JP2009191272A - 含フッ素重合体を含んでなる表面処理剤 - Google Patents

含フッ素重合体を含んでなる表面処理剤 Download PDF

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Abstract

【課題】側鎖が短いフルオロアルキル基が4以下であっても、優れた撥水性、撥油性、防汚性を有する含フッ素アクリレート系ポリマーを提供する。
【解決手段】(A)式:
Figure 2009191272

Yは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜10の芳香族基または環状脂肪族基、−CH2CH2N(R1)SO2−基(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)または−CH2CH(OY1)CH2−基(但し、Y1は水素原子またはアセチル基である。)で示される含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位、(B)フッ素原子を含まない単量体から誘導された構成単位、および(C)必要により存在する、架橋性単量体から誘導された構成単位を有して成る含フッ素重合体を含んでなる表面処理剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維製品や石材、静電フィルター、防塵マスク、燃料電池の部品に、優れた撥水性、撥油性、防汚性を付与するポリマー及びその処理に関する。
従来、撥水撥油剤の有効成分として含フッ素アクリレート系ポリマーが使用されている。実用的に使用されている含フッ素アクリレート系モノマーの側鎖のフルオロアルキル基の炭素数は通常8以上であり、フルオロアルキル鎖の長さが長いので、含フッ素アクリレート系モノマーが過度に疎水性であるという欠点がある。過度の疎水性のために、含フッ素アクリレート系ポリマーの製造および性能において種々の問題が発生していた。
含フッ素アクリレート系ポリマーの製造のために乳化重合を用いる場合、乳化剤の量を多量にする必要があることや乳化剤の種類が限られるといった問題や、他の非フッ素モノマーとの相溶性が劣るため補助溶剤を使用しなければならないという問題があった。また、含フッ素アクリレート系ポリマーの製造のために溶液重合を用いる場合、含フッ素アクリレート系モノマーの重合溶媒に対する溶解性が低く、充分なモノマー溶液が得られないという問題があった。
また、含フッ素アクリレート系ポリマーの性能については、基材に充分な撥水性を与えることができないという問題がある。この問題は、長いフルオロアルキル鎖が与える過度の疎水性に原因すると考えられる。
これまでの種々の研究結果は、表面処理剤(特に、撥水撥油剤)の繊維への実用処理では、その表面特性として、静的な接触角ではなく、動的接触角、特に後退接触角が重要であることを示している。すなわち、水の前進接触角はフルオロアルキル基の側鎖炭素数に依存しないが、水の後退接触角は、側鎖の炭素数8以上に比較して7以下では著しく小さくなることを示している。これと対応してX線解析は、側鎖の炭素数が7以上では側鎖の結晶化が起こることを示している。実用的な撥水性が側鎖の結晶性と相関関係を有していること、および表面処理剤分子の運動性が実用性能発現の重要な要因であることが知られている(例えば、前川隆茂、ファインケミカル、Vol23,No.6,P12(1994))。したがって、側鎖の炭素数が7以下(特に、6以下)と短いフルオロアルキル基をもつアクリレート系ポリマーでは側鎖の結晶性が低いため実用性能(特に撥水性)を満足しないと考えられていた。
特開昭63-90588、特開昭63-99285および特開平1-315471は、α位がフッ素、塩素等で置換されている含フッ素アクリレート系ポリマーは基材等への接着性が良好で膜強度も強靭でかつ撥水撥油性が良好であるなど優れた特性をもつということを開示している。これら公報においても、実施例において使用されているフルオロアルキル基の炭素数は8以上であり、6以下の炭素数のフルオロアルキル基を有するアクリレート系モノマーを用いるということは考えられていない。
最近の研究結果(EPAレポート"PRELIMINARY RISK ASSESSMENT OF THE DEVELOPMENTAL TOXICITY ASSOCIATED WITH EXPOSURE TO PERFLUOROOCTANOIC ACID AND ITS SALTS" (http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoara.pdf))などから、PFOA(perfluorooctanoic acid)に対する環境への負荷の懸念が明らかとなってきており、2003年4月14日EPA(米国環境保護庁)がPFOAに対する科学的調査を強化すると発表した。
一方、Federal Register(FR Vol.68,No.73/April 16,2003[FRL-2303-8])
(http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoafr.pdf)や
EPA Environmental News FOR RELEASE: MONDAY APRIL 14, 2003
EPA INTENSIFIES SCIENTIFIC INVESTIGATION OF A CHEMICAL PROCESSING AID(http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoaprs.pdf)や
EPA OPPT FACT SHEET April 14, 2003(http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoafacts.pdf)は、「テロマー」が分解または代謝によりPFOAを生成する可能性があると公表している。また、「テロマー」が、泡消火剤;ケア製品と洗浄製品;カーペット、テキスタイル、紙、皮革に設けられている撥水撥油被覆および防汚加工被覆を含めた多くの製品に使用されていることをも公表している。
特開昭63-90588 特開昭63-99285 特開平1-315471
本発明の目的は、側鎖が短いフルオロアルキル基の炭素数6以下であっても、優れた撥水性、撥油性、防汚性、染み付着防止性を有する含フッ素アクリレート系ポリマーを提供することにある。
また、本発明の目的は、上記「テロマー」とは異なる化学骨格構造をもつ代替化合物を提供する。
本発明は、
(A)式:
Figure 2009191272
[式中、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX12基(但し、X1およびX2は、水素原子、フッ素原子または塩素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のフェニル基、
Yは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜10の芳香族基または環状脂肪族基、−CH2CH2N(R1)SO2−基(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)または−CH2CH(OY1)CH2−基(但し、Y1は水素原子またはアセチル基である。)、
Rfは炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基である。]
で示される含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位、
(B)フッ素原子を含まない単量体から誘導された構成単位、および
(C)必要により存在する、架橋性単量体から誘導された構成単位
を有して成る含フッ素重合体を含んでなる表面処理剤を提供する。
本発明の表面処理剤を構成する含フッ素重合体は、(a)α位がX基で置換されている式(I)の含フッ素単量体、(b)フッ素原子を含まない単量体、および場合により存在する(c)架橋性単量体を含んでなる共重合体である。
構成単位(A)は、式(I)の含フッ素単量体(a)によって誘導される。式(I)において、Rf基が、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。Rf基の炭素数は、1〜6、例えば1〜4である。
Yは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜10の芳香族基または環状脂肪族基、−CH2CH2N(R1)SO2−基(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)または−CH2CH(OY1)CH2−基(但し、Y1は水素原子またはアセチル基である。)である。脂肪族基はアルキレン基(特に炭素数1〜4、例えば、1または2)であることが好ましい。芳香族基および環状脂肪族基は、置換されていてもあるいは置換されていなくてもどちらでもよい。
含フッ素単量体(a)の例は、次のとおりである。
Figure 2009191272
Figure 2009191272
Figure 2009191272
Figure 2009191272

[式中、Rfは炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基である。]
構成単位(B)は、フッ素原子を含まない単量体(b)によって誘導される。単量体(b)は、フッ素を含有せず、炭素-炭素二重結合を有する単量体であることが好ましい。単量体(b)は、フッ素を含有しないビニル性単量体であることが好ましい。フッ素原子を含まない単量体(b)は、一般に、1つの炭素-炭素二重結合を有する化合物である。フッ素原子を含まない単量体(b)として好ましい単量体としては、例えば、エチレン、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレン、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルアルキルエーテル、イソプレンなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。
フッ素原子を含まない単量体(b)は、アルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルであってよい。アルキル基の炭素数は、1〜30、例えば、6〜30、例示すれば、10〜30であってよい。例えば、フッ素原子を含まない単量体(b)は一般式:
CH=CACOOA
[式中、Aは水素原子またはメチル基、AはC2n+1(n=1〜30)で示されるアルキル基である。]
で示されるアクリレート類であってよい。
構成単位(C)は、架橋性単量体(c)によって誘導される。架橋性単量体(c)は、少なくとも2つの反応性基および/または炭素−炭素二重結合を有し、フッ素を含有しない化合物であってよい。架橋性単量体(c)は、少なくとも2つの炭素−炭素二重結合を有する化合物、あるいは少なくとも1つの炭素−炭素二重結合および少なくとも1つの反応性基を有する化合物であってよい。反応性基の例は、ヒドロキシル基、エポキシ基、クロロメチル基、ブロックドイソシアネート、アミノ基、カルボキシル基、などである。
架橋性単量体(c)としては、例えば、ジアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブタジエン、クロロプレン、グリシジル(メタ)アクリレートなどが例示されるが、これらに限定されるものでない。
単量体(b)および/または単量体(c)を共重合させることにより、撥水撥油性や防汚性およびこれらの性能の耐クリーニング性、耐洗濯性、溶剤への溶解性、硬さ、感触などの種々の性質を必要に応じて改善することができる。
含フッ素重合体において、含フッ素単量体(a)100重量部に対して、フッ素原子を含まない単量体(b)の量が0.1〜100重量部、例えば0.1〜50重量部であり、架橋性単量体(c)の量が50重量部以下、例えば20重量部以下、特に0.1〜15重量部であってよい。
含フッ素重合体は以下のようにして製造することができる。
溶液重合では、重合開始剤の存在下で、単量体を有機溶剤に溶解させ、窒素置換後、30〜120℃の範囲で1〜10時間、加熱撹拌する方法が採用される。重合開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどが挙げられる。重合開始剤は単量体100重量部に対して、0.01〜20重量部、例えば0.01〜10重量部の範囲で用いられる。
有機溶剤としては、単量体に不活性でこれらを溶解するものであり、例えば、アセトン、クロロホルム、HCHC225、イソプロピルアルコール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、テトラクロロジフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタンなどが挙げられる。有機溶剤は単量体の合計100重量部に対して、50〜2000重量部、例えば、50〜1000重量部の範囲で用いられる。
乳化重合では、重合開始剤および乳化剤の存在下で、単量体を水中に乳化させ、窒素置換後、50〜80℃の範囲で1〜10時間、撹拌して共重合させる方法が採用される。重合開始剤は、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルパーベンゾエート、1−ヒドロキシシクロヘキシルヒドロ過酸化物、3−カルボキシプロピオニル過酸化物、過酸化アセチル、アゾビスイソブチルアミジン−二塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性のものやアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどの油溶性のものが用いられる。重合開始剤は単量体100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲で用いられる。
放置安定性の優れた共重合体水分散液を得るためには、高圧ホモジナイザーや超音波ホモジナイザーのような強力な破砕エネルギーを付与できる乳化装置を用いて、単量体を水中に微粒子化し、油溶性重合開始剤を用いて重合することが望ましい。また、乳化剤としてはアニオン性、カチオン性あるいはノニオン性の各種乳化剤を用いることができ、単量体100重量部に対して、0.5〜20重量部の範囲で用いられる。アニオン性および/またはノニオン性および/またはカチオン性の乳化剤を使用することが好ましい。単量体が完全に相溶しない場合は、これら単量体に充分に相溶させるような相溶化剤、例えば、水溶性有機溶剤や低分子量の単量体を添加することが好ましい。相溶化剤の添加により、乳化性および共重合性を向上させることが可能である。
水溶性有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エタノールなどが挙げられ、水100重量部に対して、1〜50重量部、例えば10〜40重量部の範囲で用いてよい。また、低分子量の単量体としては、メチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートなどが挙げられ、単量体の総量100重量部に対して、1〜50重量部、例えば10〜40重量部の範囲で用いてよい。
本発明の表面処理剤は、溶液、エマルションまたはエアゾールの形態であることが好ましい。表面処理剤は、含フッ素重合体および媒体(例えば、有機溶媒および水などの液状媒体)を含んでなる。表面処理剤において、含フッ素共重合体の濃度は、例えば、0.01〜50重量%であってよい。
本発明の表面処理剤は、従来既知の方法により被処理物に適用することができる。通常、該表面処理剤を有機溶剤または水に分散して希釈して、浸漬塗布、スプレー塗布、泡塗布などのような既知の方法により、被処理物の表面に付着させ、乾燥する方法が採られる。また、必要ならば、適当な架橋剤と共に適用し、キュアリングを行ってもよい。さらに、本発明の表面処理剤に他の表面処理剤(例えば、撥水剤や撥油剤)あるいは、防虫剤、柔軟剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、塗料定着剤、防シワ剤などを添加して併用することも可能である。浸漬塗布の場合、浸漬液における含フッ素重合体の濃度は0.05〜10重量%であってよい。スプレー塗布の場合、処理液における含フッ素重合体の濃度は0.1〜5重量%であってよい。ステインブロッカーを併用してもよい。ステインブロッカーを使用する場合には、アニオン性またはノニオン性乳化剤を使用することが好ましい。
本発明の表面処理剤(例えば、撥水撥油剤)で処理される被処理物としては、繊維製品、石材、フィルター(例えば、静電フィルター)、防塵マスク、燃料電池の部品(例えば、ガス拡散電極およびガス拡散支持体)、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、金属および酸化物、窯業製品、プラスチック、塗面、およびプラスターなどを挙げることができる。繊維製品は、特にカーペットであってよい。繊維製品としては種々の例を挙げることができる。例えば、綿、麻、羊毛、絹などの動植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの合成繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維などの無機繊維、あるいはこれらの混合繊維が挙げられる。本発明の加工剤は、洗剤溶液、ブラッシング(機械的)に対する抵抗性に優れるので、ナイロン、ポリプロピレンのカーペットに対して好適に使用できる。
繊維製品は、繊維、布等の形態のいずれであってもよい。本発明の表面処理剤でカーペットを処理する場合に、繊維または糸を表面処理剤で処理した後にカーペットを形成してもよいし、あるいは形成されたカーペットを表面処理剤で処理してもよい。
本発明の実施例について具体的に説明するが、実施例が本発明を限定するものではない。
シャワー撥水試験
シャワー撥水性は、JIS-L-1092のスプレー法による撥水性No。(下記表1参照)をもって表す。
Figure 2009191272
撥水性試験
処理済試験布を温度21℃、湿度65%の恒温恒湿機に4時間以上保管する。試験液(イソプロピルアルコール(IPA)、水、及びその混合液、表2に示す)も温度21℃で保存したものを使用する。試験は温度21℃、湿度65%の恒温恒湿室で行う。試験液を試験布上に 0.05ml静かに滴下し、30秒間放置後、液滴が試験布上に残っていれば、その試験液をパスしたものとする。撥水性は、パスした試験液のイソプロピルアルコール(IPA)含量(体積%)の最大なものをその点数とし、撥水性不良なものから良好なレベルまでFail、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10の12段階で評価する。
Figure 2009191272
撥油性試験
処理済試験布を温度21℃、湿度65%の恒温恒湿機に4時間以上保管する。試験液(表3に示す)も温度21℃で保存したものを使用する。試験は温度21℃、湿度65%の恒温恒湿室で行う。試験布上に 0.05ml静かに滴下し、30秒間放置後、液滴が試験布上に残っていれば、その試験液をパスしたものとする。撥油性は、パスした試験液の最高点数とし、撥油性不良なものから良好なレベルまでFail、1、2、3、4、5、6、7、及び8の9段階で評価する
Figure 2009191272
貯蔵安定性試験
製造例及び比較製造例で得られたポリマーについて試験溶液(酢酸エチル中に3mass%)を作成し室温(25℃)で24時間放置し、沈降の発生を観察する
〇:全く沈降なし
△:わずかに沈降あり
×:多く沈降あり
以下のように、モノマーを合成した。
製造例1
9F-Alc/αFモノマーの合成
200ml4つ口フラスコに2-フルオロアクリル酸 19g(0.21mol)とトリエチルアミン 22.94g(0.23mol)を仕込み、攪拌下30分間窒素パージを行った。その後内温が5℃になるまで氷冷後、窒素気流下で内温の上限が15℃となるように、4.5時間掛けて2-(パーフルオロブチル)エタノール(9F-Alc) 54.52g(0.21mol)を滴下した。滴下終了後、発熱反応が収まるまで30分間内温が5℃となるように氷冷しつづけた。その後室温まで昇温して内温が上昇しないことを確認し、1時間反応を熟成させた。反応液をろ過して一晩放置後、10%NaHCO水溶液で中和後3回水洗し、茶褐色の液体54.00g(収率 77.82%)を得た。生成物の同定は、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
製造例2
9F-Alc/αClモノマーの合成
200ml4つ口フラスコに、2-クロロアクリル酸20g(0.19mol)、2-(パーフルオロブチル)エタノール(9F-Alc) 59.49g(0.23mol)、p-トルエンスルホン酸1.06g(0.0056mol)、t-ブチルカテコール0.16g(0.001mol)、シクロヘキサン90g(1.07mol)を入れて、反応器内温を80℃となるように加熱し、Dean-Stark法を用いて脱水縮合反応を行った。16時間反応させた。反応終了後、反応溶液中の少量の茶色沈殿物を濾過し、水洗を3回行ったのち溶媒と過剰の9F-Alcをエバポレーターで除去し、茶褐色の液体46.86g(収率 70.79%)を得た。生成物の同定は、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
以下のように、ポリマーを合成した。
製造例3
9F-Alc/αF ホモポリマー
200ml 4つ口フラスコに製造例1で合成したモノマー(9F-Alc/αFモノマー )15g (0.047mol)とテトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)121.45gを仕込んで30分間溶液中の窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 7.86gに溶かしたパーブチルPV 1.61g(0.0092mol)を添加し、6時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、モノマーピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えて析出した黄色の沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥してクリーム色のフレーク状の固体 10.59g (ポリマー収率70.60%)を得た。ポリマーの同定は元素分析(表4)、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
製造例4
9F-Alc/αCl ホモポリマー
100ml 4つ口フラスコに製造例2で合成したモノマー9F-Alc/αClモノマー 10g (0.028mol)とテトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)80.95gを仕込んで30分間溶液中の窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 5.24gに溶かしたパーブチルPV 1.08g (0.062mol)を添加し、6時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、モノマーピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えて析出した白色の沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥して白色粉体の化合物8.17g(ポリマー収率81.77%)を得た。ポリマーの同定は元素分析(表4)、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
製造例5
9F-Alc/αF StA 共重合体
100ml 4つ口フラスコに製造例1で合成したモノマー(9F-Alc/αFモノマー )7.00g(0.021mol)、ステアリルアクリレート 3.00g(0.0093mol)、テトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)56.47gを仕込み、30分間溶液中の窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 3.67gに溶かしたパーブチルPV 0.75g(0.0043mol)を添加し、6時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、9F-Alc/αFモノマーとテアリルアクリレートモノマー のピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後重合上がり溶液にメタノールを加えて析出したクリーム色の沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥してクリーム色でゴム状の化合物7.12g(ポリマー収率71.2%)を得た。ポリマーの同定は元素分析(表4)、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。ポリマーにおけるモノマー組成は、仕込み組成とほぼ同様であった。
製造例6
9F-Alc/αCl StA 共重合体
100ml 4つ口フラスコに製造例2で合成したモノマー(9F-Alc/αClモノマー)7.00g(0.020mol)、ステアリルアクリレート 3.00g(0.0093mol)、テトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)56.47g(0.19mol)を仕込み、30分間溶液中に窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 3.67gに溶かしたパーブチルPV 0.75g(0.0043mol)を添加し、6時間反応させた後。トリクロロエタン 3.67gに溶かしたパーブチルPV 0.75g(0.0043mol)を追加し6時間反応させた。
反応の工程管理はガスクロで行い、9F-Alc/αClモノマーとテアリルアクリレート のピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後重合上がり溶液にメタノールを加えて析出した白色沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥して白色粉末状の化合物7.86g(ポリマー収率78.6%)を得た。ポリマーの同定は元素分析(表4)、1H-nmr、19F-nmr13C-nmrで行った。ポリマーにおけるモノマー組成は、仕込み組成とほぼ同様であった。
比較製造例1
9F-Alc/AA ホモポリマー
200ml 4つ口フラスコに2-(パーフルオロブチル)エチル アクリレート(9F-Alc/AA)(ダイキン化成品販売(株)製R-1420)15g (0.047mol)とテトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)121.45gを仕込んで30分間溶液中に窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 7.86gに溶かしたパーブチルPV 1.61g(0.0092mol)を添加し、5時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、モノマーピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えると、白色水あめ状沈殿物が析出した。デカンテーションにより上澄み液を取り除き、沈殿物をエバポレーターにかけて溶媒を除去すると、非常に粘度の高い透明な液状化合物9.36g (ポリマー収率62.40%)が得られた。ポリマーの同定は元素分析(表4)、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
比較製造例2
17F-Alc/AA ホモポリマー
200ml 4つ口フラスコに2-(パーフルオロオクチル)エチル アクリレート(17F-Alc/AA)(ダイキン化成品販売(株)製R-1820)15g (0.03mol)とテトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)121.45g (0.40mol)を仕込んで30分間溶液中に窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 7.86gに溶かしたパーブチルPV 1.61g(0.0092mol)を添加し、5時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、モノマーピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えて析出した白色沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥して白色粉末状化合物 12.55g (ポリマー収率83.33%)を得た。ポリマーの同定は元素分析(表4)、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
比較製造例3
9F-Alc/AA StA 共重合体
100ml 4つ口フラスコに2-(パーフルオロブチル)エチル アクリレート(9F-Alc/AA)(ダイキン化成品販売(株)製R-1420)7.00g(0.022mol)、ステアリルアクリレート 3.00g(0.0093mol)、テトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)56.47g(0.19mol)を仕込み、30分間溶液中に窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 3.67gに溶かしたパーブチルPV 0.75g(0.0043mol)を添加し、6時間反応後、トリクロロエタン 3.67gに溶かしたパーブチルPV 0.75g(0.0043mol)を追加して、さらに6時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、9F-Alc/AAモノマーとステアリルアクリレートモノマーのピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えると、白色沈殿物が析出した。デカンテーションにより上澄み液を取り除き、沈殿物をエバポレーターにかけて溶媒を除去すると、非常に粘度の高い白濁した液状化合物7.06g (ポリマー収率70.60%)が得られた。ポリマーの同定は元素分析(表4)、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。ポリマーにおけるモノマー組成は、仕込み組成とほぼ同様であった。
比較製造例4
17F-Alc/AA StA 共重合体
200ml 4つ口フラスコに2-(パーフルオロオクチル)エチル アクリレート(17F-Alc/AA)(ダイキン化成品販売(株)製R-1820)21.00g(0.041mol)、ステアリルアクリレート 9.00g(0.028mol)、テトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)170.00g(0.56mol)を仕込み、30分間溶液中に窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 11.00gに溶かしたパーブチルPV 02.25g(0.013mol)を添加し、5時間反応させた。続けて更にトリクロロエタン 3.67g(0.027mol)に溶かしたパーブチルPV 0.75g(0.0043mol)を再添加して、5時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、17F-Alc/AAモノマーとステアリルアクリレート のピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後重合上がり溶液にメタノールを加えて析出した白色沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥して白色粉末状の化合物27.07g(ポリマー収率90.23%)を得た。ポリマーの同定は元素分析(表4)、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。ポリマーにおけるモノマー組成は、仕込み組成とほぼ同様であった。
比較製造例5
17F-Alc/αClモノマーの合成
遮光した500mlの4つ口フラスコに2-(パーフルオロオクチル)エチル アクリレート(17F-Alc/AA)(ダイキン化成品販売(株)製R-1820) (251g,484mmol)、トリエチルアミン(1.47g、14.5mmol)、t-ブチルカテコール(0.1g)を加え、塩素を室温〜50℃で17時間かけて吹き込み、ジクロロ体(285g)を得た。
G.C.分析より、転化率100%、ジクロロ体選択率97%(G.C.Area)であった。目的化合物の構造は1H-nmrでおこなった。
つぎに2Lの3角フラスコにクロロホルム640g、t-ブチルカテコール(0.1g)を加え、氷冷しながらトリエチルアミン(58.7g、581mmol)を加えた。発熱が収まったら氷冷下でジクロロ体(285g,484mmol、G.C.純度97%)をゆっくり添加した。全量を加えた後、室温で30分程度反応させて、ジクロロ体の消失をG.C.により確認した。
つぎに、水洗してトリエチルアミン塩酸塩を取り除き、エバポレートしてクロロホルムを除去し褐色の固体224g(収率84%)を得た。生成物の同定は、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
比較製造例6
17F-Alc/αCl ホモポリマー
100ml 4つ口フラスコに比較製造例5で合成したモノマー17F-Alc/αClモノマー 15g (0.027mol)とテトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)121.4gを仕込んで30分間溶液中の窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 5.gに溶かしたパーブチルPV1.61 g (0.0067mol)を添加し、4時間反応させた後さらにトリクロロエタン2gに溶かしたパーブチルPV 0.32g (0.0013mol)を添加し1時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、モノマーピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えて析出した白色の沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥して白色粉体の化合物12.4g(ポリマー収率83%)を得た。ポリマーの同定は1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
比較製造例7
17F-Alc/αCl StA 共重合体
100ml 4つ口フラスコに比較製造例5で合成したモノマー(17F-Alc/αClモノマー)14.00g(0.025mol)、ステアリルアクリレート 6.00g(0.019mol)、テトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)113.3g (0.373mol)を仕込み、30分間溶液中に窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 5gに溶かしたパーブチルPV 1.5g(0.0062mol)を添加し4時間反応させた後、トリクロロエタン 3gに溶かしたパーブチルPV0.3g(0.0012mol)を追加し6時間反応させた。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えて析出した白色の沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥して白色粉体の化合物17.2g(ポリマー収率86%)を得た。ポリマーの同定は1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。ポリマーにおけるモノマー組成は、仕込み組成とほぼ同様であった。
実施例1
製造例3で得られたポリマー 6gをHCFC225 600gに溶解した。この試験溶液 150gにナイロン試験布(510mm×205mm)×3枚を浸漬(約5分間)後、遠心脱水機で脱溶媒(500rpm、20秒間)を行った。同じ操作をPET試験布(510mm×205mm)×3枚、PET/綿混紡試験布((510mm×205mm)×3枚、綿試験布(510mm×205mm)×3枚についておこなった。その後夫々の試験布を28℃で一晩乾燥した。
次に、ナイロン試験布、PET試験布、PET/綿混紡試験布、綿試験布を夫々1枚づつ、ピンテンターで80℃処理(3分間)を行い、その後夫々の試験布を半分に切断し(255mm×205mm)、一方をシャワー撥水試験に使用し、残りを撥水試験、撥油試験試験に使用した。
次に、ナイロン試験布、PET試験布、PET/綿混紡試験布、綿試験布を夫々1枚づつ、ピンテンターで150℃処理(3分間)を行い、その後夫々の試験布を半分に切断し(255mm×205mm)、一方をシャワー撥水試験に使用し、残りを撥水試験、撥油試験試験に使用した。
残りのナイロン試験布、PET試験布、PET/綿混紡試験布、綿試験布については熱処理を行わず、夫々の試験布を半分に切断し(255mm×205mm)、一方をシャワー撥水試験に使用し、残りを撥水試験、撥油試験試験に使用した。試験結果を表5に示す。
3重量%濃度の酢酸エチル中のポリマー溶液の25℃および24時間における貯蔵安定性も測定した。結果を表6に示す。
実施例2
製造例4で得られたポリマーを実施例1と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。試験結果を表5に示す。
貯蔵安定性も測定した。結果を表6に示す。
実施例3
製造例5で得られたポリマーを実施例1と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。試験結果を表5に示す。
貯蔵安定性も測定した。結果を表6に示す。
実施例4
製造例6で得られたポリマーを実施例1と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。試験結果を表5に示す。
貯蔵安定性も測定した。結果を表6に示す。
実施例5
製造例1で合成した9F-Alc/αFモノマーをイソプロピルアルコール、トルエン、n-ヘプタン、ミネラルスピリット、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレートのそれぞれに3mass%の濃度で溶解させ、室温(25℃)で24時間放置した。沈降の発生を観察した。評価の基準は貯蔵安定性試験と同様であった。結果を表7に示す。
製造例2で合成した9F-Alc/αClモノマー、比較製造例1でした使用した2-(パーフルオロブチル)エチル アクリレート(9F-Alc/AA)(ダイキン化成品販売(株)製R-1420)、パーフルオロアクリレートモノマー[CF3CF2(CF2CF2)CH2CH2OC(=O)CH=CH2(n=3、4、5,6、7=50mass%、25mass%、12mass%、6mass%、3mass%の混合物)](17F-Alc/AA)についても同様に溶解性試験をおこなった。結果を表7に示す。
比較例1
比較製造例1で得られたポリマーを実施例1と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。試験結果を表5に示す。
試験溶液の貯蔵安定性も測定した。結果を表6に示す。
比較例2
比較製造例2で得られたポリマーについて試験溶液の貯蔵安定性を測定した。結果を表6に示す。
比較例3
比較製造例3で得られたポリマーを実施例1と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。試験結果を表5に示す。
試験溶液の貯蔵安定性も測定した。結果を表6に示す。
比較例4
比較製造例4で得られたで得られたポリマーについて試験溶液の貯蔵安定性を測定した。結果を表6に示す。
比較例5
比較製造例6で得られたポリマー 6gをHCFC225 600gに溶解した。この試験溶液 150gに綿試験布(510mm×205mm)×3枚を浸漬(約5分間)後、遠心脱水機で脱溶媒(500rpm、20秒間)を行った。その後試験布を28℃で一晩乾燥した。
次に、試験布を1枚づつ、ピンテンターで150℃処理(3分間)を行い、その後試験布を半分に切断し(255mm×205mm)、一方をシャワー撥水試験に使用し、残りを撥水試験、撥油試験に使用した。
試験結果を表8に示す。
比較例6
比較製造例7で得られたポリマーを比較例5と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。試験結果を表8に示す
Figure 2009191272
Figure 2009191272
Figure 2009191272
Figure 2009191272
Figure 2009191272

Claims (16)

  1. (A)式:
    Figure 2009191272
    [式中、Xは、塩素原子、
    Yは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜10の芳香族基または環状脂肪族基、−CH2CH2N(R1)SO2−基(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)または−CH2CH(OY1)CH2−基(但し、Y1は水素原子またはアセチル基である。)、
    Rfは炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基である。]
    で示される含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位、
    (B)フッ素原子を含まない単量体であって、炭素-炭素二重結合を有する単量体から誘導された構成単位、および
    (C)必要により存在する、架橋性単量体から誘導された構成単位
    を有して成る含フッ素重合体を含んでなる表面処理剤。
  2. 構成単位(A)において、Rf基の炭素数が1〜4である請求項1に記載の表面処理剤。
  3. 構成単位(B)を形成するフッ素原子を含まない単量体が、エチレン、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレン、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルアルキルエーテル、イソプレン、および炭素数1〜30のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択された請求項1または2記載の表面処理剤。
  4. 構成単位(B)を形成するフッ素原子を含まない単量体が、一般式:
    CH=CACOOA
    [式中、Aは水素原子またはメチル基、Aは炭素数1〜30の炭化水素基である。]
    で表わされるアクリレートである請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理剤。
  5. 構成単位(C)を形成する架橋性単量体が、少なくとも2つの反応性基および/または炭素-炭素二重結合を有し、フッ素を含有しない単量体である請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理剤。
  6. 含フッ素重合体において、含フッ素単量体100重量部に対して、フッ素原子を含まない単量体の量が0.1〜50重量部であり、架橋性単量体の量が20重量部以下である請求項1〜5のいずれかに記載の表面処理剤。
  7. 溶液、エマルションまたはエアゾールの形態である請求項1〜6のいずれかに記載の表面処理剤。
  8. (A)式:
    Figure 2009191272
    [式中、Xは、塩素原子、
    Yは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜10の芳香族基または環状脂肪族基、−CH2CH2N(R1)SO2−基(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)または−CH2CH(OY1)CH2−基(但し、Y1は水素原子またはアセチル基である。)、
    Rfは炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基である。]
    で示される含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位、
    (B)フッ素原子を含まない単量体であって、炭素-炭素二重結合を有する単量体から誘導された構成単位、および
    (C)必要により存在する、架橋性単量体から誘導された構成単位
    を有して成る含フッ素重合体。
  9. 構成単位(A)において、Rf基の炭素数が1〜4である請求項8に記載の含フッ素重合体。
  10. 構成単位(B)を形成するフッ素原子を含まない単量体が、エチレン、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレン、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルアルキルエーテル、イソプレン、および炭素数1〜30のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択された請求項8または9に記載の含フッ素重合体。
  11. 構成単位(B)を形成するフッ素原子を含まない単量体が、一般式:
    CH=CACOOA
    [式中、Aは水素原子またはメチル基、Aは炭素数1〜30の炭化水素基である。]
    で表わされるアクリレートである請求項8〜10のいずれかに記載の含フッ素重合体。
  12. 含フッ素単量体100重量部に対して、フッ素原子を含まない単量体の量が0.1〜50重量部であり、架橋性単量体の量が20重量部以下である請求項8〜11のいずれかに記載の含フッ素重合体。
  13. 請求項1〜7のいずれかに記載の表面処理剤で被処理物を処理する方法。
  14. 被処理物が、繊維製品、石材、フィルター、防塵マスク、燃料電池、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、金属および酸化物、窯業製品、プラスチック、塗面またはプラスターである請求項13に記載の方法。
  15. 請求項1〜7のいずれかに記載の表面処理剤で処理された繊維製品。
  16. 請求項1〜7のいずれかに記載の表面処理剤で処理されたカーペット。
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