JP2009191474A - 建物 - Google Patents

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JP2009191474A
JP2009191474A JP2008031463A JP2008031463A JP2009191474A JP 2009191474 A JP2009191474 A JP 2009191474A JP 2008031463 A JP2008031463 A JP 2008031463A JP 2008031463 A JP2008031463 A JP 2008031463A JP 2009191474 A JP2009191474 A JP 2009191474A
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裕香 長谷部
Masaki Watabe
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Abstract

【課題】大掛かりな装置を設けることなく、本来のスペースを確保できるとともにそのスペースに床上空間を形成することができる建物を提供する。
【解決手段】建物には、ガレージ11が設けられ、ガレージ11には、駐車スペース16に床面30を形成する床形成装置20が備えられている。床形成装置20は、床面30を形成する複数の床ブロック31を備えている。床形成装置20は、床ブロック31を収納する収納壁22を備えている。収納壁22の下端部には、床ブロック31が挿通可能な収納口44が形成されている。収納壁22は移動可能とされており、その移動に伴い各床ブロック31は収納口44を介して収納領域35に出入りされる。これにより、床形成装置20は、駐車スペース16に床ブロック31が並べられることで床面30を形成することができ、床ブロック31が収納されることにより駐車スペース16から退避することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、建物に関する。
住宅等の建物の中には、建物の一部に車両を駐車するための付属車庫が設けられているものがある。しかしながら、付属車庫は、車両が出庫された後には、居住者にとっては利用価値のない単なる空きスペースにすぎない。特に、車両の使用頻度が高い場合には、空きスペースとなっている期間が長くなる。
そこで、上記事情に鑑みて、付属車庫内に上下移動可能な移動床を備え、移動床を上昇させることで駐車スペースを確保し、下降させることで付属車庫内に床面を形成する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。これにより、車両駐車時には移動床を上昇させて駐車スペースを確保し、車両が駐車されていない場合には移動床を下降させて付属車庫内に床面を形成することができるため、付属車庫内の駐車スペースを有効利用することができる。
特開2003−336407号公報
しかしながら、上記した付属車庫内において移動床を上下移動させる技術については、移動床を略水平に保った状態で鉛直方向に移動させるため、移動床を挟んだ両側には移動床を案内するためのレールやそのレールを取り付けるための壁体等を備える必要がある。そのため、移動床だけではなくレールや壁体等を含んだ装置全体としてとても大掛かりなものとなり、施工作業の負担増大や部材コストの増大を伴うこととなる。
また、移動床の片側にのみレール及び壁体等を設けて移動床を支持する構造とすることも技術的には可能ではあるが、移動床が片持ち支持となるため移動床及びレール、ひいてはそれらを支持する壁体の構造を極めて強固にする必要がある。そのため、この場合にも移動床を挟んだ両側にレール及び壁体を設ける場合と同様に装置全体として大掛かりとなり、施工作業の負担の増大や部材コストの増大を伴うこととなる。
ところで、付属車庫以外の駐車スペースにおいても駐車スペースに床面を形成できるようにするには上記の問題が生じうる。また、かかる問題は駐車スペースに床面を形成しようとする場合に限って生じうる問題ではなく、建物の一部に形成された土間空間や建物に隣接された屋外空間等に床面を形成しようとすれば、付随的に生じてくる問題である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、大掛かりな装置を設けることなく、本来のスペースを確保できるとともにそのスペースに床上空間を形成することができる建物を提供することを主たる目的とするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
第1の発明の建物は、所定のスペースが屋外に隣接して設定され、又は所定のスペースを屋内に有する建物において、前記スペースに設けられたスペース床面よりも上方に床面を形成する床形成装置が備えられており、前記床形成装置は、複数の床体を備えているとともに、前記各床体が前記スペース床面上に並べられることにより前記床面を形成する第1状態と、前記各床体が上下方向に並べられることにより前記スペースから退避される第2状態とに切り替え可能に構成されていることを特徴とする。
上記特許文献1に示される従来技術では、移動床を上昇させることにより(駐車)スペースを確保し、移動床を下降させることにより(駐車)スペースに床面を形成する構成としていたため、移動床を上下方向に案内するためのレールやそのレールを取り付けるための壁体等が必要であり、装置全体としてはとても大掛かりなものであった。その点、本発明によれば、各床体を所定のスペースに設けられたスペース床面上に並べることによりスペース床面より上方に床面を形成することができ、また、各床体を上下方向に並べることにより当該スペースから各床体を退避させることができる。そのため、大掛かりな装置を設けることなく、本来のスペースを確保することができるとともに必要に応じてそのスペースに床上空間を形成することができる。
なお、第1の発明において更に、床体として長尺状の床体を使用し、各床体をその短手方向に並べることにより床面を形成し、各床体をその長手方向を平行にして上下方向に並べることによりスペースから退避させる構成を付加すれば、各床体をコンパクトな状態でスペースから退避させることができる。
第2の発明の建物は、第1の発明において、前記床形成装置には、前記各床体を前記スペースから退避された状態に維持する退避維持手段が備えられていることを特徴とする。
各床体は上下方向に並べられることにより所定のスペースから退避されるため、退避された状態にある場合には不安定な状態であることが想定される。その点、本発明によれば、各床体を所定のスペースから退避された状態に維持することができるため、床形成装置の第2状態を安定して維持することができる。
第3の発明の建物は、第2の発明において、前記退避維持手段は、前記スペースから退避された前記各床体を収納する収納部であることを特徴とする。
本発明によれば、所定のスペースから退避された各床体を収納部に収納することにより退避された状態を維持することができる。これにより、床体が露出しないように収納するようにすれば、外観を損なうことなく床体の退避状態を維持させることができる。
第4の発明の建物は、第3の発明において、前記収納部には、前記スペースから退避された前記各床体を収納する収納空間が上下方向に形成されているとともに、前記収納部の下部には、前記収納空間の内外を連通する開口部が形成されており、前記開口部は、前記床体が挿通可能な大きさに開口されていることを特徴とする。
本発明によれば、収納部には上下方向に収納空間が形成されているため、各床体を積み重ねた状態でこの収納空間に収納することができる。また、本発明によれば、収納部の下部には床体が挿通可能な開口部が形成されており、この開口部は収納空間の内外を連通しているため、収納空間に収納された床体をこの開口部を介して収納空間の外部へ引き出すことができる。そして、開口部は収納部の下部に形成されているため、床体を開口部から引き出した後すぐにスペース床面上に設置することができるため、床体の設置作業を容易とすることができる。
また、各床体が積み重ねられた状態で収納空間に収納されている場合には、床体を開口部を介して収納空間の外部へ引き出すと、引き出された床体の上に積み重ねられている床体が開口部に対応した位置に落下するため、連続して各床体を引き出すことができる。したがって、本発明によれば、比較的短時間で床体を収納空間から引き出して床面を形成することができる。
第5の発明の建物は、第4の発明において、前記収納部は、水平移動可能とされており、前記開口部は、前記収納部の下端部に形成されているとともに前記移動方向のうちいずれか一方を向いて開口されており、前記収納部が前記移動方向に沿って前記開口部の形成されている側から形成されていない側に向かって前記水平移動をすることにより、前記収納空間に収納された前記各床体が前記開口部を介して前記収納空間の外部へ出されることを特徴とする。
本発明によれば、収納部の下端部に開口部が形成されているため、収納部が開口部の形成されている側から形成されていない側に向かって水平移動をすることにより収納空間に積み重ねられて収納された各床体を最下部に位置する床体から順次開口部を介して収納空間の外部へ出すことができる。これにより、収納部に収納された各床体をスペース床面上に設置する作業を一層容易とすることができる。また、収納部の移動により床体が収納空間の外部へ出されるとともにスペース床面上における所定の位置に設置されるようにすれば、収納部を移動することで所定のスペースに床面を形成することができる。これにより、所定のスペースに床面を形成する作業を容易とすることができる。
第6の発明の建物は、第5の発明において、前記床形成装置は、前記収納部が前記開口部の形成されていない側から形成されている側に向かって前記水平移動をすることにより、前記スペース床面上に並べられた前記床体を前記開口部を介して前記収納空間に収納することを特徴とする。
本発明によれば、収納部を開口部の形成されていない側から形成されている側に向かって水平移動させることによりスペース床面上に並べられた床体を開口部を介して収納空間に収納することができる。したがって、第5の発明の効果と合わせると、収納部を水平移動させることにより所定のスペースに床面を形成することができるとともに、床面を形成している各床体を収納空間に収納することができる。
また、収納部の移動距離を調整することによりスペース床面上に床体を多く並べたり、少なく並べたりすることができるため、居住者のニーズに応じた広さの床面を所定のスペースに形成することができる。
第7の発明の建物は、第5又第6のいずれかの発明において、前記スペースは、建物の屋内に形成される屋内空間であり、前記屋内空間を形成する壁、天井又は床には、前記収納部を前記移動方向に沿って案内する案内レールが設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、屋内空間を形成する壁、天井又は床に設けられた案内レールにより収納部を所定の移動方向に沿って案内することができる。これにより、収納部を所定の方向に移動させることが容易となるため、床形成装置を第1状態にしたり、第2状態にしたりする作業がしやすくなる。
第8の発明の建物は、第3乃至第7のいずれかの発明において、前記スペースは車両を駐車する駐車スペースであるとともに前記スペース床面は車両設置面であり、前記駐車スペースに隣接して前記車両設置面よりも高い位置を床面とした屋内居住スペースが形成されており、前記駐車スペースと前記屋内居住スペースとが前記収納部によって間仕切りされており、前記各床体によって形成される床面は前記屋内居住スペースの床面に連続した床面を形成するものであることを特徴とする。
本発明によれば、車両を駐車する駐車スペースと、その駐車スペースに隣接し車両設置面よりも高い位置にある床面を備える屋内居住スペースとを収納部により間仕切りすることができる。これにより、駐車スペースと屋内居住スペースとの間を仕切る仕切り壁を不要とすることができる。しかも、本発明によれば、車両設置面に各床体を並べて駐車スペースに床面を形成する場合には、駐車スペースに形成される床面と屋内居住スペースの床面とを連続させることができる。これにより、駐車スペースに形成される床上空間と屋内居住スペースとを跨いで使用することができるため、簡単に屋内居住スペースを拡張させることができる。しかも、駐車スペースは車両が存在しない場合にあっては無駄スペースとなり易いため、本発明は車両が存在しない駐車スペースの有効活用に大きく寄与するものである。
なお、第5乃至第7の発明の収納部を使用すれば、収納部を移動させることにより車両設置面に床体を並べ駐車スペースに床面を形成することができるため、車両が駐車スペースに駐車されている場合には収納部を駐車スペースと屋内居住スペースとの間の間仕切りとして使用し、車両が駐車スペースに駐車されていない場合には収納部を駐車スペース側へ移動させることにより駐車スペースに床面を形成し屋内居住スペースを拡張させて使用することができる。また、この場合、床形成装置が付属車庫の奥方に配置されていることが好ましい。
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。最初に、本実施形態の建物の間取りを図1に基づいて説明する。なお、図1は、ガレージ付き建物の部屋の間取りを示す図である。
図1に示すように、本実施形態の建物10には、リビング14やダイニング15等の居住空間が備えられているとともに、居住空間に隣接するようにして車庫としてのガレージ11が備えられている。ガレージ11は、建物10に一体的に設けられた所謂インナガレージとなっており、自動車等の車両18の駐車が可能な駐車スペース16を有している。ガレージ11には、リビング14との間を仕切るリビング側内部壁21と、屋外空間との間を仕切る外部壁23とがそれぞれ側方に立設されており、ダイニング15との間を仕切る可動式の収納壁22(その詳細については後述する)が奥方に立設されている。駐車スペース16は、リビング側内部壁21、収納壁22及び外部壁23により囲まれるとともにガレージ床面13とガレージ天井面29(図2参照)との間に形成された空間によって構成されている。
リビング側内部壁21の一部には、住人等の出入りが可能なリビング側出入口25が設けられており、そのリビング側出入口25によりリビング14とガレージ11とが連通されている。また、リビング側内部壁21には、リビング側出入口25に対してスライド可能なリビング側引き戸24が設けられている。このリビング側引き戸24がスライドされることによりリビング側出入口25が開放及び閉鎖されるようになっている。なお、リビング側引き戸24は、スライド式ではなく回動式の扉であってもよい。
ガレージ11の一側面にはガレージ開口部17が形成されており、そのガレージ開口部17を通じて人や車両18の出入りが可能となっている。ガレージ開口部17には、手動又は電動で開閉されるシャッタ28が設けられている。このシャッタ28がスライドされることによりガレージ開口部17が開放及び閉鎖されるようになっている。
本実施形態では、ガレージ11の駐車スペース16に床面30を形成する床形成装置20が設けられている点に特徴を有する。以下、この床形成装置20を中心にガレージ11内の特徴的構成について、図2及び図3に基づいて説明する。なお、図2は、ガレージ11周辺の構成を示す縦断面図であり、(a)が床形成装置20による床面30形成状態を示す図、(b)が床形成装置20の駐車スペース16からの退避状態を示す図である。図3は、収納壁22下部の構成を示す縦断面図である。
床形成装置20は、床面30を形成する複数の床ブロック31(床体)を備えている。床ブロック31は、ガレージ開口部17の開口幅方向に延びる長尺状部材であり、例えば金属製の板材等により形成されている。床ブロック31は、その縦断面形状が略平行四辺形状をなしており、ガレージ11奥行き方向を向いている両側面が傾斜面となっている。これらの傾斜面はガレージ11の奥側に向かって上方傾斜している。以下、これらの傾斜面のうちガレージ11奥側の傾斜面を第1傾斜面31a、ガレージ11手前側の傾斜面を第2傾斜面31bという。また、床面30となる床ブロック31の上面位置は、ガレージ11と隣接するリビング14やダイニング15の床面とほぼ同じ高さに設定されている。
図2(a)に示すように、床形成装置20は、これらの各床ブロック31がその長手方向を平行にガレージ11奥行き方向に沿ってガレージ床面13上に並置されることにより駐車スペース16に床面30を形成している。より詳しくは、各床ブロック31は、隣接する床ブロック31と互いの傾斜面31a,31bを近接又は当接させた位置関係で並べられることにより連続した床面30を形成している。
床面30を形成している各床ブロック31のうちガレージ11奥側の端部に設置された床ブロック31は、ガレージ11と隣接するダイニング15においてガレージ床面13より高い位置に床面を形成している床部51と当接又は近接された位置関係にある。床部51には、ガレージ11側端部に傾斜面51aが形成されている。この傾斜面51aは、床ブロック31の第1傾斜面31aに対応した傾斜面である。ガレージ11奥側の端部に配置された床ブロック31は、その第1傾斜面31aを床部51の傾斜面51aに当接させた状態で設置されている。これにより、床ブロック31により形成された床面30と、ダイニング15の床面とを連続させることができるため、床面30とダイニング15の床面とを跨いで使用することができる。
床形成装置20は、これらの各床ブロック31を収納する収納壁22を備えている。収納壁22は、床ブロック31の長手方向に延びている移動可能な壁である。収納壁22は、全体としては四角筒状に形成されている。収納壁22は、そのガレージ開口部17側の端部となる前板部32と、前板部32の板幅方向の両端部からそれぞれガレージ11奥側に平行に延びる側板部34と、これらの側板部34のダイニング15側の端部同士をつなぎ前板部32と平行に延びる後板部33とを有する。そして、これら前板部32、後板部33及び側板部34により囲まれた領域が、各床ブロック31を収納する収納領域35となっている。
ガレージ11のガレージ天井面29には、収納壁22の移動を案内する複数(例えば、2本)の案内レール41が設けられている。案内レール41は、ガレージ11の奥行き方向に沿って延びる長尺状のレールである。収納壁22は、この案内レール41に吊り下げ可能となっており、その吊り下げ状態で案内レール41に沿って移動することが可能となっている。具体的には、収納壁22には各側板部34の上端部にタイヤ等の回転体(図示略)がそれぞれ取り付けられており、この回転体が案内レール41に支持されることにより収納壁22は回転体を介して案内レール41に吊り下げられている。そして、回転体はこの案内レール41内を転がることができるため、収納壁22は、案内レール41に吊り下げられた状態で案内レール41に沿って移動することができる。なお、収納壁22は手動により移動させる構成としてもよいし、収納壁22に駆動機構を設け、駆動機構により回転体を回転させることにより移動させる構成としてもよい。
本実施形態では、案内レール41は、図2に示すように、ガレージ開口部17近傍からガレージ11とダイニング15との境界部まで延びている。したがって、収納壁22は、ガレージ開口部17に近接する第1位置(図2(a)参照)とガレージ11とダイニング15との境界である第2位置(図2(b)参照)との間を移動可能となっている。そして、収納壁22は、第1位置にある場合にはガレージ11と屋外との間を仕切る仕切り壁として、第2位置にある場合にはガレージ11とダイニング15との間を仕切る仕切り壁として機能する。
第2位置にある収納壁22の幅方向両側には、弾性を有するシート状の気密材(図示略)が設けられている。この気密材はリビング側内部壁21及び外部壁23にそれぞれ取り付けられており、収納壁22が第2位置まで移動すると収納壁22とリビング側内部壁21及び外部壁23との間でそれぞれ圧縮されるようになっている。これにより、収納壁22が第2位置にある場合にはガレージ11とダイニング15との通気性が低減されるため、ガレージ11内の車両18から発生する排ガスがダイニング15へ流入するのを極力防止することができる。
収納壁22の下端部には、図3に示すように、収納領域35の内外を連通する収納口44が形成されている。収納口44は、下側が開放された矩形形状の開口領域であり、後板部33及び各側板部34に跨って形成されている。すなわち、この収納口44が形成されていることで後板部33及び各側板部34の下端位置は、前板部32の下端位置より収納口44の開口高さ分だけ高くなっている。また、収納口44の上端位置は床ブロック31の床面(上面)位置よりも高く設定されており、収納口44の開口幅は床ブロック31の長手方向における長さよりも大きく設定されている。これにより、床ブロック31は、収納口44を介して収納領域35に出入り可能となっている。
収納壁22の前板部32の内面には、下端部において誘導部32aが設けられている。誘導部32aは、縦断面が略直角三角形状をした小突起であり、後板部33側に向かって下方傾斜する傾斜面を有している。また、床ブロック31には、その底面と第2傾斜面31bとの間に面取り部31cが形成されている。この面取り部31cは誘導部32aの傾斜面に対応した傾斜面を有している。
次に、床面30を形成している各床ブロック31が収納壁22が移動することにより収納領域35に収納される作用について説明する。
収納壁22は、図2(a)に示すように、各床ブロック31がガレージ床面13上に並べられ床面30を形成している場合には第1位置にある。収納壁22がこの第1位置を起点として第2位置側に移動を開始すると、ガレージ床面13上に並べられた床ブロック31のうち収納壁22に隣接配置された床ブロック31(以下、説明の便宜上、第1床ブロック31Aという)がまず収納口44を介して収納領域35に入る。
第1床ブロック31Aは、収納領域35に入ると面取り部31cが前板部32の誘導部32aに当接されて、当接面を介して収納壁22(前板部32)により第2位置側へ荷重を受ける。ところが、第1床ブロック31Aの第2位置側には、第1床ブロック31Aと近接又は当接された状態で隣接されている別の床ブロック31(以下、説明の便宜上、第2床ブロック31Bという)が設置されている。したがって、第2位置側への行き場は塞がれているため、第1床ブロック31Aは、誘導部32aの傾斜面に沿って上昇を始める。すなわち、この誘導部32aは、床ブロック31が収納領域35において上昇するきっかけとして機能している。
第1床ブロック31Aが上昇を始めると、次に第2床ブロック31Bが収納口44を介して収納領域35に入ってくる。すると、第1床ブロック31Aは、第2床ブロック31Bにより当接面を介して第1位置側への荷重を受けることになるが、第1床ブロック31Aの第1位置側には前板部32があるため第1位置側には移動することができない。そのため、第1床ブロック31Aは、第2床ブロック31Bの第2傾斜面31b上を滑り上がりながら、換言すると第2床ブロック31Bの第2傾斜面31bにより上方へ押し上げられることにより収納領域35内を上昇していく。そして、第1床ブロック31Aは第2傾斜面31bを昇り終えると、第2床ブロック31Bの上面に積み上げられた状態となる。
各床ブロック31は、収納壁22が第2位置側へ移動するにつれて順次このようにして収納口44を介して収納領域35に入り、収納領域35内を上昇して積み上げられていく。そして、すべての床ブロック31が収納領域35に収納され、収納壁22が第2位置まで移動すると、各床ブロック31及び収納壁22を含む床形成装置20全体は駐車スペース16から退避された状態となる。
より詳しくは、すべての床ブロック31が収納領域35に収納された後、収納壁22が第2位置に移動するまでの間に最下部の床ブロック31が床部51に形成された傾斜面51aを滑り上がる。これにより、収納領域35内の各床ブロック31はダイニング15(床部51)の床面上に積み上げられた状態で駐車スペース16から退避される。この場合、収納領域35には、積み上げられた状態の各床ブロック31と共に床部51のガレージ11側端部が収納口44を介して収容されており、その収容された床部51の上面に各床ブロック31が積み上げられている。
次に、収納壁22が移動することにより各床ブロック31がガレージ床面13上に並べられ、床面30を形成する作用について説明する。
ガレージ床面13上に床ブロック31を並べて床面30を形成する場合には、収納壁22を第1位置側に移動させる。そうすると、収納領域35において下端に位置するとともにガレージ床面13上に設置されている床ブロック31が、収納口44を介して収納領域35の外部へ出る。そして、その床ブロック31が収納領域35の外部へ出ると、その上に積み上げられていた床ブロック31がガレージ床面13に向けて落下する。床ブロック31が落下すると、床ブロック31の面取り部31cが収納壁22の前板部32に形成された誘導部32aに当接される。床ブロック31はその当接状態において当接面を介して第2位置側への荷重を受け、床ブロック31の第2位置側に隣接されるとともにガレージ床面13上に設置されている床ブロック31に押し付けられる。そして、この押し付け状態が維持されたまま床ブロック31は下降を続け、やがてガレージ床面13上に設置される。これにより、床ブロック31は、第2位置側に隣接して設置されている床ブロック31との間に隙間を形成させることなくガレージ床面13上の所定位置に設置される。そして、所定の位置に設置された床ブロック31は、その後、収納口44を介して収納領域35の外部へ出る。
このようにして各床ブロック31は、収納壁22が第1位置側へ移動するにつれて順次収納口44を介して収納領域35の外部に出され、ガレージ床面13上の所定位置に隙間なく並べられていく。これにより、駐車スペース16に連続した床面30が形成される。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
床ブロック31をガレージ床面13に並置することにより駐車スペース16に床面30を形成することができ、床ブロック31を収納壁22に収納することにより駐車スペース16から床ブロック31を退避することができる。これにより、向かい合う壁を利用した大掛かりな装置を設けることなく、車両駐車時には車両18が駐車するスペースを確保することができ、車両18が駐車されていない場合には駐車スペース16に床面30を形成することができる。
ガレージ11のガレージ天井面29には案内レール41を設け、収納壁22をその上端部に取り付けられた回転体を介して案内レール41に吊り下げた状態で移動させる構成とした。これにより、一般に重量物となることが想定される収納壁22を移動させるのが容易となる。また、収納壁22を所定の方向に移動させるのが容易となるため、床ブロック31をガレージ床面13上に並べたり、収納したりする作業を楽に行うことができる。
収納壁22は、第2位置にある場合には、ガレージ11とダイニング15との間を仕切る仕切り壁として機能しているため、ガレージ11とダイニング15との間には別途仕切り壁を設ける必要がなくなる。これにより、床ブロック31による床面30形成時にはガレージ11とダイニング15との間に間仕切りがなくなるため、床ブロック31により形成される床面30とダイニング15の床面とを跨いだ大空間を形成することができる。
さらに、駐車スペース16とリビング14との間に立設するリビング側内部壁21の一部に設けられたリビング側出入口25をリビング側引き戸24をスライドさせることにより開放すれば、リビング側出入口25を介してリビング14と駐車スペース16とを連通させることができるため、ダイニング15、リビング14及び駐車スペース16の床面30とを跨ぐ広大な床上空間を得ることができる。
床形成装置20により駐車スペース16に形成される床面30は、リビング14やダイニング15の床面とほぼ同じ高さとなっている。これにより、床形成装置20の床面30とリビング14やダイニング15の床面との間の行き来が容易となっている。また、床形成装置20の床面30とリビング14やダイニング15の床面とを一体的に使用する場合には、使い勝手がよい。
収納壁22を第1位置と第2位置との中間位置に固定すれば、ガレージ床面13の一部だけに床ブロック31を並べることができるため、駐車スペース16の一部だけに床面30を形成することができる。したがって、収納壁22の固定位置を調整することにより駐車スペース16に形成される床面30の広さを広くしたり狭くしたりすることができる。これにより、居住者のニーズに応じた広さの床面30を形成することができる。
収納壁22は、駐車スペース16への床面30形成時においては、床面30により形成された床上空間と外部の空間(例えば、屋外)とを仕切る仕切り壁として機能するため、床上空間を外部から見られることなく利用することができる。また、床面30上で子供やペットを遊ばせたとしても、子供やペットが外部に出るのを防止することができ、さらに外部から不審者等が侵入するのを防止することができる利点もある。
床ブロック31は、収納壁22を構成する前板部32、後板部33及び側板部34により囲まれた収納領域35に収納した。これにより、床ブロック31の露出を防止することができるため、ガレージ11及びダイニング15の外観を損なうおそれはない。
床ブロック31を収納壁22に収納することにより駐車スペース16から退避することとした。収納壁22を設けないで、各床ブロック31を積み重ねることにより駐車スペース16から退避する構成とすることも可能ではあるが、不安定な状態となることが想定される。その点、本構成とすれば、安定した状態で駐車スペース16から各床ブロック31を退避させることができる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、床ブロック31により床面30を形成する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、図4に示すように、床面30を形成する床板61と床板61を支持する支持脚62とを備える床体60を複数備える構成としてもよい。床板61は、長尺状の板状部材であり、例えば木材よりなる。一方、支持脚62は、回動手段を構成するヒンジ63を介して床板61と連結されており、床板61に対して回動可能とされている。そのため、床体60は、支持脚62を折り畳むことにより支持脚62を床板61の裏側に形成された凹部領域(図示略)に収納することができるようになっている。床体60がこの折り畳み状態にある場合には、床体60は全体として板状となるためブロック状に形成された床ブロック31と比べると収納壁22に数多く収納することができる。したがって、収納壁22に床体60を数多く収納すれば、駐車スペース16に広大な床面30を形成することができる。
(2)上記(1)で示した床体60の支持脚62を伸縮可能に構成してもよい。これにより、図4に示すように、ガレージ床面13に水勾配が形成されガレージ床面13がガレージ開口部17側へ下り傾斜している場合においても各床板61が同一の高さ位置で支持されるように支持脚62を伸張させることができるためフラットな床面30を形成することができる。
(3)上記(2)で示した効果を具体的に実現するために以下のような構成としてもよい。図4に示すように、床板61は、その縦断面が平行四辺形状である長尺状の板材であり、その短手方向における両側面が、上記実施形態における床ブロック31と同様、第2位置側に向かって上方傾斜する傾斜面となっている。以下、これらの傾斜面のうち第1位置側の傾斜面を第1傾斜面61a、第2位置側の傾斜面を第2傾斜面61bという。第2傾斜面61bには、押しボタン式の支持脚可動スイッチ65が設けられている。この支持脚可動スイッチ65が押されると折り畳み状態にある支持脚62はヒンジ63の回動軸を回動中心として回動を始め、その脚先を鉛直方向下側に向け、その後ガレージ床面13に当接されるまで伸張する。また、収納壁22の前板部32には、収納領域35に収納されている床体60を下方から支持する床支持部64が収納領域35側に設けられている。具体的には、床支持部64は、その支持面となる上面位置が床面30形成時の床板61の底面とほぼ同じ高さとなるように設けられている。
このように構成されることにより、収納領域35に収納された各床体60が収納壁22の第1位置側への移動により収納口44を介して収納領域35から外部に出され、床面30を形成する作用について、次に説明する。
収納領域35において最下部に位置する床体60(以下、説明の便宜上、下部床体60Aという)は、その下方に位置し床面30を形成している床体60(以下、説明の便宜上、支持床体60Bという)と床支持部64とにより支持される。床支持部64の支持面は床面30形成時の床板61の底面とほぼ同じ高さに設定されているため、床支持部64の支持面は床板61の厚さ分だけ床面30より低い位置にある。したがって、下部床体60Aは、第2位置側への昇り傾斜状態で支持されている。
このように支持されている下部床体60Aの支持床体60Bによる支持位置66(つまり、下部床体60Aと支持床体60Bが接触している部分)は、収納壁22が第1位置側へ移動すると、下部床体60Aの底面に沿って第2傾斜面61b側へ移動する。そして、それに伴って下部床体60Aは昇り傾斜状態から水平状態へと移行していく。さらに収納壁22が移動すると、支持位置66が下部床体60Aの底面から外れる。すると、下部床体60A(詳細には床板61)の第2傾斜面61bは支持床体60B(詳細には床板61)の第1傾斜面61aに当接され、下部床体60Aはこの当接面を介して支持床体60Bによりその一端を支持されるようになる。この際、下部床体60Aは、他端を床面30形成状態における床板61の底面と同じ高さ位置に設定された床支持部64により支持される。したがって、下部床体60Aは、その上面位置が床面30高さとなる高さ位置で水平状態で支持されることとなる。
そして、下部床体60Aがこの水平状態となる際には、前述したように下部床体60Aの第2傾斜面61bが支持床体60Bの第1傾斜面61aに当接されるため、第2傾斜面61bに設けられた支持脚可動スイッチ65が押されることになる。支持脚可動スイッチ65が押されると、支持脚62は、ヒンジ63の回動軸を回動中心として回動を始め、その脚先を鉛直方向下側に向ける。そして、支持脚62は、その後ガレージ床面13に当接されるまで伸張し、下部床体60Aの支持部となる。
その後、下部床体60Aは、床支持部64による支持から外れて収納領域35の外部に出されるとともに、支持脚62と支持床体60Bの第1傾斜面61aにより支持されて水平状態とされることにより床面30を形成する。このようにして、収納領域35に収納された各床体60は、収納壁22が第1位置側に移動するにつれて順次収納領域35の外部に出されて、床面30を形成する。
以上のように構成されることにより、ガレージ床面13に水勾配等が形成されガレージ床面13が傾斜している場合においても、収納壁22を移動することにより駐車スペース16にフラットな床面30を形成することができる。
(4)上記実施形態では、ガレージ11内に床ブロック31により床面30を、収納壁22により壁面を形成する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、図5に示すように、複数の分割床71を備える床壁形成装置70を設け、これによりガレージ11内に床面30、壁面及び天井面を形成するようにしてもよい。以下、この実施形態について具体的に説明する。
分割床71は、ガレージ開口部17の開口幅方向に延びる長尺状の部材であり、その縦断面形状は縦長長方形状をなしている。床壁形成装置70は、これら各分割床71が伸縮可能な線材等からなる連結線72により一連に連結されることにより構成されている連結体である。床壁形成装置70は、この連結線72の伸縮性を利用することで連結体の一部をガレージ11奥行き方向に沿って水平方向に横並びとすることができるとともに上下方向に縦並びとすることができ、変形可能とされている。
このように構成された床壁形成装置70は、図5(a)に示すように、駐車スペース16に車両18が駐車されている場合には、分割床71の一部がガレージ天井面29に設けられたレール(図示略)等に吊り下げられてガレージ11奥行き方向に沿って並列に並べられることによりガレージ11の天井面を形成する(以下、ガレージの天井面を形成する分割床71の集合体を天井集合体という)。そして、その他の分割床71が天井集合体のガレージ11奥側端部からガレージ床面13に渡って上下方向に直列に並べられることによりガレージ11とダイニング15との間を仕切る仕切り壁を構成する(以下、この仕切り壁を構成する分割床71の集合体を壁集合体という)。
この床壁形成装置70は、以下のように変形することにより駐車スペース16に床面30を形成することができる。
床壁形成装置70により床面30を形成する場合には、床壁形成装置70全体としてみると、図5(b)に示すように、壁集合体の部分がガレージ開口部17側に向かって移動する。この移動は、例えば壁集合体を構成する各分割床71を連結線72とは別の線材等により連結し、この線材等を移動させることで実現される。壁集合体の部分がガレージ開口部17側に移動すると、壁集合体を構成する各分割床71は下方に移動し、壁集合体の最下部に位置する分割床71より順次壁構成体を外れガレージ床面13上に設置される。一方、天井集合体を構成する分割床71は、壁集合体側端部に位置する分割床71より順次、壁集合体に組み込まれる。このようにして、壁集合体の部分がガレージ開口部17まで移動すると、天井集合体の部分が消滅し、ガレージ床面13には分割床71が並べられて床面30が形成される(以下、床面30を形成する分割床71の集合体を床集合体という)。
したがって、本実施形態によれば、床壁形成装置70により駐車スペース16に床面30を形成することができるとともに、床壁形成装置70をガレージ11とダイニング15とを仕切る仕切り壁やガレージ11の天井材とすることにより駐車スペース16から退避することができる。これにより、上記実施形態における収納壁22のような床収納装置を不要とすることができる利点がある。
(5)上記(4)で示した分割床71は、連結線72に対してヒンジ等の回動部材を介して連結することにより回動可能としてもよい。そうすれば、仕切り壁として機能している壁集合体を構成する分割床71の一部を回動部材の軸線を回動中心として回動させ横向きにすることにより、壁集合体にスリット状の開口部を設けることができる。これにより、駐車スペース16に形成された床上空間に風や日光を採りこむことができるため、快適に過ごすことができる。また、連結線72は伸縮可能に形成されているため、各分割床71は連結線72の弾性力により規制される範囲で上下方向に移動することができる。したがって、図6に示すように、複数の分割床71を横向きにした上で下側に寄せれば壁集合体に比較的大きな開口部73を形成することが可能である。これにより、この開口部を通じて荷物を出し入れしたり、横向きにした分割床71の上面を棚として使用したりすることができる。
(6)また、上記(4)で示した各分割床71に沿ってシート材74を設けてもよい。具体的には、シート材74は、床集合体の上面、壁集合体のダイニング15側の面及び天井集合体の上面に跨るようにして設けるとよい。そうすれば、床集合体を構成する各分割床71間に隙間があったり小さな段差があったりしても連続した略フラットな床面30を形成することができるし、また、壁集合体を構成する各分割床71間に隙間があっても通気性を低減させることができる。また、シート材74は、ダイニング15側の空間を形成する床面30や壁面として使用される一方、駐車スペース16を形成する天井面や壁面として使用されることはないため、衛生的に使用することができる。
(7)上記実施形態では、床ブロック31を収納壁22に収納することにより駐車スペース16から退避する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、収納壁22を設けないで床ブロック31を積み重ねることにより駐車スペース16から退避する構成としてもよい。そうすれば、一層簡単な装置構成により車両駐車時には車両18が駐車するスペースを確保することができ、車両18が駐車されていない場合には駐車スペース16に床面30を形成することができる。しかしながら、積み上げられた床ブロック31によりガレージ11やダイニング15の外観が損なわれるおそれがあることを考慮すると、収納壁22を備える構成とした方が好ましい。
(8)上記実施形態では、ガレージ天井面29に案内レール41を設け、案内レール41に収納壁22を吊り下げて移動させる構成としたが、これを変更してもよい。例えば、収納壁22の下端にキャスタを取り付けて収納壁22をキャスタにより支持する構成とし、このキャスタをガレージ床面13に設けられた縦断面凹形状の床レールの溝内に配設するようにしてもよい。そうすれば、キャスタは床レールの溝内を床レールに沿って転がるため、上記実施形態と同様、収納壁22を所定の方向に案内することができる。本実施形態は、特に、レールを取り付けるための天井面や壁面のない屋外の駐車スペース16に床面30を形成する場合に効果がある。
(9)また、案内レール41をガレージ天井面29ではなく、ガレージ11を構成する外部壁23やリビング側内部壁21に設ける構成としてもよい。
(10)さらに、案内レール41等の案内手段を設けない構成としてもよい。そうすれば、更なる装置の簡素化を実現することができる。但し、収納壁22を所定の方向に移動させるのが困難となるおそれがあるため、その点を鑑みると案内レール41等の案内手段を設けることが望ましい。
(11)上記実施形態では、駐車スペース16に形成される床面30を駐車スペース16に隣接するリビング14やダイニング15の床面とほぼ同じ高さとしたが、当該床面30をリビング14やダイニング15の床面より高くしてもよいし低くしてもよい。但し、リビング14、ダイニング15と駐車スペース16の床面30上との間の行き来のしやすさを考慮すると、リビング14やダイニング15の床面と当該床面30とはほぼ同じ高さとするのが望ましい。
(12)上記実施形態では、建物10の一部に設けられたガレージ11の駐車スペース16に床面30を形成したが、建物10に隣接された屋外に駐車スペース16を設定している場合にはその屋外駐車スペースに床面30を形成してもよい。そうすれば、駐車スペース16に開放感あふれる床上空間を形成することができる。また、床面30を駐車スペース16以外のスペースに形成するようにしてもよい。例えば、屋外であれば庭等に床面30を形成してもよいし、屋内であれば倉庫や納戸等に床面30を形成してもよい。なお、屋内の場合には土間スペースに床面30を形成することが好ましい。
ガレージ付き建物の間取り図。 (a)は床形成装置による床面形成状態を示すガレージ周辺の縦断面図、(b)は床形成装置の退避状態を示すガレージ周辺の縦断面図。 収納壁下部の構成を示す要部縦断面図。 床面形成の別例を示す縦断面図。 床面形成の別例を示す縦断面図。 図5の壁の一部が開口された状態を示す要部縦断面図。
符号の説明
10…建物、11…ガレージ、13…車両設置面としてのガレージ床面、16…駐車スペース、20…床形成装置、22…収納部としての収納壁、30…床面、31…床体としての床ブロック、35…収納空間としての収納領域、41…案内レール、44…開口部としての収納口、60…床体、61…床板、62…支持脚、70…床壁形成装置、71…分割床。

Claims (8)

  1. 所定のスペースが屋外に隣接して設定され、又は所定のスペースを屋内に有する建物において、
    前記スペースに設けられたスペース床面よりも上方に床面を形成する床形成装置が備えられており、
    前記床形成装置は、複数の床体を備えているとともに、前記各床体が前記スペース床面上に並べられることにより前記床面を形成する第1状態と、前記各床体が上下方向に並べられることにより前記スペースから退避される第2状態とに切り替え可能に構成されていることを特徴とする建物。
  2. 前記床形成装置には、前記各床体を前記スペースから退避された状態に維持する退避維持手段が備えられている請求項1に記載の建物。
  3. 前記退避維持手段は、前記スペースから退避された前記各床体を収納する収納部である請求項2に記載の建物。
  4. 前記収納部には、前記スペースから退避された前記各床体を収納する収納空間が上下方向に形成されているとともに、前記収納部の下部には、前記収納空間の内外を連通する開口部が形成されており、
    前記開口部は、前記床体が挿通可能な大きさに開口されている請求項3に記載の建物。
  5. 前記収納部は、水平移動可能とされており、
    前記開口部は、前記収納部の下端部に形成されているとともに前記移動方向のうちいずれか一方を向いて開口されており、
    前記収納部が前記移動方向に沿って前記開口部の形成されている側から形成されていない側に向かって前記水平移動をすることにより、前記収納空間に収納された前記各床体が前記開口部を介して前記収納空間の外部へ出される請求項4に記載の建物。
  6. 前記床形成装置は、前記収納部が前記開口部の形成されていない側から形成されている側に向かって前記水平移動をすることにより、前記スペース床面上に並べられた前記床体を前記開口部を介して前記収納空間に収納する請求項5に記載の建物。
  7. 前記スペースは、建物の屋内に形成される屋内空間であり、
    前記屋内空間を形成する壁、天井又は床には、前記収納部を前記移動方向に沿って案内する案内レールが設けられている請求項5又は6に記載の建物。
  8. 前記スペースは車両を駐車する駐車スペースであるとともに前記スペース床面は車両設置面であり、
    前記駐車スペースに隣接して前記車両設置面よりも高い位置を床面とした屋内居住スペースが形成されており、
    前記駐車スペースと前記屋内居住スペースとが前記収納部によって間仕切りされており、
    前記各床体によって形成される床面は前記屋内居住スペースの床面に連続した床面を形成するものである請求項3乃至7のいずれか1項に記載の建物。
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