JP2009198876A - レンズ鏡胴および撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 圧縮トーションスプリング91は、物体側の一端の座巻き部の先端をコイル部分の半径方向外方に延長して第1固定部91aとし、コイル部分の中心軸を挟んでほぼ180度の角度をなす方向に半径方向外方に突出させて第2固定部であるU字折り曲げ部91bを形成し、像面側の一端の座巻き部の先端を半径方向外方に延長して第3固定部91cとする。第1固定部91aは、固定枠側押さえ板92に接着固定される。U字折り曲げ部91bは、固定枠側押さえ板92に突設された位置決め軸94に嵌合して、位置規制され、接着固定される。第3固定部は、第3レンズ保持枠31に係止固定される。
【選択図】 図13
Description
このようなカメラボディの薄型化の要請により、従来、例えば特許文献1(特開2006−330657号)等に示されるように、複数個のレンズ群の少なくとも一部を沈胴させてレンズ群をボディ内部に収納する沈胴状態から前記レンズ群の少なくとも一部を対物側に移動させることにより撮影状態とするために、前記複数個のレンズ群をレンズ群毎に保持する複数個のレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を内部に保持する可動鏡筒と、前記可動鏡筒を介して前記レンズ保持枠を駆動するレンズ保持枠駆動手段とを備えたものにおいて、前記レンズ保持枠は、撮影状態では、全てのレンズ群を撮影光軸上に位置させ、沈胴状態では、少なくとも一つのレンズ群を撮影光軸とは異なる位置で且つ前記他のレンズ群の可動鏡筒の最大外径よりも外側に退避させるために、前記レンズ群を保持して移動させる退避レンズ保持枠を含むレンズ鏡胴であって、前記退避レンズ保持枠を、前記他のレンズ群の光軸上に挿入する方向に常時付勢し且つ前記光軸方向に沿う沈胴方向に常時付勢する共通で且つ単一の圧縮トーションスプリングを含むレンズ鏡胴が提案されている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、鏡胴寸法を増大させたり、構成を変更させたりすることなしに、組立安定性および駆動動作安定性を向上させることを可能とするレンズ鏡胴および撮像装置を提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、特に、退避レンズ保持枠の駆動に関連して所要のごとく付勢する弾性部材の製造が容易で、より簡易に組立安定性および駆動動作安定性を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項2の目的は、特に、弾性部材の可動位置を適切に規制して、弾性部材が退避レンズ保持枠と干渉することを効果的に防止し、弾性部材の駆動安定性を向上することを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、固定部材とそれに固定される第2固定部の位置関係が明確で且つ正確になり、位置決めを簡易に且つより安定に行うことができ、組立安定性を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、特に、均等な角度の複数個所で弾性部材を固定することができ、弾性部材の作動時の位置を安定化させ、駆動安定性を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項6の目的は、特に、簡単な構成で、安定な作動を可能とする撮像装置を提供することにある。
複数のレンズと、前記レンズを保持する複数のレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を保持し駆動するレンズ駆動枠と、を有し、前記複数のレンズのうちの少なくとも一つを前記レンズの光軸から外れて退避する退避レンズとして、前記退避レンズを保持するレンズ保持枠である退避レンズ保持枠を前記レンズの光軸に対して出し入れする方向のうちの一方へ付勢すると同時に前記光軸と平行な方向に付勢するほぼ円筒形状の弾性部材と、前記弾性部材を固定する固定部材と、を備えるレンズ鏡胴において、
前記弾性部材は、
ほぼ円筒形状をなす圧縮コイルスプリングの両端部のうちの一方の端部を固定した状態で他方の端部を当該圧縮コイルスプリングの巻き方向へさらに巻回することでトーション力を発生させるトーションスプリングとして作用させる圧縮トーションスプリングであって、
該圧縮トーションスプリングの前記一方の端部が前記ほぼ円筒形状の外方へ向かって延長形成されてなる前記固定部材に固定するための第1固定部と、
前記圧縮トーションスプリングの前記一方の端部と同一巻きに、半径方向へほぼU字状をなして突出して形成されてなる前記固定部材に固定するための第2固定部と
を持つことを特徴としている。
前記圧縮トーションスプリングの前記第2固定部におけるトーション力と前記他方の端部におけるトーション力との合力ベクトル方向とは逆側において前記圧縮トーションスプリングの前記一方の端部側の座巻きを除いた少なくとも1巻き以上の外形を係止するように前記圧縮トーションスプリングの前記ほぼ円筒形状の中心軸に平行に突出して前記固定部材に植設されたガイド部を有することを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、上述した目的を達成するために、
複数のレンズと、前記レンズを保持する複数のレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を保持し駆動するレンズ駆動枠と、を有し、前記複数のレンズのうちの少なくとも一つを前記レンズの光軸から外れて退避する退避レンズとして、前記退避レンズを保持するレンズ保持枠である退避レンズ保持枠を前記レンズの光軸に対して出し入れする方向のうちの一方へ付勢すると同時に前記光軸と平行な方向に付勢するほぼ円筒形状の弾性部材と、前記弾性部材を固定する固定部材と、備えるレンズ鏡胴において、
前記弾性部材は、その一方の端部に
半径方向外方へ突出して前記固定部材に固定するための第1固定部と、
前記ほぼ円筒形状における前記第1固定部とは異なる角度位置にて半径方向外方へ突出して前記固定部材に固定するための第2固定部と
を備えることを特徴としている。
前記固定部材には、前記第2固定部に係合して前記弾性部材の位置を決定する少なくとも1つの突起部を設けることを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項4のいずれか1項のレンズ鏡胴であって、
前記第2固定部を複数個設け、且つ前記第1固定部および前記複数の第2固定部を互いに均等な角度に配置してなることを特徴としている。
請求項6に記載した本発明に係る撮像装置は、
撮像レンズとして、請求項1〜請求項5のいずれか1項のレンズ鏡胴を備えたことを特徴としている。
すなわち、本発明の請求項1のレンズ鏡胴によれば、
複数のレンズと、前記レンズを保持する複数のレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を保持し駆動するレンズ駆動枠と、を有し、前記複数のレンズのうちの少なくとも一つを前記レンズの光軸から外れて退避する退避レンズとして、前記退避レンズを保持するレンズ保持枠である退避レンズ保持枠を前記レンズの光軸に対して出し入れする方向のうちの一方へ付勢すると同時に前記光軸と平行な方向に付勢するほぼ円筒形状の弾性部材と、前記弾性部材を固定する固定部材と、を備えるレンズ鏡胴において、
前記弾性部材は、
ほぼ円筒形状をなす圧縮コイルスプリングの両端部のうちの一方の端部を固定した状態で他方の端部を当該圧縮コイルスプリングの巻き方向へさらに巻回することでトーション力を発生させるトーションスプリングとして作用させる圧縮トーションスプリングであって、
該圧縮トーションスプリングの前記一方の端部が前記ほぼ円筒形状の外方へ向かって延長形成されてなる前記固定部材に固定するための第1固定部と、
前記圧縮トーションスプリングの前記一方の端部と同一巻きに、半径方向へほぼU字状をなして突出して形成されてなる前記固定部材に固定するための第2固定部と
を持つことにより、
退避レンズ保持枠の駆動に関連して所要のごとく付勢する弾性部材の製造が容易で安価に製造でき、より簡易に組立安定性および駆動動作安定性を向上させることが可能となる。
前記圧縮トーションスプリングの前記第2固定部におけるトーション力と前記他方の端部におけるトーション力との合力ベクトル方向とは逆側において前記圧縮トーションスプリングの前記一方の端部側の座巻きを除いた少なくとも1巻き以上の外形を係止するように前記圧縮トーションスプリングの前記ほぼ円筒形状の中心軸に平行に突出して前記固定部材に植設されたガイド部を有することにより、
特に、弾性部材の可動位置を適切に規制して、弾性部材が退避レンズ保持枠と干渉することを効果的に防止し、弾性部材の駆動安定性を向上することが可能となる。
さらに、本発明の請求項3のレンズ鏡胴によれば、
複数のレンズと、前記レンズを保持する複数のレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を保持し駆動するレンズ駆動枠と、を有し、前記複数のレンズのうちの少なくとも一つを前記レンズの光軸から外れて退避する退避レンズとして、前記退避レンズを保持するレンズ保持枠である退避レンズ保持枠を前記レンズの光軸に対して出し入れする方向のうちの一方へ付勢すると同時に前記光軸と平行な方向に付勢するほぼ円筒形状の弾性部材と、前記弾性部材を固定する固定部材と、備えるレンズ鏡胴において、
前記弾性部材は、その一方の端部に
半径方向外方へ突出して前記固定部材に固定するための第1固定部と、
前記ほぼ円筒形状における前記第1固定部とは異なる角度位置にて半径方向外方へ突出して前記固定部材に固定するための第2固定部と
を備えることにより、
特に、弾性部材を作動範囲外で固定し、固定のための構成を弾性部材と干渉することなく配置することができ、弾性部材の作動安定性を向上させることが可能となる。
前記固定部材には、前記第2固定部に係合して前記弾性部材の位置を決定する少なくとも1つの突起部を設けることにより、
特に、固定部材とそれに固定される第2固定部の位置関係が明確で且つ正確になり、位置決めを簡易に且つより安定に行うことができ、組立安定性を向上させることが可能となる。
本発明の請求項5のレンズ鏡胴によれば、請求項1〜請求項4のいずれか1項のレンズ鏡胴において、
前記第2固定部を複数個設け、且つ前記第1固定部および前記複数の第2固定部を互いに均等な角度に配置してなることにより、
特に、均等な角度の複数個所で弾性部材を固定することができ、弾性部材の作動時の位置を安定化させ、駆動安定性を向上させることが可能となる。
請求項6に記載した本発明に係る撮像装置は、
撮像レンズとして、請求項1〜請求項5の少なくともいずれか1項のレンズ鏡胴を備えることにより、
特に、簡単な構成で、安定な作動が可能となる。
図1は、レンズ群を沈胴させて収納した沈胴収納状態におけるレンズ鏡胴を含む鏡胴機構に関連する部分の構成を物体側(被写体側)から見た斜視図である。図2は、レンズ群を突出した望遠位置状態および沈胴させて収納した沈胴状態のレンズ鏡胴における各レンズ群、レンズ保持枠ならびに各種レンズ鏡胴の要部をそれぞれ示す縦断面図、図3は、レンズ群を突出した広角位置状態のレンズ鏡胴における各レンズ群、レンズ保持枠ならびに各種レンズ鏡胴の要部をそれぞれ示す縦断面図である。図4は、退避レンズ群としての第3レンズ群を保持する第3レンズ保持枠およびその駆動操作系の構成を示す側面図、図5は、従来の固定構造の弾性部材としての圧縮トーションスプリングを用いた場合の第3レンズ保持枠およびその駆動操作系の構成を像面側から見た斜視図、図6は、図5と同様に従来の固定構造の弾性部材としての圧縮トーションスプリングを用いた場合の第3レンズ保持枠およびその駆動系の構成を示し、図5のほぼ裏側の物体側から見た斜視図、図7は、第3レンズ保持枠の動作を説明するために、第3レンズ保持枠部分を物体側から見た正面図である。
図10は、固定鏡筒に形成されたカム溝およびキー溝の形状を展開し且つヘリコイドを省略して模式的に示す展開図、図11は、図10の固定鏡筒に形成されたカム溝およびキー溝の形状を展開し且つヘリコイドを含めて詳細に示す詳細展開図、図12は、固定鏡筒のヘリコイドに嵌合する第1の回転鏡筒の斜視図である。
図13は、図5にほぼ対応し、本発明に係る固定構造の弾性部材としての圧縮トーションスプリングを用いた場合の第3レンズ保持枠およびその駆動操作系の構成を示す斜視図、図14は、第3レンズ保持枠を望遠位置まで繰り出した状態(圧縮トーションスプリングが最も圧縮された状態)における図13の第3レンズ保持枠およびその駆動操作系の構成を示し図13のほぼ裏側から見た斜視図、図15は圧縮トーションスプリングから発生する各力の方向とガイド軸の位置関係を示す物体側から見た正面図である。
第1レンズ群11は、1枚以上のレンズからなり、該第1レンズ群11を一体的に保持する第1レンズ保持枠17を介して直進筒27に固定保持されている。
第2レンズ群12は、1枚以上のレンズからなり、該第2レンズ群12を一体的に保持する第2レンズ保持枠(明確には図示されていない)に形成されたカムフォロワが、図9に展開して示すカム筒26の第2レンズ群用のスリット状のカム溝に挿通されて第2のライナー25の直進溝25aに係合し、これらカム筒26および第2のライナー25により支持されている。シャッタ/絞りユニット15は、シャッタおよび開口絞りを含み、該シャッタ/絞りユニット15に一体的に形成されたカムフォロワが図9に展開して示すカム筒26のシャッタ/絞り用のスリット状のカム溝に挿通されて第2のライナー25の直進溝25aに係合し、これらカム筒26および第2のライナー25により支持されている。
第2のライナー25の内周に嵌合するカム筒26は、基端部外周に突設された係止突起が第2の回転筒24の基端部に嵌合係止して、第2の回転筒24と一体的に回転動作するようになっている。第2のライナー25の内面には光軸に直行する面に沿う案内溝が形成されており、カム筒26の外周面(前側)に突設された直進案内部材であるフォロワ(またはキー)が係合している。このような構成により、カム筒26は、光軸方向の移動については第2のライナー25と一体的に移動するが、相対的には第2のライナー25に対してカム筒26は回転移動できるようになっている。
なお、直進筒27のカムフォロワに係合する第2の回転筒24のカム溝が図8に展開して示されている。第2レンズ群12のレンズ保持枠のカムフォロワに係合するカム筒26のカム溝およびシャッタ/絞りユニット15のカムフォロワに係合するカム筒26のカム溝が図9に展開して示されている。なお、ここでは、第2の回転筒24のカムフォロワに係合する第1のライナー23のカム溝および第2のライナー25のキー部に係合する第1のライナー23の直線溝は、詳細には図示されてはいない。そして固定筒部の第1のライナー23のキー部に係合する固定枠21の直進溝、第1の回転筒22のカムフォロワに係合する固定枠21のカム溝が図10および図11に示されている。
第1の回転筒22は、沈胴状態から広角位置へ移動する際、最初は回転しながら被写体側へ繰り出し、最大繰り出し位置に到達すると、固定枠21に設置された、例えばフォトリフレクタ、フォトインタラプタまたはリーフスイッチ等からなる、ズーム位置検出器によりズーム位置基準信号が発生する。このズーム位置基準信号が発生すると、第1の回転筒22が最大繰り出し位置に達したと考えて良いので、退避レンズ保持枠、すなわち、この例では、第3レンズ保持枠31、が光軸方向へ進入動作を開始するようにしている。
後述するように、第1の回転筒22が最大繰り出し位置に達するとすぐに前記ズーム位置基準信号が発生し、挿入のためのスペースが確保されてからすぐに第3レンズ保持枠31が挿入動作を開始するので、電源オン時等の沈胴状態から広角状態への移行の際に要する時間を最小に抑えることが可能となる。
第3レンズ群13は、第3レンズ保持枠31に保持されている。第3レンズ保持枠31は、一端に第3レンズ群13を保持しており、他端が第3レンズ群13の光軸と実質的に平行な第3群主ガイド軸32によって回動可能に且つ第3群主ガイド軸32に沿ってスライド移動可能に支持されている。第3レンズ保持枠31は、図7に実線で示すように撮影状態における光軸上に第3レンズ群13を挿入した光軸上位置と、図7に破線で示すように沈胴収納状態における第3レンズ群13を固定枠21の固定筒部分から外部に退避した収納位置との間で第3群主ガイド軸32を中心として回動する。第3レンズ保持枠31の回動端側の第3レンズ群13の近傍には、この場合、回動軸側と第3レンズ群13の支持部側とで第3群主ガイド軸32に平行な方向における位置を異ならせるクランク状の屈曲部が形成され、該屈曲部からほぼ回動端方向にストッパ31aおよび遮光片31bが突設されている。
また、雌ねじ部材35が図4のB位置から望遠位置(図4のT位置)までの間に位置している間は、圧縮トーションスプリング36によって、光軸方向に沿って像面側に向かって常に押圧されているため、第3群リードスクリュー34と雌ねじ部材35と押さえ板81等との相互間の遊び等によってに発生する隙間は、総て像面側へ寄せられるので、第3群レンズ保持枠31は光軸方向についての位置精度が確保されるようになっている。
雌ねじ部材35は、実質的に光軸と平行に配設された第3群リードスクリュー34に螺合しており、前述した第3レンズ保持枠31の段差部31c内において、前側係合部31dまたはカム部31eに当接する当接部35aに加えて、第3群リードスクリュー34の回転に伴って雌ねじ部材35が回ってしまわないようにするための回転止めとして、固定枠21の固定筒部分に形成された光軸方向に平行なガイド溝に嵌合摺動する回転止め突起部35bが形成されている(図6参照)。
一方、図4に示しているように、第3群リードスクリュー34の逆回転(反時計方向回転)により、雌ねじ部材35が望遠位置Tから広角位置Wを経て退避開始位置Bまで移動する間は、雌ねじ部材35の当接部35aが係合当接面にて第3レンズ保持枠31の段差部31cの前側係合部31dに当接係合しているので、圧縮トーションスプリング36の光軸上位置への付勢力と像面側への付勢力によって第3レンズ保持枠31は、第3群副ガイド軸33に規制された光軸上位置を維持しつつ物体側から像面側へと漸次移動する。なお、雌ねじ部材35が退避開始位置Bに達すると、第3レンズ保持枠31の基端面31fが押さえ板81に当接し、雌ねじ部材35が前側係合部31dから離間して、段差部31cのカム部31eに当接する。
この場合、収納動作においては、第3レンズ保持枠31が収納位置へ移行する前に第4レンズ保持枠41がまず収納位置へ移行する。第4レンズ保持枠41の第1の収納位置は、第4群基準検出器(図示されていない)によって発生するHからLとなる第4レンズ保持枠41の収納基準信号の発生から所定のパルスカウント数だけ像面側へ移動した位置である。第4群レンズ保持枠41の収納動作完了後、第3レンズ保持枠31の収納動作が許可される。
そこで、本発明においては、第3レンズ群13の圧縮トーションスプリングの固定枠21への固定構造を改善し、圧縮トーションスプリング36と第3レンズ保持枠31の内径部(31h)との干渉を防止するようにした。
図13〜図15においては、従来と同様の第3レンズ群13、第3レンズ保持枠31、第3群主ガイド軸32、第3群リードスクリュー34、第3群雌ねじ部材35、第3群モータ52、ギア71,72,73,74および押さえ板81に加えて、従来の圧縮トーションスプリング36に代えて本発明に係る圧縮トーションスプリング91を設けるとともに、固定枠側押さえ板92、規制ガイド軸93および位置決め軸94を設けている。
図13は、第3レンズ保持枠31およびその駆動操作系の構成を示す像面側から見た斜視図である。図14は、第3レンズ保持枠31が望遠位置Tまで繰り出した状態(圧縮トーションスプリング91が最も圧縮された状態)の駆動操作系の構成を示す物体側から見た斜視図である。図15は圧縮トーションスプリング91から発生する各力の方向と規制ガイド軸93の位置関係を示す像面側から見た正面図である。
第1固定部91aは、固定枠21に一体的に固定される固定枠側押さえ板92に接着剤で接着するなどして固定されている。U字折り曲げ部91bは、第3レンズ保持枠31と干渉することのない位置において、固定枠側押さえ板92に突設された位置決め軸94に嵌合することにより、U字折り曲げ部91bの位置が規制されて、接着剤等で固定されている。第3固定部91cは、第3レンズ保持枠31に係止固定されている(図15)。
また、固定枠側押さえ板92には、U字折り曲げ部91bと第3固定部91cによって発生するトーション力の合力とは反対方向に、圧縮トーションスプリング91の2巻き以上(すなわち座巻きを除く少なくとも1巻き)の外形を当接係止するように、圧縮トーションスプリング91のほぼ円筒状のコイル部分の中心軸に平行な方向(すなわち光軸に平行)に突出して、規制ガイド軸93が配置されている。
なお、上述したレンズ鏡胴においては、第3レンズ群13を、光軸から退避させる退避レンズとする場合について説明したが、さらに第4レンズ群14を、光軸から退避させる退避レンズとしてもよく、あるいは第3レンズ群に代えて第4レンズ群のみを退避レンズとしてもよい。そのような場合に、上述した第3レンズ群に対する保持駆動構成とほぼ同様の構成を用いて第4レンズ群を保持駆動するようにしてもよい。
さらに、上述した構成に限らず、複数のレンズと、前記レンズを保持する複数のレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を保持し駆動するレンズ駆動枠と、を有し、前記複数のレンズのうちの少なくとも一つを前記レンズの光軸から外れて退避する退避レンズとして、前記退避レンズを保持するレンズ保持枠である退避レンズ保持枠を前記レンズの光軸に対して出し入れする方向のうちの一方へ付勢すると同時に前記光軸と平行な方向に付勢するほぼ円筒形状の弾性部材と、前記弾性部材を固定する固定部材と、備えるレンズ鏡胴において、前記弾性部材は、その一方の端部に半径方向外方へ突出して前記固定部材に固定するための第1固定部と、前記ほぼ円筒形状における前記第1固定部とは異なる角度位置にて半径方向外方へ突出して前記固定部材に固定するための第2固定部とを備える構成としてもよい。
このようにすれば、弾性部材を作動範囲外で固定し、固定のための構成を弾性部材と干渉することなく配置することができ、弾性部材の作動安定性を向上させることが可能となる。
さらに、上述したレンズ鏡胴において、前記第2固定部を複数個設け、且つ前記第1固定部および前記複数の第2固定部を互いに均等な角度に配置するようにしてもよい。このような構成とすれば、均等な角度の複数個所で弾性部材を固定することができ、弾性部材の作動時の位置を安定化させ、駆動安定性を向上させることが可能となる。
また、撮像レンズとして、上述したような構成のレンズ鏡胴を備えたカメラ等の撮像装置としてもよい。このような撮像装置は、簡単な構成で、安定な作動が可能となる。
12 第2レンズ群
13 第3レンズ群
14 第4レンズ群
15 シャッタ/絞りユニット
16 固体撮像素子
17 第1レンズ保持枠
18 カバーガラス
19 ローパスフィルタ
21 固定枠
22 第1の回転筒
23 第1のライナー
24 第2の回転筒
25 第2のライナー
26 カム筒
27 直進筒
31 第3レンズ保持枠
32 第3群主ガイド軸
33 第3群副ガイド軸
34 第3群リードスクリュー
35 第3群雌ねじ部材
37 第3群フォトインタラプタ(位置検出装置)
41 第4レンズ保持枠
51 ズームモータ
52 第3群モータ
53 第4群モータ
71,72,73,74 ギア
81 押さえ板
82 鏡胴ベース
91 圧縮トーションスプリング
92 固定枠側押さえ板
93 規制ガイド軸
94 位置決め軸
Claims (6)
- 複数のレンズと、前記レンズを保持する複数のレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を保持し駆動するレンズ駆動枠と、を有し、前記複数のレンズのうちの少なくとも一つを前記レンズの光軸から外れて退避する退避レンズとして、前記退避レンズを保持するレンズ保持枠である退避レンズ保持枠を前記レンズの光軸に対して出し入れする方向のうちの一方へ付勢すると同時に前記光軸と平行な方向に付勢するほぼ円筒形状の弾性部材と、前記弾性部材を固定する固定部材と、を備えるレンズ鏡胴において、
前記弾性部材は、
ほぼ円筒形状をなす圧縮コイルスプリングの両端部のうちの一方の端部を固定した状態で他方の端部を当該圧縮コイルスプリングの巻き方向へさらに巻回することでトーション力を発生させるトーションスプリングとして作用させる圧縮トーションスプリングであって、
該圧縮トーションスプリングの前記一方の端部が前記ほぼ円筒形状の外方へ向かって延長形成されてなる前記固定部材に固定するための第1固定部と、
前記圧縮トーションスプリングの前記一方の端部と同一巻きに、半径方向へほぼU字状をなして突出して形成されてなる前記固定部材に固定するための第2固定部と
を持つことを特徴とするレンズ鏡胴。 - 前記圧縮トーションスプリングの前記第2固定部におけるトーション力と前記他方の端部におけるトーション力との合力ベクトル方向とは逆側において前記圧縮トーションスプリングの前記一方の端部側の座巻きを除いた少なくとも1巻き以上の外形を係止するように前記圧縮トーションスプリングの前記ほぼ円筒形状の中心軸に平行に突出して前記固定部材に植設されたガイド部を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡胴。
- 複数のレンズと、前記レンズを保持する複数のレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を保持し駆動するレンズ駆動枠と、を有し、前記複数のレンズのうちの少なくとも一つを前記レンズの光軸から外れて退避する退避レンズとして、前記退避レンズを保持するレンズ保持枠である退避レンズ保持枠を前記レンズの光軸に対して出し入れする方向のうちの一方へ付勢すると同時に前記光軸と平行な方向に付勢するほぼ円筒形状の弾性部材と、前記弾性部材を固定する固定部材と、備えるレンズ鏡胴において、
前記弾性部材は、その一方の端部に
半径方向外方へ突出して前記固定部材に固定するための第1固定部と、
前記ほぼ円筒形状における前記第1固定部とは異なる角度位置にて半径方向外方へ突出して前記固定部材に固定するための第2固定部と
を備えることを特徴とするレンズ鏡胴。 - 前記固定部材には、前記第2固定部に係合して前記弾性部材の位置を決定する少なくとも1つの突起部を設けることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
- 前記第2固定部を複数個設け、且つ前記第1固定部および前記複数の第2固定部を互いに均等な角度に配置してなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
- 撮像レンズとして、請求項1〜請求項5のいずれか1項のレンズ鏡胴を備えたことを特徴とする撮像装置。
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