JP2009200099A - 半導体レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電流狭窄層を有する垂直共振器型面発光レーザである半導体レーザ素子において、安定したレーザ発振が可能な半導体レーザ素子を提供すること。
【解決手段】 半導体レーザ素子は、基板100と、基板100の一主面に形成された第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層Aと、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層A上に形成された窒化ガリウム系化合物半導体から成る活性層104と、活性層104に隣接して形成された化学式AlxaGa1-xaN(ただし、0<xa<1)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る電流狭窄層106と、活性層104及び電流狭窄層106の上に形成された第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層Bと、を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は窒化ガリウム系化合物半導体からなる半導体レーザ素子及びその製造方法に関し、特に垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)としての半導体レーザ素子及びその製造方法に関するものである。
近年、窒化ガリウム(GaN),窒化インジウム(InN),窒化アルミニウム(AlN)等の窒化物半導体は、直接遷移型の化合物半導体であり、また広いバンド・ギャップ(ワイド・バンド・ギャップ)を持つため、青色光、青紫色光、紫色光の発光ダイオード、レーザダイオード、フォトディテクターなどの光素子用材料として利用されている。また、高周波、大電力に対応でき、高信頼性であることから、高性能な電子素子用材料として注目されている。特に高度情報化社会において、情報記録媒体である光ディスクの高密度化に対応した青紫色半導体レーザが注目されている。
現在、実用化されている青紫色半導体レーザとしては、サファイア基板上に成長した窒化ガリウム系化合物半導体層を劈開、またはドライエッチング法により、共振面を形成したファブリ・ペロ型半導体レーザが用いられている。
しかしながら、サファイアは劈開性がほとんどないため、基板自身の劈開性を利用し、その劈開面を窒化ガリウム系化合物半導体の共振面とすることは難しい。
また、ドライエッチング法は、サファイア基板の成長面に対して垂直性の高い面を形成し難く、良好な共振面ができず、安定したレーザ発振が難しい。また、窒化ガリウム系化合物半導体がドライエッチング用のイオンによるダメージを受けて欠陥が発生し、共振面での反射率が低下し、発振閾値を高くする。更に、共振面で光を吸収し、発熱が生じ、半導体レーザ素子の劣化をもたらすという問題点がある。
また、近年、光インターコネクション、並列光情報処理、光ディスクなどに応用される、赤色光から赤外光の波長領域を光源波長とする垂直共振器型面発光レーザの研究が盛んに行われている。面発光レーザは、レーザ発振に必要な共振器構造が、屈折率の異なる2つの光学媒質層を、λ/4n(λ:活性層(発光層)の発光波長、n:光学媒質層の屈折率)の膜厚で交互に積層したブラッグ反射鏡(DBR:Distributed Bragg reflector)を用いたものである。ブラッグ反射鏡は、2つの光学媒質の屈折率の違いを利用した光反射層として機能する。ブラッグ反射鏡を発光層の有する半導体層の表面と裏面に形成することにより、共振器構造が形成され、基板または半導体層の主面に対して垂直方向にレーザ発振する。
さらに、垂直共振器型面発光レーザにおいては、発光領域である活性層に効率よく電流注入するために、電流狭窄構造が設けられている。電流狭窄構造は、活性層への電流注入状態に大きく関与するため、レーザ発振した光特性に影響を与える。従来のガリウム砒素系化合物半導体からなる垂直共振器型面発光レーザにおいて、電流狭窄構造は選択酸化法によって形成された酸化アルミニウム層を電流狭窄層として用いたものがある。これは、活性層に隣接するAlAs層を水蒸気雰囲気のもとにおいて、選択的に酸化して酸化アルミニウム層を形成し、電流狭窄層としている。しかしながら、選択酸化が可能なのは、AlAs、またはAlAsを含有する半導体材料に限られており、窒化ガリウム系化合物半導体などの化学的に安定な半導体材料には適用できない。
従来の窒化ガリウム系化合物半導体からなる垂直共振器型面発光レーザの断面図を図3に示す。n型のGaN基板300上に、n型AlN層/GaN層多層積層構造のブラッグ反射鏡302、n型GaNクラッド層303、InGaN層/InGaN層多層積層構造で量子井戸構造の活性層304、p型GaNクラッド層305、SiO2から成る電流狭窄層306、選択成長GaNクラッド層307、p型AlN層/GaN層多層積層構造のブラッグ反射鏡308、及びp型電極310が、順次積層されている。
また、エッチングを行うことによって露出した、n型GaN基板300の上面の一部に、n型電極311がある。
特開2000−114657号公報
上記従来の垂直共振器型面発光レーザにおいては、n型GaN基板300上に上記の各種半導体層を積層するときに、p型GaNクラッド層305からGaNを横方向成長させ、電流狭窄層306上に選択成長GaNクラッド層307を積層する。各クラッド層及び活性層304は、共振器構造を形成するために、厚さは数波長分以下(約500nm以下)にすることが望まれる。電流狭窄層306を覆って選択成長GaNクラッド層307を成長させるには、横方向には数十μm成長させなくてはならず、また、選択成長GaNクラッド層307は薄く成長させなければならない。しかしながら、このような選択成長は難しい。
更に、狭窄注入された電流はp型GaNクラッド層305で拡散するため、活性層304の発光領域が一意的に定まらず、発振した光の横モード制御が困難になる。
従って、本発明は上記従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、電流狭窄層を有する垂直共振器型面発光レーザである半導体レーザ素子において、安定したレーザ発振が可能な半導体レーザ素子を提供することである。
本発明の半導体レーザ素子は、基板と、前記基板の一主面に形成された第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層と、前記第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層上に形成された窒化ガリウム系化合物半導体から成る活性層と、前記活性層に隣接して形成された化学式AlxaGa1-xaN(ただし、0<xa<1)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る電流狭窄層と、前記活性層及び電流狭窄層の上に形成された第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層と、を有するものである。
また、本発明の半導体レーザ素子は好ましくは、前記第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層は第1のブラッグ反射鏡を含み、前記第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層は第2のブラッグ反射鏡を含む。
また、本発明の半導体レーザ素子は好ましくは、前記電流狭窄層は前記活性層を囲むように形成されている。
また、本発明の半導体レーザ素子の製造方法は、第1の基板上に第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層及び前記第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層よりも平面視寸法が小さい電流狭窄層を順次積層する工程と、第2の基板上に第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層及び前記第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層よりも平面視寸法が小さい活性層を順次積層する工程と、前記電流狭窄層と前記活性層とが隣接するようにそれらを嵌め合わせる工程とを具備するものである。
本発明の半導体レーザ素子は、基板と、基板の一主面に形成された第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層と、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層上に形成された窒化ガリウム系化合物半導体から成る活性層と、活性層に隣接して形成された化学式AlxaGa1-xaN(ただし、0<xa<1)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る電流狭窄層と、活性層及び電流狭窄層の上に形成された第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層と、を有することから、注入電流は第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層から高抵抗の電流狭窄層を避けて活性層に集中的に注入され、その結果レーザ発振が可能となる。
また、活性層に隣接して高抵抗の電流狭窄層が存在するため、活性層の発光領域は活性層の大きさによって一意的に決まるため、横モードを抑制したレーザ発振ができる。
また、1)電流狭窄層上に活性層が形成されないようにマスクを形成して電流狭窄層に隣接する部位に活性層を形成する方法、2)第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層及び電流狭窄層を第1の基板上に形成し、第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層及び活性層を第2の基板上に形成して、電流狭窄層と活性層を嵌め込むように組み合わせて全体を積層構造とする方法等、を用いることにより、横方向成長をしなくともp型クラッド層を含む第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層を形成することができる。その結果、薄いp型クラッド層を容易に形成することができる。従って、電流狭窄層を有する垂直共振器型面発光レーザである半導体レーザ素子において、安定したレーザ発振が可能となる。
また、本発明の半導体レーザ素子は好ましくは、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層は第1のブラッグ反射鏡を含み、第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層は第2のブラッグ反射鏡を含むことから、第1のブラッグ反射鏡と第2のブラッグ反射鏡によって垂直共振器が容易に形成される。
また、本発明の半導体レーザ素子は好ましくは、電流狭窄層は活性層を囲むように形成されていることから、電流狭窄層が効率的にレーザ共振の可能な空洞共振器を構成する。
また、本発明の半導体レーザ素子の製造方法は、第1の基板上に第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層及び第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層よりも平面視寸法が小さい電流狭窄層を順次積層する工程と、第2の基板上に第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層及び第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層よりも平面視寸法が小さい活性層を順次積層する工程と、電流狭窄層と活性層とが隣接するようにそれらを嵌め合わせる工程とを具備することから、横方向成長をしなくともp型クラッド層を含む第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層を形成することができ、その結果、薄いp型クラッド層を容易に形成することができる。従って、電流狭窄層を有する垂直共振器型面発光レーザである半導体レーザ素子であって、安定したレーザ発振が可能な半導体レーザ素子を製造することができる。
本実施の形態の半導体レーザ素子について以下に詳細に説明する。
図1(a)〜(d)は、本実施の形態の半導体レーザ素子の1例(第1例)を示すものであり、半導体レーザ素子の各製造工程における断面図である。
本実施の形態の半導体レーザ素子は、基板100の一主面に形成された第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層Aと、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層A上に形成された窒化ガリウム系化合物半導体から成る活性層104と、活性層104に隣接して形成された窒化ガリウム系化合物半導体から成る電流狭窄層106と、活性層104及び電流狭窄層106の上に形成された第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層Bと、を有する。
また、本実施の形態の半導体レーザ素子の製造方法は、第1の基板上に第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層A及び第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層Aよりも平面視寸法が小さい電流狭窄層106を順次積層する工程と、第2の基板上に第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層B及び第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層Bよりも平面視寸法が小さい活性層104を順次積層する工程と、電流狭窄層106と活性層104とが隣接するようにそれらを嵌め合わせる工程とを具備する。
電流狭窄層106と活性層104は、それらが嵌め合わされて1つの層を成すように互いに相補的な形状を有している。
第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層Aは、例えば、化学式Ga1-x1-y1Iny1Alx1N(ただし、0≦x1+y1≦1,x1≧0,y1≧0とする)で表される。活性層104は、例えば、化学式Ga1-x2-y2Iny2Alx2N(ただし、0≦x2+y2≦1,x2≧0,y2≧0とする)で表される。電流狭窄層106は、化学式AlxaGa1-xaN(ただし、0<xa<1)で表される。第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層Bは、例えば、化学式Ga1-x4-y4Iny4Alx4N(ただし、0≦x4+y4≦1,x4≧0,y4≧0とする)で表される。
窒化ガリウム系化合物半導体の成長用の基板100は、サファイア,炭化ケイ素(SiC),GaN等の窒化ガリウム系化合物半導体,ZrB2等の二硼化物単結晶等から成ることが良い。特に、窒化ガリウム系化合物半導体との良好な格子整合性及び熱膨張係数整合性、さらに導電性を有する点から、n型GaNまたはXB(但し、XはZr,Ti及びHfの少なくとも1種を含む)で表記される二硼化物単結晶が好ましい。
窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法としては、分子線エピタキシー(MBE;Molecular Beam Epitaxy)法、有機金属エピタキシー(MOVPE;Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法などが用いられる。
以下、半導体レーザ素子の各製造工程に基づいて、半導体レーザ素子の各部の説明を行う。
まず、図1(a)に示すように、基板100の一主面(成長面)に、基板100と窒化ガリウム系化合物半導体との間の応力を緩和させるバッファ層101を形成してもよい。バッファ層101は、XB(但し、XはZr,Ti及びHfの少なくとも1種を含む)で表記される二硼化物単結晶から成る基板100を用いた場合、基板100と格子定数の近いAlx5Ga1-x5N(0≦x5≦1)から成るものが好ましい。バッファ層101の厚みは20〜100nm程度である。
なお、窒化ガリウム系化合物半導体の成長時には基板100が抵抗加熱式ヒーター,電磁誘導式ヒーター等のヒーターにより加熱されるが、このとき基板100を設置したサセプターとの熱接触により熱が基板100へ熱伝導し加熱される。また、熱接触以外にサセプター表面からの熱輻射(赤外光)により、基板100が加熱される。
次に、バッファ層101上に、n型半導体層の多層膜からなる厚み2〜3μm程度のブラッグ反射鏡102、厚み100〜200nm程度のn型クラッド層103、厚み20〜100nm程度の電流狭窄層106を順次積層する。ブラッグ反射鏡103は、互いに混晶比の異なる窒化ガリウム系化合物半導体層を、λ/4n(λ:活性層104の発光波長、n:窒化ガリウム系化合物半導体層の屈折率)の膜厚で交互に合計15層〜20層程度積層した構造になっている。
第1導電型(本実施の形態ではn型)窒化ガリウム系化合物半導体層Aは、ブラッグ反射鏡102、n型クラッド層103から成る。従って、ブラッグ反射鏡102、n型クラッド層103は、例えば、化学式Ga1-x1-y1Iny1Alx1N(ただし、0≦x1+y1≦1,x1≧0,y1≧0とする)で表される。例えば、ブラッグ反射鏡102はGa0.75Al0.25N層とGaN層とを交互に積層したものである。また、n型クラッド層103はGa0.95Al0.05N層から成る。
電流狭窄層106は、化学式AlxaGa1-xaN(ただし、0<xa<1)で表される。例えば、電流狭窄層106はAlNから成る。
次に、バッファ層101、ブラッグ反射鏡102、n型クラッド層103及び電流狭窄層106を積層した基板100について、電流狭窄層106上にフォトレジスト層を形成し、フォトリソグラフィー法によってフォトレジスト層にマスクパターンを形成する。その後、蒸着法、スパッタリング法などにより金属層を形成した後、リフトオフ法によって不要なフォトレジスト層を除去することによって金属マスク112を作製する。
次に、図1(b)に示すように、電流狭窄層106の一部を、ドライエッチング法またはイオンビームスパッタリング法などを用いて、エッチングし除去する。この場合、金属マスク112はNiなどの硬質な金属から成るものであることが好ましい。また、電流狭窄層106の一部を除去するためのエッチングは、イオンビームスパッタリング法に比べ、基板100を枚葉式に処理できるドライエッチング法が好ましい。次に、金属マスク112を除去し、KOH溶液などを用いて、ドライエッチングにより形成された電流狭窄層106の表層のダメージ層を除去する。
次に、図1(c)に示すように、フォトリソグラフィー法によって、電流狭窄層106の一部をエッチング除去することによって露出したnクラッド層103の上面の一部に、フォトレジスト層によるマスクパターンを形成し、蒸着法、スパッタリング法などにより、nクラッド層103の上面のマスク上及び電流狭窄層106上にSiO2層を形成する。その後、nクラッド層103の上面のマスクをリフトオフ法によって除去して、電流狭窄層106上に厚み100〜300nm程度のSiO2層113を形成する。
次に、露出したnクラッド層103の上面の一部に活性層(発光層)104を成長させる。このとき、活性層104はSiO2層113上には成長せず、露出したnクラッド層103の上面の一部にのみに選択的に成長する。
また、活性層104は、n型クラッド層103及びp型クラッド層105のバンドギャップより低いバンドギャップを有しており、混晶比が異なる窒化ガリウム系化合物半導体層を交互に積層した多重量子井戸構造からなることが好ましい。
活性層104は、例えば、化学式Ga1-x2-y2Iny2Alx2N(ただし、0≦x2+y2≦1,x2≧0,y2≧0とする)で表されるものであり、Ga0.90In0.10N層とGa0.99In0.01N層とを交互に合計1〜8層程度積層したものである。
次に、フッ酸(HF)などにより電流狭窄層106上のSiO2層113を除去し、p型クラッド層105を積層する。SiO2層113を除去した後の表面は、活性層104と電流狭窄層106の上面であり、どちらも窒化ガリウム系化合物半導体層であるため、横方向成長をしなくともp型クラッド層105を成長させることができる。その結果、薄いp型クラッド層105を容易に成長させることができる。p型クラッド層105の厚みは50〜200nm程度である。
次に、p型クラッド層105上にp型半導体層の多層膜からなるブラッグ反射鏡108、p型コンタクト層109を順次積層する。ブラッグ反射鏡108は、互いに混晶比の異なる窒化ガリウム系化合物半導体層を、λ/4n(λ:活性層104の発光波長、n:窒化ガリウム系化合物半導体層の屈折率)の膜厚で交互に積層した構造になっている。
第2導電型(本実施の形態ではp型)窒化ガリウム系化合物半導体層Bは、p型クラッド層105、ブラッグ反射鏡108、p型コンタクト層109から成る。従って、p型クラッド層105、ブラッグ反射鏡108、p型コンタクト層109は、例えば、化学式Ga1-x4-y4Iny4Alx4N(ただし、0≦x4+y4≦1,x4≧0,y4≧0とする)で表される。例えば、p型クラッド層105はGa0.85Al0.15N層から成り、p型コンタクト層109はGaN層から成る。ブラッグ反射鏡108は、Ga0.75Al0.25N層とGaN層とを交互に積層したものである。
次に、p型コンタクト層109上にフォトレジスト層を形成し、フォトリソグラフィー法によってフォトレジスト層に対してマスクパターンを形成する。その後、蒸着法、スパッタリング法などによりp型電極110となる金属層を形成した後にリフトオフ法によって不要なフォトレジスト層を剥離し、p型電極110を形成する。
p型電極110は金(Au),アルミニウム(Al),クロム(Cr),チタン(Ti),ニッケル(Ni),パラジウム(Pd),白金(Pt)などからなる。
基板100の他主面にフォトレジスト層を形成して、フォトリソグラフィー法によってフォトレジスト層にマスクパターンを形成する。その後、蒸着法、スパッタリング法などによりn型電極111となる金属層を形成した後、リフトオフ法によって不要なフォトレジスト層を剥離し、n型電極111を形成する。
n型電極111は金(Au),アルミニウム(Al),クロム(Cr),チタン(Ti)などからなる。
以上の各製造工程により、本実施の形態の半導体レーザ素子が作製される。
この半導体レーザ素子に電流注入したとき、注入電流はp型クラッド層105から高抵抗の電流狭窄層106を避けて、活性層104に集中的に流れ、効率的に発光する。そして、活性層104で発光した光は、ブラッグ反射鏡102とブラッグ反射鏡108との間で共振し、レーザ発振する。
また、活性層104に隣接して高抵抗の電流狭窄層106が存在するため、活性層104の発光領域は活性層104の大きさによって一意的に決まる。その結果、横モードを抑制したレーザ発振が可能となる。
本実施の形態の半導体レーザ素子は、上記の通り、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層Aは第1のブラッグ反射鏡102を含み、第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層Bは第2のブラッグ反射鏡108を含むことが好ましい。これにより、第1のブラッグ反射鏡102と第2のブラッグ反射鏡108によって垂直共振器が容易に形成される。
垂直共振器を構成するレーザ共振面としては、ブラッグ反射鏡102,108に限らず、高反射率及び所定の強度の光を透過させる透過性を有する金属層等から成るものであってもよい。
また、本実施の形態の半導体レーザ素子は、電流狭窄層106は活性層104を囲むように形成されていることが好ましい。この場合、電流狭窄層106が効率的にレーザ共振の可能な空洞共振器を構成する。
本実施の形態の半導体レーザ素子の他例(第2例)について、以下に説明する。図2(a)〜(f)は、半導体レーザ素子の各製造工程における断面図である。
窒化ガリウム系化合物半導体の成長用の基板200は、サファイア,炭化ケイ素(SiC),GaN等の窒化ガリウム系化合物半導体,ZrB2等の二硼化物単結晶等から成ることが良い。特に、窒化ガリウム系化合物半導体との良好な格子整合性及び熱膨張係数整合性、さらに導電性を有する点から、n型GaNまたはXB(但し、XはZr,Ti及びHfの少なくとも1種を含む)で表記される二硼化物単結晶が好ましい。
窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法としては、分子線エピタキシー(MBE;Molecular Beam Epitaxy)法、有機金属エピタキシー(MOVPE;Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法などが用いられる。
以下、半導体レーザ素子の各製造工程に基づいて、半導体レーザ素子の各部の説明を行う。
まず、図2(a)に示すように、基板200の一主面(成長面)に、基板200と窒化ガリウム系化合物半導体との間の応力を緩和させるバッファ層201を形成してもよい。バッファ層201は、XB(但し、XはZr,Ti及びHfの少なくとも1種を含む)で表記される二硼化物単結晶から成る基板200を用いた場合、基板200と格子定数の近いAlx5Ga1-x5N(0≦x5≦1)から成るものが好ましい。バッファ層201の厚みは20〜100nm程度である。
次に、バッファ層201上にn型半導体層の多層膜からなる厚み2〜3μm程度のブラッグ反射鏡202、厚み100〜200nm程度のn型クラッド層203、厚み20〜100nm程度の活性層204を順次積層する。ブラッグ反射鏡202は、互いに混晶比の異なる窒化ガリウム系化合物半導体層を、λ/4n(λ:活性層204の発光波長、n:窒化ガリウム系化合物半導体層の屈折率)の膜厚で交互に合計15層〜20層程度積層した構造になっている。
また、活性層204は、n型クラッド層203及びp型クラッド層のバンドギャップより低いバンドギャップを有しており、混晶比が異なる窒化ガリウム系化合物半導体層を交互に積層した多重量子井戸構造からなることが好ましい。
次に、活性層204上にフォトレジスト層を形成し、フォトリソグラフィー法を用いてフォトレジスト層にマスクパターン処理を施す。その後、蒸着法、スパッタリング法などによりフォトレジスト層上に金属層を形成した後に、リフトオフ法によって不要なフォトレジスト層を除去することによって金属マスク212を形成する。
次に、図2(b)に示すように、金属マスク212が形成されていない活性層204の一部を、ドライエッチング法またはイオンビームスパッタリング法などによって、エッチング除去する。この場合、金属マスク212はNiなどの硬質な金属から成ることが好ましい。また、活性層204の一部を除去するエッチングは、イオンビームスパッタリング法に比べ、基板200を枚葉式に処理できるドライエッチング法が好ましい。その後、金属マスク212を除去し、ドライエッチング法により形成された活性層204の表層のダメージ層を、KOH溶液などを用いて除去する。
次に、基板200と同様の材料から成る別の基板216の一主面に、厚み10〜20nm程度のp型コンタクト層209、p型半導体層の多層膜からなる厚み2〜3μm程度のブラッグ反射鏡208、厚み50〜200nm程度のp型クラッド層205、厚み20〜100nm程度の電流狭窄層206を順次成長させる。ブラッグ反射鏡208は、互いに混晶比の異なる窒化ガリウム系化合物半導体層を、λ/4n(λ:活性層204の発光波長、n:窒化ガリウム系化合物半導体層の屈折率)の膜厚で交互に合計15層〜20層層程度積層した構造になっている。
次に、図2(c)に示すように、電流狭窄層206上にフォトレジスト層を形成し、フォトリソグラフィー法によってフォトレジスト層にマスクパターン処理を施す。その後、蒸着法、スパッタリング法などによりフォトレジスト層上に金属層を形成した後、リフトオフ法によって不要なフォトレジスト層を除去して金属マスク217を形成する。
次に、図2(d)に示すように、金属マスク217が形成されていない電流狭窄層206の一部を、ドライエッチング法またはイオンビームスパッタリング法などによって、エッチング除去する。この場合、金属マスク217はNiなどの硬質な金属から成ることが好ましい。また、電流狭窄層206の一部を除去するエッチングは、イオンビームスパッタリング法に比べ、基板216を枚葉式に処理できるドライエッチング法が好ましい。その後、金属マスク217を除去し、ドライエッチング法により電流狭窄層206の表層に形成されたダメージ層をKOH溶液などによって除去する。
次に、図2(e)に示すように、それぞれ異なる種類の窒化ガリウム系化合物半導体層を積層した基板200,216を、活性層204と電流狭窄層206とが隣接するように嵌め合わせて、貼り合わせる。この場合、基板200,216の各表面の結晶方位軸が合うようにする。貼り合せた基板200,216を、窒化ガリウム系化合物半導体の成長装置内に設置し、アンモニアガス雰囲気中で熱処理を行い、熱融着する。
次に、図2(f)に示すように、p型コンタクト層209に接している基板216を除去する。基板216の除去は、ドライエッチング法、ウエットエッチング法、または研削法などの方法によって行う。これらの方法のうち、窒化ガリウム系化合物半導体に物理的なダメージが伴わないウエットエッチング法が好ましい。
次に、p型コンタクト層209上にフォトレジスト層を形成し、フォトリソグラフィー法によってフォトレジスト層にマスクパターン処理を施す。その後、蒸着法、スパッタリング法などにより、p型電極210となる金属層を形成した後、リフトオフ法によって不要なフォトレジスト層を剥離し、p型電極210を形成する。
p型電極210は金(Au),アルミニウム(Al),クロム(Cr),チタン(Ti),ニッケル(Ni),パラジウム(Pd),白金(Pt)などからなる。
次に、基板200の他主面(下面)にフォトレジスト層を形成し、フォトリソグラフィー法によってフォトレジスト層にマスクパターン処理を施す。その後、蒸着法、スパッタリング法などにより、n型電極211となる金属層を形成した後、リフトオフ法によって不要なフォトレジスト層を剥離し、n型電極211を形成する。
n型電極211は金(Au),アルミニウム(Al),クロム(Cr),チタン(Ti)などからなる。
以上の各製造工程により本実施の形態の半導体レーザ素子が作製される。
この半導体レーザ素子に電流注入したとき、注入電流はp型クラッド層205から高抵抗の電流狭窄層206を避けて、活性層204に集中的に流れ、効率的に発光する。そして、活性層204で発光した光は、ブラッグ反射鏡202とブラッグ反射鏡208との間で共振し、レーザ発振する。
また、活性層204に隣接して高抵抗の電流狭窄層206が存在するため、活性層204の発光領域は活性層204の大きさによって一意的に決まる。その結果、横モードを抑制したレーザ発振が可能となる。
(a)〜(d)は本実施の形態の半導体レーザ素子の1例(第1例)を各製造工程において示す断面図である。 (a)〜(f)は本実施の形態の半導体レーザ素子の他例(第2例)を各製造工程において示す断面図である。 従来の垂直共振器型面発光レーザである半導体レーザ素子の1例を示す断面図である。
符号の説明
100:基板
102:ブラッグ反射鏡
104:活性層
106:電流狭窄層
108:ブラッグ反射鏡
200:基板
201:バッファ層
202:ブラッグ反射鏡
204:活性層
206:電流狭窄層
208:ブラッグ反射鏡
216:基板
A:第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層
B:第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層

Claims (4)

  1. 基板と、前記基板の一主面に形成された第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層と、前記第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層上に形成された窒化ガリウム系化合物半導体から成る活性層と、前記活性層に隣接して形成された化学式AlxaGa1-xaN(ただし、0<xa<1)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る電流狭窄層と、前記活性層及び電流狭窄層の上に形成された第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層と、を有する半導体レーザ素子。
  2. 前記第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層は第1のブラッグ反射鏡を含み、前記第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層は第2のブラッグ反射鏡を含む請求項1記載の半導体レーザ素子。
  3. 前記電流狭窄層は前記活性層を囲むように形成されている請求項1または2記載の半導体レーザ素子。
  4. 第1の基板上に第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層及び前記第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層よりも平面視寸法が小さい電流狭窄層を順次積層する工程と、第2の基板上に第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層及び前記第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層よりも平面視寸法が小さい活性層を順次積層する工程と、前記電流狭窄層と前記活性層とが隣接するようにそれらを嵌め合わせる工程とを具備する半導体レーザ素子の製造方法。
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CN112166487A (zh) * 2018-05-25 2021-01-01 国立研究开发法人物质材料研究机构 层叠型辐射光源

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