JP2009202064A - 噴霧装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 放電部において大量に生成した有効成分を速やかに液体中に溶解させ、この有効成分が溶解した液体をスチーム化又はミスト化させたうえで外部に噴霧することのできる噴霧装置を提供する。
【解決手段】 絶縁スペーサ7の少なくとも片側に金属電極8を密着配置するとともに該絶縁スペーサ7及び該金属電極8を貫く貫通孔10を設けて成る放電部6と、上記貫通孔10の一方の開口に連通接続される液体収容部13と、上記貫通孔10内に向けて他方の開口から空気を送り込む送風部5と、液体収容部13に収容される液体Lをスチーム化又はミスト化したものを外部に吐出する吐出口3とを具備した噴霧装置とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロプラズマ放電により生じた有効成分が溶解した液体を外部に噴霧することのできる噴霧装置に関する。
従来から、例えば特許文献1に開示されるような放電部を有するヘアードライヤが知られている。このヘアードライヤは、送風部を配置した風路内に放電部を配置した構造であって、放電部で発生させた有効成分を風に乗せて外部に噴霧するようになっている。上記放電部としては、針電極とグランド電極との間に高電圧を印加し、コロナ放電により有効成分を発生させるものが一般的である。
ところで、上記放電部で生じることになるスーパーオキサイドラジカル(O )やヒドロキシラジカル(・OH)等の有効成分を水に溶解させると、過酸化水素(H)が生成される。過酸化水素は、適量を暴露することにより、脱臭や除菌等の効果を発揮すると考えられる。また、同じく放電部で生じることになる窒素酸化物(NO)や硝酸イオン(NO )等の有効成分を水に溶解すると、硝酸が生成される。硝酸中の硝酸イオンは、適量を暴露することにより、毛髪を弱酸性に保持するとともに保水力を与える髪質改善効果を発揮すると考えられる。つまり、放電部で生じる上記有効成分を水である液体中に溶解させることで、該液体を、脱臭や除菌等の効果や髪質改善効果を発揮するものに改質することができる。
コロナ放電方式の放電部を用いて上記のように液体を改質させるには、コロナ放電方式の放電部の下流側に液体収容部を位置させて、液体収容部内の液体に上記有効成分を溶解させていく方法が考えられる。しかし、この方法を用いた場合には、以下の問題が生じる。
つまり、コロナ放電によっては上記有効成分を大量に生成することが難しい点、及び、ラジカル等の上記有効成分は不安定であるから液体に溶解する前段階で消失しやすい点から、十分な量の過酸化水素や硝酸を速やかに生成することができないという問題がある。
特開2002−191426号公報
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、放電部において大量に生成した有効成分を速やかに液体中に溶解させ、この有効成分が溶解した液体をスチーム化又はミスト化させたうえで外部に噴霧することのできる噴霧装置を提供することを、課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明を、絶縁スペーサ7の少なくとも片側に金属電極8を密着配置するとともに該絶縁スペーサ7及び該金属電極8を貫く貫通孔10を設けて成る放電部6と、上記放電部6の貫通孔10の一方の開口に連通接続される液体収容部13と、上記放電部6の貫通孔10内に向けて他方の開口から空気を送り込む送風部5と、液体収容部13に収容される液体Lをスチーム化又はミスト化したものを外部に吐出する吐出口3とを具備した噴霧装置とする。
このようにすることで、放電部6の貫通孔10内にてマイクロプラズマ放電を発生させ、コロナ放電と比較して非常に高密度でスーパーオキサイドラジカル、ヒドロキシラジカル、窒素酸化物、硝酸イオン等の有効成分を大量に生成するとともに、生成された上記有効成分を、消失する前に速やかに且つ大量に液体収容部13内の液体Lに溶解させ、これをスチーム化又はミスト化させたうえで外部に大量に噴霧することができる。また、放電中に高熱となった金属電極8の熱は、隣接する液体収容部13内の液体Lに吸熱されることになる。したがって、金属電極8に与える負荷を低減させ、マイクロプラズマ放電を長時間安定して発生させることが可能となる。
上記構成の噴霧装置においては、上記液体収容部13に収容される液体Lをミスト化するミスト化手段を具備することが好適である。このようにすることで、スチーム化して外部に噴霧させる場合と比較して更に遠くにまで有効成分を運ぶことができる。また、毛髪等に対しては、ミストによって有効成分を与えるとともに水分を与えて保水効果を得ることができる。
また、上記ミスト化手段が、液体収容部13に収容される液体Lを霧化用風路16中に引き込んでミスト化するエジェクタ機構Eであることも好適である。このようにすることで、電気エネルギや熱エネルギを使用することなく液体Lをミスト化することができる。また、液体Lを霧化用風路16中に供給するためのノズルの口径を変更する等の手段により、発生するミストの粒径を自在に変更することができる。
また、上記ミスト化手段が、液体収容部13に収容される液体Lを超音波振動によりミスト化する超音波霧化機構Sであることも好適である。このようにすることで、大量のミストを速やかに発生させることができる。
また、上記送風部5から上記放電部6の貫通孔10内に向けて空気を送り込む放電部用風路4の途中から、上記送風部5から送り込まれる空気の一部を上記放電部6の金属電極8表面に沿って流す分岐風路31を分岐させて設けていることも好適である。このようにすることで、放電中に高熱となった金属電極8の熱は、分岐風路31を通る空気に吸熱されることになる。したがって、金属電極8に与える負荷を更に低減させ、マイクロプラズマ放電を更に長時間安定して発生させることが可能となる。
また、空気中の水分を基に水を生成して液体収容部13に供給する液供給手段を具備することも好適である。このようにすることで、液体収容部13に液体Lを供給する手間が不要となり、使い勝手が大幅に向上する。
請求項1に係る発明は、絶縁スペーサの少なくとも片側に金属電極を密着配置するとともに該絶縁スペーサ及び該金属電極を貫く貫通孔を設けて成る放電部と、上記放電部の貫通孔の一方の開口に連通接続される液体収容部と、上記放電部の貫通孔内に向けて他方の開口から空気を送り込む送風部と、液体収容部に収容される液体をスチーム化又はミスト化したものを外部に吐出する吐出口とを具備したことで、放電部において大量に生成した有効成分を速やかに液体中に溶解させ、この有効成分が溶解した液体をスチーム化又はミスト化させたうえで外部に噴霧することができるという効果や、放電中に高熱となった金属電極の熱を効果的に除去することができるという効果を奏する。
また請求項2に係る発明は、上記液体収容部に収容される液体をミスト化するミスト化手段を具備したことで、請求項1に係る発明の効果に加えて、遠くにまで有効成分を運ぶことができるという効果や、ミストによって効率的に水分を与えることができるという効果を奏する。
また請求項3に係る発明は、上記ミスト化手段が、液体収容部に収容される液体を霧化用風路中に引き込んでミスト化するエジェクタ機構であることにより、請求項2に係る発明の効果に加えて、電気エネルギや熱エネルギを使用することなく液体をミスト化することができるという効果や、発生するミストの粒径を自在に変更することができるという効果を奏する。
また請求項4に係る発明は、上記ミスト化手段が、液体収容部に収容される液体を超音波振動によりミスト化する超音波霧化機構であることにより、請求項2に係る発明の効果に加えて、大量のミストを速やかに発生させることができるという効果を奏する。
また請求項5に係る発明は、上記送風部から上記放電部の貫通孔内に向けて空気を送り込む放電部用風路の途中から、上記送風部から送り込まれる空気の一部を上記放電部の金属電極表面に沿って流す分岐風路を分岐させて設けていることで、請求項1〜4のいずれか一項に係る発明の効果に加えて、金属電極に与える負荷を更に低減させ、マイクロプラズマ放電を更に長時間安定して発生させることができるという効果を奏する。
また請求項6に係る発明は、空気中の水分を基に水を生成して液体収容部に供給する液供給手段を具備することで、請求項1〜5のいずれか一項に係る発明の効果に加えて、液体収容部に液体を供給する手間が不要となり、使い勝手が大幅に向上するという効果を奏する。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1には、本発明の実施形態における第1例の噴霧装置を示している。
本例の噴霧装置は、装置全体の外殻を成す本体ケース1の外面に吸入口2と吐出口3を開口させ、本体ケース1内に、吸入口2と吐出口3を連通する放電部用風路4を貫通形成したものである。放電部用風路4内には送風部5を上流部に配置し、放電部6をその下流側に配置している。送風部5は送風ファンから成り、該送風ファンを回転駆動させることで本体ケース1外の空気を吸入口2から放電部用風路4内に導入する。
放電部6は、図示のようなホローカソード型のものであって、アルミナから成る板状の絶縁スペーサ7の厚み方向の両側にそれぞれ板状の金属電極8を密着配置することで、絶縁スペーサ7を一対の金属電極8で挟持した構造となっている。一対の金属電極8は高圧印加部9を介して電気接続させており、両金属電極8間に高電圧が印加されるようになっている。絶縁スペーサ7及び金属電極8にはそれぞれ厚み方向に貫通する貫通孔を同一開口形状で設けており、絶縁スペーサ7と金属電極8の上記密着配置により各貫通孔が連通することで、絶縁スペーサ7及び両側の該金属電極8を厚み方向に一直線状に貫く貫通孔10を形成している。上記貫通孔10の孔径は数100μm程度とマイクロメータサイズの微小径に設けている。
放電部用風路4の放電部6が配置される部分よりも上流側の部分には、下流側に近づくほどに風路断面が漸次小さくなる上流側テーパ部11を形成している。また、放電部用風路4の放電部6が配置される部分よりも下流側の部分には、下流側に近づくほどに風路断面が漸次大きくなる下流側テーパ部12を形成している。
そして、放電部6の下流側には、水タンクである液体収容部13を配置している。この液体収容部13は、放電部6を成す下流側の金属電極8と接するように配置されており、この下流側の金属電極8の中心部を貫く貫通孔10と液体収容部13内の液収容空間とが連通している。
液体収容部13内には液体Lである水が収容されている。液体収容部13には、放電部6の貫通孔10内に連通する流入口14と、下流側テーパ部12内に連通する流出口15とが設けてある。液体収容部13内への水の供給は、外部から精製水を供給する等の適宜の液供給手段により行う。
上記構成から成る本例の噴霧装置において、図示していない制御回路部に対して適宜の操作入力手段により運転開始指令を入力すると、指令を受けた制御回路部は送風部5によって放電部用風路4内に外気を導入して放電部6に向けて送風するとともに、高圧印加部9によって放電部6の金属電極8間に高電圧を印加させる。この高電圧印加により、放電部6の貫通孔10内で放電が開始され、該貫通孔10内の微小空間において、マイクロメータサイズの微小なプラズマ(以下「マイクロプラズマ」という)が高密度で生成される。上記貫通孔10内のマイクロプラズマ放電により、コロナ放電と比較して非常に高密度でスーパーオキサイドラジカル、ヒドロキシラジカル、窒素酸化物、硝酸イオン等の有効成分が生成される。
送風部5によって放電部6に向けて送られた送風は、上流側テーパ部11を通じて加圧されたうえで放電部6の貫通孔10内に導入される。貫通孔10内にその上流側の開口から導入された送風は、貫通孔10内に高密度で生成される上記有効成分をその下流側の開口から下流側に送り出し、貫通孔10の下流側の開口と連通接続される液体収容部13内に向けて直接的に上記有効成分を送り込む。
そして、液体収容部13内に収容される水中に、直前の貫通孔10内で生成された大量の上記有効成分が速やかに導入されて溶解することで、液体収容部13内に過酸化水素や硝酸が生成される。つまり、有効成分であるスーパーオキサイドラジカルやヒドロキシラジカルが水中に溶解することで過酸化水素が生成されるとともに、同じく有効成分である窒素酸化物や硝酸イオンが水に溶解することで硝酸が生成されるので、液体収容部13内の水は、過酸化水素や硝酸が溶解されたものに改質されることとなる。また、放電により生じたオゾンも液体収容部13内の水に溶解される。
なお、放電部6の貫通孔10は上記のとおり数100μm程度と非常に微小径であるため、液体収容部13内に充填される水が貫通孔10内に侵入することはない。したがって、放電部分が濡れて放電状態が変化することがないので、上記有効成分は安定的に生成される。
ところで、液体収容部13に隣接する放電部6にあっては、放電部分である貫通孔10内のガス温度が非常に高熱となっている。したがって、貫通孔10内から送り込まれるガスや高温となった金属電極8によって、液体収容部13内の過酸化水素や硝酸が溶解された水は加熱され、スチーム化したうえで下流側テーパ部12に送り出され、吐出口3を通じて外部に噴霧される。即ち、本例では液体収容部13に隣接する金属電極8等が、液体収容部13に収容される液体Lをスチーム化するスチーム化手段としても機能している。
スチームと共に外部に吐出された過酸化水素は脱臭や除菌等の効果を発揮し、硝酸中の硝酸イオンは毛髪を弱酸性にするとともに保水力を与える髪質改善効果を発揮すると考えられる。したがって、放電条件等を適宜調整して過酸化水素と硝酸の生成バランスを調整することで、脱臭や除菌等の効果を優位に発揮させるか、或いは、髪質改善効果を優位に発揮させるかを、選択することができる。前者の場合は、例えば空気清浄機等に搭載する場合に好ましく、後者の場合は、例えばヘアードライヤ等に搭載する場合に好ましい。
上記構成の噴霧装置をヘアードライヤとして使用する場合には、本体ケース1内に貫通形成される風路の送風部5よりも下流側部分を二手に分岐させ、分岐した一方の風路を放電部用風路4として上記放電部6や液体収容部13を配置するとともに最下流端に吐出口3を開口させ、他方の風路にはヒータを配置して温風吐出口を開口させた構造とすることが好適である。
また、上記したように液体収容部13内の水が隣接する金属電極8の熱を奪うことで、運転中に高温となる金属電極8の熱除去を行うことにもなる。これにより、金属電極8に与える負荷を低減させ、マイクロプラズマ放電を長時間安定して発生させることを可能とする。
なお、図示はしていないが、絶縁スペーサ7の厚み方向の片側にだけ金属電極8を配置し、液体収容部13を、もう片側の電極として用いることも好適である。つまり、この場合には、液体収容部13を設けてある側とは逆側にだけ金属電極8を配置し、絶縁スペーサ7を挟んで位置することになる金属電極8と液体収容部13(即ち、液体収容部13に収容される導電性の液体L)とを、高圧印加部9を介して電気接続させればよい。
次に、本発明の実施形態における第2例の噴霧装置について、図2に基づいて説明する。本例の基本的な構成は第1例の構成と同様であるから、第1例と同様の構成については詳しい説明を省略し、第1例とは相違する本例の特徴的な構成について以下に詳述する。
本例にあっては、空気中の水分を基に水を生成して液体収容部13に供給する液供給手段を具備している点、及び、液体収容部13に収容される液体L(結露水)をミスト化するミスト化手段を具備している点において、第1例とは大きく相違している。
上記液供給手段は、冷却部17と放熱部18を具備する熱交換器であるペルチェユニット19から成り、該ペルチェユニット19にはDC電源20を接続している。ペルチェユニット19の冷却部17には、液体収集器21を設けており、冷却部17上に結露した水分が液体収集器21に一旦貯留される構造である。液体収集器21からはパイプ状の液体流路22がU字状に屈曲した形で延設されており、この液体流路22の屈曲部分よりも上流側に液体収容部13を形成し、液体流路22の屈曲部分よりも下流側の先端部分に霧化用ノズル23を形成している。
上記液体流路22の液体収容部13を成す上流側部分には、放電部6の貫通孔10内に連通する流入口14を形成している。この流入口14を通じて、液体流路22内を搬送される水中に対して、放電部6で生じた上記有効成分が大量且つ速やかに供給される。
上記流体流路22の霧化用ノズル23を成す下流端部分は、加圧コンプレッサーから成る本例の送風部5により加圧空気が送られる霧化用風路16内に、その下流端開口24を位置させている。この霧化用風路16の霧化用ノズル23が露出する部分よりも上流側の部分からは、放電部6の貫通孔10に連通する放電部用風路4を分岐させている。霧化用風路16の途中には霧化用バッファータンク25を介在させ、放電部用風路4の途中には放電部用バッファータンク26を介在させている。
本例のミスト化手段は、上記霧化用ノズル23や霧化用風路16により構成されるエジェクタ機構Eから成る。つまり、液体収容部13から霧化用ノズル23にまで送り込まれた水が、霧化用風路16を高速で流れる空気中に吸い込まれてミスト状に噴霧されるようになっている。更に、上記エジェクタ機構Eを成す霧化用風路16の下流端開口の正面には、噴霧されるミストをその粒径に基づいて分別するための衝突板27を配置している。粒径の大きなミストは衝突板27に衝突した後に余剰液体回収部28を通じて液体収集器21にまで回収され、粒径の小さなミストは衝突板27に衝突した後にそのまま後述の風路29内に供給される。
本体ケース1に貫通形成される風路29は、エジェクタ機構Eによりミスト状に噴霧された水を勢いよく外部に吐出させるために放電部用風路4とは別に設置されたもので、その上流部に送風ファン30を配し、送風ファン30よりも下流側に霧化用ノズル23を位置させ、下流端には吐出口3を開口させている。
上記エジェクト機構Eによれば、電気エネルギや熱エネルギを使用することなく微細なミストを発生させることができる。発生させるミストの粒径は、霧化用ノズル23の口径等を変更することで任意に変更可能である。
上記構成から成る本例の噴霧装置において、図示していない制御回路部に対して適宜の操作入力手段により運転開始指令を入力すると、指令を受けた制御回路部はDC電源20によりペルチェユニット19への通電を行い、冷却部17に結露した水を液体収集器21に貯留させるとともに、該液体収集器21内の水を、液体収容部13を含む液体流路22全体に供給させる。
更に、制御回路部は加圧コンプレッサーから成る送風部5によって、吸入口2を通じて放電部用風路4内及び霧化用風路16内に外気を加圧導入するとともに、高圧印加部9によって放電部6の金属電極8間に高電圧を印加させる。この高電圧印加により放電部6の貫通孔10内でマイクロプラズマ放電が生じ、スーパーオキサイドラジカル、ヒドロキシラジカル、窒素酸化物、硝酸イオン等の有効成分が非常に高密度で生成される。放電部用風路4を通じて貫通孔10内に導入された送風は、貫通孔10内で生成された上記有効成分を液体収容部13内に直接的に送り込み、液体収容部13内の水中に過酸化水素や硝酸を生成させる。
液体収容部13内にて過酸化水素や硝酸が溶解された水は、下流端の霧化用ノズル23にまで順次送り込まれるとともに、霧化用ノズル23の下流端開口24から霧化用風路16を流れる空気中に吸い込まれてミスト状に噴霧され、衝突板27に衝突した後に、粒径が小さく微細なミストのみが風路29内に供給される。そして、風路29の下流端にある吐出口3から、過酸化水素や硝酸が溶解された水がミスト化された状態で外部に噴霧される。
微細にミスト化された水は、スチーム化されたものと比較して更に遠くにまで飛散して上記有効成分を運ぶことができる。また、ミスト化された水は、特に粒径がマイクロメータサイズと非常に小径である場合には一部が帯電したものとなる。
次に、本発明の実施形態における第3例の噴霧装置について、図3に基づいて説明する。本例の基本的な構成は第1例の構成と同様であるから、第1例と同様の構成については詳しい説明を省略し、第1例とは相違する本例の特徴的な構成についてのみ以下に詳述する。
本例にあっては、液体収容部13に収容される液体L(水)をミスト化するミスト化手段として、液体収容部13に収容される液体Lを超音波振動によりミスト化する超音波霧化機構Sを備えている点、及び、送風部5から放電部6の貫通孔10内に空気を送り込むための放電部用風路4の途中から、送風部5から送り込まれる空気の一部を上記放電部6の金属電極8表面に沿って流す分岐風路31を分岐させて設けている点において、第1例とは大きく相違している。
上記超音波霧化機構Sは、液体収容部13に設けてある流出口15から該液体収容部13内の液体Lが適量ずつ供給される液供給路32と、液供給路32上に配置される表面弾性波素子である超音波振動体33とで、その主体を構成している。上記超音波振動体33は、放電部6及び液体収容部13の下流側である下流側テーパ部12内に位置しており、DC電源20に接続されている。
上記分岐風路31は、放電部用風路4の放電部6が配置される部分及びその周囲において、該放電部用風路4から分岐して形成されたものである。放電部用風路4と分岐風路31とを仕切る隔壁部34の下流端部は、放電部6の上流側の金属電極8の平板面に密着させている。
分岐風路31の最狭幅は、放電部6の貫通孔10の孔径よりも小さく設定している。これにより、貫通孔10内に導入される風量を確保している。なお、図示はしていないが、放電部用風路4と分岐風路31との分岐部分に調整弁を配置し、この調整弁を用いて、放電部用風路4と分岐風路31に流入する送風の割合を調整しても構わない。
上記構成から成る本例の噴霧装置において、図示していない制御回路部に対して適宜の操作入力手段により運転開始指令を入力すると、指令を受けた制御回路部は、送風部5によって放電部用風路4内に外気を導入して放電部6に向けての送風を開始するとともに、高圧印加部9によって放電部6の金属電極8間に高電圧を印加させる。この高電圧印加により放電部6の貫通孔10内でマイクロプラズマ放電が生じ、スーパーオキサイドラジカル、ヒドロキシラジカル、窒素酸化物、硝酸イオン等の有効成分が非常に高密度で生成される。
放電部用風路4を通じて貫通孔10内に導入された送風は、貫通孔10内で生成された上記有効成分を、流入口14を通じて液体収容部13内に直接的に送り込み、液体収容部13内の水中に過酸化水素や硝酸を生成させる。また、送風部5によって放電部6に向けて送られた送風の一部は、分岐風路31を通りながら一対の金属電極8の表面に沿って迂回するように送り込まれ、一対の金属電極8の平板面及び側板面から効率よく熱を奪った後に、下流側テーパ部12へと至る。
液体収容部13内にて、過酸化水素や硝酸が溶解されたものに改質された水は、流出口15を通じて液供給路32上の超音波振動体33にまで送り込まれたうえで、DC電源20により駆動されて超音波表面弾性波を生じる超音波振動体33の表面上で、微細にミスト化される。ここで生じた微細なミストは、分岐風路31を通じて下流側テーパ部12に送り込まれた送風に乗って、吐出口3から外部に向けて勢いよく噴霧される。超音波弾性波でミスト化させた水は、少なくとも一部が帯電したものとなる。
ところで、運転中において金属電極8は非常に高温となる。しかし、液体収容部13内の水が隣接する金属電極8の熱を奪うこと、及び、分岐風路31を通る空気が一対の金属電極8の熱を奪うことで、金属電極8に与える負荷は低減され、マイクロプラズマ放電を長時間安定して発生させることが可能となる。また、分岐風路31は放電部6の下流側において液体収容部13の側方を通過するように形成されているので、分岐風路31を通る空気が液体収容部13内の水から熱を奪い、結果的に、液体収容部13を介して金属電極8から更に効率的に熱を奪うという効果もある。なお、図示はしていないが、液体収容部13を冷却するための冷却手段を別途設けても構わない。
本発明の実施形態における第1例の噴霧装置の全体構成を概略的に示す説明図である。 (a)は本発明の実施形態における第2例の噴霧装置の全体構成を概略的に示す説明図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。 本発明の実施形態における第3例の噴霧装置の全体構成を概略的に示す説明図である。
符号の説明
3 吐出口
4 放電部用風路
5 送風部
6 放電部
7 絶縁スペーサ
8 金属電極
10 貫通孔
13 液体収容部
16 霧化用風路
31 分岐風路
E エジェクタ機構
L 液体
S 超音波霧化機構

Claims (6)

  1. 絶縁スペーサの少なくとも片側に金属電極を密着配置するとともに該絶縁スペーサ及び該金属電極を貫く貫通孔を設けて成る放電部と、上記放電部の貫通孔の一方の開口に連通接続される液体収容部と、上記放電部の貫通孔内に向けて他方の開口から空気を送り込む送風部と、液体収容部に収容される液体をスチーム化又はミスト化したものを外部に吐出する吐出口とを具備することを特徴とする噴霧装置。
  2. 上記液体収容部に収容される液体をミスト化するミスト化手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の噴霧装置。
  3. 上記ミスト化手段が、液体収容部に収容される液体を霧化用風路中に引き込んでミスト化するエジェクタ機構であることを特徴とする請求項2に記載の噴霧装置。
  4. 上記ミスト化手段が、液体収容部に収容される液体を超音波振動によりミスト化する超音波霧化機構であることを特徴とする請求項2に記載の噴霧装置。
  5. 上記送風部から上記放電部の貫通孔内に向けて空気を送り込む放電部用風路の途中から、上記送風部から送り込まれる空気の一部を上記放電部の金属電極表面に沿って流す分岐風路を分岐させて設けていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の噴霧装置。
  6. 空気中の水分を基に水を生成して液体収容部に供給する液供給手段を具備することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の噴霧装置。
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