JP2009202462A - 化粧板 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板上に突板を貼着してなる化粧板において、基板に含まれる鉄分の影響で突板に変色が生ずることを防止する。
【解決手段】木質系の基板の表面に木質系の突板が貼着されてなる化粧板において、突板の表面に、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)系またはヒドロキシエチリデンビスホスホン酸(HEDP)系のキレート剤を含む塗布液が塗布されている。該塗布液は突板の木質繊維間および木質繊維内に浸透していくので、突板中の金属類、特に鉄イオンが塗布液中のキレート剤と接触・反応して無色化する。また、基板中の金属類が水分と共に突板中に侵入した場合も、突板に含浸した塗布液中のキレート剤と接触・反応して無色化する。このような作用を通じて、突板中で金属類、特に鉄イオンとフェノール成分とが反応することによる変色を防止する。基板の表面に上記キレート剤を含む塗布液が塗布されても良い。
【選択図】なし
【解決手段】木質系の基板の表面に木質系の突板が貼着されてなる化粧板において、突板の表面に、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)系またはヒドロキシエチリデンビスホスホン酸(HEDP)系のキレート剤を含む塗布液が塗布されている。該塗布液は突板の木質繊維間および木質繊維内に浸透していくので、突板中の金属類、特に鉄イオンが塗布液中のキレート剤と接触・反応して無色化する。また、基板中の金属類が水分と共に突板中に侵入した場合も、突板に含浸した塗布液中のキレート剤と接触・反応して無色化する。このような作用を通じて、突板中で金属類、特に鉄イオンとフェノール成分とが反応することによる変色を防止する。基板の表面に上記キレート剤を含む塗布液が塗布されても良い。
【選択図】なし
Description
本発明は、住宅などの屋内において床材、壁材、天井材などとして使用される化粧板に関し、より詳しくは表面に貼着される突板の変色を有効に防止することが可能な化粧板に関する。
このような化粧板は、繊維板や合板などを基板とし、この基板表面に突板が貼着され、その表面に任意塗装が施されて製造されている。
該化粧板が、住宅などの屋内に床材などとして使用されると、木質突板に経時変化による変色が生ずることがある。これは、基板となる繊維板や合板の表面にはその製造過程、保管、輸送などの過程で鉄分が付着しており、該化粧板が湿度の高い場所に施工されていたり、室内の結露水の影響などによって該化粧板の含水率が高くなると、基板に付着している鉄分が水分と共に突板に侵入し、突板内のリグニンやタンニンなどのフェノール成分と反応して黒色の化合物を生じて、突板を変色させるものであった。
このような原因で発生する突板の変色を防止する技術として、熱圧成形時に用いる接着剤として水溶性アルカリフェノール系樹脂と、3.0重量%以上の酸性塩類とを混合して熱圧成形するものが知られている(特許文献1)。
特開2005−169800号公報
上記特許文献1記載の変色防止技術によると、木質繊維板の熱圧時に用いる接着剤に変色防止用の酸性塩類を混合することが必要とされるため、従来確立している木質繊維板の製造条件や品質などに予期しない影響を及ぼすおそれがあった。このため、熱圧条件、熱圧設備、木質繊維板の品質などを改めて検討ないし確認しなければならず、煩雑な作業が要求され、製造コストも嵩む結果となっていた。
したがって、本発明の課題は、基板上に突板を貼着してなる化粧板において、基板に含まれる鉄分の影響で突板に変色が生ずることを防止することである。
上記の課題を達成するため、請求項1に係る本発明は、木質系の基板の表面に木質系の突板が貼着されてなる化粧板において、突板の表面に、エチレンジアミン四酢酸(EDTA=Ethylene Diamine Tetraacetic Acidまたはエデト酸とも言う。以下同じ。)系またはヒドロキシエチリデンビスホスホン酸(HEDP=Hydroxyethylidene Diphosphonic Acidとも言う。以下同じ。)系のキレート剤を含む塗布液が塗布されていることを特徴とする。
請求項2に係る本発明は、木質系の基板の表面に木質系の突板が貼着されてなる化粧板において、基板の表面に、エチレンジアミン四酢酸系キレート剤またはヒドロキシエチリデンビスホスホン酸系キレート剤を含む塗布液が塗布されていることを特徴とする。
請求項1に係る本発明の化粧板は、突板の表面に、エチレンジアミン四酢酸系キレート剤またはヒドロキシエチリデンビスホスホン酸系キレート剤を含む塗布液が塗布されているので、該塗布液は突板の木質繊維間および木質繊維内に浸透していく。このとき、突板中の金属類は、突板に含浸した塗布液中のキレート剤と接触・反応して無色化する。また、基板中の金属類が水分と共に突板中に侵入した場合も、突板に含浸した塗布液中のキレート剤と接触・反応して無色化する。このような作用を通じて、突板中で金属類、特に鉄イオンとフェノール成分とが反応することによる変色を防止する。
請求項2に係る本発明の化粧板は、基板の表面に、エチレンジアミン四酢酸系キレート剤またはヒドロキシエチリデンビスホスホン酸系キレート剤を含む塗布液が塗布されているので、該塗布液は基板の木質繊維間および木質繊維内に浸透していく。このとき、基板中の金属類は、基板に含浸した塗布液中のキレート剤と接触・反応して無色化する。また、突板中の金属類も、基板に含浸した塗布液中のキレート剤と接触・反応して無色化する。このような作用を通じて、突板中で金属類、特に鉄イオンとフェノール成分とが反応することによる変色を防止する。
本発明の化粧板は、木質系の基板の表面に木質系の突板が貼着されてなるものであり、住宅などの屋内において床材、壁材、天井材などとして使用される。
木質系の基板は、合板、繊維板、パーティクルボード、LVL、集成材などであり、繊維板には、インシュレーションボード(IB)、ミディアムデンシティファイバーボード(MDF)、ハードファイバーボード(またはハードボード、HB)が含まれるが、特にMDFが最適である。
木質系の突板は、フリッチを薄削することにより得られる。フリッチは、ブナ、カバ、ナラ、サクラ、オーク、チークなどの樹種の複数の木質板材または角材を加圧下で接着剤で集成して大型ブロックを作製し、この大型ブロックを薄削して製作する。突板の厚さは0.15〜0.8mm程度である。
突板を基板に接着するために用いられる接着剤は、ラテックス系やエマルジョン系などの水溶性接着剤である。ラテックス系接着剤は合成ゴム系、ニトリルゴム系などを含む。エマルジョン系接着剤は酢酸ビニル樹脂系、エチレン酢酸ビニル樹脂系、尿素樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、水性ビニルウレタン樹脂系、これらの変性樹脂系、イソシアネート系などの接着剤を含む。ラテックス系やエマルジョン系の各種接着剤から任意選択される複数種を混合して用いても良い。
突板と基板の少なくともいずれか一方の表面に塗布される塗布液は、エチレンジアミン四酢酸系キレート剤またはヒドロキシエチリデンビスホスホン酸系キレート剤を含む。この塗布液の塗布は、刷毛塗り、スプレー、ロールコーターなどの任意の手法で行うことができる。
塗布液を突板表面に塗布する場合、突板の表面に予め塗布液を塗布し乾燥させておき、これを基板に貼着しても良いし、あるいは、塗布液を塗布する前の突板を基板に貼着した後に突板表面に塗布液を塗布し乾燥させても良い。
塗布液を基板表面に塗布する場合、繊維板や合板などの基板を製造する工程の中で板表面に塗布液の塗布を行っても良いし、あるいは、化粧板を製造する工程の中で基板表面に塗布液を塗布した後に該基板表面上に突板を貼着するようにしても良い。
塗布液に含まれるキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸系キレート剤またはヒドロキシエチリデンビスホスホン酸系キレート剤である。実験の結果、ホスホノブタントリカルボン酸(PBTC=Phosphonobutane Tricarboxylic Acid)系キレート剤に関しては有意な変色防止効果が見られなかった。エチレン酢酸ビニル樹脂系キレート剤の場合は弱アルカリ性領域(pH8〜9)とすることにより反応性を高めることができる。反対に、ヒドロキシエチリデンビスホスホン酸系キレート剤の場合は酸性領域(pH0.4〜6)で高い反応性を示す。
塗布液の有効成分濃度は、1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%である。塗布量は有効成分量で1〜10g/m2、好ましくは1.5〜5.0g/m2であるが、塗布液量で示すと15〜50g/m2、好ましくは20〜30g/m2である。塗布量が少ないと変色防止効果が不十分となり、塗布量が多すぎると未反応のキレート剤が突板中に残ってしまい、かえって変色の原因となる。
本発明の実施例と比較例による化粧板について変色評価試験を行った。
化粧板は、6.5mm厚MDFの表面に突板(オーク単板)を貼着した後、該突板の表面にキレート剤を含む塗布液を塗布し乾燥して、試験対象の化粧板を作製した。
実施例1〜3において、次のような塗布液を使用した。
実施例1:EDTA・2H・2Na・2H2O粉末 5重量部、25%水酸化ナトリウム水溶液 2.5重量部、水 92.5重量部を混合して得たEDTAの5%水溶液
実施例2:HEDP liquid(有効成分濃度60%)を水で希釈して得たHEDPの5%水溶液
実施例3:HEDP・2Na liquid(有効成分濃度20%)を水で希釈して得たHEDP・2Naの5%水溶液
実施例1:EDTA・2H・2Na・2H2O粉末 5重量部、25%水酸化ナトリウム水溶液 2.5重量部、水 92.5重量部を混合して得たEDTAの5%水溶液
実施例2:HEDP liquid(有効成分濃度60%)を水で希釈して得たHEDPの5%水溶液
実施例3:HEDP・2Na liquid(有効成分濃度20%)を水で希釈して得たHEDP・2Naの5%水溶液
比較例1において、次のような塗布液を使用した。
比較例1:PBTC liquid(有効成分濃度49%)を水で希釈して得たPBTCの5%水溶液
比較例1では上記塗布液を実施例1〜3と同様にして塗布して化粧板を作製した。比較例2は、キレート剤を含む塗布液を塗布せずに化粧板を作製した。
比較例1:PBTC liquid(有効成分濃度49%)を水で希釈して得たPBTCの5%水溶液
比較例1では上記塗布液を実施例1〜3と同様にして塗布して化粧板を作製した。比較例2は、キレート剤を含む塗布液を塗布せずに化粧板を作製した。
なお、実施例1〜3および比較例1において、塗布液の有効成分濃度はいずれも5重量%であり、塗布量はいずれも30g/m2である。塗布液のpHは、実施例1の場合が8.5、実施例2の場合が1.1、実施例3の場合が5.7、比較例1の場合が1.1である。
このようにして作製した実施例1〜3および比較例1〜2の各化粧板から10cm角にカットした試験片を、40℃、95%の恒温恒湿器中で3週間放置した後、突板の変色の有無を目視にて評価した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、変色有無評価は、実施例1〜3についてはいずれも良好ないし可(品質的に許容されるレベル)であったのに対し、比較例1および比較例2は不良(品質的に許容されないレベル)であり、本発明によれば突板の変色が有効に防止されることが確認できた。
Claims (2)
- 木質系の基板の表面に木質系の突板が貼着されてなる化粧板において、突板の表面に、エチレンジアミン四酢酸系またはヒドロキシエチリデンビスホスホン酸系のキレート剤を含む塗布液が塗布されていることを特徴とする化粧板。
- 木質系の基板の表面に木質系の突板が貼着されてなる化粧板において、基板の表面に、エチレンジアミン四酢酸系またはヒドロキシエチリデンビスホスホン酸系のキレート剤を含む塗布液が塗布されていることを特徴とする化粧板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008047699A JP2009202462A (ja) | 2008-02-28 | 2008-02-28 | 化粧板 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013022953A (ja) * | 2011-07-19 | 2013-02-04 | Hokusan Kk | 突板貼り化粧板 |
JP2013022854A (ja) * | 2011-07-21 | 2013-02-04 | Panasonic Corp | 木質化粧板 |
US20130288067A1 (en) * | 2012-04-25 | 2013-10-31 | Kop-Coat, Inc. | Compositions and methods for resisting discoloration of wood and treated wood |
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2008
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