JP2009195166A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

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Abstract

【課題】スプールに回転抵抗を与えるドラグ機構を作動状態から非作動状態に切換える切換機構を設け、リール全体を大型化することなく、十分なドラグ力を発揮することが可能な魚釣用スピニングリールを提供する。
【解決手段】魚釣用スピニングリールは、スプール軸3aに設置され、釣糸が巻回されるスプール3と、ハンドルの巻き取り操作で回転し、スプール3に釣糸を巻回可能とするロータ2と、スプール3とスプール軸3aとの間に設けられ、スプールをドラグ作動状態とフリー状態に切換える切換機構30と、を有する。スプール軸3aの前端部にスプールフリー状態の回転抵抗力を調整するサブドラグ機構25のサブドラグノブ25Aを配設し、サブドラグノブの径方向外方にドラグ作動状態のドラグ力を調整するメインドラグ機構20のメインドラグノブ20Aを配設したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、スプールの回転に抵抗を与えるドラグ機構を設けた魚釣用スピニングリールに関する。
魚釣用スピニングリールの中には、釣糸が巻回されるスプールに回転抵抗を与えるドラグ機構を、作動状態(スプールに対してドラグ力が作用する状態)と、非作動状態(スプールフリー状態;スプールが完全にフリーになる状態とサブドラグ機構によってドラグ力が作用する状態を含む)とに切換える切換機構を備えたものが知られている。例えば、特許文献1には、切換機構を、スプールとスプール軸との間に設けて、リール本体内における各種駆動機構系統の簡素化を図り、リール本体の小型・軽量化を可能にした魚釣用スピニングリールが開示されている。
この公知技術の切換機構は、スプールの前部中央に押しボタン式の操作部材を設け、この操作部材を後方に向けて押圧操作することで、ドラグ作動状態の連結系統を解除してスプールフリー状態に切換えるよう構成されている。また、ハンドルの回転操作に連動するロータの巻き取り方向の回転によって、スプールフリー状態からドラグ作動状態に復帰させる復帰機構を備えている。
特開平3−53836号
しかし、上記した構成では、ドラグ作動状態におけるドラグ力の強弱調整を行うドラグ機構(メインドラグ機構)や、スプールフリー状態におけるスプール回転抵抗力の加減調整を行うサブドラグ機構は、スプール前部中央に設けた押しボタン式の操作部材の径方向外方に、それぞれ配設されているため、十分なドラグ力を維持、発揮できないという問題がある。また、これに対してドラグ力を確保するためには、スプールの前部に相応のドラグ機構の収容、配置スペースが必要となり、スプール全体、つまりリール全体が大型化してしまうという問題が生じてしまう。
さらに、切換機構を構成する押しボタンに近接してドラグ機構、及びサブドラグ機構の操作部が配設されているので、操作時に邪魔になってしまい、調整操作性に劣るという問題がある。
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、スプールに回転抵抗を与えるドラグ機構を作動状態から非作動状態に切換える切換機構を設けた構成において、リール全体を大型化することなく、十分なドラグ力を発揮することが可能な魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用スピニングリールは、スプール軸に設置され、釣糸が巻回されるスプールと、ハンドルの巻き取り操作で回転し、釣糸案内部を介して前記スプールに釣糸を巻回可能とするロータと、前記スプールとスプール軸との間に設けられ、前記スプールをドラグ作動状態とフリー状態に切換える切換機構と、を有する構成において、前記スプール軸の前端部にスプールフリー状態の回転抵抗力を調整するサブドラグ機構のサブドラグノブを配設し、前記サブドラグノブの径方向外方にドラグ作動状態のドラグ力を調整するメインドラグ機構のメインドラグノブを配設したことを特徴とする。
上記した構成の魚釣用スピニングリールでは、スプールとスプール軸との間に設けられる切換機構によって、スプール軸に装着されるスプールを、フリー回転状態、及びドラグ作動状態に切換えることが可能となっている。スプールがフリー回転状態のとき、スプールに対して補助的にドラグ力を生じさせるサブドラグ機構のサブドラグノブは、スプール軸の前端部に配設され、切換機構によってスプールをドラグ作動状態に切換えた際にスプールに対して所望のドラグ力を付与するメインドラグ機構のメインドラグノブは、サブドラグノブの径方向外方に配設されていることから、各ドラグ機構を配設するに際し、スプール前部のスペースを有効活用することが可能となり、スプール回りのコンパクト化が図れるようになる。
本発明によれば、スプールに回転抵抗を与えるドラグ機構を作動状態から非作動状態に切換える切換機構を設けた構成において、スプール回りを大型化することなく、十分なドラグ力を発揮することが可能な魚釣用スピニングリールが得られる。
以下、本発明に係る魚釣用スピニングリールの実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1から図5は、本発明に係る魚釣用スピニングリールの第1の実施形態を示す図であり、図1は、魚釣用スピニングリールの内部構成を示す図(ドラグ作動状態)、図2は、スプールを前方から見た図、図3は、図1の主要部を拡大した図、図4は、図3のA−A線に沿った断面図であり、(a)は、ドラグ作動状態を示す図、(b)は、スプールフリー状態を示す図、そして、図5は、図3のB−B線に沿った断面図である。
魚釣用スピニングリールのリール本体1には、釣竿に装着されるリール脚1Aが一体形成されており、その前方には、回転可能に支持され、釣糸案内部2aを装着した一対のアーム部2Aを具備するロータ2と、ロータ2の回転運動と同期して前後動可能に支持され、釣糸が巻回されるスプール3が配設されている。
リール本体1内には、ハンドル軸(駆動軸)4が回転可能に支持されており、その突出端部には、ハンドル5が取り付けられている。また、ハンドル軸4には、ハンドル軸4に取り付けられ、内歯が形成されたドライブギヤ7と、このドライブギヤ7に噛合すると共にハンドル軸4と直交する方向に延出し、内部に軸方向に延出する空洞部が形成されたピニオンギヤ9とを備えた巻き取り駆動機構が係合している。
前記ピニオンギヤ9は、軸受9a,9bを介してリール本体内に回転可能に支持されており、その先端側において固定部材9cによって前記ロータ2を固定し、ロータ2を一体回転するように連結している。そして、その空洞部には、ハンドル軸4と直交する方向に延出し、先端側に前記スプール3を装着したスプール軸3aが軸方向に移動可能に挿通されている。また、前記ピニオンギヤ9には、スプール3(スプール軸3a)を前後往復動させるための公知の往復動装置10が係合している。
前記往復動装置10は、リール本体内に回転可能に支持され、スプール軸3aと平行に延出する螺軸(ウォームシャフト)12と、前記スプール軸3aの後部に回転不能で軸方向移動可能に係合される摺動子13とを備えている。前記螺軸12の前端部には、前記ピニオンギヤ9と噛合する連動歯車15が設けられており、前記ハンドル5を回転操作することで、螺軸12は、前記ドライブギヤ7、ピニオンギヤ9及び連動歯車15を介して回転駆動される。そして、前記螺軸12の周面には、軸方向に沿って螺旋状のカム溝12aが形成されており、このカム溝12aに、前記摺動子13に収容保持された係合ピン(図示せず)が係合することで、スプール軸3a(スプール3)は、ハンドル5の巻き取り操作により前後に往復動される。
また、リール本体1内には、ロータ2の逆回転を防止する逆転防止機構が設置されている。この逆転防止機構は、公知のように、前記ピニオンギヤ9の外周側に設置される転がり式の一方向クラッチ16と、転がり式一方向クラッチの外輪の外周に回り止め固定されたラチェット17とを備えており、リール本体1の後方側に設置された切換レバー18を切換操作することで、ラチェット17を回転可能/回転不能状態に切換え、これによりロータ2を正逆転可能状態/逆転防止状態に切換えるようになっている。
上記した構成により、ハンドル5を巻き取り操作すると、ロータ2は、ドライブギヤ7及びピニオンギヤ9を介して回転駆動され、かつ、スプール3は、ドライブギヤ7、ピニオンギヤ9及び往復動装置10を介して前後方向に往復駆動され、スプール3には、回転するロータ2の釣糸案内部2aを介して均等に釣糸が巻回される。
前記スプール3とスプール軸3aとの間には、スプール3が釣糸繰り出し方向に回転した際、その回転に制動力を付与する公知のドラグ機構(メインドラグ機構)20が設置されている。このドラグ機構20は、スプール3とスプール軸3aを所定の摩擦力で連結状態にして、スプール3のスプール軸3aに対する回転に制動力を付与する構成となっている。
具体的には、ドラグ機構20は、スプール3の内部空間領域(凹部3A)に設置されており、スプール前端側に回転可能に支持された制動力調整用の調整ツマミ(メインドラグノブ)20Aと、この調整ツマミ20Aと後述する切換機構30を構成する摩擦作動体33との間に介在される制動部材21と、を備えている。そして、前記摩擦作動体33は、切換機構30によって、スプール軸3aに対して固定状態からフリー状態に切換えられるようになっている。
ここで、切換機構30の構成について説明する。
前記切換機構30は、前記スプール軸3aに対して回り止め固定されると共に、軸方向の移動が規制された円板状の支持部材31と、この支持部材31の前方側に配設され、支持部材31に対して連結状態となる摩擦作動体33と、前記支持部材31と摩擦作動体33との間に位置して両者の連結状態を継脱する継脱機構40とを備えており、スプール3のドラグ作動状態時に、スプール3を釣糸の引き出し方向と反対方向に回転させることで切換機構30の連結状態(スプール3とスプール軸3aとの間の連結状態)を解除して、スプール3をフリー状態に切換えられるようになっている。
具体的には、切換機構30を構成する摩擦作動体33は、後述するように、ドラグ作動状態時に、スプール3を釣糸の引き出し方向と反対方向に回転させることで、前記支持部材31との連結状態が解除されるように構成されており、スプール軸3aに対してフリー回転可能に支持されている。このため、本実施形態では、スプール3そのものが、スプール3をフリー回転可能に切換えるための操作部材としての機能を備えている。
前記摩擦作動体33は、図3に示すように、スプール軸3aに対してフリー回転可能に支持される本体部33Aと、本体部33Aから前方に向けて延出する円筒部33Bとを備えている。この場合、円筒部33Bは、スプール3の凹部3Aを規定する内周面3Bとの間、及びスプール軸3aとの間に所定の空間が生じるような形状となっており、それぞれの空間内に、以下に詳述するように、ドラグ機構20、及びサブドラグ機構25が収容できるよう構成されている。
前記摩擦作動体33の円筒部33Bの外周と、スプール3の凹部3Aとの間には、前記ドラグ機構20を構成する前記制動部材21が配設されている。制動部材21は、ドラグ機構として一般的に知られているように、スプール3の凹部3Aを規定する内周面3B、及び前記摩擦作動体33の円筒部33Bの外周面に対して回り止めされる複数枚のワッシャ、及び、各ワッシャの間に介在されるライニング材等を備えた構成となっており、前記調整ツマミ20Aを回転操作することで、軸方向に移動する押圧体22が制動部材21に対して所定の押圧力で当接し、これにより、制動部材21を介して、スプール軸3aに対して固定状態となった摩擦作動体33とスプール3との間に所望の制動力を作用させる。
また、前記摩擦作動体33の円筒部33Bの内側の空間内に収容されるサブドラグ機構25は、後述するように、スプール3がスプールフリー状態に切換えられても、スプール3に対して補助的にドラグ力を作用させることを可能にするものである。
具体的には、サブドラグ機構25は、スプール軸3aの前端部に配設され、スプール軸3aに対して、回転可能でかつ軸方向に沿って摺動可能に支持されたる微調整ツマミ(サブドラグノブ)25Aと、この微調整ツマミ25Aの先端側に設けられた押圧部27によって押圧される制動部材26とを備えている。この場合、制動部材26は、ドラグ機構として一般的に知られているように、スプール軸3a、及び前記摩擦作動体33の円筒部33Bの内側に対して回り止めされる複数枚のワッシャ、及び各ワッシャの間に介在されるライニング材等を備えた構成となっており、微調整ツマミ25Aを回転操作することで、微調整ツマミ25Aと一体形成された押圧部27が制動部材26に対して所定の押圧力で当接し、これにより、制動部材26、摩擦作動体33、及び前記制動部材21を介して、スプール軸3aとスプール3との間に、補助的に所望の制動力を作用させる。
上記したように、摩擦作動体33の円筒部33Bを利用して、その外周面側にドラグ機構20の制動部材21を配設し、また、その内周面側にサブドラグ機能25の制動部材26を設置しているため、スプール3の内部空間領域を効率的に利用して、両ドラグ機構を設置するようにしている。
このため、前記微調整ツマミ(サブドラグノブ)25Aは、スプール軸3aの先端領域を覆うように配設することができ、かつ、調整ツマミ(メインドラグノブ)20Aは、その径方向外方で、微調整ツマミ(サブドラグノブ)25Aと略同一面となるように配設することができ、スプール回りのスペースを効率的に活用することが可能となる。
前記切換機構30を構成する支持部材31は、スプール軸3aに対して回り止め固定されており、前記摩擦作動体33との間に設置される継脱機構40により、支持部材31と摩擦作動体33の連結状態を継脱するようにしている。
前記摩擦作動体33の本体部33Aには、支持部材31側に、輪帯状に形成された継脱部34が固定部材(止めビス34a)を介して固定されている。継脱部34の外周には、所定間隔をおいて(本実施形態では、90°間隔で4箇所)凹所34bが形成されており、この凹所34b内に後述するストッパ55の係合部56が入り込むようになっている。この場合、継脱部34の外周には、図4に示すように、ストッパの係合部が凹所34b内に案内され易いように、周方向に沿って案内部34cを形成しておいても良い。
また、前記本体部33Aには、その中央部に、支持部材31側に向けて突出する凸部36が形成されており、その凸部の外周には、所定間隔をおいて(本実施形態では、90°間隔で4箇所)径方向外方に突出する係合突起36aが形成されている。この係合突起36aは、以下に説明する継脱機構40の作動部材に当て付くよう構成されている。
前記継脱機構40は、図4に示すように、支持部材31の摩擦作動体側の表面に、周方向に沿って支持される作動部材42、連結部材45、及びストッパ55を備えている。
前記作動部材42は、支持部42aを中心にして回動可能に支持されており、その作動片43が、図4(a)の実線に示すように、前記係合突起36aの回転軌跡内に常時位置するように、バネ部材42bによって付勢支持されている。
前記連結部材45は、その両端側が揺動可能となるように、中央部において支持部45aを中心にして支持されており、その一端側の当接部46に前記作動片43が当接するようになっている。また、他端側には、図4(a)に示す状態から、支持部45aを中心にして反時計回り方向に回動された際、ストッパ55の凸部57に当接する作動部47が形成されている。そして、連結部材45は、支持部材31との間に設けられる振分けバネ48によって、図4(a)に示す状態(連結状態)と、図4(b)に示す状態(解除状態)との間で振分け保持されるようになっている。
また、前記連結部材45の当接部46側には、復帰機構用の係合ピン50が突設されている。この係合ピン50は、支持部材31に形成された長孔31aを介してリール本体側に向けて突出しており、連結部材45が図4(b)に示す解除状態に振分け保持された際、後述する復帰機構の復帰用突部67の回転軌跡内に位置するようになっている。
前記ストッパ55は、その両端側が揺動可能となるように、中央部において支持部55aを中心にして支持されており、その一端側に形成された係合部56が、前記継脱部34の外周に形成された凹所34bに入り込むようになっている。また、他端側には、前記連結部材45が、図4(a)に示す状態から支持部45aを中心にして反時計回り方向に回動された際、連結部材45の作動部47が当接するように凸部57が形成されている。そして、ストッパ55は、支持部材31との間に設けられる一方向バネ58によって、その係合部56が前記継脱部34の凹所34bに入り込む方向に、常時、回動付勢されている。
上述したように、切換機構30は、スプール軸3aに対して回り止め固定される円板状の支持部材31と、この支持部材31の前方側に配設され、支持部材31に対して連結状態となる摩擦作動体33とを備えており、図4(a)に示すドラグ作動状態時にスプール3を釣糸の引き出し方向と反対方向(矢印D方向)に回転させることで、図4(a)に示した摩擦制動体33と支持部材31との連結状態を、図4(b)に示すように解除するようになっている(スプールをフリー状態にする)。そして、図4(b)に示すスプールフリー状態は、ハンドル5を巻き取り駆動した際、復帰機構60によって、自動的に図4(a)に示すドラグ作動状態に復帰させるよう構成されている。
以下、この復帰機構60の構成について説明する。
本実施形態では、ロータ2に一体形成される一対のアーム部2Aとスプール軸3aとの間に設置される公知の糸落ち防止部材(ラインガードとも称する)61に関連して設けられている。
この糸落ち防止部材61は、前記スプール軸3aに対して回転可能に支持されると共に、スプール軸3aに設けられた止め輪3dによって、軸方向に移動しないように位置決め保持されている。そして、糸落ち防止部材61は、前記一対のアーム部2Aのそれぞれの内面側に形成された長手溝2dに係合する係合部62を具備しており、ロータ2が回転した際、ロータ2と共に一体回転し、かつスプール軸3aの往復動に伴って軸方向に一体的に往復動し、スプール3に巻回される釣糸がスプール3内に入り込むこと、及びスプール軸3aに絡み付くことを防止している。
前記糸落ち防止部材61のドラグ機構側には、円筒状の支持部61aが突出形成されており、この支持部61aの中心部分でスプール軸3aを挿通させている。そして、この支持部61aの径方向外方には、輪帯状の復帰体65がOリング66を介して抜け止め保持されている。
前記復帰体65のドラグ機構側には、所定間隔をおいて(本実施形態では、90°間隔で4箇所)復帰用突部67が突出形成されている。この復帰用突部67は、糸落ち防止部材61と共に一体回転し、上述した連結部材45が図4(b)に示すスプールフリー状態に振分け保持された際、連結部材45の係合ピン50に対して当て付くようになっている。
なお、復帰体65、及び各復帰用突部67には、係合ピン50が復帰用突部67の回転軌跡内に移動する際、デッドポイントが生じないように、ノンデッドポイント機構70が設けられている。このノンデッドポイント機構70は、係合ピン50が復帰用突部67の回転軌跡内に移動する際、係合ピン50が復帰用突部67に当て付いても移動できるように、復帰用突部67の径方向内側に形成される傾斜面67aと、糸落ち防止部材61に保持した復帰体65を周方向に回転可能にするバネ部材68によって構成されている。
前記バネ部材68は、復帰体65に、リール本体側に向けて突出形成された突片65aと糸落ち防止部材61との間に介在されており、復帰体65の周方向の回転を許容するように構成されている。すなわち、係合ピン50の移動経路上に復帰用突部67が位置していても、係合ピン50が復帰用突部67の径方向内側に形成される傾斜面67aに当接し、かつ復帰体65がバネ部材68の緩衝作用によって周方向に回転できることから、スプールフリー状態に移行するに際してデッドポイントが生じることはない。
上記した復帰機構60の構成により、ハンドル5を巻き取り駆動した際、図4(b)に示すスプールフリー状態から、図4(a)に示すドラグ作動状態に自動復帰される。
以上のように構成される魚釣用スピニングリールの作用について説明する。
通常、魚釣用スピニングリールは、ドラグ作動状態として使用される。このとき、スプール3、すなわち繰り出される釣糸には、ドラグ機構20によって所定のドラグ力が作用した状態となる。この状態で、調整ツマミ20Aを回転操作することで、押圧体22の制動部材21に対する押圧力が可変されるため、スプール3に所望のドラグ力を作用させることができる。
なお、ドラグ作動状態では、図4(a)に示すように、摩擦作動体33と、スプール軸3aに固定された支持部材31とは、支持部材31側のストッパ55の係合部56が、摩擦作動体33側の凹所34bに入り込んでいることで連結状態となっており、スプール3に作用する回転力は、上記した制動部材21とスプール軸3aに固定された支持部材31(摩擦制動体33)との関係で、所望の制動力が作用する状態となる。
そして、図4(a)に示す状態から、スプール3を釣糸の引き出し方向と反対方向(矢印D方向)に回転すると、上記した継脱機構40によって、スプールフリー状態(スプールにドラグ機構20の制動力が作用しない状態)に切換えられる。
すなわち、図4(a)において、スプール3を矢印D方向に回転操作すると、摩擦作動体33も同方向に回転する。このとき、その本体部33Aの凸部36に形成されている係合突起36aが作動部材42の作動片43に当接し、作動部材42をバネ部材42bの付勢力に抗して、支持部42aを中心にして時計回り方向に回動させる。そして、作動部材42の回動により、作動片43は連結部材45の一端側の当接部46に当接し、連結部材45は、支持部45aを中心にして反時計回り方向に回動される。これにより、連結部材45の他端側の作動部47がストッパ55の凸部57に当接し、ストッパ55は、一方向バネ58の付勢力に抗して支持部55aを中心にして時計回り方向に回動され、ストッパ55の係合部56は、摩擦作動体33側の凹所34bから外れる。なお、このとき連結部材45は、振分けバネ48によって、その位置が保持されているため、ストッパ55の係合部56の凹所34bに対する離脱状態は維持される。
上記の継脱機構40の作用により、支持部材31と摩擦作動体33との連結状態が解除されるため、スプール3は、スプール軸3aに対してフリー回転状態となり、スプール3に釣糸繰り出し方向の力が作用しても、スプール3は、制動部材21及び摩擦作動体33と共に回転するだけとなる。すなわち、実釣時において、釣人は、単にスプール3を把持して釣糸繰り出し方向と反対となる矢印D方向に所定角度(係合突起36aが作動部材42の作動片43に当接する角度)回転操作するだけで、スプール3をフリー状態に切換操作することができる。
なお、上記したようなスプールフリー状態において、サブドラグ機構25の微調整ツマミ25Aを回転操作することで、フリー状態になっているスプール3に対して、制動部材26による補助的な制動力を作用させておくことも可能となる。また、上記したスプールフリー状態において、魚がかかった場合など、釣糸が繰り出されてスプール3が釣糸繰り出し方向(図4(a)の矢印Dと反対方向)に回転した際、上記した係合突起36aは、その回転に伴い作動部材42の作動片43に当接するものの、作動片43はバネ部材42bの付勢力に抗して点線で示す位置に逃げることができるため、その方向に支障なく回転することが可能となる。
そして、上記したスプールフリー状態において、ハンドル5を巻き取り操作すると、復帰機構60を介して、継脱機構40を、図4(a)に示す状態に自動復帰させることが可能となる。
上述したように、スプールフリー状態に切換える際、連結部材45は、図4(a)に示す位置から図4(b)に示す位置に回動される。このとき、連結部材45に突設された係合ピン50は、ロータ2の回転と共に一体回転する復帰体65に形成された復帰用突部67の回転軌跡内に移動する。なお、係合ピン50が復帰用突部67の回転軌跡内に移動する際、係合ピン50の移動経路上に復帰用突部67が位置していても、上述したノンデッドポイント機構70によって、その移動を妨げることはない。
この状態でハンドル5を巻き取り操作してロータ3を釣糸巻き取り方向に回転させると、糸落ち防止部材61も一体的に回転駆動される。この糸落ち防止部材61には、復帰用突部67が突設された復帰体65が保持されており、復帰用突部67は、糸落ち防止部材67と共に、図4(b)の矢印D1方向に回転駆動される。これにより、復帰用突部67が係合ピン50をキックし、連結部材45を、支持部45aを中心にして時計回り方向に回動させ、連結部材45の他端側の作動部47は、ストッパ55の凸部57から離れる。なお、このとき連結部材45は、振分けバネ48によって、図4(a)に示す位置に保持される。
この結果、ストッパ55は、一方向バネ58の付勢力により支持部55aを中心にして反時計回り方向に回動され、ストッパ55の係合部56は、摩擦作動体33側の凹所34bに入り込み、図4(a)に示すように、摩擦作動体33と、スプール軸3aに固定された支持部材31とは、連結状態となる。すなわち、切換機構は、上記した制動部材21とスプール軸3aに固定された支持部材31との関係で、所望の制動力がスプールに作用するドラグ作動状態に切換復帰される。
上記したような切換機構30を設置し、スプール3と一体回転する支持部材31と、ドラグ機構20(サブドラグ機構25)が設置される摩擦作動体33とを、継脱機構40によって継脱するように構成したことで、スプール3の内部空間内において、ドラグ機構20及びサブドラグ機構25を効率的に設置することが可能になると共に、スプール回りを大型化することなく、十分なドラグ力を発揮させることが可能となる。これにより、リール全体をコンパクト化することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図6及び図7は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、図6は、スプール部分を拡大して示す図、図7は、図6のB−B線に沿った断面図であり、(a)は、ドラグ作動状態を示す図、(b)は、スプールフリー状態を示す図である。なお、この実施形態では、前記実施形態と同一の機能を有する部分については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明については、簡略ないしは省略する。
本実施形態では、切換機構を構成する継脱機構に、転がり式一方向クラッチを用いている。すなわち、本実施形態における切換機構30は、その継脱機構40として、摩擦作動体33と支持部材31との間に、後述する転がり式一方向クラッチ80を介在させて、両者の連結状態を継脱するようにしている。また、本実施形態では、スプール軸3aに、軸方向に一体的に移動可能であると共に回転可能に支持された操作部材100を設け、スプール3のドラグ作動状態時に、操作部材100を回転操作することで、切換機構30の連結状態(スプール3とスプール軸3aとの間の連結状態)を解除してスプール3をフリー状態に切換可能とするよう構成されている。
本実施形態におけるドラグ機構20は、スプール3の凹部3Aを規定する内周面3B、及び前記摩擦作動体33の円筒部33Bの外周面に対して回り止めされる複数枚のワッシャ、及び、各ワッシャの間に介在されるライニング材等を備えた構成となっている。そして、第1実施形態と同様、調整ツマミ(メインドラグノブ)20Aを回転操作することで、軸方向に移動可能なナット23a及び付勢バネ23bを介して軸方向に移動する押圧体22を制動部材21に対して所定の押圧力で当接させ、これにより、制動部材21を介して、スプール軸3aに対して固定状態となった摩擦作動体33とスプール3との間に所望の制動力を作用させるようになっている。
また、前記摩擦作動体33の円筒部33Bの内側の空間内に収容されるサブドラグ機構25は、スプール前端側に回転可能に支持された調整ツマミ20Aの径方向内側に回転可能に支持され、スプール軸3aに対して、回転可能でかつ軸方向に沿って摺動可能に支持された微調整ツマミ(サブドラグノブ)25Aと、この微調整ツマミ25Aの先端側に設けられた押圧部27によって押圧される制動部材26とを備えている。この場合、制動部材26は、ドラグ機構として一般的に知られているように、前記摩擦作動体33の円筒部33Bの底面に対して押圧付勢される複数枚のスプリングワッシャ、及びライニング材等を備えた構成となっており、微調整ツマミ25Aを回転操作することで、軸方向に移動可能なナット部材27a及び付勢バネ27bを介して前記押圧部27を制動部材26に対して所定の押圧力で当接させる。これにより、制動部材26、摩擦作動体33、及び前記制動部材21を介して、スプール軸3aとスプール3との間に、補助的に所望の制動力を作用させる。
また、切換機構を構成する継脱機構に用いられる転がり式一方向クラッチ80は、支持部材31と摩擦作動体33との間に介在されるようになっている。
具体的に、摩擦作動体33の本体部33Aには、スプール軸3aに対して回転可能に配設される軸部33dが形成されており、支持部材31には、ドラグ機構側に向けて延出する円筒部31dが形成されており、前記転がり式一方向クラッチ80は、軸部33dと円筒部31dとの間に介在されている。なお、転がり式一方向クラッチ80は、公知のように、軸部33dと一体化される内輪(本実施形態では軸部33dが内輪とされる)と、円筒部31dに嵌入される外輪80aと、前記内輪33dと外輪80aとの間で転がり部材80bを保持する保持器80cとを備えた構成となっている。
前記転がり部材80bは、保持器80cによって、外輪80aの内周側に形成された楔領域とフリー回転領域のいずれかに位置付けられ、転がり部材80bが楔領域に移動されると、内輪と外輪(軸部33dと円筒部31d)は一体化され、摩擦作動体33と支持部材31は連結状態となる。また、転がり部材80bがフリー回転領域に移動されると、内輪と外輪(軸部33dと円筒部31d)はフリーとなり、摩擦作動体33と支持部材31との連結状態は解除される(フリー回転状態に切換えられる)。
図7に示すように、前記転がり式一方向クラッチ80には、保持器80cを一体回転させる作動アーム81(保持器と一体形成されていても良いし、別体であっても良い)が設けられており、この作動アーム81を揺動させることで、保持器に保持される転がり部材を、楔領域又はフリー回転領域に移動できるよう構成されている。この作動アーム81には、係合孔82が形成されており、この係合孔82には、以下に説明する作動カム85に突出形成された第3作動突部85cが係合されている。
前記支持部材31には、継脱機構40を構成する作動カム85が支軸85Aを中心にして回動可能に支持されている。この作動カム85には、リール本体側に向けて第1作動突部85aが突出形成されており、この第1作動突部85aには、操作部材100に設けられる係合突部100aが当接可能となっている。
ここで、操作部材100の構成について説明する。
操作部材100は、スプール軸3aに、軸方向に一体的に移動可能であると共に回転可能に支持されている。すなわち、図6に示すように、スプール軸3aに対してフリー回転可能に挿通されると共に、止め輪3dによって軸方向の移動が規制されて前記支持部材31との間に介在される略円板形状の本体部100Aと、この本体部100Aからリール本体側に向けて延出し、スプール3のスカート3Cの後方側で、スカートの表面と略面一状に配される円筒状の操作部100Bとを備えている。
釣人は、後述する切換操作を行う際には、円筒状の操作部100Bを把持し、この部分を回転操作する。このため、操作部100Bの露出面には、回転操作するに際して、滑りが生じないように、周方向に沿って凹凸部(ローレット目などで構成されていても良い)100cが形成されている。
なお、上記した操作部材100の本体部100Aは、スプール軸3aに対してフリー回転可能となるように配設されていても良いが、図に示すように、スプール軸3aの外周面に周方向に沿って凹凸3eを形成しておき、この部分に、バネ103によって付勢される係合突起104を配した構成であっても良い。このようにすることで、操作部材100の回転操作に対して、適度な節度感を与えることができ、また、操作部材100が不用意に回転してしまうことが抑制される。
前記本体部100Aには、その径方向外側において、ドラグ機構側に向けて係合突部100aが突出形成されており、操作部材100を回転操作した際、前記作動カム85に形成された第1作動突部85aと当接可能となっている。この場合、本実施形態では、係合突部100aは、略90°間隔で4箇所形成されている。
また、前記本体部100Aには、係合突部100aの径方向内側において、ドラグ機構側に向けて復帰用突部(復帰体)100dが突出形成されている。この復帰用突部100dは、スプール3を、フリー状態から、ドラグ作動状態に復帰させるための復帰機構110を構成するものであり、本実施形態では、略90°間隔で4箇所形成されており、スプールフリー状態時において、後述する復帰用連結部材90の係合ピン95に当接可能となっている。なお、復帰用突部100dには、回転した際、係合ピン95を径方向外側に向けて案内するように、周方向の両側に案内用の傾斜面100eが形成されている。
そして、前記作動カム85には、支軸85Aを中心として前記第1作動突部85aと対向する位置に第2作動突部85bが突出形成されている。この第2作動突部85bは、支持部材31に、支持部90aを中心にして回動可能に支持され、前記復帰機構110を構成する復帰用連結部材90の一端側に形成された係合部91に当接されている。この場合、復帰用連結部材90は、その一端側に形成された係合部91が、常時作動カム85の第2作動部85bに当て付くように、付勢バネ94によって回動付勢されている。
また、前記復帰用連結部材90の他端側には、リール本体側に向けて、係合ピン95が突出形成されており、この係合ピン95は、支持部材31に形成された長溝31eに入り込んで、支持部材31の裏面から突出している。この係合ピン95は、復帰用連結部材90が、図7(a)に示す状態から支軸90aを中心にして時計回り方向に回動されると、図7(b)に示すように、前記操作部材100の本体部100Aに形成された復帰用突部100dの回転軌跡内に移動する。
さらに、前記作動カム85には、前記転がり式一方向クラッチ80に設けられた作動アーム81の係合孔82内に位置するように、第3作動突部85cが形成されている。この第3作動突部85cは、作動カム85が、操作部材100の係合突部100aの当接によって反時計回り方向に回動されると、作動アーム81を図7(b)に示す位置に回動させ、転がり式一方向クラッチ80の転がり部材80bをフリー回転領域に移動させる。
なお、前記作動カム85には、支持部材31との間に振分けバネ97が設置されており、作動カム85を、図7(a)に示す位置、図7(b)に示す位置に振分け保持する。
以上のように構成される魚釣用スピニングリールによれば、ドラグ作動状態では、図7(a)に示すように、摩擦作動体33と、スプール軸3aに固定された支持部材31とは、前記転がり式一方向クラッチ80の楔作用によって連結された状態となっており、スプール3に作用する釣糸繰り出し方向の回転力は、上記した制動部材21とスプール軸3aに固定された支持部材31との関係で、所望の制動力が作用する状態となる。
そして、図7(a)に示す状態から、操作部材100を一方向(釣糸の引き出し方向と反対方向;矢印D方向)に回転操作すると、上記した継脱機構40によって、スプールフリー状態(スプールにドラグ機構20の制動力が作用しない状態)に切換えられる。
すなわち、図7(a)において、操作部材100(操作部100B)を矢印D方向に回転操作すると、本体部100Aに形成された係合突部100aが作動カム85の第1作動突部85aに当接し、作動カム85を、支軸85Aを中心にして反時計回り方向に回動させる。そして、作動カム85が振分けバネ97のデッドポイントを超えると、図7(b)に示す位置に保持され、転がり式一方向クラッチ80は、第3作動突部85c及び作動アーム81によって、転がり部材80bがフリー回転領域に移動し、これにより、摩擦作動体33と、スプール軸3aに固定された支持部材31との連結状態は解除されて、スプール3はフリー状態に切換えられる。
スプールフリー状態では、前記復帰用連結部材90に突出形成された係合ピン95は、復帰用連結部材90の回動により、作動部材100の本体部100Aに形成された復帰用突部100dの回転軌跡内に移動する。また、このようなスプールフリー状態において、サブドラグ機構25の微調整ツマミ25Aを回転操作することで、フリー状態になっているスプール3に対して、制動部材26による補助的な制動力を作用させておくことも可能となる。
そして、実釣時において、上記のようなスプールフリー状態からドラグ作動状態に復帰させる場合は、操作部材100の操作部100Bを回転操作(矢印D,D1のいずれの方向に回転操作しても良い)する。操作部材100を回転操作すると、復帰用突部100dも一体的に回転され、周方向の両側に設けられた案内用の傾斜面100eが係合ピン95をキックし、復帰用連結部材90を、支持部90aを中心にして反時計回り方向に回動させる。これにより、復帰用連結部材90の係合部91は、第2作動突部85bを介して作動カム85を、支持部85Aを中心にして時計回り方向に回動させる。
そして、作動カム85が振分けバネ97のデッドポイントを超えると、図7(a)に示す位置に保持され、転がり式一方向クラッチ80は、第3作動突部85c及び作動アーム81によって、転がり部材80bが楔領域に移動し、これにより、摩擦作動体33と、スプール軸3aに固定された支持部材31とは連結状態(ドラグ作動状態)に復帰される。
上記したような切換機構30の構成においても、スプール軸方向に沿って進退するような操作部材を設ける必要がなくなり、ドラグ機構20は勿論、サブドラグ機構25についても設置スペースに制約が生じることはない。この結果、十分なドラグ力を発揮することができ、スプール回りを大型化するようなこともない。また、操作部材100は、ドラグノブ20A,25Aとは離れた位置に設置されているので、ドラグを調整する際に邪魔になることはなく、その操作性の向上が図れるようになる。
さらに、本実施形態では、切換機構30を構成する継脱機構40に、転がり式一方向クラッチ80を用いているため、切換機構全体の構造が簡略化されると共に、スプール内部に設置される継脱機構の組み込み性の向上が図れるようになる。また、復帰作動体の構成も簡略化することが可能となる。
図8から図10は、本発明に係る魚釣用スピニングリールの第3の実施形態を示す図であり、図8は、スプール部分を拡大して示す図、図9は、図8のA−A線に沿った断面図であり、(a)は、ドラグ作動状態を示す図、(b)は、スプールフリー状態を示す図、図10(a)は、図8のB−B線に沿った断面図、図10(b)は、図8のC−C線に沿った断面図、そして、図10(c)は、図8のD−D線に沿った断面図である。
本実施形態の操作部材100は、第1の実施形態で示した公知の糸落ち防止部材61(ラインガードとも称する)の本体61Aの外周面に回転可能に支持されており、スプール3を、ドラグ作動状態からフリー状態に切換え、さらには、スプール3を、ドラグ作動状態に復帰させる復帰機構としての機能を備えている。この場合、復帰機構110は、操作部材100の回転操作以外にも、ハンドル5の巻き取り回転操作によって、ドラグ作動状態に復帰できるよう構成されている。
前記操作部材100は、前記糸落ち防止部材61の本体61Aの周囲を囲繞するように回転可能に支持される円筒状の本体部100Aと、この本体部100Aからリール本体側に向けて延出し、スプール3のスカート3Cの後方側で、スカートの表面と略面一状に配される円筒状の操作部100Bとを備えている。従って、操作部材100は、スプール3が前後動した際、糸落ち防止部材61と共に一体的に前後動される。
また、前記本体部100Aの一部100A´は、図10(c)に示すように、糸落ち防止部材61の本体61Aに形成される円弧状の挿通孔61cを挿通しており、挿通孔61cから突出する突出端と本体61Aとの間に配設される軸方向付勢バネ112によって、操作部材100は、常時、リール本体側に向けて付勢された状態となっている。
さらに、本体部100Aは、糸落ち防止部材61の本体61Aに対して、周方向付勢バネ115を介在させることで、所定の角度内で一体回転可能に支持されている。すなわち、図10(b)に示すように、本体61Aの外周領域の一部には、周方向に沿って円弧状の凹所61dが形成されており、この凹所61d内に操作部材100の本体部100Aに形成された突片100fを配設して周方向付勢バネ115を介在させている。
これにより、操作部材100は、糸落ち防止部材61の本体61Aと一体的に回転できる構成となっており、糸落ち防止部材61が釣糸巻き取り方向に回転した際、後述するように、操作部材100を介して、スプールをドラグ作動状態に復帰させることが可能となっている。
前記操作部材100の本体部100Aには、その径方向外側において、ドラグ機構側に向けて係合突部100aが突出形成されており、操作部材100を、軸方向付勢バネ112の付勢力に抗してドラグ機構側にシフトし、かつ回転操作した際に、前記作動カム85に形成された第1作動突部85aと当接可能となっている。
また、前記本体部100Aには、係合突部100aの径方向内側において、ドラグ機構側に向けて復帰用突部(復帰体)100dが突出形成されている。この復帰用突部100dは、スプール3を、フリー状態から、ドラグ作動状態に復帰させるための復帰機構110を構成するものであり、スプールフリー状態時において、復帰用連結部材90の係合ピン95に当接可能となっている。
以上のように構成される切換機構30では、図9(a)に示す状態から、操作部材100の操作部100Bを把持し、軸方向付勢バネ112の付勢力に抗して、操作部材100をドラグ機構側にシフトし、この状態で、周方向付勢バネ115の付勢力に抗して図9(a)の矢印D方向に回転操作することで、操作部材100の係合突部100aを作動カム85の第1作動突部85aに当接させ、スプール3をフリー状態に切換える。
そして、上記のように、スプールフリー状態に切換操作した後、操作部材100を離すと、操作部材100は、軸方向付勢バネ112によってリール本体側にシフトし、かつ周方向付勢バネ115によって糸落ち防止部材61の本体61Aに対して図10(b)に示す位置に戻される。
スプールをフリー状態からドラグ作動状態に復帰させる復帰機構110は、ハンドル5の巻き取り回転操作によって、ドラグ作動状態に復帰できるよう構成されている。
すなわち、図9(b)に示すスプールフリー状態において、ハンドル5を巻き取り操作すると、糸落ち防止部材61は、図10(a)(b)の矢印D1方向に回転することから、それと共に一体回転する操作部材100に形成された復帰用突部(復帰体)110dが係合ピン95をキックし、復帰用連結部材90を、支持部90aを中心にして反時計回り方向に回動させる。これにより、復帰用連結部材90の係合部91は、第2作動突部85bを介して作動カム85を、支持部85aを中心にして時計回り方向に回動させる。
そして、作動カム85が振分けバネ97のデッドポイントを超えると、図9(a)に示す位置に保持され、転がり式一方向クラッチ80は、第3作動突部85c及び作動アーム81によって、転がり部材80bが楔領域に移動し、これにより、摩擦作動体33と、スプール軸3aに固定された支持部材31とは連結状態(ドラグ作動状態)に自動復帰される。
また、復帰機構110は、上記したハンドル5の巻き取り操作以外にも、操作部材100の操作部100Bを把持して、図9(b)の矢印D1方向に回転操作しても、スプール3をドラグ作動状態に自動復帰させることができる。すなわち、操作部材100を矢印D1方向に回転させると、それに形成された復帰用突部100dが一体的に回転して係合ピン95をキックし、復帰用連結部材90を、支持部90aを中心にして反時計回り方向に回動させる。そして、作動カム85が振分けバネ97のデッドポイントを超えると、図9(a)に示す位置に保持され、摩擦作動体33と、スプール軸3aに固定された支持部材31とは連結状態(ドラグ作動状態)に自動復帰される。
このように、本発明は、スプール3の後方に位置する操作部材100の操作部100Bを回転操作すること、及びハンドル5を巻き取り方向に回転駆動することで、ドラグ作動状態に自動復帰できるような構成であっても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
本発明は、スプールとスプール軸との間に、スプールをドラグ作動状態とフリー状態に切換える切換機構を設けた構成において、スプール軸の前端部にサブドラグ機構25のサブドラグノブ25Aを配設し、かつサブドラグノブの径方向外方にドラグ機構20のメインドラグノブ20Aを配設した構成であれば良く、切換機構30、継脱機構40の構成については、適宜変形することが可能である。この場合、上記した実施形態のように、ドラグ機構20を構成する制動部材21、サブドラグ機構25を構成する制動部材26を、摩擦作動体33を介して、径方向の内側及び外側に配設することで、スプールの内部空間を効率的に活用することが可能となる。
また、切換機構を切換操作する操作部材の配置位置や構成についても種々変形することが可能である。
本発明に係る魚釣用スピニングリールの第1の実施形態を示す図であり、内部構成を示す図(ドラグ作動状態)。 スプールを前方から見た図。 図1の主要部を拡大した図。 図3のA−A線に沿った断面図であり、(a)は、ドラグ作動状態を示す図、(b)は、スプールフリー状態を示す図。 図3のB−B線に沿った断面図。 本発明の第2の実施形態を示す図であり、スプール部分を拡大して示す図。 図6のC−C線に沿った断面図であり、(a)は、ドラグ作動状態を示す図、(b)は、スプールフリー状態を示す図。 本発明の第3の実施形態を示す図であり、スプール部分を拡大して示す図。 図8のA−A線に沿った断面図であり、(a)は、ドラグ作動状態を示す図、(b)は、スプールフリー状態を示す図。 (a)は、図8のB−B線に沿った断面図、(b)は、図8のC−C線に沿った断面図、そして、(c)は、図8のD−D線に沿った断面図。
符号の説明
1 リール本体
2 ロータ
3 スプール
3a スプール軸
20 ドラグ機構
20A 調整ツマミ(メインドラグノブ)
25 サブドラグ機構
25A 微調整ツマミ(サブドラグノブ)
30 切換機構
31 支持部材
33 摩擦作動体
40 継脱機構

Claims (1)

  1. スプール軸に設置され、釣糸が巻回されるスプールと、ハンドルの巻き取り操作で回転し、釣糸案内部を介して前記スプールに釣糸を巻回可能とするロータと、前記スプールとスプール軸との間に設けられ、前記スプールをドラグ作動状態とフリー状態に切換える切換機構と、を有する魚釣用スピニングリールにおいて、
    前記スプール軸の前端部にスプールフリー状態の回転抵抗力を調整するサブドラグ機構のサブドラグノブを配設し、前記サブドラグノブの径方向外方にドラグ作動状態のドラグ力を調整するメインドラグ機構のメインドラグノブを配設したことを特徴とする魚釣用スピニングリール。
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