JP2009201448A - チューインガム類の着色方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鮮やかな赤乃至紫赤色に着色され、耐熱性及び耐光性に優れると共に、チューインガム類自体の風味にも影響を与えることのないチューインガム類を提供できる。
【解決手段】Convolvulaceae科Ipomoea属に属する植物体を、pH1.0〜6.5の酸性条件下で水又は含水アルコールで抽出後、吸着処理、イオン交換処理、酸処理及び膜分離処理よりなる群から選択される少なくとも1種の処理を行って得られる色素を用いてチューインガム類を着色する。
【選択図】なし
【解決手段】Convolvulaceae科Ipomoea属に属する植物体を、pH1.0〜6.5の酸性条件下で水又は含水アルコールで抽出後、吸着処理、イオン交換処理、酸処理及び膜分離処理よりなる群から選択される少なくとも1種の処理を行って得られる色素を用いてチューインガム類を着色する。
【選択図】なし
Description
本発明は、鮮やかな赤乃至紫赤色に着色可能なチューインガム類の着色方法に関する。詳細には、耐熱性及び耐光性に優れると共に、チューインガム類に使用するフレーバーに色素の風味を与えることなく、フレーバー本来の風味を出すことが出来るチューインガム類の着色方法に関する。
従来、食用赤色2号及びアルミニウムレーキ、食用赤色3号及びアルミニウムレーキ、
食用赤色40号及びアルミニウムレーキ、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、及び食用赤色106号、カルモイシン(アゾルビン)、シトラスレッドNo.2 New Red 及びアルミニウムレーキ、カルミンといった各種合成着色料は耐光性に優れ、また鮮やかな色に食品を着色できることから、各種食品の着色料として使用されてきたが、近年の天然嗜好によりこれら合成着色料は敬遠されがちである。天然色素を用いたチューインガム類の赤色乃至紫赤色への着色方法としては、油溶性のカロチノイド系色素を用いる方法(特許文献1)や、赤色ビートを用いる方法(特許文献2)、その他赤キャベツ色素や、コチニール色素、ラック色素等のキノン系色素、ブドウ果汁、ブドウ果皮色素、紫トウモロコシ色素、紅麹色素等が知られている。しかし、カロチノイド系色素はガムベースの基材や香料の溶剤によりカロチノイドが溶解し黄色い色調に変化するという欠点がある。ビートレッドは経時変化により著しく退色するという欠点がある。赤キャベツ色素を用いた場合は、色素特有の臭いがチューインガム類の添加したフレーバーに影響を与える、コチニール色素等のキノン系色素はpHが5以下の場合黄色から橙色となり所望の赤乃至紫赤色に着色できず、紅麹色素は耐光性が、ビートレッドは耐熱性が劣り色素の退色が著しく、商品価値を下げるものであった。ブドウ果汁、ブドウ果皮色素や紫トウモロコシ色素及びベリー類色素を用いた場合であっても、目的とする鮮やかな赤乃至紫赤色に着色できず、耐光性に著しく劣る等の課題がある。また、合成着色料は成分含量が高く、食品への添加量が少ないことから食材の風味にほとんど影響を与えていなかった。しかし、上記天然系着色料はその素材の持つ臭いや味といった着色以外の効果が食材の風味に影響すると言った欠点があった。
食用赤色40号及びアルミニウムレーキ、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、及び食用赤色106号、カルモイシン(アゾルビン)、シトラスレッドNo.2 New Red 及びアルミニウムレーキ、カルミンといった各種合成着色料は耐光性に優れ、また鮮やかな色に食品を着色できることから、各種食品の着色料として使用されてきたが、近年の天然嗜好によりこれら合成着色料は敬遠されがちである。天然色素を用いたチューインガム類の赤色乃至紫赤色への着色方法としては、油溶性のカロチノイド系色素を用いる方法(特許文献1)や、赤色ビートを用いる方法(特許文献2)、その他赤キャベツ色素や、コチニール色素、ラック色素等のキノン系色素、ブドウ果汁、ブドウ果皮色素、紫トウモロコシ色素、紅麹色素等が知られている。しかし、カロチノイド系色素はガムベースの基材や香料の溶剤によりカロチノイドが溶解し黄色い色調に変化するという欠点がある。ビートレッドは経時変化により著しく退色するという欠点がある。赤キャベツ色素を用いた場合は、色素特有の臭いがチューインガム類の添加したフレーバーに影響を与える、コチニール色素等のキノン系色素はpHが5以下の場合黄色から橙色となり所望の赤乃至紫赤色に着色できず、紅麹色素は耐光性が、ビートレッドは耐熱性が劣り色素の退色が著しく、商品価値を下げるものであった。ブドウ果汁、ブドウ果皮色素や紫トウモロコシ色素及びベリー類色素を用いた場合であっても、目的とする鮮やかな赤乃至紫赤色に着色できず、耐光性に著しく劣る等の課題がある。また、合成着色料は成分含量が高く、食品への添加量が少ないことから食材の風味にほとんど影響を与えていなかった。しかし、上記天然系着色料はその素材の持つ臭いや味といった着色以外の効果が食材の風味に影響すると言った欠点があった。
鮮やかな赤乃至紫赤色に着色可能であり、耐熱性及び耐光性に優れると共に、チューインガム類に使用するフレーバーに色素の風味を与えることなく、フレーバー本来の風味を出すことが出来るチューインガム類を提供することを目的とする。
本発明者らは上記問題点に鑑みて鋭意研究を行った結果、Convolvulaceae科Ipomoea属に属する植物体を、pH1.0〜6.5の酸性条件下で水又は含水アルコールで抽出後、吸着処理、イオン交換処理、酸処理及び膜分離処理よりなる群から選択される少なくとも1種の処理を行って得られる色素を用いることにより、チューインガム類本来の風味に影響を与えることなく鮮やかな赤乃至紫赤色に着色可能であり、かかる方法で着色されたチューインガム類は耐熱性及び耐光性を有し、更には添加した香料のフレーバーリリースに極めて優れたチューインガム類となることを見出して本発明を完成した。
本発明は、以下の態様を有するチューインガム類の着色方法に関する;
項1.Convolvulaceae科Ipomoea属に属する植物体を、pH1.0〜6.5の酸性条件下で水又は含水アルコールで抽出後、吸着処理、イオン交換処理、酸処理及び膜分離処理よりなる群から選択される少なくとも1種の処理を行って得られる色素を用いることを特徴とする、チューインガム類の着色方法。
項1.Convolvulaceae科Ipomoea属に属する植物体を、pH1.0〜6.5の酸性条件下で水又は含水アルコールで抽出後、吸着処理、イオン交換処理、酸処理及び膜分離処理よりなる群から選択される少なくとも1種の処理を行って得られる色素を用いることを特徴とする、チューインガム類の着色方法。
色素が有する臭いがチューインガム類に使用されるフレーバーに影響を与えることなくフレーバー本来の風味を楽しむことができ、耐熱性及び耐光性に優れ、鮮やかな赤乃至紫赤色に着色されたチューインガム類を提供できる。
本発明のConvolvulaceae科Ipomoea属の植物体としては、Ipomoea Batatas、Ipomoea nil、Ipomoea congesta、Ipomoea alba等を挙げることができ、好ましくはIpomoea Batatasである。かかる植物体の抽出液は、Convolvulaceae科Ipomoea属に属する植物体中、赤乃至紫赤色を呈する部位、例えば葉や茎、又は塊根をpH1.0〜6.5、好ましくはpH2〜4の酸性条件下で、水又は含水アルコールで抽出することにより得られる。
上記植物体抽出時の酸性条件へのpH調整は、通常酸味料が用いられる。制限はされないが、かかる酸味料としては、具体的にはクエン酸、乳酸、酢酸、氷酢酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、フィチン酸、グルコン酸、コハク酸、アスコルビン酸、アジピン酸、イタコン酸、グルコノデルタラクトン等の有機酸またはその塩(例えばクエン酸ナトリウム、フマル酸一ナトリウム);リン酸及び二酸化炭素(炭酸ガス)、硫酸、塩酸等の無機酸を例示することができ、好ましくは、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の食品添加物で認められているものを好適に使用できる。抽出に用いる含水アルコールとしては、メタノール、エタノールなどの低級アルコール、多価アルコールなどの水と均一に混合可能な溶剤をいう。好ましい抽出液としてはエタノールを例示できる。含水アルコールとしては、例えばアルコール量が40容量%以下、好ましくは約25容量%以下の含水アルコールを好適に使用できる。
抽出方法としては、Convolvulaceae科Ipomoea属に属する植物体の抽出部位を洗浄後そのまま、若しくは適当な大きさに裁断、もしくはペースト状に摩砕後、酸性に調整した抽出液に投入し、例えば4〜12時間若しくは一晩、植物を冷浸又は温浸によって浸漬する方法を挙げることができる。得られた抽出液は、必要に応じて濾過、共沈または遠心分離によって固形物を除去した後、そのまま若しくは濃縮することができる。
本発明では、かくして得られた抽出液を更に、吸着処理、イオン交換処理、酸処理及び膜分離処理よりなる群から選択される少なくとも1種の処理を行うことを特徴とする。
吸着処理は、常法に従って行うことができ、例えば活性炭、シリカゲルまたは多孔質セラミックなどによる吸着処理;スチレン系のデュオライトS−861(商標Duolite,U.S.A.ダイヤモンド・シャムロック社製、以下同じ)、デュオライトS−862、デュオライトS−863又はデュオライトS−866;芳香族系のセパビーズSP70(商標、三菱化学(株)製、以下同じ)、セパビーズSP700、セパビーズSP825;ダイヤイオンHP10(商標、三菱化学(株)製、以下同じ)、ダイヤイオンHP20、ダイヤイオンHP21、ダイヤイオンHP40、及びダイヤイオンHP50;あるいはアンバーライトXAD−4(商標、オルガノ製、以下同じ)、アンバーライトXAD−7、アンバーライトXAD−2000などの合成吸着樹脂を用いた吸着処理を挙げることができる。その後、Convolvulaceae科Ipomoea属に属する植物色素抽出液が付されて色素成分を吸着した樹脂担体を例えば含水アルコールなどの適当な溶媒で洗浄することによって、回収取得することができる。含水アルコールとしては、通常1〜20容量%程度のエタノールを含有する水を好適に例示することができる。
イオン交換処理は、特に制限されず慣用のイオン交換樹脂(陽イオン交換樹脂または陰イオン交換樹脂)を用いて常法に従って行うことができる。例えば陽イオン交換樹脂としては、制限されないがダイヤイオンSK1B(商標、三菱化学(株)製、以下同じ)、ダイヤイオンSK102、ダイヤイオンSK116、ダイヤイオンPK208、ダイヤイオンWK10、ダイヤイオンWK20などが、また陰イオン交換樹脂としては、制限されないがダイヤイオンSA10A(商標、三菱化学(株)製、以下同じ)、ダイヤイオンSA12A、ダイヤイオンSA20A、ダイヤイオンPA306、ダイヤイオンWA10、ダイヤイオンWA20などが例示される。
酸処理は、Convolvulaceae科Ipomoea属に属する植物体をpH1.0〜6.5の酸性条件下で、水又は含水アルコールで抽出して得られた抽出液、若しくは上記の各種処理(吸着処理、イオン交換処理、抽出処理または膜分離処理等)が施された処理液をpH1〜4、好ましくはpH1〜3の酸性条件下に曝すことによって実施できる。酸処理は、具体的には上記処理液に酸を添加配合することによって簡便に行うことができる。かかる酸としては、上述の酸を使用することができる。
酸処理を行う温度条件は特に制限されず、通常5〜100℃の範囲から適宜選択使用することができる。例えば20〜100℃や40〜100℃の範囲を例示することができる。酸処理時間も特に制限されず、通常1〜300分の範囲から適宜選択することができる。一般に高温下での酸処理であればより短い処理時間で十分であり、よって例えば40〜100℃での酸処理の場合は5〜60分の範囲から処理時間を採択することができる。なおこの時、処理液は撹拌してもしなくても特に制限されない。
本発明でいう膜分離処理とは、膜による濾過方法を広く意味するものであり、例えばメンブレンフィルター(MF)膜、限外濾過(UF)膜、逆浸透膜(NF)および電気透析膜などの機能性高分子膜を用いた濾過処理を挙げることができる。また膜分離処理としてはこれらの膜を利用した限外濾過法や逆浸透膜法などのほか、イオン選別膜による濃度勾配を利用した透析法、隔膜としてイオン交換膜を使用し電圧を印加する電気透析法などが知られている。工業的には逆浸透膜法による膜分離法が好ましい。かかる膜分離法に用いられる膜材料としては、天然、合成、半合成の別を問わず、例えばセルロース、セルロース・ジ−アセテート若しくはトリ−アセテート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアクリロニトリルなどを挙げることができる。
本発明で用いる膜分離処理には、分画分子量が例えば104〜106の範囲にある膜を用いて高分子化合物を分離除去する処理方法と、分画分子量が約2,000〜4,000程度、好ましくは3,000程度の膜を用いて低分子化合物を分離除去する処理方法が含まれる。前者の方法として具体的にはNTU−3150膜、NTU−3250膜、NTU−3550膜、NTU−3800 UF膜(以上、日東電工製);Cefilt−UF(日本ガイシ製);AHP−2013膜、AHP−3013膜、AHP−1010膜(以上、旭化成製);等を利用した限外濾過(UF)膜処理を挙げることができ、また後者の方法として具体的にはNTR−7250膜、NTR−7410膜、NTR−7430膜、NTR−7450膜(以上、日東電工製);AIP−3013膜、ACP−3013膜、ACP−2013膜、AIP−2013膜、AIO−1010膜(以上、旭化成製)などの膜を利用した逆浸透膜(分画分子量3,000程度)処理を挙げることができる。
これらの各種処理は、1種単独で行っても、また2種以上を任意に組み合わせて行ってもよく、また同一処理を、同一もしくは異なる条件で、繰り返し実施してもよい。
好ましい処理方法は、特に制限されないが、Convolvulaceae科Ipomoea属に属する植物色素抽出液の吸着処理液を脱蛋白処理し、ついでこの脱蛋白処理した処理色素液について膜分離処理を行う方法である。
好ましい処理方法は、特に制限されないが、Convolvulaceae科Ipomoea属に属する植物色素抽出液の吸着処理液を脱蛋白処理し、ついでこの脱蛋白処理した処理色素液について膜分離処理を行う方法である。
脱蛋白処理は、前述した抽出処理、イオン交換処理または限外濾過膜等を利用した膜分離処理によって実効的に行うことができる。なお、この場合、膜分離処理は、高分子化合物の分離除去に使用される分画分子量約104〜106の範囲にある膜を用いた処理を好適に採用することができる。ただし、脱蛋白処理は、これらの方法に限定されることなく、ゲルろ過処理などの常法の脱蛋白処理に従って行うこともできる。
必要に応じて上記脱蛋白処理後に更に吸着処理を行うこともできる。好ましい処理方法としては、脱蛋白処理した処理色素液を、必要に応じて吸着処理し、次いで酸処理し、斯くして得られる処理色素液に対して膜分離処理を行う方法を挙げることができる。なお、ここで膜分離処理は、好ましくは逆浸透膜処理または限外濾過膜処理であり、より好ましくは逆浸透膜処理である。また、当該膜分離処理は、分画分子量が2,000〜4,000、好ましくは3,000付近である膜を用いて行うことが好ましい。
本発明では、かくして得られた色素を用いることを特徴とするチューインガム類の着色方法に関する。かかる色素は、植物由来の異臭あるいは悪臭の原因となる香気成分が効果的に除去されており、該色素を用いることによりチューインガム類に使用するフレーバーに色素の風味を与えることなく、フレーバー本来の風味を出すことが出来るチューインガム類として、鮮やかな赤乃至紫赤色にチューインガム類を着色することができる。
このとき、本発明で得られた色素は、上記形状のごとく液状品でも、また、デキストリン、乳糖等の賦形剤を添加し噴霧乾燥して粉末化した形状でも、乳化剤、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム等を使用した乳化あるいは二重乳化の形状でもよい。このようにして得られた本発明の色素製剤をチューインガム類に対して添加して使用する。
本発明でいうチューインガム類とは、例えば、板ガム、糖衣ガム、粒ガム及び風船ガム等の別を問わず、また配合される香料の種類に制限されることなく、広く一般にチューインガムと称されるものを広く包含する意味で用いられる。かかるチューインガム類に本発明の色素を用いることにより、チューインガム類を鮮やかな赤乃至紫赤色に着色でき、着色されたチューインガム類は耐光性、耐熱性に優れたチューインガム類となる。更に、長期間の咀嚼といった特殊な喫食形態をとるチューインガム類は、口中に保持される時間が長く、チューインガム類自体のフレーバーリリースが風味に多大な影響を与える。かかる点、従来の天然色素を用いて着色されたチューインガム類は色素特有の臭気が残存し、風味に影響を与えることが課題とされていた。しかし、本発明の色素を用いることにより、色素自体の臭気がチューインガム類に影響を与えることなく、チューインガム類に使用するフレーバー本来の風味やフレーバーリリースに優れたチューインガム類を提供できる。
以下、これらチューインガム類の着色方法について説明する。
加熱し柔らかくしたガムベースに砂糖、ブドウ糖、香料等を加え、更に本発明の色素を加えて練り合わせる。次に、圧延ローラーを通して適当な厚さに調整し、室温まで冷却、切断してチューインガム類を調製することにより、鮮やかな赤乃至紫赤色に着色されたチューインガム類を提供できる。かくして着色されたチューインガム類は耐光性及び耐熱性を有する。
加熱し柔らかくしたガムベースに砂糖、ブドウ糖、香料等を加え、更に本発明の色素を加えて練り合わせる。次に、圧延ローラーを通して適当な厚さに調整し、室温まで冷却、切断してチューインガム類を調製することにより、鮮やかな赤乃至紫赤色に着色されたチューインガム類を提供できる。かくして着色されたチューインガム類は耐光性及び耐熱性を有する。
チューインガム類に対する本発明の色素の配合割合は、チューインガム類に所望の色を付与できる量であればよく、特に制限されない。一例としてあげれば、チューインガム類100質量%に対する本発明の色素(E10% 1cm =160)の配合割合として0.0005〜1.0質量%、好ましくは0.001〜0.5質量%を挙げることができる。
なお、本発明の色素における「E10% 1cm =160」とは、チューインガム類に配合する本発明の色素濃度(色価)を意味するものであって、具体的には、本発明の色素の10wt/v%溶液の可視部での極大吸収波長における吸光度を液層幅1cmで測定した場合、160であることを意味する。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
実施例1 アセロラガムの調製
硫酸によりpH2に調整した酸性水20LにIpomoea Batatasの塊根の磨砕品10kgを投入し、室温下に一夜放置して、色素を抽出した。得られた色素抽出液に、濾過助剤と珪藻土を配合して吸引濾過し、濾液としてIpomoea Batatas植物色素抽出液約25Lを得た。この抽出液を合成吸着樹脂アンバーライトXAD−7(樹脂量3L、SV=1、オルガノ製)に吸着させてから、水洗したのち、60%エタノール水溶液を用いてその吸着している色素を溶出した(10L)。溶出液のうち8Lを、限外濾過膜(AHP−2013膜(商標):旭化成製、分画分子量50,000)を用いて3.5kg/cm2,20℃で処理した(膜分離処理)。次いで、得られた処理液を硫酸を用いてpH2.0に調整し、これを40〜80℃の温度条件下で30分間撹拌をした(酸処理)。つづいて、当該酸処理液に、水5Lを加えて逆浸透膜処理(NTR−7250膜(商標):日東電工製、分画分子量約3,000程度)を行い、膜処理液1Lを得た(膜分離処理)。この際、Ipomoea Batatasの香気成分および夾雑物は濾液として透過除去され、精製脱臭された色素成分が残液として濃縮された。次いでこの残液を減圧下で濃縮して、色価E10% 1cm=300の有意に脱臭精製された濃縮液120gを得た。この濃縮液120gに水60gとエタノール45gを加えて色価E10% 1cm=160のIpomoea Batatas(A)色素製剤225gを調製した。この製剤は全く無臭であった。次に、このようにして得られたIpomoea Batatas(A)色素製剤を下記表1の処方に添加混合後、アセロラガムを調製した。
硫酸によりpH2に調整した酸性水20LにIpomoea Batatasの塊根の磨砕品10kgを投入し、室温下に一夜放置して、色素を抽出した。得られた色素抽出液に、濾過助剤と珪藻土を配合して吸引濾過し、濾液としてIpomoea Batatas植物色素抽出液約25Lを得た。この抽出液を合成吸着樹脂アンバーライトXAD−7(樹脂量3L、SV=1、オルガノ製)に吸着させてから、水洗したのち、60%エタノール水溶液を用いてその吸着している色素を溶出した(10L)。溶出液のうち8Lを、限外濾過膜(AHP−2013膜(商標):旭化成製、分画分子量50,000)を用いて3.5kg/cm2,20℃で処理した(膜分離処理)。次いで、得られた処理液を硫酸を用いてpH2.0に調整し、これを40〜80℃の温度条件下で30分間撹拌をした(酸処理)。つづいて、当該酸処理液に、水5Lを加えて逆浸透膜処理(NTR−7250膜(商標):日東電工製、分画分子量約3,000程度)を行い、膜処理液1Lを得た(膜分離処理)。この際、Ipomoea Batatasの香気成分および夾雑物は濾液として透過除去され、精製脱臭された色素成分が残液として濃縮された。次いでこの残液を減圧下で濃縮して、色価E10% 1cm=300の有意に脱臭精製された濃縮液120gを得た。この濃縮液120gに水60gとエタノール45gを加えて色価E10% 1cm=160のIpomoea Batatas(A)色素製剤225gを調製した。この製剤は全く無臭であった。次に、このようにして得られたIpomoea Batatas(A)色素製剤を下記表1の処方に添加混合後、アセロラガムを調製した。
比較例としてIpomoea Batatas(A)色素製剤の代わりに、以下の製法で調製されたIpomoea Batatas(B)色素製剤(比較例1)、ビートレッド、紅麹色素、赤キャベツ色素及び紫トウモロコシ色素を、各々個別に、ほぼ同一の濃度感に合わせてアセロラガムを調製(比較例2〜5)し、これらのアセロラガム及び実施例1のアセロラガムの色相及びフレーバーリリースを評価し、更に3000luxの蛍光灯下、3日間照射して耐光性を、35℃の恒温器で7日間保持し耐熱性を比較した。結果を表2に示す。
比較例1 Ipomoea Batatas(B)色素製剤の調製
硫酸によりpH2に調整した酸性水20LにIpomoea Batatasの塊根の磨砕品10kgを投入し、室温下に一夜放置して、色素を抽出した。得られた色素抽出液に、濾過助剤と珪藻土を配合して吸引濾過し、濾液としてIpomoea Batatas植物色素抽出液約25Lを得た。次いでこの液を減圧濃縮して色価E10% 1cm=300の色素液160gを得た。この濃縮液160gに水80gとエタノール60gを加えて色価E10% 1cm=160のIpomoea Batatas(B)色素製剤300gを調製した。
硫酸によりpH2に調整した酸性水20LにIpomoea Batatasの塊根の磨砕品10kgを投入し、室温下に一夜放置して、色素を抽出した。得られた色素抽出液に、濾過助剤と珪藻土を配合して吸引濾過し、濾液としてIpomoea Batatas植物色素抽出液約25Lを得た。次いでこの液を減圧濃縮して色価E10% 1cm=300の色素液160gを得た。この濃縮液160gに水80gとエタノール60gを加えて色価E10% 1cm=160のIpomoea Batatas(B)色素製剤300gを調製した。
表2の評価は以下の基準に従って行った。
(色相):着色したアセロラガムの色相を肉眼で観察した。
(耐光性):蛍光灯(3000lux)下で3日間照射した後、肉眼比較により色素の残存率(%)を求めた。
(耐熱性):35℃の恒温器で7日間保存後、肉眼比較により色素の残存率(%)を求めた。
(フレーバーリリース):着色したチューインガムを咀嚼した際のフレーバーリリースが良好なものから順に+++>++>+>±>−の5段階で評価した。
(色相):着色したアセロラガムの色相を肉眼で観察した。
(耐光性):蛍光灯(3000lux)下で3日間照射した後、肉眼比較により色素の残存率(%)を求めた。
(耐熱性):35℃の恒温器で7日間保存後、肉眼比較により色素の残存率(%)を求めた。
(フレーバーリリース):着色したチューインガムを咀嚼した際のフレーバーリリースが良好なものから順に+++>++>+>±>−の5段階で評価した。
表2から明らかなように、ビートレッド色素製剤や紅麹色素製剤を用いた場合は、目的とする赤乃至紫赤色に着色することができず、更に耐光性が著しく劣っていた(比較例2、3)。赤キャベツ色素製剤や紫トウモロコシ色素製剤を用いた場合も、着色されたチューインガムの色相の鮮明さに欠けており、色素特有の臭気がチューインガムに影響を与える、耐光性が悪いなど、Ipomoea Batatas(A)色素製剤に比して劣るものであった(比較例4、5)。また、pH1.0〜6.5の酸性条件下で水又は含水アルコールで抽出されたIpomoea Batatas色素を用いた場合であっても、吸着処理、イオン交換処理、酸処理及び膜分離処理よりなる群から選択される少なくとも1種の処理を行わずに得られたIpomoea Batatas(B)色素製剤(比較例1)は、本発明のIpomoea Batatas(A)色素製剤に比べて色素特有の臭気がチューインガムに影響を与え、目的とするチューインガムを調製することができなかった。一方、本発明のIpomoea Batatas(A)色素製剤を用いた場合は、目的とする鮮やかな赤乃至紫赤色にチューインガムが着色され、チューインガムに使用するフレーバーに色素の風味を与えることなく、フレーバー本来の風味が良好なチューインガムであった。更に本発明のIpomoea Batatas(A)色素製剤を用いて着色されたチューインガムは耐光性及び耐熱性にも優れたチューインガムであり非常に優れていた。
実施例2 ブルーベリーガムの調製
下記表3の処方に従ってブルーベリーガムを調製した。
詳細には、表3に示した材料を加熱、混合したものに実施例1で調製した本発明のIpomoea Batatas(A)色素製剤を添加し、圧延ローラーで成型、切断してブルーベリーガムを調製した。
下記表3の処方に従ってブルーベリーガムを調製した。
詳細には、表3に示した材料を加熱、混合したものに実施例1で調製した本発明のIpomoea Batatas(A)色素製剤を添加し、圧延ローラーで成型、切断してブルーベリーガムを調製した。
調製されたブルーベリーガムは鮮やかな明るい紫赤色を呈し、更にはブルーベリーフレーバーのフレーバーリリースが良いチューインガムであった。
鮮やかな赤乃至紫赤色に着色され、耐熱性及び耐光性に優れると共に、更にはチューインガム類自体の風味にも影響を与えることのないチューインガム類を提供できる。
Claims (1)
- Convolvulaceae科Ipomoea属に属する植物体を、pH1.0〜6.5の酸性条件下で水又は含水アルコールで抽出後、吸着処理、イオン交換処理、酸処理及び膜分離処理よりなる群から選択される少なくとも1種の処理を行って得られる色素を用いることを特徴とする、チューインガム類の着色方法。
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JP2008049110A JP2009201448A (ja) | 2008-02-29 | 2008-02-29 | チューインガム類の着色方法 |
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