JP2009192310A - 熱電対アダプター部の構造及びシース熱電対 - Google Patents

熱電対アダプター部の構造及びシース熱電対 Download PDF

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【課題】耐熱性・耐振性に優れた熱電対アダプター部の構造を提供すること。
【解決手段】シース部のシース管から突出した素線と補償導線部の保護チューブから突出した導線との線接続部を覆う熱電対アダプター部の構造。熱電対アダプター部18は、金属製スリーブ40と、該金属製スリーブ40内に充填され線接続部38を絶縁固定する無機系充填材で形成される充填部42とを備えている。無機系充填材として液状硬化タイプの無機系接着剤を使用する。さらに、金属製スリーブ40内で、シース管20と保護チューブ24との端部間に補強部材50を、両端に第一・第二カシメ結合部52、54を有して配する。
【選択図】図2

Description

本発明は、シース熱電対のシース部と補償導線を接続するために使用する熱電対アダプター部及びシース熱電対に関する。
ここでは、発電所等におけるガスタービンのバレル壁に取り付けて、排ガス温度測定に使用するシース熱電対を例に採り説明する。本発明の熱電対は、上記排ガス温度測定用に限られず、耐熱性・耐振性が要求されるあらゆる部位の測温に適用できる。
シース熱電対は、上記排ガスのような高温腐食性ガス(400〜600℃)の感温手段として多用されている。
シース熱電対12は、例えば、シース部14と、補償導線部16とを備え、シース部14と補償導線部16を接続するアダプター部18とを備えた構成である(図1参照)。
アダプター部18は、シース部14のシース管(金属管)から突出させた一対の素線と、補償導線部16の保護チューブから突出させた一対の導線との線接続部を固定して覆うものである。
例えば、金属製スリーブ(金属管)で、両端をシース部(シース管)及び補償導線部(保護チューブ)の各外周にカシメ結合して形成される両端閉じ環状空間に、充填材(絶縁固定材)を充填して線接続部を固定していた。
上記充填材としては、特許文献1・2の如く、耐熱性有機高分子が、又は、特許文献3・4の如く、絶縁無機粉体(例えばマグネシア)が使用されていた。そして、ガスタービンのように超高温(1000℃前後以上)まで測定する場合は、絶縁無機粉体を充填材とするものを使用していた。
ここで、補償導線部16は、通常、一対の(補償)導線が、グラスウール等で被覆され、さらに、ステンレス線編組、ステンレス蛇腹管等からなる保護チューブで被覆された湾曲可能なものである。補償導線の長さは、ガスタービンの場合、通常、360〜500mmである。
そして、シース熱電対12のガスタービンのバレル壁28への取り付けは、下記の如く行う。
ガスタービンの測温個所のバレル壁28は、熱電対取付け座管30が貫通して取り付けられている。また、シース熱電対12のシース部14の中間部には、固定用ニップル32が取り付けられている。
そして、シース熱電対12のシース部14を、熱電対取付け座管30に挿入してニップル32で固定した後、補償導線部16の他端の芯線34を、接続端子36を介して、基準接点装置(変換器)(図示せず)に接続する。
そして、従来のシース部14の長さは、通常、2500〜3000mmと相対的に長かった。アダプター部18を炉壁からの熱・振動影響を余り受けない部位(通常、バレル壁から1500〜2500mm)に位置させるためである。アダプター部が熱・振動影響を受けると、アダプター部において断線が発生するおそれがある。
しかし、シース部14の長さが長いと、相対的に補償導線部の余剰長さが大きくなって補償導線部16の湾曲率(曲げ曲率)が高くなる。すると、補償導線部の戻り力が大きくなり、熱電対の取り付け・取り外しの作業が困難となる。
また、該熱電対の取り付け・取り外しに際して、上記戻り力が熱電対のシース部元部及びアダプター部に繰り返して作用することになる。この際、熱電対のシース部やアダプター部に断線が発生するおそれがあり、熱電対のシース部・アダプター部は、全部、補償導線部から切り離して、毎回取り替えていた。ちなみに、発電所のガスタービン(5軸)は、例えば、一軸あたり21本の熱電対を取り付けていた。
なお、特許文献1〜4は、特許庁電子図書館の公報テキスト検索で、論理式「(要約+請求の範囲)熱電対AND(同)アダプターAND(IPC)G01K7/02」でヒットした9件のうちの関連があると見られる4件である。
特開2003−270053号公報 特開平11−166868号公報 特開平11−166867号公報 特開平7−239277号公報
上記熱電対の取り付け・取り外し作業性の見地から、補償導線部の湾曲率が高いことに起因する戻り力を小さくするために、熱電対のシース管部の長さを短くすることが考えられる。
しかし、熱電対のシース部長さを短くすると、ガスタービン壁からの伝熱・振動の影響を受ける位置にアダプター部が位置することになる。
この場合、アダプター部の充填材として無機系(絶縁性無機粉体)のものを使用すれば、耐熱性の要求はある程度解消できるが、耐振性の問題は解決し難いことが分かった。すなわち、シース部素線と補償導線部の線接続部が、バレル壁からの振動を受けて断線し易いことが分かった。
本発明は、上記にかんがみて、耐熱性に優れるとともに、耐振性も有する熱電対アダプター部構造及び該アダプター部を備えたシース熱電対を提供することを目的(課題)とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意、開発に努力をした結果、断線の主たる理由が下記の如くであることに知見した。
内部固定材である無機粉体を熱スリーブ内に連続的に振動充填するため、該充填に際して、前記線接続部が振動を繰り返し受ける。このため、該線接続部のロウ付け部が損傷を受けるおそれがある。さらに、内部充填材が粉体であり、且つ、内部移動不能な程度に密でない。このため、タービンバレル壁からの振動を受けると、該線接続部(ロウ付け部)が微振動を受けて、断線が早期に発生し易くなる(耐久性に劣る。)。
上記知見に基づいて、下記各構成の熱電対アダプター部の構造に想到した。
1)シース部のシース管から突出した素線と補償導線部の保護チューブから突出した導線との線接続部を覆う熱電対アダプター部の構造であって、
該熱電対アダプター部は、素線と導線との線接続部の周囲を両端が閉じられ密閉的に覆う金属製スリーブと、該金属製スリーブ内に充填され線接続部を絶縁固定する無機系充填材で形成される充填部とを備えたものにおいて、
無機系充填材が、液状硬化タイプの無機系接着剤とされ、さらに、
金属製スリーブ内で、補強部材がシース管と保護チューブとの端部間に両端にカシメ結合部を有して配されている、ことを特徴とする。
無機系充填剤を液状硬化タイプの無機系接着剤とすることにより、金属製スリーブ内への充填が容易となる。すなわち、粉末充填の如く、連続的な振動を加える必要がなくなる。すなわち、無機系充填材の充填に際して、線接続部の接続強度に悪影響を与える振動は間欠的でよい。なお、本明細書で、液状とは、本来の液体ばかりでなく、スラリー状、ペースト状のものも含む概念である。
また、補強部材により線接続部に可及的に近い位置で、シース部と補償導線部との結合ができる。シース部と補償導線部との間に大きな引張り力が作用しても、該引張り力の殆どを金属製スリーブで受ける。この際、線接続部が受ける力は、従来のシース部と補償導線部との結合力で引張り力を受ける場合に比して、格段に小さくなる。
2)上記構成において、補強部材が、筒状体で形成され、両端がカシメ結合部とされるとともに、中間部に母線方向の切欠き部を有するものとすることができる。無機系接着剤の充填が容易となる。
3)上記各構成において、(a)金属製スリーブのシース部側及び補償導線部側の双方をカシメ結合部とする構成、又は、(b)金属製スリーブのシース部側をカシメ結合部とし、補償導線部側を液状硬化タイプの無機系シーラントで防湿シール兼固定部とする構成とすることができる。
上記(a)の場合、(b)の場合に比して、金属製スリーブの補償導線部に対する固定力が増大する。(b)の場合、金属製スリーブの補償導線部側のカシメ作業が不要となり、また、補償導線部側からの湿気の滲入を低減できる。
上記(a)の場合、金属製スリーブの少なくとも補償導線部側のカシメ結合部の内側に、液状硬化タイプの無機系シーラントで防湿シール部を形成すれば、補償導線部側からの湿気の滲入を低減できる。
4)上記各構成において、金属製スリーブ及び補強部材におけるシース部側のカシメ結合部を多角カシメとすることができる。多角カシメとすることにより、金属製スリーブ及び補強部材のシース部(補償導線部に比してより大きな振動エネルギーを受ける。)に対する結合性が増大する。すなわち、シース部側においては、補償導線部側に比して大きな振動エネルギーを受けるため、アダプター部側はシース部側に比して大きな結合性が要求される。
5)上記各構成の熱電対アダプター部の構造を適用した熱電対は、本発明の技術的範囲内に含まれるものであり、この場合、シース部長さが200〜1400mmの構成(従来品の半分以下の長さ)とすることができる。これにより、補償導線も耐熱性が要求されるため、補償導線は、保護チューブをセラミック繊維被覆層を備えたものとすることが望ましい。
本発明の熱電対アダプター部の構造は、耐熱・耐振性に優れ、シース長さを可及的に短くすることが可能となる。その結果、補償導線部の熱電対の取り付け・取り外しが容易となる。
以下、熱電対アダプター部の構造の望ましい実施形態に基づいて、本発明を説明する。前述例と同一部分については、同一図符号を付してそれらの説明の全部又は一部を省略する。
ここでは、熱電対として、ガスタービン排出ガス温度測定用に使用する、下記仕様の熱電対に適用する場合を例に採り説明する(図1参照)。
シース部・・・長さ:400〜800mm、外径:1.0〜8.0mm
補償導線部・・・長さ:2000〜3000mm、外径:6.0〜10.0mm、セラミック繊維被覆、外ステンレス繊維シールド。
図2に本発明の一実施形態を示す。
シース部14のシース管20から突出した素線22と補償導線部16の保護チューブ24から突出した導線26との線接続部38を覆う熱電対アダプター部18の構造であることを前提とする。
該熱電対アダプター部18は、素線22と導線26との線接続部38の周囲を両端が閉じられ密閉的に覆う金属製スリーブ40と、該金属製スリーブ40内に充填され線接続部38を絶縁固定する無機系充填材で形成される充填部42とからなる。そして、金属製スリーブ40は、両端がカシメ結合されている。ここまでは、特許文献4に記載の熱電対アダプター部の構造と基本的に同じである。
ここで、金属製スリーブ40の材質は、通常、腐食雰囲気で使用される場合を想定して、ステンレス管とするが、鋼管でもよい。
また、金属製スリーブ40の仕様は、熱電対の仕様により異なるが、上記仕様の場合、外径:10〜20mmφ、長さ:50〜100mm、肉厚:0.3〜0.6mmtとする。
そして、結合をカシメ結合で行う場合、同一金属管の両端カシメでも可能である。しかし、無機充填材の充填作業性の見地から、図例では、補償導線部16側のカシメ結合は、別ピースの、スリーブ嵌合部44aと補償導線嵌合部44bとを備えたキャップ(導線止め部材)44を介して行われている。
このとき、キャップ44と金属製スリーブ40との結合は、通常、点溶接により行う。また、金属製スリーブ40(又はキャップ44)の、シース部14(シース管20)及び補償導線部16(保護チューブ24)に対するカシメ結合は、それぞれ多角カシメ(例えば八角カシメ)とする。
上記無機系充填材は、本実施形態では、液状硬化タイプの無機系接着剤(セラミック系接着剤)とする。
該無機系接着剤は、金属製スリーブ40内への充填が可能で、シース部14のシース管20を介して金属製スリーブ40に振動が伝達されたとき、線接続部38が金属製スリーブ40内で微振動しない程度に強固に結合でき、且つ、所定の耐熱性・絶縁性を有するものなら特に限定されない。
例えば、最高使用温度(耐熱温度)1000℃以上(より好ましくは1300℃以上)、体積固有抵抗値(23℃、55%RH):108Ω・cm以上(より好ましくは1010Ω・cm以上)、線膨張率(0〜600℃平均):1×10-5〜20×10-5/℃の硬化物特性を示すものとする。
より具体的には、昭和高分子株式会社から「ハイパーランダム」の登録商標名で上市されている「セラミック系接着剤Cシリーズ」を挙げることができる。例えば、「901」(シリカ・アルミナ系:ペイント状)、「989」(アルミナ系:ペースト状)、「944」(シリカ系:粉末)、「919」(ジルコニア系)等を好適に使用できる。なお、形態が「粉末」であるものは、水を加えてクリーム(ペースト)状として、使用する。
本実施形態では、さらに、金属製スリーブ40内で、補強部材50が、シース管20と保護チューブ24との端部間に、両端に第一・第二カシメ結合部52、54を有して配されている。補強部材50の形態は、シース部14(シース管20)と補償導線部16(保護チューブ24)との間の大きな引張り力が作用したときに、該引張り力の影響から線接続部38を保護する作用を奏すれば特に限定されない。
具体的には、図例では、補強部材50は、筒状で、さらに、中間部に母線方向の切欠き部56を有するものである。具体的には、補強部材の両端の第一・第二カシメ結合部52、54は、シース部14側の第一カシメ結合部52が円環状とされ補償導線部16側の第二カシメ結合部54が割り円状とされている。割り円状とするのは、後述のペンチカシメを容易にするためである。
なお、切欠き部56は、中間部に母線に沿って周面の1/4〜1/2が切り欠き部とされている(図例では1/2)。該切欠き部56は、無機充填材(無機接着剤)の充填口となる。
なお、補強部材50を形成する筒状体の径及び長さは、熱電対の仕様により異なるが、上記仕様の場合、外径:3〜8mmφ、長さ:30〜50mm、肉厚:0.3〜0.6mmt、切欠き部長さ:20〜40mmとする。
補強部材50におけるシース部14側の第一カシメ結合部52は、結合力(耐ズリ移動性)を担保する見地から、通常、多角カシメ(例えば八角カシメや六角カシメ)とする。補償導線部16側の第二カシメ結合部54は、図例では、作業性の見地から、ペンチカシメである。シース側と同様、多角カシメとしてもよい。工数は嵩むが、ペンチカシメの方が、結合力(耐ズリ移動性)は担保し易くなる。
第一・第二カシメ結合部52、54の長さは、例えば、上記仕様のシース管に対して行う場合、通常、5〜8mmとする。
次に、上記アダプター部18の構造の製造方法について、説明する。
1)シース部14のシース管20から突出する素線(コア)22を剥き出し、慣用の方法で口元シールを行う。他方、補償導線部16から突出する導線26の先端を剥き出す。そして、該導線26と前記素線22とを、それぞれ、プラス同士、マイナス同士を銀ロウ等でロウ付けして線接続部38を形成する。
2)補強部材50を、シース部14の先端側から嵌めて所定位置まで移動させる。そして、シース部14側をプレス機で多角カシメ(機械カシメ)を行うとともに、補償導線部16側をペンチ等で手動カシメを行って、第一・第二カシメ結合部52、54を形成する。
3)そして、補強部材50を、切欠き部56が上になるように水平とし、上側から前述の液状硬化型の無機系接着剤を、空気が混入しないように間欠的に振動させて充填を行う。充填後、加熱硬化(例えば、80℃×4h)させる。なお、補強部材は、充填する無機系充填材(無機系接着剤)の流動性が良好であれば、全周に均等な流入孔を有する多孔板又はスリット若しくはフレーム構造とすることもできる。後述の金属製スリーブ40内に無機系接着剤を振動充填するときに、同時充填してもよい。
4)つぎに、シース部14側から金属製スリーブ40を嵌め、シース部14側をプレス機で多角カシメ48を行う。そして、金属製スリーブ40を立てた状態で、補償導線部16側から、金属製スリーブ40の開口端側から、前述の液状硬化型の流動性を有する無機系充填剤(接着剤)を充填する。この場合、上記と同様、接着剤充填部に気泡が形成されないように間欠的に振動させて充填を行う。最後に、キャップ44を補償導線部16側から嵌めてスリーブ嵌合部44aを嵌合してスポット溶接した後、補償導線嵌合部44bを補償導線部16の保護チューブ24に対してカシメ49により結合する。
図3に別の実施形態を示す。
上記の図2に示す実施形態において、金属製スリーブ40の元部側(補償導線部側)を、キャップ44で閉じる代わりに、液状硬化タイプの無機系シーラントで防湿シール兼固定部46としたものである。図2と同一部分については、同一図符号を付して、それらの説明を省略する。
該無機系シーラントとしては、耐熱性と防湿性を発揮できるものなら特に限定されない。例えば、最高使用温度(耐熱温度):1000℃以上、吸湿率(23℃×95%RH×72h):1%以下の硬化物性を示すものを使用可能である。より具体的には、東亜合成株式会社から、「アロンセラミック」(登録商標)の商品名で上市されている「アロンセラミックW」(アルミナ系、耐熱温度:1300℃、吸湿率:0.4%)を使用可能である。なお、アロンセラミック自体、優れた絶縁性(8×1010Ω・m)を示すが、必ずしも、高度の絶縁性を要求されるものではない。
なお、図2に示す構成において、金属製スリーブ40内を全て無機系接着剤で充填する構成としたが、金属製スリーブ40の元部側(補償導線部側)は、上記液状硬化タイプの無機系シーラントで防湿シール部46Aを形成することが望ましい(二点鎖線部参照)。この場合は、金属製スリーブ40(アダプター18)内が、防湿構造になり、湿度変化に起因する測温値のバラツキが小さくなる(測定値精度が向上する。)。
次に、上記各実施形態の熱電対アダプター部の構造を備えたシース熱電対12を、前述と同様にして、ガスタービンのバレル壁28に取り付けて使用する。
そして、本実施形態のシース熱電対は、従来に比して、シース部が格段に短くなっているため(例えば,2800mmから500mm)、補償導線部を無理に湾曲させなくても、基準接点装置(変換器)(図示せず)に容易に接続配線できる。また、シース部が短いため、シース部に無理な力が作用しないため、取り付け・取り外しに際して、シース管20が折損したり、アダプター部18で断線発生がしたりするおそれも格段に低減する。
さらに、繰り返し振動を受けても、液状硬化型の無機系充填材(無機系接着剤)を充填して充填部42を形成するに際して、振動を余り加えずに充填するため、線接続部のロウ付けが損傷する可能性もほとんどない。さらに、無機系接着剤が硬化して形成される充填部42は、無機粉体のような微小空隙を有せずアダプター部にスリーブ部を介して振動が伝達されても、充填材が微小振動移動することはない。
下記各仕様のアダプー部構造を備えた実施例1・2の熱電対について、1)引張り試験、2)耐熱試験、及び3)耐振性試験を行った。
なお、シース部及び補償導線部は下記仕様のものを使用した。
<実施例1:図2>
金属製スリーブ:本体外径12mm、厚み0.5mm、全長(L1)74mm
補強部材:全長(L2)40mm、外径8mm、厚み0.5mm
充填材:ハイパーランダム
<実施例2:図3>
金属製スリーブ:本体外径12mm、厚み0.5mm、60mm
補強部材:実施例1と同じ。
充填材:ハイパーランダム、防湿兼固定部(3mm):アロンセラミック
1)引張り試験
市販引張り試験機(ISO5893準拠)を用いて、常温雰囲気、引張り速度(1mm/min)の条件で、試験品各3本ずつについて行った。
アダプター部18を挟んでシース部14及び補償導線部16を、それぞれ引張り試験機の固定部および可動部にチャックするとともに、補償導線部16から導線26をむき出してテスター(電流計)にて接続する。そして、該テスターにより導通確認をしながら、上記引張り試験を行い、断線発生時、又は、試験機破断検知時の荷重を測定して、平均値を求めた。
その結果は、実施例1:0.817kN、実施例2:0.727kNであった。
なお、比較のために、実施例1(図2)のものと類似仕様のアダプター部について、無機系充填材としてマグネシア粉末を充填したものについて、同様な引張り試験を行ったところ、0.600kNで断線が発生した。
2)耐熱試験
試験品各3本を電気恒温炉内に、実機取付け環境下での最高温度342℃相当である設定温度350℃で延べ40h(起動9時停止17時サイクルを連続5日間)暴露させた後、導体抵抗測定を市販抵抗計で実施した。その結果、実施例1・2ともに断線は発生しなかった。
3)耐振性試験
偏心モータを取り付けた台座上に、実機と同様の構造で固定する。すなわち、台座上にタービンバレル壁と同様な取り付け構造を備えた板体を介して固定する。
振動値は、熱電対への振動によるダメージ(損傷)を評価するため、振動加速度を用いた。数値は、実機取り付け位置近傍の振動加速度0.06Gに対して、10倍の0.6Gに設定した。振動加振試験の時間は約4年分に相当する230hとした。
振動加速度を10倍とすれば、時間軸を100倍加速させることとなり(加速度比の二乗に比例)、ユニット運転時間を16h/dとすると、23000h(約4年)相当の促進試験ができることとなる。
そして、各3本ずつの試験片について、該振動負荷試験後に、a)外観検査(目視観察)、b)導体抵抗測定検査、c)放射線透視(RT)検査、d)引張り試験(前述の(1)の引張り試験と同じ)の各項目の試験を行った。
試験結果は表1に示す通りで、実施例1・2ともに、いずれの試験項目についても、異常は見られなかった。
Figure 2009192310
4)加湿試験
温度26℃、湿度(RH)85%の環境下において、実施例1・2の熱電対12本を80h放置し、1h毎に絶縁抵抗測定を行った。
試験結果は、アダプター内部に若干の絶縁低下が見られたが、日本工業規格「シース熱電対」(JIS C1605-1995)(2)電気的特性表7で定められた「20MΩ/100VDC以上」の絶縁抵抗値を維持できた。すなわち、実機で問題があるような性能低下が発生しないことが確認できた。
シース熱電対の取り付け態様説明断面図である。 本発明の熱電対アダプター部の構造の1実施形態を示す断面図である。 図2の変形態様を示す断面図である。
符号の説明
12・・・シース熱電対
14・・・シース部
16・・・補償導線部
18・・・熱電対アダプター部
20・・・シース管
22・・・素線
24・・・保護チューブ
26・・・導線
40・・・金属製スリーブ
42・・・充填部
46・・・防湿シール兼固定部
46A・・・防湿シール部
50・・・補強部材
52・・・補強部材のスリーブ部側カシメ結合部
54・・・補強部材の補償導線部側カシメ結合部
56・・・補強部材の切欠き部

Claims (8)

  1. シース部のシース管から突出した素線と補償導線部の保護チューブから突出した導線との線接続部を覆う熱電対アダプター部の構造であって、
    該熱電対アダプター部は、前記素線と導線との線接続部の周囲を両端が閉じられ密閉的に覆う金属製スリーブと、該金属製スリーブ内に充填され前記線接続部を絶縁固定する無機系充填材で形成される充填部とを備えたものにおいて、
    前記無機系充填材が、液状硬化タイプの無機系接着剤とされ、さらに、
    前記金属製スリーブ内で、補強部材が前記シース管と前記保護チューブとの端部間に両端にカシメ結合部を有して配されている、
    ことを特徴とする熱電対アダプター部の構造。
  2. 前記補強部材が、筒状体で形成され、両端がカシメ結合部とされるとともに、中間部に母線方向の切欠き部を有するものであることを特徴とする請求項1記載の熱電対アダプター部の構造。
  3. 前記金属製スリーブが、前記シース部側及び前記補償導線部側の双方がカシメ結合部とされていることを特徴とする請求項1又は2記載の熱電対アダプター部の構造。
  4. 前記金属製スリーブの少なくとも前記補償導線部側のカシメ結合部の内側に、液状硬化タイプの無機系シーラントで防湿シール部がさらに形成されていることを特徴とする請求項3記載の熱電対アダプター部の構造。
  5. 前記金属製スリーブの前記シース部側がカシメ結合部とされ、同前記補償導線部側が液状硬化タイプの無機系シーラントで防湿シール兼固定部とされていることを特徴とする請求項1又は2記載の熱電対アダプター部の構造。
  6. 前記金属製スリーブ及び前記補強部材における前記シース部側のカシメ結合部が多角カシメであるとすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一記載の熱電対アダプター部の構造。
  7. 前記シース部と、補償導線部と、両者を接続する熱電対アダプター部を備えた熱電対であって、
    前記シース部長さが、200〜1400mmであるとともに、前記熱電対アダプター部の構造が請求項1〜6のいずれか一記載のものであることを特徴とするシース熱電対。
  8. 前記補償導線部の保護チューブがセラミック繊維層を備えたものであることを特徴とする請求項7記載のシース熱電対。

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