JP2009204853A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】現像ローラと容器端縁で形成される隙間の安定化を可能とする現像装置及びこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】下フレーム2bの端縁部2dの外壁に、現像ローラ3の回転軸3aと平行に延びる補強リブ6を下フレーム2bと一体にABS樹脂(収縮率0.3%〜0.4%)で成形して形成した。補強リブ6は、中央部で分断されて2本の補強リブ6A、6Bとなるように、中央部に切り欠き部6bが形成されている。そして、この切り欠き部6b内に、切り欠き部6bの深さaとほぼ等厚みa1及び切り欠き部6bの幅bより広幅b1を有し、切り欠き部6bの長さL1とほぼ同一かそれより大きい長さL2を有するガラス繊維を20重量%〜40重量%混入したABS樹脂(収縮率:0.1%〜0.2%)を使用して成形した直方体状の抑制部材7が矢印I方向から圧入、間挿されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用される現像装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
従来、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式を使用した画像形成装置においては、感光体表面に形成された所望の画像に対応する静電潜像をトナー像化して顕像化している。この顕像化のために、現像剤と、当該現像剤を攪拌する現像剤攪拌部材と、当該現像剤攪拌部材によって攪拌された現像剤を保持し、保持した現像剤を感光体に供給する現像ローラとを収容したプラスチック製容器を備えた現像装置が使用され、容器から露出された現像ローラによって、感光体表面に形成された静電潜像にトナーを供給するようになっている。
この場合に、現像ローラを露出する容器から静電潜像を顕像化するトナーが飛散し、感光体等に付着して異常画像を発生する場合があり、このトナー飛散による異常画像を低減するため、現像ローラと容器の隙間を一定量に管理することが必要である。しかし、従来の箱型のプラスチック製容器には、成型後収縮して内側に反る傾向があるため、現像ローラと容器の端縁に形成される端部と中央の隙間の偏差が発生する問題がある。
このような端部と中央の隙間の偏差を可及的に減少させるために、従来、現像ローラと容器端縁の隙間が製品の完成状態で狙い値になるよう金型修正を行い、隙間評価を行うという作業を繰り返して行う必要があり、多くの時間とコストを費やしている。 また、一度反り量が安定した場合でも、使用環境温度(特に低温環境)の変化に伴い、プラスチック容器の熱収縮によっても反りが発生する問題を招く。
このような現像ローラと隙間を形成する容器の端縁の熱収縮による反り変形と同様に、使用環境温度変化に伴って反り変形を生じる現像装置の穂切板の反り変形を抑制するために、穂切板の上方にフレーム部材を配設し、当該フレーム部材と穂切板の中央部でネジ部材によって連結し、ネジ部材を回転させて穂切板の中央部を下降或いは上昇させて、穂切板の変形を矯正することが提案されている。(特許文献1参照)
実用新案登録第2515299号
しかしながら、特許文献1記載のものでは、フレーム部材をプラスチック製品で形成するとフレーム部材も温度変化を受けて熱収縮を起こし、適正な矯正を行うことができないというという問題がある。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、上記の不具合を低減して現像ローラと容器端縁で形成される隙間の安定化を可能とする現像装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、現像剤と、当該現像剤を攪拌する現像剤攪拌部材と、当該現像剤攪拌部材によって攪拌された現像剤を保持し、保持した現像剤を感光体に供給する現像ローラとを収容したプラスチック製容器を備えた現像装置において、前記容器は、前記現像ローラの回転軸と平行に延びた端縁部の外壁に、前記現像ローラの回転軸と平行に延びた補強リブを有し、当該補強リブは、少なくとも中央部に当該補強リブを分断する切り欠き部を有し、当該切り欠き部内に前記容器の端縁部の反りを抑制する抑制部材を嵌挿させたことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の現像装置において、前記抑制部材は、前記切り欠き部の前記補強リブの長さ方向で当該切り欠き部に対する押圧力を調整する押圧力調整部を備えたことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2記載の現像装置において、前記押圧力調整部は、前記抑制部材の内部に形成された凹部内に取り付けられ、前記補強リブの長さ方向の前記切り欠き部の端面と当接する前記抑制部材の当接面の裏面となる前記凹部の内面間に架設されるネジ部材であり、当該ネジ部材は、ネジと当該ネジに螺合されるナットを有し、当該ネジの一端を前記内面の一方に当接させ、前記内面の他方に前記ナットを当接させ、前記ネジ又はナットを回転させて、前記ネジ部材の長さを可変としたことを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項2記載の現像装置において、前記押圧力調整部は、前記抑制部材の内部に形成された凹部内に植立された支軸上で回転可能に取り付けられるカム部材であり、当該カム部材は、カム面間の長さが異なる複数対のカム面を有し、当該カム面の一対は、前記切り欠き部の長さ方向の端面と当接する前記抑制部材の当接面の裏面となる前記凹部の内面に当接可能となっており、前記カム部材を回転させて前記凹部内の内面に当接するカム面間の長さを変化させることによって前記切り欠き部に対する押圧力を可変としたことを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の現像装置において、前記抑制部材の材質は、前記容器の補強リブの材質より小さい熱収縮率を有することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の現像装置において、前記抑制部材は、前記切り欠き部内に嵌合されて接着剤で固定され、当該接着剤は、前記容器の補強リブの材質より小さい熱収縮率を有することを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の現像装置において、前記抑制部材は、前記切り欠き部からの脱却を抑制する脱却抑制部を有し、当該脱却抑制部は、前記切り欠き部を形成する前記補強リブの端面の挿入可能な凹部状に形成されていることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、表面に静電潜像が形成される感光体と、当該静電潜像にトナーを供給してトナー像化する現像装置とを備えた画像形成装置において、前記現像装置は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の現像装置であることを特徴とする。
本発明によれば、前記容器は、前記現像ローラの回転軸と平行に延びた端縁部の外壁に、前記現像ローラの回転軸と平行に延びた補強リブを有し、当該補強リブは、少なくとも中央部に当該補強リブを分断する切り欠き部を有し、当該切り欠き部内に前記容器の端縁部の反りを抑制する抑制部材を取り付けたことによって、上記の不具合を低減して現像ローラと容器端縁で形成される隙間の安定化を可能とする現像装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明による一実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。図中、参照符号100は複写装置本体、200は複写装置本体100が載置される給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けられるスキャナ、400はスキャナ300上に取り付けられる原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体100には、中央に、無端状の中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10は、支持ローラ14、15、16に掛け回されて、矢印A方向に回転搬送可能である。
本実施形態においては、支持ローラ16の図中左側に、トナー画像を転写材Sに転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、中間転写ベルト表面10aに潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置を有する中間転写ベルト用クリーニングユニット17が設けられている。また、第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15との間に張り渡された中間転写ベルト10上には、その搬送方向に沿って、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4つの画像形成手段18Y、18M、18C、18Kが横に並べて配置されており、これらの画像形成手段(画像形成ユニット)18Y、18M、18C、18Kはタンデム画像形成部20を構成している。また、タンデム画像形成部20の上には、更に露光装置21が設けられている。
一方、中間転写ベルト10を挟んでタンデム画像形成部20と反対の側には、支持ローラ16と対向して配置された2次転写ローラ(2次転写部)22が設けられている。この2次転写ローラ22は、転写電圧が印加されることによって中間転写ベルト表面に被着しているトナー画像を後述するレジストローラ49によって搬送された転写用紙等の転写材Sの表面に転写させる。そして、このようにしてトナー像が転写された転写材Sは、2つのローラ231、232との間に張架されて移送される無端状の搬送ベルト24によって定着装置25に搬送される。この定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てることによって構成され、定着ベルト26で転写材S上のトナー像を加熱、軟化させ、加圧ローラ27によってトナー像を転写材S上に固着して定着するようになっている。なお、本実施形態では、このような2次転写ローラ22および定着装置25の下側に、前述したタンデム画像形成部20と平行に、転写材Sの両面に画像を記録すべく転写材Sを反転させるシート反転装置28が設けられている。
次に、上記構成のカラー電子写真装置による画像形成について説明する。上記構成のカラー電子写真装置を用いてコピーをとる時には、まず、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
次に、図示しないスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時には、原稿自動搬送装置400によって原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後、スキャナ300が駆動し、第1走行体33および第2走行体34が走行する。一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時には、直ちにスキャナ300が駆動し、第1走行体33および第2走行体34が走行する。この時、第1走行体33は、光源から光を発射するとともに、原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向ける。この反射光は、更に第2走行体34のミラーで反射され、結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入射される。これにより、原稿内容が読取られる。
また、前述のようにスタートスイッチが押されると、図示しない駆動モータにより支持ローラ14、15、16の1つが回転駆動されるとともに、他の2つの支持ローラが従動回転され、中間転写ベルト10が矢印A方向に回転移送される。また、これと同時に、個々の画像形成手段18Y、18M、18C、18Kにおいて、ドラム状の感光体(第1像担持体)40Y、40M、40C、40Kが矢印E方向に回転される。感光体40Y、40M、40C、40Kの回転と共に、これらの感光体40Y、40M、40C、40Kの周囲にそれぞれ配設されている帯電装置37で感光体40Y、40M、40C、40Kの表面をそれぞれ一様に帯電させる。このように、表面が一様に帯電された感光体40Y、40M、40C、40K上に、前記スキャナ300で読取られた画像情報に基づいて変調されたイエロ−(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色画像に対応するレーザ光Lがそれぞれ照射されて各色に対応する静電潜像を形成する。続いて、各感光体40Y、40M、40C、40K上に形成された静電潜像に対して、現像装置1Y、1M、1C、1Kからトナーを供給して静電潜像をトナー像化して現像する。このようにして、感光体40Y、40M、40C、40K上に形成された上記各色の単色画像は、中間転写ベルト10の移送とともに、それらの単色画像が中間転写ベルト10に1次転写ローラ62によって順次転写され、中間転写ベルト10上に合成カラー画像が形成される。
一方、中間転写ベルト10の表面10aに各色のトナー像を転写した後に残存する各色のトナーを有する各感光体40Y、40M、40C、40Kは、クリーニングブレードと潤滑材塗布装置を備えた感光体用クリーニングユニット39によって残存トナーを除去されると共に、各感光体40Y、40M、40C、40Kの表面に潤滑剤を塗布する。このような一連の画像形成処理が行われると、再び、帯電装置37によって感光体40Y、40M、40C、40Kの表面を一様に帯電して、次の画像形成処理が開始される。なお、符号63は、中間転写ベルト10の張力を調整するテンションローラである。
更に、前述のようにスタートスイッチが押されると、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つが選択的に回転され、ペーパーバンク43に多段に設けられた給紙カセット44の1つから転写材Sが繰り出される。繰り出された転写材Sは、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて給紙路46に導入され、搬送ローラ47で搬送されるとともに、複写機本体100内の給紙路48に導かれた後、レジストローラ49に突き当てられて止められる。また、手差トレイ51を用いる場合には、給紙ローラ50が回転され、手差トレイ51上の転写材Sが繰り出されるとともに、繰り出された転写材Sは、分離ローラ52で1枚ずつ分離された後、手差し給紙路53に導入され、同様にしてレジストローラ49に突き当てられて止められる。
その後、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49が回転され、中間転写ベルト10と2次転写装置22との間に転写材Sが送り込まれる。そして、2次転写ローラ22による転写によって、転写材S上にカラー画像が記録される。
画像転写後の転写材Sは、2次転写ローラ22及び搬送ベルト24によって搬送されて定着装置25へと送り込まれ、定着装置25で熱と圧力とが加えられて転写画像が定着された後、切換爪55の切り換で排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。一方、両面コピーの場合、片面に画像が転写された転写材Sは、切換爪55の切り換えによってシート反転装置28に導入されて反転された後、再び転写位置へと導かれ、裏面にも画像が記録され、その後、排出ローラ56によって排紙トレイ57上に排出される。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルト用クリーニングユニット17により、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーが除去されると共に、中間転写ベルト表面10aに潤滑剤2を塗布してタンデム画像形成部20による再度の画像形成に備える。
ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、転写材Sの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。例えば、導電性ゴムローラを用いバイアスを印加する。径φ18で、表面を1mm厚みの導電性NBRゴムとする。電気抵抗はゴム材の体積抵抗で109Ωcm程度であり、印加電圧はトナーを転写する側(転写材Sの表側)には−800V程度の電圧を印加、転写材Sの裏面側は+200V程度の電圧を印加する。一般的に中間転写方式は紙粉が感光体にまで移動しづらいため、紙粉転写を考慮する必要が少なくアースになっていても良い。また、印加電圧として、DCバイアスが印加されているが、これは転写材Sをより均一帯電させるためDCオフセット成分を持ったAC電圧でも良い。このようにバイアスを印加したレジストローラ49を通過した後の紙表面は、若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写ベルト10から転写材Sへの転写では、レジストローラ49に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変わり転写条件を変更する場合がある。
本発明においては、以下述べるように、上記画像形成装置において使用される現像装置1Y、1M、1C、1Kに特徴を有する。各現像装置1Y、1M、1C、1Kは、収容されるトナーが相違するだけで基本構造は、同一であるので、以下1個の現像装置1について説明する。
図2は、現像装置1の容器2の上フレームを取除いた平面図、図3は図2のA−A線上で切断した断面図、図4は図2で示す現像装置に使用される抑制部材の平面図、図5は図3のB−B線上で切断した断面図である。
本発明による一実施形態の現像装置1は、図2、図3に示すように、磁性キャリアと非磁性トナーとからなる2成分現像剤Tが使用され、現像剤Tを上フレーム2aと下フレーム2bとを組み合わせて形成される容器2内に収納している。容器2内には、現像ローラ3が図示しない駆動モータによって回転軸3aを回転させてスリーブ3bを矢印B方向に回転するように取り付けられている。そして、現像ローラ3は、図示しない所定の磁界分布を有する複数の磁界発生手段3cを固定した状態で回転可能なスリーブ3b内に内蔵しており、磁界発生手段3cによって容器2内の磁性現像剤Tをスリーブ3bの表面に担持させて矢印C方向に回転する感光体40の現像領域Yまで搬送するようになっている。
容器2内には、2本の搬送スクリュー4A、4Bがこれらの回転軸4Aa、4Baを軸受け4Ab、4Bbで支持されて回転可能に配設されている。そして、図示しないモータ等の回転手段によって、これらのスクリュー4A、4Bを回転させて、磁性キャリアとトナーを混合するとともに、現像ローラ3の近傍まで現像剤Tを搬送する。現像剤Tは現像ローラ3の磁界発生手段3cの磁界によって吸引されてスリーブ3b上に汲み上げられる。なお、図2、図3中、符号2cは、搬送スクリュー4A、4B間に植立された仕切り壁で、搬送スクリュー4Aの搬送方向(矢印E方向)と逆方向(矢印F方向)に搬送される現像剤Tを仕切る仕切り壁である。
このようにして汲み上げられた現像剤Tは、現像ローラ3のスリーブ3bの回転によってスリーブ3b上に担持されて矢印B方向に搬送される。そして、図3に示すように、感光体40の上流側に配設された現像ドクタ5の規制面5aによって堰きとめられ、現像ローラ3の周面3dと現像ドクタ5のギャップ形成面との間に所定の間隔を有して形成されたドクタギャップGでスリーブ2a上に担持される現像剤Tの層厚が規制されて感光体40の現像領域Yに搬送される。
このように、感光体40に現像剤T中のトナーを供給するために、容器2には、開口2gが形成されている。そして、開口2gを形成する下フレーム2bの端縁部2dと現像ローラ3の周面3dとの間には間隙Dが形成されている。この間隙Dを通じて、回転する現像スリーブ3bに保持された現像剤Tからトナーを感光体40に供給した後の残存トナーを含む現像剤Tを容器2内に回収するようになっている。この間隙Dの幅dは、現像ローラ3の軸方向の現像スリーブ3bの長さXの全長に亘って、均一幅であることが望ましい。この間隙Dの幅dが不均一、例えば、現像ローラ3の中央部3eが狭く、端部3fが広いというように、中央部3eと端部3fとで異なると回収されるはずの現像剤Tが容器2内に適切に回収されず、開口2g上に飛散してしまう。このようにして飛散した現像剤Tやトナーが感光体40に付着し異常画像を形成してしまう。
このような構造を有する現像装置1の容器2は、上フレーム2a及び下フレーム2bともABS(アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体)樹脂等からなるプラスチック材で射出成形されて製造されているため、成形後に収縮して反り変形を起こし易い。特に、開口2gが形成される下フレーム2bの端縁部2dは、反り変形し、前記間隙Dの幅dが現像ローラ3の軸方向の全長に亘って不均一な幅となってしまう。従って、このような反り変形に伴う間隙Dの幅dの不均一性を改善するため金型修正を行っている。しかしながら、製造後の現像装置1の画像形成装置内での使用環境における温度変化によって反り変形が生じた場合には対応ができない。
本発明者は、このような反り変形に伴う間隙Dの幅dの不均一性を改善するため、種々検討を行った。このようなプラスチック製容器2の反り変形を抑制するために、下フレーム2bの端縁部2dの現像ローラ3と対向する内壁の裏面となる外壁に、現像ローラ3の回転軸3aと平行に下フレーム2bの両側端まで連続して延びる補強リブを形成した。この補強リブの形成によって、下フレーム2bの端縁部2dの反り変形を減少させることが可能となるが、十分には反り変形を抑制することができない。即ち、このような補強リブは、下フレームと共に一体に連結されているので、使用環境による温度変化によって下フレーム2bと共に補強フレームも収縮し、依然として、反り変形を抑制できないことを究明した。
この究明に基づき、更なる検討を行ったところ、補強リブを変形のし易い端縁部2dの中央部で分断して切り欠き部を形成し、この切り欠き部内に、補強リブより熱収縮が発生し難い材質からなる抑制部材を間挿させて反り変形した端縁部を矯正することによって間隙Dの幅dの不均一性を改善できることが可能になることを見出し、本発明を完成させるに至った。
次に、本発明による第1実施形態に係る現像装置について、図2、図3に基づいて説明する。第1実施形態に係る現像装置1においては、図2に示すように、下フレーム2bの端縁部2dの外壁に、現像ローラ3の回転軸3aと平行に延びる補強リブ6A、6Bを下フレーム2bと一体にABS樹脂(収縮率0.3%〜0.4%)で成形して形成した。この場合、補強リブ6A、6Bは、中央部で分断されて2本の補強リブ6A、6Bとなるように、中央部に切り欠き部6bが形成されている。そして、この切り欠き部6b内に、図4及び図5に示すように、切り欠き部6bの深さa(図3参照)とほぼ等厚みa1及び切り欠き部6bの幅bより広幅b1を有し、切り欠き部6bの長さL1とほぼ同一かそれより大きい長さL2を有するガラス繊維を20重量%〜40重量%混入したABS樹脂(収縮率:0.1%〜0.2%)を使用して成形した直方体状の抑制部材7が矢印I方向から圧入、嵌挿されている。従って、使用環境の温度変化に伴い、端縁部2dが熱収縮して反り変形しようとしても、抑制部材7の左右端面7a、7bが切り欠き部6bを形成する補強リブ6A及び6Bの端面6Ac、6Bcと当接して矢印H方向に押圧して、下フレーム2bの端縁部2dの反り変形を抑制することが可能となる。なお、抑制部材としては、上述のガラス繊維混入ABS樹脂の他に、ガラス繊維を10重量%〜40重量%混入したポリカーボネート樹脂(収縮率:0.1%〜0.3%)も使用可能である。
この場合、経時変化に伴い補強リブ6A、6Bが熱収縮して抑制部材7の長さL2より長い切り欠き部6bとなると、切り欠き部6bから抑制部材7が脱却(脱落)してしまう恐れがある。そのために、本実施形態においては、抑制部材の左右端面7a、7bと切り欠き部6bの端面6Ac、6Bcとの間に接着剤層8(図2参照)を介在させて抑制部材7を切り欠き部6b内に接着、固定している。そして、ここで使用される接着剤として、ガラス繊維混入エポキシ樹脂等の補強リブ6の材質より熱収縮率の小さい樹脂からなる接着剤が使用されており、現像装置の使用環境における温度変動による補強リブ6及び端縁部2dの反り変形を温度変化による形状変動が少ない接着層8で抑制部材7による矯正力を損なわないようにしている。
以上のように、本第1実施形態に係る現像装置においては、下フレーム2bの端縁部2dの外壁に現像ローラ3の回転軸3aと平行に延びた補強リブ6を設け、この補強リブ6の中央部で分断する切り欠き部6bを形成し、この切り欠き部6b内に抑制部材7を嵌挿させたので、使用環境の温度変化により端縁部2dや補強リブ6の熱収縮に伴う反り変形を抑制部材で適切に抑制、矯正することが可能となる。
上記実施形態においては、切り欠き部6bは、中央部1個所にのみ形成したが、中央部以外の複数個所に形成し、それぞれの切り欠き部内に抑制部材7を嵌挿させても良い。
上記実施形態においては、端縁部2dは、下フレーム2bに形成しているが、下フレーム2bに限らず、上フレーム2aに形成されても良く、要は、容器2の現像ローラ2が感光体40に対して露出するための開口2gを構成する容器2の端縁部であれば充分である。
前記切り欠き部6bは、経時と共にその長さL1が変動し、切り欠き部6b内に挿入される抑制部材7の左右側端面7a、7bによる押圧力が低下して適切に矯正できなくなる場合がある。このような経時変化に伴う切り欠き部6bの長さL1の変動に対応するため、抑制部材7内に押圧力調整部を配設するようにすることが好ましい。
次に、抑制部材7内に押圧力調整部を配設する実施形態について、図5〜図7に基づいて説明する。なお、これらの実施形態において使用される現像装置1の容器2は、前記第1実施形態と同一の容器2を使用している。
図6は、本発明による第2実施形態の抑制部材の概略構成を示す斜視図、図7は、本発明による第3実施形態の抑制部材の概略構成を示す斜視図、図8は、図7の押圧力調整部材の概略構成を示す平面図である。
図6で示す第2実施形態の抑制部材7は、断面台形状に形成されており、中央部には凹部7cを有している。そして、凹部7cの開口7dに近接して補強リブの端面6A1及び6B1と当接する左右側端面7a及び7bの裏面である内面7c1と7c2は、互いに平行に植立された平行面に形成されており、この平行内面間にネジ9aとこのネジ9aに螺合するナット9bからなる押圧力調整部となるネジ部材9が架設されている。この抑制部材7を矢印I方向(図2参照)から容器2の切り欠き部6b内に挿入し、ナット9bを回転させて、開口7dの長さL3を変化させ、抑制部材7の左右側端面7a、7bを補強リブ6A、6Bの端面6A1及び6B1に当接、押圧するようにしている。従って、経時変化に伴い切り欠き部6bの長さL1が変動した際に、ナット9bを回転させて開口7dの長さL3を変化させて左右側端面7a、7bによる補強リブの端面6Ac、6Bcに対する押圧力を調整することによって、下フレーム2bの端縁部2dの反り変形を矯正することが可能となる。
なお、この第2実施形態においては、ナット9bを回転させて開口7dの長さL3を変化させるようにしたが、ナット9bを回転させる代わりにネジ9aを回転させて開口7dの長さL3を変化させるようにしても良い。
図7で示す第3実施形態の抑制部材7は、前述の第2実施形態と同様な外形及び凹部7cを有するが、押圧力調整部として、カム部材11を使用している。カム部材11は、図7に示すように、抑制部材7の凹部7c内に植立された支軸7e上で回転自在に取り付けられている。そして、支軸7eの端部(図7では、下端)には、十字状の突起を突出させた位置規制部7fが取り付けられており、カム部材11の中央部には、前記位置規制部7fに係合する十字状の溝で形成された位置規制用係合部11aと係合して、カム部材11の後述するカム面11b、11c、11d、11eの位置を規制するようになっている。カム部材11のカム面11b、11c、11d、11eは、対向するカム面11bと11cとの距離L4とカム面11dと11eとの距離L5とが異なる長さ(L4>L5)になっている。そして、これらのカム面の1対が凹部7cの長さ方向に位置するように、例えば、カム面11dと11eが凹部7cの長さ方向に位置するように、位置規制部7fと位置規制用係合部11aで位置規制されたとき、カム面11d及び11eが凹部7cの内面7c1及び7c2と当接して、凹面7cの長さL3を拡張するような押圧力を発生する。従って、補強リブの切り欠き部6b内に抑制部材7を嵌挿させたとき、カム面11d及び11eによる押圧力によって、下フレーム2bの端縁部2dの反り変形を抑制乃至矯正することが可能となる。
さらに、経時変化に伴い切り欠き部6bの長さL1が変動した際に、カム部材11の位置規制部7fと位置規制用係合部11aとの係合を解除して、カム部材11を回転させ、カム面11bと11cが凹部7cの長さ方向に位置するように、位置規制部7fと位置規制用係合部11aで位置規制されたとき、カム面11b及び11cが凹部7cの内面7c1及び7c2と当接して、凹面7cの長さL3をL5より大きく拡張するような押圧力を発生する。従って、補強リブの切り欠き部6b内に抑制部材7を間挿させたとき、カム面11b及び11cによる押圧力によって、下フレーム2bの端縁部2dの反り変形を抑制乃至矯正することが可能となる。
このように、この第3実施形態に係る抑制部材7を使用することによって、カム部材11を回転させることによって、容易、確実に補強リブ6A及び6Bに対する押圧力を調整して、下フレーム2bの端縁部2dの反り変形を矯正することが可能となる。
この第3実施形態においては、カム面間の距離を異ならせる2対のカム面を形成したが、必要に応じて、それ以上の対向するカム面対を形成しても良い。
次に、経時変化に伴い切り欠き部6bの長さL1が変動した際に、切り欠き部6b内に間挿された抑制部材7が切り欠き部6bから脱落等の脱却する恐れがある。図9に示すように、この抑制部材5の切り欠き部6bからの脱却を防止するために、抑制部材7に脱却抑制部を形成している。
図9は、本発明による第4実施形態の抑制部材の概略構成を示す図である。本実施形態に係る抑制部材7は、補強リブ6A、6Bの厚みa(切り欠き部6bの深さ)よりも厚い厚みa1を有しており、左右側端面7a、7bに補強リブ6A、6Bの端面6Ac、6Bcを挿入可能な凹部7g1、7g2が形成されて抑制部材7の脱却抑制部である突出部7h1、7h2及び7i1、7i2が形成されている。従って、図9に示すように、抑制部材7を補強リブ6A、6Bの端面6Ac、6Bcが凹部7f、7g内に挿入されて切り欠き部6b内に嵌挿させた状態のときに、経時変化に伴う伴い切り欠き部6bの長さL1が変動した際に、端面6Ac、6Bcに対する抑制部材7の押圧力が低下して抑制部材7が切り欠き部6bから脱落することを確実に防止することが可能となる。
本発明による一実施形態の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 現像装置1の容器2の上フレームを取除いた平面図である。 図2のA−A線上で切断した断面図である。 図2で示す現像装置に使用される抑制部材の平面図である。 図4のB−B線上で切断した断面図である。 本発明による第2実施形態の抑制部材の概略構成を示す斜視図である。 本発明による第3実施形態の抑制部材の概略構成を示す斜視図である。 図7の押圧力調整部材の概略構成を示す平面図である。 本発明による第4実施形態の抑制部材の概略構成を示す斜視図である。
符号の説明
1、1Y、1M、1C、1K 現像装置、2 容器、2a 上フレーム、2b 下フレーム、2d 端縁部、2e 中央部、2f 端部、2g 開口、3 現像ローラ、3a 回転軸、3b スリーブ、3c 磁界発生手段、3d 周面、4A、4B 搬送スクリュー、5 現像ドクタ、6、6A、6B 補強リブ、6b 切り欠き部、6Ac、6Bc リブ端面、7 抑制部材、7a 左側端面、7b 右側端面、7c 凹部、7d 開口、7e 支軸、7f 位置規制部、7g1、7g2 凹部、7h1、7h2、7i1、7i2 突出部、10 中間転写ベルト、11 カム部材、11a 位置規制部、11b、11c、11d、11e カム面 、18Y、18M、18C、18K 画像形成手段、40、40Y、40M、40C、40K 感光体

Claims (8)

  1. 現像剤と、当該現像剤を攪拌する現像剤攪拌部材と、当該現像剤攪拌部材によって攪拌された現像剤を保持し、保持した現像剤を感光体に供給する現像ローラと、を収容したプラスチック製容器を備えた現像装置において、
    前記容器は、前記現像ローラの回転軸と平行に延びた端縁部の外壁に、前記現像ローラの回転軸と平行に延びた補強リブを有し、当該補強リブは、少なくとも中央部に当該補強リブを分断する切り欠き部を有し、当該切り欠き部内に前記容器の端縁部の反りを抑制する抑制部材を嵌挿させたことを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1記載の現像装置において、
    前記抑制部材は、前記切り欠き部の前記補強リブの長さ方向で当該切り欠き部に対する押圧力を調整する押圧力調整部を備えたことを特徴とする現像装置。
  3. 請求項2記載の現像装置において、
    前記押圧力調整部は、前記抑制部材の内部に形成された凹部内に取り付けられ、前記補強リブの長さ方向の前記切り欠き部の端面と当接する前記抑制部材の当接面の裏面となる前記凹部の内面間に架設されるネジ部材であり、当該ネジ部材は、ネジと当該ネジに螺合されるナットを有し、当該ネジの一端を前記内面の一方に当接させ、前記内面の他方に前記ナットを当接させ、前記ネジ又はナットを回転させて、前記ネジ部材の長さを可変としたことを特徴とする現像装置。
  4. 請求項2記載の現像装置において、
    前記押圧力調整部は、前記抑制部材の内部に形成された凹部内に植立された支軸上で回転可能に取り付けられるカム部材であり、当該カム部材は、カム面間の長さが異なる複数対のカム面を有し、当該カム面の一対は、前記切り欠き部の長さ方向の端面と当接する前記抑制部材の当接面の裏面となる前記凹部の内面に当接可能となっており、前記カム部材を回転させて前記凹部内の内面に当接するカム面間の長さを変化させることによって前記切り欠き部に対する押圧力を可変としたことを特徴とする現像装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の現像装置において、
    前記抑制部材の材質は、前記容器の補強リブの材質より小さい熱収縮率を有することを特徴とする現像装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の現像装置において、
    前記抑制部材は、前記切り欠き部内に嵌合されて接着剤で固定され、当該接着剤は、前記容器の補強リブの材質より小さい熱収縮率を有することを特徴とする現像装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の現像装置において、
    前記抑制部材は、前記切り欠き部からの脱却を抑制する脱却抑制部を有し、当該脱却抑制部は、前記切り欠き部を形成する前記補強リブの端面を挿入可能な凹部状に形成されていることを特徴とする現像装置。
  8. 表面に静電潜像が形成される感光体と、当該静電潜像にトナーを供給してトナー像化する現像装置とを備えた画像形成装置において、
    前記現像装置は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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