JP2009190074A - ダイカスト鋳造装置用射出チップ、ダイカスト鋳造装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】射出スリーブと射出チップとの間への溶湯差し込みを防止できるダイカスト鋳造装置用射出チップ、ダイカスト鋳造装置および方法を提供する。
【解決手段】ダイカスト鋳造装置1は、キャビティ内で金属を成形する金型と、キャビティに連通され、金属の溶湯を導入する射出スリーブ10と、射出スリーブ10内で推進して、溶湯をキャビティ内へ射出する円柱状の射出チップ20と、を備え、射出チップ20の先端加圧面21の外周部近傍に、リング状凹部21Aを形成している。
【選択図】図1
【解決手段】ダイカスト鋳造装置1は、キャビティ内で金属を成形する金型と、キャビティに連通され、金属の溶湯を導入する射出スリーブ10と、射出スリーブ10内で推進して、溶湯をキャビティ内へ射出する円柱状の射出チップ20と、を備え、射出チップ20の先端加圧面21の外周部近傍に、リング状凹部21Aを形成している。
【選択図】図1
Description
本発明は、射出スリーブ内の溶湯を射出チップの推進により金型のキャビティ内へ射出して成形するダイカスト鋳造装置および方法に係り、詳しくは射出チップ形状を改良したダイカスト鋳造装置および方法に関する。
自動車部品の多くはアルミニウム鋳造品で構成され、その軽量化や低燃費性、低コスト化が図られている。近年、軽量化等のニーズはさらに高くなり、エンジンや足回り部品に留まらず、複雑な形状の部品や、複数の部品を一体化させた大型車体鋳物にも適用されている。
これらのアルミニウム鋳造部品の製造には、ダイカストマシンが用いられている。このダイカストマシンを用いたアルミニウム鋳造部品の成形は、射出スリーブ内にアルミニウム溶湯を充填し、この射出スリーブ内で射出チップを高速で推進させることにより、上記射出スリーブ内のアルミニウム溶湯を金型のキャビティ内に射出して成形している(特許文献1および2参照)。
特開2006−102763号公報
特開2007−190584号公報
ところで、従来のダイカスト鋳造装置では、射出チップの先端が平坦な略円柱形状を呈している。したがって、溶湯を充填した射出スリーブ内で射出チップを高速作動させると、射出スリーブと射出チップとの間に溶湯が差し込み、射出チップが摩耗する現象が起きる。
その結果、射出チップの寿命低下、射出速度の不安定化による内部品質の低下、およびサイクルタイムの増加による連続サイクル稼働数の低下という問題が発生する。また、真空制御を行う真空ダイカスト鋳造法では、真空度が低下する。
そこで、本発明は、射出スリーブと射出チップとの間への溶湯の差し込みを防止できるダイカスト鋳造装置および方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係るダイカスト鋳造装置用射出チップは、ダイカスト鋳造装置の金型のキャビティ内に金属溶湯を導入する射出スリーブ内で推進して前記溶湯を前記キャビティ内へ射出するための射出チップであって、前記射出チップの先端加圧面の外周部近傍に、リング状凹部を形成したことを特徴とする。
また、本発明に係るダイカスト鋳造装置は、キャビティ内で金属を成形する金型と、前記キャビティに連通され、前記金属の溶湯を導入する射出スリーブと、該射出スリーブ内で推進して、前記溶湯を前記キャビティ内へ射出する円柱状の射出チップと、を備え、前記射出チップの先端加圧面の外周部近傍に、リング状凹部を形成したことを特徴とする。
また、本発明に係るダイカスト鋳造方法は、射出スリーブ内に金属の溶湯を充填するステップと、射出チップを推進して、前記射出スリーブに連通する金型のキャビティ内へ前記溶湯を射出するステップと、を有するダイカスト鋳造方法であって、前記溶湯を射出するステップは、先端加圧面の外周部近傍にリング状凹部が形成された射出チップを用いて、前記射出スリーブ内に充填された前記溶湯を射出するものであることを特徴とする。
本発明によれば、射出チップの先端加圧面の形状を改良するという簡単な構成で、射出スリーブと射出チップとの間への溶湯の差し込みを防止できる。
その結果、射出チップ寿命の向上、射出速度の安定化による鋳造品の内部品質の向上、および連続サイクル稼働数の向上を図ることができる。また、真空制御を行う真空ダイカスト鋳造法において、真空度の安定化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係るダイカスト鋳造装置における射出チップの一実施形態を示す概略断面図である。
図1に示すように、本実施形態のダイカスト鋳造装置1は、円筒体状の射出スリーブ10と、この射出スリーブ10内に摺動可能に配設された射出チップ20と、を備えている。
上記射出スリーブ10は中空円柱状の充填空間11を有し、この充填空間11内には、不図示の導入口からアルミニウム溶湯等の金属溶湯が充填される。また、射出チップ20は略円柱状を呈しており、その後端部は射出ロッド25を介して不図示の駆動源と接続されている。この駆動源としては、たとえば、シリンダ装置が挙げられる。このシリンダ装置により射出ロッド25を進出駆動させると、射出スリーブ10内でその軸方向に沿って射出チップ20が高速で推進作動する。上記射出スリーブ10の充填空間11側の先端部は、不図示の金型のキャビティと連通されている。したがって、射出チップ20を推進すると、射出スリーブ10内に充填された金属溶湯が金型のキャビティ内へ射出される。
上記射出チップ20は、その推進方向の前面に位置する先端加圧面21の外周部近傍に、リング状凹部21Aが形成されている。この射出チップ20の先端加圧面21において、上記リング状凹部21Aの中央部に、山状の凸部21Bが形成されている。また、上記リング状凹部21Aの外周部に、リング状凸部21Cが形成されている。このリング状凸部21Cの径方向幅Wは、チップ直径の5%以下に設定されている。すなわち、この射出チップ20の断面形状は、その先端加圧面21において、リング状凸部21C、リング状凹部21Aおよび山状の凸部21Bが連続した波形状を呈している。射出スリーブ10内で、先端加圧面21が凹凸形状を有する射出チップ20を高速推進させると、山状凸部21Bに金属溶湯が振り分けられるため、リング状凹部21Aの内面に溶湯の圧力Pが加わる。
また、本実施形態では、山状凸部21Bは、リング状凸部21Cよりも推進方向前方へ突出しており、凸部の突出高さが高く形成されている。さらに、リング状凹部21Aの最低部から山状凸部21Bの最高部までの突出高さTは、10〜20mmに設定されている。そして、冷却媒体を循環させるためのチップ冷却穴22が、山状凸部21B内に進入するように射出チップ20内に形成されている。このように山状凸部21Bの突出高さTを拡大することにより、チップ冷却穴22を上記先端加圧面21に近づけることができる。冷却媒体としては、たとえば、冷却水等が用いられる。
また、図2は本実施形態の射出チップの変形例を示す断面図である。
図2に示すように、射出チップ20の先端加圧面21の中央部に形成した山状凸部21Bの先端を平坦面21Dに形成してもよい。このように構成することにより、射出スリーブ20内に金属溶湯が充填されずに空打ちしたとき、射出チップ20の破損および変形を防止することができる。
次に、本実施形態のダイカスト鋳造方法を、上記ダイカスト鋳造装置1の作用効果とともに説明する。図3は、比較例の射出チップの形状を示す概略断面図である。
図1を参照して、本実施形態のダイカスト鋳造方法は、まず、射出スリーブ10内に、アルミニウム溶湯等の金属溶湯を充填する。その際、シリンダ装置により、射出ロッド25を介して射出チップ20を後退させ、射出スリーブ10内に充填部11を形成する。続いて、射出スリーブ10の充填部11内に、不図示の導入口から金属溶湯を導入する。
次に、シリンダ装置により、射出ロッド25を介して射出チップ20を推進させ、射出スリーブ10内に充填された金属溶湯を金型のキャビティ内へ射出する。
図3に示すように、比較例の射出チップ50は、先端が平坦な略円柱形状を呈している。また、推進性能等を良くするため、射出チップ50の外周部先端に推進方向後方へ向けて拡径するテーパ部51を形成している。したがって、射出チップ50を高速作動させると、金属溶湯の圧力Pは推進方向後方へ引っ込んでいるテーパ部51に加わる。したがって、射出スリーブ10と射出チップ50との間に溶湯の差し込みが生じ、射出チップ50の外周部が摩耗する現象が起こる虞がある。特に、図3のように、射出チップ50の外周部先端にテーパ部51を形成している場合には、上記溶湯の差し込みが生じ易い。
これに対し、本実施形態のダイカスト鋳造方法に用いる射出チップ20の先端加圧面21の外周部近傍には、リング状凹部21Aが形成されている。上述したように、射出スリーブ10内で先端加圧面21が凹凸形状を有する射出チップ20を高速推進させると、山状凸部21Bに金属溶湯が振り分けられ、リング状凹部21Aの内面に溶湯の圧力Pが加わる。さらに、リング状凹部21Aの外周には推進方向前方へ突出したリング状凸部21Cが存在するため、射出スリーブ10と射出チップ20との間への溶湯の差し込みを抑制できる。
また、山状凸部21Bは、リング状凸部21Cよりも、凸部の突出高さが高く形成され、この山状凸部21B内に進入するようにチップ冷却穴22が形成されている。この構成により、チップ冷却穴22が射出チップ20の先端側に近づき、射出チップ20の先端加圧面21の冷却性能が向上する。したがって、方案部(スクラップ部)の最終凝固部であるビスケット(金型と射出スリーブとの接続部分で形成される溶湯固化物)の凝固速度が速くなるため、サイクルアップが図れる。また、射出チップ20の先端加圧面21が凹凸形状に形成されているので、この先端加圧面21の表面積が増加し、ビスケットの冷却速度がより向上し、サイクルアップが図れる。
このように本実施形態によれば、射出スリーブ20と射出チップ10との間に金属溶湯が差し込むのを防止できる。したがって、射出チップ10の外周部の摩耗を防止でき、射出チップ20の寿命の向上、射出速度の安定化による鋳造品の内部品質の向上、および連続サイクル稼働数の向上を図ることができる。また、金型のキャビティ内の真空制御を行う真空ダイカスト鋳造法において、真空度の安定化を図ることができる。
本発明は、アルミニウム部品のダイカスト鋳造のみならず、亜鉛、マグネシウム等のその他の非鉄金属のダイカスト鋳造にも広く適用可能である。また、本発明は、金型のキャビティ内の真空制御を行う真空ダイカスト鋳造にも適用可能である。
1 ダイカスト鋳造装置、
10 射出スリーブ、
20 射出チップ、
21 先端加圧面、
21A リング状凹部、
21B 山状凹部、
21C リング状凹部、
21D 平坦面。
10 射出スリーブ、
20 射出チップ、
21 先端加圧面、
21A リング状凹部、
21B 山状凹部、
21C リング状凹部、
21D 平坦面。
Claims (5)
- ダイカスト鋳造装置の金型のキャビティ内に金属の溶湯を導入する射出スリーブ内で推進して前記溶湯を前記キャビティ内へ射出するための射出チップであって、
前記射出チップの先端加圧面の外周部近傍に、リング状凹部を形成したことを特徴とするダイカスト鋳造装置用射出チップ。 - 前記先端加圧面において、前記リング状凹部の中央部に山状凸部を形成すると共に、前記リング状凹部の外周部にリング状凸部を形成し、
前記山状凸部は前記リング状凸部よりも推進方向前方へ突出し、冷却媒体を循環させるためのチップ冷却穴を前記山状凸部内に進入するように前記射出チップ内に形成したことを特徴とする請求項1に記載のダイカスト鋳造装置用射出チップ。 - 前記山状凸部の先端を平坦面に形成したことを特徴とする請求項2に記載のダイカスト鋳造装置用射出チップ。
- キャビティ内で金属を成形する金型と、
前記キャビティに連通され、前記金属の溶湯を導入する射出スリーブと、
該射出スリーブ内で推進して、前記溶湯を前記キャビティ内へ射出する円柱状の射出チップと、を備え、
前記射出チップの先端加圧面の外周部近傍に、リング状凹部を形成したことを特徴とするダイカスト鋳造装置。 - 射出スリーブ内に金属の溶湯を充填するステップと、
射出チップを推進して、前記射出スリーブに連通する金型のキャビティ内へ前記溶湯を射出するステップと、
を有するダイカスト鋳造方法であって、
前記溶湯を射出するステップは、先端加圧面の外周部近傍にリング状凹部が形成された射出チップを用いて、前記射出スリーブ内に充填された前記溶湯を射出するものであることを特徴とするダイカスト鋳造方法。
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---|---|---|---|
JP2008034833A JP2009190074A (ja) | 2008-02-15 | 2008-02-15 | ダイカスト鋳造装置用射出チップ、ダイカスト鋳造装置および方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013162961A1 (en) * | 2012-04-23 | 2013-10-31 | Pratt & Whitney Services Pte Ltd. | Shot tube plunger tip portion |
JP2015512337A (ja) * | 2012-03-22 | 2015-04-27 | クルーシブル インテレクチュアル プロパティ エルエルシーCrucible Intellectual Property Llc | スカルトラッピングのための方法及びシステム |
-
2008
- 2008-02-15 JP JP2008034833A patent/JP2009190074A/ja active Pending
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JP2015512337A (ja) * | 2012-03-22 | 2015-04-27 | クルーシブル インテレクチュアル プロパティ エルエルシーCrucible Intellectual Property Llc | スカルトラッピングのための方法及びシステム |
US9975171B2 (en) | 2012-03-22 | 2018-05-22 | Apple Inc. | Methods and systems for skull trapping |
WO2013162961A1 (en) * | 2012-04-23 | 2013-10-31 | Pratt & Whitney Services Pte Ltd. | Shot tube plunger tip portion |
EP2841224A4 (en) * | 2012-04-23 | 2016-04-13 | Pratt & Whitney Services Pte Ltd | INJECTION TUBE PLUNGER TIP POINT |
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