JP2009196768A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】搬送ベルトの回転を停止させることなく、搬送ベルトへ給紙する用紙にたわみを形成する。
【解決手段】液滴を吐出する複数のノズルを有する記録ヘッド10と、給紙された用紙5を搬送する用紙搬送ローラ対33と、用紙搬送ローラ対33の下流側に配置され、用紙5を記録ヘッド1による画像形成位置に搬送する搬送ベルト23及びこの搬送ベルト23の入口側で搬送ベルト23に対向する従動ローラ26とを備え、用紙搬送ローラ対33と従動ローラ26との間の距離Lが用紙搬送方向の用紙長より短く、かつ、用紙搬送ローラ対33と従動ローラ26との間の距離と用紙搬送方向の用紙長との差が用紙5のたわみ量8より大きく、更に、用紙搬送ローラ対33による搬送速度が搬送ベルト23の搬送速度より大きい。
【選択図】図3
【解決手段】液滴を吐出する複数のノズルを有する記録ヘッド10と、給紙された用紙5を搬送する用紙搬送ローラ対33と、用紙搬送ローラ対33の下流側に配置され、用紙5を記録ヘッド1による画像形成位置に搬送する搬送ベルト23及びこの搬送ベルト23の入口側で搬送ベルト23に対向する従動ローラ26とを備え、用紙搬送ローラ対33と従動ローラ26との間の距離Lが用紙搬送方向の用紙長より短く、かつ、用紙搬送ローラ対33と従動ローラ26との間の距離と用紙搬送方向の用紙長との差が用紙5のたわみ量8より大きく、更に、用紙搬送ローラ対33による搬送速度が搬送ベルト23の搬送速度より大きい。
【選択図】図3
Description
本発明は画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)で構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体(以下、インクという。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
なお、本願において、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置又はその他の画像形成手段を用いて画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を吐出して着弾させること)をも意味し、捺染装置や金属配線を形成する装置なども含むものである。また、「インク」とは、画像形成を行うことができる液体であれば特に限定されるものではない。
従来の画像形成装置において、給紙台から給紙された用紙を停止中の用紙搬送ローラのニップ部へ送り出すことにより用紙たわみを形成し、たわみ部の弾性力により用紙先端をニップラインに沿わせることにより用紙のスキューを補正し、その後所定のタイミングで用紙搬送ローラを駆動して用紙を画像形成部へ搬送することにより、所定の位置に対してずれなく画像を形成することが行われている。
この場合、例えば特許文献1には、用紙たわみ量を検出して、給紙ローラの回転を制御する構成が記載されている。
特開平2−123056号公報
その他、特許文献2ないし11も知られている。
特開2006−335545号公報
特許第2774572号公報
特開平6−056302号公報
特開平10−017177号公報
特許第3513394号公報
特開平05−012255号公報
特開平6−006126号公報
特開平1−029870号公報
特開平2−123056号公報
上述したように、用紙を給紙し、給紙された用紙を用紙搬送ローラで搬送し、更に用紙搬送ローラで搬送された用紙を画像形成手段による画像形成位置に搬送する搬送ベルトなどの搬送手段を備える場合、画像形成手段で画像を形成しているときに、用紙搬送ローラと搬送ベルトとの間で用紙にたるみが無くなると、画像がずれるおそれがある。具体的には、用紙の種類、紙粉、用紙搬送ローラの経年変化などの影響により、用紙搬送ローラから搬送ベルトに送られる用紙にすべりが発生すると、その分用紙送り速度が低下する。一方、搬送ベルトは或る一定の速度で回転しているので、用紙搬送ローラと搬送ベルトとの間で用紙の引っ張り合いが発生し、その結果、画像形成部で形成される画像にずれが発生する。
そこで、上述した特許文献1などに記載されている用紙にたわみを形成することが行われているのであるが、従来のたわみ形成方法にあっては、給紙時に用紙搬送ローラが停止していなければならないという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、用紙搬送ベルトを停止させることなく、搬送ベルトへ給紙する用紙にたわみを形成することにより、画像乱れのない高速搬送を行えるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
用紙に画像を形成する画像形成手段と、
給紙された用紙を搬送する用紙搬送ローラと、
前記用紙搬送ローラの下流側に配置され、前記用紙を前記画像形成手段による画像形成位置に搬送する搬送ベルト及びこの搬送ベルトの入口側で前記搬送ベルトに対向する従動ローラと、を備え、
前記用紙搬送ローラと前記従動ローラとの間の距離が用紙搬送方向の用紙長より短く、かつ、前記用紙搬送ローラと前記従動ローラとの間の距離と用紙搬送方向の用紙長との差が前記用紙のたわみ量より大きく、
更に、前記用紙搬送ローラによる搬送速度が前記搬送ベルトの搬送速度より大きい
構成とした。
用紙に画像を形成する画像形成手段と、
給紙された用紙を搬送する用紙搬送ローラと、
前記用紙搬送ローラの下流側に配置され、前記用紙を前記画像形成手段による画像形成位置に搬送する搬送ベルト及びこの搬送ベルトの入口側で前記搬送ベルトに対向する従動ローラと、を備え、
前記用紙搬送ローラと前記従動ローラとの間の距離が用紙搬送方向の用紙長より短く、かつ、前記用紙搬送ローラと前記従動ローラとの間の距離と用紙搬送方向の用紙長との差が前記用紙のたわみ量より大きく、
更に、前記用紙搬送ローラによる搬送速度が前記搬送ベルトの搬送速度より大きい
構成とした。
ここで、前記用紙のたわみ量を検出する検出手段を備えている構成とできる。この場合、前記用紙のたわみ量が所定値に達したときに前記用紙搬送ローラによる搬送速度を前記搬送ベルトによる搬送速度と同じに変更する手段を備えている構成とできる。
また、前記用紙が前記従動ローラに達した時から所定時間後に前記用紙搬送ローラによる搬送速度を前記搬送ベルトによる搬送速度と同じに変更する手段を備えている構成とできる。
また、前記用紙のサイズに応じて前記用紙搬送ローラによる搬送速度と前記搬送ベルトによる搬送速度の差を変更する構成とできる。
本発明に係る画像形成装置によれば、用紙搬送ローラと搬送ベルトに対向する従動ローラとの間の距離が用紙搬送方向の用紙長より短く、かつ、用紙搬送ローラと従動ローラとの間の距離と用紙搬送方向の用紙長との差が用紙のたわみ量より大きく、更に、用紙搬送ローラによる搬送速度が搬送ベルトの搬送速度より大きい構成としたので、用紙搬送ベルトを停止することなく、用紙搬送ローラと搬送ベルト及び従動ローラとの間で用紙たわみを形成することができ、画像乱れを生じることなく高速搬送を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1の全体構成を示す概略構成図を参照して説明する。
この画像形成装置はライン型画像形成装置であり、インク滴を吐出してカラー画像を形成可能な画像形成ユニット1と、画像形成ユニット1に対向して用紙を搬送する搬送手段としての搬送ユニット2と、搬送ユニット2に対して用紙を給紙する給紙手段としての給紙搬送ユニット3と、画像が形成された用紙が排紙される排紙ユニット4と、画像形成ユニット1の維持回復を行う図示しない維持ユニットなどとを備えている。なお、画像形成ユニット1と搬送ユニット2とで画像形成部を構成している。
この画像形成装置はライン型画像形成装置であり、インク滴を吐出してカラー画像を形成可能な画像形成ユニット1と、画像形成ユニット1に対向して用紙を搬送する搬送手段としての搬送ユニット2と、搬送ユニット2に対して用紙を給紙する給紙手段としての給紙搬送ユニット3と、画像が形成された用紙が排紙される排紙ユニット4と、画像形成ユニット1の維持回復を行う図示しない維持ユニットなどとを備えている。なお、画像形成ユニット1と搬送ユニット2とで画像形成部を構成している。
画像形成ユニット1は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する記録ヘッド10y、10c、10m、10k(以下、色を区別しないときは「記録ヘッド10」という。)を備えている。記録ヘッド10としては、複数の液体吐出ヘッドをノズル配列方向に並べて2列千鳥状に配置したマルチヘッドアレイ構成の記録ヘッドや1つのフルライン型記録ヘッドを用いることができる。
各記録ヘッド10は、液滴を吐出するノズルの配列方向を用紙搬送方向と直交する方向として、用紙搬送方向に順次配置し、またインク吐出方向を下方に向けて装着されている。なお、インクの色の数及び用紙搬送方向に対する配置順序はこれに限るものではない
また、この画像形成ユニット1には、図示しないが、各記録ヘッド10に各色のインクを供給するためのサブタンクを搭載している。この各色のサブタンクにはインク供給チューブを介して、カートリッジ装填部に装着された図示しないインクカートリッジ(インクタンク)からインクが、供給ポンプユニットなどで送液されて補充される。
搬送ユニット2は、搬送駆動ローラ21と搬送従動ローラ22との間に掛け回された無端状の搬送ベルト23とを備えている。この搬送ベルト23の表面には複数の図示しない穴が形成されており、搬送ベルト23の下部には用紙5を吸引する吸引ファン24が配置されている。搬送ベルト23は、搬送駆動ローラ21が図示しないモータにより回転されることで周回移動し、用紙5は搬送ベルト23上に吸引ファン24により吸い付けられ、搬送ベルト23の周回移動によって搬送される。また、搬送駆動ローラ21と搬送従動ローラ22に対向して搬送ベルト23に従動して回転する用紙押さえローラ25、26が配置されている。
給紙搬送ユニット3は、給紙する用紙5を積載する上下動自在に支持された給紙台31と、用紙5を1枚ずつ分離し給送する給紙ローラ32と、給紙された用紙5を搬送する用紙搬送ローラ対33と、給紙ローラ32と用紙搬送ローラ対33との間、用紙搬送ローラ対33と搬送ユニット2との間で用紙5をガイドする用紙ガイド部材34、35を備えている。なお、給紙搬送ユニット3は、給紙台31にセットされる用紙5のサイズと方向(縦か横か)も検出できる構成としている。また、用紙が無くなった時や給紙時のエラ−も検知できる構成としている。さらに、連続で印字する時は、紙間も変更可能であり用紙サイズや搬送速度(印字速度)に応じてその都度調整することも可能である。
排紙ユニット4は、搬送ベルト23の下流側に配置された排紙ローラ対41と、排紙される用紙をストックする排紙台42と、エンドフェンス43及び図示しないサイドフェンスなどを備えている。
また、画像形成ユニット1の入口側には第1用紙センサ71、出口側には第2用紙センサ72、搬送ベルト23と用紙押さえローラ25との間の出口側には第3用紙センサ73、排紙ローラ対41の出口側には第4用紙センサ74をそれぞれ配置し、これらの用紙センサ74によって用紙5の有無を検知する。
この画像形成装置においては、給紙搬送ユニット3から給紙ローラ32で用紙5が1枚ずつ分離されて給送され、用紙搬送ローラ対33によって搬送されて搬送ベルト23と搬送ユニット2の従動ローラ26との間に送り込まれ、一定の搬送速度で回転している搬送ベルト23と従動ローラ(用紙押さえローラ26)により搬送ベルト23上に搬送され、その後は搬送ベルト23に吸着されて搬送ベルト23の周回移動によって搬送される。
そして、用紙5の先端が第1用紙センサ71に到達後、画像形成位置まで搬送されると、記録ヘッド10からインク滴12の吐出が開始される。記録ヘッド10からの液滴吐出は、図示しない画像制御部により作成された画像データを、搬送ベルト23の回転により発生するロータリーエンコーダ等の外部信号に同期をとり、或いは搬送ベルト23の回転に同期をとらずに、内部信号に同期をとり、或いは外部信号と内部信号の両方を使用して同期をとって印刷する。
これによって、用紙5上に画像が形成され、用紙5の先端が用紙押さえローラ25を通過すると、それまで搬送ベルト23上に吸着されていた用紙5がフリーになり、排紙ローラ対41に到達する。排紙ローラ対41は記録ヘッド10からのインク滴が着弾して形成される画像に乱れが生じないよう、搬送ベルト23の周速より遅く回転しており、印刷中或いは印刷終了後の用紙5を排紙台42に排出する。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図2にブロック説明図を参照して説明する。
この制御部は、この画像形成装置全体の制御を司る本発明に係る比較手段、排紙速度の切替え手段を兼ねるマイクロコンピュータで構成した主制御部101を備えている。主制御部101は、外部の情報処理装置などから転送される画像データ及び各種コマンド情報に基づいて用紙に画像を形成するために、ヘッド制御回路102に印刷用データを送出する。
この制御部は、この画像形成装置全体の制御を司る本発明に係る比較手段、排紙速度の切替え手段を兼ねるマイクロコンピュータで構成した主制御部101を備えている。主制御部101は、外部の情報処理装置などから転送される画像データ及び各種コマンド情報に基づいて用紙に画像を形成するために、ヘッド制御回路102に印刷用データを送出する。
また、主制御部101は、モータドライバ104を介してステッピングモータなどからなる給紙モータ107を駆動制御して用紙搬送ローラ対33を回転駆動させ、給紙クラッチ群103を駆動して給紙モータ107の回転を給紙ローラ32に伝達して給紙ローラ32、用紙搬送ローラ対33を回転させることで給紙搬送ユニット3による給紙搬送を行わせる。
また、主制御部101は、モータドライバ104を介して、紙送りモータ105を駆動制御して搬送ベルト23を周回移動させ、排紙モータ106を駆動制御して排紙ローラ対41を回転させるなどの制御を行う。
この主制御部101には、用紙搬送ローラ対33と搬送ベルト23及び従動ローラ26との間に配置される、用紙のたわみ量が一定量になったことを検出する検出手段としてのたわみ検知センサ110からの検出信号を入力することができる。
ヘッド制御回路102は、主制御部101からの受領する印刷データ信号に基づいて、記録ヘッド10の液滴を吐出させるための圧力発生手段を駆動するためのデータを生成し、このデータの転送及び転送の確定などに必要な各種信号などを記録ヘッド10に含まれるヘッドドライバに転送するとともに、駆動波形データ格納手段である記憶部、駆動波形のデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器や電流増幅器等で構成される駆動波形生成部、ヘッドドライバに与える駆動波形を選択する選択手段を含み、1つの駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形を生成してヘッドドライバに出力して、記録ヘッド10を駆動制御する。
この画像形成装置においては、図3に示すように、用紙搬送ローラ対33と搬送ベルト23及び従動ローラ26との間の距離Lが用紙搬送方向の用紙5の用紙長より短く、かつ、用紙搬送ローラ対26と搬送ベルト23及び従動ローラ26との間の距離Lと用紙搬送方向の用紙5の用紙長との差が用紙のたわみ量8より大きく、更に、用紙搬送ローラ対33による搬送速度が搬送ベルト23及び従動ローラ26による搬送速度より大きくなるようにしている。
そこで、一定の速度で回転している搬送ベルトに対して一定のたわみをつけて用紙を送るための用紙搬送方法について図4のタイミングチャートをも参照して説明する。
図4(a)に示すように、外部の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ:PCという。)のアプリケーションソフトより用紙搬送開始指示を受けて、同図(b)に示すように搬送ベルト23が連続回転を開始した後、同図(c)に示すように給紙搬送ユニット3から用紙5が給紙されて用紙搬送ローラ対33に到達し、同図(d)に示すように用紙搬送ローラ対33が回転を開始する。
図4(a)に示すように、外部の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ:PCという。)のアプリケーションソフトより用紙搬送開始指示を受けて、同図(b)に示すように搬送ベルト23が連続回転を開始した後、同図(c)に示すように給紙搬送ユニット3から用紙5が給紙されて用紙搬送ローラ対33に到達し、同図(d)に示すように用紙搬送ローラ対33が回転を開始する。
この用紙搬送ローラ対33の回転に伴い、用紙5は速度V1で搬送ベルト23と従動ローラ26とのニップ部に到着する(同図(f))。従動ローラ26は搬送ベルト23に従動して速度V1より遅い速度V2(V2<V1)で連続回転をしているので、従動ローラ26への送り速度V1と従動ローラ26からの引き込み速度V2との間で用紙送り方向に抵抗が生まれるため(同図(e)に示す用紙搬送ローラ相対速度で送られる)、ここから用紙にたわみが発生する(同図(h))。
このとき発生するたわみ量H1は、用紙搬送ローラ33の搬送速度V1と搬送ベルト23の搬送速度V2との差である、同図(e)に示す用紙搬送ローラ相対速度を傾きとして時間に比例する直線で変化する。その後、同図(g)に示すように用紙後端が用紙搬送ローラ対33を通過すると、用紙が用紙搬送ローラ対33から外れるので、従動ローラ26への送り速度(搬送速度)V1は「0」となり、従動ローラ26からの引き込み速度(搬送速度)V2だけとなるので、ここから一気に用紙たわみは減衰する。
なお、図4のタイムチャートでは、用紙先端が従動ローラ26(ニップ部)に到達してから用紙後端が用紙搬送ローラ対33を通過するまで、用紙搬送ローラ相対速度が(V1−V2)の一定速度で用紙たわみを形成した場合を示している。
用紙搬送ローラ対33が回転を開始してから用紙が従動ローラ26(ニップ部)に到達した時点をたわみ作成開始時点t1、用紙後端が用紙搬送ローラ対33を通過した時点をたわみ作成終了時点t2、たわみ形成中の用紙搬送ローラ対33の搬送速度(用紙搬送ローラ速度)をV1、搬送ベルト23の搬送速度(搬送ベルト速度)をV2とすると、形成される用紙たわみ量H1は、次のように求められる。
搬送ベルトに対する用紙搬送ローラの相対速度=V1−V2
用紙たわみ形成期間=t2−t1
H1=(V1−V2)・(t2−t1)
用紙たわみ形成期間=t2−t1
H1=(V1−V2)・(t2−t1)
このように、用紙搬送ローラと搬送ベルトに対向する従動ローラとの間の距離が用紙搬送方向の用紙長より短く、かつ、用紙搬送ローラと従動ローラとの間の距離と用紙搬送方向の用紙長との差が用紙のたわみ量より大きく、更に、用紙搬送ローラによる搬送速度が搬送ベルトの搬送速度より大きい構成とすることで、用紙搬送ベルトを停止することなく、用紙搬送ローラと搬送ベルト及び従動ローラとの間で用紙たわみを形成することができ、画像乱れを生じることなく高速搬送を行うことができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。この実施形態はたわみが一定値に達した場合に用紙搬送ローラによる搬送速度を搬送ベルトの速度と同じにする例である。
まず、たわみ検知センサ(たわみ検知手段)について図5を参照して説明する。
たわみ検知センサ110はマイクロスイッチで構成され、装置本体の搬送ベルト23と従動ローラ26とのニップ部近傍上流側に配置されており、給紙搬送ユニット3より搬送された用紙5が搬送ベルト23と従動ローラ26近傍上流側においてたわみ8を発生し、そのたわみ量が大きくなるにつれて、たわみ検知レバー110aが徐々に上方に持ち上がる(たわみ8のない状態から破線図示の状態)。その結果、或る一定の高さ(実線図示の位置)に用紙5のたわみ8が達すると、つまり、たわみ量が一定値に達すると、たわみ検知センサ110の接点が導通状態となり、適正なたわみ量になったことが検知される。
まず、たわみ検知センサ(たわみ検知手段)について図5を参照して説明する。
たわみ検知センサ110はマイクロスイッチで構成され、装置本体の搬送ベルト23と従動ローラ26とのニップ部近傍上流側に配置されており、給紙搬送ユニット3より搬送された用紙5が搬送ベルト23と従動ローラ26近傍上流側においてたわみ8を発生し、そのたわみ量が大きくなるにつれて、たわみ検知レバー110aが徐々に上方に持ち上がる(たわみ8のない状態から破線図示の状態)。その結果、或る一定の高さ(実線図示の位置)に用紙5のたわみ8が達すると、つまり、たわみ量が一定値に達すると、たわみ検知センサ110の接点が導通状態となり、適正なたわみ量になったことが検知される。
次に、たわみが一定値に達した場合に用紙搬送ローラによる搬送速度を搬送ベルトの速度と同じにする場合の用紙たわみ形成過程について図6のタイムチャートを参照して説明する。
図6(a)に示すように、外部の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ:PCという。)のアプリケーションソフトより或る枚数分の用紙搬送開始指示があると、同図(b)に示すように搬送ベルト23が連続回転を開始する。搬送ベルト23の速度が一定の速度V2になった後、同図(c)に示すように給紙ローラ32が一定量の回転をすることにより、給紙台31の最上位の用紙が用紙搬送ローラ対33に給紙され、その後、同図(d)に示す用紙搬送ローラ対33の回転(速度V1)により、同図(f)に示すように時点t11で用紙先端が従動ローラ26(ニップ部)に到達する。
図6(a)に示すように、外部の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ:PCという。)のアプリケーションソフトより或る枚数分の用紙搬送開始指示があると、同図(b)に示すように搬送ベルト23が連続回転を開始する。搬送ベルト23の速度が一定の速度V2になった後、同図(c)に示すように給紙ローラ32が一定量の回転をすることにより、給紙台31の最上位の用紙が用紙搬送ローラ対33に給紙され、その後、同図(d)に示す用紙搬送ローラ対33の回転(速度V1)により、同図(f)に示すように時点t11で用紙先端が従動ローラ26(ニップ部)に到達する。
この時点t11で搬送ベルト23の搬送速度は速度V2、用紙搬送ローラ対33の搬送速度は速度V1(V1>V2)となっているので、同図(e)に示すように用紙搬送ローラ対33は搬送ベルト23に対して相対的に(V1−V2)の速度で回転していることになる。したがって、この時点t11から用紙にたわみが発生し始め、徐々にたわみ量が大きくなる。
この用紙がたわむことにより、従動ローラ23近傍上流側に配置された、たわみ検知センサ110のたわみ検知レバー110aが徐々に上方に持ち上げられ、一定のたわみ量に達すると、同図(g)に示すように、時点t12でたわみ検知センサ110の出力がOFF状態からON状態になる。たわみ検知センサ出力がON状態になると、用紙搬送ローラ対33の速度(用紙搬送ローラ速度)は、同図(d)に示すように搬送ベルト23と同じ速度V2で回転し、一定のたわみ量を保持する。
その後、紙粉等の影響により用紙たわみ量が減少すると、たわみ検知センサ110の出力がOFF状態に戻り、用紙搬送ローラ速度は或る加速度で上昇する。これにより、たわみ検知センサ110の出力が再びON状態になると、用紙搬送ローラ速度は速度V2となり、搬送ベルト23と同じ速度V2で回転する。
以上の動作をたわみ保持期間の間繰り返すことになる。
その後、同図(h)に示すように、時点t13で用紙後端が用紙搬送ローラ対33を通過すると、搬送ベルト23の回転のみで用紙が搬送されるので、用紙たわみ量は一気に「0」になり、一定時間経過後、用紙搬送ローラ対33の回転が停止して用紙1枚の搬送を完了する。
この間に図示しない用紙通過センサがONすると、再び給紙ローラ32が一定量の回転を開始し、2枚目の用紙が用紙搬送ローラ対33に給紙される。
以上の動作を指定枚数分繰り返す。
このように、用紙のたわみ量が所定値に達したときに用紙搬送ローラによる搬送速度を搬送ベルトによる搬送速度と同じに変更することによって、より高速で用紙搬送を行うことができる。
次に、本発明の更に他の実施形態について図7を参照して説明する。この実施形態は、所定時間後に用紙搬送ローラ対の搬送速度を搬送ベルトの搬送速度と同じにする例である。
ここで、用紙たわみ速度V1は目的とする用紙たわみ量H1が形成される速度である。用紙たわみ形成時間tは、たわみ増加期間とたわみ保持期間からなる。たわみ増加期間とは用紙先端が従動ローラ26(ニップ部)に到達した時点を「0」とし、この時点から用紙搬送ローラ速度が搬送ベルト速度よりも大きい期間である。一方、たわみ保持期間とは、たわみ増加期間で一定量のたわみが形成された後、用紙搬送ローラ速度を用紙搬送ベルト速度と同じ速度とすることにより、形成された一定量のたわみ量を保持する期間である。
ここで、用紙たわみ速度V1は目的とする用紙たわみ量H1が形成される速度である。用紙たわみ形成時間tは、たわみ増加期間とたわみ保持期間からなる。たわみ増加期間とは用紙先端が従動ローラ26(ニップ部)に到達した時点を「0」とし、この時点から用紙搬送ローラ速度が搬送ベルト速度よりも大きい期間である。一方、たわみ保持期間とは、たわみ増加期間で一定量のたわみが形成された後、用紙搬送ローラ速度を用紙搬送ベルト速度と同じ速度とすることにより、形成された一定量のたわみ量を保持する期間である。
用紙たわみ量が少ないと印刷ずれに対するマージンが少なくなり、逆に大きすぎると従動ローラ部における用紙ジャムや用紙折れが発生する可能性がある。これらは使用環境や用紙の種類によって影響を受けるため、実際の使用条件で変更できるようになっていることが好ましい。例えば、画像印刷用アプリケーションソフトからのコマンド或いは画像形成装置本体に配置されるスイッチ等の操作により、用紙たわみ速度V或いは用紙たわみ形成時間tを変更することで、実際の使用条件に適した状態で用紙搬送することができるようにする。
例えば、一定の用紙たわみ量H1を形成するとき、或る用紙たわみ速度V1により、たわみ増加期間t1は決まり、たわみ保持期間は用紙サイズにより決まるが、使用する用紙の種類によってたわみ量が少なくなる場合、図7に示すたわみ補正時間tx無しの場合のように、設定たわみ量をH1からH2へ増やすことにより、たわみ速度が速度V1から速度V2へ大きくなり、たわみ量を大きくすることができる。
或いは、図8に示すたわみ補正時間tx有りの場合のように、補正時間txに或る値を設定することにより、たわみ速度を変えずにたわみ量を変えることもできる。また、規定外用紙長の用紙を搬送する場合、たわみ保持期間を増減することにより、一定の用紙たわみ量を形成することができる。
この場合、用紙たわみ量H、たわみ増加期間t1、たわみ補正時間tx、用紙たわみ速度V、とすると、たわみ量Hは、H=V・(t1+tx)、で表すことができる。この場合、たわみ補正時間無しの場合は、tx=0となる。
このように、用紙のたわみ形成が開始される時から所定時間経過後に用紙搬送ローラによる搬送速度を搬送ベルトによる搬送速度と同じに変更することによって、より高速で用紙搬送を行うことができる。
次に、本発明の更にまた他の実施形態について図9及び図10を参照して説明する。
この実施形態は、用紙サイズに応じて用紙搬送ローラ速度と用紙搬送ベルト速度の差を変更する例である。
ここでは、図9に示すように、用紙5の搬送方向用紙長Pから用紙搬送ローラ対33と従動ローラ26(ニップ部)間の距離Lを引いた値である、用紙たわみ形成可能区間(P−L)内に、或る用紙たわみ速度Vで徐々にたわみ量を増やして行き、用紙搬送ローラ対33から用紙5がはずれる寸前で目的とするたわみ量が形成される。
この実施形態は、用紙サイズに応じて用紙搬送ローラ速度と用紙搬送ベルト速度の差を変更する例である。
ここでは、図9に示すように、用紙5の搬送方向用紙長Pから用紙搬送ローラ対33と従動ローラ26(ニップ部)間の距離Lを引いた値である、用紙たわみ形成可能区間(P−L)内に、或る用紙たわみ速度Vで徐々にたわみ量を増やして行き、用紙搬送ローラ対33から用紙5がはずれる寸前で目的とするたわみ量が形成される。
したがって、この場合、たわみ保持期間は存在せず、目的とする用紙たわみ量が形成された後は、一気に用紙たわみ量は「0」となる。ここで、目的とする用紙たわみ量H1、用紙搬送ローラ速度Vr、用紙搬送ベルト速度Vbとすると、用紙搬送ローラ速度Vrは、Vr={(P−L)/((P−L)−H1)}・Vb、で表されるので、搬送方向用紙長Pから用紙搬送ローラ対33と従動ローラ26間の距離Lを引いた値は、用紙たわみ量H1より大きい必要がある。
そして、用紙搬送ローラ速度Vrから用紙搬送ベルト速度Vbを引いた値が用紙搬送ローラ相対速度Vrxとなり、Vrx={H1/(P−L)−H1}・Vb、で表すことができる。
一例として、用紙搬送ローラ対33と従動ローラ26間の距離Lが100[mm]、たわみ量H1が10[mm]、用紙搬送ベルト速度Vbが1000[mm/s]の場合の搬送方向用紙長Pに対する用紙搬送ローラ相対速度Vrxの変化を、図10に示している。
このように、用紙のサイズに応じて用紙搬送ローラによる搬送速度と搬送ベルトによる搬送速度の差を変更することによって、適切な量の用紙たわみを形成することができる。
1…画像形成ユニット
2…搬送ユニット
3…給紙搬送ユニット(給紙手段)
4…排紙ユニット
5…用紙
10…記録ヘッド
23…搬送ベルト(搬送手段)
26…従動ローラ
32…給紙ローラ
33…用紙搬送ローラ対
2…搬送ユニット
3…給紙搬送ユニット(給紙手段)
4…排紙ユニット
5…用紙
10…記録ヘッド
23…搬送ベルト(搬送手段)
26…従動ローラ
32…給紙ローラ
33…用紙搬送ローラ対
Claims (5)
- 用紙に画像を形成する画像形成手段と、
給紙された用紙を搬送する用紙搬送ローラと、
前記用紙搬送ローラの下流側に配置され、前記用紙を前記画像形成手段による画像形成位置に搬送する搬送ベルト及びこの搬送ベルトの入口側で前記搬送ベルトに対向する従動ローラと、を備え、
前記用紙搬送ローラと前記従動ローラとの間の距離が用紙搬送方向の用紙長より短く、かつ、前記用紙搬送ローラと前記従動ローラとの間の距離と用紙搬送方向の用紙長との差が前記用紙のたわみ量より大きく、
更に、前記用紙搬送ローラによる搬送速度が前記搬送ベルトの搬送速度より大きい
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、前記用紙のたわみ量を検出する検出手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項2に記載の画像形成装置において、前記用紙のたわみ量が所定値に達したときに前記用紙搬送ローラによる搬送速度を前記搬送ベルトによる搬送速度と同じに変更する手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1に記載の画像形成装置において、前記用紙が前記従動ローラに達した時から所定時間後に前記用紙搬送ローラによる搬送速度を前記搬送ベルトによる搬送速度と同じに変更する手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記用紙のサイズに応じて前記用紙搬送ローラによる搬送速度と前記搬送ベルトによる搬送速度の差を変更することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008040685A JP2009196768A (ja) | 2008-02-21 | 2008-02-21 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009196768A true JP2009196768A (ja) | 2009-09-03 |
Family
ID=41140729
Family Applications (1)
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JP2008040685A Pending JP2009196768A (ja) | 2008-02-21 | 2008-02-21 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009196768A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013224199A (ja) * | 2012-04-23 | 2013-10-31 | Konica Minolta Inc | 自動原稿搬送装置及び画像読取り装置 |
US9701502B2 (en) | 2014-04-25 | 2017-07-11 | Kyocera Document Solutions Inc. | Image forming apparatus |
JP2018158824A (ja) * | 2017-03-23 | 2018-10-11 | セイコーエプソン株式会社 | 媒体搬送装置、及び記録装置 |
-
2008
- 2008-02-21 JP JP2008040685A patent/JP2009196768A/ja active Pending
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JP2013224199A (ja) * | 2012-04-23 | 2013-10-31 | Konica Minolta Inc | 自動原稿搬送装置及び画像読取り装置 |
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