JP2009196600A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルト層をストリップの螺旋巻きにて成形する際、幅方向端部のストリップの積層枚数の周方向分布を均一にする方途の提供。
【解決手段】周方向ベルト層幅がタイヤ総幅の60%以上で、少なくとも1層の傾斜ベルト層幅が周方向ベルト層幅より広く、ベルト層を幅方向中央域2Cと端部域に区画し、端部域のコードの弾性率が中央域よりも低く、かつ端部域が少なくとも2層構造で、端部域は中央域に隣接する内側端IEから、1本または複数本のコードをゴムで被覆したストリップSを外周長の80%以上100%未満の周長で巻き付け、ベルト幅方向内側から外側に向かって、ストリップ幅SW以内の量をずらしながら巻き付けて、第一周を形成した後第二周を巻き付けた後、80〜90%の周長に巻き付け残りの10〜20%の周長に対して、幅方向外側から内側に向かって、ストリップ幅以内の量をずらしながら巻き付けて第三周を形成した後、第四周を巻き付ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、ベルトとして、コードやフィラメント等の補強素子がタイヤ赤道に沿う向きに延びる周方向ベルト層を有する空気入りタイヤ、特に、重荷重用空気入りタイヤに関するものである。
近年、車両の高速化や低床化の要求により、装着タイヤはより扁平化され、これに伴って標準内圧付与時のトレッド部の径方向成長量は一層増大してゆく傾向にある。このトレッド部における径方向成長量の増加は、ベルト端部での応力集中を増幅して当該部分での耐久性の低下を招くため、特にベルトエンドセパレーションを早期に発生させる要因となる。
すなわち、扁平比の小さいタイヤでは、内圧付与時のトレッド部、特にショルダー部近傍の径成長量が増大することが問題になるから、タイヤの周方向に配置した補強素子による周方向ベルト層にて径成長を抑制する技術が必要となる。
周方向ベルト層にて径成長を抑制する技術について、特許文献1には、カーカスの周りにタイヤ赤道に対し、10〜40゜の傾斜角にて互いにタイヤ赤道を挟み交差する多数のコード又はフィラメントを補強要素とする、少なくとも2層の傾斜ベルトを有し、さらに傾斜ベルトの下に位置する、少なくとも1層よりなり、波形もしくはジグザグ形をなす多数のコード又はフィラメントの補強要素を全体としてタイヤ赤道に沿う配向としたストリップによる周方向ベルト層を有する構造が開示されている。
特開平2−208101号公報
しかし、更に扁平比が小さくなった場合、具体的には、タイヤの断面幅に対する断面高さの比である扁平比が0.70以下の場合には、周方向ベルト層の幅を更に広げないと、所期した径成長の抑制が困難となる。ところが、周方向ベルト層幅を広げることは、以下の新たな問題をまねくことになる。
すなわち、周方向ベルト層幅を広げると、タイヤ走行に伴い、接地領域において周方向ベルト層の幅方向端部が周方向に曲げ変形してベルト層が周方向に伸びる結果生じる、引張入力(以下、引張振幅入力)が繰り返し強く作用することになり、その結果、周方向ベルト層の幅方向端部において、コードが疲労破断し易くなる。
このように、周方向ベルト層を広くした場合、最も問題となるのが、周方向ベルト層の幅方向端部における、コードの疲労破断である。これは、タイヤ走行に伴い、周方向ベルト層端部のコードに引張振幅入力が作用するためであり、引張振幅入力を抑制することが、この問題を解決するためには不可欠である。
また、耐摩耗性能を確保するには、傾斜ベルト層を周方向ベルト層より幅広に配置し、トレッド部の面内せん断剛性を高くする必要がある。
上記の問題を解決するものとして、出願人会社は先に、「周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、さらに、周方向ベルト層において、その幅方向端部側に配置されたコードの弾性率が当該コードの幅方向内側に配置されたコードの弾性率よりも低いことを特徴とする空気入りタイヤ」を開発し、特願2006−349481号明細書において提案した。
この技術は、周方向ベルト層に埋設したコードの幅方向の弾性率を調整することによって、コードの疲労破断を抑制して、ベルトの耐久性の向上を図ろうとするものである。さらに、傾斜ベルト層の幅を周方向ベルト層の幅よりも広くしてトレッド部の面内せん断剛性を高くして耐摩耗性能を確保している。
上記した特願2006−349481号明細書に提案の空気入りタイヤにおいて、周方向ベルト層の幅方向端部を、特に弾性率の低いコードをゴム被覆したストリップの螺旋巻きにて成形する際に、ストリップの積層枚数の周方向分布が不均一になり易く、所期したベルト耐久性の向上に繋がらない、おそれがあった。
すなわち、本発明は、上記した特願2006−349481号明細書に提案の空気入りタイヤの改良に係るものであり、上記の問題を未然に防ぐことによって、ベルト耐久性の一層の改善を図ることを目的とする。
発明者らは、前記周方向ベルト層の幅方向端部をストリップの螺旋巻きにて成形する際に、ストリップの積層枚数の周方向分布を均一にする方途について鋭意究明した結果、周方向ベルト層の幅方向端部におけるストリップの巻付け構造を工夫することが有効であることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを順に配置したベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
前記周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、
少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、
各周方向ベルト層を幅方向中央域と該幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、前記幅方向端部域に配置されたコードの弾性率が前記幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低く、
前記周方向ベルト層の幅方向端部域が少なくとも2層構造であって、該幅方向端部域は、前記幅方向中央域に隣接する内側端から、1本または複数本のコードをゴムで被覆したストリップを、前記カーカスのクラウン部外周長の80%以上100%未満の周長に対してタイヤの赤道面に沿って巻き付けたのち、一周長の残りの周長に対して、ベルトの幅方向内側から外側に向かって、ストリップ幅以内の移動量でずらしながら巻き付けて第一周を形成し、その後タイヤの赤道面に沿って第二周を巻き付け、引き続き前記カーカスのクラウン部外周長の80〜90%の周長に対してタイヤの赤道面に沿って巻き付けたのち、一周長の残りの10〜20%の周長に対して、ベルトの幅方向外側から内側に向かって、ストリップ幅以内の移動量でずらしながら巻き付けて第三周を形成し、その後タイヤの赤道面に沿って第四周を巻き付けて成ることを特徴とする空気入りタイヤ。
(2)前記ストリップの第一周および第三周のストリップの移動量がストリップ幅であることを特徴とする前記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)前記傾斜ベルト層の幅がタイヤの総幅の65%以上であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記低弾性率コードは、初期伸びを有する伸張性の金属コードであり、前記高弾性率コードは、非伸張の金属コードを直線状、波形状もしくはジグザグ状に型付けしたものであることを特徴とする前記(1)、(2)または(3)に記載の空気入りタイヤ。
(5)前記低弾性率コードが有機繊維コードであり、前記高弾性率コードが金属コードであることを特徴とする前記(1)から(4)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(6)前記低弾性率コードおよび前記高弾性率コードの引張歪み1.8%における、弾性率が、それぞれ、40GPa以上100GPa以下および80GPa以上210GPa以下の範囲にあることを特徴とする前記(1)から(5)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、周方向ベルト層幅を広げて、特に扁平比の小さいタイヤで顕著なトレッド部の径成長を抑制し、周方向ベルト層に埋設したコードの弾性率を調整することにより、特に周方向ベルト層端部におけるコードの疲労破断を抑制して、ベルトの耐久性能を大幅に向上した、扁平比の小さいタイヤを提供することができる。
また、傾斜ベルト層を周方向ベルト層より幅広に配置し、トレッド部の面内せん断剛性を高くしたため、優れた耐摩耗性能を確保することが可能である。
さらに、本発明に従ってストリップの巻回を工夫することによって、周方向ベルト層の幅方向端部域を広範囲にわたって径方向確実に積層される構造を与えることができるため、コードにかかる応力が均一化され、上記したベルトの耐久性を一層向上することが可能である。
以下に、本発明の空気入りタイヤについて、図面を参照して詳しく説明する。
図1は、本発明に従うタイヤの幅方向断面である。一対のビード部(図示せず)間にトロイダル状に跨るカーカス1のクラウン部の径方向外側には、タイヤ赤道CLに沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層、図示例で2層の周方向ベルト層2aおよび2bと、タイヤ赤道CLに対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層を層間でコード相互が交差する向きに配置した、図示例で2層の傾斜ベルト層3aおよび3bとを順に積層したベルト4を有し、さらに該ベルト4の径方向外側にトレッド5を配置している。
周方向ベルト層2aおよび2bの幅BWは、タイヤの総幅TWの60%以上に設定することが好ましく、さらに、70%以上に設定することがより好ましい。なぜなら、径成長の大きい領域は、タイヤ総幅TWの60%〜70%の領域までであることから、その領域には、径成長を抑制する周方向ベルト層を配置する必要があるためである。周方向ベルト層2aおよび2bの幅BWの上限は、タイヤ形状を規定の寸法内に収めることの制約から、90%とすることが好ましい。
また、少なくとも1層の傾斜ベルト層、図示例では傾斜ベルト層3aの幅BW3aを周方向ベルト層2aおよび2bの幅BWよりも広くする必要がある。なぜなら、タイヤの摩耗性能およびコーナリング性能に必要なトレッド部の面内剪断剛性を確保するためである。
残る傾斜ベルト層3bの幅BW3bは、周方向ベルト層2a、2bより幅広く配置することが、トレッド部の面内剪断剛性を向上させ、特にタイヤの摩耗性能を向上させる上で好ましい。また、図1に示した例では、傾斜ベルト層3aの幅BW3aが同3bの幅BW3bよりも広いが、このように、異なる幅に設定することが好ましい。なぜなら、同一幅になると急激な剛性変化を伴うため、ベルト層端部での耐セパレーション性が悪化する懸念があるからである。
また、傾斜ベルト層3a、3bの幅がタイヤの総幅TWの65%以上であることが好ましい。なぜなら、タイヤ総幅TWの65%以上の範囲で傾斜ベルト層3aのコードと同3bのコードとが交差することにより、摩耗性能を維持するためである。また、傾斜ベルト層3a、3bの幅の上限は、タイヤ形状を規定の寸法内に収めることの制約から、90%とすることが好ましい。
なお、傾斜ベルト層のコードはタイヤ赤道CLに対して40°以上、好ましくは50°以上傾斜していると、摩耗性能と耐久性能を両立可能である。なぜなら、傾斜ベルト層のコードのタイヤ赤道CLに対する傾斜角度が40°未満では、タイヤ接地時の傾斜ベルト層の変形が大きくなり、傾斜ベルト層と周方向ベルト層間ゴムの歪負担が大きくなる結果、該層間でのセパレーションが発生しやすくなるからである。
なお、図1に示した例では、周方向ベルト層2aと2bとの幅は同じであるが、異なる幅にしてもよい。特に、周方向ベルト層の幅方向中央部の強度を大きくした場合には、1層だけ幅を広く配置し、もう1層は幅を狭くしても良い。
また、周方向ベルト層の幅を広くすると、周方向ベルト層の幅方向外側端部において、コードの疲労破断が発生し易くなり、十分に満足するタイヤ寿命を得ることが難しい。これは、タイヤ走行に伴い、周方向ベルト層端部のコードに引張方向の振幅入力が作用するためであり、この引張振幅入力を抑制することが、この問題を解決するためには不可欠である。
そこで、本発明では、周方向ベルト層の幅方向端部において、該幅方向外側に配置されたコードの弾性率を当該コードの幅方向内側に配置されたコードの弾性率よりも低くすることによって、上記した周方向ベルト層端部に集中する引張振幅入力を抑制する。
すなわち、走行中のタイヤでは、周方向ベルト層端部に引張振幅入力が作用する。この引張振幅入力は、タイヤのトレッド端部側の接地面において、コードが周方向に伸ばされて引張最大応力が作用し、トレッド端部の非接地域ではほぼ内圧充填時の引張応力が作用するためである。この引張応力の振幅を抑制するには、タイヤの負担を軽くする(タイヤの撓み量を小さくする)ことが考えられるが、この手法ではタイヤの乗り心地性を満足させることはできない。
すなわち、接地面内においてコードがタイヤの周方向に伸ばされたとき、該接地面に対応する周方向ベルト層の幅方向端部における、コードの弾性率が低ければ、コードにかかる引張応力は低くなる。しかし、周方向ベルト層の全てのコードの弾性率を低くしてしまうと、内圧充填による径方向成長量が大きくなり、タイヤの形状保持が困難になる。そこで、周方向ベルト層の幅方向において、その端部付近に相当する幅方向外側のコード弾性率を、同幅方向内側のコードの弾性率よりも低くすることによって、内圧充填時の径方向成長量の増加を極力同じにすれば、接地面における、周方向ベルト層の幅方向端部の応力振幅は効果的に抑制される結果、コードの疲労破断を抑制することができる。
なお、周方向ベルト層の幅方向外側に配置されたコードの弾性率は、当該コードの幅方向内側に配置されたコードの弾性率に対して、0.3〜0.8倍であることが、上記引張応力の振幅抑制に有効である。
ここで、図1(b)、(c)に周方向ベルト層の平面展開図を示すように、各周方向ベルト層を、幅方向中央域2Cとこの幅方向中央域2Cの幅方向外側に位置する幅方向端部域2E、2Eとに区画した際、幅方向端部域2E、2Eに配置されたコード6の弾性率を幅方向中央域2Cに配置されたコード7の弾性率よりも低くする。
すなわち、図1において周方向ベルト層2a、2bとして示すコード配列は、周方向ベルト層の幅方向端部域2E、2Eに、幅方向中央域2Cに配置されるコード7対比で弾性率の低いコード(以下、「低弾性率コード」という)6を複数本配置し、この低弾性率コード6のベルト幅方向内側の幅方向中央域2Cに、低弾性率コード6よりも弾性率の高いコード(以下、「高弾性率コード」という)7の複数本を配置したものである。
このように、本発明に従う周方向ベルト層としては、幅方向端部域2E、2Eに低弾性率コード6を1〜数十本配置し、幅方向中央域2Cに高弾性率コード7を配置することを基本とする。
また、各幅方向端部域2E、2Eの幅tは、周方向ベルト層の幅BWの5%〜20%であることが好ましい。なぜなら、幅tが全幅の5%未満では、周方向ベルト層への応力振幅の大きい領域に弾性率の高いコードが存在してしまう為に未だ破断する可能性が高く、一方20%を超えると、径成長の増大を抑制するのが難しくなるからである。
さらに、前記周方向ベルト層2a、2bの幅方向端部域2E、2Eは、少なくとも2層構造であって、1本または複数本のコードをゴムで被覆したストリップSを、カーカス1のクラウン部に巻き回して成形する。この成形の手順について、幅方向端部域2Eの場合を例に、図2を参照して以下に説明する。
すなわち、図2(a)に示すように、1本または複数本のコードをゴムで被覆したストリップSを、幅方向端部域2Eの幅方向中央域2Cに隣接する内側端IEからベルトの幅方向内側から外側に向かって、前記カーカス1のクラウン部外周長Lの80%以上100%未満の周長に対してタイヤの赤道面CLに沿って巻き付けたのち、一周長の残りの周長、つまり一周長の20%以下の周長に対して、ベルトの幅方向内側から外側に向かって、ストリップSの幅SW以内の移動量でずらしながら巻き付けて第一周を形成する。図示例では、カーカス1のクラウン部外周長Lの90%の周長に対して、タイヤの赤道面CLに沿って巻き付けたのち、一周長の残りの10%の周長に対して、ベルトの幅方向内側から外側に向かって、ストリップSの幅SWの移動量でずらしながら巻き付けている。
その後、図2(b)に示すように、タイヤの赤道面CLに沿って第二周を巻き付け、引き続き図2(c)に示すように、カーカス1のクラウン部外周長Lの80%以上100%未満の周長に対してタイヤの赤道面CLに沿って巻き付けたのち、一周長の残りの周長、つまり一周長の20%以下の周長に対して、ベルトの幅方向外側から内側に向かって、ストリップ幅SW以内の移動量でずらしながら巻き付けて第三周を形成する。図示例では、カーカス1のクラウン部外周長Lの90%の周長に対して、タイヤの赤道面CLに沿って巻き付けたのち、一周長の残りの10%の周長に対して、ベルトの幅方向内側から外側に向かって、ストリップSの幅SWの移動量でずらしながら巻き付けている。
最後に、図2(d)に示すように、タイヤの赤道面CLに沿って第四周を巻き付けて成形される。
かように、幅方向端部域2E、2Eを2層にわたって形成することによって、幅方向端部域では、径方向に確実に2層となる範囲が拡大するため、当該域における低弾性率コードに加わる応力を抑制することができる。すなわち、上記外周長Lのほとんどの部分をタイヤの赤道面CLに沿って巻き付けているため、大部分を径方向に重なる積層構造にすることができ、径方向に確実に2層となる範囲が拡大するのである。
ここで、カーカス1のクラウン部外周長Lの80%以上100%未満の周長に対してタイヤの赤道面に沿って巻き付けたのち、一周長の残り周長に対して、ストリップ幅SW以内の移動量でずらすのは、タイヤの赤道面に沿って巻き付ける領域を出来る限り拡大するためである。従って、カーカス1のクラウン部外周長の0.1%の周長に対してストリップSの幅SWの移動量でずらすことが好ましい。
また、周方向ベルト層2a、2bにおける幅方向中央域2Cは、複数本の高弾性率コード7のゴム引き布であるストリップを、カーカス1のクラウン部に巻き付けるか、または部分的に重ねながららせん状に巻回する、いわゆる包帯巻きによって成形することが好ましい。
さらに、低弾性率コード6には、例えば、金属製の弾性コード、すなわち複撚りの4×0.28mm+6×0.25mmのコード、いわゆるハイエロンゲーションコードが好適であり、高弾性率コード7には、波状もしくはジグザグ状の型付けを施したコード(図1(b)、(c)における周方向ベルト層2a、2bの構造を参照)、いわゆる波形コード、又は金属製の非伸張コード、すなわち層撚り(3+9+15)×0.23mmのコードが好適である。ハイエロンゲーションコードの引張歪1.8%における弾性率は、波状もしくはジグザグ状の型付けを施したコード、又は金属製の非伸張コードよりも小さいことが一般的である。
なお、接地面内における引張歪はおおよそ1.8%程度であることが実測値として知られているから、コード弾性率は、この引張歪1.8%でのコード弾性率を規定する。
ちなみに、コードの弾性率とは、空気入りタイヤを解体して採り出したゴム被覆状態のコードについて、引張り試験を行い、その結果から応力−歪み線図を作成し、該線図における歪みが1.8%における接線の勾配(傾き)を算出し、その値をコードの断面積で除した値である。
また、高弾性率コード6に有機繊維コードを用いて、低弾性率コード7に金属製コードを用いても、上述の弾性率の条件を満足できる。
高弾性率コード6の弾性率は、引張歪み1.8%において、40GPa以上100GPa以下の範囲にあることが好ましい。弾性率が40GPaより低い場合、内圧充填による径成長が抑制できない可能性があり、100GPaより高い場合、タイヤ転動時にかかるコードへの入力(応力振幅)により、コードが破断し、タイヤ内圧を保持することが難しくなる可能性がある。
低弾性率コード7の弾性率は、引張歪み1.8%において、80GPa以上210GPa以下の範囲にあることが好ましい。弾性率が80GPaより低い場合、内圧充填による径成長が抑制できない可能性があり、210GPaより高い場合、タイヤ転動時にかかるコードへの入力(応力振幅)により、コードが破断しやすくなり、タイヤ内圧を保持することが難しくなる可能性がある。
図1(a)に示したベルト構造を有する建設車両用タイヤを、表1に示す仕様の下にサイズ495/45R22.5で試作し、各試作タイヤについて、耐久試験および摩耗試験を行った。
いずれの試作タイヤも2層の傾斜ベルト層を有し、さらに発明例タイヤ1および2と比較例タイヤ2〜4とは、低弾性率コードを配置した幅方向端部域2E、2Eと、高弾性率コードを配置した幅方向中央域2Cとから周方向ベルト層を有し、従来例タイヤおよび比較例タイヤ1は、高弾性率コードを全幅にわたって配置した周方向ベルト層を有する。
これら試作タイヤを、サイズ17.00×22.5のリムに組み込み、内圧を900kPaに調整した上で、荷重:5800kgおよびドラム回転速度:60.0km/hの条件にてドラム走行を30000kmの距離で実施し、その後、タイヤを解剖して周方向ベルト層におけるコードの疲労強度を測定し、耐久性能を評価した。疲労強度は新品時の従来例タイヤの強度を100として指数で表し、数値が大きいほど疲労強度が大きいこと、すなわち、耐久性能が良好であることを示している。
同時に、トレッド摩耗量を測定しトレッド残量を計算にて求めた(摩耗試験)。トレッド残量は従来例タイヤのトレッド残量を100とした指数の逆数で表し、数値が大きいほど摩耗量が少ない、すなわち、耐摩耗性能が良好であることを示している。
なお、コードの弾性率は、コードをインストロン型引張試験機による引張試験に供し、そのときの引張歪1.8%でのコード弾性率である。
傾斜ベルト層には、(1+6)×0.32mmの層撚りのコードを打ち込み数24.5本/50mmで適用した。
周方向ベルト層の幅方向端部域2E、2Eには4×(1×0.28mm+6×0.25mm)の高伸長性コードを打ち込み数20本/50mmで波形のコードを適用し、幅方向中央域2Cには(3+9+15)×0.23mmの波状の非伸長コードを打ち込み数22.5本/50mmで適用した。
Figure 2009196600
表1から、発明例タイヤ1および2は、周方向ベルト層の幅方向端部域における積層構造が適正であるため、耐久性能ならびに耐摩耗性が向上したことがわかる。
(a)は本発明に従うタイヤの幅方向断面図であり、(b)、(c)はベルトの展開図である。 周方向ベルト層の幅方向端部域の成形手順を示す図である。
符号の説明
1 カーカス
2a、2b 周方向ベルト層
2C 幅方向中央域
2E、2E 幅方向端部域
3a、3b 傾斜ベルト層
4 ベルト
5 トレッド
6、7 コード
S ストリップ
CL タイヤ赤道

Claims (6)

  1. 一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを順に配置したベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
    前記周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、
    少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、
    各周方向ベルト層を幅方向中央域と該幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、前記幅方向端部域に配置されたコードの弾性率が前記幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低く、
    前記周方向ベルト層の幅方向端部域が少なくとも2層構造であって、該幅方向端部域は、前記幅方向中央域に隣接する内側端から、1本または複数本のコードをゴムで被覆したストリップを、前記カーカスのクラウン部外周長の80%以上100%未満の周長に対してタイヤの赤道面に沿って巻き付けたのち、一周長の残りの周長に対して、ベルトの幅方向内側から外側に向かって、ストリップ幅以内の移動量でずらしながら巻き付けて第一周を形成し、その後タイヤの赤道面に沿って第二周を巻き付け、引き続き前記カーカスのクラウン部外周長の80〜90%の周長に対してタイヤの赤道面に沿って巻き付けたのち、一周長の残りの10〜20%の周長に対して、ベルトの幅方向外側から内側に向かって、ストリップ幅以内の移動量でずらしながら巻き付けて第三周を形成し、その後タイヤの赤道面に沿って第四周を巻き付けて成ることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ストリップの第一周および第三周のストリップの移動量がストリップ幅であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記傾斜ベルト層の幅がタイヤの総幅の65%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記低弾性率コードは、初期伸びを有する伸張性の金属コードであり、前記高弾性率コードは、非伸張の金属コードを直線状、波形状もしくはジグザグ状に型付けしたものであることを特徴とする請求項1、2または3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記低弾性率コードが有機繊維コードであり、前記高弾性率コードが金属コードであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記低弾性率コードおよび前記高弾性率コードの引張歪み1.8%における、弾性率が、それぞれ、40GPa以上100GPa以下および80GPa以上210GPa以下の範囲にあることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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