JP2009191676A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】分離手段によって分離された低濃度ガスを触媒に導入することで、触媒燃焼における問題が生じることなく蒸発燃料を燃焼させ、処理装置停止中でも蒸発燃料が大気中に放出されることを確実に防止できる蒸発燃料処理装置を提供する。
【解決手段】燃料タンク1から発生する蒸発燃料をエバポライン3を介して吸着可能なキャニスタ2と、キャニスタ2に吸着された蒸発燃料をパージライン5を介して脱離させるポンプ6と、ポンプ6によって供給された蒸発燃料を、高濃度ガスと低濃度ガスとに分離する分離手段4と、分離手段4によって分離された低濃度ガスが流動する低濃度ガス流動ライン9とを有する。低濃度ガス流動ライン9上に、低濃度ガス中の蒸発燃料を燃焼させる触媒コンバータ10が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料タンクから発生した蒸発燃料を、分離膜で空気と分離させたうえで燃料タンクへ返送する蒸発燃処理装置に関する。
この種の蒸発燃料処理装置として特許文献1及び特許文献2がある。特許文献1は、燃料タンクから発生する蒸発燃料(ベーパ)をエバポラインを介して吸着可能なキャニスタと、キャニスタに吸着された蒸発燃料をパージラインを介して脱離(パージ)させるポンプと、ポンプによって供給された蒸発燃料を、蒸発燃料を高濃度で含有する高濃度ガスと蒸発燃料を低濃度で含有する低濃度ガスとに分離する分離手段と、分離手段によって分離された低濃度ガスをキャニスタに還流させる循環ラインとを有し、キャニスタには大気と連通する大気ラインが連通されている。内燃機関の停止時には、燃料タンクから発生した蒸発燃料がキャニスタにおけるエバポラインとの連通部付近を中心に吸着され、余剰な空気はキャニスタを透して大気ラインから大気中へ放出される。そして、内燃機関を始動させるなどによってポンプが駆動されることで、大気ラインから空気を導入しながら、キャニスタのエバポラインとの連通部付近に吸着されていた蒸発燃料は、パージラインを介して分離手段へ圧送される。分離手段によって分離された高濃度ガスは返流ラインを介して燃料タンクへ返流される。分離手段によって分離された低濃度ガスは循環ラインを介してキャニスタに還流され、当該低濃度ガス中の蒸発燃料はキャニスタにおける大気ラインとの連通部付近を中心に吸着される。
特許文献2では、上記特許文献1のような基本的構成に加えて、蒸発燃料を2段階で分離できるよう2つの分離手段が循環ライン上に直列に配されており、後段の分離手段によって分離された低濃度ガスがキャニスタへ還流される。内燃機関停止時等に余剰な空気を大気中へ放出する大気ラインは、循環経路から分岐状に連通されており、キャニスタには直接連通されていない。さらに、当該循環ラインの系外に存在するように連通された大気ライン上には、余剰空気が大気ラインを介して大気中に放出される際に、当該空気流によって脱離されたキャニスタにおける大気ライン側に吸着された蒸発燃料を吸着するためのサブキャニスタが配されている。
さらに、吸気管負圧を利用したパージシステムである点で上記特許文献1や特許文献2の蒸発燃料処理装置とは根本的に異なるものであるが、キャニスタから脱離され吸気管へ供給されなかった蒸発燃料や内燃機関からの排気ガスを大気中に排出する排出ライン上に、触媒が設けられた蒸発燃料処理装置として特許文献3がある。吸気管負圧によってキャニスタから脱離され吸気管へ供給されなかった蒸発燃料は、触媒よって燃焼することで、蒸発燃料が大気中へそのまま放出されることが避けられている。
特開2002−256985号公報 特開2004−332694号公報 特開平5−118257号公報
蒸発燃料を吸着したキャニスタ(に内蔵された活性炭)は、当該キャニスタを空気が透過することで蒸発燃料が脱離されて再生される。これは、キャニスタにおける大気ライン側でも同様である。ここで、特許文献1では、上述のように分離膜にて処理し切れなかった低濃度の蒸発燃料はキャニスタの大気ライン側から再流入し、大気ライン付近の活性炭に再吸着する。そのため、処理装置停止時に燃料タンクから余剰空気がキャニスタ及び大気ラインを介して大気中へ放出される際に、当該余剰空気によって大気ライン付近に再吸着した蒸発燃料が脱離されて大気中に放出される可能性がある。これでは、燃料タンクからの蒸発燃料を吸着して大気汚染を防止するために配されたキャニスタの本来的な存在意義が損なわれる。
これに対し特許文献2では、大気ライン上にサブキャニスタを配していることで、上記特許文献1のような問題は生じ難い。しかし、特許文献2のサブキャニスタは、循環ラインとは異なる系に配されている。これでは、パージラインや循環ライン系内のガスが不足して負圧となったときにしかサブキャニスタ中に空気が導入されないので、サブキャニスタが確実に再生され難い。
また、特許文献3では、蒸発燃料を燃焼させる触媒を設けているものの、当該触媒にはキャニスタから脱離された蒸発燃料が直接導入されるので、過高温による触媒の溶損が懸念される。また、蒸発燃料濃度が高いことから、燃焼する際に煤が発生し易い。したがって、蒸発燃料を触媒によって燃焼させるとき、蒸発燃料の濃度はできるだけ低い(例えば1%以下)方が好ましいとされる。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、分離手段によって分離された低濃度ガスを触媒に導入することで、触媒燃焼における問題が生じることなく蒸発燃料を燃焼させ、処理装置停止中でも蒸発燃料が大気中に放出されることを確実に防止できる蒸発燃料処理装置を提供する。
本発明の蒸発燃料処理装置は、燃料タンクから発生する蒸発燃料を吸着可能なキャニスタと、前記燃料タンクとキャニスタとに連通されるエバポラインと、蒸発燃料を高濃度で含有する高濃度ガスと蒸発燃料を低濃度で含有する低濃度ガスとに分離する分離手段と、前記キャニスタと分離手段とを連通させるパージラインと、前記キャニスタから脱離させた蒸発燃料を前記分離手段へ供給するポンプと、前記キャニスタと大気とを直接又は間接的に連通させる大気ラインと、前記分離手段によって分離された高濃度ガスを前記燃料タンクへ返流する返流ラインと、前記分離手段によって分離された低濃度ガスが流動する低濃度ガス流動ラインとを有する。そのうえで、前記低濃度ガス流動ライン上に、前記低濃度ガス中の蒸発燃料を燃焼させる触媒が設けられていることを特徴とする。
前記低濃度ガス流動ラインは、前記キャニスタの大気ライン側と直接又は間接的に連通された循環ラインとしたり、直接大気と連通した第2の大気ラインとすることができる。
前記触媒は、単に蒸発燃料を燃焼させる一般的な触媒でも構わないが、炭化水素を吸着可能な炭化水素吸着型触媒とすることができる。この場合、前記大気ラインを炭化水素吸着型触媒に連通させて、前記大気ラインとキャニスタとを前記炭化水素吸着型触媒を介して間接的に連通させることが好ましい。
または、前記触媒とキャニスタとの間にサブキャニスタを配したうえで前記大気ラインをサブキャニスタに連通し、前記大気ラインとキャニスタとを前記サブキャニスタを介して間接的に連通させることもできる。
前記循環ライン上に設けられた三方切替弁を介して、前記サブキャニスタ又は炭化水素吸着型触媒とキャニスタとの間に連通されるバイパスラインを設けることが好ましい。この場合、前記三方切替弁を切り替えることによって、前記低濃度ガス中の蒸発燃料濃度が高水準にあるときは前記バイパスラインを介して前記低濃度ガスを前記キャニスタへ直接導入し、前記低濃度ガス中の蒸発燃料濃度が低水準にあるときは前記循環ラインを介して前記低濃度ガスを前記触媒に導入する。三方切替弁の切り替えタイミングは、処理装置始動後の所定時間としたり、濃度センサにより検知された低濃度ガス中の蒸発燃料濃度としたりできる。
前記触媒には、該触媒の温度を制御する温度制御手段を設けることができる。
前記分離手段を複数個直列配置することもできる。
本発明によれば、蒸発燃料を燃焼させる触媒を、分離手段によって分離された低濃度ガスが流動する低濃度ガス流動ライン上に設けているので、触媒には蒸発燃料を多量に含むガスが供給されることはなく、触媒による燃焼に際して煤が発生し難い。また、触媒が過高温になることはなく、当該触媒の溶損の危険性も避けられる。
低濃度ガス流動ラインを、キャニスタの大気ライン側と直接又は間接的に連通された循環ラインとしても、キャニスタ内の大気ライン側には触媒によって蒸発燃料が燃焼した後のガスが導入されるので、キャニスタ内の大気ライン側に蒸発燃料がまともに吸着されることは殆どない。したがって、処理装置の停止中に燃料タンクからの余剰な空気がキャニスタを介して大気中に放出される場合でも、従来技術のようにキャニスタ内の大気ライン側に吸着された蒸発燃料が大気中へ放出されることを避けられる。
また、低濃度ガス流動ラインを直接大気と連通した第2の大気ラインとしても、分離膜によって分離された低濃度ガス中の蒸発燃料は触媒によって燃焼したうえで大気中へ放出されるので、大気汚染を避けられる。
触媒による燃焼は、当該触媒が一定温度以上に達した時点で発現する。したがって、処理装置が駆動された直後は、触媒は燃焼が生じる有効温度に達していない場合がある。そこで、触媒を炭化水素吸着型触媒としていれば、触媒が比較的低温で燃焼が生じない場合は蒸発燃料を触媒自体に一旦吸着保持しておき、その後触媒が有効温度に達した時点で吸着保持しておいた蒸発燃料を事後的に燃焼させることができる。これにより、触媒の温度に関係なく、蒸発燃料を確実に燃焼させることができる。炭化水素吸着型触媒に大気ラインを連通させておけば、余剰空気が大気ラインから放出される際に、キャニスタから脱離された蒸発燃料を補足的に吸着するサブキャニスタとしての機能を兼ね備えることもできる。また、大気ラインとキャニスタとを炭化水素吸着型触媒を介して間接的に連通させていれば、サブキャニスタとしても機能し得る炭化水素吸着型触媒が循環ラインとキャニスタとの間で直列の位置関係にあり、炭化水素吸着型触媒に吸着されている蒸発燃料を確実に脱離させることができる。
触媒が炭化水素吸着型触媒でない場合であっても、触媒とキャニスタとの間にサブキャニスタを配し、当該サブキャニスタに大気ラインを連通させて、大気ラインとキャニスタとをサブキャニスタを介して間接的に連通させておけば、サブキャニスタによって上記と同様の作用効果を奏することができる。
低濃度ガス中の蒸発燃料濃度が高水準にあるときに、バイパスラインを介して低濃度ガスをキャニスタへ直接導入し、低濃度ガス中の蒸発燃料濃度が低水準にあるときに、循環ラインを介して低濃度ガスを触媒に導入するよう三方切替弁を切り替えれば、触媒による燃焼漏れを防ぎ、サブキャニスタ等の大気ライン側へ蒸発燃料が直接導入されることが防がれる。
触媒に、該触媒の温度を制御する温度制御手段を設けておけば、処理装置駆動直後の低温状態から短時間で触媒を昇温させて燃焼開始までの時間を短縮できる。また、触媒が過高温となって溶損することも避けられる。
分離手段を複数個直列配置しておけば、蒸発燃料を段階的に濃縮分離できるので、分離膜による分離効率を高めながら、確実に低濃度化されたガスを触媒へ導入することができる。
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明するが、これに限られず本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(実施例1)
図1に、本発明の実施例1を示す。本実施例1の蒸発燃料処理装置は自動車などの車両に搭載され、図1に示すごとく、揮発性燃料であるガソリンを貯留する燃料タンク1と、燃料タンク1から発生する蒸発燃料(ベーパ)を吸着可能なキャニスタ2と、燃料タンク1とキャニスタ2とに連通されるエバポライン3と、蒸発燃料を高濃度で含有する高濃度ガスと蒸発燃料を低濃度で含有する低濃度ガスとに分離する分離膜4と、キャニスタ2と分離膜4とを連通させるパージライン5と、パージライン5上に配され、キャニスタ2に吸着された蒸発燃料を脱離(パージ)させると共に、当該キャニスタ2から脱離させた蒸発燃料を分離膜4へ供給するポンプ6と、キャニスタ2と大気とを連通させる大気ライン7と、分離膜4によって分離された高濃度ガスを燃料タンク1へ返流する返流ライン8と、分離膜4によって分離された低濃度ガスが流動し、その先端が大気へ連通する第2の大気ライン9と、第2の大気ライン9上に設けられた触媒コンバータ10と、分離膜4と触媒コンバータ10との間に設けられ、処理装置の系内を一定圧力に保つプレッシャーレギュレータ11とを有する。なお、分離膜4が本発明の分離手段に相当し、第2の大気ライン9が本発明の低濃度ガス流動ラインに相当する。
燃料タンク1内には、燃料ポンプ15が内設されており、当該燃料ポンプ15によって燃料タンク1内に貯留されたガソリンが燃料供給ライン16を介して内燃機関たるエンジン(図示せず)へ圧送される。キャニスタ2内には活性炭などの多孔質体(図示せず)が内蔵されており、燃料タンク1から発生した蒸発燃料は、キャニスタ2内の活性炭に選択的に吸着保持される。一方、蒸発燃料より分子径の小さい空気は、活性炭に吸着されずにそのまま透過して行く。これを前提として、本発明の説明において蒸発燃料がキャニスタ2に吸着されるというときは、実際にはキャニスタ2内の活性炭に吸着されていることを意味する。エバポライン3は、燃料タンク1からパージライン5の上流域に連通されており、ポンプ6は、エバポライン3とパージライン5との連通部より下流に設けられている。
分離膜4は蒸発燃料成分及び空気成分に対する溶解係数及び拡散係数が大きく異なる素材からなり、容器17を低濃度ガス室18と高濃度ガス室19とに区切るように配されている。本実施例1では、蒸発燃料中の蒸発燃料成分が優先的に透過し、空気成分は透過し難い炭化水素分離膜を用いている。詳しくは、蒸発燃料成分を優先的に選択透過させる非多孔質型の平膜を呈する薄膜層と、該薄膜層を支持する多孔質支持膜層とを有する。ポリエステル等の不織布が積層された3層構造からなることもある。薄膜層が分離膜4の主体的機能を果たし、一般的には高い選択性及び透過性を有する、架橋されて3次元不溶化されたシリコーンゴムが用いられる。薄膜層の膜厚は、0.5〜3μm程度とされている。一方、多孔質支持膜層には高い耐溶剤性が要求され、例えばポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、又はポリビニリデンフルオロライド(PVDE)などの合成樹脂やセラミックが使用さる。
そして、図10に示されるように、蒸発燃料成分である炭化水素50は、分離膜4に対する溶解係数及び拡散係数が高いことから、容易に分離膜4に溶解・拡散・脱溶解することで、透過速度が速い。これに対し、窒素や酸素等の空気成分51は、分離膜4に対する溶解係数及び拡散係数が蒸発燃料成分より有意に低く、分離膜4を透過し難い。これによって、蒸発燃料中の蒸発燃料成分が分離膜4によって優先的に分離されて高濃度ガスとなり、空気成分は分離膜4で分離されずに低濃度ガスとなる。したがって、容器17内の上流側が低濃度ガス室18となっており、分離膜4を介した下流側が高濃度ガス室19となっている。なお、分離膜4における分離効率は、供給される蒸発燃料ガス中の蒸発燃料濃度、分離膜4に作用する圧力(低濃度ガス室18と高濃度ガス室19との差圧の大きさ)、温度などによって変動し、必ずしも100%ではない。したがって、図10に示されるように、高濃度ガス中にも僅かな空気成分が存在することがあるし、特に低濃度ガス中には分離し切れなかった蒸発燃料成分が多少なりとも混在している。一般的に、低温、高濃度、高圧であるほど分離効率は高い。
パージライン5及び第2の大気ライン9が低濃度ガス室18に、返流ライン8が高濃度ガス室19に連通されている。プレッシャーレギュレータ11は、ポンプ6からプレッシャーレギュレータ11までの系内を、例えば100〜200kPa程度の所定圧力に保持されるように設定されている。
触媒コンバータ10内には、多数の細孔を有する担体に、触媒成分である貴金属やアルミナなどがコーティングされた触媒が入っている。担体には、例えばコージエライトなどが用いられ、ハニカム状や網目状などを呈する。なお、本実施例1における担体の細孔系は、蒸発燃料成分を透過し得る大きさであれば特に限定されない。触媒成分である貴金属としては、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)などが挙げられる。また、コート層には、触媒成分のシンタリングを抑制する安定化のための副成分として、OSC(Oxygen Storage Component)機能を持ったセリア(CeO2)等が適宜添加される。蒸発燃料が触媒と接触することで、触媒の表面において酸化反応が低温で促進され、これにより蒸発燃料が燃焼する。この触媒燃焼によれば、従来の火炎を伴う燃焼(火炎燃焼)よりもはるかに低温で燃焼反応を維持できるため、燃焼時の高温に起因するNOXはほとんど生成されない。
エンジン停止時には、燃料タンク1から発生した蒸発燃料が、エバポライン3を介してキャニスタ2内に吸着される。このとき、蒸発燃料は、主としてエバポライン3側(燃料タンク1側)を中心に吸着されていく。そして、外部環境等によって燃料タンク1が高温となって蒸発燃料が多量に発生たり、ガソリンを燃料タンク1へ供給したりすることで処理装置内の圧力が高くなると、余剰な空気がキャニスタ2を透過し、大気ライン7を介して大気中に放出される。このとき、本実施例1では大気ライン7側から蒸発燃料がキャニスタ2内へ導入されることはなく、キャニスタ2内の大気ライン7側には殆ど蒸発燃料が吸着されていないので、当該部分から蒸発燃料が脱離されて大気中へ放出されることはない。また、第2の大気ライン9上にプレッシャーレギュレータ11が設けられていることで、燃料タンク1からの蒸発燃料が分離膜4側へ流入することもない。
そして、エンジンを始動する(ハイブリット車においては電源を入れる)ことで処理装置のポンプ6が駆動される。ポンプ6が駆動するとキャニスタ2内は吸引される。すると、大気ライン7から空気(大気)が導入されることでキャニスタ2内に吸着された蒸発燃料が脱離(パージ)される。キャニスタ2からパージされた蒸発燃料は、ポンプ6によってパージライン5を介して分離膜4の上流側の低濃度ガス室18へ圧送される。低濃度ガス室18内は、プレッシャーレギュレータ11によって高圧状態に保たれていることで、低濃度ガス室18と高濃度ガス室19とは、分離膜4を挟んで有意な差圧が生じている。これにより、分離膜4によって蒸発燃料中から蒸発燃料が優先的に選択分離され、高濃度ガス室19内に蒸発燃料濃度が高濃度化された高濃度ガスが透過精製され、返流ライン8を介して燃料タンク1内へ返流される。
一方、低濃度ガス室18内には、分離膜4で分離されなかった空気と、分離膜4で分離されずに残った若干の蒸発燃料とが混在する低濃度ガスが残る。この低濃度ガスは、さらにポンプ6によって第2の大気ライン9を介して触媒コンバータ10へ供給される。低濃度ガスが触媒コンバータ10へ供給されることで、低濃度ガス中の残存蒸発燃料が燃焼され、第2の大気ライン9からは空気と燃焼ガスとが排出され、大気が汚染されることが避けられる。
(実施例2)
図2に、本発明の実施例2を示す。本実施例2は実施例1の変形例であって、触媒コンバータ10を通る低濃度ガス流動ライン(第2の大気ライン7)が、低濃度ガス室18からキャニスタ2の大気ライン7側に連通する循環ライン22とされている点に特徴を有する。キャニスタ2、分離膜4、触媒コンバータ10等の構成は、先の実施例1と同様である。以下には実施例2の特徴点を中心に説明する。
エンジン停止時すなわち処理装置停止時の余剰空気は、実施例1と同様にキャニスタ2を透して大気ライン7から放出されるが、このとき、プレッシャーレギュレータ11によってキャニスタ2の大気ライン7側から触媒コンバータ10までの間も所定圧力に設定されていることで、余剰空気が循環ライン22へ逆流することはない。
そして、処理装置のポンプ6が駆動されると、実施例1と同様にキャニスタ2内に吸着された蒸発燃料が分離膜4によって高濃度ガスとして分離されて、返流ライン8を介して燃料タンク1へ返流される。一方、低濃度ガス室18内に生じた低濃度ガスは、ポンプ6によって循環ライン22へ圧送される。循環ライン22へ圧送された低濃度ガスは、触媒コンバータ10によって燃焼されたうえで、キャニスタ2の大気ライン7側へ循環供給され、キャニスタ2に吸着された蒸発燃料をパージさせるためのガスとして有効利用される。また、キャニスタ2内における大気ライン7側へ蒸発燃料が吸着することは殆ど無いことから、処理装置停止時に当該部分から蒸発燃料が脱離されて大気中に放出されることが防がれる。キャニスタ2とポンプ6との間のパージライン5は負圧となっているので、循環ライン22を介してキャニスタ2に循環供給されたガスは、大気ライン7よりもパージライン5側へ優先的に供給される。その他は実施例1と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(実施例3)
図3に、本発明の実施例3を示す。実施例3は実施例2の変形例であって、実施例2の触媒コンバータ10に代えて、サブキャニスタとしても機能し得る炭化水素吸着型触媒を内蔵する吸着型触媒コンバータ30を用いてキャニスタ2の上流側へ直列状に配し、当該吸着型触媒コンバータ30に大気ライン7を連通している点に特徴を有する。したがって、キャニスタ2と大気ライン7とは、吸着型触媒コンバータ30を介して間接的に連通していることになる。以下には、実施例3の特徴点を中心に説明する。
炭化水素吸着型触媒は、触媒作用による燃焼(酸化)反応を促進できると共に、燃焼反応が生じない状態では蒸発燃料を構成する炭化水素を吸着できる構成となっている。つまり、蒸発燃料吸着材と触媒との双方の機能を有する複合型触媒である。具体的には、炭化水素を吸着可能な細孔系を有する多孔質体を単体として用い、当該担体に触媒成分をコーティングすることで成る。触媒成分がコーティングされた後の触媒の細孔系は、キャニスタ2に内蔵されている活性炭とほぼ同等となっている。担体としては、代表的にはゼオライトを使用することができ、触媒成分は、上記実施例1や2における触媒と同様の素材を使用すればよい。
処理装置停止時は、燃料タンク1からの蒸発燃料がエバポライン3を介してキャニスタ2内に吸着されていくが、僅かにキャニスタ2を透過してしまう蒸発燃料があっても、これの上流側(装置停止時の流れでみれば下流側)にある吸着型触媒コンバータ30によってキャニスタ2を透過した蒸発燃料を補佐的に吸着できる。これにより、蒸発燃料が大気中へ放出されることがより確実に防がれる。余剰空気は、吸着型触媒コンバータ30に連通された大気ライン7から放出される。処理装置を駆動したときの基本的作用は実施例2と同様であるが、処理装置を駆動した直後は触媒の温度が燃焼反応(酸化反応)が生じる有効温度となっていないことがある。しかし、本実施例3では吸着型触媒を用いているので、処理装置駆動直後に触媒の温度が低い間は、循環ライン22を介して還流導入された蒸発燃料を吸着型触媒コンバータ30内に吸着保持しておくことができる。そして、燃焼反応が生じる温度にまで触媒が昇温したところで、吸着型触媒コンバータ30内に吸着されていた蒸発燃料が燃焼される。これにより、キャニスタ2及び吸着型触媒コンバータ30における大気ライン7側に、蒸発燃料が吸着されていくことを避けることができる。その他は実施例2と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(実施例4)
図4に、本発明の実施例4を示す。実施例4における特徴点は、キャニスタ2の上流に大気ライン7の連通されたサブキャニスタ35を設け、循環ライン22に三方切替弁23を介してキャニスタ2とサブキャニスタ35との間に連通するバイパスライン24を設けた点にある。なお、触媒コンバータ10は、実施例2と同様に循環ライン22上に設けられている。サブキャニスタ35の内部には、キャニスタ2と同様に空気は透過するが蒸発燃料は吸着される活性炭が内蔵されている。サブキャニスタ35はキャニスタ2の上流側へ直列状に配されており、循環ライン22はサブキャニスタ35の大気ライン7側へ連通されている。キャニスタ2と大気ライン7とは、サブキャニスタ35を介して間接的に連通している。三方切替弁23は、図外の制御装置により駆動制御される電磁弁となっており、循環ライン22上の触媒コンバータ10の下流、詳しくはプレッシャーレギュレータ11と触媒コンバータ10との間に設けられている。三方切替弁23を介して連通されるバイパスライン24の他端は、パージライン5上のキャニスタ2の上流、詳しくはキャニスタ2とサブキャニスタ35との間に連通されている。
処理装置の停止時における蒸発燃料及び空気の流れは、サブキャニスタとしての機能を兼ね備えた吸着型触媒コンバータ30を設けた実施例3と同様である。本実施例4における特徴は処理装置駆動時にある。処理装置を駆動したとき、キャニスタ2内に吸着されていた蒸発燃料が、ポンプ6によって大気ライン7から吸引導入された空気(大気)によって脱離されることになる。このとき、図11に示されるように、処理装置の駆動後一定時間はキャニスタ2内に吸着されていた蒸発燃料が一気に脱離されるので、パージされたガス中の蒸発燃料濃度は上昇する。しかし、ある程度蒸発燃料が脱離されると、キャニスタ2内に残存する蒸発燃料量が減少することから、一定時間経過後を境にパージされたガス中の蒸発燃料濃度は時間経過と共に徐々に減少していく。したがって、処理装置の駆動直後は、分離膜4で分離された低濃度ガス中の蒸発燃料濃度も比較的高くなっていることがある。この状態において低濃度ガスを触媒コンバータ10に導入すると、煤が発生するなどの問題が生じる。また、上述のように処理装置の駆動直後は触媒が燃焼有効温度に達していない場合もあり、このような場合に低濃度ガスを触媒コンバータ10に導入しても、蒸発燃料が燃焼されずにサブキャニスタ35へ還流されることになる。蒸発燃料が燃焼されずにサブキャニスタ35の大気ライン7側へ導入されると、処理装置の停止時に当該部分から脱離された蒸発燃料が大気中へ放出されるおそれがある。
そこで、本実施例4では、三方切替弁23を処理装置が駆動されてからの時間経過に基づいて連通方向が切り替えられるように制御されている。すなわち、低濃度ガス中の蒸発燃料濃度が比較的高い水準にあり、同時に場合によっては触媒の温度が燃焼反応が生じる温度よりも低い状態にあるような処理装置の駆動後所定時間は、バイパスライン24が連通状態とされる。これにより、循環ライン22を介して還流されてきた低濃度ガスは、バイパスライン24を介してキャニスタ2へ直接導入され、触媒コンバータ10側には非連通状態となっている。これにより、触媒コンバータ10の下流にあるサブキャニスタ35にもガスが導入されることはない。一方、低濃度ガス中の蒸発燃料濃度が比較的低い水準にあり、かつ好ましくは触媒の温度が燃焼反応が生じ得る温度よりも高くなっているような、処理装置を駆動してから後所定時経過後は、バイパスライン24が非連通状態となると共に、触媒コンバータ10側への循環ライン22が連通状態となるように三方切替弁23が切り替えられる。これにより、循環ライン22を介して還流されてきた低濃度ガスは、実施例2や実施例3と同様に触媒コンバータ10で蒸発燃料が燃焼されたうえでサブキャニスタ35へ還流される。三方切替弁23の切り替えタイミングは、制御装置に予め設定されている。
処理装置駆動後一定期間のバイパスライン24連通状態では、低濃度ガス中の蒸発燃料がキャニスタ2内の大気ライン7側に吸着されていく。したがって、処理装置停止時に余剰空気が大気ライン7から大気中へ放出される際、キャニスタ2内の大気ライン7側に吸着されていた蒸発燃料が脱離される。しかし、本実施例4では、キャニスタ2の上流(処理装置停止時のガスの流れでは下流)にサブキャニスタ35を設けていることで、キャニスタ2内の大気ライン7側から脱離された蒸発燃料がサブキャニスタ35で吸着され、蒸発燃料が大気中に放出されることが防がれる。その他は実施例2や実施例3と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(実施例5)
図5に、本発明の実施例5を示す。実施例5は実施例4の変形例であって、処理装置が駆動されてからの時間経過に基づいて切り替え制御される三方切替弁23を介して、パージライン5に連通されたバイパスライン24を有する処理装置において、実施例4における触媒コンバータ10を廃し、サブキャニスタ35に代えて実施例3と同じ吸着型触媒を内蔵する吸着型触媒コンバータ30を設けている。実施例3での説明のように、吸着型触媒コンバータ30は、触媒機能と蒸発燃料吸着機能とを兼ね備えている。したがって、処理装置の停止時及び駆動時における吸着型触媒コンバータ30の機能・作用は実施例4と同様である。その他も実施例4と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(実施例6)
図6に、本発明の実施例6を示す。実施例6は実施例4の別の変形例である。実施例4では、三方切替弁23の切り替えタイミングを、処理装置が駆動されてからの経過時間を基準としていたが、本実施例6では、三方切替弁23の切り替えタイミングを、低濃度ガス中の濃度を基準としている点に特徴を有する。具体的には、循環ライン22上に濃度センサ26が設けられており、当該濃度センサ26による低濃度ガス中の蒸発燃料濃度の検知結果に基づいて、三方切替弁23が切り替えられる。濃度センサ26による検知データは、図外の制御装置に送信され、当該検知データが予め制御装置に設定されていた所定値以上か所定値未満かで、三方切替弁23の連通方向が制御装置によって切り替えられる。濃度センサ26による低濃度ガス中の蒸発燃料濃度が所定値以上のときは、バイパスライン24が連通状態となると共に、触媒コンバータ10側は非連通状態となる。一方、濃度センサ26による低濃度ガス中の蒸発燃料濃度が所定値未満のときは、バイパスライン24が非連通状態となると共に、触媒コンバータ10及びサブキャニスタ35を含む一連の循環ライン22が連通状態となる。その他は実施例4と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(実施例7)
図7に、本発明の実施例7を示す。実施例7は実施例6の変形例であって、触媒コンバータ10に、当該触媒コンバータ10内の触媒温度を制御するヒータ28が隣接若しくは内蔵されている。上述のように、処理装置駆動直後は、触媒の温度が低い場合がある。これでは、処理装置を駆動させてから蒸発燃料が燃焼され始めるまでのタイムラグが大きくなることも懸念される。そこで、本実施例7では、触媒コンバータ10内の触媒を燃焼反応が生じ得る温度にまで早期に昇温させるために、ヒータ28が設けられている。これにより、蒸発燃料の処理開始時間を短縮化できる。ヒータ28は、ピエゾ素子などの加熱素子デバイスにより構成されている。処理装置の駆動と共にヒータ28が通電され、触媒が加熱されていく。その後、触媒の温度が燃焼反応が生じえる温度にまで達したところで、ヒータ28は停止される。これにより、過熱によって触媒が溶損することはない。ヒータ28も図外の制御装置によって稼動制御されている。ヒータ28の稼動・停止タイミングは、処理装置が駆動されてからの時間経過としたり、触媒コンバータ10内に温度センサを設けて触媒の温度を直接検知することで制御することもできる。なお、ヒータ28が、本発明の温度制御手段に相当する。その他は実施例6と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(実施例8)
図8に、本発明の実施例8を示す。実施例8は、実施例6の別の変形例である。すなわち、実施例6において分離手段としての分離膜が複数個直列に配されている。具体的には、第1の分離膜4の下流に、第2の分離膜34が設けられている。第2の分離膜34は、第1の分離膜4と同じものが使用され、蒸発燃料成分に対する溶解係数及び拡散係数が高いが、空気成分に対する溶解係数及び拡散係数が低いことで、第2の分離膜34に供給されたガス中から、蒸発燃料成分が優先的に選択分離される。第2の分離膜34も、容器37を低濃度ガス室38と高濃度ガス室39とに区画するように配されている。第1の容器17の低濃度ガス室18と第2の容器37の低濃度ガス室38とが連通され、第2の容器37の低濃度ガス室38の下流側に循環ライン22が連通されている。第2の容器37の高濃度ガス室39には、パージライン5のキャニスタ2とポンプ6との間に連通する濃縮ガスライン29が連通されている。
処理装置を駆動させると、実施例6と同様にキャニスタ2からパージされた蒸発燃料が第1の分離膜4に供給され、高濃度ガスと低濃度ガスとに分離される。上述のように、第1の分離膜4によって分離された低濃度ガス中には、少なからず分離され切れなかった蒸発燃料が残存している。この蒸発燃料が残存する低濃度ガスが、次いで第2の分離膜34によってさらに分離されることで、循環ライン22へはより蒸発燃料の濃度が下げられた精製低濃度ガスが循環していくことになる。これにより、バイパスライン24が連通された状態で、循環ライン22からキャニスタ2へガスが直接供給されるモードでも、キャニスタ2内の大気ライン7側に吸着される蒸発燃料量を低減できる。また、触媒コンバータ10側へ還流されるモードでも、触媒によって極少ない蒸発燃料を確実に燃焼させることができる。
一方、第2の容器34の高濃度ガス室39には、第1の分離膜4からの低濃度ガスが第2の分離膜34によって分離濃縮された濃縮ガスが精製される。この第2の分離膜34からの濃縮ガスは、濃縮ガスライン29を介して再度第1の分離膜4へ供給され、当該第1の分離膜4を介して再度蒸発燃料が返流ライン8を介して燃料タンク1へ返流される。このように、蒸発燃料がパージライン5、ポンプ6、第1の分離膜4、第2の分離膜34、濃縮ガスライン29をこれの順で循環することで、確実に蒸発燃料を燃料タンク1へ返流できるようになっている。また、低濃度ガスを濃縮したうえで再度第1の分離膜4へ供給しているので、第1の分離膜4における分離効率が高い状態を維持できる。なお、濃縮ガスライン29を循環する濃縮ガスは、ポンプ6によって吸引されることで、エバポライン3へ逆流することはない。その他は実施例6と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(実施例9)
図9に、本発明の実施例9を示す。実施例9は実施例1の別の変形例である。実施例1(ないし実施例8)では、分離膜4として炭化水素分離膜を使用していたが、本実施例9では、分離手段として、空気分離膜44を使用している点に特徴を有する。当該空気分離膜44は、図12に示されるように、分子篩作用を有するゼオライト等の多孔質膜からなる。分子径の大きい炭化水素からなる蒸発燃料成分50は多孔質膜を透過し難く、分子径が小さい空気成分51は多孔質膜の細孔を容易に透過できることで、空気と蒸発燃料とがぶんりされる。したがって、本実施例9における容器47の内部は、空気分離膜44を挟んで下流側が低濃度ガス室48となり、上流側が高濃度ガス室49となる。そして、低濃度ガス室48に第2の大気ライン9が連通されており、高濃度ガス室49に返流ライン8が連通されている。これによれば、高濃度ガス中には若干の空気成分が残存し得るが、空気分離膜44を透過した低濃度ガス中には、上記実施例1〜8における低濃度ガスと比べて蒸発燃料の混在量が極めて少ない。これにより、低濃度ガスが第2の大気ライン9を介して大気中へ排出されるとしても、触媒コンバータ10において蒸発燃料がより確実に燃焼されたうえで排出されるので、大気汚染の問題は殆ど無い。その他は実施例1と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(その他の変形例)
以上、本発明の代表的な各実施例について説明したが、その他にも種々の変形が可能である。例えば、実施例1や実施例9に、サブキャニスタや吸着型触媒コンバータを用いてもよい。実施例3にサブキャニスタを用いることもできるし、実施例6〜8に吸着型触媒コンバータを用いることもできる。実施例6〜8において、濃度センサは、分離膜4(第2の分離膜34)の直下流に設けることが好ましい。また、実施例8のような複数の段階的な分離手段を実施例1〜7及び実施例9に適用することもできるし、実施例9のような空気分離膜を実施例1〜8に適用することもできる。各種ラインの配管形状は、各構成部材との相対的な連通状態が確保されている限り、特に限定されない。実施例7において、ヒータと共に、ペルテェ素子などから構成されるクーラなどの冷却手段を設けることもできる。
ポンプ6は、キャニスタ2に吸着された蒸発燃料を脱離(パージ)させると共に、キャニスタ2から脱離させた蒸発燃料を分離膜4へ供給することが可能であれば、分離手段の下流かつプレッシャーレギュレータ11の上流や、キャニスタ2の大気側に配置してもよい。
実施例1の構成図である。 実施例2の構成図である。 実施例3の構成図である。 実施例4の構成図である。 実施例5の構成図である。 実施例6の構成図である。 実施例7の構成図である。 実施例8の構成図である。 実施例9の構成図である。 炭化水素分離膜の構成図である。 時間経過に伴う蒸発燃料濃度の変化を示すグラフである。 空気分離膜の構成図である。
符号の説明
1 燃料タンク
2 キャニスタ
3 エバポライン
4 (第1の)分離膜
5 パージライン
6 ポンプ
7 大気ライン
8 返流ライン
9 第2の大気ライン
10 触媒コンバータ
11 プレッシャーレギュレータ
15 燃料ポンプ
16 燃料供給ライン
18 低濃度ガス室
19 高濃度ガス室
22 循環ライン
23 三方切替弁
24 バイパスライン
26 濃度センサ
28 ヒータ
29 濃縮ガスライン
30 吸着型触媒コンバータ
34 第2の分離膜
35 サブキャニスタ
38 低濃度ガス室
39 高濃度ガス室
44 空気分離膜
48 低濃度ガス室
49 高濃度ガス室
50 蒸発燃料成分
51 空気成分

Claims (8)

  1. 燃料タンクから発生する蒸発燃料を吸着可能なキャニスタと、前記燃料タンクとキャニスタとに連通されるエバポラインと、蒸発燃料を高濃度で含有する高濃度ガスと蒸発燃料を低濃度で含有する低濃度ガスとに分離する分離手段と、前記キャニスタと分離手段とを連通させるパージラインと、前記キャニスタから脱離させた蒸発燃料を前記分離手段へ供給するポンプと、前記キャニスタと大気とを直接又は間接的に連通させる大気ラインと、前記分離手段によって分離された高濃度ガスを前記燃料タンクへ返流する返流ラインと、前記分離手段によって分離された低濃度ガスが流動する低濃度ガス流動ラインとを有する蒸発燃料処理装置であって、
    前記低濃度ガス流動ライン上に、前記低濃度ガス中の蒸発燃料を燃焼させる触媒が設けられていることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 前記低濃度ガス流動ラインが、前記キャニスタの大気ライン側と直接又は間接的に連通された循環ラインとされている、請求項1に記載の蒸発燃料処理装置。
  3. 前記低濃度ガス流動ラインが、直接大気と連通した第2の大気ラインとなっている、請求項1に記載の燃料処理装置。
  4. 前記触媒が、炭化水素を吸着可能な炭化水素吸着型触媒であり、
    前記大気ラインが炭化水素吸着型触媒に連通されて、前記大気ラインとキャニスタとが前記炭化水素吸着型触媒を介して間接的に連通されている、請求項2に記載の蒸発燃料処理装置。
  5. 前記触媒とキャニスタとの間にサブキャニスタが直列状に配されており、
    前記大気ラインがサブキャニスタに連通されて、前記大気ラインとキャニスタとが前記サブキャニスタを介して間接的に連通されている、請求項2に記載の蒸発燃料処理装置。
  6. 前記循環ライン上に設けられた三方切替弁を介して、前記サブキャニスタ又は炭化水素吸着型触媒とキャニスタとの間に連通されるバイパスラインを有し、
    前記三方切替弁を切り替えることによって、前記低濃度ガス中の蒸発燃料濃度が高水準にあるときは前記バイパスラインを介して前記低濃度ガスを前記キャニスタへ直接導入し、前記低濃度ガス中の蒸発燃料濃度が低水準にあるときは前記循環ラインを介して前記低濃度ガスを前記触媒に導入するよう選択切り替え可能な、請求項4または請求項5に記載の蒸発燃料処理装置。
  7. 前記触媒には、該触媒の温度を制御する温度制御手段が設けられている、請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置。
  8. 前記分離手段が複数個直列配置されている、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置。




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