしては、La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2およびLa0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2、またLSGMCとしてはLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.15Co0.05およびLa0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.15Co0.05が例示される。またYSZとしては、例えばZrOにYをドープした8モル%Y・ZrO、12モル%Y・ZrO、ScSZとしては8モル%ScO・3ZrO、12モル%ScO・3ZrOなどが好ましく使用できる。
上記固体電解質膜はこれらの材料によって形成することができ、その両面は特殊な多孔性の電極材料で被覆される。この電極材料は、酸素と水素や炭化水素などの燃料との反応を促進する触媒として機能し、固体電解質燃料電池の発電反応を発現する。この電極膜材料としては、例えば燃料極にはNiおよびNiサーメット、酸化剤ガス極にはLaMnO、La0.8Sr0.2、MnO、LaCoO、La0.5Sr0.5CoO、Sm0.5Sr0.5CoOなどをそれぞれ好ましく使用できる。なお、固体電解質膜はこれらの燃料極材料または酸化剤ガス極材料からも形成することができる。
さらに、本発明の固体電解質燃料電池は、固体電解質膜の形体や燃料極セルと空気極セルの配置の仕方などを変えることによって種々の形体にすることができる。例えば、この形体としてはハニカム型、チューブ型、平板積層型、平板内複数電極型、または平板凹凸型などが挙げられる。このうち、チューブ型はチューブ状の固体電解質膜の例えば内面に燃料極、外面に酸化剤ガス極を形成して得られるチューブを同心的に1乃至2本以上配置して燃料電池を形成するものであり、ハニカム型はハニカム構造の固体電解質膜の両面にそれぞれ燃料極および酸化剤ガス極を形成して燃料極セルと空気極セルを構成するものである。
また、平板積層型は、固体電解質平板の一方の面に燃料極、他方の面に空気極をコートし、セパレーターを介して積層したものであり、平板内複数積層型は1枚の電解質平板に複数の電極コート面を設け、単セルを複数個形成した構成としたものであり、平板凹凸型は所謂モルブ型と称するもので平板にディンプル状の凹凸を設けて表面積を増加させたものである。
次に、本発明を図面に基づいて更に具体的に説明する。以下に示す図面および説明は、本発明の好ましい実施形態である固体電解質燃料電池システムを例示したものであり、本発明はこれに限定されない。また、図面には燃料ガス(一般にはメタン、エタン、プロパン、ブタン、ジメチルエーテル(DME)、メタノール、及びガス化した石油系燃料など)を燃料、また酸化剤ガス(一般には空気、酸素富化した空気、純酸素など)を空気として表示し、空気の流路を実線、燃料の流路を点線でそれぞれ表している。
図1は、本発明に係わる固体電解質燃料電池システムの基本構成を示す説明図である。図1に示すように燃料電池本体1は、固体電解質膜3の一面に酸化剤ガス極4が形成されている空間6と、他の面に燃料極5が形成されている空間7とを有しており、これらの空間6および空間7はそれぞれ固体電解質燃料電池の空気極セルおよび燃料極セルを構成する。この構成により、空間6に導入される空気と空間7に供給される燃料とが固体電解質膜3の作用によって発電反応し、得られた電力は酸化剤ガス極4と燃料極5から取り出される。なお、空気供給手段10および燃料供給手段11としては、従来の固体電解質燃料電池の汎用のものが使用できる。
本発明の固体電解質燃料電池システムでは、空気供給手段10と燃料電池本体1の前記空間6に連通する流路9に燃焼器2が設けられる。この燃焼器2には燃料極5が形成されている前記空間7から排出される未反応燃料を含む排燃料ガスが供給される。燃焼器2に供給された排燃料ガスは、ここで空気供給手段10から供給された空気と混合して未反応燃料が燃焼し、その燃焼熱が空気を直接に加熱する。燃焼器2で加熱された空気は燃料電池本体1に供給され、燃料電池本体1を負荷に対応する必要な電流値(電力)が得られる温度に昇温する。
このように燃料電池本体1から排出される排燃料ガスを空気供給手段10から供給される空気に混合して燃焼させることにより、空気を直接に熱交換加熱して瞬時に適切な温度に加熱することができる。その結果、この加熱された空気が燃料電池本体1の前記空間6に供給されると、燃料電池本体1は負荷に対応した温度に昇温される。燃料電池本体1に供給された空気は、前記空間7に供給される燃料と発電反応したあと排ガスとなる。
上記固体電解質燃料電池システムにおいて、燃焼器2による空気の加熱温度(予熱温度)は燃料電池本体1を所定の温度に昇温できるように決められ、その温度は燃料電池本体1から供給されてくる排燃料ガスに含有される未反応燃料量によって調整することができる。具体的には、燃料電池本体1に供給する燃料量を燃料流量調節弁8で調節し、予熱温度を高くしたい場合には、燃料の供給量を多くすることによって燃料電池本体1から排出される排燃料ガス中の未反応燃料量を増大させ、逆に予熱温度を下げたい場合には、燃料の供給量を少なくすることによって排燃料ガス中の未反応燃料量を減少させることによって達成される。
なお、上記燃焼器2としては、空気供給手段から供給される空気と排燃料ガスとを酸化触媒で触媒燃焼させることができる触媒燃焼バーナーが好ましい。該触媒燃焼バーナーであると、空気と排燃料ガスとを均一に混合した状態で安定燃焼させることができる。しかし、燃焼器はこれに限定されるものでなく、例えば通常の多孔式面バーナーと整流格子との組合せであってもよい。
本発明の固体電解質燃料電池システムによれば、単一の燃料流量調節弁8を用いて燃料電池本体1に供給する燃料量を負荷に対応して制御し、燃料電池本体1で発電反応を終えた排燃料ガスを燃焼器2に戻して燃料電池本体1に供給する空気に混合して燃焼させることにより、前記空気をこの燃焼熱で効率よく加熱し、さらに加熱された空気で燃料電池本体1を負荷に対応する温度まで昇温させることができる。このように本発明は、負荷に対応した燃料量を単一の燃料流量調節弁を用いてフィードバック制御することができるので、燃料電池システムの制御が簡素化され高い信頼性が得られる。また、未反応燃料を含有する排燃料ガスを空気と混合して燃焼させ、空気をその燃焼熱と直接熱交換して加熱するため、熱交換器による加熱方法に比べ熱交換器の熱容量に起因する遅れがなくなり、負荷変動に対する応答性が格段に向上する。
さらに、燃料電池本体1に供給される燃料量は、上記燃料流量調節弁8により燃料電池本体1の電圧が常に一定になるよう負荷変動に対応して応答性よく制御される。その結果、供給される燃料は、発電のための燃料と、燃料電池本体1の出力を所定の電圧に維持する、すなわち燃料電池本体を必要な電流値に対応した温度に維持するための燃料としてその全量が消費されるので、最も燃料効率の良いシステムを構築することができる。
このような上記燃料流量調節弁の機能は、ガソリンエンジンのアクセルに例えることができる。すなわち、走行速度を上げようとしてアクセルを踏み込むと、エンジンに供給される燃料が増すためエンジン内の燃焼温度が上昇し、その結果エンジン出力が増大して車は加速される。車の速度が目的とする速度に到達すると、定速走行に必要な位置までアクセルを戻し、一定速度の走行に移る。同様に、走行速度を下げる時は、アクセルを戻すことでエンジン内の燃焼温度が下がり、その結果エンジン出力が減少してエンジンブレーキが働き車の速度が下がる。車の速度が目的とする速度に到達すると、定速走行に必要な位置までアクセルを踏み込み、一定速度の走行に移る。また、無負荷の場合は、レシプロエンジンのアイドリング運転の状態と同様、燃料電池本体の温度を、最低限の発電が可能な温度まで下げこの温度を維持する。したがって、本発明の固体電解質燃料電池システムにおいて、燃料流量調節弁は燃料量を燃料電池本体の負荷に対応して制御することにより、ガソリンエンジンのアクセルと同様に機能する。
図2は、本発明の固体電解質燃料電池システムの他の好ましい実施形態である。本例では空気供給手段10と燃焼器2に連通する流路9に空気予熱器12を設けるとともに、燃焼器2と燃料電池本体1に連通する流路に燃料予熱器13を設けている。燃焼器2は、図1の燃焼器2と同じである。空気予熱器12の加熱用熱源としては、燃料電池本体1から排出される高温の空気排ガスが使用され、また燃料予熱器13の加熱用熱源としては燃焼器2で加熱された空気が使用される。空気供給手段10から空気予熱器12に供給された空気は、ここで空気排ガスの保有熱と熱交換して予熱された後に燃焼器2に送られて所定の温度に加熱される。一方、燃料供給手段11から燃料流量調節弁8を通して燃料予熱器13に供給された燃料は、該燃料予熱器13において、燃焼器2で加熱された空気の保有熱の一部と熱交換し予熱された後に燃料電池本体1に供給される。
本例の固体電解質燃料電池システムは、このように空気予熱器12および燃料予熱器13を設けることにより、図1に示す固体電解質燃料電池システムと同様な効果が得られるほかに次の効果が得られる。すなわち、本例においても空気供給手段10から供給される空気を、燃料極5を形成した空間7から排出される排燃料ガスと混合し燃焼して加熱するシステムは同じであるので、燃料量を単一の燃料流量調節弁8により負荷に対応して制御できること、および優れた負荷追従性と燃焼効率が得られることなどの、本来の効果は図1の場合と同様に得られる。この点は、後述する他の実施形態においても同じある。本例は、燃料電池本体1から排出される空気排ガスの保有熱を有効利用して、燃焼器2に供給する空気を空気予熱器12で予熱できるので、その分燃焼器2における空気の加熱負担が軽減され、空気の加熱に使用される燃料を少なくできるため、より一層燃料効率の向上が図れる。
また、燃料予熱器13の設置により燃焼器2における空気の加熱負担は増大するが、空気による燃料電池本体1の昇温負担が燃料の予熱によって軽減されるため、燃料の使用量は実質的増大しない。本例のように燃料予熱器13で燃料が予熱されると、燃料電池本体1に供給される燃料と空気の温度差が小さくできるので、比出力(単位面積当り出力)の向上に寄与するとともに、燃料電池本体1に発生する熱応力を小さくできる。さらに、燃料電池本体1の温度分布の平坦化によって安定した発電反応が得られる。
図3は、燃料予熱器13を燃料電池本体1内に設ける実施形態である。図3に示すように燃料予熱器13は燃料電池本体1の空気極4を形成した空間6に組み込んで設けることができる。燃料供給手段11から燃料予熱器13に供給された燃料は、燃焼器2から空間6に供給される加熱空気と熱交換して予熱された後、燃料電池本体1の燃料極側の空間7に供給される。燃料を燃料予熱器13で予熱する効果は、前記した図2の場合と同じであるが、燃料予熱器13を燃料電池本体1内に組み込むことによって構造設計の自由度が増すと共に、よりコンパクトな設計を実現できる。
図4は、本発明の固体電解質燃料電池システムの実施形態の一つで、システムの基本構成は図2と同じであるが、燃料電池本体1における空気と燃料の流れの方向が異なっている。すなわち、これまでの実施形態では、燃料電池本体1における空気と燃料の流れの方向が同方向であったが、本例では逆向きとなっている。このように燃料電池本体1内において空気と燃料は、それぞれ酸化剤ガス極側の空間6と燃料極側の空間7を同方向に流動させてもよいし、本例のように逆方向に流動させてもよい。燃料と空気の流動方向が同一であると、燃料電池本体1の供給口側と出口側との温度差が大きくなるため、燃料電池本体1に発生する熱歪が増大するが、逆方向に流動させると温度差を小さく改善できる。特に、本例のように燃料を予熱する場合には、燃料と空気の流動方向を逆向にすると、燃料電池本体1内の温度分布が均一化に有効であり、温度差を小さくできる。
図5は、本発明の固体電解質燃料電池システムの他の実施形態の一つである。本例は、図5に示すように燃料電池本体1の燃料極側の空間7を固体電解質膜3もしくは燃料極5に沿って区画して予備空間14を形成し、燃料予熱器13で予熱された燃料を該予備空間14内に空気の排出側から供給して流動させた後、該予備空間14の反対側から前記空間7に供給するものである。特に、燃料が予熱されている場合には、このように予備空間14を流動させてから空間7に供給することにより、燃料電池本体1の燃料極側が予備空間14内を流動する予備加熱された燃料で昇温されるため、燃料電池本体1の温度分布の均一化に有効である。
図6は、さらに図5の固体電解質燃料電池システムにおける酸化剤ガス極側の空間6を固体電解質膜3もしくは酸化剤ガス極4に沿って区画して燃料極側と同じように予備空間15を形成し、燃焼器2で昇温された空気を該予備空間15内に燃料とは逆の側から供給して流動させた後、該予備空間15の反対側から前記空間6に供給するものである。加熱された空気を予備空間15を流動させてから空間6に供給すると、燃料電池本体1の酸化剤ガス極側が予備空間15内を流動する空気によって昇温されるため、燃料電池本体1の温度分布を均一化できる。この場合、燃焼器2で加熱された空気を本例のように燃料とは逆側から予備空間15に供給すると、燃料電池本体1における空気と燃料の流動方向が逆向きになるので、燃料電池本体1の温度分布を一層改善できる。しかし、前記空気を予備空間15内に燃料と同じ側から供給してもよい。
また、本例では燃料電池本体1の燃料極側と酸化剤ガス極側の両方にそれぞれ予備空間14と予備空間15を設けているが、酸化剤ガス極側のみに予備空間15を設けることもできる。
次に、本発明の固体電解質燃料電池システムの応用例について図面を参照して説明する。
図7は、本発明に係わるチューブ型の固体電解質燃料電池の1例を示し、(A)は該固体電解質燃料電池の縦断面説明図であり、(B)は(A)のX−X断面における矢視図で一部簡略されている。図7において、チューブ67が固体電解質からなる壁であり、図示はしていないが該チューブ67の内面に燃料極、外面に酸化剤ガス極が形成されている。また、構造および機能の説明を平易にするため、チューブが1本の場合について示しているが、固体電解質燃料電池は多数のチューブを配置して構成してもよいし、燃料極をチューブ外面、酸化剤ガス極をチューブ内面に形成してもよい。
図7に示すように酸化剤ガス51は流路52を通り、矢印53の方向に沿って通路54を通り、矢印55で反転して熱交換器56の空気側通路57を通り矢印58に沿って燃焼器59に入る。一方、燃料は矢印60から供給され、燃料流量調節弁61にて流量制御され燃料予熱器62に供給される。燃料予熱器62を出た燃料は、燃料導管63を通り、燃料供給室64を経て燃料供給管65を流れ、端部66で反転してチューブ67と燃料供給管65に挟まれた空間68を流動しつつ発電し、発電を終えた燃料は燃料排気室69を通り、燃料排気管70に至る。さらに該燃料は燃焼器59のバーナー部71にて、酸化剤ガス58と混合し燃焼して高温の酸化剤ガスとなって、酸化剤ガス極を構成する空間71を通り、燃料電池の酸化剤ガス極に酸化剤ガスを供給しつつ熱交換器56の酸化剤排ガス入口72に到達する。酸化剤排ガスは、更に排ガス流路73を通り、熱交換器56の排ガス入口74を通り、熱交換器56に沿って流動する間に酸化剤ガスを予熱しつつ自身の温度は低減して、排ガス出口75から外部に排出される。
なお、図7のチューブ以外のハッチング部分は断熱材で構成することが望ましい。また、本例では熱交換器を固体電解質燃料電池の周囲を取り囲む円筒形状としているが、これらは矩形形状でもよく、また、熱交換器を固体電解質燃料電池から切り離し、別置きとしてもよい。さらに、図7では1枚の薄板の壁を介して一方に加熱ガス、他方に被加熱ガスを流すもっとも簡単な熱交換器としているが、熱交換器は、フィン付管もしくは裸管を用いた多管式熱交換器、またはプレート型熱交換器など、より複雑な構造の熱交換器がより好ましく使用できる。
上記チューブ型固体電解質燃料電池によれば、燃料電池内に供給された酸化剤ガス51は、熱交換器56で予熱された後に燃焼器59に送られ、該燃焼器59のバーナー部71において、チューブ67で発電を終え燃料排気管70で送られてくる燃料と混合して燃焼し、その際発生する燃焼熱と直接に熱交換して適切な温度に効率よく加熱される。その結果、燃料電池本体は特に発電部(主としてチューブ67)が、加熱された該酸化剤ガスによって所望の電流値の発電が得られる作業温度に調節される。さらに、燃焼器59に供給する酸化剤ガス51を熱交換器56で排酸化剤ガスを利用して予熱するため、燃焼器59における加熱負担が軽減され燃料効率が上がる。また、燃料を燃料予熱器62で予熱することによって燃料電池本体部の温度分布を改善できる。
以上、本発明の応用例の1例を図2に示す固体電解質燃料電池システムのケースについて説明したが、他の実施形態のチューブ型固体電解質燃料電池の構成についても同様に考えられる。
図8は、本発明の他の応用例に係わるハニカム型の固体電解質燃料電池の1例を示す。図8(A)は該固体電解質燃料電池の縦断面説明図であり、(B)は(A)のX−X断面における矢視図である。図8において、76が固体電解質の壁からなるハニカムで、77がハニカムの内面に燃料極を形成した空間(燃料極セル)、78が燃料極を形成した壁の外面に酸化剤ガス極を形成した空間(空気極セル)であり、空気極セル78を燃料極セル77の周りに配置し、燃料電池本体を形成している。図には分かりやすくするため、3行3列ハニカムの例を示しているが、行列数は適宜変えられ更に行列数の多いハニカム構造にすることができる。また、本例は1段ハニカムとなっているが、該ハニカムをインターコネクターを介して積層した多段ハニカムとしてもよい。以下に、図7のチューブ型燃料電池と構成が同じ部分には、同一の符号をつけて説明する。
図8に示すように酸化剤ガス51は流路52を通り、矢印53の方向に沿って通路54を通り、矢印55で反転して熱交換器56の空気側通路57を通り矢印58に沿って燃焼器59に入る。一方、燃料は矢印60から供給され、燃料流量調節弁61にて流量制御され燃料予熱器62に供給される。燃料予熱器62を出た燃料は、燃料導管63を通り、燃料供給室64を経て燃料供給管65を流れ、端部66で反転して燃料極セル77の壁と燃料供給管65に挟まれた空間68を流動しつつ発電し、発電を終えた燃料は燃料排気室69を通り、燃料排気管70に至る。さらに該燃料は燃焼器59のバーナー部71にて、酸化剤ガス58と混合し燃焼して高温の酸化剤ガスとなって、酸化剤ガス極を構成する空間(空気極セル)78を通り、燃料電池の酸化剤ガス極に酸化剤ガスを供給しつつ熱交換器56の酸化剤排ガス入口72に到達する。酸化剤排ガスは、更に排ガス流路73を通り、熱交換器56の排ガス入口74を通り、熱交換器56に沿って流動する間に酸化剤ガスを予熱しつつ自身の温度は低減して、排ガス出口75から外部に排出される。そして、該ハニカム型固体電解質燃料電池においても、前記したチューブ型固体電解質燃料電池と同様の効果が得られる。
なお、図8のハニカム以外のハッチング部分は断熱材で構成することが望ましい。また、本例では熱交換器を固体電解質燃料電池の周囲を取り囲む円筒形状としているが、これらは矩形形状でもよく、また、熱交換器を固体電解質燃料電池から切り離し、別置きとしてもよい。さらに、図8では1枚の薄板の壁を介して一方に加熱ガス、他方に被加熱ガスを流すもっとも簡単な熱交換器としているが、熱交換器は、フィン付管もしくは裸管を用いた多管式熱交換器、またはプレート型熱交換器など、より複雑な構造の熱交換器がより好ましく使用できる。
以上説明した図7及び図8に示す構成、すなわちハニカム群もしくはチューブ群の外周を取り囲むように熱交換器を配置することにより、燃料電池本体を含むシステム全体を極めてコンパクトにすることができ、小型・軽量化に資するとともに、放熱面積の低減による熱効率の向上に寄与する。
本発明は、特に負荷変動に対する応答性、および燃焼効率が優れる固体電解質燃料電池システムとして、広く固体電解質燃料電池に適用できる。
本発明の好ましい実施形態である固体電解質燃料電池システムの説明図である。 本発明の他の好ましい実施形態である固体電解質燃料電池システムの説明図である。 本発明の他の好ましい実施形態である固体電解質燃料電池システムの説明図である。 本発明の他の好ましい実施形態である固体電解質燃料電池システムの説明図である。 本発明の他の好ましい実施形態である固体電解質燃料電池システムの説明図である。 本発明の他の好ましい実施形態である固体電解質燃料電池システムの説明図である。 (A)本発明の好ましい応用例であるチューブ型の固体電解質燃料電池の断面説明図であり、(B)は(A)のX−X部おける断面矢視図である。 (A)本発明の好ましい他の応用例である固体電解質燃料電池の断面説明図であり、(B)は(A)のX−X部おける断面矢視図である。 燃料電池における燃料電池本体の温度と発電される電流との関係を示すグラフである。 従来の固体電解質燃料電池システムの説明図である。 従来の固体電解質燃料電池システムの説明図である。
符号の説明
1:燃料電池本体 2:燃焼器、 3:固体電解質膜、
4:酸化剤ガス極、 5:燃料極、 6:空間、
7:空間、 8:燃料流量調節弁、 9:流路、
10:空気供給手段、 11:燃料供給手段、 12:空気予熱器、
13:燃料予熱器、 14:予備空間、 15:予備空間
16:熱交換機、 17:バーナー、 18:燃焼器
19:燃料供給弁、 20:起動用酸化剤ガス極側燃焼器
21:起動用燃料極側燃焼器

Claims (11)

  1. 固体電解質からなる壁もしくは膜の一方の面に燃料極を形成した空間を有し、他方の面に酸化剤ガス極を形成した空間を有する固体電解質燃料電池と、該燃料電池にて発電反応を終えた排燃料ガスを混合し燃焼する燃焼器とを備えた固体電解質燃料電池システムであって、酸化剤ガス供給手段から燃焼器に供給された酸化剤ガスが、燃料極を形成した空間から排出される排燃料ガスと混合し燃焼して加熱された後、燃焼器に連通する酸化剤ガス極を形成した空間に供給されることを特徴とする固体電解質燃料電池システム。
  2. 酸化剤ガスが空気もしくは酸素富化膜を用いて酸素富化された空気である請求項1に記載の固体電解質燃料電池システム。
  3. 燃焼器が、酸化触媒を用いた触媒燃焼バーナーであることを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解質燃料電池システム。
  4. 酸化剤ガス供給手段から供給された酸化剤ガスを、酸化剤ガス供給手段と燃焼器に連通した流路に設けた予熱器により、酸化剤ガス極を形成した空間から排出される排酸化剤ガスを加熱源として予熱することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固体電解質燃料電池システム。
  5. 燃焼器と酸化剤ガス極を形成した空間に連通した流路に燃料予熱器を設け、燃料供給手段から供給された燃料ガスの予熱を、燃焼器で昇温された酸化剤ガスを加熱源として、該燃料予熱器において行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固体電解質燃料電池システム。
  6. 固体電解質燃料電池が、ハニカム型、チューブ型、平板積層型、平板内複数電極型または平板凹凸型であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の固体電解質燃料電池システム。
  7. 固体電解質からなる壁もしくは膜の一方の面に燃料極を形成した空間における燃料ガスの流れ方向と、他方の面に酸化剤ガス極を形成した空間における酸化剤ガスの流れ方向とが、同一または逆向きであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の固体電解質燃料電池システム。
  8. 固体電解質からなる壁もしくは膜の一方の面に燃料極を形成した空間を有し、他方の面に酸化剤ガス極を形成した空間を有する固体電解質燃料電池に供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスの何れか一方もしくは両方が、該燃料電池内部に設けた流路を通り、供給口とは反対側の端部で反転し、それぞれ燃料極を形成した空間および酸化剤ガス極を形成した空間に供給されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の固体電解質燃料電池システム。
  9. 固体電解質からなる壁もしくは膜の一方の面に燃料極を形成した空間に供給する燃料ガスの供給量を、単一もしくは複数の燃料流量調節弁を用いて出力電圧が一定となるよう制御することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の固体電解質燃料電池システム。
  10. 固体電解質からなる壁もしくは膜の一方の面に燃料極を形成した空間を有し、他方の面に酸化剤ガス極を形成した空間を有する固体電解質燃料電池と、該燃料電池の発電反応を終えた排燃料ガスを混合し燃焼する燃焼器とを備えており、該燃焼器は前記燃料電池と酸化剤ガス供給手段とに連通する流路に設けられており、酸化剤ガス供給手段から燃焼器に供給された酸化剤ガスが、該燃焼器において燃料極を形成した空間から排出される前記排燃料ガスと混合し燃焼して加熱されるように構成されていることを特徴とする固体電解質燃料電池。
  11. 酸化剤ガス供給手段と燃焼器に連通した流路に予熱器を設け、該予熱器を固体電解質からなる壁もしくは膜の一方の面に燃料極を形成した空間を有し他方の面に酸化剤ガス極を形成した空間を有する固体電解質燃料電池の外周部全周に配置し、該固体電解質燃料電池が該予熱器に内包され、該予熱器と該燃料電池が一体化した構造であることを特徴とする請求項10に記載の固体電解質燃料電池。
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