ところで、図10で説明した電力供給システムにおいては、需要家自身が最も安価となるエネルギーの組み合わせを検討して、エネルギー毎に供給者と契約することになるが、一旦契約してしまうと、エネルギー単価が変更しても直ぐに契約に反映させることができず、しかも最も安価となるエネルギーの組み合わせを検討する際には、エネルギーの種別が多くなるほどその検討が煩雑となってしまう。
さらに、図10で説明した電力供給システムにおいては、燃料電池における発電量と受電電力の合計電力が使用電力を越えている際(燃料電池における可能発電量が使用電力より大きい時)に売電によって実質的にエネルギーコストを減らすことができるものの、エネルギー種別の単価に応じて適切にトータルのエネルギーコストを管理することが難しい。
一方、特許文献1においては、需要家の需要電力予測によって需要家構内の運転条件を決定し、各機器を制御するようにしているものの、電力需要予測に基づいて各機器の運転条件を決定したとしても、トータルのエネルギーコストを安価にすることが難しいという課題がある。
特許文献2においては、電気・ガス・水道・油等のエネルギー種別毎に、最も省エネルギーに適した装置の運用方法等を判別するようにしているだけで、トータルのエネルギーコストを安価にすることが難しいという課題がある。
特許文献3においては、予測デマンドが契約レベルを超えると予測される場合に補助電源から電力供給を受ける電源切換制御を行うようにしているが、複数のエネルギー種別についてそのトータルのエネルギーコストを安価にするという考慮は払われていない。
いずれにしても、従来のエネルギー供給システムにおいては、エネルギーの単価が頻繁に変化した場合に、エネルギー種別全体についてそのトータルのエネルギーコストを安価にする等エネルギーを総合的に最適化することが難しいという課題がある。
従って、本発明は複数のエネルギー種別を用いる需要家において常にそのトータルなエネルギーコストを安価にする等エネルギーを総合的に最適化することのできるエネルギー供給システム、エネルギー種別選択サーバ、及びエネルギー供給方法を提供することを目的とする。
(A)本発明は、需要家が負担するコストを軽減させるコスト優先モードに応じて、電力供給者からの電力エネルギー及び発電機からの電力エネルギーを含む複数のエネルギー種別から1以上のエネルギーを選択エネルギーとして選択して、前記選択エネルギーを前記需要家に供給するエネルギー供給システムであって、前記需要家の負荷を測定する負荷測定手段と、前記エネルギー種別のそれぞれの単価を予め規定された時間間隔で収集する収集手段と、前記複数のエネルギー種別のうち、予め規定された時間間隔で、前記負荷測定手段により測定された負荷と、前記収集手段により収集された複数のエネルギー種別のそれぞれの単価と、に基づいて、前記コストが最も安くなるエネルギー種別の組み合わせを選択して、前記選択エネルギーとする選択手段と、前記選択エネルギーを前記需要家に供給する供給手段と、を備えたことを特徴とするものである。
(B)本発明は、(A)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記選択手段は、さらに、現時点を基準時として直前の予め規定された時間における前記需要家の負荷の変動に基づいて前記基準時から予め規定された時間後における前記需要家の負荷の変動の予測を行い、予想された負荷の変動と、前記収集手段によって収集された単価によるトータルのコストとに基づいて、前記複数のエネルギー種別から1以上のエネルギーを選択して、前記選択エネルギーとすることを特徴とするものである。
(C)本発明は、(A)又は(B)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記発電機は、燃料電池であって、前記燃料電池は、互いに異なる複数の燃料から選択された選択燃料で発電し、前記燃料電池からの電力エネルギーは、それぞれが前記複数の燃料のそれぞれによって発電された電気エネルギーである複数の燃料電力エネルギーを含み、前記エネルギー種別のそれぞれの単価は、前記複数の燃料のそれぞれの単価を含むことを特徴とするものである。
(1)関連発明は、需要家の需要に応じて複数のエネルギー種別から1以上のエネルギーを選択エネルギーとして選択して、前記選択エネルギーを前記需要家に供給するエネルギー供給システムであって、前記需要家が負担するコストを軽減させるコスト優先モード及び前記需要家が生じる二酸化炭素排出量を削減する環境負荷削減モードのうち、前記需要家が選択したモードに応じて、前記コスト又は前記二酸化炭素排出量をパラメータとし、該パラメータに基づいてエネルギー種別の組み合わせを選択して前記選択エネルギーとする選択手段と、前記選択エネルギーを前記需要家に供給する供給手段とを備えることを特徴とする。
(1)のエネルギー供給システムでは、需要家が負担するコストを軽減させるコスト優先モード及び需要家が生じる二酸化炭素排出量を削減する環境負荷削減モードのうち、需要家が選択したモードに応じて、コスト又は二酸化炭素排出量をパラメータとし、このパラメータに基づいてエネルギー種別の組み合わせを選択エネルギーとして選択するようにしたので、需要家所望のモードを選択しつつ、しかも安価なエネルギーの組み合わせを提供することができる。
(2)関連発明は、(1)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記パラメータが前記コストである際、前記エネルギー種別のそれぞれの単価をリアルタイムで収集する収集手段を備え、前記選択手段は、前記エネルギー種別のうち、前記収集手段によって収集された単価のトータルからコストが最も安いエネルギー種別の組み合わせを選択して、前記選択エネルギーとすることを特徴とする。
(2)のエネルギー供給システムでは、エネルギー種別毎にその単価をリアルタイムで収集し、この単価からトータルのコストが最も安価になるようにエネルギー種別の組み合わせを選択するようにしたので、常に需要家に安価なエネルギーの組み合わせを提供することができる。
(3)本発明は、(2)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記選択手段は、前記エネルギー種別のうち、前記需要家で生じた余剰エネルギーを売却する際の売却単価も考慮して、前記最も安いエネルギー種別の組み合わせを選択することを特徴とするものである。
(3)のエネルギー供給システムでは、需要家で生じた余剰エネルギーを売却する際の売却単価も考慮して最も安価なエネルギー種別の組み合わせを選択するようにしたので、常に需要家に最適なエネルギーの組み合わせを提供することができる。
(4)関連発明は、(2)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記収集手段によって収集された単価を前記エネルギー種別のそれぞれについて記憶する記憶手段を備え、
前記収集手段は、前記エネルギー種別のそれぞれの単価を予め規定された時間間隔で収集して前記記憶手段に記憶された単価を更新することを特徴とするものである。
(4)のエネルギー供給システムでは、記憶手段にエネルギー種別毎の単価を一旦記憶して、この記憶手段に記憶された単価を予め規定された時間毎に更新するようにしたので、常に最も安価なエネルギー種別の組み合わせを容易に選択することができる。
(5)関連発明は、(2)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記選択手段は、前記エネルギー種別のうち、前記収集手段で収集された単価のうち最も安い単価のエネルギー種別を選択エネルギーとして選択し、前記最も安い単価のエネルギー種別のみで前記需要家の需要が賄えるか否かの判定を行って、賄えないと判定すると前記需要家の需要を賄えるまで順次安い単価のエネルギー種別を選択エネルギーとして選択することを特徴とするものである。
(5)のエネルギー供給システムでは、エネルギー種別毎にその単価をリアルタイムで収集し、この単価に応じて需要家に供給すべきエネルギーを決定するようにしたので、常にそのトータルなエネルギーコストを安価にすることができる。
(6)関連発明は、(5)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記エネルギー種別は、電気事業者から供給される電力を前記需要家が受電する受電電力、及び発電装置を用いて発生させ前記需要家が受電する発電電力を含み、前記発電装置には、互いに異なる複数の種別の燃料がエネルギーとして選択的に供給され、前記収集手段は、前記受電電力の単価、及び前記燃料の種別毎の単価を前記エネルギーの単価として収集しており、当該エネルギー供給システムは、前記発電装置に関する発電効率を示す発電効率データ、前記燃料の種別毎の単価、及び前記受電電力の単価に応じて前記発電装置を制御する制御手段を有することを特徴とするものである。
(6)のエネルギー供給システムでは、受電電力と発電電力の単価をリアルタイムで比較し、例えば、受電電力の単価が最も安いと発電装置を停止すれば、電力需要に対して最も安価に電力を供給できる。
(7)関連発明は、(6)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記受電電力の単価が最も安い値でない場合に、前記受電電力と前記発電電力との和である需要電力と、前記発電電力と、を比較する比較手段と、前記需要電力が前記発電電力以上であると、前記燃料の種別のうち最も安い単価の燃料の種別を前記発電装置に供給する燃料供給手段とを備えることを特徴とするものである。
(7)のエネルギー供給システムでは、受電電力の単価が最安値でない場合に、需要電力が発電電力以上であると、燃料種別のうちもっとも安い価格の燃料を発電装置に供給するようにしたので、電力需要に対して電力需要を満たして、しかも安価に電力を供給することができる。
(8)関連発明は、(6)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記収集手段は、電力を電気事業者に売電した際の売電単価を収集しており、当該エネルギー供給システムは、前記受電電力と前記発電電力との和である需要電力と、前記発電電力と、を比較する比較手段と、前記受電電力の単価が最も安い単価でない場合に、前記需要電力が前記発電電力以上であると、前記燃料の種別のうち最も安い単価の燃料の種別を発電装置に供給する燃料供給手段とを備え、前記制御手段は、前記燃料の種別毎の単価による発電単価と前記売電単価とを比較して前記燃料の種別毎の単価による発電単価が前記売電単価よりも高いと前記発電装置の出力を低下させることを特徴とするものである。
(8)のエネルギー供給システムでは、受電電力の単価が最安値でない場合に、需要電力が発電電力以上であると、燃料種別のうちもっとも単価の安い燃料を発電装置に供給し、さらに、燃料の種別毎の単価に相当する発電単価が売電単価よりも高い場合に、発電装置の出力を低下させるようにしたので、トータルで電力需要を安価にすることができる。
(9)関連発明は、(6)のエネルギー供給システムにおいて、前記発電装置は、複数備えられており、前記制御手段は、前記トータルのコストが最も安くなるように、前記発電装置のそれぞれを、前記発電効率データ、前記燃料の種別毎の単価及び前記受電電力の単価に応じて制御することを特徴とするものである。
(9)のエネルギー供給システムでは、複数の発電装置を制御してトータルなコストを調整するようにしたので、トータルなコストをより安価とすることができる。
(10)関連発明は、(6)のエネルギー供給システムにおいて、前記収集手段は、電力を電気事業者に売電した際の売電単価も収集しており、前記制御手段は、前記売電単価にも応じて前記発電装置の出力を制御することを特徴とするものである。
(10)のエネルギー供給システムでは、受電単価、燃料の種別毎の単価に相当する発電単価、及び受電単価に基づいて発電装置の出力制御を行うようにしたので、売電を考慮しつつ、需要家の電力消費量を最安値とすることができる。
(11)関連発明は、(2)のエネルギー供給システムにおいて、前記選択エネルギーが供給される機器の運転状態をモニターして、当該運転状態に応じて前記機器の駆動効率を更新するモニター手段を備え、前記選択手段は、前記エネルギー種別の組み合わせのうち、前記駆動効率も参照してそのトータルのコストが最も安い価格のエネルギー種別の組み合わせを選択することを特徴とするものである。
(11)のエネルギー供給システムでは、モニターされた運転状態に応じて機器の駆動効率を更新し、駆動効率も参照してそのトータルのコストが最も安価なエネルギー種別の組み合わせを選択するようにしたので、機器の異常を早期に発見できるばかりでなく、経年変化による効率変動にも対処することができる。
(12)関連発明は、(2)〜(11)のいずれかのエネルギー供給システムにおいて、前記収集手段は、前記エネルギーの単価を、ネットワークを介して収集するようにしたことを特徴とするものである。
(12)のエネルギー供給システムでは、エネルギー毎の単価を、インターネット等のネットワークを介して収集するようにしたので、容易にエネルギー毎の単価を知ることができる。
(13)関連発明は、(1)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記パラメータが前記二酸化炭素排出量である際、前記エネルギー種別のそれぞれの二酸化炭素排出量をリアルタイムで収集する収集手段を備え、前記選択手段は、前記エネルギー種別のうち、前記収集手段によって収集された前記二酸化炭素排出量に応じて前記二酸化炭素排出量のトータルの二酸化炭素総排出量が最も少ないエネルギー種別の組み合わせを選択して、前記選択エネルギーとすることを特徴とするものである。
(13)のエネルギー供給システムでは、エネルギー種別毎にその二酸化炭素排出量をリアルタイムで収集し、この二酸化炭素排出量に応じてトータルの二酸化炭素総排出量が最も少ないエネルギー種別の組み合わせを選択して、選択エネルギーとするようにしたので、常に需要家に二酸化炭素排出量の少ないエネルギーの組み合わせを提供することができる。
(14)関連発明は、(13)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記収集手段によって収集された二酸化炭素排出量を前記エネルギー種別のそれぞれについて記憶する記憶手段を備え、前記収集手段は、前記エネルギー種別のそれぞれの二酸化炭素排出量を予め規定された時間間隔で収集して前記記憶手段に記憶された二酸化炭素排出量を更新することを特徴とするものである。
(14)のエネルギー供給システムでは、記憶手段にエネルギー種別毎の二酸化炭素排出量を一旦記憶して、この記憶手段に記憶された二酸化炭素排出量を予め規定された時間毎に更新するようにしたので、常に最も二酸化炭素排出量が少ないエネルギー種別の組み合わせを容易に選択することができる。
(15)関連発明は、(13)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記選択手段は、前記エネルギー種別のうち、前記収集手段で収集された二酸化炭素排出量のうち最も二酸化炭素排出量の少ないエネルギー種別を選択エネルギーとして選択し、前記最も二酸化炭素排出量の少ないエネルギー種別のみで前記需要家の需要が賄えるか否かの判定を行って、賄えないと判定すると前記需要家の需要を賄えるまで順次二酸化炭素排出量の少ないエネルギー種別を選択エネルギーとして選択することを特徴とするものである。
(15)のエネルギー供給システムでは、エネルギー種別毎にその二酸化炭素排出量をリアルタイムで収集し、この二酸化炭素排出量に応じて需要家に供給すべきエネルギーを決定するようにしたので、常にそのトータルな二酸化炭素総排出量を最も少なくすることができる。
(16)関連発明は、(15)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記エネルギー種別は、電気事業者から供給される電力を前記需要家が受電する受電電力、及び発電装置を用いて発生させ前記需要家が受電する発電電力を含み、前記発電装置には、互いに異なる複数の種別の燃料がエネルギーとして選択的に供給され、前記収集手段は、前記受電電力の二酸化炭素排出量、及び前記燃料の種別毎の二酸化炭素排出量を前記エネルギーの二酸化炭素排出量として収集しており、当該エネルギー供給システムは、前記発電装置に関する発電効率を示す発電効率データ、前記燃料の種別毎の二酸化炭素排出量、及び前記受電電力の二酸化炭素排出量に応じて前記発電装置を制御する制御手段を有することを特徴とするものである。
(16)のエネルギー供給システムでは、受電電力と発電電力の二酸化炭素排出量をリアルタイムで比較し、受電電力の二酸化炭素排出量が発電電力の二酸化炭素排出量よりも少なくなる場合は、発電装置を停止することで、電力需要に対して二酸化炭素排出量が最も抑えた状態で電力を供給できる。
(17)関連発明は、(16)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記受電電力の二酸化炭素排出量が最も少ない値でない場合に、前記受電電力と前記発電電力との和である需要電力と、前記発電電力と、を比較する比較手段と、前記需要電力が前記発電電力以上であると、前記燃料の種別のうち最も二酸化炭素排出量の少ない燃料の種別を前記発電装置に供給する燃料供給手段とを備えることを特徴とするものである。
(17)のエネルギー供給システムでは、受電電力の二酸化炭素排出量が最も少ない値でない場合に、需要電力が発電電力以上であると、燃料種別のうちもっとも二酸化炭素排出量が少ない燃料を発電装置に供給するようにしたので、電力需要に対して電力需要を満たして、しかも二酸化炭素排出量を最も抑えた状態で電力を供給することができる。
(18)関連発明は、(16)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記発電装置は、複数備えられており、前記制御手段は、前記トータルの二酸化炭素総排出量が最も少なくなるように、前記発電装置のそれぞれを、前記発電効率データ、前記燃料の種別毎の二酸化炭素排出量及び前記受電電力の二酸化炭素排出量に応じて制御することを特徴とするものである。
(18)のエネルギー供給システムでは、複数の発電装置を制御してトータルの二酸化炭素総排出量を調整するようにしたので、トータルな二酸化炭素総排出量をより抑えることができる。
(19)関連発明は、(13)に記載のエネルギー供給システムにおいて、前記選択エネルギーが供給される機器の運転状態をモニターして、当該運転状態に応じて前記機器の駆動効率を更新するモニター手段を備え、前記選択手段は、前記エネルギー種別の組み合わせのうち、前記駆動効率も参照してそのトータルの二酸化炭素総排出量が最も少ないエネルギー種別の組み合わせを選択することを特徴とするものである。
(19)のエネルギー供給システムでは、モニターされた運転状態に応じて機器の駆動効率を更新し、駆動効率も参照してそのトータルの二酸化炭素総排出量が最も少ないエネルギー種別の組み合わせを選択するようにしたので、機器の異常を早期に発見できるばかりでなく、経年変化による効率変動にも対処することができる。
(20)関連発明は、(13)〜(19)いずれかに記載のエネルギー供給システムにおいて、前記収集手段は、前記エネルギーの二酸化炭素排出量を、ネットワークを介して収集するようにしたことを特徴とするものである。
(20)のエネルギー供給システムでは、エネルギー毎の二酸化炭素排出量を、インターネット等のネットワークを介して収集するようにしたので、容易にエネルギー毎の二酸化炭素排出量を知ることができる。
(21)関連発明は、需要家の需要に応じて複数のエネルギー種別から1以上のエネルギーを選択エネルギーとして選択して、前記選択エネルギーを前記需要家に供給する際に用いられるエネルギー種別選択サーバであって、前記需要家が負担するコストを軽減させるコスト優先モード及び前記需要家が生じる二酸化炭素排出量を削減する環境負荷削減モードのうち、前記需要家が選択したモードに応じて、前記コスト又は前記二酸化炭素排出量をパラメータとし、該パラメータに基づいてエネルギー種別の組み合わせを選択して前記選択エネルギーとする選択手段と、前記選択エネルギーを前記需要家に供給する供給手段とを備えることを特徴とするものである。
(21)のエネルギー種別選択サーバでは、需要家が負担するコストを軽減させるコスト優先モード及び需要家が生じる二酸化炭素排出量を削減する環境負荷削減モードのうち、需要家が選択したモードに応じて、コスト又は二酸化炭素排出量をパラメータとし、このパラメータに基づいてエネルギー種別の組み合わせを選択エネルギーとして選択するようにしたので、需要家所望のモードを選択しつつ、しかも安価なコスト又は二酸化炭素排出量の低減の組み合わせを提供することができる。
(22)関連発明は、(21)のエネルギー種別選択サーバにおいて、前記パラメータが前記コストである際、ネットワークを介して前記エネルギー種別のそれぞれの単価をリアルタイムで収集する収集手段を備え、前記選択手段は、前記エネルギー種別のうち、前記収集手段によって収集された単価からトータルのコストが最も安いエネルギー種別の組み合わせを選択して、前記選択エネルギーとすることを特徴とするものである。
(22)のエネルギー種別選択サーバでは、インターネット等のネットワークを介してエネルギー種別毎にその単価をリアルタイムで収集し、この単価に応じてトータルのコストが最も安価になるようにエネルギー種別の組み合わせを選択するようにしたので、常に需要家に安価なエネルギーの組み合わせを提供することができる。
(23)関連発明は、(22)のエネルギー種別選択サーバにおいて、前記選択手段は、前記エネルギー種別のうち、前記需要家で生じた余剰エネルギーを売却する際の売却単価も考慮して、前記最も安いエネルギー種別の組み合わせを選択することを特徴とするものである。
(23)のエネルギー種別選択サーバでは、需要家で生じた余剰エネルギーを売却する際の売却単価も考慮して最も安価なエネルギー種別の組み合わせを選択するようにしたので、常に需要家に最適なエネルギーの組み合わせを提供することができる。
(24)関連発明は、(22)のエネルギー種別選択サーバにおいて、前記単価を前記エネルギー種別のそれぞれについて記憶する記憶手段を備え、前記収集手段は、前記エネルギー種別のそれぞれの単価を予め規定された時間間隔で収集して前記記憶手段に記憶された単価を更新することを特徴とするものである。
(24)のエネルギー種別選択サーバでは、記憶手段にエネルギー種別毎の単価を一旦記憶して、この記憶手段に記憶された単価を予め規定された時間毎に更新するようにしたので、常に最も安価エネルギー種別の組み合わせを容易に選択できる。
(25)関連発明は、(22)のエネルギー種別選択サーバにおいて、前記選択手段は、前記エネルギー種別のうち、前記収集手段で収集された単価のうち最も安い単価のエネルギー種別を選択エネルギーとして選択し、前記最も安い単価のエネルギー種別のみで前記需要家の需要が賄えるか否かの判定を行って、賄えないと判定すると前記需要家の需要を賄えるまで順次安い単価のエネルギーを選択エネルギーとして選択することを特徴とするものである。
(25)のエネルギー種別選択サーバでは、エネルギー種別毎にその単価をリアルタイムで収集し、この単価に応じて需要家に供給すべきエネルギーを決定するようにしたので、常にそのトータルなエネルギーコストを安価にすることができる。
(26)関連発明は、(21)のエネルギー種別選択サーバにおいて、前記パラメータが前記二酸化炭素排出量である際、ネットワークを介して前記エネルギー種別のそれぞれの二酸化炭素排出量をリアルタイムで収集する収集手段を備え、前記選択手段は、前記エネルギー種別のうち、前記収集手段によって収集された前記二酸化炭素排出量に応じて前記二酸化炭素排出量のトータルの二酸化炭素総排出量が最も少ないエネルギー種別の組み合わせを選択して、前記選択エネルギーとすることを特徴とするものである。
(26)のエネルギー種別選択サーバでは、インターネット等のネットワークを介してエネルギー種別毎にその二酸化炭素排出量をリアルタイムで収集し、この二酸化炭素排出量に応じてトータルの二酸化炭素総排出量が最も少なくなるようにエネルギー種別の組み合わせを選択して、選択エネルギーとするようにしたので、常に需要家に二酸化炭素排出量の少ない組み合わせを提供することができる。
(27)関連発明は、(26)のエネルギー種別選択サーバにおいて、前記二酸化炭素排出量を前記エネルギー種別のそれぞれについて記憶する記憶手段を備え、前記収集手段は、前記エネルギー種別のそれぞれの二酸化炭素排出量を予め規定された時間間隔で収集して前記記憶手段に記憶された二酸化炭素排出量を更新することを特徴とするものである。
(27)のエネルギー種別選択サーバでは、記憶手段にエネルギー種別毎の二酸化炭素排出量を一旦記憶して、この記憶手段に記憶された二酸化炭素排出量を予め規定された時間毎に更新するようにしたので、常に最も二酸化炭素排出量の少ないエネルギー種別の組み合わせを容易に選択できる。
(28)関連発明は、(26)のエネルギー種別選択サーバにおいて、前記選択手段は、前記エネルギー種別のうち、前記収集手段で収集された二酸化炭素排出量のうち最も二酸化炭素排出量の少ないエネルギー種別を選択エネルギーとして選択し、前記最も二酸化炭素排出量の少ないエネルギー種別のみで前記需要家の需要が賄えるか否かの判定を行って、賄えないと判定すると前記需要家の需要を賄えるまで順次二酸化炭素排出量の少ないエネルギーを選択エネルギーとして選択することを特徴とするものである。
(28)のエネルギー種別選択サーバでは、エネルギー種別毎にその二酸化炭素排出量をリアルタイムで収集し、この二酸化炭素排出量に応じて需要家に供給すべきエネルギーを決定するようにしたので、常にそのトータルの二酸化炭素総排出量が最も少なくすることができる。
(29)関連発明は、需要家の需要に応じて複数のエネルギー種別から1以上のエネルギーを選択エネルギーとして選択して、前記選択エネルギーを前記需要家に供給するエネルギー供給方法であって、コンピュータが、前記需要家が負担するコストを軽減させるコスト優先モード及び前記需要家が生じる二酸化炭素排出量を削減する環境負荷削減モードのうち、前記需要家が選択したモードに応じて、前記コスト又は前記二酸化炭素排出量をパラメータとし、該パラメータに基づいてエネルギー種別の組み合わせを選択して前記選択エネルギーとする選択ステップと、前記選択エネルギーを前記需要家に供給する供給ステップとを実行することを特徴とするものである。
(29)のエネルギー供給方法では、需要家が負担するコストを軽減させるコスト優先モード及び需要家が生じる二酸化炭素排出量を削減する環境負荷削減モードのうち、需要家が選択したモードに応じて、コスト又は二酸化炭素排出量をパラメータとし、このパラメータに基づいてエネルギー種別の組み合わせを選択エネルギーとして選択するようにしたので、需要家所望のエネルギーを選択しつつ、しかも安価なコスト又は二酸化炭素排出量の低減の組み合わせ提供することができる。
(30)関連発明は、(29)のエネルギー供給方法において、前記パラメータが前記コストである際、前記コンピュータが、前記エネルギー種別のそれぞれの単価をリアルタイムで収集する収集ステップを実行し、前記選択ステップは、前記エネルギー種別のうち、前記収集ステップで収集された単価からトータルのコストが最も安いエネルギー種別の組み合わせを選択して、前記選択エネルギーとすることを特徴とするものである。
(30)のエネルギー供給方法では、コンピュータによってエネルギー種別毎にその単価をリアルタイムで収集し、この単価に応じてトータルのコストが最も安価になるようにエネルギー種別の組み合わせを選択するようにしたので、常に需要家に安価なエネルギーの組み合わせを提供することができる。
(31)関連発明は、(30)のエネルギー供給方法において、前記選択ステップでは、前記エネルギー種別のうち、前記需要家で生じた余剰エネルギーを売却する際の売却単価も考慮して、前記最も安いエネルギー種別の組み合わせを選択することを特徴とするものである。
(31)のエネルギー供給方法では、需要家で生じた余剰エネルギーを売却する際の売却単価も考慮して最も安価なエネルギー種別の組み合わせを選択するようにしたので、常に需要家に最適なエネルギーの組み合わせを提供することができる。
(32)関連発明は、(30)のエネルギー供給方法において、前記選択ステップは、前記エネルギー種別のうち、前記収集ステップで収集された単価のうち最も安い単価のエネルギー種別を選択エネルギーとして選択し、前記最も安い単価のエネルギー種別のみで前記需要家の需要が賄えるか否かの判定を行って、賄えないと判定すると前記需要家の需要を賄えるまで順次安い単価のエネルギー種別を選択エネルギーとして選択することを特徴とするものである。
(32)のエネルギー供給方法では、エネルギー種別毎にその単価をリアルタイムで収集し、この単価に応じて需要家に供給すべきエネルギーを決定するようにしたので、常にそのトータルなエネルギーコストを安価にすることができる。
(33)関連発明は、(30)のエネルギー供給方法において、前記コンピュータは、前記収集ステップで収集された単価を前記エネルギー種別のそれぞれについてメモリに記憶する記憶ステップを実行し、前記収集ステップは、前記エネルギー種別のそれぞれの単価を予め規定された時間間隔で収集して、前記メモリに記憶された単価を更新することを特徴とするものである。
(33)のエネルギー供給方法では、メモリにエネルギー種別毎の単価を一旦記憶して、このメモリに記憶された単価を予め規定された時間毎に更新するようにしたので、常に最も安価なエネルギー種別の組み合わせを容易に選択することができる。
(34)関連発明は、(29)のエネルギー供給方法において、前記パラメータが前記二酸化炭素排出量である際、前記コンピュータが、前記エネルギー種別のそれぞれの二酸化炭素排出量をリアルタイムで収集する収集ステップを実行し、前記選択ステップは、前記エネルギー種別のうち、前記収集ステップによって収集された前記二酸化炭素排出量に応じて前記二酸化炭素排出量のトータルの二酸化炭素総排出量が最も少ないエネルギー種別の組み合わせを選択して、前記選択エネルギーとすることを特徴とするものである。
(34)のエネルギー供給方法では、コンピュータによってエネルギー種別毎にその二酸化炭素排出量をリアルタイムで収集し、この二酸化炭素排出量に応じてトータルの二酸化炭素総排出量が最も少なくなるようにエネルギー種別の組み合わせを選択するようにしたので、常に需要家に二酸化炭素排出量の少ないエネルギーの組み合わせを提供することができる。
(35)関連発明は、(34)のエネルギー供給方法において、前記選択ステップは、前記エネルギー種別のうち、前記収集ステップで収集された二酸化炭素排出量のうち最も二酸化炭素排出量の少ないエネルギー種別を選択エネルギーとして選択し、前記最も二酸化炭素排出量の少ないエネルギー種別のみで前記需要家の需要が賄えるか否かの判定を行って、賄えないと判定すると前記需要家の需要を賄えるまで順次二酸化炭素排出量の少ないエネルギー種別を選択エネルギーとして選択することを特徴とするものである。
(35)のエネルギー供給方法では、エネルギー種別毎にその二酸化炭素排出量をリアルタイムで収集し、この二酸化炭素排出量に応じて需要家に供給すべきエネルギーを決定するようにしたので、常にそのトータルの二酸化炭素総排出量が最も少なくすることができる。
(36)関連発明は、(34)のエネルギー供給方法において、前記コンピュータは、前記収集ステップで収集された二酸化炭素排出量を前記エネルギー種別のそれぞれについてメモリに記憶する記憶ステップを実行し、前記収集ステップは、前記エネルギー種別のそれぞれの二酸化炭素排出量を予め規定された時間間隔で収集して、前記メモリに記憶された二酸化炭素排出量を更新することを特徴とするものである。
(36)のエネルギー供給方法では、メモリにエネルギー種別毎の二酸化炭素排出量を一旦記憶して、このメモリに記憶された二酸化炭素排出量を予め規定された時間毎に更新するようにしたので、常に最も二酸化炭素排出量が少ないエネルギー種別の組み合わせを容易に選択することができる。
以上のように、関連発明によれば、エネルギー供給システム、エネルギー種別選択サーバ、及びエネルギー供給方法では、いずれも、需要家のニーズに応じてエネルギー種別を選択するためのパラメータに基づいてエネルギー種別の組み合わせを選択するようにし、エネルギー種別毎にその単価をリアルタイムで収集し、この単価に応じてトータルのコストが最も安価になるようにエネルギー種別の組み合わせを選択するようにしたので、常に需要家に安価なエネルギーの組み合わせを提供することができる。さらに、最も安価になるようにするエネルギー種別の組み合わせは、予め規定された時間間隔が経過する毎に行われるので、前記エネルギー種別のそれぞれの単価が変動しても、予め規定した時間が経過すれば、最も安価になるようにエネルギー種別の組み合わせを行うので、常に安価なエネルギーの組み合わせを提供することができるという効果がある。
以上のように、本発明によれば、エネルギー供給システムは、需要家が負担するコストを軽減させるコスト優先モードに応じて、電力供給者からの電力エネルギー及び発電機からの電力エネルギーを含む複数のエネルギー種別から1以上のエネルギーを選択エネルギーとして選択して、前記選択エネルギーを前記需要家に供給するエネルギー供給システムであり、前記需要家の負荷を測定し、前記エネルギー種別のそれぞれの単価を予め規定された時間間隔で収集し、前記複数のエネルギー種別のうち、予め規定された時間間隔で、前記負荷測定手段により測定された負荷と、前記収集手段により収集された複数のエネルギー種別のそれぞれの単価と、に基づいて、前記コストが最も安くなるエネルギー種別の組み合わせを選択して、前記選択エネルギーとし、前記選択エネルギーを前記需要家に供給するようにしたので、常に需要家に安価なエネルギーの組み合わせを提供することができる。
さらに、選択手段は、現時点を基準時として直前の予め規定された時間における需要家の負荷の変動に基づいて基準時から予め規定された時間後における需要家の負荷の変動の予測を行い、予測された負荷の変動と、収集手段によって収集された単価によるトータルのコストとに基づいて、複数のエネルギー種別から1以上のエネルギーを選択して、選択エネルギーとするようにしたので、常に安価なエネルギーの組み合わせを提供することができるという効果がある。
さらに、発電機として互いに異なる燃料で発電する燃料電池を用いることができるので、燃料電池に用いる燃料の単価も考慮して最も安価になるようにエネルギー種別の組み合わせを行うので、常に安価なエネルギーの組み合わせを提供することができるという効果がある。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、ここでは、需要家21がエネルギー種別として電力(商用電源)及びガスを用いており、ガスの種別にはLPガス及び天然ガスがあるものとする(つまり、エネルギー種別には電力(商用電源)、LPガス、及び天然ガスがある)。
需要家21は発電機の一種である燃料電池を用いており、図示の例では、2台の燃料電池22及び51を用いているものとする(なお、需要家21は、少なくとも1台の燃料電池を用いていればよい)。図示の例においては、燃料電池22には、第1及び第2のガス管23及び24を介して選択的にLPガス及び天然ガスが供給される。同様に、燃料電池51には第1及び第2のガス管23及び24を介して選択的にLPガス及び天然ガスが供給される。なお、燃料電池22及び51にはエタノール、メタノール、及び水素等をエネルギーとして選択的に供給するようにしてもよい。
需要家21は、例えば、XkWの負荷(電気負荷)を有し、需要家21には電力線25を介して電気事業者(電力会社)から電力が供給されており、さらに、燃料電池22及び51で発電された電力が電力線25に供給される。なお、ここでは、燃料電池22は0〜pkWの範囲で発電量が制御され(発電効率をc(円/kW)とする)、燃料電池51は0〜qkWの範囲で発電量が制御できるものとする(発電効率をd(円/kW)とする)。
燃料電池22の入力側において、第1のガス管23には、遮断装置26及びガス計測器(ガス流量計)27が備えられ、第2のガス管24には、遮断装置28及びガス計測器29が備えられている。そして、燃料電池22の出力側には、遮断器30及び電力計測器(電力量計等)31が備えられ、電力計測器31の後段において、燃料電池22の出力線が電力線25に接続されている(接続点を符号32で表す)。なお、電気系統の遮断には遮断器、ガス系統の遮断には遮断装置と呼んで区別することにする。
同様に、燃料電池51の入力側において、第1のガス管23には、遮断装置55及びガス計測器(ガス流量計)54が備えられ、第2のガス管24には、遮断装置53及びガス計測器52が備えられている。そして、燃料電池51の出力側には、遮断器58及び電力計測器(電力量計等)57が備えられ、電力計測器57の後段において、燃料電池51の出力線が電力線25に接続されている(接続点を符号59で表す)。
接続点32よりも下流側において、電力線25には電力計測器33が配設され、この電力計測器33を介して需要家21に電力が供給される。また、接続点59よりも上流側において、電力線25には電力計測器56が配置されている。そして、電力計測器33及び56には最適化制御装置(マイクロコンピュータ(エネルギー種別選択サーバ))34が接続されている。また、受電電力(需要電力+発電電力−売電電力)等は、図2に示す電力計測器56の位置に、直接受電電力等を計測する計測器を設置して測定するようにしてもよい。
さらに、この最適化制御装置34には、ガス計測器27、29、52、及び54と電力計測器31及び57とが接続されている。以下の説明では、電力計測器33で計測された電力を需要電力と呼び、電力計測器31及び57で計測された電力をそれぞれ第1及び第2の発電電力と呼ぶことがある。また、ガス計測器27及び29で計測されたガス流量をそれぞれ第1のLPガス流量及び第1の天然ガス流量と呼び、ガス計測器54及び52で計測されたガス流量をそれぞれ第2のLPガス流量及び第2の天然ガス流量と呼ぶことがある。
図2を参照すると、最適化制御装置34は、通信制御部41、記憶部42、第1〜第4の電力検針部43a〜43d、第1〜第4のガス検針部44a〜44d、コスト算出部45、遮断制御部46、燃料電池(発電機)制御部47、及び請求料金算出部48を有しており、通信制御部41はネットワーク(例えば、インターネット)35を介して各種エネルギー種別毎の単価を配信するサイトからリアルタイムで収集する(例えば、毎日所定の時刻に収集する)。
なお、最適化制御装置34は、例えば、電力会社又は本システムのサービス事業者によって設置され、この設置会社がサービス提供者としてエネルギー種別毎の供給者に対して請求する。また、最適化制御装置34は直接インターネットにアクセスして単価データ等を収集してもよいが、最適化制御装置34が例えばサービス提供者のセンターサーバと通信し、センターサーバが各エネルギーの供給者のWebページ等の情報源からエネルギー単価の変動値を定期的に自動収集(クロール)するようにして、最適化制御装置34にデータを送信するようにしてもよい。
ここで、図3も参照して、前述したように、通信制御部41は、例えば、毎日所定の時刻にエネルギー種別毎に、受電電気単価(円/kWh又は円/kW)、売電電気単価(円/kWh又は円/kW)、LPガス単価(円/リットル)、及び天然ガス単価(円/リットル)を収集し、記憶部42にエネルギー単価として記憶する(このエネルギー単価は毎日更新されることになる。なお、例えば、一時間毎にエネルギー単価を収集するようにしてもよく、エネルギー単価の収集間隔は適宜設定できる)。また、燃料電池22及び51の発電効率は発電実績に基づいて更新され、記憶部42に記憶される。
例えば、図2に破線ブロックで示すように、モニター部100を備えるようにしてもよく、この場合には、第1〜第4のガス検針部44a〜44dの出力と第1及び第4の電力検針部43a及び43dの出力がモニター部100に与えられ、これによって、モニター部100は燃料電池22及び51の運転状態を常時モニターする。そして、モニター部100はモニターした運転状態に応じて、各燃料電池22及び51の発電効率を更新しその結果を記憶部42に記憶する。
第1の電力検針部43aでは第1の発電電力pを受け、A/D変換した後コスト算出部45に与える。同様に、第2の電力検針部43bでは需要電力(負荷)Xを受け、A/D変換した後コスト算出部45に与える。そして、第3の電力検針部43cでは売電電力を受け、A/D変換した後コスト算出部45に与える。また、第4の電力検針部43dでは第2の発電電力qを受け、A/D変換した後コスト算出部45に与える。さらに、第1、第2、第3、及び第4のガス検針部44a、44b、44c、及び44dはそれぞれ第1のLPガス流量、第1の天然ガス流量、第2のLPガス流量、及び第2の天然ガス流量を受け、それぞれA/D変換した後コスト算出部45に与える。
コスト算出部45は燃料電池22及び51の出力効率(出力単価)c’及びd’(円/kW)が発電実績に基づいて設定されている(この発電効率は発電実績に基づいて更新される)。いま、燃料電池22及び51の出力がそれぞれp’(kW)及びq’(kW)の際の発電効率をc’及びd’とする。また、受電量をA(kW)、単価をa(円/kW)、売電量をB(kW)、単価をb(円/kW)とする。コスト算出部45では、X≧(p+q)であるか否かを判定し(ステップS1)、X≧(p+q)であると、売電はありえないとし、受電単価aと発電単価c’及びd’とを比較する(ステップS2)。
負荷Xは、X=A+p’+q’で表され、X≧(p+q)である際には、総コストY(円)は、Y=a×A+c’×p’+d’×q’で表すことができる。ステップS2において、a≦c’,d’であると、コスト算出部45は発電するよりも買電が安いとし、燃料電池制御部47によって燃料電池22及び51を停止する。つまり、X=A、Y=a×A=a×Xとする(ステップS3)。
また、ステップS2において、c’≧a≧d’であると、コスト算出部45は燃料電池51による発電は買電よりも安く、燃料電池22による発電は買電よりも高いとして、燃料電池制御部47によって燃料電池22を停止し、燃料電池51をqまで発電する。つまり、X=q+A、Y=d×q+a×Aとする(ステップS4)。
ステップS2において、d’≧a≧c’であると、コスト算出部45は燃料電池22による発電は買電よりも安く、燃料電池51による発電は買電よりも高いとして、燃料電池制御部47によって燃料電池51を停止し、燃料電池22をpまで発電する。つまり、X=p+A、Y=c×p+a×Aとする(ステップS5)。
ステップS2において、a>d’,c’であると、コスト算出部45は買電よりも発電の方が安いとし、燃料電池制御部47によって燃料電池51及び22をそれぞれq及びpまで発電する。つまり、X=p+q+A、Y=c×p+d×q+a×Aとする(ステップS6)。
一方、ステップS1において、X<p+qであると、同様にして、受電単価aと発電単価c’及びd’とを比較する(ステップS7)。ステップS7において、a>c’,d’であると、コスト算出部45は買電より発電が安いとし、続いて、bとc’及びd’との関係を比較する(ステップS8)。
ステップS8において、b>c’,d’であると、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって燃料電池22及び51をそれぞれp及びqまで発電する。つまり、X=p+q−B、Y=c×p+d×q−b×Bとする(ステップS9)。
ステップS8において、c’≧d’≧bであると、コスト算出部45は売電を行うと損をするとし、続いて、Xとqとの関係を調べる(ステップS10)。ステップS10において、X≦qであると、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって燃料電池22を停止し、燃料電池51をXまで発電する。つまり、X=q’、Y=d’×q’とする(ステップS11)。また、ステップS10において、X>qであると、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって燃料電池51をqまで発電し、不足分を燃料電池22で発電する。つまり、X=q+p’、Y=c’×p’+d×qとする(ステップS12)。
ステップS8において、d’≧c’≧bであると、コスト算出部45は売電を行うと損をするとし、続いて、Xとpとの関係を調べる(ステップS13)。ステップS13において、X≦pであると、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって燃料電池51を停止し、燃料電池22をXまで発電する。つまり、X=p’、Y=c’×p’とする(ステップS14)。また、ステップS13において、X>pであると、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって燃料電池22をpまで発電し、不足分を燃料電池51で発電する。つまり、X=p+q’、Y=c×p+d’×q’とする(ステップS15)。
ステップS8において、c’≧b≧d’であると、コスト算出部45は燃料電池22で発電して売電を行うと損をするとし、続いて、Xとqとの関係を調べる(ステップS16)。ステップS16において、X≦qであると、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって燃料電池22を停止し、燃料電池51をqまで発電する。つまり、X=q−B、Y=d×q−b×Bとする(ステップS17)。また、ステップS16において、X>qであると、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって燃料電池51をqまで発電し、不足分を燃料電池22で発電する。つまり、X=p’+q、Y=d×q+c’×p’とする(ステップS18)。
ステップS8において、d’≧b≧c’であると、コスト算出部45は燃料電池51で発電を行い売電すると損をするとし、続いて、Xとpとの関係を調べる(ステップS19)。ステップS19において、X≦pであると、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって燃料電池51を停止し、燃料電池22をpまで発電する。つまり、X=p−B、Y=c×p−b×Bとする(ステップS20)。また、ステップS19において、X>pであると、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって燃料電池22をpまで発電し、不足分を燃料電池51で発電する。つまり、X=p+q’、Y=c×p+d’×q’とする(ステップS21)。
図4を参照して、ステップS7において、a≦c’,d’であると、コスト算出部45は発電よりも買電が安いとし、続いて、bとc’及びd’との関係比較する(ステップS22)。ステップS22において、b≦c’,d’であると、コスト算出部45はX全てを買電するとする。つまり、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって燃料電池22及び51を停止する。そして、X=A、Y=a×A=a×Xとする(ステップS23)。
ステップS22において、c’≧b≧d’であると、コスト算出部45は燃料電池22で売電を行うと損をするとし、続いて、Xとqとの関係を調べる(ステップS24)。ステップS24において、X≧qであると、コスト算出部45はX全てを買電するとする。つまり、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって燃料電池22及び51を停止する。そして、X=A、Y=a×A=a×Xとする(ステップS25)。
一方、ステップS24においてX<qである際に、q’>Xでかつa×X>{d’×q’−b×(q’−X)}であると(ステップS26)、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって、q’>Xの条件でd’×q’−b×(q’−X)が最小となるように、燃料電池51を発電する。つまり、X=q’−B、Y=d’×q’−b×(q’−X)とする(ステップS27)。
また、ステップS24においてX<qである際に、a×X≦{d’×q’−b×(q’−X)}又はq’≦Xでかつa×X>{d’×q’−b×(q’−X)}であると(ステップS28)、コスト算出部45はX全てを買電するとする。つまり、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって燃料電池22及び51を停止する。そして、X=A、Y=a×A=a×Xとする(ステップS29)。
ステップS22において、d’≧b≧c’であると、コスト算出部45は燃料電池51で売電を行うと損をするとし、続いて、Xとpとの関係を調べる(ステップS30)。ステップS30において、X≧pであると、コスト算出部45はX全てを買電するとする。つまり、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって燃料電池22及び51を停止する。そして、X=A、Y=a×A=a×Xとする(ステップS31)。
一方、ステップS30において、X<pである際に(ステップS32)、p’>Xでかつa×X>{c’×p’−b×(p’−X)}であると(ステップS33)、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって、p’>Xの条件でc’×p’−b×(p’−X)が最小となるように、燃料電池22を発電する。つまり、X=p’−B、Y=c’×p’−b×(p’−X)とする(ステップS34)。
また、ステップS32において、X<pである際に、a×X≦{c’×p’−b×(p’−X)}又はp’≦Xでかつa×X>{c’×p’−b×(p’−X)}であると(ステップS35)、コスト算出部45はX全てを買電するとする。つまり、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって燃料電池22及び51を停止する。そして、X=A、Y=a×A=a×Xとする(ステップS36)。
また、ステップS22において、b>c’,d’であると、コスト算出部45は売電を行うと得をするとし、(p’+q’)>Xかつa×X>{c’×p’+d’×q’−b×(p’+q’−X)}であると(ステップS37)、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって、(p’+q’)>Xの条件で、c’×p’+d’×q’−b×(p’+q’−X)が最小となるように、燃料電池22,51を発電する。つまり、X=p’+q’−B、Y=c’×p’+d’×q’−b×Bとする(ステップS38)。
一方、ステップS22において、b>c’,d’である際に、a×X≦{c’×p’+d’×q’−b×(p’+q’−X)}又は(p’+q’)≦Xかつa×X>{c’×p’+d’×q’−b×(p’+q’−X)}であると(ステップS39)、コスト算出部45はX全てを買電するとする。つまり、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって燃料電池22及び51を停止する。そして、X=A、Y=a×A=a×Xとする(ステップS40)。
続いて、図5を参照すると、ステップS7において、c’≧a≧d’であると、コスト算出部45は、燃料電池51の発電は買電より安く、燃料電池22の発電は買電より高いとし、続いて、bとc’及びd’との関係比較する(ステップS41)。ステップS41において、b≦c’,d’であると、コスト算出部45はXとqとの関係を調べる(ステップS42)。ステップS42において、X<qであると、コスト算出部45は燃料電池51をXまで発電し、X=q’、Y=d’×q’とする(ステップS43)。一方、ステップS42においてX≧qであると、コスト算出部45は燃料電池51をqまで発電し、不足分を買電する。つまり、X=q+A、Y=d×q+a×Aとする(ステップS44)。
ステップS41においてb>c’,d’であると、コスト算出部45はXとqとの関係を調べる(ステップS45)。ステップS45において、X≦qであると、コスト算出部45は燃料電池51及び22をそれぞれq及びpまで発電し、余剰分を売電する。つまり、X=p+q−B、Y=c×p+d×q−b×Bとする(ステップS46)。
一方、ステップS45において、X>qである際に、(p’+q)>Xかつ{d×q+a×(X−q)}>{d×q+c’×p’−b×(q+p’−X)}であると(ステップS47)、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって、(p’+q)>Xの条件で、{d×q+c’×p’−b×(q+p’−X)}が最小となるように、燃料電池22及び51を発電する。つまり、X=p’+q−B、Y=c’×p’+d×q−b×Bとする(ステップS48)。
一方、ステップS45において、X>qである際に、{d×q+a×(X−q)}≦{d×q+c’×p’−b×(q+p’−X)}又は(p’+q)≦Xかつ{d×q+a×(X−q)}>{d×q+c’×p’−b×(q+p’−X)}であると(ステップS49)、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって、燃料電池51をqまで発電し、不足分を買電する。つまり、X=q+A、Y=d×q+a×Aとする(ステップS50)。
ステップS41において、c’≧b≧d’であると、コスト算出部45はXとqとの関係を調べる(ステップS51)。ステップS51において、X≦qであると、コスト算出部45は燃料電池51をqまで発電し、余剰分を売電する。つまり、X=q−B、Y=d×q−b×Bとする(ステップS52)。一方、ステップS51においてX>qであると、コスト算出部45は燃料電池51をqまで発電し、不足分を買電する。つまり、X=q+A、Y=d×q+a×Aとする(ステップS53)。
続いて、図6を参照すると、さらに、ステップS7において、d’≧a≧c’であると、コスト算出部45は燃料電池22の発電は買電より安く、燃料電池51の発電は買電より高いとし、続いて、bとc’及びd’との関係比較する(ステップS54)。ステップS54において、b≦c’,d’であると、コスト算出部45はXとpとの関係を調べる(ステップS55)。ステップS55において、X<pであると、コスト算出部45は燃料電池22をXまで発電し、X=p’、Y=c’×p’とする(ステップS56)。一方、ステップS55においてX≧pであると、コスト算出部45は燃料電池22をpまで発電し、不足分を買電する。つまり、X=p+A、Y=c×p+a×Aとする(ステップS57)。
ステップS54においてb>c’,d’であると、コスト算出部45はXとpとの関係を調べる(ステップS58)。ステップS58において、X≦pであると、コスト算出部45は燃料電池22及び51をそれぞれp及びqまで発電し、余剰分を売電する。つまり、X=p+q−B、Y=c×p+d×q−b×Bとする(ステップS59)。
一方、ステップS58においてX>qである際に、(p+q’)>Xかつ{c×p+a×(X−p)}>{c×p+d’×q’−b×(p+q’−X)}であると(ステップS60)、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって、(p+q’)>Xの条件で、{c×p+d’×q’−b×(p+q’−X)}が最小となるように、燃料電池22及び51を発電する。つまり、X=p+q’−B、Y=c×p+d’×q’−b×Bとする(ステップS61)。
一方、ステップS58においてX>pである際に、{c×p+a×(X−p)}≦{c×p+d’×q’−b×(p+q’−X)}又は(p+q’)≦Xかつ{c×p+a×(X−p)}>{c×p+d’×q’−b×(p+q’−X)}であると(ステップS62)、コスト算出部45は燃料電池制御部47によって、燃料電池22をqまで発電し、不足分を買電する。つまり、X=p+A、Y=c×p+a×Aとする(ステップS63)。
ステップS54においてd’≧b≧c’であると、コスト算出部45はXとpとの関係を調べる(ステップS64)。ステップS64において、X≦pであると、コスト算出部45は燃料電池22をpまで発電し、余剰分を売電する。つまり、X=p−B、Y=c×p−b×Bとする(ステップS65)。一方、ステップS64においてX>pであると、コスト算出部45は燃料電池22をpまで発電し、不足分を買電する。つまり、X=p+A、Y=c×p+a×Aとする(ステップS66)。
ところで、上述のようにして、燃料電池22及び51が最適化制御装置34によって発電制御されることになるが、燃料電池22及び51に供給するエネルギーは次のようにして選択される。コスト算出部45では、記憶部42からエネルギー単価を読み込んで、LPガス単価とLPガス発電効率に基づいてLPガス発電単価を求める。さらに、コスト算出部45では、天然ガス単価と天然ガス発電効率に基づいて天然ガス発電単価を求める。続いて、コスト算出部45は、LPガス発電単価≧天然ガス発電単価であるか否かを判定し、LPガス発電単価≧天然ガス発電単価であれば、燃料電池22及び/又は55に天然ガスを供給した方が発電単価は安くなるので、コスト算出部45は遮断制御部46によって遮断装置26及び55を閉じ、遮断装置28及び53を開くことになる。
一方、LPガス発電単価<天然ガス発電単価であると、燃料電池22及び/又は51にLPガスを供給した方が発電単価は安くなるので、コスト算出部45は遮断制御部46によって遮断装置28及び53を閉じ、遮断装置26及び55を開くことになる。
また、コスト算出部45では、受電電力及び受電電気単価等に基づいて、受電電力料金(電気料金A)を算出し、さらに、発電単価及び発電電力に基づいて発電電力料金(電気料金D)を得る。そして、これら受電電力料金及び発電電力料金に、売電電力及び売電電気単価に基づいて得られた売電電気料金(電気料金C)を合算した合算値を請求料金算出部48に送る。つまり、コスト算出部45は、(電気料金A+電気料金D−電気料金C)を合算値として請求料金算出部48に送る。
請求料金算出部48はこの合算値を一旦記憶して、例えば、一ヶ月毎に積算し、請求料金として出力する。なお、電気料金Cは例えば(発電電力−需要電力)と売電電気単価とに基づいて算出される。なお、この例では、料金請求を全て電気料金の形式で求めているが、「買電料金−売電料金+天然ガス料金+LPガス料金」として請求料金を求めるようにしてもよい。また、受電電力(需要電力+発電電力−売電電力)等は、図2に示す電力計測器56の位置に、直接受電電力等を計測する計測器を設置して測定するようにしてもよい。
上述の例では、請求料金算出部48が合算値を、例えば、一ヶ月毎に積算し、請求料金として出力するとしたが、コスト算出部45は、第1〜第4の電力検針部43a〜43dの出力及び第1〜第4のガス検針部44a〜44dの出力に基づいて、エネルギー種別毎にその料金を求めるようにしてもよい。この場合には、コスト算出部45はエネルギー種別毎の料金を請求料金算出部48に送り、請求料金算出部48は、エネルギー種別毎に一ヶ月毎に積算し、それぞれ請求料金として出力することになる。
このように、上述の例では、需要家に複数のエネルギー種別に応じて電力を供給する際、各種エネルギー毎の単価にリアルタイムで収集して、これら単価に応じてどのエネルギーを用いるとトータル的にエネルギーコストが安くなるかを常に計算するようにしたので、常に電力料金を安価にすることができる。また、最適化制御装置34において、実績に基づいて発電効率を算出し、発電効率曲線を更新するようにすれば、燃料電池等の発電機の経年による特性変化も反映させてトータルコストの削減を行うことができる。
なお、上述の例では、コストをパラメータとして用いて、エネルギー種別の組み合わせを決定するようにしたが、コスト以外の他のパラメータを用いて、エネルギー種別の組み合わせを選択するようにしてもよい。例えば、二酸化炭素排出量をパラメータとして、エネルギー種別の組み合わせを決定するようにしてもよく、この際には、二酸化炭素排出量が最小となるように、図3〜図6で説明した手法を用いてエネルギー種別の組み合わせを選択することになる。
二酸化炭素排出量をパラメータとして用いる際には、図2において、通信制御部41がネットワーク35を介して各種エネルギー種別毎の二酸化炭素排出量(単位使用量当りの二酸化炭素排出量)をリアルタイムで収集して(例えば、毎日所定の時刻に収集する)、記憶部42に記憶することになる。
このようにして、二酸化炭素排出量をパラメータとして用いるようにすれば、需要家がコストよりも環境負荷を軽減したい等の目的を有している際には、需要家の要望に適切に対処することができる。
また、需要家において、エネルギー種別を選択する際のパラメータを切り替えるようにしてもよい。つまり、需要家のニーズに応じて、複数のモードから所望のモードを選択するようにしてもよい。例えば、コスト優先モードと環境負荷軽減モードとを有する場合、図9に示すように、最適化制御装置34にはモード切替スイッチ110が接続され、モード切替スイッチ110からモード切替信号が計算部120に送られる。なお、計算部120はコスト算出部45と同様の機能を有している(ここでは、パラメータとしてコスト及び二酸化炭素排出量を選択的に用いるため、計算部120とした)。
この場合には、記憶部42にはエネルギー種別毎の単価及びエネルギー種別毎の二酸化炭素排出量が記憶されており、モード切替信号がコスト優先モードを示している際には、コスト算出部45は、記憶部からエネルギー種別毎の単価を読み出して、図3〜図6で説明した手法によってエネルギー種別の選択を行う。
一方、モード切替信号が環境負荷軽減モードを示している際には、コスト算出部45は、記憶部からエネルギー種別毎の二酸化炭素排出量を読み出して、図3〜図6で説明した手法に応じてエネルギー種別の選択を行うことになる。
このように、複数のモードに応じて、エネルギー種別を選択する際のパラメータを変えるようにすれば、需要家のニーズに応じた運転を行うことができる。
さらに、上述の例では、コスト算出部45が燃料電池22及び51の運転を制御する際、現時点の負荷、つまり、第1〜第4の電力検針部43a〜43dの出力及び第1〜第4のガス検針部44a〜44dの出力に基づいて燃料電池22及び51の運転制御を行ったが、コスト算出部45は、現時点を基準時として直前の予め規定された時間の負荷変動を見て、基準時から予め規定された時間後における負荷変動の予測を行うようにしてもよい。
このように、負荷変動の予測を行うことによって、負荷が増加傾向にあるか、それとも減少傾向にあるかを判断することができ、この判断結果によって燃料電池22及び51における発電量の増減量の決定を考慮することができる。
ところで、上述の例では、需要家が負荷として電気負荷のみを用いる例について説明したが、需要家は熱負荷を用いることもある。図7に示す例は、需要家が電気負荷61及び熱負荷62を負荷として用いている例であり、ここでは一台の発電機63とボイラー64とが備えられ、発電機63及びボイラー64には配管70を介してガス(天然ガス又はLPガス等)が供給されている。
なお、図7においては、ガス流量計、遮断装置、遮断器、最適化制御装置、及び電力量計等は省略されている。
電気負荷61には電力線を介して商用電力(A(kW)、単価a(円/kW))が供給される。また、発電機63には、H(リットル)のガスが供給されて、C(kW)の発電を行って電力線25に供給する。また、発電機63で発生する熱D(J)は熱負荷62に供給される。さらに、ボイラー64にはI(リットル)のガスが供給され、E(J)の熱を発生し、この熱を熱負荷62に与える。
また、発電機63の最大発電量をC’(kW)とし、最大熱量をD’(J)とする。そして、C’(kW)の際に、発電機63は最大熱量D’(J)を発生する。さらに、発電機63はその発電効率(変換効率)がαであり、熱変換効率がβである。ボイラー64の最大熱量をE’(J)とし、その変換効率をγとする。なお、電気負荷61はX(kW)であり、熱負荷62はQ(J)であるものとする。
いま売電を行わない場合には、総コストYは、Y=a×A+g×Gとなり,最適化制御装置は総コストYが最小となるように発電機63とボイラー64を制御することになる。ここで、X=A+C=A+α×H、G=H+I、Q=β×H+γ×I=D+E(Q以上の発生熱量を廃棄する場合はQ≦β×H+γ×I=D+Eとなる)である。ここで、gはガスの単価(円/リットル)である。
一方、売電を行う場合には、Y=−b×B+g×Gとなり,最適化制御装置は総コストYが最小となるように発電機63とボイラー64を制御することになる。ここで、bは売電単価(円/kW)、Bは売電量(kW)である。ただし、X≦C’、X=−B+α×H、G=H+I、Q=β×H+γ×I=D+E(Q以上の発生熱量を廃棄する場合はQ≦β×H+γ×I=D+Eとなる)である。
続いて、図8を参照して、図8は図1に示すシステムにボイラー64と熱負荷62が新たに加わったシステムであり、図1における需要家は電気負荷61と熱負荷62とを有している。なお、図8においても、ガス流量計、遮断装置、遮断器、最適化制御装置、及び電力量計等は省略されている。また、図8において図1と同一の構成要素は同一の参照番号で示され、燃料電池22及び51は発電機63及び65として示されている。
また、ここでは複数種類のガス(例えば、LPガス及び天然ガス)が、図1で説明したように選択的に発電機63及び65に供給される。なお、図示の例では、ボイラー64に複数数のガスが同時に供給されるものとする。
電気負荷(XkW)61には電力線25を介して商用電力(A(kW)、単価a(円/kW))が供給される。また、前述したように、発電機63及び65には、第1及び第2のガスが配管23及び24を介して選択的に供給される。さらに、ボイラー64に対しても第1及び第2のガスが選択的に配管23及び24を介して供給される。そして、発電機63及び65によって発電された電力は電力線25に供給され、発電機63及び65で発生する熱は熱負荷(Q(J))62に供給される。そして、ボイラー64で発生した熱も熱負荷62に与えられる。
ここで、第1のガスが供給された際の発電機63の電気変換効率をc、第2のガスが供給された際の発電機63の電気変換効率をc’とする。また、発電機63の最大出力をP’とする。そして、第1のガスが供給された際の発電機63の熱変換効率をd、第2のガスが供給された際の発電機63の熱変換効率をd’とする。
同様に、第1のガスが供給された際の発電機65の電気変換効率をe、第2のガスが供給された際の発電機65の電気変換効率をe’とする。また、発電機65の最大出力をS’とする。そして、第1のガスが供給された際の発電機65の熱変換効率をf、第2のガスが供給された際の発電機65の熱変換効率をf’とする。なお、ボイラー64の熱変換効率は、第1のガスにおいてh、第2のガスにおいてh’とする。
いま売電を行わない場合には、総コストYは、Y=a×A+g×G+k×Kとなり,最適化制御装置は総コストYが最小となるように発電機63,65とボイラー64を制御することになる。ここで、gは第1のガスの単価(円/リットル)であり、Gは第1のガスの流量(リットル)である。また、kは第2のガスの単価(円/リットル)であり、Kは第2のガスの流量(リットル)である。
なお、G=L+M+Nであり、K=L’+M’+N’である。そして、Lは発電機63に供給される第1のガスの流量、L’は発電機63に供給される第2のガスの流量である。また、Mは発電機65に供給される第1のガスの流量、M’は発電機65に供給される第2のガスの流量である。そして、Nはボイラー64に供給される第1のガスの流量、N’はボイラー64に供給される第2のガスの流量である。
いま、発電機63及び65が使用するガスのパターンとして、発電機63及び65が第1のガスを使用している場合(第1のパターン)、発電機63が第1のガスを使用し、発電機65が第2のガスを使用している場合(第2のパターン)、発電機63が第2のガスを使用し、発電機65が第1のガスを使用している場合(第3のパターン)、発電機63及び65が第2のガスを使用している場合(第4のパターン)がある。
第1のパターンにおいては、X=A+c×L+e×M、Q=d×L+f×M+h×N+h’×N’と表すことができ、第2のパターンにおいては、X=A+c×L+e’×M’、Q=d×L+f’×M’+h×N+h’×N’と表すことができる。また、第3のパターンにおいては、X=A+c’×L’+e×M、Q=d’×L’+f×M+h×N+h’×N’と表すことができ、第4のパターンにおいては、X=A+c’×L’+e’×M’、Q=d’×L’+f’×M’+h×N+h’×N’と表すことができる。そして、最適化制御装置はこれら第1〜第4のパターン毎において総コストYを算出し、総コストYが最小となるパターンを選択することになる。なお,Q以上の発生熱量を廃棄する場合は第1〜第4のパターンにおけるQ=の条件はQ≦となる。
一方、売電を行う場合には、Y=−b×B+g×G+kKとなる。ここで、bは売電単価(円/kW)、Bは売電量(kW)である。ただし、X≦P’+C’、G=L+M+Nであり、K=L’+M’+N’である。
売電の場合においても、発電機63及び65が使用するガスのパターンとして、発電機63及び65が第1のガスを使用している場合(第5のパターン)、発電機63が第1のガスを使用し、発電機65が第2のガスを使用している場合(第6のパターン)、発電機63が第2のガスを使用し、発電機65が第1のガスを使用している場合(第7のパターン)、発電機63及び65が第2のガスを使用している場合(第8のパターン)がある。
第5のパターンにおいては、X=−B+c×L+e×M、Q=d×L+f×M+h×N+h’×N’と表すことができ、第6のパターンにおいては、X=−B+c×L+e’×M’、Q=d×L+f’×M’+h×N+h’×N’と表すことができる。また、第7のパターンにおいては、X=−B+c’×L’+e×M、Q=d’×L’+f×M+h×N+h’×N’と表すことができ、第8のパターンにおいては、X=−B+c’×L’+e’×M’、Q=d’×L’+f’×M’+h×N+h’×N’と表すことができる。そして、最適化制御装置はこれら第5〜第8のパターン毎において総コストYを算出し、総コストYが最小となるパターンを選択することになる。なお,Q以上の発生熱量を廃棄する場合は第5〜第8のパターンにおけるQ=の条件はQ≦となる。
このように、燃料電池の代わりにジーゼル発電機等の発電機を用いて、発電機で発生した熱を活用するコージェネレーションシステムにも適用できる。つまり、上述したように、電力に限らず、各種エネルギーを選択的に用いて給湯、空調等を行う場合にも適用できる。そして、複数のエネルギー種別を選択してエネルギーを需要家に供給する際に、エネルギー種別毎にその単価の変動をリアルタイムで収集して、これら単価に応じてそのトータルのコストが最も安価なエネルギー種別の組み合わせを選択するようにすれば、各種エネルギーを選択的に使用する場合に、そのトータルのコストを最も安価にすることができる。
また、上述の実施の形態から明らかなように、最適化制御装置34が収集手段及び判定手段として機能し、最適化制御装置34、遮断装置、遮断器、及び燃料電池が供給手段として機能することになる。
ところで、上記の熱負荷62には、温水器が含まれており、温水器を暖めるようにしてもよい。この場合には、例えば、電源単価を、電源コスト単価−夜間温水器電力不要分とし、上述した手法でトータルコストを算出することになる。
なお、エネルギーの需要家は、例えば本システムのサービス提供者1社と契約のみで複数のエネルギーを調達できる可能性が広がる。さらに、サービス提供者は、最適化制御装置34のデータを蓄積・分析することで、各需要家におけるエネルギーの使用傾向がつかめ、供給者としての複数のエネルギーを組み合わせた効率的な供給設備の構築することができる。