JP2009193004A - 光学素子の製造方法及び光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来と比較して複屈折の少ない光学素子を製造する。
【解決手段】上型102及び下型103を有する成形型101により溶融ガラス滴Gを加圧成形する対物レンズ7の製造方法では、下型103に溶融ガラス滴Gを滴下する滴下工程と、上型102及び下型103を上下方向に芯厚対応間隔まで近接させた状態で、当該溶融ガラス滴Gを放熱させつつ加圧成形する加圧成形工程とを行う。加圧成形工程では、上型102及び下型103は、芯厚対応間隔に近接した後、溶融ガラス滴Gの温度Tが(ガラス転移温度Tg(℃)−60)≦T≦(ガラス転移温度Tg(℃)−20)となるまで、1kgf/mm2以上、9kgf/mm2以下の圧力で加圧を行なう。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学素子の製造方法及び光学素子に関する。
従来、ガラス製の光学素子を成形する成形法として、いわゆる液滴法と呼ばれる方法がある。この方法では、溶融ガラス滴を上下に挟んで成形する上型及び下型を予め所定温度に加熱しておき、下型に溶融ガラス滴を滴下した後、上型及び下型を近接させてガラス滴をガラス転移温度まで上型,下型に対し放熱させつつ、加圧成形する(例えば、特許文献1参照)。なお、ガラス転移温度Tgとは、ガラスを加熱したときに弾性状態から粘弾性状態へと転移する温度であり、具体的には、ガラスが弾性状態にあるときの温度変化に対する熱膨張の割合を示す熱膨張直線と、そのガラス素材が粘弾性状態にあるときの熱膨張直線との交点の温度をいう。
このような液滴法には、成形型の加熱・冷却を繰り返すことなく光学素子を成形することができるため、製造装置を簡略化するとともに成形サイクルを短縮できる利点がある反面、所定の曲面を有する成形型に対して溶融ガラス滴が押圧成形されるため、ガラス光学素子のレンズ本体の外周部に比較的大きな圧力が加わり、その圧力に起因してレンズ本体に歪みが生じる結果、複屈折が発生する。従来の液滴法では、ガラス滴がガラス転移温度以下となった後に加圧しないため、レンズ本体の外周部では成形型から比較的大きな圧力を受けつつ当該成形型に放熱する一方、収縮して成形型と密着しなくなるレンズ本体の中心部では成形型から圧力を受けずに放熱を行なわないこととなる結果、成形後に複屈折が残留する。このような複屈折は、レンズ本体の中心部と外周部との肉厚差の大きいレンズ、つまり開口数の大きいレンズ(たとえば開口数0.6以上)ほど発生しやすい。そして、光学素子に複屈折が生じてしまうと、透過光に非点収差を発生させることとなるため、例えばこのような光学素子が光ピックアップ装置の対物レンズとして用いられる場合には、集光スポットが所望の形状とならず、情報の記録・再生が正確に行なわれないこととなってしまう。
この点、液滴法によって光学素子を成形する場合であっても、成形後の処理によっては、複屈折を低減できる可能性がある。但し、このような後処理は、一般に手間やコストがかかってしまい、実用的ではない。
ところで、光学素子の他の成形法として、いわゆる再加熱法と呼ばれる方法がある。この方法では、下型に固形のガラス材料を載置した後、下型及び上型をガラスの変形可能温度から、ガラス転移温度未満の温度まで加熱・冷却して温度変化させつつ、加圧成形を行なう。そして、この方法によれば、複屈折の発生を防止した状態で光学素子を成形することができる(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−234740号公報 特開2004−331471号公報
しかしながら、上記特許文献2記載の技術は、ガラスの変形可能温度と、ガラス転移温度未満の温度との間で成形型の温度を積極的に制御しているため、成形型に対する加熱・冷却を行なわない液滴法に対しては適用することができない。
本発明の課題は、従来と比較して複屈折の少ない光学素子を製造することができる光学素子の製造方法及び光学素子を提供することである。
請求項1記載の発明は、上型及び下型を有する成形型により溶融ガラス滴を加圧成形して光学素子を製造する光学素子の製造方法において、
前記下型に溶融ガラス滴を滴下する滴下工程と、
前記上型及び前記下型を上下方向に所定の間隔まで近接させた状態で、当該溶融ガラス滴を放熱させつつ加圧成形する加圧成形工程と、
を行い、
前記加圧成形工程では、
前記上型及び前記下型は、前記所定の間隔に近接した後、前記溶融ガラス滴の温度Tが
(ガラス転移温度(℃)−60)≦T≦(ガラス転移温度(℃)−20)
となるまで、1kgf/mm2以上、9kgf/mm2以下の圧力で加圧を行なうことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光学素子の製造方法において、
前記加圧成形工程では、
前記上型及び前記下型は、前記温度Tが
(ガラス転移温度(℃)+50)≦T≦(ガラス転移温度(℃)+150)
を満たすときに、前記溶融ガラス滴に対する加圧を開始することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の光学素子の製造方法において、
前記光学素子として、
開口数が0.6以上の光学素子を製造することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の光学素子の製造方法において、
前記光学素子として、
波長500nm以下のレーザー光によって情報の記録及び/または再生を行なう光ピックアップ装置に備えられる対物レンズを製造することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、上型及び下型を有する成形型により溶融ガラス滴を加圧成形して製造される光学素子において、
前記下型に溶融ガラス滴を滴下する滴下工程と、
前記上型及び前記下型を上下方向に所定の間隔まで近接させた状態で、当該溶融ガラス滴を放熱させつつ加圧成形する加圧成形工程と、
を行い、
前記加圧成形工程では、
前記上型及び前記下型は、前記所定の間隔に近接した後、前記溶融ガラス滴の温度Tが
(ガラス転移温度(℃)−60)≦T≦(ガラス転移温度(℃)−20)
となるまで、1kgf/mm2以上、9kgf/mm2以下の圧力で加圧を行なうことで製造されることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の光学素子において、
前記加圧成形工程では、
前記上型及び前記下型は、前記温度Tが
(ガラス転移温度(℃)+50)≦T≦(ガラス転移温度(℃)+150)
を満たすときに、前記溶融ガラス滴に対する加圧を開始することで製造されることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項5または6記載の光学素子において、
開口数が0.6以上であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項5〜7の何れか一項に記載の光学素子において、
波長500nm以下のレーザー光によって情報の記録及び/または再生を行なう光ピックアップ装置に備えられる対物レンズであることを特徴とする。
本発明によれば、上型及び下型を所定の間隔まで近接させた状態で溶融ガラス滴を放熱させつつ加圧成形する加圧成形工程では、上型及び下型が前記所定の間隔となった後、溶融ガラス滴の温度Tが(ガラス転移温度(℃)−60)≦T≦(ガラス転移温度(℃)−20)となるまで、1kgf/mm2以上、9kgf/mm2以下の圧力で加圧を行なうので、ガラス滴がガラス転移温度以下に達しても、成形型はガラス滴(光学素子)の全体に対して均一に密着し続ける。従って、ガラス滴の中心部と外周部とが均一に成形型から加圧を受けつつ当該成形型に放熱を行なうよう、成形を行なうことができるため、従来と比較して複屈折の少ない光学素子を製造することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態では、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本発明に係る光学素子が対物レンズとして用いられた光ピックアップ装置1の概略構成を示す概念図である。
この図に示すように、光ピックアップ装置1には、半導体レーザ発振器2が具備されている。この半導体レーザ発振器2は、使用波長が500nm以下、好ましくは380nm以上で430nm以下の、いわゆる青紫色レーザ光源となっている。半導体レーザ発振器2から出射される青色光の光軸上には、半導体レーザ発振器2から離間する方向(図中、下から上への方向)に向かって、コリメータ3、ビームスプリッタ4、1/4波長板5、絞り6、対物レンズ7が順次配設されている。
対物レンズ7は、光ディスクDに対向した位置に配置されるものであって、半導体レーザ発振器2から出射された青色光を、光ディスクDの情報記録面上に集光するようになっている。この対物レンズ7の外径は4mmとなっており、開口数NAは0.6≦NA、好ましくは0.8≦NA、より好ましくは0.8≦NA≦0.9となっている。なお、本実施の形態における対物レンズ7は、レンズ本体7aの周囲に環状に形成されたフランジ部7bを介して2次元アクチュエータ10に搭載されており、この2次元アクチュエータ10の動作によって光軸上を移動自在となっている。また、本実施形態では、光ディスクDはいわゆる「高密度な光ディスク」であり、保護基板厚が0.1mm、記憶容量が約30GBとなっている。
また、ビームスプリッタ4の側方(図中、右側)には、2つのレンズからなるセンサーレンズ群8、センサー9が順次配設されている。
次に、光ピックアップ装置1の動作について説明する。
本実施形態における光ピックアップ装置1は、光ディスクDへの情報の記録動作時や、光ディスクDに記録された情報の再生動作時に、半導体レーザ発振器2から青色光を出射する。出射された青色光は、図1に示すように、光線L1となって、コリメータ3を透過して無限平行光にコリメートされた後、ビームスプリッタ4を透過して、1/4波長板5を透過する。さらに、絞り6及び対物レンズ7を順次透過した後、光ディスクDの保護基板D1を介して情報記録面D2に集光スポットを形成する。
集光スポットを形成した光は、光ディスクDの情報記録面D2で情報ピットによって変調され、情報記録面D2によって反射される。そして、この反射光は、光線L2となって、対物レンズ7及び絞り6を順次透過した後、1/4波長板5によって偏光方向が変更され、ビームスプリッタ4で反射する。その後、センサーレンズ群8を透過して非点収差が与えられ、センサー9で受光されて、最終的には、センサー9によって光電変換されることによって電気的な信号となる。
以後、このような動作が繰り返し行われ、光ディスクDに対する情報の記録動作や、光ディスクDに記録された情報の再生動作が完了する。
続いて、上記の対物レンズ7を成形するための成形装置について説明する。
図2は、本実施の形態における成形装置100を示す図である。
この図に示すように、成形装置100は、成形型101と、ガラス溶融槽104等とを有している。
このうち、成形型101には、溶融ガラス滴Gを上下に挟んで加圧成形を行なう上型102及び下型103が備えられており、上型102の下面と下型103の上面とは、対物レンズ7の光学面を形成できるよう、当該光学面の対応形状に形成されている。
また、上型102には、当該上型102を溶融ガラス滴Gに対する加圧方向、つまり下方向に移動させる駆動手段(図示せず)が接続されている。更に、この駆動手段には、上型102の位置に応じて駆動手段の出力を制御するとともに、駆動手段のトルクを一定の値に維持するように負荷に応じて駆動手段の出力を制御する制御手段(図示せず)が接続されている。
一方、下型103には、当該下型103を横方向に移動させて、ガラス溶融槽104の下方と、上型102の下方とに択一的に位置させる移動手段(図示せず)が接続されている。
また、ガラス溶融槽104には、溶融されたガラス材料が充填されており、下部のノズル104aから下型103の上面に溶融ガラス滴Gを滴下するようになっている。
なお、以上のような成形装置100としては、例えば特開2002−234740号公報や特開2005−330152号公報に開示のものを用いることができる。
続いて、上記の対物レンズ7の製造方法について説明する。
まず、上述の図2に示すように、溶融ガラス滴Gをガラス溶融槽104から下型103の上面に滴下した後、下型103を横方向に移動させて、下型103及び上型102を上下に対向した状態に配設する(滴下工程)。
なお、本発明の方法に適用されるガラス滴Gの大きさは特に制限されず、通常、重量で10mg〜5000mg程度、好ましくは10mg〜100mgである。1回のガラス滴Gの滴下で所望のガラス重量に達しない場合には、複数のガラス滴Gを滴下しても良い。また、使用されるガラス材料は特に制限されないが、粘性の高いガラスを用いることが好ましい。また、上型102および下型103はそれぞれガラス滴Gと接触する前から(ガラス転移温度Tg(℃)−100)〜(ガラス転移温度Tg(℃)−20)、好ましくは(ガラス転移温度Tg(℃)−60)〜(ガラス転移温度Tg(℃)−20)の温度に制御されていることが好ましい。
次に、上型102を下方向に移動させ、上型102及び下型103を上下方向に所定の間隔、具体的には、製造すべき対物レンズ7の芯厚に対応する間隔(以下、「芯厚対応間隔」とする)まで近接させた状態とし、溶融ガラス滴Gを成形型101に放熱させつつ加圧成形する(加圧成形工程)。
より詳細には、この加圧成形工程では、溶融ガラス滴Gの温度Tが(ガラス転移温度Tg(℃)+50)≦T≦(ガラス転移温度Tg(℃)+150)を満たすときに、溶融ガラス滴Gに対する加圧を開始する、つまり上型102を溶融ガラス滴Gに接触させ始める。そして、上型102及び下型103が前記芯厚対応間隔に近接した後、温度Tが(ガラス転移温度Tg(℃)−60)≦T≦(ガラス転移温度Tg(℃)−20)の所定温度となるまで、1kgf/mm2以上、9kgf/mm2以下の圧力で加圧を行なう。なお、本実施の形態においては、上型102及び下型103が芯厚対応間隔となったときには、これら上型102及び下型103は互いに当接しないようになっている。また、成形型101による加圧の圧力は、対物レンズ7の外径に応じて設定するのが好ましく、具体的には、外径が大きい場合には圧力を小さくし、外径が小さい場合には圧力を大きくすることが好ましい。
ここで、加圧開始時のガラス滴Gの温度Tが(ガラス転移温度Tg(℃)+50)以上であると、加圧開始時でのガラス滴Gの温度が低くなり過ぎないため、当該ガラス滴Gの硬さで成形型101に損傷を与えてしまうのを低減でき、(ガラス転移温度Tg(℃)+150)以下であると、ガラス滴Gと成形型101との温度差が大きくなり過ぎず、成形型101との接触によりガラス滴Gにヒケが発生してしまうのを防止し、成形型101からガラス滴Gへの転写性を向上することができる。なお、温度Tが(ガラス転移温度Tg(℃)+250)より大きい場合には、転写性を低下する可能性がある。また、(ガラス転移温度Tg(℃)+50)≦T≦(ガラス転移温度Tg(℃)+150)であると、成形される対物レンズ7の複屈折が低減される。
また、加圧終了時のガラス滴Gの温度Tが(ガラス転移温度Tg(℃)−60)未満であると、成形される対物レンズ7に割れが発生してしまう可能性があり、(ガラス転移温度Tg(℃)−20)より大きいと、対物レンズ7の複屈折が大きくなってしまう。一方、加圧終了時の温度Tが(ガラス転移温度Tg(℃)−60)≦T≦(ガラス転移温度Tg(℃)−20)であると、対物レンズ7の割れが防止されるとともに、複屈折が低減される。この場合には、従来と異なり、ガラス滴Gがガラス転移温度Tg以下に達しても、成形型101がガラス滴G(対物レンズ7)のレンズ本体7aに対して均一に密着し続ける結果、ガラス滴Gのレンズ本体7aの中心部及び外周部が均一に成形型101から加圧を受けつつ当該成形型101に放熱を行なうためである。
そして、上型102及び下型103を離型させた後、成形物としての対物レンズ7を取り出すことにより、対物レンズ7が製造される。
以上の対物レンズ7の製造方法によれば、加圧成形工程では、上型102及び下型103が芯厚対応間隔となった後、溶融ガラス滴Gの温度Tが(ガラス転移温度Tg(℃)−60)≦T≦(ガラス転移温度Tg(℃)−20)となるまで、1kgf/mm2以上、9kgf/mm2以下の圧力で加圧を行なうので、従来と比較して複屈折の少ない対物レンズ7を製造することができる。
また、加圧成形工程では、ガラス滴Gの温度Tが、(ガラス転移温度(℃)+50)≦T≦(ガラス転移温度(℃)+150)を満たすときに、当該ガラス滴Gに対する加圧を開始するので、成形型101からガラス滴Gに対する転写性を確保しつつ、より複屈折の少ない対物レンズを製造することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。
例えば、上記実施の形態においては、本発明における光学装置を光ピックアップ装置1、本発明に係る光学素子を対物レンズ7として説明したが、それぞれ他の光学装置,光学素子としても良い。
また、滴下工程では、溶融ガラス滴Gをガラス溶融槽104から下型103に滴下した後、下型103を上型102の下方に移動させることとして説明したが、溶融ガラス滴Gをガラス溶融槽104から他の受け皿(図示せず)上に滴下し、溶融ガラス滴Gを載せたまま当該受け皿を搬送した後、上型102の下方に配置されている下型103に溶融ガラス滴Gを移しても良い。
また、加圧成形工程では、上型102を下方に移動させて上型102及び下型103を芯厚対応間隔に近接させることとして説明したが、下型103を上方に移動させることとしても良いし、上型102を下方に、下型103を上方に、それぞれ移動させることとしても良い。
以下に、実施例および比較例を挙げることにより、本発明をさらに具体的に説明する。
[試料(1)〜(5)]
(試料(1)〜(5)の作成)
上記実施形態における対物レンズ7として、試料(1)〜(5)を作成した。
ここで、ガラス材料としては、同一の材料を用いた。また、その他の成形時の条件は、図3(a)に示す通りとなっている。即ち、試料(1)〜(5)では、加圧開始時の溶融ガラス滴Gの温度を同一温度(ガラス転移温度Tg(℃)+100)とし、上型102及び下型103が対物レンズ7の芯厚対応間隔となった後のガラス滴Gに対する圧力を同一圧力(4kgf/mm2)とした。一方、試料(1)〜(5)では、成形型101による加圧終了時点でのガラス滴Gの温度が異なっており、具体的には、試料(1)ではガラス転移温度Tg(℃)、試料(2)では(ガラス転移温度Tg(℃)−20)、試料(3)では(ガラス転移温度Tg(℃)−40)、試料(4)では(ガラス転移温度Tg(℃)−60)、試料(5)では(ガラス転移温度Tg(℃)−80)となっている。つまり、試料(2)〜(4)は本発明の実施例であり、試料(1),(5)は比較例である。
なお、以上のようにして作成した試料(1)〜(5)のうち、試料(5)には、成形時に割れが生じていた。
(複屈折による非点収差の評価)
作成された試料(1)〜(5)について、複屈折により生じる非点収差(以下、複屈折ASとする)を測定したところ、図3(a),図4に示す通りとなった。
ここで、対物レンズ7としての実用性を考慮すると、複屈折ASの値は10mλrms以下となることが好ましく、9mλrms以下となることがより好ましい。
この点、図3(a),図4を見ると、試料(2)〜(5)では複屈折ASの値が実用上、好ましい範囲に収まっており、試料(3),(4)ではより好ましい範囲に収まっていることが分かる。
(総合評価)
以上の結果から、試料(1)〜(5)について成形性及び複屈折ASを考慮して実用性を評価したところ、上述の図3(a)に示すようになった。この結果より、実用上、試料(2)〜(4)が好ましく、試料(3),(4)がより好ましいことが分かる。
なお、図3の「総合評価」の欄において、「×」は実用上、使用が難しいことを意味し、「○」は実用上、使用可能であることを意味し、「◎」は実用上、好ましく使用可能であることを意味する。
[試料(6)〜(10)]
(試料(6)〜(10)の作成)
上記実施形態における対物レンズ7として、試料(6)〜(10)を作成した。
ここで、ガラス材料としては、同一の材料を用いた。また、その他の成形時の条件は、図3(b)に示す通りとなっている。即ち、試料(6)〜(10)では、上型102及び下型103が対物レンズ7の芯厚対応間隔となった後のガラス滴Gに対する圧力を同一圧力(4kgf/mm2)とし、成形型101による加圧終了時点でのガラス滴Gの温度を同一温度(ガラス転移温度Tg(℃)−40)とした。一方、試料(6)〜(10)では、加圧開始時の溶融ガラス滴Gの温度が異なっており、具体的には、試料(6)では(ガラス転移温度Tg(℃)+200)、試料(7)では(ガラス転移温度Tg(℃)+150)、試料(8)では(ガラス転移温度Tg(℃)+100)、試料(9)では(ガラス転移温度Tg(℃)+50)、試料(10)では(ガラス転移温度Tg(℃)+30)となっている。つまり、試料(6)〜(10)は何れも本発明の実施例である。また、試料(8)は、上述の試料(3)と同一の試料である。
なお、試料(6)〜(9)では、1000ショットの成形でも成形型101に傷などの損傷は発見されなかったが、試料(10)については、加圧開始時点でのガラス滴Gの温度が比較的低いため、ガラス滴Gの硬さによって50ショットの成形により成形型101に僅かに損傷が見受けられた。
(複屈折による非点収差の評価)
作成された試料(6)〜(10)について、複屈折ASを測定したところ、上述の図3(b)に示す通りとなった。
この図を見ると、試料(6)〜(10)では複屈折ASの値が実用上、好ましい範囲に収まっており、資料(7)〜(9)ではより好ましい範囲に収まっていることが分かる。
(総合評価)
以上の結果から、試料(6)〜(10)について、成形性及び複屈折ASを考慮して実用性を評価したところ、上述の図3(b)に示すようになった。この結果より、試料(7)〜(9)が実用上、より好ましいことが分かる。
本実施の形態における光ピックアップ装置の概略構成を示す概念図である。 成形型による成形手順を説明するための図である。 試料の成形条件を示す図である。 成形型による加圧終了時点でのガラス滴の温度と、対物レンズに生じる複屈折ASとの関係を示す図である。
符号の説明
1 光ピックアップ装置
7 対物レンズ(光学素子)
101 成形型
102 上型
102 下型
G 溶融ガラス滴

Claims (8)

  1. 上型及び下型を有する成形型により溶融ガラス滴を加圧成形して光学素子を製造する光学素子の製造方法において、
    前記下型に溶融ガラス滴を滴下する滴下工程と、
    前記上型及び前記下型を上下方向に所定の間隔まで近接させた状態で、当該溶融ガラス滴を放熱させつつ加圧成形する加圧成形工程と、
    を行い、
    前記加圧成形工程では、
    前記上型及び前記下型は、前記所定の間隔に近接した後、前記溶融ガラス滴の温度Tが
    (ガラス転移温度(℃)−60)≦T≦(ガラス転移温度(℃)−20)
    となるまで、1kgf/mm2以上、9kgf/mm2以下の圧力で加圧を行なうことを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 請求項1記載の光学素子の製造方法において、
    前記加圧成形工程では、
    前記上型及び前記下型は、前記温度Tが
    (ガラス転移温度(℃)+50)≦T≦(ガラス転移温度(℃)+150)
    を満たすときに、前記溶融ガラス滴に対する加圧を開始することを特徴とする光学素子の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の光学素子の製造方法において、
    前記光学素子として、
    開口数が0.6以上の光学素子を製造することを特徴とする光学素子の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の光学素子の製造方法において、
    前記光学素子として、
    波長500nm以下のレーザー光によって情報の記録及び/または再生を行なう光ピックアップ装置に備えられる対物レンズを製造することを特徴とする光学素子の製造方法。
  5. 上型及び下型を有する成形型により溶融ガラス滴を加圧成形して製造される光学素子において、
    前記下型に溶融ガラス滴を滴下する滴下工程と、
    前記上型及び前記下型を上下方向に所定の間隔まで近接させた状態で、当該溶融ガラス滴を放熱させつつ加圧成形する加圧成形工程と、
    を行い、
    前記加圧成形工程では、
    前記上型及び前記下型は、前記所定の間隔に近接した後、前記溶融ガラス滴の温度Tが
    (ガラス転移温度(℃)−60)≦T≦(ガラス転移温度(℃)−20)
    となるまで、1kgf/mm2以上、9kgf/mm2以下の圧力で加圧を行なうことで製造されることを特徴とする光学素子。
  6. 請求項5記載の光学素子において、
    前記加圧成形工程では、
    前記上型及び前記下型は、前記温度Tが
    (ガラス転移温度(℃)+50)≦T≦(ガラス転移温度(℃)+150)
    を満たすときに、前記溶融ガラス滴に対する加圧を開始することで製造されることを特徴とする光学素子。
  7. 請求項5または6記載の光学素子において、
    開口数が0.6以上であることを特徴とする光学素子。
  8. 請求項5〜7の何れか一項に記載の光学素子において、
    波長500nm以下のレーザー光によって情報の記録及び/または再生を行なう光ピックアップ装置に備えられる対物レンズであることを特徴とする光学素子。
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