JP2009193010A - 電子鍵盤楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 幼児の誤操作あるいは故意操作による大音量の楽音の発生を防止することが可能となる電子鍵盤楽器を提供する。
【解決手段】 本実施の形態の電子鍵盤楽器では、ユーザが一方の手で所定の複数の操作子を同時に操作した状態で、他方の手でボリューム・スライダ2bのつまみ2b1を操作したときにのみ、そのつまみ2b1の位置によって指定される音量変更を受け付けるようにしている。そして、片手で同時に操作する複数の操作子の組み合わせとして、幼児では操作できない次の組み合わせを採用している。すなわち、
(1)2鍵以上の鍵であって、最も離れている鍵間の音程が1オクターブあるいは1オクターブから前または後に所定度数離れたものの組み合わせ
(2)ピッチベンダ2aとその近傍の鍵1aの組み合わせ
である。
【選択図】図2

Description

本発明は、幼児の誤操作あるいは故意操作による大音量の楽音の発生を防止する機能を備えた電子鍵盤楽器に関する。
幼児の誤操作あるいは故意操作による不具合を防止する機能として、チャイルドロック機能が知られており、チャイルドロック機能を備えた装置の一例としては、リモコンがある(たとえば、特許文献1〜3参照)。特許文献1に記載のリモコンでは、幼児が同時に押し難い複数のキー、たとえば数字キーのうちの“1”キーと“12”キーを同時に押すことによって、チャイルドロックの設定/解除を行うことができるようにしている。また、特許文献2に記載のリモコンでは、1つのスイッチを押さえながらでなくては作動しないスイッチにより、チャイルドロックの設定/解除を行うことができるようにしている。さらに、特許文献3に記載のリモコンでは、スライドスイッチの操作部を指で押下したまま、横にスライドさせることにより、チャイルドロックの設定/解除を行うことができるようにしている。
ところで、上記従来のリモコンのチャイルドロック機能を電子鍵盤楽器に適用した場合、いわゆる当業者であれば、幼児が操作し難いキーを操作することによって、当該電子鍵盤楽器の所定機能(たとえば、音量指示操作子の操作に応じた音量制御)に対するチャイルドロックの設定/解除を行う構成を容易に想到することができる。
特開2005−204112号公報 特開2006−14252号公報 特許第3382905号公報
しかし、上記従来のリモコンのチャイルドロック機能を電子鍵盤楽器に適用した構成では、チャイルドロックを解除する操作が、幼児にとって操作し難いとは言え、完全にできない操作ではないので、幼児であっても操作方法を覚えることで、チャイルドロックを解除できることもある。そして、チャイルドロックが解除された後、幼児が、たとえば音量指示操作子を誤操作あるいは故意操作すると、周囲に迷惑となる大音量の楽音が発生してしまうことがあり得る。
本発明は、この点に着目してなされたものであり、幼児の誤操作あるいは故意操作による大音量の楽音の発生を防止することが可能となる電子鍵盤楽器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の電子鍵盤楽器は、音高情報を含む演奏データを入力するための複数の鍵からなる鍵盤および各種楽音パラメータを制御するための制御操作子を含む演奏操作子と、供給された演奏データに基づいて楽音信号を生成し、その楽音信号に応じた楽音を発生させる楽音発生手段と、該楽音発生手段によって発生される楽音の音量を指示するための音量指示操作子と、前記演奏操作子のうち、少なくとも2つの操作子であって、当該操作子を幼児が片手で同時に操作できないものを、ユーザが片手で同時に操作した状態で、もう一方の手で前記音量指示操作子を操作したときに、当該音量指示操作子に対する操作を受け付けるように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
請求項2に記載の電子鍵盤楽器は、請求項1の電子鍵盤楽器において、前記少なくとも2つの操作子は、前記複数の鍵のうちの少なくとも2鍵であって、その鍵間が1オクターブあるいは1オクターブから前または後に所定度数だけ離れた距離に配置されているものであることを特徴とする。
請求項3に記載の電子鍵盤楽器は、請求項1の電子鍵盤楽器において、前記少なくとも2つの操作子は、前記制御操作子であって、操作状態から非操作状態にしたときに所定の位置に自動的に復帰する自己復帰型操作子と、該自己復帰型操作子の近傍に位置するいずれかの鍵を少なくとも1つ含むことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、演奏操作子のうち、少なくとも2つの操作子であって、当該操作子を幼児が片手で同時に操作できないものを、ユーザが片手で同時に操作した状態で、もう一方の手で音量指示操作子を操作したときに、当該音量指示操作子に対する操作を受け付けるようにしたので、幼児の誤操作あるいは故意操作による大音量の楽音の発生を防止することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る電子鍵盤楽器の概略構成を示すブロック図である。
同図に示すように、本実施の形態の電子鍵盤楽器は、音高情報を含む演奏データを入力するための複数の鍵からなる鍵盤1と、各種楽音パラメータを制御するための1乃至複数の制御操作子からなるコントローラ2と、各種情報を入力するための複数のスイッチからなる操作パネル3と、鍵盤1の各鍵の操作状態を検出するための鍵盤スキャン回路4と、コントローラ2の各制御操作子の操作状態を検出するためのコントローラ・スキャン回路5と、操作パネル3の各スイッチの操作状態を検出するためのパネル・スキャン回路6と、装置全体の制御を司るCPU7と、該CPU7が実行する制御プログラムや各種テーブルデータ等を記憶するROM8と、演奏データ、各種入力情報および演算結果等を一時的に記憶するRAM9と、タイマ割込み処理における割込み時間や各種時間を計時するタイマ10と、前記制御プログラムを含む各種アプリケーションプログラムや各種楽曲データ、各種データ等を記憶する外部記憶装置11と、各種情報等を表示する、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)および発光ダイオード(LED)等を備えた表示器12と、外部MIDI(Musical Instrument Digital Interface)機器100等の外部機器を接続し、この外部機器とデータの送受信を行う通信インターフェース(I/F)13と、鍵盤1から入力された演奏データや、前記外部記憶装置11に記憶されたいずれかの楽曲データを再生して得られた演奏データ等を楽音信号に変換する音源回路14と、該音源回路14からの楽音信号に各種効果を付与するためのDSP(digital signal processor)15と、該DSP15からのデジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換する、DAC(digital-to-analog converter)を含むオーディオ回路17と、オーディオ回路17からのアナログ楽音信号を音響に変換する、たとえばアンプやスピーカ等のサウンドシステム18とにより構成されている。
上記構成要素4〜15は、バス19を介して相互に接続され、CPU7にはタイマ10が接続され、通信I/F13には外部MIDI機器100が接続され、音源回路14には波形メモリ16が接続され、DSP15にはオーディオ回路17が接続され、オーディオ回路17にはサウンドシステム18が接続されている。
コントローラ2としては、たとえば、ピッチベンダやボリュームスライダ、ジョイスティック等を挙げることができる。図2は、本実施の形態の電子鍵盤楽器の平面図であり、同図に示すように、鍵盤1に隣接して、ピッチベンダ2aとボリューム・スライダ2bを含むコントローラ2が設けられている。ピッチベンダ2aは、楽音の音高(ピッチ)を連続的にアップ/ダウンさせるための操作子であり、本実施の形態では、ホイール形状のものを採用している。ピッチベンダ2aは、自己復帰型の操作子であり、ユーザがその手をピッチベンダ2aから離すと、所定の位置(操作する前の位置)に自動的に戻るように構成されている。なお、本発明は、このような自己復帰型の操作子を用いることに1つの特徴があるので、自己復帰型の操作子を少なくとも1つ備える必要がある。ただし、自己復帰型であれば、その形状はどのようなものであってもよいので、たとえば、レバー形状のピッチベンダを採用するようにしてもよい。また、前記ジョイスティック(図示せず)が自己復帰型の操作子であれば、それを用いるようにしてもよい。ボリューム・スライダ2bは、つまみ2b1を左右に動かすことで、スピーカ17aから発生する楽音の音量を指示する操作子である。なお、ボリューム・スライダ2bは、音量指示操作子の一例であり、スライダ型のものに限らず、回転型のものであってもよい。前記CPU7は、前記コントローラ・スキャン回路5から、ボリューム・スライダ2bのつまみ2b1の位置に対応するボリューム値コードを読み取り、そのボリューム値コードに変化があったときに、そのボリューム値コードに応じた音量値を前記DSP15の音量レジスタ(図示せず)に設定するようにしている。DSP15は、音量レジスタに設定された音量値に応じた振幅の楽音信号を生成する。なお、コントローラ・スキャン回路5は、ボリューム値コードの出力(ボリューム機能有効)/非出力(ボリューム機能無効)を外部(CPU7)から制御できるように構成され、ボリューム機能無効が指示された場合には、コントローラ・スキャン回路5からボリューム値コードは出力されない。
外部記憶装置11としては、たとえば、フレキシブルディスクドライブ(FDD)、ハードディスクドライブ(HDD)、CD−ROMドライブおよび光磁気ディスク(MO)ドライブ等を挙げることができる。そして、外部記憶装置11には、前述のように、CPU7が実行する制御プログラムも記憶でき、ROM8に制御プログラムが記憶されていない場合には、この外部記憶装置11に制御プログラムを記憶させておき、それをRAM9に読み込むことにより、ROM8に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU7にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。
通信I/F13には、図示例では、外部MIDI機器100が接続されているが、これに限られず、たとえばLAN(local area network)やインターネット、電話回線等の通信ネットワークを介して、サーバコンピュータが接続されるようにしてもよい。この場合、外部記憶装置11に上記各プログラムや各種パラメータが記憶されていなければ、通信I/F13は、サーバコンピュータからプログラムやパラメータをダウンロードするために用いられる。クライアントとなる電子鍵盤楽器は、通信I/F13および通信ネットワークを介してサーバコンピュータへとプログラムやパラメータのダウンロードを要求するコマンドを送信する。サーバコンピュータは、このコマンドを受け、要求されたプログラムやパラメータを、通信ネットワークを介して電子鍵盤楽器へと配信し、電子鍵盤楽器が通信I/F13を介して、これらプログラムやパラメータを受信して外部記憶装置11に蓄積することにより、ダウンロードが完了する。
音源回路14は、波形メモリ16に記憶された複数の波形データ(波形サンプル)からいずれかの波形データ、つまり目的の楽音信号を生成するために必要な波形データを読み出し、これに基づいて目的の楽音信号を生成する。このように、本実施の形態では、音源回路14として、波形メモリ方式のものを採用しているが、これに限らず、FM(frequency modulation)方式、物理モデル方式、高調波合成方式、フォルマント合成方式、VCO(voltage controlled oscillator)+VCF(voltage controlled filter)+VCA(voltage controlled amplifier)のアナログシンセサイザ方式、アナログシミュレーション方式など、どのような方式のものを採用してもよい。
DSP15は、前述のように、音源回路14からの楽音信号に各種効果を付与するものであるが、この各種効果の中に前記音量制御も含まれている。
以上のように構成された電子鍵盤楽器が実行する制御処理を、まず図2を参照してその概要を説明し、次に図3および図4を参照して詳細に説明する。
本実施の形態の電子鍵盤楽器では、ユーザが一方の手で所定の複数の操作子を同時に操作した状態で、他方の手でボリューム・スライダ2bのつまみ2b1を操作したときにのみ、そのつまみ2b1の位置によって指定される音量変更を受け付けるようにしている。そして、片手で同時に操作する複数の操作子の組み合わせとして、幼児では操作できない次の組み合わせを採用している。すなわち、
(1)2鍵以上の鍵であって、最も離れている鍵間の音程が1オクターブあるいは1オクターブから前または後に所定度数離れたものの組み合わせ
(2)ピッチベンダ2aとその近傍の鍵1aの組み合わせ
である。
上記(1)の組み合わせの鍵は、幼児では片手で同時に押下することができないものの、就学児以上では片手で同時に押下できる。ただし、年齢が決まれば、その手の大きさも一意的に決まるものではなく、人によってその大小にばらつきがあるので、鍵間が1オクターブから前または後に所定度数離れたものも採り得るようにしている。この場合、前と後のいずれか、および所定度数も、ユーザが自由に選択できるようにすることが好ましい。
上記(2)の組み合わせの操作子も、幼児では片手で同時に操作することができないものの、就学児以上では片手で同時に操作できる。これは、ピッチベンダ2aのような自動復帰型の操作子を操作すると、その操作に対して元に戻ろうとする復元力が逆方向に加わるため、ピッチベンダ2aと鍵1aとを片手で同時に操作することは、幼児ではできないからである。ただし、ピッチベンダ2aを少し動かした状態で鍵1aを押下することは幼児でもできるかも知れないので、ピッチベンダ2aをアップ方向/ダウン方向の最大値(あるいは所定値以上)に動かした状態で鍵1aを押下するときに、音量変更を受け付けるようにした方が好ましい。なお、本実施の形態では、ピッチベンダ2aと同時に操作する鍵を、ピッチベンダ2aに最も近い鍵1aとしたが、これに限らず、他の鍵(ただし、片手でピッチベンダ2aと一緒に操作可能な距離内に配置されているもの)であってもよい。この場合、その鍵をユーザが自由に選択できるようにすることが好ましい。
また、上記(1)および(2)の組み合わせは、いずれか一方が固定的に決まっていて、その変更をユーザが自由に行えないとしてもよいし、ユーザがいずれかを自由に選択できるようにしてもよい。
さらに、操作子の組み合わせ自体をユーザが任意に設定できるようにしてもよい。この場合、操作子の組み合わせは、幼児では片手で同時に操作できないものの、就学児以上では片手で同時に操作できるものである必要があり、その条件に合う操作子の組み合わせを選択することは一般ユーザでは難しいので、予め複数の選択肢を用意しておき、その選択肢の中らかユーザが自由に選択できるようにした方が好ましい。
また、上記(1)および(2)の組み合わせのように、複数の組み合わせを予め用意しておき、そのうちのいずれの組み合わせの操作子でも、その組み合わせの操作子が片手で同時に操作されれば、音量変更を受け付けるようにしてもよい。
もちろん、操作子の組み合わせは、例示したものに限られない。所定間隔以上離れており、かつ幼児以外であれば片手で同時に手が届く複数(2つ以上)操作子であれば、鍵盤の鍵に限らず、どのようなものを採用してもよい。また、幼児では操作できないような所定値以上の操作力を必要とする操作子としては、ピッチベンダ2aに限らず、前述のように、ジョイスティックなどであってもよい。
このように、本発明では、幼児では片手で同時に操作できない複数の操作子を片手で同時に操作した状態で、もう一方の手で音量指示操作子を操作しなければ、音量変更できないようにしたので、幼児が誤ってあるいは故意に音量指示操作子を操作することで、大音量の楽音が発生してしまうことを防止することができる。
次に、この制御処理を詳細に説明する。
図3は、本実施の形態の電子鍵盤楽器、特にCPU7が実行するボリューム機能オン/オフ処理の手順を示すフローチャートである。本ボリューム機能オン/オフ処理は、前記タイマ10が所定時間(たとえば、100μs)毎に発生する割込み信号に同期して起動される。つまり、本ボリューム機能オン/オフ処理は、所定周期毎に実行される。なお、割込み信号を発生させる許可は、前記図2の電源スイッチ(SW)21が押下されたときに起動されるメインルーチン(図示せず)中で行うようにすればよい。
前記コントローラ・スキャン回路5は、ボリューム機能が有効(“1”)であるか無効(“0”)であるかを示すボリューム機能フラグを備え、このボリューム機能フラグは、CPU7によってセット(“1”)/リセット(“0”)できるように構成されている。コントローラ・スキャン回路5は、ボリューム機能フラグを常時監視し、ボリューム機能フラグがセット状態のときにだけ、ボリューム・スライダ2bのつまみ2b1の位置に応じたボリューム値コードを出力し、ボリューム機能フラグがリセット状態のときには、ボリューム値コードを出力しない。本ボリューム機能オン/オフ処理は、このボリューム機能フラグをセット/リセットすることで、ボリューム機能を有効(オン)/無効(オフ)にする。
本ボリューム機能オン/オフ処理では、CPU7は、所定組み合わせの複数操作子の操作状態を検出し(ステップS1)、当該複数操作子が同時に操作されているときには、コントローラ・スキャン回路5にボリューム機能有効を指示する(ステップS2→S3)一方、当該複数操作子が同時に操作されていないときには、コントローラ・スキャン回路5にボリューム機能無効を指示する(ステップS2→S4)。コントローラ・スキャン回路5は、ボリューム機能有効が指示されると、ボリューム機能フラグをセットし、ボリューム機能無効が指示されると、ボリューム機能フラグをリセットする。また、前記ステップS1の「所定組み合わせの複数操作子」とは、前記(1)または(2)のいずれかの組み合わせを意味する。
なお、本実施の形態では、コントローラ・スキャン回路5は、ボリューム機能無効が指示されたときには、ボリューム値コードを出力しないようにしたが、これに限らず、このときには、以前の(ボリューム機能有効が指示されていたときの)ボリューム値コードを出力し続けるようにしてもよい。
図4は、本実施の形態の電子鍵盤楽器、特にCPU7が実行するボリューム値コード検出処理の手順を示すフローチャートである。本ボリューム値コード検出処理も、タイマ10が所定時間(たとえば、100μs)毎に発生する割込み信号に同期して起動される。つまり、本ボリューム検出処理も、所定周期毎に実行される。なお、ボリューム値コード検出処理における所定周期と前記ボリューム機能オン/オフ処理における所定周期は、本実施の形態では、同じとしたが、異なっていてもよい。
本ボリューム値コード検出処理では、まずCPU7は、コントローラ・スキャン回路5からボリューム値コードを読み出す(ステップS11)。コントローラ・スキャン回路5は、前述のように、ボリューム機能が無効の場合には、ボリューム値コードを出力しないので、この場合には、CPU7は、コントローラ・スキャン回路5からボリューム値コードを読み出さない。前記RAM9の所定位置には、ボリューム値コードを格納するためにボリューム値コード格納領域(図示せず)が確保されている。このボリューム値コード格納領域は、本ボリューム値コード検出処理によって前回検出されたボリューム値コードを格納し、今回検出されたボリューム値コードと比較することで、ボリューム値コードが変化したかどうかを検出するために用いられる。なお、ボリューム値コード格納領域の格納内容の更新は、前回検出されたボリューム値コードを使わなくなった時点、つまり、少なくとも本ボリューム値コード検出処理が終了した時点で、CPU7によってなされる。ただし、コントローラ・スキャン回路5からボリューム値コードが読み出されないときには当然、ボリューム値コード格納領域の格納内容の更新もなされない。
次にCPU7は、ボリューム値コード格納領域に格納されたボリューム値コードと、前記ステップS11で読み出されたボリューム値コードを比較することで、ボリューム値コードが変化したかどうかを判別し(ステップS12)、ボリューム値コードが変化したときには、そのボリューム値コードに対応する音量値を算出し、この音量値をDSP15の前記音量レジスタに設定する(ステップS13)一方、ボリューム値コードが変化しないときには、何もせずに本ボリューム値コード検出処理を終了する。
なお、本ボリューム値コード検出処理では、ボリューム値コードが変化したときにのみ、当該ボリューム値コードに応じた音量値をDSP15に設定するようにしたが、これに限らず、コントローラ・スキャン回路5からボリューム値コードを読み出す度に常に、当該ボリューム値コードに応じた音量値をDSP15に設定するようにしてもよい。つまり、このように音量値を毎回DSP15に設定したとしても、音量値は、ボリューム値コードが変化しない限り、変化しないので、結局、ボリューム値コードが変化したときにのみ音量値をDSP15に設定したときと、その効果は変わらない。
なお、本実施の形態では、コントローラ・スキャン回路5は、ボリューム機能の有効/無効に応じてボリューム値コードの出力/非出力を切り替えるようにしたが、これに限らず、コントローラ・スキャン回路5は常にボリューム値コードを出力するように構成しておき、ボリューム機能の有効/無効に応じて、CPU7側で、出力されたボリューム値コードの採用/不採用を切り替えるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、ボリューム機能が無効の状態でボリューム・スライダ2bのつまみ2b1が最大値付近に操作された後、ボリューム機能が有効になって、ボリューム値コードが出力されたり採用されたりすると、音量値がいきなり最大値付近に設定されてしまい都合が悪い。そこで、ボリューム機能が有効になっても直ちにはボリューム値コードを出力せず、あるいはボリューム値コードが出力されていてもそれを採用せず、以前にボリューム機能が有効であった時点の値までつまみ2b1が操作されたときに初めて、ボリューム値コードを出力し、あるいは採用するとよい。
また、本実施の形態では、コントローラ2と操作パネル3は、別体として構成したが、これに限らず、一体として構成してもよい。
さらに、本実施の形態では、DSP15で音量制御を行うようにしたが、これに限らず、たとえば、音源回路14内で音量制御を行うようにしてもよいし、ミキサ回路や専用の音量制御回路を備え、それによって音量制御を行うようにしてもよい。あるいは、これらの専用回路に限らず、CPU7によるソフトウェア処理により、これらの専用回路と同等の機能(音量制御)を実現するようにしてもよい。
なお、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードおよび該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、たとえば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。また、通信ネットワークを介してサーバコンピュータからプログラムコードが供給されるようにしてもよい。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明の一実施の形態に係る電子鍵盤楽器の概略構成を示すブロック図である。 図1の電子鍵盤楽器の平面図である。 図1の電子鍵盤楽器、特にCPUが実行するボリューム機能オン/オフ処理の手順を示すフローチャートである。 図1の電子鍵盤楽器、特にCPU7が実行するボリューム値コード検出処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1…鍵盤,2…コントローラ,3…操作パネル,4…鍵盤スキャン回路,5…コントローラ・スキャン回路,6…パネル・スキャン回路,7…CPU,14…音源回路,15…DSP,16…波形メモリ,17…オーディオ回路,18…サウンドシステム

Claims (3)

  1. 音高情報を含む演奏データを入力するための複数の鍵からなる鍵盤および各種楽音パラメータを制御するための制御操作子を含む演奏操作子と、
    供給された演奏データに基づいて楽音信号を生成し、その楽音信号に応じた楽音を発生させる楽音発生手段と、
    該楽音発生手段によって発生される楽音の音量を指示するための音量指示操作子と、
    前記演奏操作子のうち、少なくとも2つの操作子であって、当該操作子を幼児が片手で同時に操作できないものを、ユーザが片手で同時に操作した状態で、もう一方の手で前記音量指示操作子を操作したときに、当該音量指示操作子に対する操作を受け付けるように制御する制御手段と
    を有することを特徴とする電子鍵盤楽器。
  2. 前記少なくとも2つの操作子は、前記複数の鍵のうちの少なくとも2鍵であって、その鍵間が1オクターブあるいは1オクターブから前または後に所定度数だけ離れた距離に配置されているものであることを特徴とする請求項1に記載の電子鍵盤楽器。
  3. 前記少なくとも2つの操作子は、前記制御操作子であって、操作状態から非操作状態にしたときに所定の位置に自動的に復帰する自己復帰型操作子と、該自己復帰型操作子の近傍に位置するいずれかの鍵を少なくとも1つ含むことを特徴とする請求項1に記載の電子鍵盤楽器。
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