JP2009203942A - 気筒判別装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】Gセンサを用いることなく気筒判別を行うことを課題とする。
【解決手段】エンジン1のクランク配置とプランジャとは、♯1気筒51が圧縮行程であるときに第1プランジャ3が燃料の圧送を行うように予め関連付けられ、エンジン1に組み付けられている。気筒判別装置100は、第1プランジャ3と第2プランジャ4との燃料圧送の性質の違いを検知して、その検知結果を気筒判別に利用する。第1プランジャ3により燃料が圧送されたときのコモンレール6内の圧力上昇値はP1となる。第2プランジャ4により燃料が圧送されたときのコモンレール6内の圧力上昇値はP2となる。圧力P1と圧力P2との間にクライテリアPcが設けられており、ECU9は、そのクライテリアPcを越えたか否かによりどのプランジャから燃料が圧送されたかを特定し、気筒判別を行う。
【選択図】図3
【解決手段】エンジン1のクランク配置とプランジャとは、♯1気筒51が圧縮行程であるときに第1プランジャ3が燃料の圧送を行うように予め関連付けられ、エンジン1に組み付けられている。気筒判別装置100は、第1プランジャ3と第2プランジャ4との燃料圧送の性質の違いを検知して、その検知結果を気筒判別に利用する。第1プランジャ3により燃料が圧送されたときのコモンレール6内の圧力上昇値はP1となる。第2プランジャ4により燃料が圧送されたときのコモンレール6内の圧力上昇値はP2となる。圧力P1と圧力P2との間にクライテリアPcが設けられており、ECU9は、そのクライテリアPcを越えたか否かによりどのプランジャから燃料が圧送されたかを特定し、気筒判別を行う。
【選択図】図3
Description
本発明は、多気筒エンジンの気筒判別装置に関する。
従来、エンジンの各種制御用の信号として、そのときどきのエンジン回転数、クランク角、各気筒の上死点(TDC)を検出するべく、NEセンサ及びGセンサ(位相センサ)の2つのセンサが使用されている。多気筒エンジンでは、エンジン始動時に噴射を行うべきインジェクタを判断する気筒判別装置にもNEセンサとGセンサが利用されることが一般的である。以下、従来の気筒判別装置の概略構成について説明する。
NEセンサは、クランクシャフトに設けられたパルサの近傍においてブラケットに固定される。パルサの外周には、多数の歯が等間隔毎に一体形成されているとともに、1か所の欠歯部が形成されている。従って、クランクシャフトの回転に伴ってパルサが回転すると、NEセンサからは、所定角度毎に各歯に対応したパルス信号が出力されるとともに、欠歯部に対応した、基準となるパルス信号(基準位置信号)が出力されるようになっている。
また、Gセンサは、クランクシャフトに対し、1/2回転の速度で回転するカムシャフト或いはポンプシャフトに設けられたパルサの近傍においてブラケットに固定される。このパルサの外周には、1つの歯のみが一体形成され、それ以外の外周は欠歯部となっている。従って、クランクシャフトの回転に伴いカムシャフト等が回転し、これに伴ってパルサが回転すると、Gセンサからは所定角度毎に前記1つの歯に対応したパルス信号が出力されるようになっている。
そして、ECU(Electronic control unit)は、これらNEセンサ及びGセンサから出力されるパルス信号に基づき、各気筒の上死点(TDC)を求める。例えば、NEセンサより、欠歯部に対応したパルス信号(ゼロ信号)が出力された場合、その次の歯に対応したパルス信号が出力されたときが♯1気筒又は♯4気筒のTDCと判定される。また、そのTDCから180°CA後が♯3気筒又は♯2気筒のTDCと判定される。但し、これのみでは、対応気筒が♯1気筒なのか♯4気筒なのかを判別できない。このため、さらに、Gセンサにより、パルサの1つの歯に対応したパルス信号が出力された場合には、♯1気筒に対応しているものと判定される。
このような気筒判別装置を改良もするものとして特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に開示された気筒判別装置においても、カム軸に気筒判別信号発生手段の信号板(回転円板)が取り付けられるとともにGセンサに相当する気筒判別用のセンサを備え、クランク軸にクランク角度信号発生手段の信号板が取り付けられるとともにNEセンサに相当するクランク角度位置検出用のセンサを備えた構成が開示されている。
このように、特許文献1に開示された気筒判別装置を含め、従来の気筒判別装置は、NEセンサとGセンサとの組み合わせにより気筒判別を行っている。ここで、NEセンサは、上記のように気筒判別に用いられる他、エンジン回転数の把握、クランク角の把握にも用いられる。ところが、一方のGセンサは気筒判別にのみ用いられている。このため、Gセンサを用いることなく気筒判別を行うことが出来れば、コスト面、センサ設置のスペース確保の面で有利となる。
そこで、本発明は、Gセンサを用いることなく気筒判別を行うことを課題とする。
かかる課題を解決する本発明の気筒判別装置は、予めエンジンのクランク配置と関連付けて設置されるとともに、それぞれ性質の異なる燃料圧送を行う複数のプランジャと、当該プランジャによって行われた燃料圧送の前記性質を検知する検知手段と、当該検知手段の検知結果に基づいて気筒判別を行う気筒判別手段と、を備えたことを特徴とする(請求項1)。このような構成とすることにより、Gセンサを備えることなく、気筒判別を行うことが出来る。エンジンのクランク配置は、例えば、直列4気筒エンジンでは、♯1気筒、♯3気筒、♯4気筒、♯2気筒の順番で燃料が噴射されるように構成されている。このうち、♯1気筒と♯4気筒とは、360°の位相差を持って配置されている。また、直列6気筒エンジンでは、♯1気筒と♯6気筒とは、360°の位相差を持って配置されている。前記クランク配置は、このような位相差の設定等、エンジンにおけるクランクシャフトの諸元を指す。このようなクランク配置を考慮し、特定の気筒と特定のプランジャとを関連付けてクランクシャフトとプランジャとを予めエンジンに組み付けておけば、その特定のプランジャによって行われる燃料圧送の性質を検知することにより特定の気筒を判別することが出来る。
ここで、燃料圧送の性質には、プランジャから圧送された燃料の圧力や、プランジャから圧送された燃料が所定の位置に到達するまでの時間等、プランジャから圧送される燃料の圧送先等が含まれる。要は、燃料圧送から得られる種々の情報によりその燃料圧送を行ったプランジャを判別できる性質は、本発明における燃料圧送の性質に含めることが出来る。プランジャを判別することが出来れば、そのプランジャと関連付けられた特定の気筒を判別することが出来る。
なお、本発明の気筒判別装置によれば、NEセンサからの情報を用いることなく気筒判別を行うことも可能となる。ただし、NEセンサは、エンジンの他の制御に必要となる情報を得るものであるので、エンジンには装着されることになる。
このような気筒判別装置では、前記複数のプランジャのコモンレールに対する一回あたり圧送量をそれぞれ異なる値に設定するとともに、前記検知手段を前記プランジャにより圧送された燃料の圧力を測定する圧力センサとし、前記気筒判別手段は、予め設定された基準値と前記コモンレールに対し最初に圧送された燃料の圧力とを比較して気筒判別を行う構成とすることが出来る(請求項2)。また、前記複数のプランジャのコモンレールに対する一回あたり圧送量をそれぞれ異なる値に設定するとともに、前記検知手段を前記プランジャにより圧送された燃料の圧力を測定する圧力センサとし、前記気筒判別手段は、前記コモンレールに対し最初に燃料が圧送された際の圧力と、その後に燃料が圧送された際の圧力に基づいて気筒判別を行う構成とすることも出来る(請求項3)。これらは、燃料圧送の性質として、圧送された燃料の圧力の値を利用した構成である。例えば、複数あるプランジャのピストン径を異なる径として一回あたりの圧送量が異なる値となるように設定しておく。これにより、燃料を圧送したプランジャが異なると圧力センサが検知する圧力の値が異なる値として検知される。このとき、予め設定された基準値とコモンレールに対し最初に圧送された燃料の圧力とを比較して、その圧力が基準値よりも高いか低いかによってどのプランジャから燃料が圧送されたかを判別し、ひいては、そのプランジャと関連付けられた特定の気筒を判別することが出来る。また、基準値を用いず、異なるプランジャから圧送された燃料の圧力の値同士を比較してプランジャの特定、気筒の判別を行ってもよい。
また、前記のような気筒判別装置では、前記検知手段を前記プランジャにより圧送された燃料の圧力を測定する圧力センサとするとともに、前記複数のプランジャは前記圧力センサまでの圧送経路の距離が異なるように設置され、前記気筒判別手段は、プランジャの燃料圧送開始時点から前記圧力センサの圧力上昇検知時点までの時間に基づいて気筒判別を行うことを特徴とする構成とすることが出来る(請求項4)。燃料圧送の性質として、圧送された燃料が圧力センサに到達し、圧力上昇が検知されるまでの時間を利用した構成である。例えば、圧力センサまでの距離が長いプランジャと♯1気筒とを関連付けられている場合、そのプランジャと圧力センサまでの距離に対応した到達時間が測定されれば、♯1気筒を判別することが出来る。
また、前記のような気筒判別装置では、圧力センサが設置された領域と他の領域とを備えるコモンレールを備え、前記複数のプランジャは、前記圧力センサが設置された領域に燃料を圧送するプランジャと前記他の領域に燃料を圧送するプランジャとを含み、前記気筒判別手段は、前記圧力センサの圧力上昇検知情報に基づいて気筒判別する構成とすることが出来る(請求項5)。燃料圧送の性質として、プランジャから圧送される燃料の圧送先を指定する構成である。特定の気筒と関連付けられた特定のプランジャから燃料が圧送される領域にのみ圧力センサを備えておくことにより、その圧力センサが圧力検知すれば、特定のプランジャから燃料が圧送されたことが判断される。これにより、気筒判別を行うことが出来る。コモンレールをこのような構成とした場合、前記圧力センサが設置された領域の減圧を行うとともに前記他の領域の減圧を行う減圧弁を備えた構成とすることが出来る(請求項6)。コモンレールは、要求レール圧が高い状態から低い状態へ移行したときに作動させる減圧弁を備えるが、前記のようにコモンレールを複数の領域に分割した場合、それぞれの領域に対して機能する減圧弁が必要となる。そこで、一の減圧弁で前記複数の領域の減圧を行うことが出来る減圧弁を装備すれば、コストの抑制を図ることが出来る。
本発明の気筒判別装置は、多気筒エンジンであれば、その気筒数に関わらず採用することが出来るが、4気筒エンジンに採用する場合、以下のような構成とすることが出来る。すなわち、前記エンジンは、前記クランク配置を♯1気筒と♯4気筒とが同時に上死点にとなる設定とした4気筒エンジンであり、前記複数のプランジャは、クランクシャフトの1/2回転で回転する偏心カムにより駆動され、当該偏心カムを介して対向配置された第1プランジャと第2プランジャとを含み、前記♯1気筒が圧縮行程であるときに前記第1プランジャが燃料の圧送を行うように前記クランク配置と前記プランジャとが関連付けられたことを特徴とする構成とすることが出来る(請求項7)。このような構成では、第1プランジャと第2プランジャは、偏心カムによって駆動される燃料ポンプを構成する。
本発明の気筒判別装置によれば、予めエンジンのクランク配置と関連付けて設置されるとともに、それぞれ性質の異なる燃料圧送を行う複数のプランジャと、当該プランジャによって行われた燃料圧送の前記性質を検知する検知手段と、当該検知手段の検知結果に基づいて気筒判別を行う気筒判別手段と、を備え、燃料圧送の性質から特定のプランジャを見出し、Gセンサを用いることなく気筒判別を行うことが出来る。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は、本発明の気筒判別装置100を搭載した直列4気筒のディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」と称する)1の概略構成を示した説明図である。エンジン1は、♯1気筒51、♯2気筒52、♯3気筒53、♯4気筒54を備え、♯1気筒51と♯4気筒52とが同時に上死点にとなるクランク配置となっている。気筒判別装置100は、第1プランジャ3と第2プランジャ4を備えた燃料ポンプ2を備えている。図2は、燃料ポンプ2の概略構成図である。第1プランジャ3と第2プランジャ4とは燃料ポンプ2に組み込まれた偏心カム5を介して対向配置されている。偏心カム5は、エンジン1のクランクシャフトの1/2回転で回転する。第1プランジャ3のプランジャ径Aは、一回の圧送行程の圧送量がVaとなるように設定されている。また、第2プランジャ4のプランジャ径Bは、プランジャ径Aよりも小さく設定されており、第2プランジャ4の一回の圧送行程の圧送量はVbとされている。
第1プランジャ3は、配管10を介してコモンレール6に接続されている。第2プランジャ4は、配管11を介してコモンレール6に接続されている。コモンレール9は、内部に一の空間が形成されており一端に圧力センサ8が装着されている。圧力センサ8は、コモンレール6内の圧力を測定する。また、圧力センサ8は、ECU(Electronic control unit)9と電気的に接続されている。コモンレール6には、♯1気筒51〜♯4気筒54のそれぞれに向けて燃料を噴射するインジェクタ7a、7b、7c、7dが接続されている。これらのインジェクタ7a、7b、7c、7dもECU9と接続されており、ECU9から噴射指令を受ける。
以上のような構成要素を備える気筒判別装置100は、第1プランジャ3と第2プランジャ4とが異なる性質の燃料圧送を行う。前記のようなクランク配置とプランジャとは、♯1気筒51が圧縮行程であるときに第1プランジャ3が燃料の圧送を行うように予め関連付けられ、エンジン1に組み付けられている。
このような気筒判別装置100は、第1プランジャ3と第2プランジャ4との燃料圧送の性質の違いを検知して、その検知結果を気筒判別に利用する。第1プランジャ3のコモンレール6に対する一回あたり圧送量はVaであり、コモンレール6にVaの燃料が圧送されたときの圧力上昇値はP1となる。第2プランジャ4のコモンレール6に対する一回あたりの圧送量はVbであり、コモンレール6にVbの燃料が圧送されたときの圧力上昇値はP2となる。ここで、圧力センサ8は、本発明における検知手段に相当し、これらの圧力を測定する。圧力P1と圧力P2との間にクライテリアPcが設けられており、そのクライテリアPcの値は、本発明における気筒判別手段に相当するECU9に予め記憶されている。
以上のように構成される気筒判別装置100による気筒判別の工程につき、図3を参照しつつ説明する。
図3では、説明のため、従来の気筒判別で用いていた位相センサ信号と、NEセンサ信号(Gセンサ信号)も併せて記載している。本実施例による気筒判別につき、これらの位相センサ信号、NEセンサ信号を用いた気筒判別と比較しつつ説明する。
エンジン1は、前回停止時にクランクシャフトがどのような状態で停止しているのか不明である。このような状態からエンジン1のクランキングがされると、燃料ポンプ2が駆動される。そのとき、最初にコモンレール6に対し燃料を圧送するプランジャが第1プランジャ3である場合、図3に示すようにVaの燃料圧送が行われる。このとき、コモンレール6内の圧力は、図3中、レール圧変化に示すようにP1を示す。すなわち、クライテリアPcを越えた値が測定される。
ECU9は、最初のクライテリアPcを越えた圧力を生じる燃料の圧送が行われたと判断したときは、その最初の燃料圧送は第1プランジャ3によって行われたものであると判断する。第1プランジャ3が燃料圧送を行うときは、♯1気筒51が圧縮行程にあるときであるから、気筒を判別することができる。
従来であれば、位相センサ信号が計測された後にNEセンサ信号の欠歯部分が計測されると、そのタイミングで♯1気筒が圧縮行程を迎えていると判断していたが、本実施例によれば、これらのセンサの信号を考慮することなく気筒判別を行うことができる。
なお、最初に第1プランジャ3による燃料の圧送が行われた後は、第2プランジャ4による燃料圧送が行われ、P1の値にP2の値を加えた圧力値が検知される。一方、最初の燃料圧送が第2プランジャ4によって行われた場合、図3中、破線で示したように最初に計測される圧力の値はP2である。このP2の値はクライテリアPcよりも小さいことから、最初にクライテリアPcよりも小さい値を検知したときは、ECU9は、最初に圧縮行程を迎えたのは♯1気筒51ではなく♯4気筒であると判断することができる。
次に、本発明の実施例2について、図4を参照しつつ説明する。実施例2が実施例1と異なるのは、気筒判別を行う際にECU9が着目する燃料圧送の性質である。より具体的には、実施例1では、予め設定されたクライテリアPc(基準値)とコモンレール6に対し最初に圧送された燃料の圧力とを比較して気筒判別を行うのに対し、実施例2では、コモンレール6に対し最初に燃料が圧送された際の圧力と、その後に燃料が圧送された際の圧力に基づいて気筒判別を行う点で異なる。以下、実施例2の気筒判別につき、説明する。なお、気筒判別装置1の構成は、実施例100と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
エンジン1は、前回停止時にクランクシャフトがどのような状態で停止しているのか不明である。このような状態からエンジン1のクランキングがされると、燃料ポンプ2が駆動される。そのとき、最初にコモンレール6に対し燃料を圧送するプランジャが第1プランジャ3である場合、図4に示すようにVaの燃料圧送が行われる。このとき、コモンレール6内の圧力は、図4中、レール圧変化に示すようにP1を示す。そして、それに続いて第2プランジャ4による燃料圧送が行われると、コモンレール6内の圧力は、図4中、レール圧変化に示すようにP1に加えた形でP2を示す。
ECU9は、このように、最初にP1を検知し、その後にP2を検知した場合に、最初の燃料圧送時に♯1気筒51が圧縮行程であったと判断する。
このようにP1を検知し、これに引き続きP2を検知して初めて気筒を判別することにより、より正確な気筒判別が期待される。圧送される燃料は、その正常が周りの雰囲気等により、一定していないと考えられ、例えば、燃料圧送の初期の段階では、気泡が混じっていたりすることが懸念される。このため、初期の燃料圧送、特に最初の燃料圧送では、期待される圧力上昇が見込めない場合がある。このような場合、誤判定を招きかねない。そこで、少なくとも、最初の燃料圧送と、それに続く、二回目の圧送による圧力上昇に基づいて気筒判別を行う。例えば、最初の燃料圧送が第1プランジャ3によって行われているにもかかわらず圧力上昇P1が検知されない場合であっても、それに引き続いてP2が検知されれば、最初の燃料圧送は第1プランジャ3により行われ、そのとき、♯1気筒51が圧縮行程であったと判断することができる。
なお、最初の燃料圧送時にP2を検知し、それに引き続きP1を検知したときは、ECU9は、最初の燃料圧送時に♯4気筒54が圧縮行程であったと判断することができる。
次に、本発明の実施例3について説明する。実施例3が実施例1と異なるのは気筒判別を行う際にECU9が着目する燃料圧送の性質である。より具体的には、実施例1では、予め設定されたクライテリアPc(基準値)とコモンレール6に対し最初に圧送された燃料の圧力とを比較して気筒判別を行うのに対し、実施例3では、第1プランジャ3、第2プランジャ4の燃料圧送開始時点から圧力センサ8の圧力上昇検知時点までの時間に基づいて気筒判別を行う点で異なる。以下、実施例3の気筒判別につき、説明する。なお、気筒判別装置100の主要な構成は、実施例1と同一であり、第1プランジャ3と第2プランジャ4のプランジャ径も実施例1と同一のものを採用することができる。ただし、本実施例では、第1プランジャ3のプランジャ径Aと第2プランジャ4のプランジャ径Bは同一径であり、一回あたり圧送量が同量(Va=Vb)となるように設定している。
図5は、気筒判別装置100の燃料ポンプ2及びコモンレール6周辺を拡大して示した説明図である。圧力センサ8は、コモンレール6の一端に装着されている。具体的には、第2プランジャ4に近い側の端部に装着されている。このため、第2プランジャ4の吐出口から圧力センサ8までの距離がLであるのに対し、第1プランジャ3の吐出口から圧力センサ8までの距離はL+ΔLとなる。このため各プランジャの燃料圧送開始時点から圧力センサ8の圧力上昇検知時点までの時間には差が生じる。ECU9は、この時間差に基づいて、どちらのプランジャから燃料が圧送されたのかを判断し、これに基づいて、気筒判別を行う。
本実施例では、「燃料圧送開始時点」として図6に示すように、NEセンサ信号の欠歯後、3つ目の信号立ち上がりの時点に設定している。このように設定した燃料圧送開始時点から圧力上昇検知時点までの時間は、プランジャの吐出口から圧力センサ8までの距離が短い第2プランジャ4からの燃料圧送時の方が第1プランジャ3からの燃料圧送時と比較して短い。
図6に示すように、クランキング開始後、最初の燃料圧送開始時点から圧力上昇検知までの時間T1が、その後の燃料圧送開始時点から圧力上昇検知までの時間T2と比較して長い場合は、最初に第1プランジャ3から燃料圧送されたと判断することができる。これにより、最初に燃料圧送されたときに♯1気筒51が圧縮行程にあったと判断することができる。一方、最初の燃料圧送開始時点から圧力上昇検知までの時間T1が、その後の燃料圧送開始時点から圧力上昇検知までの時間T2と比較して短い場合は、最初の第2プランジャ4から燃料圧送されたと判断することができる。これにより、最初に燃料圧送されたときに♯4気筒54が圧縮行程にあったと判断することができる。
次に、本発明の実施例4について説明する。実施例4が実施例1と異なるのは気筒判別を行う際にECU9が着目する燃料圧送の性質である。より具体的には、実施例1では、予め設定されたクライテリアPc(基準値)とコモンレール6に対し最初に圧送された燃料の圧力とを比較して気筒判別を行う。これに対し、実施例4では、図7に示すように、♯1気筒51、♯2気筒52に供給する燃料を貯留する第1領域15aと、♯3気筒53、♯4気筒54に供給する燃料を貯留する第2領域15bとを備えるコモンレール15を備える。第1プランジャ3は第1領域15aに燃料を圧送し、第2プランジャ4は第2領域15bに燃料を圧送する。圧力センサ8は、第1領域15aにのみ設置されており、第2領域15bの端部はプラグ16により閉塞されているのみである。そして、ECU9は、圧力センサ8の圧力上昇検知情報に基づいて気筒判別を行う。以下、実施例4の気筒判別につき、説明する。なお、気筒判別装置100の主要な構成は、実施例1と同一であり、第1プランジャ3と第2プランジャ4のプランジャ径も実施例1と同一のものを採用することができる。ただし、本実施例では、第1プランジャ3のプランジャ径Aと第2プランジャ4のプランジャ径Bは同一径であり、一回あたり圧送量が同量(Va=Vb)となるように設定している。また、実施例1のコモンレール6は、第1領域15aと第2領域15bを備えたコモンレール16に換装されている。
図8に示すように、圧力上昇が検知されたときは、第1領域15aに燃料が圧送された場合である。すなわち、第1プランジャ3により燃料が圧送されたと判断することができる。従って、圧力センサ8が圧力上昇を検知したときは、♯1気筒51が圧縮行程であったと判断することができる。
次に、実施例5について、図9を参照しつつ説明する。実施例5は、実施例4で採用したコモンレール15を改良した例である。気筒判別については、実施例4と変わるところはない。
実施例5のコモンレール25は、第1領域25aの減圧と、第2領域25bの減圧を同時に行うことができる減圧弁17を備えている。減圧弁17は、コモンレール25の外壁に一体に形成された弁体収容部17a内にスプリング18によって閉弁側に付勢された弁体20が収容されている。コモンレール25には、第1領域25aから燃料を抜き、第1領域25a内の圧力を低下させるための通路25a1、第2領域25bから燃料を抜き、第2領域25b内の圧力を低下させるための通路25b1が形成されている。通路25a1、通路25b1は、合流することなく弁体収容部17a内に開口している。弁体20は、これらの通路25a1、25b1を同時に開通し、又は遮断することができるように弁体収容部17a内に収容されている。弁体20は、アクチュエータ19により開弁動作をする。アクチュエータ19は、ECU9と電気的に接続されており、圧力センサ8により取得した圧力データに基づいて開閉動作を行う。ここで、圧力センサ8は、第1領域25aにのみ装着されているが、弁体20は、通路25a1、25b1の開閉を行うことができ、第2領域25bに圧力センサ8を備えることなく、第1領域25a、第2領域25b双方の減圧を行うことができる。
このような減圧弁17を備えたコモンレール25を備えた気筒判別装置100は、Gセンサを用いることなく気筒判別を行うことができるとともに、コモンレールにおける減圧の要求を満たすことができる。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
1 エンジン
2 燃料ポンプ
3 第1プランジャ
4 第2プランジャ
5 偏心カム
6、15、25 コモンレール
16 プラグ
7a、7b、7c、7d インジェクタ
8 圧力センサ
9 ECU
10、11 配管
17 減圧弁
100 気筒判別装置
2 燃料ポンプ
3 第1プランジャ
4 第2プランジャ
5 偏心カム
6、15、25 コモンレール
16 プラグ
7a、7b、7c、7d インジェクタ
8 圧力センサ
9 ECU
10、11 配管
17 減圧弁
100 気筒判別装置
Claims (7)
- 予めエンジンのクランク配置と関連付けて設置されるとともに、それぞれ性質の異なる燃料圧送を行う複数のプランジャと、
当該プランジャによって行われた燃料圧送の前記性質を検知する検知手段と、
当該検知手段の検知結果に基づいて気筒判別を行う気筒判別手段と、
を備えたことを特徴とする気筒判別装置。 - 請求項1記載の気筒判別装置において、
前記複数のプランジャのコモンレールに対する一回あたり圧送量をそれぞれ異なる値に設定するとともに、前記検知手段を前記プランジャにより圧送された燃料の圧力を測定する圧力センサとし、
前記気筒判別手段は、予め設定された基準値と前記コモンレールに対し最初に圧送された燃料の圧力とを比較して気筒判別を行うことを特徴とする気筒判別装置。 - 請求項1記載の気筒判別装置において、
前記複数のプランジャのコモンレールに対する一回あたり圧送量をそれぞれ異なる値に設定するとともに、前記検知手段を前記プランジャにより圧送された燃料の圧力を測定する圧力センサとし、
前記気筒判別手段は、前記コモンレールに対し最初に燃料が圧送された際の圧力と、その後に燃料が圧送された際の圧力に基づいて気筒判別を行うことを特徴とする気筒判別装置。 - 請求項1記載の気筒判別装置において、
前記検知手段を前記プランジャにより圧送された燃料の圧力を測定する圧力センサとするとともに、前記複数のプランジャは前記圧力センサまでの圧送経路の距離が異なるように設置され、
前記気筒判別手段は、プランジャの燃料圧送開始時点から前記圧力センサの圧力上昇検知時点までの時間に基づいて気筒判別を行うことを特徴とする気筒判別装置。 - 請求項1記載の気筒判別装置において、
圧力センサが設置された領域と他の領域とを備えるコモンレールを備え、前記複数のプランジャは、前記圧力センサが設置された領域に燃料を圧送するプランジャと前記他の領域に燃料を圧送するプランジャとを含み、
前記気筒判別手段は、前記圧力センサの圧力上昇検知情報に基づいて気筒判別することを特徴とする気筒判別装置。 - 請求項5記載の気筒判別装置において、
前記圧力センサが設置された領域の減圧を行うとともに前記他の領域の減圧を行う減圧弁を備えたことを特徴とする気筒判別装置。 - プランジャは燃料ポンプに組み込まれている。
請求項1乃至6のいずれか一項記載の気筒判別装置において、
前記エンジンは、前記クランク配置を♯1気筒と♯4気筒とが同時に上死点にとなる設定とした4気筒エンジンであり、
前記複数のプランジャは、クランクシャフトの1/2回転で回転する偏心カムにより駆動され、当該偏心カムを介して対向配置された第1プランジャと第2プランジャとを含み、
前記♯1気筒が圧縮行程であるときに前記第1プランジャが燃料の圧送を行うように前記クランク配置と前記プランジャとが関連付けられたことを特徴とする気筒判別装置。
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