JP2009166664A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】トレッド部の径成長を抑制し、ベルトの耐久性能および摩耗性能を向上し、さらに、突起乗り越し性能を向上した空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】1層以上の周方向ベルト層と、2層以上の傾斜ベルト層とを順に配置して成るベルトを有するタイヤであって、周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、ベルト幅方向端部域に配置されたコードの弾性率がベルト幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低く、幅方向中央域は高弾性率コードをゴムで被覆したストリップを、らせん状に、かつ部分的に重ねながら巻回して成り、幅方向端部域は低弾性率コードをゴムで被覆したストリップを巻回して成り、周方向ベルト層の、幅方向最外側に配置された高弾性率コードのストリップの一部が、これと隣接する低弾性率コードのストリップの少なくとも一部とタイヤ径方向に重なる。
【選択図】図1
【解決手段】1層以上の周方向ベルト層と、2層以上の傾斜ベルト層とを順に配置して成るベルトを有するタイヤであって、周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、ベルト幅方向端部域に配置されたコードの弾性率がベルト幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低く、幅方向中央域は高弾性率コードをゴムで被覆したストリップを、らせん状に、かつ部分的に重ねながら巻回して成り、幅方向端部域は低弾性率コードをゴムで被覆したストリップを巻回して成り、周方向ベルト層の、幅方向最外側に配置された高弾性率コードのストリップの一部が、これと隣接する低弾性率コードのストリップの少なくとも一部とタイヤ径方向に重なる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ベルトとして、コードやフィラメント等の補強素子がタイヤ赤道に沿う向きに延びる周方向ベルト層を有する空気入りタイヤ、特に、重荷重用空気入りタイヤに関するものである。
近年、車両の高速化や低床化の要求により、装着タイヤはより扁平化され、これに伴って標準内圧付与時のトレッド部の径方向成長量は一層増大してゆく傾向にある。このトレッド部における径方向成長量の増加は、ベルト端部での応力集中を増幅して当該部分での耐久性の低下を招くため、特にベルトエンドセパレーションを早期に発生させる要因となる。
すなわち、扁平比の小さいタイヤでは、内圧付与時のトレッド部、特にショルダー部近傍の径成長量が増大することが問題になるから、タイヤの周方向に配置した補強素子による周方向ベルト層にて径成長を抑制する技術が必要となる。
すなわち、扁平比の小さいタイヤでは、内圧付与時のトレッド部、特にショルダー部近傍の径成長量が増大することが問題になるから、タイヤの周方向に配置した補強素子による周方向ベルト層にて径成長を抑制する技術が必要となる。
周方向ベルト層にて径成長を抑制する技術について、特許文献1には、カーカスの周りにタイヤ赤道に対し、10〜40゜の傾斜角にて互いにタイヤ赤道を挟み交差する多数のコード又はフィラメントを補強要素とする、少なくとも2層の傾斜ベルトを有し、さらに傾斜ベルトの下に位置する、少なくとも1層よりなり、波形もしくはジグザグ形をなす多数のコード又はフィラメントの補強要素を全体としてタイヤ赤道に沿う配向としたストリップによる周方向ベルト層を有する構造が開示されている。
しかし、更に扁平比が小さくなった場合、具体的には、タイヤの断面幅に対する断面高さの比である扁平比が0.70以下の場合には、周方向ベルト層の幅を更に広げないと、所期した径成長の抑制が困難となる。ところが、周方向ベルト層幅を広げることは、以下の新たな問題をまねくことになる。
すなわち、周方向ベルト層幅を広げると、タイヤ走行に伴い、接地領域において周方向ベルト層の幅方向端部が周方向に曲げ変形してベルト層が周方向に伸びる結果生じる、引張入力(以下、引張振幅入力)が繰り返し強く作用することになり、その結果、周方向ベルト層の幅方向端部において、コードが疲労破断し易くなる。周方向ベルト層のコードが疲労破断すると、周方向張力を負担出来なくなり、タイヤ形状保持が不可能となり、その使用が困難になる。
周方向ベルト層を広くした場合、最も問題となるのが、周方向ベルト層の幅方向端部における、コードの疲労破断である。これは、タイヤ走行に伴い、周方向ベルト層端部のコードに引張振幅入力が作用するためであり、引張振幅入力を抑制することが、この問題を解決するためには不可欠である。
そこで、前記引張振幅入力を抑制するための方法を鋭意究明した結果、周方向ベルト層に埋設したコードの弾性率を調整することが、コードの疲労破断を抑制するのに極めて有効であることが判明した。
そこで、本発明の目的は、特に周方向ベルト層端部におけるコードの耐疲労性を向上することによって、ベルトの耐久性を高め、さらに摩耗性能および突起乗り越し性能も向上する空気入りタイヤ、中でも扁平比の小さい重荷重用ラジアルタイヤを提供することにある。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを順に配置して成るベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
前記周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、
少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、
各周方向ベルト層を、幅方向中央域と該幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、前記幅方向端部域に配置されたコードの弾性率が前記幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低く、
前記周方向ベルト層の幅方向中央域は、1本または複数本の高弾性率コードをゴムで被覆したストリップを、らせん状に、かつ部分的に重ねながら巻回して成り、
前記周方向ベルト層の幅方向端部域は、1本または複数本の低弾性率コードをゴムで被覆したストリップを、巻回して成り、
前記周方向ベルト層の、幅方向最外側に配置された高弾性率コードのストリップの一部が、これと隣接する低弾性率コードのストリップの少なくとも一部とタイヤ径方向に重なる、
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
(1)一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを順に配置して成るベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
前記周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、
少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、
各周方向ベルト層を、幅方向中央域と該幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、前記幅方向端部域に配置されたコードの弾性率が前記幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低く、
前記周方向ベルト層の幅方向中央域は、1本または複数本の高弾性率コードをゴムで被覆したストリップを、らせん状に、かつ部分的に重ねながら巻回して成り、
前記周方向ベルト層の幅方向端部域は、1本または複数本の低弾性率コードをゴムで被覆したストリップを、巻回して成り、
前記周方向ベルト層の、幅方向最外側に配置された高弾性率コードのストリップの一部が、これと隣接する低弾性率コードのストリップの少なくとも一部とタイヤ径方向に重なる、
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
(2)前記傾斜ベルト層の幅がタイヤの総幅の65%以上であることを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)前記低弾性率コードは、初期伸びを有する伸張性の金属コードであり、
前記高弾性率コードは、非伸張の金属コードを直線状、波形状もしくはジグザグ状に型付けしたものである、
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の空気入りタイヤ。
前記高弾性率コードは、非伸張の金属コードを直線状、波形状もしくはジグザグ状に型付けしたものである、
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記低弾性率コードが有機繊維コードであり、
前記高弾性率コードが金属コードである、
ことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
前記高弾性率コードが金属コードである、
ことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(5)前記低弾性率コードおよび前記高弾性率コードの引張歪み1.8%における、弾性率が、それぞれ、40GPa以上100GPa以下および80GPa以上210GPa以下の範囲にあることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、周方向ベルト層幅を広げて、特に扁平比の小さいタイヤで顕著なトレッド部の径成長を抑制し、周方向ベルト層に埋設したコードの弾性率を調整することにより、特に周方向ベルト層端部におけるコードの疲労破断を抑制して、ベルトの耐久性能を大幅に向上するとともに、周方向ベルト層に対する傾斜ベルト層の幅を規定することにより摩耗性能を向上した、扁平比の小さいタイヤを提供することができる。
さらに、周方向ベルト層は、その幅方向中央域では高弾性率コードのストリップを、らせん状にかつ部分的に重ねながら巻回し、幅方向端部域では、低弾性率コードのストリップを、巻回して成形することにより、製造コストを抑えつつ、突起乗り越し性能を向上し、また、幅方向最外側に配置された高弾性率コードのストリップの一部を、隣接する低弾性率コードのストリップの少なくとも一部とタイヤ径方向に重ねることにより、耐偏摩耗性能を向上した空気入りタイヤを提供することができる。
さらに、周方向ベルト層は、その幅方向中央域では高弾性率コードのストリップを、らせん状にかつ部分的に重ねながら巻回し、幅方向端部域では、低弾性率コードのストリップを、巻回して成形することにより、製造コストを抑えつつ、突起乗り越し性能を向上し、また、幅方向最外側に配置された高弾性率コードのストリップの一部を、隣接する低弾性率コードのストリップの少なくとも一部とタイヤ径方向に重ねることにより、耐偏摩耗性能を向上した空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、本発明の空気入りタイヤの実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
図1は本発明に従うタイヤの幅方向断面である。一対のビード部(図示せず)間にトロイダル状に跨るカーカス1のクラウン部の径方向外側には、タイヤ赤道CLに沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層、図示例で2層の周方向ベルト層2aおよび2bと、タイヤ赤道CLに対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層を層間でコード相互が交差する向きに配置した、図示例で2層の傾斜ベルト層3aおよび3bとを順に積層したベルト4を有し、さらに該ベルト4の径方向外側にトレッド5を配置している。
図1は本発明に従うタイヤの幅方向断面である。一対のビード部(図示せず)間にトロイダル状に跨るカーカス1のクラウン部の径方向外側には、タイヤ赤道CLに沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層、図示例で2層の周方向ベルト層2aおよび2bと、タイヤ赤道CLに対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層を層間でコード相互が交差する向きに配置した、図示例で2層の傾斜ベルト層3aおよび3bとを順に積層したベルト4を有し、さらに該ベルト4の径方向外側にトレッド5を配置している。
周方向ベルト層2aおよび2bの幅BW2は、タイヤの総幅TWの60%以上に設定することが好ましく、さらに、70%以上に設定することがより好ましい。なぜなら、径成長の大きい領域は、タイヤ総幅TWの60%〜70%の領域までであることから、その領域には、径成長を抑制する周方向ベルト層を配置する必要があるためである。周方向ベルト層2aおよび2bの幅BW2の上限は、タイヤ形状を規定の寸法内に収めることの制約から、90%とすることが好ましい。
また、少なくとも1層の傾斜ベルト層、図示例では傾斜ベルト層3aの幅BW3aを周方向ベルト層2a、2bの幅BW2よりも広くする必要がある。なぜなら、タイヤの摩耗性能およびコーナーリング性能に必要なトレッド部の面内剪断剛性を確保するためである。
残る傾斜ベルト層3bの幅BW3bは、周方向ベルト層2a、2bより幅広く配置することが、トレッド部の面内剪断剛性を向上させ、特にタイヤの摩耗性能を向上させる上で好ましい。また、図1に示した例では、傾斜ベルト層3aの幅BW3aが同3bの幅BW3bよりも広いが、このように、異なる幅に設定することが好ましい。なぜなら、同一幅になると急激な剛性変化を伴うため、ベルト層端部での耐セパレーション性が悪化する懸念があるためである。
残る傾斜ベルト層3bの幅BW3bは、周方向ベルト層2a、2bより幅広く配置することが、トレッド部の面内剪断剛性を向上させ、特にタイヤの摩耗性能を向上させる上で好ましい。また、図1に示した例では、傾斜ベルト層3aの幅BW3aが同3bの幅BW3bよりも広いが、このように、異なる幅に設定することが好ましい。なぜなら、同一幅になると急激な剛性変化を伴うため、ベルト層端部での耐セパレーション性が悪化する懸念があるためである。
また、傾斜ベルト層3a、3bの幅がタイヤの総幅TWの65%以上であることが好ましい。なぜなら、タイヤ総幅TWの65%以上の範囲で傾斜ベルト層3aのコードと同3bのコードとが交差することにより、摩耗性能を維持するためである。また、傾斜ベルト層3a、3bの幅の上限は、タイヤ形状を規定の寸法内に収めることの制約から、90%とすることが好ましい。
傾斜ベルト層のコードはタイヤ赤道CLに対して40°以上、好ましくは50°以上傾斜していると、摩耗性能と耐久性能を両立可能である。なぜなら、傾斜ベルト層のコードのタイヤ赤道CLに対する傾斜角度が40°未満では、タイヤ走行中の接地領域において、傾斜ベルトの周方向変形が大きくなり、前記周方向ベルト端部と傾斜ベルト層間のゴムのせん断変形が大きくなる。これにより、ゴムが破壊されタイヤの耐久性は著しく低下するおそれがあるからである。
傾斜ベルト層のコードはタイヤ赤道CLに対して40°以上、好ましくは50°以上傾斜していると、摩耗性能と耐久性能を両立可能である。なぜなら、傾斜ベルト層のコードのタイヤ赤道CLに対する傾斜角度が40°未満では、タイヤ走行中の接地領域において、傾斜ベルトの周方向変形が大きくなり、前記周方向ベルト端部と傾斜ベルト層間のゴムのせん断変形が大きくなる。これにより、ゴムが破壊されタイヤの耐久性は著しく低下するおそれがあるからである。
なお、図1に示した例では、周方向ベルト層2aと2bとの幅は同じであるが、異なる幅にしてもよい。特に、周方向ベルト層の幅方向中央部の強度を大きくした場合には、1層だけ幅を広く配置し、もう1層は幅を狭くしても良い。
また、周方向ベルト層の幅を広くすると、周方向ベルト層の幅方向外側端部において、コードの疲労破断が発生し易くなり、十分に満足するタイヤ寿命を得ることが難しい。これは、タイヤ走行に伴い、周方向ベルト層端部のコードに引張方向の振幅入力が作用するためであり、この引張振幅入力を抑制することが、この問題を解決するためには不可欠である。そこで、本発明では、周方向ベルト層の幅方向端部において、該幅方向外側に配置されたコードの弾性率を当該コードの幅方向内側に配置されたコードの弾性率よりも低くすることによって、上記した周方向ベルト層端部に集中する引張振幅入力を抑制する。
すなわち、走行中のタイヤでは、周方向ベルト層端部に引張振幅入力が作用する。この引張振幅入力は、タイヤのトレッド端部側の接地面において、コードが周方向に伸ばされて引張最大応力が作用し、トレッド端部の非接地域ではほぼ内圧充填時の引張応力が作用するためである。この引張応力の振幅を抑制するには、タイヤの負担を軽くする(タイヤの撓み量を小さくする)ことが考えられるが、この手法ではタイヤの乗り心地性を満足させることはできない。
そこで、接地面内においてコードがタイヤの周方向に伸ばされたとき、該接地面に対応する周方向ベルト層の幅方向端部における、コードの弾性率が低ければ、コードにかかる引張応力は低くなる。しかし、周方向ベルト層の全てのコードの弾性率を低くしてしまうと、内圧充填による径方向成長量が大きくなり、タイヤの形状保持が困難になる。そこで、周方向ベルト層の幅方向において、その端部付近に相当する幅方向外側のコード弾性率を、同幅方向内側のコードの弾性率よりも低くすることによって、内圧充填時の径方向成長量の増加を極力同じにすれば、接地面における、周方向ベルト層の幅方向端部の応力振幅は効果的に抑制される結果、コードの疲労破断を抑制することができる。
なお、周方向ベルト層の幅方向外側に配置されたコードの弾性率は、当該コードの幅方向内側に配置されたコードの弾性率に対して、0.3〜0.8倍であることが、上記引張応力の振幅抑制に有効である。
ここで、図1(b)、(c)に周方向ベルト層の平面展開図を示すように、各周方向ベルト層を、幅方向中央域2Cとこの幅方向中央域2Cの幅方向外側に位置する幅方向端部域2E1、2E2とに区画した際、幅方向端部域2E1、2E2に配置されたコード6の弾性率を幅方向中央域2Cに配置されたコード7の弾性率よりも低くする。
すなわち、図1において周方向ベルト層2a、2bとして示すコード配列は、周方向ベルト層の幅方向端部域2E1、2E2に、幅方向中央域2Cに配置されるコード7対比で弾性率の低いコード(以下、「低弾性率コード」という)6を複数本配置し、この低弾性率コード6のベルト幅方向内側の幅方向中央域2Cに、低弾性率コード6よりも弾性率の高いコード(以下、「高弾性率コード」という)7の複数本を配置したものである。
このように、本発明に従う周方向ベルト層としては、幅方向端部域2E1、2E2に低弾性率コード6を1〜数十本配置し、幅方向中央域2Cに高弾性率コード7を配置することを基本とする。
このように、本発明に従う周方向ベルト層としては、幅方向端部域2E1、2E2に低弾性率コード6を1〜数十本配置し、幅方向中央域2Cに高弾性率コード7を配置することを基本とする。
また、各幅方向端部域2E1、2E2の幅tは、周方向ベルト層の幅BW2の5%〜20%であることが好ましい。なぜなら、幅tが全幅の5%未満では、周方向ベルト層への応力振幅の大きい領域に弾性率の高いコードが存在してしまう為に未だ破断する可能性が高く、一方20%を超えると、径成長の増大を抑制するのが難しくなるからである。
図2に、図1に示した周方向ベルト層の幅方向断面の部分拡大図を示す。
図2の例では、周方向ベルト層2a、2bにおける幅方向中央域2Cは、6本の高弾性率コード7のゴム引き布であるストリップ7Sを、部分的に重ねながららせん状に巻回する、いわゆる包帯巻きによって成形して成る。また、周方向ベルト層2a、2bにおける幅方向端部域2E2は、3本の低弾性率コード6のゴム引き布であるストリップ6Sを巻回して成るベルト構造である。
ここで、周方向ベルト層2a、2bの成形方法について説明する。まず、周方向ベルト層2bの幅方向端部域2E2は、低弾性率コード6のゴム引き布であるストリップ6Sを、ベルトの幅方向内側から外側に向かってらせん状にストリップ幅のピッチでずらしながら巻きつけて成形する。引き続き、このストリップ6Sを周方向ベルト層2bの幅方向端部域2E2の外周に沿って、周方向ベルト層2aの幅方向端部域2E2の幅方向外側から内側に向かってらせん状にストリップ幅のピッチでずらしながら巻きつけ周方向ベルト層2aの幅方向端部域2E2を成形する。ここで、周方向ベルト層2bの幅方向端部域2E2に対して周方向ベルト層2aの幅方向端部域2E2の幅が狭くなるように、図示例ではストリップ6Sの幅分だけ狭くなるように、周方向ベルト層2a、2b毎に幅方向端部域2E2の各幅を調整する。
図2の例では、周方向ベルト層2a、2bにおける幅方向中央域2Cは、6本の高弾性率コード7のゴム引き布であるストリップ7Sを、部分的に重ねながららせん状に巻回する、いわゆる包帯巻きによって成形して成る。また、周方向ベルト層2a、2bにおける幅方向端部域2E2は、3本の低弾性率コード6のゴム引き布であるストリップ6Sを巻回して成るベルト構造である。
ここで、周方向ベルト層2a、2bの成形方法について説明する。まず、周方向ベルト層2bの幅方向端部域2E2は、低弾性率コード6のゴム引き布であるストリップ6Sを、ベルトの幅方向内側から外側に向かってらせん状にストリップ幅のピッチでずらしながら巻きつけて成形する。引き続き、このストリップ6Sを周方向ベルト層2bの幅方向端部域2E2の外周に沿って、周方向ベルト層2aの幅方向端部域2E2の幅方向外側から内側に向かってらせん状にストリップ幅のピッチでずらしながら巻きつけ周方向ベルト層2aの幅方向端部域2E2を成形する。ここで、周方向ベルト層2bの幅方向端部域2E2に対して周方向ベルト層2aの幅方向端部域2E2の幅が狭くなるように、図示例ではストリップ6Sの幅分だけ狭くなるように、周方向ベルト層2a、2b毎に幅方向端部域2E2の各幅を調整する。
次に、高弾性率コード7の6本をゴム引きしたストリップ7Sを、周方向ベルト層2bの幅方向端部域2E2の幅方向最内側のストリップ6S上に重ねて巻きつけ始める。すなわち、図示例では高弾性率コード7の3本分の幅に対応するストリップ7Sの一部分と、ストリップ6Sとを径方向に重ねて巻きつけ始め、続けて、ストリップ7Sを、ベルトの幅方向外側から内側に向かって、さらにタイヤ赤道CLを越えて幅方向内側から外側に向かってストリップ幅のピッチ未満でずらしながららせん状に、すなわち包帯状に巻きつけて、周方向ベルト層2aおよび2bにまたがって幅方向中央域2Cを2層同時に成形する。
さらに次に、図示しないが、周方向ベルト層2a、2bの幅方向端部域2E2を成形したのと同様の手順で、周方向ベルト層2bの幅方向端部域2E1を成形し、これと重ねて、周方向ベルト層2aの幅方向端部域2E1を成形する。ここでは、ストリップ6Sと7Sとの重なりは、上述の場合とは逆に、つまり、ストリップ7Sの径方向外側にストリップ6Sが重なることになる。
さらに次に、図示しないが、周方向ベルト層2a、2bの幅方向端部域2E2を成形したのと同様の手順で、周方向ベルト層2bの幅方向端部域2E1を成形し、これと重ねて、周方向ベルト層2aの幅方向端部域2E1を成形する。ここでは、ストリップ6Sと7Sとの重なりは、上述の場合とは逆に、つまり、ストリップ7Sの径方向外側にストリップ6Sが重なることになる。
以上のように成形されるベルトにおいて、高弾性率コード7のストリップをらせん巻きすることが肝要である。なぜなら、ストリップをらせん巻きしてタイヤを成形すると、タイヤの製造時間を短縮することができ、結果的にコストを抑制することができるからである。
さらに、らせん巻きする場合、ストリップを一定の幅以上重ねること、すなわち、送りピッチをストリップ幅以下にすることが肝要である。なぜなら、ストリップ幅ごとの送りピッチによって成形される場合、すなわち、図2に示す低弾性率コード6のストリップ6Sを巻く際の方法を用いる場合、隣接するストリップには若干の隙間が生じる可能性がある。この隙間の部分に突起物が当たった場合、具体的には、タイヤのこの部分で釘などを踏み越えた場合に、この突起物がベルト層を貫通しカーカスまで到達し、タイヤパンクにつながるおそれがあるからである。
さらに、らせん巻きする場合、ストリップを一定の幅以上重ねること、すなわち、送りピッチをストリップ幅以下にすることが肝要である。なぜなら、ストリップ幅ごとの送りピッチによって成形される場合、すなわち、図2に示す低弾性率コード6のストリップ6Sを巻く際の方法を用いる場合、隣接するストリップには若干の隙間が生じる可能性がある。この隙間の部分に突起物が当たった場合、具体的には、タイヤのこの部分で釘などを踏み越えた場合に、この突起物がベルト層を貫通しカーカスまで到達し、タイヤパンクにつながるおそれがあるからである。
また、幅方向最外側に配置された高弾性率コード7のストリップ7Sの一部が、これと隣接する、低弾性率コード6のストリップ6Sの少なくとも一部とタイヤ径方向に重なることも肝要である。
高弾性率コード7のストリップ7Sと低弾性率コード6のストリップ6Sとを重ねずに隣接して配置した場合、両ストリップの弾性率が異なるため、両ストリップ間で剛性が大きく異なる。このため、この部分でタイヤの接地形状が不均一になり、トレッドの偏摩耗の原因となる。そこで、両ストリップを一部重ねて配置することにより、剛性段差を低減し、偏摩耗の発生を低減することが可能となった。
この例では、ストリップ7Sの一部が、ストリップ6Sの一部とタイヤ径方向に重なっているが、ストリップ7Sの一部が、ストリップ6Sの全部とタイヤ径方向に重なってもよい。
高弾性率コード7のストリップ7Sと低弾性率コード6のストリップ6Sとを重ねずに隣接して配置した場合、両ストリップの弾性率が異なるため、両ストリップ間で剛性が大きく異なる。このため、この部分でタイヤの接地形状が不均一になり、トレッドの偏摩耗の原因となる。そこで、両ストリップを一部重ねて配置することにより、剛性段差を低減し、偏摩耗の発生を低減することが可能となった。
この例では、ストリップ7Sの一部が、ストリップ6Sの一部とタイヤ径方向に重なっているが、ストリップ7Sの一部が、ストリップ6Sの全部とタイヤ径方向に重なってもよい。
また、低弾性率コード6には、例えば、金属製の弾性コード、すなわち複撚りの4×0.28mm+6×0.25mmのコード、いわゆるハイエロンゲーションコードが好適であり、高弾性率コード7には、波状もしくはジグザグ状の型付けを施したコード(図1(b)、(c)における周方向ベルト層2a、2bの構造を参照)、いわゆる波形コード、又は金属製の非伸張コード、すなわち層撚り(3+9+15)×0.23mmのコードが好適である。ハイエロンゲーションコードの引張歪1.8%における弾性率は、波状もしくはジグザグ状の型付けを施したコード、又は金属製の非伸張コードよりも小さいことが一般的である。
なお、接地面内における引張歪はおおよそ1.8%程度であることが実測値として知られているから、コード弾性率は、この引張歪1.8%でのコード弾性率を規定する。
ちなみに、コードの弾性率とは、空気入りタイヤを解体して採り出したゴム被覆状態のコードについて、引張り試験を行い、その結果から応力−歪み線図を作成し、該線図における歪みが1.8%における接線の勾配(傾き)を算出し、その値をコードの断面積で除した値である。
なお、接地面内における引張歪はおおよそ1.8%程度であることが実測値として知られているから、コード弾性率は、この引張歪1.8%でのコード弾性率を規定する。
ちなみに、コードの弾性率とは、空気入りタイヤを解体して採り出したゴム被覆状態のコードについて、引張り試験を行い、その結果から応力−歪み線図を作成し、該線図における歪みが1.8%における接線の勾配(傾き)を算出し、その値をコードの断面積で除した値である。
また、低弾性率コード6に有機繊維コードを用いて、高弾性率コード7に金属製コードを用いても、上述の弾性率の条件を満足できる。
低弾性率コード6の弾性率は、引張歪み1.8%において、40GPa以上100GPa以下の範囲にあることが好ましい。弾性率が40GPaより低い場合、内圧充填による径成長が抑制できない可能性があり、100GPaより高い場合、タイヤ転動時にかかるコードへの入力(応力振幅)により、コードが破断し、タイヤ内圧を保持することが難しくなる可能性がある。
高弾性率コード7の弾性率は、引張歪み1.8%において、80GPa以上210GPa以下の範囲にあることが好ましい。弾性率が80GPaより低い場合、内圧充填による径成長が抑制できない可能性があり、210GPaより高い場合、タイヤ転動時にかかるコードへの入力(応力振幅)により、コードが破断しやすくなり、タイヤ内圧を保持することが難しくなる可能性がある。
高弾性率コード7の弾性率は、引張歪み1.8%において、80GPa以上210GPa以下の範囲にあることが好ましい。弾性率が80GPaより低い場合、内圧充填による径成長が抑制できない可能性があり、210GPaより高い場合、タイヤ転動時にかかるコードへの入力(応力振幅)により、コードが破断しやすくなり、タイヤ内圧を保持することが難しくなる可能性がある。
さらに、図3(a)〜(c)に本発明の周方向ベルト層の変形例を示す。
図3(a)は、6本の低弾性率コード6のストリップ6Sと、6本の高弾性率コード7のストリップ7Sとをらせん巻きする例である。まず、ストリップ6Sを部分的に重ねながららせん状に巻く。次に、幅方向最内側のストリップ6Sの一部と重ねて、ストリップ7Sを巻き始め、続けて、ストリップ7Sを部分的に重ねながららせん状に巻く。この場合、幅方向端部域と幅方向中央域とが周方向ベルト層間で重なる部分では、ストリップ6Sの径方向外側にストリップ7Sが配置される。
図3(b)は、6本の低弾性率コード6のストリップ6Sと、6本の高弾性率コード7のストリップ7Sとをらせん巻きする例である。まず、ストリップ7Sを部分的に重ねながららせん状に巻く。次に、幅方向最外側のストリップ7Sの一部と重ねて、ストリップ6Sを巻き始め、続けて、ストリップ6Sを部分的にらせん状に巻く。この場合、幅方向端部域と幅方向中央域とが周方向ベルト層間で重なる部分では、ストリップ7Sの径方向外側にストリップ6Sが配置される。
以上のように、ストリップ6Sとストリップ7Sとが重なる部分では、どちらのストリップが径方向外側に位置していてもよい。
図3(c)は、9本の低弾性率コード6のストリップ6Sと、6本の高弾性率コード7のストリップ7Sの例である。まず、図3(b)の例と同様に、ストリップ7Sを部分的に重ねながららせん状に巻く。次に、ストリップ6Sを巻きつけて周方向ベルト層2bの幅方向端部域2E1を成形し、続けて、ストリップ6Sを、周方向ベルト層2bの幅方向端部域2E1の外周側に、その一部がストリップ7Sと重なるように巻き、周方向ベルト層2aの幅方向端部域2E1を成形する。このように、低弾性率コード6のストリップ6Sはらせん状に巻回しなくてもよい。
なお、図2の構成が最適である。なぜなら、ベルトの幅方向最外側端部において、2層の周方向ベルト層があるため、周方向ベルト層のコード1本当たりにかかる引張入力が小さくなるためである。
図3(a)は、6本の低弾性率コード6のストリップ6Sと、6本の高弾性率コード7のストリップ7Sとをらせん巻きする例である。まず、ストリップ6Sを部分的に重ねながららせん状に巻く。次に、幅方向最内側のストリップ6Sの一部と重ねて、ストリップ7Sを巻き始め、続けて、ストリップ7Sを部分的に重ねながららせん状に巻く。この場合、幅方向端部域と幅方向中央域とが周方向ベルト層間で重なる部分では、ストリップ6Sの径方向外側にストリップ7Sが配置される。
図3(b)は、6本の低弾性率コード6のストリップ6Sと、6本の高弾性率コード7のストリップ7Sとをらせん巻きする例である。まず、ストリップ7Sを部分的に重ねながららせん状に巻く。次に、幅方向最外側のストリップ7Sの一部と重ねて、ストリップ6Sを巻き始め、続けて、ストリップ6Sを部分的にらせん状に巻く。この場合、幅方向端部域と幅方向中央域とが周方向ベルト層間で重なる部分では、ストリップ7Sの径方向外側にストリップ6Sが配置される。
以上のように、ストリップ6Sとストリップ7Sとが重なる部分では、どちらのストリップが径方向外側に位置していてもよい。
図3(c)は、9本の低弾性率コード6のストリップ6Sと、6本の高弾性率コード7のストリップ7Sの例である。まず、図3(b)の例と同様に、ストリップ7Sを部分的に重ねながららせん状に巻く。次に、ストリップ6Sを巻きつけて周方向ベルト層2bの幅方向端部域2E1を成形し、続けて、ストリップ6Sを、周方向ベルト層2bの幅方向端部域2E1の外周側に、その一部がストリップ7Sと重なるように巻き、周方向ベルト層2aの幅方向端部域2E1を成形する。このように、低弾性率コード6のストリップ6Sはらせん状に巻回しなくてもよい。
なお、図2の構成が最適である。なぜなら、ベルトの幅方向最外側端部において、2層の周方向ベルト層があるため、周方向ベルト層のコード1本当たりにかかる引張入力が小さくなるためである。
以下に示す仕様の下、発明例タイヤ、従来例タイヤ、および比較例タイヤをサイズ495/45R22.5で試作し、各試作タイヤについて、耐久試験、摩耗試験、および小突起貫通試験を行ったので以下に説明する。
いずれの試作タイヤも2層の周方向ベルト層を有し、表1に示す仕様を適用したものである。
発明例タイヤ1〜3および比較例タイヤ2は、低弾性率コードを含む幅方向端部域2E1、2E2と、高弾性率コードを含む幅方向中央域2Cとから周方向ベルト層を構成する。従来例タイヤおよび比較例タイヤ1、3は、高弾性率コードを含む幅方向中央域2Cのみから周方向ベルト層を構成する。
表1中の巻き方の「包帯」とは、隣り合うストリップを重ねながら巻く巻き方であり、「通常」とは、ストリップを重ねずに巻く巻き方である。
いずれの試作タイヤも2層の周方向ベルト層を有し、表1に示す仕様を適用したものである。
発明例タイヤ1〜3および比較例タイヤ2は、低弾性率コードを含む幅方向端部域2E1、2E2と、高弾性率コードを含む幅方向中央域2Cとから周方向ベルト層を構成する。従来例タイヤおよび比較例タイヤ1、3は、高弾性率コードを含む幅方向中央域2Cのみから周方向ベルト層を構成する。
表1中の巻き方の「包帯」とは、隣り合うストリップを重ねながら巻く巻き方であり、「通常」とは、ストリップを重ねずに巻く巻き方である。
これら試作タイヤを、サイズ17.00×22.5のリムに組み込み、内圧を900kPaに調整した上で、荷重:5800kgおよびドラム回転速度:60.0km/hの条件にてドラム走行を30000kmの距離で実施し、その後、タイヤを解剖して周方向ベルト層におけるコードの疲労強度を測定した(耐久試験)。疲労強度は従来例タイヤの強度を100として指数で表し、数値が大きいほど疲労強度が大きい、すなわち、耐久性能が良好であることを示している。また、同時に、トレッド摩耗量を測定した(摩耗試験)。トレッド摩耗量は従来例タイヤの摩耗量を100としてその逆数を指数で表し、数値が大きいほど摩耗量が少ない、すなわち、摩耗性能が良好であることを示している。
また、試作タイヤを、サイズ17.00×22.5のリムに組み込み、内圧を900kPaに調整した上で、直径25mmの丸型突起物をトレッド部に1箇所、30kNの力で押し当て、丸型突起物の最大押込量を測定した(小突起貫通試験)。押込量は従来例タイヤの押込量を100として指数で表し、数値が大きいほど押込量が少ない、すなわち、小突起貫通性能が良好であることを示している。
また、試作タイヤを、サイズ17.00×22.5のリムに組み込み、内圧を900kPaに調整した上で、直径25mmの丸型突起物をトレッド部に1箇所、30kNの力で押し当て、丸型突起物の最大押込量を測定した(小突起貫通試験)。押込量は従来例タイヤの押込量を100として指数で表し、数値が大きいほど押込量が少ない、すなわち、小突起貫通性能が良好であることを示している。
なお、コードの弾性率は、コードをインストロン型引張試験機による引張試験に供し、そのときの引張歪1.8%でのコード弾性率である。
傾斜ベルト層には、(1+6)×0.32mmの層撚りのコードを打ち込み数24.5本/50mmで適用した。
周方向ベルト層の幅方向端部域2E1、2E2には4×(1×0.28mm+6×0.25mm)の高伸長性コードを打ち込み数20本/50mmで適用し、幅方向中央域2Cには(3+9+15)×0.23mmの波状の非伸長コードを打ち込み数22.5本/50mmで適用した。
傾斜ベルト層には、(1+6)×0.32mmの層撚りのコードを打ち込み数24.5本/50mmで適用した。
周方向ベルト層の幅方向端部域2E1、2E2には4×(1×0.28mm+6×0.25mm)の高伸長性コードを打ち込み数20本/50mmで適用し、幅方向中央域2Cには(3+9+15)×0.23mmの波状の非伸長コードを打ち込み数22.5本/50mmで適用した。
表1の結果より、発明例タイヤ1〜3および比較例タイヤ2は幅方向端部域と幅方向中央域とのコードの弾性率を変えることにより、耐久性能が向上したことが分かる。
発明例タイヤ1〜3および比較例タイヤ3は、傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅より広く、かつ幅方向中央域のストリップを包帯巻きにより構成しているいため、いずれも良好な摩耗性能を示したことがわかる。比較例タイヤ1は、従来例タイヤより、第2傾斜ベルト層の幅が広いことにより、ベルトの面内せん断剛性が向上する。これにより、タイヤ接地領域におけるとレッドの変形が小さくなることで、トレッドの摩耗性能が向上する。
また、発明例タイヤ1〜3および比較例タイヤ3は、幅方向中央域のストリップを包帯巻きにより構成しているいため、いずれも良好な小突起貫通性能を示したことがわかる。
発明例タイヤ1〜3および比較例タイヤ3は、傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅より広く、かつ幅方向中央域のストリップを包帯巻きにより構成しているいため、いずれも良好な摩耗性能を示したことがわかる。比較例タイヤ1は、従来例タイヤより、第2傾斜ベルト層の幅が広いことにより、ベルトの面内せん断剛性が向上する。これにより、タイヤ接地領域におけるとレッドの変形が小さくなることで、トレッドの摩耗性能が向上する。
また、発明例タイヤ1〜3および比較例タイヤ3は、幅方向中央域のストリップを包帯巻きにより構成しているいため、いずれも良好な小突起貫通性能を示したことがわかる。
以上により、周方向ベルト層に埋設したコードの弾性率を調整してベルトの耐久性能を大幅に向上し、周方向ベルト層に対する傾斜ベルト層の幅を規定して摩耗性能を向上し、さらに、幅方向中央域のストリップを包帯巻きにより構成して突起乗り越し性能を向上し、幅方向中央域のストリップと幅方向端部域にストリップとを重ねることにより耐偏摩耗性能を向上した空気入りタイヤを提供することができる。
1 カーカス
2a、2b 周方向ベルト層
2C 幅方向中央域
2E1、2E2 幅方向端部域
3a、3b 傾斜ベルト層
4 ベルト
5 トレッド
6、7 コード
6S、7S ストリップ
CL タイヤ赤道
2a、2b 周方向ベルト層
2C 幅方向中央域
2E1、2E2 幅方向端部域
3a、3b 傾斜ベルト層
4 ベルト
5 トレッド
6、7 コード
6S、7S ストリップ
CL タイヤ赤道
Claims (5)
- 一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを順に配置して成るベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
前記周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、
少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、
各周方向ベルト層を、幅方向中央域と該幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、前記幅方向端部域に配置されたコードの弾性率が前記幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低く、
前記周方向ベルト層の幅方向中央域は、1本または複数本の高弾性率コードをゴムで被覆したストリップを、らせん状に、かつ部分的に重ねながら巻回して成り、
前記周方向ベルト層の幅方向端部域は、1本または複数本の低弾性率コードをゴムで被覆したストリップを、巻回して成り、
前記周方向ベルト層の、幅方向最外側に配置された高弾性率コードのストリップの一部が、これと隣接する低弾性率コードのストリップの少なくとも一部とタイヤ径方向に重なる、
ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記傾斜ベルト層の幅がタイヤの総幅の65%以上であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記低弾性率コードは、初期伸びを有する伸張性の金属コードであり、
前記高弾性率コードは、非伸張の金属コードを直線状、波形状もしくはジグザグ状に型付けしたものである、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。 - 前記低弾性率コードが有機繊維コードであり、
前記高弾性率コードが金属コードである、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。 - 前記低弾性率コードおよび前記高弾性率コードの引張歪み1.8%における、弾性率が、それぞれ、40GPa以上100GPa以下および80GPa以上210GPa以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112638665A (zh) * | 2018-09-06 | 2021-04-09 | 横滨橡胶株式会社 | 充气轮胎以及充气轮胎的制造方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09183302A (ja) * | 1995-11-08 | 1997-07-15 | Michelin & Cie | 多区分プライを有するクラウンレインフォースメントを備えた重負荷トラック用ラジアルタイヤ |
JPH11245617A (ja) * | 1998-03-04 | 1999-09-14 | Bridgestone Corp | 空気入りタイヤ |
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-
2008
- 2008-01-16 JP JP2008006848A patent/JP2009166664A/ja active Pending
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