JP2009197114A - 導電性グリース、導電性転がり軸受、該軸受を用いた画像形成装置および定着装置 - Google Patents

導電性グリース、導電性転がり軸受、該軸受を用いた画像形成装置および定着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】封入された軸受に安定して低い軸受抵抗値を付与できる導電性グリース、このグリースを封入した転がり軸受、この転がり軸受を用いた画像形成装置および定着装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置や定着装置に使用される導電性転がり軸受1は、内輪2と外輪3の軌道面2a、3a間に複数の転動体4を保持し、上記軌道面間に上記導電性グリース7が封入され、該導電性グリース7は、カーボンブラック粒子、グラファイト粒子等の炭素系導電物質粒子を含むとともに、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、またはポリエステル酸のアミドアミン塩を、上記炭素系導電物質粒子に対して 10〜100 重量%含む。
【選択図】図1

Description

本発明は導電性グリース、この導電性グリースを封入した導電性転がり軸受、該軸受を用いた画像形成装置および定着装置に関する。
デジタルPPCやカラーPPCなどの静電転写複写機、カラーLBPやカラーLED方式のプリンタといった電子写真プロセス機器にあって、例えば前者の静電転写複写機の場合、感光ドラム上に静電潜像を形成してトナーを付着させ、感光ドラム上に形成された可視像を印字紙に転写電極の帯電によって転写する。感光ドラムから離脱させた印字紙は次に定着部ロールに送られ、加熱および加圧によってトナーが紙面に定着する。そうした印字過程中、印字紙が通過することによって、例えば定着部ロールに静電気が発生すると画質が悪化する。画像品質向上には、安定して低い軸受抵抗値が定着部ロールに求められている。この静電気を外部に逃がす手段として、一般にはロール軸端をアース(接地)して放電する機構等が設けられている。
しかし、この放電機構を確保するために通電装置などを設けると部品点数が増えるので、従来からロール軸受自体に導電性を具備させたいわゆる「導電性軸受」を用いることで、部品点数の削減化を図っている場合がある。
導電性軸受には、軸受内部に導電性グリースを封入したものがある。例えば、カーボンブラック粒子等を導電物質兼増ちょう剤とした導電グリースを封入した軸受(特許文献1参照)が知られている。また、フッ素油基油にグラファイト粒子を増稠剤として配合した導電性グリースも知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1や特許文献2では軸受の抵抗値が初期は低くても経時的に高くなり、軸受のアース性能が低下してしまうため、画像にムラが発生するという問題がある。特許文献1では、リチウム石けんによりカーボンブラック粒子等を分散させて導電性の低下を抑制しているが、近年において要求される高い印刷品質を必ずしも満足できない場合がある。この問題の対策として、軸受抵抗値の経時変化を少なくするためグリース封入量を多くすることが考えられるが、この場合、非接触シールなどからグリース漏れが発生しやすくなる。このために密封装置を接触シールにする必要があり、コストが高くなることと回転トルクが高くなるという問題が生じる。
特開2002−53890号公報 特開2004−162909号公報
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、封入された軸受に安定して低い軸受抵抗値を付与できる導電性グリース、このグリースを封入した導電性転がり軸受、この転がり軸受を用いた画像形成装置および定着装置を提供することを目的とする。
本発明の導電性グリースは、炭素系導電物質粒子を含む導電性グリースであって、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、またはポリエステル酸のアミドアミン塩を、上記炭素系導電物質粒子に対して 10 重量%〜100 重量%含むことを特徴とする。
上記炭素系導電物質粒子は、カーボンブラック粒子、またはグラファイト粒子であることを特徴とする。
上記導電性グリースの基油はポリ-α-オレフィン油、フッ素油、エステル油、エーテル油、鉱油から選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする。
本発明の導電性転がり軸受は、内輪と外輪の軌道面間に複数の転動体を保持する転がり軸受であって、上記軌道面間に上記導電性グリースが封入されていることを特徴とする。また、上記導電性転がり軸受は回転速度 600 rpm 、ラジアル荷重負荷 49 N で 200 時間連続回転させたときの絶縁抵抗値が 5 KΩ以下であることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、現像ローラと、この現像ローラを回転自在に両端で支持する転がり軸受とを備えた画像形成装置であって、該転がり軸受は上記導電性転がり軸受であることを特徴とする。
本発明の定着装置は、定着ローラと、この定着ローラを回転自在に両端で支持する転がり軸受とを備えた定着装置であって、該転がり軸受は上記導電性転がり軸受であることを特徴とする。
本発明の導電性グリースは、炭素系導電物質粒子を含むとともに、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、またはポリエステル酸のアミドアミン塩を、上記炭素系導電物質粒子に対して 10〜100 重量%含むので、導電性グリース中の炭素系導電物質粒子が経時的に凝集することを防止でき、グリースの電気抵抗の上昇を抑えることができる。
本発明の導電性転がり軸受は、上記グリースを封入するので、導電性グリース中の炭素系導電物質粒子の分散性を維持でき、従来の導電性グリースを用いる軸受と比較して、軸受抵抗値の経時的な上昇を抑えることができる。
本発明の画像形成装置および定着装置は、現像ローラまたは定着ローラを上記導電性グリースを封入した導電性転がり軸受で支持するので、これらのローラで発生する静電気を少ない状態で安定して維持することができ、画像品質を向上させることができる。
本発明の導電性グリースに使用できる基油は、通常グリースに使用できる基油であって分散剤が可溶であれば使用できる。例えば、ポリ-α-オレフィン(以下、PAOと記す)油等の合成炭化水素油、鉱油、フッ素油、エーテル油、エステル油、グリコール系油等が例示できる。事務機器に使用されるポリカーボネート樹脂などの樹脂部品を損傷させにくいことから、鉱油、合成炭化水素油、またはグリコール系油を使用することが好ましい。なお、これらの基油は、単独で、または2種類以上組み合わせて用いることができる。
上記基油は、40℃における動粘度(以下、単に動粘度と記す)が 10〜200 mm2/sec であることが好ましい。より好ましくは、10〜100 mm2/sec である。動粘度が、10 mm2/sec 未満の低粘度の基油では蒸発量が多くなり、寿命が短くて使用に耐えない。また、200 mm2/secをこえる高い粘度では、軸受のトルクが大きくなって、使用に耐えないものになる。
本発明の導電性グリースに使用できる増ちょう剤は、特に限定なく使用できる。例えば、リチウム石けん、リチウムコンプレックス石けん、力ルシウム石けん、カルシウムコンプレックス石けん、アルミニウム石けん、アルミニウムコンプレックス石けん等の石けん類、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウレア系化合物、カーボンブラック粒子、グラファイト粒子等の炭素系導電物質粒子等が挙げられる。グリースの導電性を十分に高めるため、増ちょう剤として炭素系導電物質粒子を使用することが好ましい。
本発明の導電性グリースに使用する炭素系導電物質粒子としては、カーボンブラック粒子、グラファイト粒子、フラーレン粒子等が挙げられる。これらは基油に配合することで基油の導電性を向上させる。本発明においては、カーボンブラック粒子、またはグラファイト粒子を用いることが好ましい。
カーボンブラック粒子は、それ自体として微粒子表面に官能基を有するとともに、微粒子が2次構造を有しているため、後述の分散剤と組み合わせることにより、安定した電気伝導性が得られる。カーボンブラックの種類としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等を使用できる。カーボンブラックの市販品としては、三菱化学社製:#3030B、#3230B、#3250B等が挙げられる。
本発明で使用するカーボンブラック粒子は、粒子径 300〜800Åのものが好ましく、フタル酸ジブチル(以下、DBPと記す)の吸油量 50〜300 ml/100 g のカーボンブラックを採用することが好ましい。導電性グリースの導電性を向上させるためには、できるだけ多量のカーボンブラック粒子を添加することが好ましい。また、粒子径が所定粒径の範囲より小粒径で、吸油性が所定の値より大きいカーボンブラック粒子は、増ちょう性が高く、すなわち軸受内でせん断を受けた際に増ちょう性を高くしやすく、凝集したグリースが転走面に広がり難くなって所要の導電性が得られ難い。このような傾向から、より好ましいカーボンブラック粒子は、粒子径 400〜600Åであり、DBPの吸油量 50〜200 ml/100 g のカーボンブラックである。
増ちょう剤としてカーボンブラック粒子を用いる場合、導電性グリース全体に対するカーボンブラック粒子の好ましい配合量は、20〜40 重量%程度である。 20 重量%未満では、十分な導電性が得られない。また、増ちょう効果が少なくなり、グリース化が困難となる。40 重量%をこえると得られたベースグリースが硬くなりすぎ、事務機器の軸受としての所期の効果が得られにくくなる。
グラファイト粒子については、一般に市販されているグラファイト粒子を用途に応じて配合して用いることができる。市販品のグラファイト粒子としては、人造黒鉛(燐片状または球状)、天然黒鉛のいずれでも使用できる。天然グラファイト粒子としては、天然産出の変成岩中に析出したものを精錬、粉砕して得られるものが用いられる。また、人造グラファイト粒子としては、ピッチ、コークス、タールなどを成形し、約1200℃程度で一度焼成してから黒鉛化炉に投入し、2000〜3000℃程度の高温で処理することにより得られるものが用いられる。人造黒鉛の市販品としてはロンザ社製:KS−6等が挙げられる。
本発明で使用するグラファイト粒子としては、任意の種類が使用可能であるが、特に、土状グラファイトが好ましい。土状グラファイトは一般的な鱗状グラファイトよりも微粉砕が可能であり、導電性グリースとして求められる適切な配合量にすることが容易である。また、グラファイト粒子は、その粒子径(電子顕微鏡で測定)が 1〜20μm で、DBP吸油量が 20〜100 ml/100 g であることが好ましい。グラファイト粒子が小さく、粒度範囲の小さいものの方がグリース内で凝集しにくく、分散性が良くなる。しかし、粒子径が小さ過ぎるもの、またはDBP吸油量が大きいものは、少量のグラファイト添加で凝集してしまい、導電性グリースが硬くなり、良好な導電性を得ることができない。
増ちょう剤としてグラファイト粒子を用いる場合、導電性グリース全体に対するグラファイト粒子の好ましい配合量は、10〜50 重量%程度である。好ましくは 10〜40 重量%である。10 重量%未満では、十分な導電性が得られない。また、増ちょう効果が少なくなり、グリース化が困難となる。50 重量%をこえると得られたベースグリースが硬くなりすぎ、事務機器の軸受としての所期の効果が得られにくくなる。
本発明の導電性グリースは、上記基油に、上記カーボンブラック粒子やグラファイト粒子などを増ちょう剤として配合して得られるベースグリースに、該カーボンブラック粒子等の分散剤として、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、または、ポリエステル酸のアミドアミン塩を配合する。
本発明の導電性グリースに使用できるポリエーテルリン酸エステルのアミン塩としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルおよび高級アルコールリン酸エステル等のリン酸エステルのアミン塩が挙げられる。
ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩は、導電性グリース中の炭素系導電物質粒子の濡れを促進し、炭素系導電物質粒子の配合量増加、導電性グリースの増粘抑制、分散時間の短縮等の効果を発揮できる。ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩の市販品としては、楠本化成社製:ディスパロンDA−325(淡黄色〜黄褐色の粘ちょう液体、加熱残分:95 重量%以上、酸価:14、アミン価:20)を挙げることができる。
本発明の導電性グリースに使用できるポリエステル酸のアミドアミン塩は、テトラカルボン酸二無水物とアルコール性ジオールとジアミン化合物とを反応させてポリアミド酸とした後にイミド化させること等で得られる。反応順序は、テトラカルボン酸二無水物とアルコール性ジオールとを反応させた後にジアミンと反応させてもよいし、その反対に、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させた後にアルコール性ジオールと反応させてもよい。
ポリエステル酸のアミドアミン塩は、上記ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩と同様に、導電性グリース中の炭素系導電物質粒子の濡れを促進し、炭素系導電物質粒子の配合量増加、導電性グリースの増粘抑制、分散時間の短縮等の効果を発揮できる。高分子量ポリエステル酸アミドアミン塩の市販品としては、楠本化成株式会社製:ディスパロンDA−703−50、ディスパロンDA−725、ディスパロンDA−705などが挙げられる。
本発明の導電性グリースに配合するポリエーテルリン酸エステルのアミン塩または、ポリエステル酸のアミドアミン塩の配合割合は、炭素系導電物質の配合量に対して 10〜100 重量%である。より好ましくは 30〜100 重量%である。10 重量%未満であると、該グリースを封入した事務機器等の軸受において、軸受抵抗値が運転初期においては低いものの、経時的に大幅に増加する。また、100 重量%をこえる場合も同様に軸受抵抗値が経時的に大幅に増加する。
本発明の導電性グリースは、上記各成分に加えて、従来グリース組成物に添加されている極圧剤、酸化防止剤、防錆剤・金属不活性化剤、油性剤等の添加剤を配合することができる。
本発明の導電性転がり軸受を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例に係る導電性転がり軸受を示す断面図である。図1では、電子写真プロセス機器としての静電転写複写機において、感光ドラム8をハウジング9に対して回転自在に支持する導電性転がり軸受1を例示している。この転がり軸受1は、感光ドラム8の軸端部の外周に嵌合される内輪2と、ハウジング9の内周に嵌合される外輪3と、内輪2の軌道面2aと外輪3の軌道面3aとの間に介在する複数の転動体、例えばボール4と、ボール4を円周所定間隔に保持する保持器5と、軸受内部を密封する非接触のシール6と、軸受内部に封入された導電性グリース7とを備えている。導電性グリース7は、上述の本発明の導電性グリースである。
転がり軸受1の内部空間に、上記の導電性グリース7を封入することで、転がり軸受の使用中に経時的に通電性が低下しないようになる。このため、感光ドラム8を伝わって転がり軸受1の内輪2に流入した電荷は、内輪2→導電性グリース7→外輪3、および、内輪2→ボール4→外輪3という主要経路で外輪3に流入し、外輪3から放電される。このような特性を確実に得るために、導電性グリース7の転がり軸受1の内部空間に対する封入量は 25〜45%であることが好ましい。
本発明の画像形成装置の一実施例を図2により説明する。図2は本発明の一実施例に係る画像形成装置の現像装置部分を示す断面図である。図2に示すように、現像装置は、現像剤収容ケース19a内に、現像ローラ18bと規制ローラ18aとを有し、トナー19bが収容されている。現像ローラ18bの外周には、現像ローラ18bに接触する部分に規制ブレード10が圧接されている。また、現像剤収容ケース19a内には、トナー19bを撹拌する撹拌部材(図示せず)を有する。規制ローラ18aは現像ローラ18bに現像剤であるトナー19bを供給し、規制ブレード10は、現像ローラ18b上に形成されるトナー薄層の厚さを一定にするとともに、トナーを負極性に帯電させる。そして、感光ドラム18c上に形成された静電潜像を、現像ローラ18b上に薄層形成されたトナーにより現像する。この現像ローラ18bは図示しない帯電手段によって帯電する。
図3は図2の現像ローラの両端を支持する導電性転がり軸受を示す断面図である。図3に示すように、現像ローラ18bの両端の軸部18dは、内輪12の内径面に嵌合され、外輪13が定着装置のフレーム20で固定されており、各軸部18dは導電性転がり軸受11を介してフレーム20に接地され、現像ローラ18bに帯電する電気を逃すようになっている。軸受内部に封入された導電性グリース17は、上述の本発明の導電性グリースである。現像ローラ18bを伝わって深溝玉軸受である導電性転がり軸受11の内輪12に流入した電荷は、内輪12→導電性グリース17→外輪13、および、内輪12→ボール14→外輪13という主要経路で外輪13に流入し、外輪13から放電される。
本発明の定着装置の構造を図4に基づいて説明する。図4は本発明の一実施例に係る定着装置の定着ローラを示す断面図である。図4に示すように、深溝玉軸受である導電性転がり軸受21は、定着装置の定着ローラ28を軸部28aで支持している。この定着ローラ28はアルミニウムで中空に形成され、中空部に配設された電磁誘導加熱ヒータ29によって 200℃程度まで加熱されるようになっており、電磁誘導で生じる内部電流によって帯電する。定着ローラ28の両端の軸部28aは内輪22の内径面に嵌合され、外輪23が定着装置のフレーム30で固定されており、各軸部28aは導電性転がり軸受21を介してフレーム30に接地され、定着ローラ28に帯電する電気を逃すようになっている。軸受内部に封入された導電性グリース27は、上述の本発明の導電性グリースである。定着ローラ28を伝わって転がり軸受21の内輪22に流入した電荷は、内輪22→導電性グリース27→外輪23、および、内輪22→ボール24→外輪23という主要経路で外輪23に流入し、外輪23から放電される。
本発明に使用できる軸受は、転がり玉軸受であればよく、上述の深溝玉軸受に限定されるものではない。また、本発明の定着装置において転がり玉軸受は、静電気等によって帯電する現像ローラや定着ローラ以外の回転部材の支持にも使用することができる。
本発明の定着装置に用いる導電性転がり軸受の内・外輪の材質としては、周知の軸受用金属材料を用いることができ、上記のめっき被膜等が形成可能な材質であれば特に限定されない。具体例としては、軸受鋼(高炭素クロム軸受鋼JIS G 4805)、肌焼鋼(JIS G 4104等)、高速度鋼(AMS 6490)、ステンレス鋼(JIS G 4303)、高周波焼入鋼(JIS G 4051等)が挙げられる。また、他の軸受用合金を採用することもできる。また、玉は上記金属製、またはセラミック製であってもよい。また、定着ローラは通常、A5056、A6063等の軽量アルミニウム合金等により形成される。
参考比較例1
基油としてPAO油(新日鐵化学社製:シンフルード801)を 70 重量%、増ちょう剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、#3030B)を 30 重量%配合してベースグリースを得た。得られたベースグリースを軸受型番:6900(外径 22 mm× 内径 10 mm×幅 6 mm )に軸受空間容積の 30% となるよう封入し、アキシャル荷重:4.9 N 、ラジアル荷重:9.8 N 、回転数:112 rpm 、雰囲気温度:50℃にて軸受回転試験に供し、軸受抵抗値の経時変化を測定した。結果を図5に示す。
また、未使用状態のグリースと、上記軸受回転試験において 400 時間経過後のグリースとを石油ベンジンで希釈してカーボンブラック粒子の分散状態を観察した。未使用状態のグリース中のカーボンブラック粒子の分散状態の写真を図6に、上記軸受回転試験において 400 時間経過後のグリース中のカーボンブラック粒子の分散状態の写真を図7に、それぞれ示す。図6におけるカーボンブラック粒子の分散状態を示す模式図を図8aに、図8a中のカーボンブラック粒子の粒子間距離L1 を示す模式図を図8cに、それぞれ示す。また、図7におけるカーボンブラック粒子の分散状態を示す模式図を図8bに、図8b中のカーボンブラック粒子の粒子間距離L2 を示す模式図を図8dに、それぞれ示す。
参考実施例1
参考比較例1で得られたベースグリースに分散剤としてポリエーテルリン酸エステルのアミン塩(楠本化成社製:ディスパーDA-325)をカーボンブラック配合量に対し 100 重量%配合し導電性グリースを得た。得られた導電性グリースを上記軸受回転試験に供し、400 時間経過後のグリース中のカーボンブラック粒子の分散状態を観察した。分散状態の写真を図9に示す。
未使用状態を示す図8aおよび軸受回転試験後の状態を示す図8bにおいてグリース中のカーボンブラック粒子の数は同じである。しかし、図8aではカーボンブラック粒子が分散しているのに対して、図8bではカーボンブラック粒子が一部凝集した集合体を形成していることがわかる。また、図8cではカーボンブラック粒子同士が粒子間距離L1 を保持して良好な分散状態にあるのに対し、図8dではカーボンブラック粒子同士が一部凝集して形成した集合体同士の粒子間距離L2 がL1 よりも大となり、分散状態が悪化して電流が流れにくくなり、軸受抵抗値の経時上昇が進行するものと考えられる。これに対して、図9から上記分散剤を配合した導電性グリースは、カーボンブラック粒子の凝集が防止され、軸受抵抗値の経時上昇が抑制されるものと考えられる。
実施例1〜実施例3、比較例2および比較例3
表1に示す配合割合で、基油としてPAO油(新日鐵化学社製:シンフルード801、40℃における動粘度 47 mm2/s)を、増ちょう剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、#3030 B、粒子径 550Å)を用いて作製したベースグリースに、分散剤としてポリエーテルリン酸エステルのアミン塩(楠本化成社製:ディスパーDA-325)を添加しグリースを得た。得られたグリースを以下に示す軸受耐久試験に供し、軸受抵抗値の経時変化を測定した。結果を表1に併記するとともに、図10に示す。
<軸受耐久試験>
得られたグリースを試験軸受[6806(内径 30 mm×外径 42 mm×幅 7 mm )]に軸受空間容積の 30% となるよう封入し、この試験軸受を回転速度 600 rpm で回転駆動される支持軸に内輪を取り付け、49 N のラジアル荷重による負荷をかけながら常温にて連続回転させ、スタート時、100 時間目、200 時間目連続回転させたときの絶縁抵抗値を測定した。絶縁抵抗値は図11、図12に示す測定器、回路図にて測定した。絶縁抵抗値の測定条件は荷電電圧が 30 V、制御抵抗が 300 kΩ、ラジアル荷重が 4.9 N、回転速度が 100 rpmである。
比較例1
実施例1で得られたベースグリースを直接用いて実施例1と同様の測定を実施した。結果を表1に併記するとともに、図10に示す。
各実施例は経時変化による軸受抵抗値の上昇がほとんど認められず良好な導電性を維持できた。これに対して各比較例は 200 時間目には急激な軸受抵抗値の上昇が認められた。
本発明の導電性グリースは所定の分散剤を配合してなるので、導電物質であるカーボンブラック粒子をグリース中で長期間安定して分散させることができ、封入された軸受に安定して低い軸受抵抗値を付与できる。このため、この導電性グリースを封入することで通電性を必要とし、かつ、軸受周辺部に樹脂材やゴム材が配設される機器や装置に使用することができ、特に、電子写真プロセス機器に装備されるロールの支持軸受、とりわけ感光ドラムの支持軸受等に好適に利用できる。また、この導電性転がり軸受を用いることで長期にわたって画質ムラのない画像形成装置および定着装置に好適に利用できる。
本発明の一実施例に係る導電性転がり軸受を示す断面図である。 本発明の一実施例に係る画像形成装置の現像装置部分を示す断面図である。 図2の現像ローラの両端を支持する転がり軸受を示す断面図である。 本発明の一実施例に係る定着装置の定着ローラを示す断面図である。 ベースグリースを封入した転がり軸受の軸受抵抗値の経時変化を示す図である。 未使用状態のグリースの状態を示す写真である。 軸受耐久試験 400 時間経過後のグリースの状態を示す写真である。 図8aは未使用状態の、図8bは軸受耐久試験後のグリースの状態を示す模式図である。図8cは未使用状態の、図8dは軸受耐久試験後のカーボンブラック粒子の粒子間距離を示す模式図である。 軸受耐久試験後の導電性グリースの状態を示す写真である。 グリースを封入した転がり軸受の軸受抵抗値の経時変化を示す図である。 絶縁抵抗値測定器を示す図である。 絶縁抵抗値測定用回路図である
符号の説明
1、11、21 導電性転がり軸受
2、12、22 内輪
3、13、23 外輪
4、14、24 ボール(転動体)
5、15、25 保持器
6、16、26 シール
7、17、27 導電性グリース
8 感光ドラム
9 ハウジング
10 規制ブレード
18a 規制ローラ
18b 現像ローラ
18c 感光ドラム
18d 軸部
19a 現像剤収容ケース
19b トナー
20、30 フレーム
28 定着ローラ
28a 軸部
29 電磁誘導加熱ヒータ

Claims (7)

  1. 炭素系導電物質粒子を含む導電性グリースにおいて、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、またはポリエステル酸のアミドアミン塩を、前記炭素系導電物質粒子に対して 10〜100 重量%含むことを特徴とする導電性グリース。
  2. 前記炭素系導電物質粒子は、カーボンブラック粒子、またはグラファイト粒子であることを特徴とする請求項1記載の導電性グリース。
  3. 前記導電性グリースの基油は、ポリ-α-オレフィン油、フッ素油、エステル油、エーテル油、鉱油から選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の導電性グリース。
  4. 内輪と外輪の軌道面間に複数の転動体を保持する転がり軸受であって、前記軌道面間に請求項1、請求項2または請求項3記載の導電性グリースが封入されていることを特徴とする導電性転がり軸受。
  5. 前記導電性転がり軸受は、回転速度 600 rpm 、ラジアル荷重負荷 49 N で 200 時間連続回転させたときの絶縁抵抗値が 5 KΩ以下であることを特徴とする請求項4記載の導電性転がり軸受。
  6. 現像ローラと、この現像ローラを回転自在に両端で支持する転がり軸受とを備えた画像形成装置であって、
    該転がり軸受は請求項4または請求項5記載の導電性転がり軸受であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 定着ローラと、この定着ローラを回転自在に両端で支持する転がり軸受とを備えた定着装置であって、
    該転がり軸受は請求項4または請求項5記載の導電性転がり軸受であることを特徴とする定着装置。
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