以下、本発明に係る一軸偏心ねじポンプの第1実施形態を、図1(a)、(b)、(c)を参照して説明する。同図に示す一軸偏心ねじポンプ11は、ロータ12を所定方向に回転させることによって、このロータ12の回転で駆動されてステータ13が同方向に回転するものであり、この際に、ロータ12の外周面と、ステータ13に形成されている内孔13aの内周面とを、非接触の状態で両者を回転させることができる第1反発力生成部35、及び第2反発力生成部36を備えている。
一軸偏心ねじポンプ11は、図1(a)、(b)、(c)に示すように、回転容積型ポンプであり、雌ねじ型ステータ13と雄ねじ型ロータ12とを備えている。
ステータ13は、図1(a)に示すように、ステータ本体16と、その後端部17と、先端部18とによって形成されている。このステータ13は、例えば2条の雌ねじ形状の内孔13aを有する略短円筒形に形成され、この内孔13aの縦断面形状が長円であって、例えばテフロン(登録商標)、ポリアセタール等のプラスチックで形成されている。そして、ステータ13は、ポンプケーシング19内に密封して装着され、ステータ13の外周面とポンプケーシング19の周壁部19aの内周面との間には、隙間20が形成されている。
ポンプケーシング19は、図1(a)に示す右先端部に第1開口部21が形成され、左後端部に第2開口部22が形成されている。第1及び第2開口部21、22は、一方を吐出口として使用するときは、他方を吸込み口として使用することができるものである。この第1開口部21は、ステータ13の先端部に設けられている先端部材18に形成されている流路18aを介して、ステータ13に形成されている内孔13aの先端側開口部と連通している。そして、第2開口部22は、ステータ13に形成されている内孔13aの後端側開口部と連通している。
また、ステータ13は、図1(a)に示すように、第1磁気非接触式軸受23、第2磁気非接触式軸受24、及び第1ピボット部25によって回動自在にポンプケーシング19の内側に設けられている。
この第1及び第2磁気非接触式軸受23、24は、図1(a)に示すように、磁石の反発力を利用して、ステータ13のラジアル方向の荷重を受けることができるようにして、ステータ13をポンプケーシング19の周壁部19aと非接触の状態で所定位置で回動自在に支持することができ、更に、磁石の反発力を利用して、ステータ13をポンプケーシング19の前壁部19bに向かう方向に付勢するものである。
第1及び第2磁気非接触式軸受23、24は、それぞれ同等のものであって、ステータ13の内孔13aの中心軸26方向に互いに間隔を隔てて設けられ、第1及び第2磁気非接触式軸受23、24のそれぞれは、永久磁石である外輪磁石部(外側磁極部)27と、永久磁石である内側磁石部(内側磁極部)28とを備えている。
また、それぞれの外輪磁石部27は、図1(b)、(c)に示すように、円環状に形成され、固定側としてのポンプケーシング19の周壁部19aに密封して設けられている。そして、それぞれの内側磁石部28は、円弧状に形成され、回転側としてのステータ13に密封して設けられている。そして、外輪磁石部27及び内側磁石部28は、半径方向において互いに隙間を隔てて対向する磁極が同極(NとN、又はSとS)となるように規定されている。
この第1及び第2磁気非接触式軸受23、24が、ステータ13のラジアル荷重及びスラスト荷重の両方を受けることができるのは、図1(a)に示すように、各外輪磁石部27の中心が、それぞれと対応する各内側磁石部28の中心に対して中心軸26方向にずれているからである。この第1及び第2磁気非接触式軸受23、24は、ステータ13を図1(a)において右方向(ポンプケーシング19の後壁部19cから前壁部19bに向かう方向)に付勢する反発力を発生しており、この右スラスト方向の力は、第1ピボット部25で受けられている。これによって、ステータ13が左右いずれのスラスト方向にも移動しないようにすると共に、ラジアル方向に移動しないように(ステータ13の外周面がポンプケーシング19の周壁部19aの内周面に接触しないように)、ステータ13の先端部を、ポンプケーシング19の前壁部19bの内面の所定位置に回動自在に支持することができる。
また、図1(a)に示すように、第1磁気非接触式軸受23、及び第2磁気非接触式軸受24の2組の軸受が設けられているのは、図1(b)、(c)に示すように、第1及び第2磁気非接触式軸受23、24の有するそれぞれの内側磁石部28の形状が円弧状であり、これらの円弧状の内側磁石部28が、互いに直交する向きに設けられているからである。従って、このように第1及び第2磁気非接触式軸受23、24を構成することによって、ステータ13がいずれの回転位置にあるときでも、ステータ13をラジアル方向及びスラスト方向に略一定の安定した一定の力で保持することができる。
第1ピボット部25は、図1(a)に示すように、ステータ13の先端部をポンプケーシング19の前壁部19bの内面の、所定位置に回動自在に支持するためのものであり、第1回転軸25aと、第1軸受部25bとを備えている。第1回転軸25aは、ステータ13の先端部に設けられ、先端部が略円錐形の突起状に形成されている。第1軸受部25bは、ポンプケーシング19の前壁部19bの内面に設けられ、第1回転軸25aを回動自在に保持するように、略円錐形の凹部として形成されている。
また、ステータ13は、上記のように第1及び第2磁気非接触式軸受23、24、並びに第1ピボット部25によって回動自在に保持されて、その内孔13aの中心軸26、及びステータ13の回動の中心軸が互いに一致するように構成されている。
更に、後述するように、ロータ12の中心軸34及びロータ12の回動の中心軸が互いに一致するようにロータ12等が構成されている。
これによって、ロータ12及びステータ13の重心をそれぞれの回動の中心軸26、30上に位置させることができるので、ロータ12及びステータ13の回転時における振動を小さくすることができる。そして、ロータ12及びステータ13の内孔13aの振れ回りがないので、このロータ12及びステータ13の嵩を小さくすることができる。
ロータ12は、図1(a)、(b)、(c)に示すように、例えば1条の雄ねじ形状に形成され、縦断面形状が略真円であり、螺旋形状のピッチは、ステータ13のピッチの1/2に設定されている。そして、ロータ12は、例えばステンレス等の金属製であり、ステータ13の内孔13aに嵌挿されている。また、ロータ12の後端部には、連結軸29が結合しており、この連結軸29に駆動軸30が連結している。ただし、図1(a)に示すロータ12の直径D1は、ステータ13の略長円形の内孔13aの横幅寸法(短径寸法)D2よりも少し小さく形成してある。
駆動軸30には、図1(a)に示すように、その後端部の中心に第2ピボット部31が設けられ、その外周部に第1磁気スラスト軸受32が設けられている。更に、この第1磁気スラスト軸受32の外周部にロータ駆動部33が設けられている。
第2ピボット部31は、図1(a)に示すように、第1ピボット部25と同等のものであり、ロータ12の後端部と連結する駆動軸30を、ポンプケーシング19の後壁部19cの内面の所定位置に回動自在に支持するためのものであり、第2回転軸31a及び第2軸受部31bを備えている。第2回転軸31aは、駆動軸30の後端部に設けられ、第2軸受部31bは、ポンプケーシング19の後壁部19cの内面に設けられている。
第1磁気スラスト軸受32は、図1(a)に示すように、磁石の吸引力を利用して、ステータ13をポンプケーシング19の後壁部19cに向かう左スラスト方向に付勢するものである。この左スラスト方向の力は、第2ピボット部31で受けられているので、ロータ12が左右いずれのスラスト方向に移動しないようにすると共に、ラジアル方向に移動しないようにすることができ、これによってロータ12と連結する駆動軸30を、ポンプケーシング19の後壁部19cの内面の所定位置に回動自在に支持することができる。この第1磁気スラスト軸受32は、永久磁石である第1磁石部32aと、永久磁石である第2磁石部32bとを備えている。
この第1磁石部32aは、円環状に形成され、固定側としてのポンプケーシング19の後壁部19cに密封して設けられている。そして、第2磁石部32bは、円環状に形成され、回転側としての駆動軸30の後端部に密封して設けられている。そして、第1磁石部32a及び第2磁石部32bは、スラスト方向において(中心軸34方向)互いに隙間を隔てて対向する磁極が相違(NとS、又はSとN)するように規定されている。
ロータ駆動部33は、例えばステッピングモータ、サーボモータ等の電気モータであり、回転子33aと固定子33bとを備えている。回転子33aは、図1(a)に示すように、駆動軸30の外周部に設けられており、固定子33bは、ポンプケーシング19の周壁部19aに設けられている。このロータ駆動部33によって、駆動軸30と結合するロータ12を回転駆動することができる。
ロータ12は、その中心軸34及びロータ12の回動の中心軸が互いに一致するように設けられている。そして、ロータ12及び駆動軸30のそれぞれの中心軸34は、互いに一致している。
次に、図1(a)、(b)、(c)に示すように、ロータ12及びステータ13に設けられている第1〜第4反発力生成部35〜38を説明する。これら第1〜第4反発力生成部35〜38は、磁石の反発力を利用して、ステータ13の内孔13aを形成する内面と、ロータ12の外面とが互いに接触しないように、ロータ12及びステータ13を回転させることができるものである。更に、第1及び第2反発力生成部35、36は、ロータ12の後端部(図1(a)に示す左端部)を回動自在に支持することができるものであり、第3及び第4反発力生成部37、38は、ロータ12の先端部(図1(a)に示す右端部)を回動自在に支持することができるものである。
ただし、図1(a)に示すように、このロータ12及びステータ13の右端部に設けられている第3及び第4反発力生成部37、38は、ロータ12及びステータ13の左端部に設けられている第1及び第2反発力生成部35、36と同等のものであるので、同等部分を同一の図面符号で示し、第1及び第2反発力生成部35、36を説明して、第3及び第4反発力生成部37、38の説明を省略する。
第1反発力生成部35は、図1(a)に示すロータ12及びステータ13の後端部に設けられているものであり、図1(b)はその断面図を示している。この図1(a)、(b)に示すように、第1反発力生成部35は、第1ロータ側磁極部39と、第1ステータ側磁極部40とを備えている。
第1ロータ側磁極部39は、図1(b)に示すように、ロータ12の後端部に形成されている第1磁極取付部41に設けられている。この第1磁極取付部41は、断面形状が略真円形であり、この外周壁部に短円筒形状の第1ロータ側磁極部39が密封して設けられている。この第1磁極取付部41は、その中心軸がロータ12の回動の中心軸34と所定の間隔を隔てて配置されるように形成されている。
第1ステータ側磁極部40は、図1(b)に示すように、ステータ13の後端部に設けられており、この後端部には内孔13aと連通する第1案内孔42が形成されている。この第1案内孔42は、その中心軸に垂直な断面形状が略長円形である。この略長円形の第1案内孔42を形成する互いに向かい合うそれぞれの平行内壁部42aに、この一対の平行内壁部42aと略同一長さの一対の第1ステータ側磁極部40が密封して設けられている。この一対の各第1ステータ側磁極部40は、平板状体である。
そして、図1(b)に示すように、第1ロータ側磁極部39は、一対の第1ステータ側磁極部40、40の間に配置され、第1ロータ側磁極部39(第1磁極取付部41)、及び一対の各第1ステータ側磁極部40、40(平行内壁部42a、42a)は、互いに隙間を隔てて対向する磁極が同極(NとN、又はSとS)となるように規定されている。なお、第1磁極取付部41の直径は、ロータ12と同一である。そして、第1案内孔42の平行内壁部42a、42aの間隔は、内孔13aの平行内壁部の間隔と同一の寸法である。
次に、第2反発力生成部36を説明する。第2反発力生成部36は、第1反発力生成部35と同等のものであり、図1(a)に示すように、ステータ13の内孔13aの中心軸26方向に、第1反発力生成部35と間隔を隔ててロータ12の中央側に近い位置に設けられている。そして、図1(b)に示す第1反発力生成部35のA−A断面図、及び図1(c)に示す第2反発力生成部36のB−B断面図から分かるように、第2反発力生成部36が有する一対の第2ステータ側磁極部40は、第1反発力生成部35が有する一対の第1ステータ側磁極部40に対して略直交する方向に設けられている。そして、この第2ステータ側磁極部40に対応させて、第2ロータ側磁極部39がロータ12の後端部に形成された第2磁極取付部41に設けられている。そして、この第2磁極取付部41は、その中心軸がロータ12の回動の中心軸26と所定の間隔を隔てて、第1磁極取付部41と180°反対側の位置に配置されるように形成されている。
なお、図1(c)に示すように、一対の第2ステータ側磁極部40が、一対の第1ステータ側磁極部40に対して直交する方向に設けられているということは、第1案内孔42と対応する第2案内孔42は、第1案内孔42に対して直交する方向に設けられているということである。
ここで、図1(b)、(c)に示すように、第1及び第2磁気非接触式軸受23、24のそれぞれが備えている一対の円弧状の内側磁石部28は、ステータ13の外周壁部のうち、第1及び第2案内孔42、42の断面における長軸方向の端部(半円状壁部)のそれぞれの外側に形成されている外壁部分を除く範囲に設けられている。
次に、上記図1(a)、(b)、(c)に示すように構成された一軸偏心ねじポンプ11の作用を説明する。まず、ロータ駆動部33を駆動させてロータ12を所定の中心軸34の回りに回転させると、ステータ13がロータ12の回転に伴って中心軸26の回りに同方向に回転する。このときのロータ12及びステータ13の回転速度比は、2対1である。
また、ロータ12の中心軸34方向の各部分は、その中心軸34と直交する半径方向であって、ステータ13に形成されている内孔13aの断面略長円の長軸方向に沿って往復移動する(図1(b)、(c)参照)。そして、図1(a)に示すように、ロータ12の外面とステータ13内孔13aの内面とによって空間43、・・・が形成され、この空間43、・・・がロータ12の後端部側(第2開口部22側)から先端部側(第1開口部21側)に向かって移動することができ、このように空間43、・・・が当該方向に移動することによって、流体を第2開口部22から吸い込んで第1開口部21から所定の圧力で吐出することができる。
また、ロータ駆動部33を駆動して、ロータ12を所定方向に回転させると、第1〜第4ロータ側磁極部39、・・・と第1〜第4ステータ側磁極部40、・・・とによる互いの反発力によって、ステータ13をロータ12と同方向に回転させることができる。つまり、この反発力は、ロータ12の外面がこれと対向するステータ13の内孔13aを形成する内面をその回転方向に押圧する力として作用する。これによって、ステータ13の内孔13aを形成する内面と、ロータ12の外面とが互いに接触しないように、ロータ12及びステータ13の両方を同方向に回転させることができる。そしてロータ12及びステータ13の両方を回転させる場合に、その回転の駆動部が1台のロータ駆動部33で済み経済的である。また、回転駆動部を含む一軸偏心ねじポンプ11の嵩を小さくすることができる。
更に、図1(a)、(b)、(c)に示すように、ロータ12に第1〜第4ロータ側磁極部39、・・・を設け、ステータ13の内孔13aを形成する内壁部に第1〜第4ステータ側磁極部40、・・・を設けた構成としたので、互いに相対的に回転するロータ12及びステータ13が互いに接触して磨耗することを防止することができるし、磨耗粉の発生を防止できる。
そして、第1〜第4ロータ側磁極部39、・・・及び第1〜第4ステータ側磁極部40、・・・として永久磁石を使用しているので、停電時においてもロータ12及びステータ13の回転の位置関係を予め定めた位相差に保持することができ、通電時におけるロータ12及びステータ13の回転の位置関係の設定のやり直しを不要とすることができる。
また、ロータ12及びステータ13の磨耗を防止できるので、ロータ12及びステータ13が回転するときに、ロータ12の外周面と、ステータ13の内孔13aの内周面との接近部分(接近線)で形成されている空間43の容積が変化しないようにすることができ、よって、高流量精度を得ることができる。そして、ロータ12及びステータ13が互いに相対的に回転するときに、接近線の形状が変化しないので、脈動を小さくすることができる。従って、流体を高流量精度、低脈動、しかも長寿命で移送したり充填することができる。
更に、第1反発力生成部35を具体的に説明すると、例えば図1(b)に示すように、内孔13aの一部である第1案内孔42を形成する互いに向かい合う一対の平行内壁部42a、42aに一対の第1ステータ側磁極部40、40を設けた構成となっているので、ロータ12及びステータ13が回転するとき、断面形状が略長円形の第1案内孔42(ステータ13の内孔13a)の長軸方向に、第1ロータ側磁極部39(ロータ12)が相対的に往復移動するが、このとき、第1ロータ側磁極部39と、一対の第1ステータ側磁極部40、40との間で発生する反発力によって、一対の各平行内壁部42a、42aと、第1ロータ側磁極部39(第1磁極取付部41)の外面とが互いに接触しないようにすることができる。つまり、ロータ12及びステータ13が非接触の状態で、ロータ12及びステータ13を同方向に回転させることができる。
また、図1(b)に示すように、ステータ13の第1及び第2案内孔42の互いに向かい合うそれぞれの平行内壁部42aに一対のステータ側磁極部40を設けているが、この案内孔42の断面における長軸方向の各端部の半円状内壁部には、ステータ側磁極部40を設けていないので、ロータ側磁極部39(ロータ12)が案内孔42(内孔13a)のその長軸方向に相対的に往復移動するときに、ロータ側磁極部39と一対のステータ側磁極部40との間で発生する反発力が、そのロータ12の移動の妨げとならないようにすることができる。
更に、図1(b)に示す第1反発力生成部35のA−A断面図、及び図1(c)に示す第2反発力生成部36のB−B断面図から分かるように、第2反発力生成部36が有する一対の第2ステータ側磁極部40、40は、第1反発力生成部35が有する一対の第1ステータ側磁極部40、40に対して略直交する方向に設けられている。これによって、ロータ12のステータ13に対するいずれの相対的な回転位置においても、ステータ13の内孔13aの内面と、ロータ12の外面との間に形成される隙間が、予め定めた寸法となるように、ロータ12を安定して支持した状態で回転させることができる。
そして、図1(a)に示すように、ロータ12の左側の後端部、及び右側の先端部のそれぞれに、第1及び第2反発力生成部35、36、並びに第3及び第4反発力生成部37、38を設けた構成とすることによって、ロータ12の両方の各端部において、ロータ12の中心軸34に垂直な方向の位置決めを正確に行うことができる。
また、図1(a)、(b)、(c)に示すように、第1〜第4ステータ側磁極部40、・・・を永久磁石とすることによって、ステータ側磁極を生成するための電磁石及びその電気配線を不要とすることができる。
更に、図1(a)等に示すように、ロータ12の第1〜第4磁極取付部41の断面形状を略円形とすることによって、この第1〜第4磁極取付部41を含むロータ12を比較的簡単に精度良く製作することができる。そして、第1〜第4磁極取付部41の直径を、互いに向かい合う一対の平行内壁部42a、42aの間隔よりも小さくしたことによって、磁極取付部41(ロータ12)の外面と、ステータ13の案内孔42(内孔13a)の内面とが互いに非接触の状態で、ロータ12及びステータ13を回転させることができる。そして、ロータ12の第1〜第4磁極取付部41の外周壁部に第1〜第4ロータ側磁極部39を設けたことによって、ロータ12のステータ13に対するいずれの相対的な回転位置においても、第1〜第4ロータ側磁極部39及び第1〜第4ステータ側磁極部40による比較的強い略一定の反発力を生成することができる。
そして、図1(a)、(b)、(c)に示すように、ステータ13の後端部は、第1及び第2磁気非接触式軸受23、24によって、ポンプケーシング19と接触しないように回動自在に支持されているので、その部分の両者の接触による磨耗粉が発生することがない。そして、ロータ12は、第1〜第4反発力生成部35〜38によって、ステータ13の内孔13aの内面と接触しないように回動自在に支持されているので、両者の接触による磨耗粉が発生することがない。また、騒音や振動が小さく、ロータ12やステータ13を滑らかに回転させることができる。そして、例えば軸封用のシール部材や接触式軸受を不要としたり削減できるし、それらのメンテナンスを不要としたり削減することができる。また、これらのことによって、一軸偏心ねじポンプ11の耐久性能の向上を図ることができるし、分解及び組立作業、並びに洗浄作業の簡単化を図ることができる。
また、ステータ13の後端部は、ラジアル荷重及びスラスト荷重の両方を受けることができる第1及び第2磁気非接触式軸受23、24によって支持されているので、ラジアル荷重及びスラスト荷重をそれぞれ別々に非接触で受けることができる軸受を使用する場合と比較して、構造を簡単にすることができるし、この一軸偏心ねじポンプ11の嵩を比較的小さくすることができる。
更に、例えば図1(b)に示すように、第1磁気非接触式軸受23が備える円弧状の内側磁石部28は、ステータ13の外周壁部のうち、第1案内孔42の断面における長軸方向の端部のそれぞれの外側の外壁部分を除く範囲に設けられているが、その外壁部分には設けられていないので、第1案内孔42の断面における長軸方向に、ロータ12が相対的に往復移動するときに、ロータ側磁極部39と内側磁石部28との間で発生する反発力が、そのロータ12の移動の妨げとならないようにすることができる。よって、ロータ12をステータ13に対して比較的低負荷で滑らかに相対的に回転させることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る一軸偏心ねじポンプ45を、図2の縦断面図を参照して説明する。この図2に示す第2実施形態と、図1に示す第1実施形態とが相違するところは、第1実施形態では、図1に示すように、ロータ駆動部33によってロータ12を回転駆動して、このロータ12の回転で駆動されてステータ13が同方向に回転する構成としたのに対して、第2実施形態では、図2に示すように、ロータ駆動部33を削除してステータ駆動部46を設け、このステータ駆動部46によってステータ13を回転駆動して、このステータ13の回転で駆動されてロータ12が同方向に回転する構成としたところである。
これ以外は、第1実施形態の一軸偏心ねじポンプ11と同等の構成であり、同様に作用するので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
この図2に示す第2実施形態の一軸偏心ねじポンプ45が備えているステータ駆動部46は、ロータ駆動部33と同等のものであって、例えばステッピングモータ、サーボモータ等の電気モータであり、回転子33aと固定子33bとを備えている。回転子33aは、ステータ13の外周部に設けられており、固定子33bは、ポンプケーシング19の周壁部19aに設けられている。
上記のように構成すると、ステータ13を所定方向に回転させると、第1〜第4ロータ側磁極部39、・・・と第1〜第4ステータ側磁極部40、・・・とによる互いの反発力によって、ロータ12及びステータ13を互いに非接触状態で同方向に回転させることができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る一軸偏心ねじポンプ48を、図3の縦断面図を参照して説明する。この図3に示す第3実施形態の一軸偏心ねじポンプ48は、そのステータ13に対して、第1〜第4磁気浮上式軸受49〜52、及び第1及び第2磁気非接触式スラスト軸受53、54が設けられている。そして、ロータ12には、第3及び第4磁気非接触式スラスト軸受55、56、並びに第1〜第4反発力生成部35〜38が設けられている。これによって、この第3実施形態に係る一軸偏心ねじポンプ48のステータ13及びロータ12は、互いに非接触で回転できると共に、ポンプケーシング19に対しても非接触で回転できるように構成されている。
ステータ13に対して設けられている第1〜第4磁気浮上式軸受49〜52は、図3に示すように、磁石の反発力を利用して、ステータ13のラジアル方向の荷重を受けることができるように、ステータ13をポンプケーシング19と非接触の状態で所定位置で回動自在に支持するものである。この第1〜第4磁気浮上式軸受49〜52は、それぞれ外輪磁石部(永久磁石)27と内側磁石部(永久磁石)28とを備えている。
この図3に示す第1磁気浮上式軸受49と、図1に示す第1磁気非接触式軸受23とが相違するところは、図1に示す第1磁気非接触式軸受23では、外輪磁石部27及び内側磁石部28のそれぞれの中心線がずれており、ラジアル荷重及びスラスト荷重の両方を受けることができるのに対して、図3に示す第1磁気浮上式軸受49では、外輪磁石部27及び内側磁石部28のそれぞれの中心線が一致しており、ラジアル荷重を受けることができるが、スラスト荷重を受けることができないところである。これ以外は、第1実施形態の第1磁気非接触式軸受23と同等であるので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの詳細な説明を省略する。
そして、図3(c)に示す第2磁気浮上式軸受50は、図3(b)に示す第1磁気浮上式軸受49を90°回転移動させたものである。そして、図3(a)に示す第3及び第4磁気浮上式軸受51、52は、第1及び第2磁気浮上式軸受49、50と同等のものであるので、説明を省略する。
ステータ13に対して設けられている第1及び第2磁気非接触式スラスト軸受53、54は、図3に示すように、磁石の反発力を利用して、ステータ13の左右両方のスラスト方向の荷重を受けることができるように、ステータ13をポンプケーシング19に対して非接触の状態で回動自在に所定位置で支持するものである。従って、第1及び第2磁気非接触式スラスト軸受53、54のそれぞれの反発力は、左右のスラスト方向において互いに釣り合うように設定されている。この第1及び第2磁気非接触式スラスト軸受53、54は、それぞれ第1磁石部(永久磁石)53aと第2磁石部(永久磁石)とを備えている。
第1磁気非接触式スラスト軸受53(又は第2磁気非接触式スラスト軸受54)の第1磁石部53aは、円環状の磁石であり、図3に示すように、ポンプケーシング19の第2開口部22側(又は第1開口部21側)の端部の内周部に密封して装着されている。そして、第2磁石部は、第1磁気浮上式軸受49(又は第3磁気浮上式軸受51)の内側磁石部28で共用されている。そして、第1磁石部53a及び内側磁石部28(第2磁石部)は、スラスト方向において互いに対向する磁極が同極(NとN又はSとS)となるように規定されている。
ロータ12に対して設けられている第3及び第4磁気非接触式スラスト軸受55、56は、図3(a)に示すように、磁石の反発力を利用して、ロータ12の左右両方のスラスト方向の荷重を受けることができるように、ロータ12をポンプケーシング19に対して非接触の状態で回動自在に所定位置で支持するものである。従って、第3及び第4磁気非接触式スラスト軸受55、56のそれぞれの反発力は、左右のスラスト方向において互いに釣り合うように設定されている。この第3及び第4磁気非接触式スラスト軸受55、56は、それぞれ第1磁石部(永久磁石)55aと第2磁石部(永久磁石)55bとを備えている。
第3磁気非接触式スラスト軸受55(又は第4磁気非接触式スラスト軸受56)の第1磁石部55aは、図3に示すように、円板状の磁石であり、ポンプケーシング19の後壁部19c(又は前壁部19b)に密封して装着されている。そして、第2磁石部55bは、駆動軸30の後端部の中心部(又はロータ12の先端部に突設された先端軸57の先端部中心)に密封して装着されている。
これ以外は、第1実施形態の一軸偏心ねじポンプ11と同等の構成であり、同様に作用するので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
このようにすると、ロータ12及びステータ13の両方がラジアル方向に浮上する状態で、及びスラスト方向に非接触の状態で回転するので、接触式軸受を使用する場合のように、磨耗粉が発生することがない。また、騒音や振動が小さく、ロータ12やステータ13を滑らかに回転させることができる。そして、例えば軸封用のシール部材や接触式軸受を不要とすることができる。また、これによって、一軸偏心ねじポンプ48の耐久性能の向上を図ることができるし、分解及び組立作業、並びに洗浄作業の簡単化を図ることができる。
次に、本発明の第4実施形態に係る一軸偏心ねじポンプ59を、図4の縦断面図を参照して説明する。この図4に示す第4実施形態と、図3に示す第3実施形態とが相違するところは、第3実施形態では、図3に示すように、ロータ駆動部33によってロータ12を回転駆動して、このロータ12の回転で駆動されてステータ13が同方向に回転する構成としたのに対して、第4実施形態では、図4に示すように、ロータ駆動部33を削除してステータ駆動部46を設け、このステータ駆動部46によってステータ13を回転駆動して、このステータ13の回転で駆動されてロータ12が同方向に回転する構成としたところである。このステータ駆動部46は、第2実施形態のものと同等のものである。
これ以外は、第3実施形態の一軸偏心ねじポンプ48と同等の構成であり、同様に作用するので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
次に、本発明の第5実施形態に係る一軸偏心ねじポンプ61を、図5の縦断面図を参照して説明する。この図5に示す第5実施形態と、図3に示す第3実施形態とが相違するところは、第3実施形態では、図3に示すように、ステータ13及びロータ12に掛かるラジアル荷重及びスラスト荷重を、磁気の反発力を利用する軸受を使用して回動自在に支持するようにして、リップシール等のシールを使用しない構成としたのに対して、第5実施形態では、図5(a)に示すように、ロータ12用の第3及び第4磁気非接触式スラスト軸受55、56を省略して、ロータ12の駆動軸30及び先端軸57を、ラジアル荷重及びスラスト荷重を受けることができる接触型の玉軸受62、・・・で回動自在に支持するようにして、これらの玉軸受62と、ステータ13の内孔13a(移送流体)とを密封して仕切るためのシール63、63を駆動軸30及び先端軸57に設けた構成としたところである。
これ以外は、第3実施形態の一軸偏心ねじポンプ48と同等の構成であり、同様に作用するので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
このように構成しても、ロータ12の外周面と、ステータ13の内孔13aの内周面とを非接触状態でその両方を回転させることができ、これによって、ロータ12及びステータ13の磨耗を防止することができる。
次に、本発明の第6実施形態に係る一軸偏心ねじポンプ65を、図6の縦断面図を参照して説明する。この図6に示す第6実施形態と、図1乃至図5に示す第1〜第5実施形態とが相違するところは、図1(b)、(c)等に示す第1乃至第4反発力生成部35〜38が相違するところである。
第1実施形態の第1反発力生成部35は、図1(b)に示すように、ロータ12に設けた第1ロータ側磁極部39と、ステータ13に設けた第1ステータ側磁極部40との永久磁石による反発力によって、ロータ12とステータ13とを互いに非接触状態で回動自在に支持する構成である。
これに対して、第6実施形態の第1反発力生成部66は、図6(a)に示すように、第1ステータ側磁極部68を、永久磁石で形成せずに強磁性体等の磁性体で形成して、第1磁気非接触式軸受23等の内側磁石部28によって、長円形の案内孔42の一対の各平行内壁部42aに第1ステータ側磁極を生成できるようにした構成である。
同様に、図6(a)、(b)に示すように、第2〜第4反発力生成部67の第2〜第4ステータ側磁極部68も強磁性体等の磁性体で形成することができる。ただし、ロータ12の材質は、非磁性体としてある。これ以外は、上記各実施形態の一軸偏心ねじポンプと同等の構成であり、同様に作用するので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
このように構成しても、第1乃至第5実施形態と同様に、第1〜第4ロータ側磁極部39、・・・と、第1〜第4ステータ側磁極部68、・・・との磁石による反発力によって、ロータ12とステータ13とを互いに非接触状態で回動自在に支持することができる。また、第1〜第4ステータ側磁極部68、・・・として永久磁石を使用していないので、費用の低減を図ることができる。
更に、第1〜第4ステータ側磁極部68、・・・を磁性体を使用して磁極を生成するように構成すると、このステータ側磁極を生成するための永久磁石や電磁石及びその電気配線を、ステータ側磁極部68が設けられている以外の位置に設けることができる。よって、永久磁石や電磁石等を設ける位置の選択の幅を広げることができる。
なお、第1〜第5実施形態のように、第1〜第4ステータ側磁極部40、・・・を永久磁石とすることによって、ステータ側磁極を生成するための電磁石及びその電気配線を不要とすることができる。
次に、本発明の第7実施形態に係る一軸偏心ねじポンプ70を、図7の縦断面図を参照して説明する。この図7に示す第7実施形態と、図5に示す第5実施形態とが相違するところは、第5実施形態では、図5に示すように、ステータ13に掛かるラジアル荷重、及びスラスト荷重を、第1〜第4磁気浮上式軸受49〜52、及び第1及び第2磁気非接触式スラスト軸受53、54を使用して回動自在に支持する構成としたのに対して、第7実施形態では、図7(a)〜(d)に示すように、第5及び第6磁気非接触式軸受71、72を使用して回動自在に支持する構成としたところである。
これ以外は、第5実施形態の一軸偏心ねじポンプ61と同等の構成であり、同様に作用するので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
この図7(a)、(d)に示す第7実施形態の第5磁気非接触式軸受71は、図1(a)、(b)に示す第1実施形態の第1磁気非接触式軸受23の一部を変更したものであり、つまり、第1実施形態の第1磁気非接触式軸受23では、図1(b)に示すように、一対の各内側磁石部28が円弧状に形成されているのに対して、第7実施形態の第5磁気非接触式軸受71では、図7(d)に示すように、内側磁石部73が円環状に形成されている。
このように、第7実施形態の第5磁気非接触式軸受71に設けられている内側磁石部73が、図7(d)に示すように、円環状に形成されているのは、このように内側磁石部73を円環状に形成しても、図7(a)、(b)に示す第1ロータ側磁極部39が第1案内孔42を長軸方向に往復移動するときの妨げとならないからである。なぜなら、図7(a)に示すように、この第5磁気非接触式軸受71を第1ロータ側磁極部39から中心軸26方向に引離して設けたからである。
なお、第6磁気非接触式軸受72は、第5磁気非接触式軸受71と左右対称形状のものであり、図5(a)に示す第3及び第4磁気浮上式軸受51、52、並びに第2磁気非接触式スラスト軸受54の機能を果たすものである。同様に、上記第5磁気非接触式軸受71は、図5(a)に示す第1及び第2磁気浮上式軸受49、50、並びに第1磁気非接触式スラスト軸受53の機能を果たすものである。
このように、第5及び第6磁気非接触式軸受71、72のそれぞれの内側磁石部73を円環状に形成することができるので、図5に示す軸受の数を減少させることができる。
ただし、上記各実施形態では、図1(a)、(b)、(c)等に示すように、第1〜第4反発力生成部35〜38による磁石の反発力を利用して、ステータ13の内孔13aを形成する内面と、ロータ12の外面とが互いに接触しないようにロータ12及びステータ13を回転させる構成としたが、これに代えて、両者が適切な接触圧で接触するように、ロータ12及びステータ13を回転させる構成とすることができる。例えば第1〜第4ロータ側磁極部39、及び第1〜第4ステータ側磁極部40の磁石の強さ、大きさ、又は両者の間隔を適切に設定することによって達成することができる。
そして、上記各実施形態における第1〜第4反発力生成部35〜38、第1〜第4磁気非接触式軸受、第1〜第4磁気浮上式軸受49〜52、及び第1〜第4磁気非接触式スラスト軸受53〜56等は、磁石による反発力(又は吸引力)によってロータ12、ステータ13、及びポンプケーシング19のそれぞれの間における非接触状態を実現する構成としたが、これに代えて、磁石によって導体に生じる渦電流に基づくローレンツ力を利用してロータ12、ステータ13、及びポンプケーシング19のそれぞれの間における非接触状態を実現する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、例えば図1(a)等に示すように、ロータ12(又はステータ13)を所定方向に回転させることによって、このロータ12(又はステータ13)の回転で駆動されてステータ13(又はロータ12)が同方向に回転するものを例に挙げて説明したが、これ以外に、例えばロータ12及びステータ13のいずれか一方を固定して、他方を回転させることによって、流体を吐出できる一軸偏心ねじポンプに本発明を適用することができる。
更に、上記各実施形態では、各図に示すように、駆動部33、46は、ロータ12又はステータ13のいずれか一方を回転駆動するようにしたが、第1〜第4反発力生成部35〜38の磁気反発力を補うために、又は磁気反発力と協力し合うように、ロータ12及びステータ13の両方を、例えば別々の駆動部33、36を使用して又は同一(共通の)の駆動部を使用して同期して回転させることができる。このようにする理由として、例えばロータ12及びステータ13のそれぞれの直径を比較的大きくすると、ロータ12及びステータ13の慣性力が大きくなり、ロータ12及びステータ13間の磁気反発力が不足することが考えられるからである。
例えば図1、図3、図5、及び図7に示す一軸偏心ねじポンプ11、48、61、70では、ステータ駆動部46を設けることとする。そして、図2及び図4に示す一軸偏心ねじポンプ45、59では、ロータ駆動部33を設けることとする。これらの場合、ステータ13とロータ12の回転数比が1/2となるように、ロータ駆動部33及びステータ駆動部46を設定してある。
また、図8に示す一軸偏心ねじポンプ75は、上記各実施形態で使用されている磁気非接触式軸受けを使用して、ロータ12及びステータ13を磁気の反発力を利用してラジアル方向及びスラスト方向の荷重を受けるようにしてあり、更に、ロータ12及びステータ13が互いに接触しないように、第1〜第4反発力生成部35〜38を設けてある。そして、ロータ12及びステータ13は、それぞれロータ駆動部33及びステータ駆動部46で回転駆動されるようになっている。
ただし、ロータ12の右端部は、第5磁気非接触式スラスト軸受76によって右スラスト方向の荷重が支持されている。そして、ステータ13は、第7及び第8磁気非接触式軸受78、79によってラジアル方向及びスラスト方向の荷重が支持されている。これらの軸受は、ロータ12及びステータ13のそれぞれのスラスト方向の力が釣り合うように、第1電磁石部77及び円環状の外輪電磁石部80、80を設けてある。
このように、第1電磁石部77及び外輪電磁石部80、80を使用すると、例えば電流の強さ(磁気反発力)を調節することによって、ロータ12及びステータ13のそれぞれのスラスト方向の力が釣り合うようにすることができる。これによって、ロータ12及びステータ13のスラスト方向の正確な位置決めをすることができる。なお、上記各実施形態と同等部分は、同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
更に、上記各実施形態では、永久磁石を使用して磁気の反発力や吸引力を生成するようにしたが、これに代えて、電磁石を使用して磁気の反発力や吸引力を生成するようにしてもよい。