JP2009201683A - 内視鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加熱滅菌処理を短時間で行うことができる内視鏡1を提供する。
【解決手段】 細長い挿入部2を有する内視鏡1であって、熱伝導率異方性高分子により構成された管路6を具備し、熱伝導率異方性高分子が内視鏡1の外部から内部へ熱を伝達するように配置されている。
【選択図】図2
【解決手段】 細長い挿入部2を有する内視鏡1であって、熱伝導率異方性高分子により構成された管路6を具備し、熱伝導率異方性高分子が内視鏡1の外部から内部へ熱を伝達するように配置されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、細長い挿入部を有する内視鏡に関し、特に加熱滅菌処理を行う内視鏡に関する。
に関する。
内視鏡は、被検体内へ挿入する細長い挿入部と、挿入部内に挿通された管路を備えて構成されている。そして、内視鏡は、直接目視することができない体内の所定部位を観察したり、管路を用いて所定部位の処置、検査等を行ったりすることができる。挿入部の先端部側には湾曲部が配設され、この湾曲部を湾曲操作することにより、内視鏡の観察方向を任意の方向に向けることができるようになっている。
内視鏡は、使用後には感染症等を防止するために滅菌処理が行われる。最近では、滅菌処理方法として、高圧蒸気滅菌方法(以下、「オートクレーブ法」とも言う。)が広く用いられている。このオートクレーブ法は、微生物に対して高い不活性化能力を有し、しかもランニングコストの面でも有利なためである。
しかしながら、従来の内視鏡の管路部材は熱伝導率を考慮しないで選択されていたため、PTFE等の熱伝導率の低いフッ素樹脂が用いられていた。このため、内視鏡の細長い挿入部に挿通された細い管路においては、高圧蒸気滅菌処理の際に、管路の奥にいくほど蒸気の温度は上昇しにくく、管路の奥まで滅菌を確実に行うには、時間がかかることがあった。
管路の奥まで滅菌処理を確実に行うためには管路を短くすることが効果的であるため加熱滅菌処理のために挿入部等の長さを短くすること、あるいは、挿入部の外径が太くなってしまうが太い内腔の管路を用いることも可能ではあるが、内視鏡の機能を損なうことになる。
また、長時間の加熱処理、あるいは設定温度を上昇した加熱滅菌処理は、内視鏡の製品寿命を短くするおそれがある。
このため、特開2005−168607号公報には、内視鏡内部の温度を上昇しやくするために、内視鏡内部の空間に、シリコンオイル等の熱伝導率の高い熱伝導体を充填した内視鏡が開示されている。
特開2005−168607号公報
特開2005−168607号公報に開示されている、シリコンオイルを内部の空間に充填した内視鏡は、修理時のメンテナンス作業が複雑化したりするおそれがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、加熱滅菌処理を短時間で行うことができる内視鏡を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の内視鏡は、細長い挿入部を有する内視鏡において、熱伝導率異方性高分子により構成された伝熱部材を具備し前記熱伝導率異方性高分子が前記内視鏡の外部から内部へ熱を伝達するように配置されている。
本発明の内視鏡は、加熱滅菌処理を短時間で行うことができる。
<第1の実施の形態>
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態にかかる内視鏡1について説明する。図1は内視鏡1を有する内視鏡システム10の外観を示す外観図であり、図2は内視鏡1の概略構成を示す断面構造を説明する説明図である。
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態にかかる内視鏡1について説明する。図1は内視鏡1を有する内視鏡システム10の外観を示す外観図であり、図2は内視鏡1の概略構成を示す断面構造を説明する説明図である。
図1に示すように、本実施の形態の内視鏡1を有する内視鏡システム10は、細長い挿入部2を備えた内視鏡1と、内視鏡1に照明光を供給する光源装置11等と、内視鏡1からの撮像信号を信号処理して表示手段であるモニタ16に内視鏡画像等を表示させるビデオプロセッサ14と、吸引を行う吸引ポンプ13等とから構成されている。内視鏡1は、ユニバーサルコード4とコネクタ部5を介して、吸引ポンプ13および光源装置11と着脱可能に接続されている。
そして、内視鏡1は、挿入部2の先端部2Aに体腔内を撮像可能なCCD(不図示)等を有している。術者は把持部3Aを片手で担持しながら、操作部3を操作することで、内視鏡1の操作を行うことができる。
そして、図2の断面構造を説明する説明図に示すように、内視鏡1は、細長の挿入部2と、挿入部2の先端部2A側に湾曲自在な湾曲部2Cと、可撓性を有する可撓部2Bと、可撓部2Bの基端側に接続された把持部3Aと一体化した操作部3と、操作部3の側部から延出された可撓性を有するユニバーサルコード4と、このユニバーサルコード4の端部に設けられ、光源装置11に着脱自在に接続されるコネクタ部5とを有している。そして、コネクタ部5の通気口5Aには、後述する真空処理の際に内視鏡内部の空間の圧力を調整するための内圧調整機構5Bが配設されている。なお、挿入部2等は外装部材7で形成されているが、外装部材7はその最外装が絶縁性を有する外被樹脂で覆われており、熱伝導が低い。なお、図2では外装部材7は同じ樹脂材料で構成されているように示しているが、実際には多層構造を有し、把持部3A、操作部3、コネクタ部5、ユニバーサルコード4または挿入部2は、それぞれ異なる材料で構成されている。また、把持部3A等には後述するように補強等のために樹脂材料だけでなく金属も使用されている。しかし、外装部材7の最外層は低熱伝導率の絶縁体材料で覆われている部分が大部分である。
そして、内視鏡1は、その内部を挿通するチューブとも呼ばれる中空の管路6を有している。図2に示した管路6は、内視鏡1の内部に挿通された複数の管路部材のうちで最も長い管路部材であり、送水ポンプ13からの流体を通すための管路である。管路6は、一端が先端部2Aの送液口2Dで開口し、他端が、コネクタ部開口部5Cで、それぞれ内視鏡外部に開口している。術者は、操作部3を操作することで、送水ポンプ13から供給された流体を、送液口2Dから体内の所定部位に向けて噴出することができる。なお、図2においては、管路6の管路壁は薄いため、線で表示しているが、厚さを持った管壁である。
なお、本実施の形態の説明では、説明簡略化のために管路を管路6の一本だけを設けた場合について図示したが、実際には内視鏡1は、送気・送水管路、処置具挿通用管路、あるいは吸引用管等の複数の管路を有している。すなわち、管路としては、操作部3近傍の処置具挿入穴(不図示)および操作部開口部3B等から先端部2Aまで挿通する管路等もある。
そして、本実施の形態の内視鏡1においては、少なくとも一の管路が、熱伝導率異方性高分子化合物(以下、「熱伝導率異方性高分子」と言う。)により構成され、その熱伝導率異方性高分子が内視鏡1の外部から内部へ熱を伝達するように配置されている。
ここで、図3、図4および図5を用いて熱伝導率異方性高分子について説明する。図3は熱伝導率異方性高分子により形成したシート状部材の斜め方向から観察した状態を示す図であり、図4は熱伝導率異方性高分子により形成したシート状部材の断面構造を説明する説明図であり、図5は熱伝導率異方性高分子により形成した管状部材である管路の斜め方向から観察した状態を示す図である。
図3は、第1の表面30Uと対向する第2の表面30Dとを有する熱伝導率異方性高分子により形成したシート状の伝熱部材30を示している。通常の物質では熱伝導率、すなわち、物質の移動を伴わずに高温側から低温側へ熱が伝わる際の単位時間に単位面積を流れる熱流量(熱流束密度)は、等方性である。これに対して、熱伝導率異方性高分子により形成したシート状の伝熱部材30においては、シートの面方向、すなわち、X方向およびY方向の熱伝導率が、シートの厚さ方向、すなわち、Z方向の熱伝導率に比べて高い。
これは、図4に示すように、熱伝導率異方性高分子により形成したシート状伝熱部材30は、高分子30Bの中に、多数の熱伝導フィラー30Aが面内方向に配向した状態で分散された構造を有しているためである。熱伝導フィラー30Aとしては、高分子30Bよりも高い熱伝導率を有する金属またはセラミック材料等を用いることができ、SiO2、SiC、AlN、ZnO、Si3N4、BN、Al2O3、Cu、Al、Ni、Mg、Ag、Bi、Zn、SnあるいはC(カーボン)を、例示することができる。中でも、コスト、熱伝導率および熱伝導率異方性付与の容易さから、カーボンが好ましい。AlN、Si3N4、Cu、C、の熱伝導率は、それぞれ、300W/mK、80W/mK、400W/mK、200〜1500W/mKであり、これに対して、汎用樹脂の熱伝導率は、0.7W/mKであり、空気の熱伝導率は、0.02W/mKである。なお、高分子30Bとしては、公知の樹脂またはゴム、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂、またはフッ素樹脂、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリプロピレン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂、またはポリスチレン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系、フッ素系等の熱可塑性エラストマー、またはブタジエン系、ジエン系、フッ素系、エチレン−プロピレン系、オレフィン系等のゴム、を用いることができるが、上記材料に限定されるものではない。
高熱伝導率を有する熱伝導フィラー30Aが、配向した状態で分散された構造を形成するために、シート状伝熱部材30は、熱伝導率の異方性を生じる。なお、図4では細長い形状の熱伝導フィラー30Aが長円方向に連結した構造を示したが、熱伝導フィラー30Aの形状は円形でも不定形でもよい。熱伝導フィラー30Aとして円形のNiナノ粒子が連結した構造も好ましく用いることができる。
熱伝導フィラー30Aが面内方向に配向した状態で分散されたシート状伝熱部材30の構造は、例えば、未硬化で低粘度の樹脂の中に熱伝導フィラー30Aを分散した比較的厚さの厚いシートを作成し、そのシートを外力により延伸処理し、樹脂を硬化処理することで得ることができる。すなわち、延伸処理工程において熱伝導フィラー30Aが面内に配向する。あるいは、磁性を有する熱伝導フィラー30Aの場合には、外部から面内方向に磁力を印加することで、熱伝導フィラー30Aを面内方向に配向することができる。熱伝導フィラー30Aを配向処理する際には、樹脂を低粘度の状態とする必要がある。このためには前記のように硬化反応を利用することが好ましいが、熱可塑性樹脂を高温状態とし低粘度状態としてもよい。あるいは、薄層の樹脂を積層する際に、各層間に多数の熱伝導フィラー30Aを敷き詰めるように配設することでも、シート状伝熱部材30に用いる熱伝導率異方性高分子は形成可能である。すなわち、本実施の形態に用いる熱伝導率異方性高分子は種々の公知の方法により製造されたものを用いることが可能である。
次に図5に、管路6の熱伝導異方性について説明する。管路6は、熱伝導率異方性高分子により構成された伝熱部材であり、その長手方向(L方向)と円周方向(R方向)の熱伝導率が、管路壁方向(D方向)の熱伝導率より高い。すなわち、管路6の熱伝導率異方性は、図3に示したシート状伝熱部材30を丸めたものと同じである。このため、管路6はその管路壁方向(D方向)には伝熱しにくく、長手方向(L方向)は伝熱しやすい。
例えば、カーボンを熱伝導フィラー30Aとして用いた管路6では、長手方向の熱伝導率を100W/mK、管路6の管路壁方向の熱伝導率を10W/mKと、熱伝導率を熱伝導方向により10倍異なる仕様とすることができる。
前述のように、管路6は内視鏡1の先端部2Aおよびコネクタ部開口部5Cで外部と接続されているため、管路6は先端部2Aおよびコネクタ部開口部5Cから管路6の内部に進入した加熱蒸気により加熱される。そして、管路6は熱伝導率異方性高分子により構成され、熱伝導率異方性高分子が内視鏡1の外部から内部へ熱を伝熱するように配置されているため、外部近傍の管路6が加熱されると、その熱は管路6の長手方向に伝熱されやすく、結果として、管路6の中央付近も短時間に所定の温度に上昇する。
なお、管路6は、内視鏡1の内部に配設されるため、ユニバーサルコード4および可撓部2Bが、内視鏡1の使用上要求される可撓性を妨げないために、可撓性を有することが好ましい。しかし、管路6は、細長い管であるため、管路6を構成する熱伝導率異方性高分子そのものが大きな可撓性を有している必要は必ずしもなく、通常の内視鏡の管路と同等の可撓性を有していればよい。
次に、内視鏡1の加熱滅菌処理について説明する。内視鏡1は、観察や処置等の内視鏡検査に使用された後には、洗浄された後に、加熱滅菌処理が行われる。加熱滅菌処理として、オートクレーブ法を例に説明すると、作業者は内視鏡1を滅菌用収納ケースや滅菌用パックに収容してオートクレーブ装置の耐圧チャンバ内に収納する。
そして、作業者は、滅菌工程時に内視鏡1のより細部にまで飽和水蒸気を浸透させるために、滅菌工程の前に減圧する真空処理工程を実施することが多い。真空処理工程では滅菌装置のチャンバ内が減圧される。減圧時には、内視鏡1の内圧調整機構5Bにより内圧調整が行われる。つまり、内圧調整機構5Bの圧力調整弁が開き、内視鏡1の外装部材7と管路6との間の空間部の空気が排出され、ほぼ真空状態になる。
続いて、作業者は、加熱蒸気滅菌処理工程を実施する。加熱時間および温度は、適宜選択されるが、例えば、132℃の高圧飽和水蒸気、5分間である。しかし、内視鏡1の外装部材7および操作部3等の外部側は、熱伝導率の低い樹脂で形成されているため、外装部材7および操作部3等を介して熱が内視鏡1の内部空間に伝熱することは少ない。さらには、前述のように真空処理工程が行われると、内視鏡1の外装部材7と管路6との間の空間部はほぼ真空状態になっている。そのため、チャンバ内の飽和水蒸気の温度が上昇しても内視鏡1の外装部材7を介して、内視鏡内部に配設された管路6に対流により伝達される熱は非常に少ない。このため、内視鏡1の内部に配設された管路6は、その両端の開口部から管路6の内部に進入する蒸気によってのみしか加熱されない。
このため、前述のように、従来の内視鏡においては、細長い管路6の、特に両端の開口部から遠い中央付近においては、滅菌できる温度に達するまでに長時間を要することがあった。特に、内視鏡1の内部に挿通された複数の管路部材のうちで最も長い管路部材ある管路6の中央付近においては、滅菌できる温度に達するまでに長時間を要することがあった。
これに対して、本実施の形態の内視鏡1においては、内視鏡1の内部に挿通された複数の管路部材のうちで最も長い管路部材である管路6は熱伝導率異方性高分子により構成され、熱伝導率異方性高分子が内視鏡1の外部から内部へ熱を伝熱するように配置されている。このため、内視鏡1は、送液口2Dとコネクタ部開口部5Cとから進入した飽和水蒸気の熱を効率良く管路6の中央部にまで伝熱することができる。
このため、内視鏡1は、管路6の奥、すなわち中央部まで加熱滅菌処理を短時間で行うことができる。そして、内視鏡1の機能を損なうことなく、かつ、内視鏡1の製品寿命を長く保つことが可能である。
もちろん、内視鏡1の内部に挿通された複数の管路部材のうちで最も長い管路部材である管路6以外のすべて管路部材あるいは一部の管路部材を管路6と同様に熱伝導率異方性高分子により構成することも好ましい。
なお、管路6の熱伝導率は、熱伝導方向により5倍以上異なることが好ましい。すなわち、管壁方向の熱伝導率に対して、管路長手方向の熱伝導率が5倍以上高いことが好ましい。前記範囲以上であれば、内視鏡1の外部の熱を内部に有効に伝熱できるため、内視鏡1は、管路6の奥まで加熱滅菌処理を短時間で行うことができる。前記熱伝導率異方性の上限は特にないが、現時点の技術水準では、100倍程度である。
また、上記の例では製造の容易さの観点から、長手方向(L方向)、円周方向(R方向)および管路壁方向(D方向)の3方向のうち、長手方向と円周方向の熱伝導率が、管路壁方向の熱伝導率より高い熱伝導率異方性高分子を例について説明したが、長手方向の熱伝導率が、円周方向および管路壁方向の熱伝導率より高い熱伝導率異方性高分子も、もちろん、本実施の形態の管路6に使用可能である。上記の構造の管路6は例えば長手方向に延伸処理を行うことで作成できる。
また、管路6を、その全長にわたって熱伝導率異方性高分子により構成するのではなく、部分的に熱伝導率等方性樹脂により構成、言い換えれば部分的に、一般の樹脂により構成してもよい。例えば、管路6を流れる流体を、途中から他の管路へも切り替えすることも可能なように切り替え部を有する構造になっている場合や、長い管路6が複数の短い管路が、つなぎ部により接続された構造等の場合には、切り替え部や、つなぎ部等は、必ずしも、熱伝導率異方性高分子により構成する必要はない。さらに、管路6のうちでも温度が上昇しにくい部分等のみを熱伝導率異方性高分子により構成してもよい。すなわち、管路6は少なくともその一部が熱伝導率異方性高分子により構成されていれば、内視鏡1は、本実施の形態の効果を奏することができる。
<第2の実施の形態>
以下、図面を参照して本発明の第2の実施の形態にかかる内視鏡1Bについて説明する。なお、本実施の形態の内視鏡1Bは、第1の実施の形態の内視鏡1と類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。図6は本実施の形態の管路6Bの断面構造を説明する説明図である。
以下、図面を参照して本発明の第2の実施の形態にかかる内視鏡1Bについて説明する。なお、本実施の形態の内視鏡1Bは、第1の実施の形態の内視鏡1と類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。図6は本実施の形態の管路6Bの断面構造を説明する説明図である。
図6に示すように、本実施の形態の内視鏡1Bの管路6Bは、内層部材6Dおよび外層部材6Cを有する2層構造である。そして、管路6Bは、内層部材6Dが熱伝導率異方性高分子により構成された伝熱部材であり、かつ、その熱伝導率異方性高分子が内視鏡1の外部から内部へ熱を伝達するように配置されている。一方、外層部材6Cは、内層部材6Dの管壁方向の熱伝導率よりも、さらに熱伝導の低い低熱伝導率部材で構成される。外層部材6Cとしては、例えば、内視鏡の管路として汎用されている公知の樹脂またはゴム、例えば、フッ素樹脂等を用いることができる。
本実施の形態の内視鏡1Bの管路6Bは、熱伝導率異方性高分子により構成された内層部材6Dの熱が、低熱伝導率部材で構成された外層部材6C側に伝熱しにくいため、熱は効率的に管路6Bの長手方向に伝熱される。このため、内視鏡1Bは、第1の実施の形態の内視鏡1が有する効果に加えて、より、内視鏡外部の熱を内視鏡1Bの内部、特に管路6Bの中空部側に伝熱しやすいため、より短時間で加熱滅菌処理を行うことができる。
<第3の実施の形態>
以下、図面を参照して本発明の第3の実施の形態にかかる内視鏡1Cについて説明する。なお、本実施の形態の内視鏡1Cは、第1の実施の形態の内視鏡と類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。図7(A)は本実施の形態の把持部3Aを含む操作部3の断面構造を説明する説明図であり、図7(B)は、図7(A)の部分拡大図である。
以下、図面を参照して本発明の第3の実施の形態にかかる内視鏡1Cについて説明する。なお、本実施の形態の内視鏡1Cは、第1の実施の形態の内視鏡と類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。図7(A)は本実施の形態の把持部3Aを含む操作部3の断面構造を説明する説明図であり、図7(B)は、図7(A)の部分拡大図である。
図7(A)に示すように、本実施の形態の内視鏡1Cにおいては、操作ボタン3Cが配設された操作部3と連結した把持部3Aは、外装部材7の内部に高熱伝導率の金属材料から構成された金属シャーシ部7Aが配設された構造を有している。そして、管路6Eは、金属シャーシ部7Aの内側に配設されている。そして、把持部3A近傍は、管路6Eが両端の開口部から最も遠い位置にある場所である(図1参照)。ここで、高熱伝導率の金属材料とは、外装部材7の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する金属材料、例えば、SUSである。
内視鏡1Cにおいては、把持部3A近傍の管路6Bを短時間に加熱滅菌するために、把持部3Aの外装部材7の一部を熱伝導率異方性高分子により構成した伝熱部材20で置換している。言い換えれば、伝熱部材20は一端を内視鏡1Cの外部に露出し、他端を内視鏡1Cの内部の空間に露出している。そして、伝熱部材20は、熱伝導率異方性高分子が、内視鏡1Cの外部から内部へ熱を伝達するように配置されている。すなわち、図4に示した熱伝導率異方性高分子が、そのX方向が、内視鏡1Cの外側から内側の方向、となるように配置されている。
このため、伝熱部材20は、内視鏡1Cの外部から内部へ効率的に伝熱することができる。なお、図7(B)に示すように伝熱部材20は、金属シャーシ部7Bと接触するように配設されており、内視鏡1Cの外部の熱は、伝熱部材20を介して金属シャーシ部7Bに伝熱され、図示しない管路6Eは金属シャーシ部7Bにより輻射加熱される。なお、伝熱部材20は、絶縁性を有する熱伝導率異方性高分子から構成されており電気的な絶縁は確保されているため、内視鏡1Cの安全性を損なうことがない。
内視鏡1Cは、熱伝導率異方性高分子により構成されている伝熱部材20を有するため、加熱滅菌処理を短時間で行うことができる。
なお、管路6Eは、第1の実施の形態の管路6と同様の熱伝導率異方性高分子により構成されていることが好ましい。しかし、内視鏡1Cにおいては伝熱部材20を介した熱により、管路6Eの中央付近も加熱されやすいので、管路6Eは通常の樹脂で構成されていてもよい。
また、伝熱部材20は、金属シャーシ部7Eと接触していなくとも、輻射により金属シャーシ部7Bに熱を伝達することが可能であるため、本実施の形態の効果を奏することができる。
<第4の実施の形態>
以下、図面を参照して本発明の第4の実施の形態にかかる内視鏡1Dについて説明する。なお、本実施の形態の内視鏡1Dは、第1の実施の形態の内視鏡1と類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。図8は本実施の形態の把持部3Aを含む操作部3の断面構造を説明する説明図である。
以下、図面を参照して本発明の第4の実施の形態にかかる内視鏡1Dについて説明する。なお、本実施の形態の内視鏡1Dは、第1の実施の形態の内視鏡1と類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。図8は本実施の形態の把持部3Aを含む操作部3の断面構造を説明する説明図である。
図8に示すように、本実施の形態の内視鏡1Dにおいては、管路6Fが管路固定部材7Cにより把持部3Aの内面に固定されている。管路固定部材7Cは、高熱伝導率を有する金属材料により構成されている。ここで、高熱伝導率の金属材料とは、外装部材7の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する金属材料、例えば、SUSである。
そして、管路固定部材7Cは、把持部3Aの外装部材7の一部を熱伝導率異方性高分子により構成した伝熱部材20Bと接触するように配設されている。言い換えれば、伝熱部材20Bは、一端が内視鏡1Dの外部に露出し、他端が内視鏡1Dの内部に挿通された管路部材6Fを固定するための高熱伝導率の固定部材7Cと接触状態にある。そして、伝熱部材20Bは、熱伝導率異方性高分子が、内視鏡1Dの外部から内部へ熱を伝達するように配置されている。
伝熱部材20Bは、第3の実施の形態の伝熱部材20と同様の構造で同様の作用を生じる。このため、内視鏡1Dの外部の熱は、伝熱部材20Bを介して管路固定部材7Cに伝熱され、管路6Fを伝熱加熱する。このため、内視鏡1Dは、管路6Fの中央付近も加熱されやすいので、より短時間で加熱滅菌処理を行うことができる。
なお、管路6Fは、第1の実施の形態の管路6と同様の熱伝導率異方性高分子により構成されていることが好ましい。しかし、内視鏡1Dにおいては伝熱部材20Bから伝熱により、管路6Fの中央付近も加熱されやすいので、管路6Fは通常の樹脂で構成されていてもよい。
また、伝熱部材20Aは、金属シャーシ部7Bではなく、別の、高熱伝導率を有する金属材料により構成されている金属シャーシ部7A等と接触していてもよい。
ここで、図9を用いて伝熱部材20等の種々の配設形態について説明する。図9は把持部3Aの断面構造を説明する説明図である。
図9(A)は、図7のIXA線の断面構造を説明する説明図であり、伝熱部材20は、把持部3Aの外装部材7の一箇所を置換した構造となっている。同様に、図9(B)は、図8のIXB線の断面構造を説明する説明図であり、伝熱部材20Bは、把持部3Aの外装部材7の一箇所を置換した構造となっている。しかし、伝熱部材20等は、図9(C)に示すように、把持部3Aの外装部材7を断面方向で見た場合に外装部材7の全体を置換するように配設しても、よいし、図9(D)に示すように、外装部材7の複数箇所を置換するように配設しても、よい。
また、伝熱部材20等を配設する場所は把持部3Aに限定されるものではなく、内視鏡の適宜選択された場所の外装部材7等と置換することができる。また、伝熱部材20等を配設する場所は一箇所に限られるものではなく、複数の場所であってもよい。例えば、管路6Fの全長に対して、3分の1の長さとなる2箇所に伝熱部材20等を配設しても、よい。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
1…内視鏡、1B…内視鏡、1C…内視鏡、1D…内視鏡、2…挿入部、2A…先端部、2A…先端部、2B…可撓部、2C…湾曲部、2D…送液口、3…操作部、3A…把持部、3B…操作部開口部、3C…操作ボタン、4…ユニバーサルコード、5…コネクタ部、5A…通気口、5B…内圧調整機構、5C…コネクタ部開口部、6…管路、6B…管路、6C…外層部材、6D…内層部材、6E…管路、6F…管路、7…外装部材、7A…金属シャーシ部、7B…金属シャーシ部、7C…管路固定部材、10…内視鏡システム、11…光源装置、13…吸引ポンプ、14…ビデオプロセッサ、16…モニタ、20…伝熱部材、20B…伝熱部材、20C…伝熱部材、20D…伝熱部材、30…シート状伝熱部材、30A…熱伝導フィラー、30B…高分子
Claims (11)
- 細長い挿入部を有する内視鏡において、
熱伝導率異方性高分子により構成された伝熱部材を具備し
前記熱伝導率異方性高分子が前記内視鏡の外部から内部へ熱を伝達するように配置されていることを特徴とする内視鏡。 - 前記伝熱部材が、前記内視鏡の内部に挿通された管路部材の少なくとも一部であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
- 前記管路部材が、前記内視鏡の内部に挿通された複数の管路部材のうちで最も長い管路部材あることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
- 前記管路部材が内層部材および外層部材を有し、前記伝熱部材が前記内層部材であり、前記外層部材の熱伝導率が、前記内層部材の管壁方向の熱伝導率よりも、低いことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内視鏡。
- 前記管路部材が、可撓性を有することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の内視鏡。
- 前記伝熱部材が、前記伝熱部材の一端を前記内視鏡の外部に露出し、他端を前記内視鏡の内部の空間に露出していることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
- 前記伝熱部材が、前記伝熱部材の一端を前記内視鏡の外部に露出し、他端を前記内視鏡の内部の空間に露出した高熱伝導率材料部材と接触状態に、または前記高熱伝導率材料部材の近傍に、配設されている請求項1に記載の内視鏡。
- 前記伝熱部材が、一端が前記内視鏡の外部に露出し、他端が前記内視鏡の内部に挿通された管路部材を固定するための高熱伝導率の固定部材と接触状態にあることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
- 前記伝熱部材の熱伝導率が、熱伝導方向により5倍以上異なることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項記載の内視鏡。
- 前記熱伝導率異方性高分子が、樹脂またはゴムの中に、前記樹脂または前記ゴムよりも高い熱伝導率を有するフィラーを配向した構造を有する絶縁体であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の内視鏡。
- 前記内視鏡が、加熱滅菌処理が行われる内視鏡であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の内視鏡。
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JP2012050704A (ja) * | 2010-09-01 | 2012-03-15 | Fujifilm Corp | 電子内視鏡及びその製造方法 |
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-
2008
- 2008-02-27 JP JP2008046646A patent/JP2009201683A/ja active Pending
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