JP2009191886A - ギヤケース - Google Patents

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Abstract

【課題】歯車同士を噛合させて動力を伝達する高負荷用のギヤケースにおいて、歯車を固定している歯車シャフトの終端部を支承する終端軸受の潤滑を維持し、終端軸受の寿命を確保する。
【解決手段】左小歯車51と大歯車79とを噛合させて動力を伝達するリダクション型アクスル装置10において、自動調心軸受53の外輪を支承するベアリングケージ57の側面に、左小歯車51と大歯車79との噛合部から側方に噴出する潤滑油を受け入れる流入開口部58Aを形成するとともに、流入開口部58Aから自動調心軸受53の側方に配置した蓋59の内側まで連通する油流路58を形成した。これにより、流入開口部58Aから取り入れた潤滑油を、自動調心軸受53の終端側から積極的に供給して、自動調心軸受53の寿命を確保することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建設車両等のパワートレインに用いられるギヤケースに関する。
大きな推進用駆動力を必要とする建設車両等において、駆動輪に動力を伝達するデファレンシャルギヤの後段にリダクション歯車機構を配置した構成が知られている。
その中で、デファレンシャルギヤユニットと複数のリダクション歯車機構とを一つのアクスルハウジング内に収納することにより、コンパクトながら最終減速比を大きく設定したリダクション型アクスル装置が提案されている。この種のリダクション型アクスル装置には、第1段目の減速用歯車機構と、推進軸から入力した回転運動を差動自在に左右に振り分けて出力するデファレンシャルギヤユニットと、第2段目の減速歯車機構とが配されている。そして、これらを構成する機構を規定の車幅内に収納するために、構造や潤滑の側面から種々の工夫がなされている。
たとえば特許文献1(特開2005−106178号公報)には、乗用車用のデファレンシャルギヤユニットを支承する軸受けの油潤滑性を向上するために、変速ユニットの出力ギヤとリングギヤの噛合部分から側方に飛散する潤滑油を捕捉して、デファレンシャルギヤユニットの一方の軸受けへ案内する案内部をハウジングに設けた発明が記載されている。
特許文献1に記載されている発明によれば、変速ユニットの出力ギヤが回転すると噛合しているリングギヤが回転し、収容スペース内に貯留されている潤滑油が当該リングギヤにより掻き揚げられて、両歯車同士の噛合部分において側方に飛散する。そして、その飛散した潤滑油の一部がハウジングに開設されている捕捉空間へ侵入し、当該補足空間奥の閉鎖端と、軸受支持部に開設された開口部と、軸受支持部とを経由してリングギヤに対して遠方に存在する軸受に流入して、その潤滑がなされる。
また、特許文献2(特開平9−170650号公報)には、回転のみが許容されている複数の歯車同士が噛合することにより動力を伝達する歯車変速機構において、当該歯車変速機構を収容するハウジング下部の油溜めに貯留されている潤滑油を回転する歯車が掻き上げ、第1及び第2の歯車が噛合している部分からその潤滑油を側方に飛散させ、その飛散した潤滑油を捕捉して、捕捉した潤滑油を前記油溜めよりも高い位置に一時貯留する潤滑用補器を設けた歯車変速機が開示されている。
特許文献2に記載されている歯車変速機によれば、歯車の回転に伴って、第1及び第2の歯車が噛合している部分から側方に押し出されて飛散した潤滑油は、前記潤滑用補器内に貯留される。一旦貯留された潤滑油は、ハウジングの油溜めよりも高い部位に存在する歯車シャフトの終端軸受に供給されることになる。噛合部から側方に押し出される潤滑油は、歯車が低速で回転しているときでも、高速で回転しているときでも必ず押し出されるので、回転速度によらず、常に十分な量の潤滑油を歯車シャフトの軸受に対して供給することができ、潤滑性能が向上するとされている。
特開2005−106178号公報(図3) 特開平9−170650号公報(図3)
特許文献1に記載されている動力伝達装置の潤滑方法は、リングギヤ近傍の軸受を潤滑するものではなく、リングギヤ対して遠方に存在するデファレンシャルギヤユニットの軸受を潤滑するものである。特許文献1に記載されている動力伝達装置では、デファレンシャルギヤの出力軸には第2段目の減速歯車機構は設けられておらず、直接ドライブシャフトが嵌入される簡素な構造である。
更に、特許文献1に記載されている動力伝達装置は、乗用車等の軽負荷用のものであるために、歯車の歯幅や軸受の幅も狭く構成することができ、車両の幅方向に対して軸受を設置する場所に十分な余裕がある。したがって、第1段目の減速用のリングギヤと、リングギヤ近傍の軸受との間の間隔を広く設定することができ、特段の工夫をすることなく、リングギヤ近傍に配されている単列の軸受の潤滑を行うことができる。また、遠方に存在する軸受に噛合部から押し出された潤滑油を供給しているので、当該軸受に供給することができる潤滑油の流量は、少なくなっている。特に、歯車の回転が低速状態の時には、噛合部から押出された潤滑油が軸受にまで供給されない事態が生じてしまう。
また、特許文献2に記載されている歯車変速機も幅方向に対して余裕がある構成となっているので、歯車の側壁と、当該歯車近傍に配置されている軸受との間隔は広く空けておくことができる。このため、その歯車の側壁と軸受との間に、軸受に対して積極的に潤滑油を供給する潤滑用補器を配置しておくことが可能となっている。
ところが、大きな推進用駆動力を必要とする建設車両等の車両において、デファレンシャルギヤの後段に歯車によるリダクション歯車機構を配置する場合には、デファレンシャルギヤユニットから左右に振り分けて出力される動力を、それぞれリダクション歯車機構に伝達するための伝動軸を設けておくことが必用となる。そして、この伝動軸のリダクション歯車機構側の終端部には、当該伝動軸を支承する終端軸受が必用となり、しかも、この高加重を受ける終端軸受に対して潤滑を十分に行う必要がある。
この終端軸受に対しては、一般に終端軸受の歯車側からしか潤滑することができない構成となっていることに加え、リダクション型アクスル装置の全幅を所定の幅に納めるためには、当該終端軸受と歯車とを極力隣接して配置しなければならない場合が生ずる。この場合には、歯車側から潤滑油が終端軸受に入りにくくなるので、オイルポンプを配して潤滑油を圧送するなどの対策が別途必用となる。
特に、大きな推進用駆動力を必要とする建設車両等においては、3m程の車幅の中に幅広のタイヤや無限軌道を配し、その残りの部分に高負荷に耐えるアクスル装置を配する必用がある。この中でも、特にモーターグレーダの場合には、片側の車輪に加わる偏った加重に対応するために、動輪をタンデムに配置するとともに、このタンデムに配置した動輪を同時に駆動するためのチェーンによる伝達機構を、両動輪の内側に配置する。したがって、モーターグレーダ用のリダクション型アクスル装置は、更に狭い空間内に配置されなければならず、しかも、軸受の潤滑不足による寿命の低下が起こらない構造にしておかなければならない。
本発明は上述した不具合を解決するためになされたものであり、歯車を固定している歯車シャフトの終端部を支承する終端軸受の潤滑を維持し、終端軸受の寿命を確保することが可能な高負荷用ギヤケースを提供することを目的としている。
前述の目的を達成すべく本発明は、回転のみが許容されている複数の歯車同士が噛合して動力を伝達するギヤケースにおいて、ギヤケース内の少なくとも一つの第1歯車は、第1歯車を固定している歯車シャフトの終端部に配された終端軸受に支承され、当該第1歯車と前記終端軸受とは隣接して配されるとともに、当該第1歯車のピッチ円直径は、前記終端軸受の外輪よりも大径に成形されており、前記第1歯車と噛合している第2歯車との噛合部に対峙する終端軸受の外輪支承部における側壁部位には、前記第1歯車の回転時に前記噛合部から側方に噴出する歯車潤滑用の潤滑油を受け入れる流入開口部が形成され、前記終端軸受の前記第1歯車とは反対側には、当該終端軸受の外輪をアキシアル方向に位置決めするとともに、当該終端軸受を外部から遮蔽する蓋が前記外輪支承部に取り付けられており、前記外輪支承部と蓋とには、前記流入開口部から流入した潤滑油を前記終端軸受部に供給する油流路が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様として、前記終端軸受は、アキシアル荷重を受けることが可能な軸受であり、前記外輪支承部の前記第1歯車側には、前記終端軸受の外輪をアキシアル方向に位置決めするための鍔部を形成し、当該鍔部の内径は前記終端軸受の外輪の内径よりも小径に形成するとよい。また、前記油流路を、前記流入開口部から前記蓋の内側に向けて下り傾斜に形成することもできる。
また、前記ギヤケースは、モーターグレーダの推進軸から入力した動力を減速するリダクション型アクスル装置に用いることができる。
本発明に係るギヤケースによれば、第1歯車に隣接する終端軸受に供給する潤滑油を、第1及び第2の歯車が噛合する噛合部の側方に開口した流入開口部から、噛合部から押出された潤滑油を取り入れることができる。この取り入れた潤滑油を終端軸受の外輪支承部に開設した油流路及び蓋の内側に形成した油流路を経由して、終端軸受に終端側から供給するようにした。これにより、高負荷用の終端軸受には終端側から歯車側に向けて潤滑油が通過することになるので、終端軸受に対する潤滑がより確実に行える。よって、終端軸受の寿命を確保することができる。
更に、終端軸受の外輪支承部に、終端軸受の外輪を歯車方向に位置決めするための鍔部を形成し、この鍔部の内径を終端軸受の外輪の内径よりも小径に形成することができる。したがって、終端側から流入した潤滑油により、常時終端軸受の内部が潤滑された状態にしておくことができる。これにより、歯車の回転が極低速な状態が長く続き、第1及び第2の歯車の噛合部分から側方に飛散する潤滑油の量が少くなっても、終端軸受に供給される潤滑油が切れてしまうことが防止でき、終端軸受の潤滑を維持することができる。
また、第1及び第2の歯車の噛合部分の側方に開口している流入開口部から、終端軸受の側方に配置された蓋の内側に連通している油流路を、流入開口部から蓋の内側に向けて下り傾斜に形成することにより、高粘度の潤滑油であっても効率よく終端軸受に供給することができる。
また、前記ギヤケースを、モーターグレーダのリダクション型アクスル装置に用いることにより、車両の全幅を広げることなく、大きな駆動力を出力することが可能となる。
以下、ギヤケース内に配置された歯車シャフトの終端軸受に対する潤滑方法の代表的な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明に係るリダクション型アクスル装置の平面断面図であり、図2は、左伝動軸31の終端軸受部分の拡大図である。また、図3は、図2に表された油流路58部分の傾斜状況を示すIII−III矢視断面図である。
図1に示すように、リダクション型アクスル装置10(ギヤケース)は、車両のトランスミッションの出力軸と連接する推進軸を接続して減速小歯車12に動力を伝達するカップリング14と、減速小歯車12と噛合して第1段目の減速を行うとともに動力の伝達方向を直交方向に変換する減速大歯車16と、を備えている。
更に、リダクション型アクスル装置10は、減速大歯車16を締結し第1段目の減速を行った後の回転運動を、左右に差動自在に振り分けて出力するデファレンシャルギヤユニット20と、デファレンシャルギヤユニット20の両端を、軸受35を介して支持格納するとともに、前記減速小歯車12を支持格納する中央アクスルハウジング34と、を備えている。
また、リダクション型アクスル装置10は、デファレンシャルギヤユニット20から出力される動力を、左リダクション歯車機構50の左小歯車51に伝達する左伝動軸31(歯車シャフト)、及び、右リダクション歯車機構70の右小歯車71に伝達する右伝動軸32と、右小歯車71を両側から軸支するころ軸受72と、左リダクション歯車機構50において左小歯車51(第1歯車)と噛合して左側の出力軸80に動力を伝達する左側の大歯車79(第2歯車)と、を備えている。
また、リダクション型アクスル装置10は、右リダクション歯車機構70において右小歯車71と噛合して、右側の出力軸80に動力を伝達する右側の大歯車79を備えている。左右の出力軸80の出力端には、スプロケット81が取り付けられており、第2段目の減速を行った後の動力を、左右のタンデム型に配列した動輪にチェーンを介して伝達する。
左右の大歯車79の中央開口部の内面には、左右の出力軸80と嵌合するスプラインが形成されている。更に、左右の大歯車79の中央軸部の外周には、当該大歯車79をラジアル方向に支承する軸受78が、2組配置されている。大歯車79を支承する2組の軸受のうち、中央寄りの軸受78の外輪は、中央アクスルハウジング34により支承されている。また、大歯車79を支承する2組の軸受のうち、スプロケット81寄りの軸受78の外輪は、ハウジングサイドカバー76により支承されている。
出力軸80のスプロケット81側は、ラジアル方向及びアキシアル方向の力を同時に受けることが可能な自動調心軸受77にて支承してある。自動調心軸受77の外輪は、当該リダクション型アクスル装置10の加工性や組立整備性等を向上させるために、ハウジングサイドカバー76に対して取り外し可能な出力軸ケース74に取り付けてある。
出力軸ケース74の自動調心軸受77の外輪を支承する部分は、軸受78の外輪を支承する部分と同時加工を行うことができないのと、出力軸80の駆動時に、スプロケット81に加わる負荷により出力軸80が撓むのを許容するため、自動調心式のころ軸受を用いている。
デファレンシャルギヤユニット20の減速大歯車16は、傘歯歯車で構成されており、減速大歯車16は減速小歯車12に対して左側にオフセットして取り付けられている。図1に示す実施例では、デファレンシャルギヤユニット20は、ノースピンタイプのデファレンシャルギヤを用いた実施例を示してあるが、モーターグレーダでは、ノースピンデファレンシャルに代えて、油圧によるデフロック機構を備えたデファレンシャルギヤユニットを用いる場合もある。油圧によるデフロック機構を用いる場合であっても、中央アクスルハウジング34をはじめとする他の部品は、なるべく共用すべきであるので、デファレンシャルギヤユニット20の右側には、所定のスペースを空けておく必要がある。
他方、モーターグレーダでは、タンデム型に動輪を配列する必要があるため、リダクション型アクスル装置10の幅が所定の幅以内となるように制限されている。また、図1に示すような第2段目の減速機構を備える場合には、更にリダクション型アクスル装置10の幅が広くならないように、減速機構や軸受を配置する必要がある。そのために、図1に示す実施例では、左小歯車51右側にて左伝動軸31を支承するころ軸受52を、デファレンシャルギヤユニット20を支承する軸受35の内側に重なるように配置しており、この構成によって、リダクション型アクスル装置10の全幅が広くならないように構成している。
左小歯車51は、左伝動軸31と一体に形成されており、自動調心軸受53(終端軸受)の内輪は、左伝動軸31に対してベアリングナット54により締結されている。なお、図2に示すように、ベアリングナット54は、ベアリングワッシャ55をかしめることによって、回り止めがなされている。左小歯車51と大歯車79とが噛合して動力を伝達する際に発生するラジアル荷重は、ころ軸受52及び自動調心軸受53がそれぞれ受ける構成となっている。
このうち、ころ軸受52に加わったラジアル荷重は、デファレンシャルギヤユニット20及び軸受35を介して中央アクスルハウジング34に伝達される。また、自動調心軸受53に加わったラジアル荷重は、自動調心軸受53の外輪をラジアル方向及びアキシアル方向に支承しているベアリングケージ57(外輪支承部)と、ベアリングケージ57を取り付けているハウジングサイドカバー76を介して、中央アクスルハウジング34に伝達される(図1及び図2参照。)。
ベアリングケージ57の左側方に被せられている蓋59は、自動調心軸受53を外部から遮蔽するとともに、自動調心軸受53の外輪をアキシアル方向に支承するためのものである。
この、デファレンシャルギヤユニット20は、軸受35により回転自在に支承されている部品であるために、デファレンシャルギヤユニット20に開設されている、ころ軸受52の外輪が嵌合する部分と、ベアリングケージ57に開設されている自動調心軸受53の外輪が嵌合する部分とを、同時加工することによって軸心を一致させることは不可能である。更に、左小歯車51が大歯車79と噛合して動力を伝達する際に発生するラジアル荷重により、左小歯車51と一体に形成されている左伝動軸31には撓みが発生することから、左伝動軸31の終端部のラジアル荷重を受ける軸受としては、軸線のずれを許容する自動調心型のころ軸受が好適である。
ベアリングケージ57を取り付けている部分のハウジングサイドカバー76開口部の内径は、左小歯車51の外径よりも大径に構成してある。これにより、そのハウジングサイドカバー76開口部から左小歯車51及び左伝動軸31を取り外すことが可能となっている。これにより、左小歯車51及び左伝動軸31周辺の組立性や整備性を向上させている。
中央アクスルハウジング34の下部には、潤滑油が貯留されており、左小歯車51、右小歯車71、及び減速大歯車16の一部が浸るようになっている。減速小歯車12が回転すると、左小歯車51、右小歯車71、及び減速大歯車16が回転しながら貯留されている潤滑油を撒き上げて、歯車の噛合面や軸受その他各部が潤滑される。同様に、ハウジングサイドカバー76の内部にも潤滑油が貯留されており、大歯車79の一部が浸るように構成されている。そして、左小歯車51及び右小歯車71の回転に伴って、大歯車79が潤滑油を撒き上げて、左小歯車51及び右小歯車71の噛合面、並びにその周囲に配置されている軸受を潤滑する。
更に、左小歯車51と大歯車79とが回転する際に、左小歯車51および大歯車79により撒き上げられて歯面に付着した状態となっている潤滑油は、左小歯車51と大歯車79とが噛合している部分において押し出され、側方に噴出する。
図1に示すデファレンシャルギヤユニット20の構造によれば、デファレンシャルギヤユニット20の全幅を狭く抑えつつ、加工性や組立整備性を向上させることができる。しかしながら、左伝動軸31の終端部を支承している複列の自動調心軸受53に対する潤滑が、うまく行われなくなるという不具合を生ずる。特に、図1に示すデファレンシャルギヤユニット20のように、左小歯車51が受けるラジアル荷重によって発生する左伝動軸31の撓みを減少させるために、左小歯車51の左端面に自動調心軸受53を隣接して配置しているが、このように近づけて配置すると、自動調心軸受53の転動ころに対して潤滑油が流入しにくくなり、自動調心軸受53の性能の維持が困難になるという不具合を生ずる。
また、自動調心軸受53の外輪をアキシアル方向に位置決めするための内径D2の鍔部が、ベアリングケージ57の右端部から開口の中心部に向けて張り出しているため、ベアリングケージ57の右端部と、左小歯車51の左端部との隙間は更に狭いものとなる。左小歯車51が回転すると、左小歯車51の左側面に付着している潤滑油には遠心力が働くので、尚更自動調心軸受53の転動ころに対して潤滑油が流入しにくくなる。特に、複例に配置されている転動ころのうち、終端側の転動ころの潤滑が苦しくなる。
そこで、本発明では、自動調心軸受53の転動ころに対して潤滑油を積極的に供給するために、自動調心軸受53の外輪を支承するベアリングケージ57における側壁であって、左小歯車51と大歯車79との噛合部に対峙する部位に、噛合部から側方に噴出する歯車潤滑用の潤滑油を受け入れる流入開口部58A(図2及び図3参照。)を開口させてある。
当該流入開口部58Aから受け入れた潤滑油は、ベアリングケージ57に開設された油流路58、及び蓋59に開設された油流路60を経由して、自動調心軸受53の外側と蓋59の裏側とで形成された空間部に流入する。この空間部は、自動調心軸受53の内輪を固定するベアリングナット54が締結されている部分であり、この空間部から自動調心軸受53の内輪と外輪との間に潤滑油が供給される。油流路58は、図1及び図2に示されるように、自動調心軸受53の外輪の一部を側壁として利用する流路が好ましいが、自動調心軸受53の外輪の一部を側壁として利用せずに、ベアリングケージ57に独立して開設した孔を油流路として用いてもよい。
この自動調心軸受53に供給された潤滑油は、自動調心軸受53の外輪と内輪との間を転動する複列の転動ころを終端側から潤滑した後に、ベアリングケージ57右端に形成されている直径D2の鍔部と、自動調心軸受53の内輪外周端部との間の隙間から、ハウジングサイドカバー76内に戻る。このようにして、左小歯車51の終端側から積極的に自動調心軸受53に対する潤滑を行うことができるので、特段のオイルポンプや潤滑油の圧送用通路を設けることなく、自動調心軸受53の耐負荷性能、及び耐久性を維持することができる。
本発明では、より効果的に流入開口部58Aから潤滑油を流入させるために、左小歯車51のピッチ円直径が、自動調心軸受53(終端軸受)の外輪よりも大径の場合を想定指定している。なお、左小歯車51のピッチ円直径が自動調心軸受53の外輪内周端部の直径D1よりも小径である場合には、左小歯車51と大歯車79との噛合部分から側方に噴出する潤滑油を、直接自動調心軸受53の転動体に供給することも可能である。
また、本発明では、図2に示すようにベアリングケージ57の右端部から開口の中心部に向けて張り出している鍔部の直径D2を、自動調心軸受53の外輪内周端部の直径D1よりも小径に設定している。このように構成することによって、当該直径D2の鍔部内側において自動調心軸受53に流入してきた潤滑油をせき止めておくことができる。これにより、自動調心軸受53外輪の内周下部において潤滑油を貯留しておくことができる。したがって、左小歯車51の回転が遅い状態が長く続き、左小歯車51と大歯車79との噛合部から側方に噴出する潤滑油の量が少ない状態が長時間続く場合であっても、自動調心軸受53の潤滑を良好な状態に維持しておくことが可能となる。
また、図1及び図2に示した左小歯車51として、平歯車や、はすば歯車の他に、山歯歯車、傘歯車等の歯車を用いることができる。更に、傘歯車に隣接して軸受が配されている装置に、本発明を適用することが可能である。
また、図3に示すように、流入開口部58Aから蓋59の内側に連通する油流路58を、流入開口部58Aから蓋59の内側に向けて下り傾斜に形成するとよい。このように、油流路58を蓋59の内側に向けて下り傾斜に形成することによって、高粘度の潤滑油であっても効率よく自動調心軸受53に供給することができる。同様に、油流路60も、潤滑油の流れる方向に向けて下り傾斜に形成するとよい。
また、上記の説明では、終端軸受として自動調心軸受53を配した実施例を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、ころ軸受、玉軸受、その他の軸受にも本発明を適用することができる。
本発明に係る終端軸受の潤滑性を向上させたギヤケースは、モーターグレーダのリダクション型アクスル装置に用いる他、ブルドーザ、ホイールローダ、ダンプトラック、その他のリダクション型アクスル装置に用いることができる。本発明に係るリダクション型アクスル装置を、前述の車両に用いることにより、車両の全幅を広げることなく、大きな駆動力を出力することが可能となる。
本発明に係るリダクション型アクスル装置の平面断面図である。 図1に示した左伝動軸の終端軸受部分の拡大図である。 図2に表された油流路の傾斜状況を示すIII−III矢視断面図である。
符号の説明
10・・・リダクション型アクスル装置、16・・・減速大歯車、20・・・デファレンシャルギヤユニット、31・・・左伝動軸、32・・・右伝動軸、34・・・中央アクスルハウジング、35・・・軸受、50・・・左リダクション歯車機構、51・・・左小歯車、52・・・ころ軸受、53・・・自動調心軸受、54・・・ベアリングナット、55・・・ベアリングワッシャ、57・・・ベアリングケージ、58・・・油流路、58A・・・流入開口部、59・・・蓋、60・・・油流路、70・・・右リダクション歯車機構、71・・・右小歯車、72・・・ころ軸受、74・・・出力軸ケース、76・・・ハウジングサイドカバー、77・・・自動調心軸受、78・・・軸受、79・・・大歯車、80・・・出力軸、81・・・スプロケット

Claims (4)

  1. 回転のみが許容されている複数の歯車同士が噛合して動力を伝達するギヤケースにおいて、
    ギヤケース内の少なくとも一つの第1歯車は、第1歯車を固定している歯車シャフトの終端部に配された終端軸受に支承され、当該第1歯車と前記終端軸受とは隣接して配されるとともに、当該第1歯車のピッチ円直径は、前記終端軸受の外輪よりも大径に成形されており、
    前記第1歯車と噛合している第2歯車との噛合部に対峙する終端軸受の外輪支承部における側壁部位には、前記第1歯車の回転時に前記噛合部から側方に噴出する歯車潤滑用の潤滑油を受け入れる流入開口部が形成され、
    前記終端軸受の前記第1歯車とは反対側には、当該終端軸受の外輪をアキシアル方向に位置決めするとともに、当該終端軸受を外部から遮蔽する蓋が前記外輪支承部に取り付けられており、
    前記外輪支承部と蓋とには、前記流入開口部から流入した潤滑油を前記終端軸受部に供給する油流路が形成されていることを特徴とするギヤケース。
  2. 前記終端軸受は、アキシアル荷重を受けることが可能な軸受であり、
    前記外輪支承部の前記第1歯車側には、前記終端軸受の外輪をアキシアル方向に位置決めする鍔部が形成され、当該鍔部の内径は前記終端軸受の外輪の内径よりも小径に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のギヤケース。
  3. 前記油流路は、前記流入開口部から前記蓋の内側に向けて下り傾斜に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のギヤケース。
  4. 前記ギヤケースは、モーターグレーダの推進軸から入力した動力を減速するリダクション型アクスル装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のギヤケース。
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