JP2009189229A - 送電制御装置、無接点電力伝送システム、送電装置、電子機器および波形モニタ回路 - Google Patents

送電制御装置、無接点電力伝送システム、送電装置、電子機器および波形モニタ回路 Download PDF

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幸太 大西
Masayuki Kamiyama
正之 神山
Nobutaka Shiozaki
伸敬 塩崎
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貴宏 上條
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Abstract

【課題】無接点電力伝送システムにおいて、1次コイルに接続される他の回路の動作も考慮した、安定的かつ信頼性の高い故障検出を実現すること。
【解決手段】送電制御装置20は、送電装置の動作を制御する送電側制御回路22と、第1の送電ドライバ13および第2の送電ドライバ15の動作を制御するドライバ制御回路26と、波形モニタ回路14のモニタ信号に基づいて波形検出処理を実行する波形検出回路28と、を含み、第1の送電ドライバ13は、コンデンサを介さずに1次コイルの第1のノードN1を駆動し、第2の送電ドライバ15は、コンデンサC2を介して1次コイルの第2のノードN2を駆動し、波形モニタ回路14における、1次コイルと低レベル電源電位との間の信号経路にはスイッチ回路SW3が設けられ、送電側制御回路は、切換制御信号によって、スイッチ回路SW3のオン/オフを切り換える。
【選択図】図2

Description

本発明は、送電制御装置、無接点電力伝送システム、送電装置、電子機器および波形モニタ回路等に関する。
近年、電磁誘導を利用し、金属部分の接点がなくても電力伝送を可能にする無接点電力伝送(非接触電力伝送)が脚光を浴びている、この無接点電力伝送の適用例として、携帯電話機や家庭用機器(例えば電話機の子機)の充電などが提案されている。
1次コイルと2次コイルを用いた無接点電力伝送装置は、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載される無接点電力伝送システムでは、1次コイルを駆動するドライバとして、CMOS構成のドライバ(CMOSドライバ)を使用し、かつ、各CMOSドライバには、貫通電流を防止するための制御回路(タイミング制御回路)が設けられている。その制御回路(タイミング制御回路)は、PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの同時オンを防止することによって貫通電流が流れるのを防止する。1次側のドライバにおける貫通電流の防止は、ドライバ故障の未然防止に有効である。
特開2006−60909号公報(図3)
特許文献1に記載される無接点電力伝送システムでは、1次コイルを駆動するドライバの各トランジスタの駆動タイミングを調整することによって貫通電流を防止することはできるが、各トランジスタの短絡故障については何ら対策されていない。
例えば、CMOSドライバを構成するトランジスタに初期故障が生じている場合には、通常駆動を行う前に、その初期故障を検出し、通常駆動を行わずに、その機器を回収して修理するといった迅速かつ適切な対応をとるのが、安全上、より望ましいといえる。但し、1次コイルには種々の回路が接続される可能性がある。したがって、初期故障検出に際しては、1次コイルに接続される回路の動作も考慮して、安定的かつ信頼性の高い、新規な故障検出方式が必要となる。
また、1次コイルには、他の回路(波形検出回路等)が接続される。よって、正確な初期故障検出を実現するためには、1次コイルに接続される他の回路の影響も考慮する必要がある。
本発明の幾つかの実施態様によれば、無接点電力伝送システムにおいて、1次コイルに接続される他の回路の動作も考慮した、安定的かつ信頼性の高い故障検出を実現することが可能となる。
(1)本発明の送電制御装置の一態様は、1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて送電装置から受電装置に対して電力を伝送し、前記受電装置の負荷に対して前記電力を供給する無接点電力伝送システムの前記送電装置に設けられる送電制御装置であって、前記送電装置の動作を制御する送電側制御回路と、前記送電装置の送電部に設けられる第1の送電ドライバおよび第2の送電ドライバの動作を制御するドライバ制御回路と、前記1次コイルの電圧および電流の少なくとも一方をモニタする波形モニタ回路のモニタ信号に基づいて波形検出処理を実行する波形検出回路と、を含み、前記第1の送電ドライバは、コンデンサを介さずに前記1次コイルの第1のノードを駆動し、前記第2の送電ドライバは、コンデンサを介して前記1次コイルの第2のノードを駆動し、前記波形モニタ回路における、前記1次コイルと低レベル電源電位との間の信号経路にはスイッチ回路が設けられ、前記送電側制御回路は、切換制御信号によって、前記スイッチ回路のオン/オフを切り換える。
1次コイルに接続される波形モニタ回路にスイッチ回路が設けられ、そのスイッチ回路のオン/オフが、送電制御装置の送電側制御回路が出力する切換制御信号によって制御される。また、1次コイルの片側の端部のみにコンデンサが設けられる。LC直列共振回路を構成するためには、1次コイルと1個のコンデンサがあればよく、コンデンサの耐圧の問題が生じなければ、1次コイルの両端部の各々にコンデンサを設ける必要がない。コンデンサの数が減ることによって、コンデンサにおける損失が低減され、部品点数が削減され、送電部の実装面積も低減される。但し、1次コイルの一方の端のコンデンサを削除すると、1次コイルの第1のノードと波形モニタ回路とが直流的に直結する。よって、1次コイルの第1のノードの直流電圧(直流電流)の測定に際して、1次コイルから、波形モニタ回路を経由して低レベル電源電位(例えばグランド)に直流電流が流れ、このことに起因して、測定精度が低下する場合がある。このような場合に、波形モニタ回路に設けられたスイッチ回路をオフする。スイッチ回路のオフによって、1次コイルと低レベル電源電位(グランド等)とを結ぶ信号経路が遮断され、不要な電流が流れることが防止される。したがって、1次コイルの電圧や電流の測定精度が低下しない。1次コイルの直流電圧(直流電流)を測定する必要性は、例えば、送電ドライバの初期故障診断時に生じる。但し、これに限定されるものではなく、他の用途にも、本態様の構成を使用することができる。例えば、送電ドライバの性能評価時や、直列共振回路を構成するコンデンサの耐圧測定時においても、1次コイルの電圧を正確に測定する必要が生じるため、本態様の構成を利用することができる。さらに他の用途に、本態様の構成を利用することもできる。また、1次コイルに、波形モニタ回路の他に、さらに他の回路が接続され、その他の回路においても洩れ電流が生じる可能性がある場合には、その他の回路にもスイッチ回路を設けるのが有効である。この点を考慮すると、上述の「波形モニタ回路」は、広義には、「1次コイルに接続される少なくとも一つの回路」と言い換えることができる。
(2)本発明の送電制御装置の他の態様では、前記波形モニタ回路における、前記1次コイルと低レベル電源電位との間の信号経路が複数ある場合には、各々の前記信号経路に、前記スイッチ回路が設けられる。
直流電流が低レベル電源電位に流れる可能性のある信号経路が複数、並列にある場合には、信号経路の各々に、スイッチ回路を設け、各スイッチ回路を、送電側制御回路の切換制御信号によって制御する。これによって、複数の信号経路がある場合でも、1次コイルの直流電圧(直流電流)の測定の際に、不要な直流電流が低レベル電源電位(グランド等)に洩れることがなく、正確な測定が可能である。
(3)本発明の送電制御装置の他の態様では、前記送電部は、前記1次コイルの前記第1のノードを駆動する第1のテスト用ドライバと、前記第2の送電ドライバの出力ノードと前記コンデンサの一極との共通接続ノードである第3のノードを駆動する第2のテスト用ドライバと、を有し、前記送電側制御回路は、前記第1および第2のテスト用ドライバを用いて前記第1および第2の送電ドライバの初期故障検出を実行するときに、前記切換制御信号によって、前記スイッチ回路をオフさせる。
テスト用ドライバを用いた第1および第2の送電ドライバの故障検出では、例えば、第1および第2の送電ドライバを構成するトランジスタに、許容値を超えるリーク電流が生じているか否かの判定が重要となる(但し、故障検出の内容がこれに限定されるものではない)。例えば、リーク電流量が許容値を超えてはいるものの、それほど多くはない場合も、送電ドライバに故障が生じていることに違いはなく、「故障が生じている」と正確に判定する必要がある。したがって、初期故障検出は精密に行う必要があり、波形モニタ回路等の他の回路を経由してグランドに流れる直流電流が、仮に微小であったとしても、その不要な直流電流によって生じる誤差によって、正確な判定ができない場合があり得る。そこで、送電ドライバの初期故障診断時に、スイッチ回路をオフして、誤差原因となる直流電流を完全に遮断することによって、正確な初期故障診断が実現される。
(4)本発明の送電制御装置の他の態様では、前記送電側制御回路は、前記第1の送電ドライバまたは第2の送電ドライバの各々の入力信号のレベルを、前記1次コイルの前記第1のノードまたは前記第3のノードがフローティング状態となるレベルとし、その状態で、前記第1のテスト用ドライバおよび前記第2のテスト用ドライバの各々によって前記1次コイルの前記第1のノードおよび前記第3のノードの各々を駆動し、前記第1のノードまたは前記第3のノードの電圧が、前記第1のテスト用ドライバまたは前記第2のテスト用ドライバの駆動出力レベルに対応した電圧ではないときに、前記第1の送電ドライバまたは前記第2の送電ドライバには初期故障が生じていると判定する。
送電ドライバの初期故障診断時には、第1および第2の送電ドライバの各トランジスタの入力レベルを調整して各トランジスタをすべてオフ状態とする。これによって第1および第2の送電ドライバの出力端はフローティング状態となる。この状態で、テスト用ドライバによって1次コイルを駆動する。第1および第2の送電ドライバは無力化されているため、第1および第3のノードの各々の電圧は、テスト用ドライバの支配下にある。第1および第3のノードの電圧は、テスト用ドライバの出力レベルに応じて変化するはずである。第1および第2の送電ドライバのいずれかに初期故障が生じている場合(トランジスタに短絡が生じている場合や、トランジスタのリーク電流が正常値よりも大きい場合等)には、故障しているトランジスタのリーク電流によって、第1および第3のノードの電圧はテスト用ドライバの出力電圧に一致しなくなる。したがって、初期故障を検出することができる。
(5)本発明の無接点電力伝送システムの一態様は、1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて送電装置から受電装置に対して電力を伝送し、前記受電装置の負荷に対して前記電力を供給する無接点電力伝送システムであって、前記送電装置は、第1の送電ドライバおよび第2の送電ドライバを有する送電部と、前記送電装置の動作を制御する送電制御装置と、前記1次コイルの電圧および電流の少なくとも一方をモニタする波形モニタ回路と、を含み、前記波形モニタ回路における、前記1次コイルと低レベル電源電位との間の信号経路にはスイッチ回路が設けられ、また、前記送電制御装置は、前記送電装置の動作を制御する送電側制御回路と、前記第1の送電ドライバおよび前記第2の送電ドライバの動作を制御するドライバ制御回路と、前記波形モニタ回路のモニタ信号に基づいて波形検出処理を実行する波形検出回路と、を含み、前記第1の送電ドライバは、コンデンサを介さずに前記1次コイルの第1のノードを駆動し、前記第2の送電ドライバは、コンデンサを介して前記1次コイルの第2のノードを駆動し、前記送電側制御回路は、切換制御信号によって、前記波形モニタ回路に設けられる前記スイッチ回路のオン/オフを切り換え、また、前記受電装置は、前記2次コイルの誘電電圧を整流する整流回路を含む受電部と、前記受電装置から送電装置へのデータ送信のための負荷変調部と、前記負荷への給電を制御する給電制御部と、を有する。
本態様の無接点電力伝送システムでは、1次コイルの片側の端部のみにコンデンサが設けられる。LC直列共振回路を構成するためには、1次コイルと1個のコンデンサがあればよく、コンデンサの耐圧の問題が生じなければ、1次コイルの両端部の各々にコンデンサを設ける必要がない。コンデンサの数が減ることによって、コンデンサにおける損失が低減され、部品点数が削減され、送電部の実装面積も低減される。よって小型の無接点電力伝送システムを実現する上で有利である。また、1次コイルに接続される波形モニタ回路にスイッチ回路が設けられ、そのスイッチ回路のオン/オフが、送電制御装置の送電側制御回路が出力する切換制御信号によって制御される。例えば、1次コイルの直流電圧や直流電流の測定の際に、スイッチ回路をオフすることによって、測定誤差の原因となる漏れ電流を完全に遮断することができ、正確な測定が可能である。このことは、送電装置の信頼性、安全性の向上に貢献する。よって、無接点電力伝送システムの信頼性、安全性が向上する。
(6)本発明の無接点電力伝送システムの他の態様では、前記波形モニタ回路における、前記1次コイルと低レベル電源電位との間の信号経路が複数ある場合には、各々の前記信号経路に、前記スイッチ回路が設けられる。
送電装置において、直流電流が低レベル電源電位に流れる可能性のある信号経路が複数、並列にある場合には、信号経路の各々に、スイッチ回路を設け、各スイッチ回路を、送電側制御回路の切換制御信号によって制御する。これによって、複数の信号経路がある場合でも、1次コイルの直流電圧(直流電流)の測定の際に、不要な直流電流が低レベル電源電位(グランド等)に洩れることがなく、正確な測定が可能である。
(7)本発明の無接点電力伝送システムの他の態様では、前記送電部は、前記1次コイルの前記第1のノードを駆動する第1のテスト用ドライバと、前記第2の送電ドライバの出力ノードと前記コンデンサの一極との共通接続ノードである第3のノードを駆動する第2のテスト用ドライバと、を有し、前記送電側制御回路は、前記第1および第2のテスト用ドライバを用いて前記第1および第2の送電ドライバの初期故障検出を実行するときに、前記切換制御信号によって、前記スイッチ回路をオフさせる。
送電ドライバの初期故障診断時に、スイッチ回路をオフして、誤差原因となる直流電流を完全に遮断することによって、正確な初期故障診断が実現される。よって、無接点電力伝送システムの信頼性、安全性が向上する。
(8)本発明の無接点電力伝送システムの他の態様では、前記送電側制御回路は、前記第1の送電ドライバまたは前記第2の送電ドライバの各々の入力信号のレベルを、前記1次コイルの前記第1のノードまたは前記第3のノードがフローティング状態となるレベルとし、その状態で、前記第1のテスト用ドライバおよび前記第2のテスト用ドライバの各々によって前記1次コイルの前記第1のノードおよび前記第3のノードの各々を駆動し、前記第1のノードまたは前記第3のノードの電圧が、前記第1のテスト用ドライバまたは前記第2のテスト用ドライバの駆動出力レベルに対応した電圧ではないときに、前記第1の送電ドライバまたは前記第2の送電ドライバには初期故障が生じていると判定する。
送電ドライバの初期故障診断時には、第1および第2の送電ドライバの各トランジスタの入力レベルを調整して各トランジスタをすべてオフ状態とする。これによって第1および第2の送電ドライバの出力端はフローティング状態となる。この状態で、テスト用ドライバによって1次コイルを駆動する。第1および第2の送電ドライバは無力化されているため、第1および第3のノードの各々の電圧は、テスト用ドライバの支配下にある。第1および第3のノードの電圧は、テスト用ドライバの出力レベルに応じて変化するはずである。第1および第2の送電ドライバのいずれかに初期故障が生じている場合(トランジスタに短絡が生じている場合や、トランジスタのリーク電流が正常値よりも大きい場合等)には、故障しているトランジスタのリーク電流によって、第1および第3のノードの電圧はテスト用ドライバの出力電圧に一致しなくなる。したがって、送電部の送電ドライバにおける初期故障を検出することができる。簡単な回路を用いて送電装置の不良を検出できるため、無接点電力伝送システムの信頼性、安全性が向上する。
(9)本発明の送電装置の一態様は、上記(1)または(2)の態様の送電制御装置と、前記1次コイルを駆動する前記第1および第2の送電ドライバを有する送電部と、前記スイッチ回路を有する波形モニタ回路と、を含む。
本態様の送電装置を使用することによって、信頼性、安全性の高い無接点電力システムを実現することができる。
(10)本発明の導電装置の一態様は、上記(3)または(4)の態様の送電制御装置と、前記1次コイルを駆動する前記第1および第2の送電ドライバと、前記1次コイルの前記第1のノードを駆動する第1のテスト用ドライバと、前記1次コイルの前記第2のノードを駆動する第2のテスト用ドライバと、を有する送電部と、前記スイッチ回路を有する波形モニタ回路と、を含む。
本態様の送電装置を使用することによって、信頼性、安全性の高い無接点電力システムを実現することができる。
(11)本発明の電子機器は、本発明のいずれかの態様の送電装置を含むことを特徴とする電子機器。
本発明によって、無接点電力伝送が可能な、安全性の高い電子機器(例えば、携帯端末の2次電池を無接点電力伝送によって充電する機能をもつ充電台(クレードル))を得ることができる。
このように、本発明の幾つかの実施態様によれば、無接点電力伝送システムにおいて、1次コイルに接続される他の回路の動作も考慮した、安定的かつ信頼性の高い故障検出を実現することが可能となる。
(12)本発明の波形モニタ回路は、1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて送電装置から受電装置に対して電力を伝送する無接点電力伝送システムの前記送電装置に設けられ、前記1次コイルの電圧および電流の少なくとも一方をモニタする波形モニタ回路であって、一端および他端を有し、前記一端が前記1次コイルに電気的に接続された抵抗と、前記抵抗の前記他端と低レベル電源電位との間の信号経路に設けられたスイッチ回路と、を含む。
波形モニタ回路に設けられるスイッチ回路をオフすることによって、1次コイルから波形モニタ回路を経由して低レベル電源電位に流れる電流を完全に遮断することができる。例えば、1次コイルを駆動する送電ドライバの初期故障検出時において、スイッチ回路をオフすることによって、1次コイルの一端の電圧を高レベルにしようとした場合に、不要な電流が波形モニタ回路を経由して低レベル電源電位に洩れることが防止される。よって、正確な送電ドライバの初期故障検出が実現される。初期故障検出時のみならず、波形モニタ回路の抵抗を経由して流れる直流電流が無視できないことによって、何らかの不都合が生じる場合は、適宜、適切なタイミングでスイッチ回路をオフすることによって、上記の不都合を回避することができる。このことは、無接点電力伝送システムの、例えば信頼性の向上に寄与する。
図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(第1の実施形態)
まず、本発明が適用される好適な電子機器の例、ならびに、無接点電力伝送技術の原理について説明する。
(電子機器の例と無接点電力伝送の原理)
図1(A)および図1(B)は、無接点電力伝送手法が適用される電子機器の例ならびに誘導トランスを用いた無接点電力伝送の原理を説明するための図である。
図1(A)に示されるように、送電側電子機器である充電器(クレードル)500は、送電装置(送電側制御回路(送電側制御IC)を含む送電モジュール等)10を有する。
受電側機器である携帯電話機510は、受電装置(受電側制御回路(受電側制御IC)を含む受電モジュール等)40を有する。この携帯電話機510は、LCDなどの表示部512、ボタン等で構成される操作部514、マイク516(音入力部)、スピーカ518(音出力部)、アンテナ520を有する。
充電器500にはACアダプタ502を介して電力が供給される。この電力が、無接点電力伝送により送電装置10から受電装置40に送電される。これにより、携帯電話機510のバッテリを充電したり、携帯電話機510内のデバイスを動作させたりすることができる。
図1(B)に模式的に示すように、送電装置10から受電装置40への電力伝送は、送電装置10側に設けられた1次コイルL1(送電コイル)と、受電装置40側に設けられた2次コイルL2(受電コイル)を電磁的に結合させて電力伝送トランスを形成することで実現される。これにより非接触での電力伝送が可能になる。
なお、本実施形態が適用される電子機器は携帯電話機510に限定されない。例えば腕時計、コードレス電話器、シェーバー、電動歯ブラシ、リストコンピュータ、ハンディターミナル、携帯情報端末、あるいは電動自転車などの種々の電子機器に適用できる。
特に好適な電子機器の例としては、携帯端末(携帯電話端末、PDA端末、持ち運び可能なパーソナルコンピュータ端末を含む)や時計(ウオッチ)があげられる。本発明の受電装置は、構成が簡単で小型であるため携帯端末等への搭載も可能であり、低損失であるために、例えば、電子機器における2次電池の充電時間を短縮することが可能であり、また、発熱が低減されることから、電子機器の安全面からみた信頼性も向上する。
特に、携帯端末(携帯電話端末、PDA端末、持ち運び可能なパーソナルコンピュータ端末を含む)は、高負荷時の充電電流量が大きく、発熱の問題も顕在化しやすい。よって、本発明が有する低損失かつ低発熱という特性を十分に活かすことが可能な機器といえる。
(送電装置および受電装置の構成例)
図2は、送電装置、受電装置を含む無接点電力伝送システムにおける、各部の具体的な構成の一例を示す回路図である。図示されるように、送電装置10は、送電制御装置20と、送電部12と、波形モニタ回路14と、を有する。また、送電制御装置20は、送電側制御回路22と、発振回路24と、ドライバ制御回路26と、波形検出回路28と、を有する。
また、受電装置40には、受電部42と、負荷変調部46と、給電制御部48とが設けられている。また、負荷90は、充電制御装置92とバッテリ(2次電池)94が含まれる。以下具体的に説明する。充電器500などの送電側の電子機器は、少なくとも図2に示される送電装置10を含む。また、携帯電話機510などの受電側の電子機器は、少なくとも受電装置40と負荷90を含む。そして、図2の構成により、1次コイルL1と2次コイルL2を電磁的に結合させて送電装置10から受電装置40に対して電力を伝送し、受電装置40の電圧出力ノードNB6から負荷90に対して電力(電圧VOUT)を供給する無接点電力伝送(非接触電力伝送)システムが実現される。
送電装置10(送電モジュール、1次モジュール)は、1次コイルL1、送電部12、波形モニタ回路14、表示部16、送電制御装置20を含むことができる。送電部12は、第1の送電ドライバ13および第2の送電ドライバ15を有する。
第1の送電ドライバ13は、コンデンサを介さずに1次コイルL1の一方の端部(第1のノードN1)を駆動する。第2の送電ドライバ15は、直列共振用コンデンサC2を介して、1次コイルL1の他方の端部(第2のノードN2)を駆動する。1次コイルL1とコンデンサC2は直列共振回路を構成する。また、送電部12には、第1および第2の送電ドライバ(13,15)の初期故障検出のための、少なくとも一つのテスト用ドライバ(図2では不図示)が設けられる。第1の送電ドライバ13の初期故障検出時には、テスト用ドライバ(図2では不図示)は、第1のノードN1を駆動する。第2の送電ドライバ13の初期故障検出時には、テスト用ドライバ(図2では不図示)は、第2の送電ドライバ15の出力ノード(出力端)とコンデンサC2の一極との共通接続ノードである第3のノードN3を駆動する。第3のノードN3は、コンデンサC2によって、波形モニタ回路14から直流的に分離される。第1のノードN1は、コンデンサがないことから、波形モニタ回路14と直流的に直結される。
また、波形モニタ回路14において、1次コイルL1と低レベル電源電位(グランド)との間の信号経路には、スイッチ回路SW3が設けられる。すなわち、例えば、ノードN1の電圧を測定する際に、波形モニタ回路14を経由して直流電流が流れると測定誤差が生じる。よって、これを防止できるように、波形モニタ回路14内の、1次コイルとグランドとを結ぶ信号経路にスイッチ回路を設けるものである。このスイッチ回路SW3のオン/オフは、送電側制御回路22から出力される切換制御信号QC1によって制御される。スイッチ回路SW3のオン/オフ制御については後述する。
なお、送電装置10や送電制御装置20は図2の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば表示部)を省略したり、他の構成要素を追加したり、接続関係を変更するなどの種々の変形実施が可能である。送電部12は、電力伝送時には所定周波数の交流電圧を生成し、データ転送時にはデータに応じて周波数が異なる交流電圧を生成して、1次コイルL1に供給する。
図3(A)および図3(B)は、送電側機器と受電側機器との間の情報伝送の原理の一例を説明するための図である。1次側から2次側への情報伝達には周波数変調が利用される。また、2次側から1次側への情報伝達には負荷変調が利用される。図3(A)に示されるように、例えば、データ「1」を送電装置10から受電装置40に対して送信する場合には、周波数f1の交流電圧を生成し、データ「0」を送信する場合には、周波数f2の交流電圧を生成する。また、図3(B)に示すように、受電装置40は、負荷変調によって低負荷状態/高負荷状態を切り換えることができ、これによって、「0」,「1」を1次側(送電装置10)に送信することができる。
図2に戻って説明を続ける。図2の送電部12は、1次コイルL1の一端を駆動する第1の送電ドライバと、1次コイルL1の他端を駆動する第2の送電ドライバと、1次コイルL1と共に共振回路を構成する少なくとも1つのコンデンサを含むことができる。そして、送電部12が含む第1、第2の送電ドライバの各々は、例えば、パワーMOSトランジスタにより構成されるインバータ回路(あるいはバッファ回路)であり、送電制御装置20のドライバ制御回路26により制御される。
1次コイルL1(送電側コイル)は、2次コイルL2(受電側コイル)と電磁結合して電力伝送用トランスを形成する。例えば、電力伝送が必要なときには、図1に示すように、充電器500の上に携帯電話機510を置き、1次コイルL1の磁束が2次コイルL2を通るような状態にする。一方、電力伝送が不要なときには、充電器500と携帯電話機510を物理的に離して、1次コイルL1の磁束が2次コイルL2を通らないような状態にする。
波形モニタ回路14は、1次コイルL1の誘起電圧を検出する回路であり、例えば、抵抗RA1、RA2や、RA1とRA2の接続ノードNA3とGND(広義には低電位側電源)との間に設けられるダイオードDA1を含む。具体的には、1次コイルの誘起電圧を抵抗RA1、RA2で分圧することによって得られた信号PHINが、送電制御装置20の波形検出回路28に入力される。
表示部16は、無接点電力伝送システムの各種状態(電力伝送中、ID認証等)を、色や画像などを用いて表示するものであり、例えばLED(発光ダイオード)やLCD(液晶表示装置)などにより実現される。
送電制御装置20は、送電装置10の各種制御を行う装置であり、集積回路装置(IC)などにより実現できる。この送電制御装置20は、送電側制御回路22と、発振回路24と、ドライバ制御回路26と、波形検出回路28と、を含む。
また、送電側制御回路22は、送電装置10や送電制御装置20の制御を行うものであり、例えば、ゲートアレイやマイクロコンピュータなどにより実現できる。
具体的には、送電側制御回路22は、電力伝送、負荷検出、周波数変調、異物検出、あるいは着脱検出などに必要な各種のシーケンス制御や判定処理を行う。
発振回路24は、例えば、水晶発振回路により構成され、1次側のクロックを生成する。ドライバ制御回路26は、発振回路24で生成されたクロックや制御回路22からの周波数設定信号などに基づいて、所望の周波数の制御信号を生成し、送電部12の送電ドライバ(不図示)に出力し、その送電ドライバの動作を制御する。
波形検出回路28は、1次コイルL1の一端の誘起電圧に相当する信号PHINの波形をモニタし、負荷検出、異物検出等を行う。例えば、受電装置40の負荷変調部46が、送電装置10に対してデータを送信するための負荷変調を行うと、1次コイルL1の誘起電圧の信号波形が、それに対応して変化する。
具体的には、例えば図3(B)に示すように、データ「0」を送信するために、受電装置40の負荷変調部46が負荷を低くすると、信号波形の振幅(ピーク電圧)が小さくなり、データ「1」を送信するために負荷を高くすると、信号波形の振幅が大きくなる。したがって、波形検出回路28は、誘起電圧の信号波形のピークホールド処理などを行って、ピーク電圧がしきい値電圧を超えたか否かを判断することで、受電装置40からのデータが「0」なのか「1」なのかを判断できる。なお、波形検出の手法は、上述の手法に限定されない。例えば、受電側の負荷が高くなったか低くなったかを、ピーク電圧以外の物理量を用いて判断してもよい。
受電装置40(受電モジュール、2次モジュール)は、2次コイルL2、受電部42、負荷変調部46、給電制御部48、受電制御装置50を含むことができる。なお、受電装置40や受電制御装置50は図2の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加したり、接続関係を変更するなどの種々の変形実施が可能である。
受電部42は、2次コイルL2の交流の誘起電圧を直流電圧に変換する。この変換は受電部42が有する整流回路43により行われる。この整流回路43は、ダイオードDB1〜DB4を含む。ダイオードDB1は、2次コイルL2の一端のノードNB1と直流電圧VDCの生成ノードNB3との間に設けられ、DB2は、ノードNB3と2次コイルL2の他端のノードNB2との間に設けられ、DB3は、ノードNB2とVSSのノードNB4との間に設けられ、DB4は、ノードNB4とNB1との間に設けられる。
受電部42の抵抗RB1、RB2はノードNB1とNB4との間に設けられる。そしてノードNB1、NB4間の電圧を抵抗RB1、RB2により分圧することで得られた信号CCMPIが、受電制御装置50の周波数検出回路60に入力される。
受電部42のコンデンサCB1及び抵抗RB4、RB5は、直流電圧VDCのノードNB3とVSSのノードNB4との間に設けられる。そしてノードNB3、NB4間の電圧を抵抗RB4、RB5により分圧して得られる分圧電圧VD4は、信号線LP2を経由して、受電側制御回路52および位置検出回路56に入力される。位置検出回路56に関しては、その分圧電圧VD4が、位置検出のための信号入力(ADIN)となる。
負荷変調部46は、負荷変調処理を行う。具体的には、受電装置40から送電装置10に所望のデータを送信する場合に、送信データに応じて負荷変調部46(2次側)での負荷を可変に変化させ、1次コイルL1の誘起電圧の信号波形を変化させる。このために負荷変調部46は、ノードNB3、NB4の間に直列に設けられた抵抗RB3、トランジスタTB3(N型のCMOSトランジスタ)を含む。
このトランジスタTB3は、受電制御装置50の受電側制御回路52から信号線LP3を経由して与えられる制御信号P3Qによりオン・オフ制御される。通常送電が開始される前の認証ステージにおいて、トランジスタTB3をオン・オフ制御して負荷変調を行って送電装置に信号を送信する際には、給電制御部48のトランジスタTB2はオフにされ、負荷90が受電装置40に電気的に接続されない状態になる。
例えば、データ「0」を送信するために2次側を低負荷(インピーダンス大)にする場合には、信号P3QがLレベルになってトランジスタTB3がオフになる。これにより負荷変調部46の負荷はほぼ無限大(無負荷)になる。一方、データ「1」を送信するために2次側を高負荷(インピーダンス小)にする場合には、信号P3QがHレベルになってトランジスタTB3がオンになる。これにより負荷変調部46の負荷は、抵抗RB3(高負荷)になる。
給電制御部48は、負荷90への電力の給電を制御する。レギュレータ(LDO)49は、整流回路43での変換で得られた直流電圧VDCの電圧レベルを調整して、電源電圧VD5(例えば5V)を生成する。受電制御装置50は、例えばこの電源電圧VD5が供給されて動作する。
また、レギュレータ(LDO)49の入力端と出力端との間には、PMOSトランジスタ(M1)からなるスイッチ回路が設けられている。このスイッチ回路としてのPMOSトランジスタ(M1)をオンすることによって、レギュレータ(LDO)49をバイパスする経路が形成される。例えば、高負荷時(例えば、消耗が激しい2次電池の充電の初期においては、ほぼ一定の大電流を定常的に流すことが必要となり、このようなときが高負荷時に該当する)においては、レギュレータ49自体の等価インピーダンスによって電力ロスが増大し、発熱も増大することから、レギュレータを迂回して、バイパス経路を経由して電流を負荷に供給するようにする。
スイッチ回路としてのPMOSトランジスタ(M1)のオン/オフを制御するために、パイパス制御回路として機能するNMOSトランジスタ(M2)およびプルアップ抵抗R8が設けられている。
受電側制御回路52から、信号線LP4を介して、ハイレベルの制御信号がNMOSトランジスタ(M2)のゲートに与えられると、NMOSトランジスタ(M2)がオンする。すると、PMOSトランジスタ(M1)のゲートがローレベルになり、PMOSトランジスタ(M1)がオンしてレギュレータ(LDO)49をバイパスする経路が形成される。一方、NMOSトランジスタ(M2)がオフ状態のときは、PMOSトランジスタ(M1)のゲートは、プルアップ抵抗R8を介してハイレベルに維持されるため、PMOSトランジスタ(M1)はオフし、バイパス経路は形成されない。
NMOSトランジスタ(M2)のオン/オフは、受電制御装置50に含まれる受電側制御回路52によって制御される。
また、トランジスタTB2(P型のCMOSトランジスタ)は、電源電圧VD5の生成ノードNB5(レギュレター49の出力ノード)とノードNB6(受電装置40の電圧出力ノード)との間に設けられ、受電制御装置50の受電側制御回路52からの信号P1Qにより制御される。具体的には、トランジスタTB2は、ID認証が完了(確立)して通常の電力伝送(すなわち、通常送電)を行う場合にはオン状態となる。
なお、電源電圧生成ノードNB5とトランジスタTB2のゲートのノードNB8との間にはプルアップ抵抗RU2が設けられる。
受電制御装置50は、受電装置40の各種制御を行う装置であり、集積回路装置(IC)などにより実現できる。この受電制御装置50は、2次コイルL2の誘起電圧から生成される電源電圧VD5により動作することができる。また、受電制御装置50は、制御回路52(受電側)、位置検出回路56、発振回路58、周波数検出回路60、満充電検出回路62を含むことができる。
受電側制御回路52は、受電装置40や受電制御装置50の制御を行うものであり、例えば、ゲートアレイやマイクロコンピュータなどにより実現できる。この受電側制御回路52は、シリーズレギュレータ(LDO)49の出力端の定電圧(VD5)を電源として動作する。この電源電圧(VD5)は、電源供給線LP1を経由して、受電側制御回路52に与えられる。
この受電側制御回路52は、具体的には、ID認証、位置検出、周波数検出、満充電検出、認証用の通信のための負荷変調、異物挿入検出を可能とするための通信のための負荷変調などに必要な各種のシーケンス制御や判定処理を行う。
位置検出回路56は、2次コイルL2の誘起電圧の波形に相当する信号ADINの波形を監視して、1次コイルL1と2次コイルL2の位置関係が適正であるかを判断する。
具体的には、信号ADINをコンパレータで2値に変換して、位置関係が適正であるか否かを判断する。
発振回路58は、例えばCR発振回路により構成され、2次側のクロックを生成する。周波数検出回路60は、信号CCMPIの周波数(f1、f2)を検出して、送電装置10からの送信データが「1」なのか「0」なのかを判断する。
満充電検出回路62(充電検出回路)は、負荷90のバッテリ94が、満充電状態(充電状態)になったか否かを検出する回路である。具体的には満充電検出回路62は、例えば、充電状態の表示に使用されるLEDRのオン・オフを検出することによって、満充電状態を検出する。すなわち、所定時間(例えば5秒)連続でLEDRが消灯した場合に、バッテリ94が満充電状態(充電完了)であると判断する。
(送電部の具体的な回路構成とコイル端電圧の監視について)
図4は、送電部の具体的な回路構成ならびにコイル端電圧の監視について説明するための回路図である。
図示されるように、送電装置10の送電部12に設けられる送電ドライバ13は、1次コイルL1のコイル端(上端)N1を駆動する。この送電ドライバ13は、電源電圧(VDD1:例えば5V)間に直列に接続されたPMOSトランジスタM1とNMOSトランジスタM2により構成されるCMOSバッファであり、各トランジスタのゲートは、個別のゲート駆動信号(DRP1,DRN1)で制御される。
PMOSトランジスタM1がオンしたときは、CMOSバッファの駆動出力は“H”レベルとなり、NMOSトランジスタM2がオンしたときは、CMOSバッファの駆動出力は“L”レベルとなり、PMOSトランジスタM1およびNMOSトランジスタM2が共にオフのときは、CMOSバッファの出力端はフローティング状態(電位不定状態)となる。フローティング状態はハイインピーダンス状態とみることもでき、したがって、送電ドライバ13は、トライステートバッファである。
送電ドライバ15は、1次コイルL1のコイル端(下端)N2を駆動する。この送電ドライバ15は、電源電圧(VDD1:例えば5V)間に直列に接続されたPMOSトランジスタM3とNMOSトランジスタM4により構成されるCMOSバッファであり、各トランジスタのゲートは、個別のゲート駆動信号(DRP2,DRN2)で制御される。送電ドライバ15も、その出力端電位が“H”レベル,“L”レベルおよびフローティング状態の3つの状態をとることができるトライステートバッファである。
また、1次コイルL1およびコンデンサC2は、直列共振回路を構成する。コンデンサC2の一極は第2のノードN2に接続され、他極は第3のノードN3に接続されている。第1のノードN1側には、コンデンサは接続されない。直列共振回路を構成するためには、コンデンサは1個あればよい。コンデンサC2の耐圧に問題がなければ、他のコンデンサをノードN1側に設ける必要はない。コンデンサを1個しか設けない場合、コンデンサを複数、設ける場合に比べてコンデンサにおける損失が小さくなる。また、部品点数が少なくなり、コストダウンが図れ、かつ実装面積を削減することもできる。
上述の直列共振回路の共振周波数をf0とすれば、“1”や“0”を2次側に送信するための周波数f1およびf2は、例えば、共振周波数f0よりも高周波数側の領域にて設定される。
本実施形態では、例えば、送電ドライバ(13,15)の初期故障を検出するために、1次コイルL1のノードN1およびノードN3の電圧を監視する。ノードN1およびノードN3は、送電ドライバ(13,15)の出力端でもある。1次コイルL1のノードN1およびノードN3の電圧(すなわち、コイル端電圧)DRV1,DRV2に基づいて、送電側制御回路22(具体的には、送電側制御回路22に設けられる故障検出回路(図4では不図示:図10の参照符号34))が、送電ドライバ(13,15)の初期故障の有無を判定する。送電ドライバの初期故障検出は、例えば、電源の立ち上げ後、送電開始前に実施する。
初期故障検出の原理は以下のとおりである。すなわち、送電ドライバ13および15の出力をハイインピーダンス状態とし、テスト用ドライバ(図4では不図示)のHレベルまたはLレベルの駆動出力をノードN1およびノードN3に与える。送電ドライバ13および15を構成するトランジスタ(M1〜M4)が正常であれば、ノードN1およびノードN3の電圧は、テスト用ドライバの出力レベルに一致する。送電ドライバ13および15を構成するトランジスタ(M1〜M4)が故障していれば、その故障しているトランジスタのリーク電流によってノードN1およびノードN3の電圧が変動し、テスト用ドライバの出力レベルに一致しなくなる。したがって、送電ドライバの故障検出が可能である。
ここで、ノードN1に着目する。ノードN1側にはコンデンサが設けられないため、ノードN1と、1次コイルL1および波形モニタ回路14とは直流的に直結されている。よって、例えば、波形モニタ回路(RA1,RA2)の抵抗値が小さいと、テスト用ドライバ(図4では不図示)によってノードN1の電圧をHレベルにする場合に、1次コイルL1および波形モニタ回路14を経由してグランドに直流電流が流れ、ノードN1の電圧を、“H”と見なし得る電圧レベルまで上昇させることができない場合がある。このような現象が生じると、送電ドライバ13の正確な検査ができなくなる。そこで、ノードN1の電圧を、“H”と見なし得る電圧レベルまで、確実に上昇させることができるように対策する必要がある。なお、ノードN3は、コンデンサC2によって直流カットされているため、ノードN3の電圧が上昇しても、1次コイルL1および波形モニタ回路14を経由してグランドに直流電流が流れない。よって、上述の不都合は生じない。
(送電ドライバの初期故障検出のための具体的動作)
以下、送電ドライバの初期故障検出について、具体的に説明する。送電ドライバの初期故障検出の原理は先に述べたとおりである。但し、ノードN1については、上述のように、電圧上昇が確実に生じるように回路的に対策する必要がある。
図5(A),図5(B)は、送電ドライバの初期故障検出のための具体的な動作を説明するための図である。図5(A)は故障がなしの場合を示し、図5(B)は故障ありの場合を示す。送電ドライバ13,15に故障が生じているのならば、通常駆動(通常送電)前に、その故障を検出して、通常送電を行うことなく、機器の修理等を行うことが望ましい。そこで、本実施形態では、好ましくは、通常駆動前に、初期故障の検出も行う。
図5(A),図5(B)では、送電ドライバ13の初期故障検出を可能とするために、テスト用ドライバTE1を設けている。なお、送電ドライバ15の初期故障の検出のためにも、同様に、テスト用ドライバTE2が設けられる(テスト用ドライバTE2の回路構成は、テスト用ドライバTE1と同じであるため、記載を省略している)。図5(A)および図5(B)に示されるように、テスト用ドライバTE1は、電源間に直列に接続された、PMOSトランジスタM5と、NMOSトランジスタM6と、電流制限抵抗R1およびR2と、によって構成される。
電流制限抵抗R1およびR2が設けられるのは、以下の理由による。すなわち、テスト用ドライバTE1(TE2)の電流駆動能力が高すぎると、初期故障が生じている送電ドライバ13,15を構成する各トランジスタのリーク電流が少量の場合に、そのリーク電流をマスクしてしまい、初期故障を検出できなくなる場合もないとは言えない。そこで、電流制限用抵抗(R1,R2)によって、テスト用ドライバの電流をある程度、絞るようにしたものである。
以下、初期故障検出の手順について説明する。まず、送電ドライバ13の各トランジスタ(M1,M2)の入力信号(DRP1,DRN1)を“H”および“L”に設定して、各トランジスタ(M1,M2)の双方をオフ状態とする。これによって1次コイル端(N1)はフローティング状態となる。
次に、この状態で、テスト用ドライバTE1によってコイル端(N1)を駆動する。送電ドライバ13は無力化されており、コイル端(N1)の電圧は、テスト用ドライバTE1の支配下にあり、したがって、コイル端(N1)の電圧は、テスト用ドライバTE1の駆動電圧(出力端電圧)のとおりに変化するはずである。
例えば、図5(A)に示すように、テスト用ドライバTE1を構成する各トランジスタM5,M6の入力信号(INTP1,INTP2)を共に“L”とすると、PMOSトランジスタM5がオンして、テスト用ドライバTE1の出力端の電圧は“H”となる。電源VDD1からの充電電流I1によって、コイル端(N1)の電圧も“H”レベルに上昇する。これが、送電ドライバ13に初期故障がない場合の正常な回路動作である。一方、図5(B)に示すように、例えば、送電ドライバ13のNMOSトランジスタM2が故障している場合には、テスト用ドライバTE1の出力端の電圧が“H”となっても、送電ドライバのNMOSトランジスタM2のリーク電流I2によって、コイル端(N1)の電圧は“H”レベルに達しない(例えば、電源電圧の1/2の電圧となる)。
このように、送電ドライバ13に初期故障が生じている場合には、故障しているトランジスタのリーク電流によって、コイル端電圧はテスト用ドライバTE1の駆動電圧に一致しなくなり、したがって、初期故障を検出することができる。
但し、図5(A),図5(B)の回路では、ノードN1と波形モニタ回路14は直流的に直結している。すなわち、1次コイルL1から、波形モニタ回路の抵抗R30(図4の抵抗RA1と抵抗RA2の合成抵抗)を経由して、直流電流が流れる可能性がある。この直流電流が誤差となって、送電ドライバ13の正確な初期故障検出ができない場合があり得る。
そこで、本実施形態では、図6(A),図6(B)に示すように、波形モニタ回路14内にスイッチ回路を設ける。図6(A)および図6(B)は、直流電流の影響を受けずにコイル端電圧を正確に検出できるように対策した送電部の構成例を示す図である。
図6(A)では、波形モニタ回路14に設けられるスイッチSW3を、初期故障診断時にオフさせる。これによって、初期故障時には、ノードN1からグランドに向けて直流電流が流れない。ここで、下記(1)式が成立するように各構成要素の回路パラメータが設定される。
VDD・{ROFF/(RON+R1+ROFF)>Vth(H)・・・(1)
但し、VDDは、高レベル電源電圧、ROFFは、第1の送電ドライバ13を構成するNMOSトランジスタM2のオフ時の抵抗値(オフ抵抗)、R1は、テスト用ドライバTE1における電流制限抵抗R1の抵抗値、RONは、テスト用ドライバTE1を構成するPMOSトランジスタM5のオン時の抵抗値(オン抵抗)、Vth(H)は、ノードN1のHレベルを判定するためのしきい値電圧である。
したがって、初期故障診断時において、テスト用ドライバTE1の出力をHレベルとした場合、送電ドライバ13に故障がなければ、ノードN1の電圧は確実にHレベルとなる。よって、第1の送電ドライバ13の初期故障検出を確実に行うことができる。
また、スイッチSW3としては、例えば、トランジスタスイッチ(MOSトランジスタスイッチ、バイポーラトランジスタスイッチ)を使用することができ、また、機械式スイッチをも用いることもできる。波形モニタ回路14が外付け回路である場合、スイッチSW3を実装することは容易に行うことができる。
このように、波形モニタ回路14内の信号経路において、抵抗R30に直列に接続されるスイッチ回路SW3をオフすることによって、1次コイルL1から波形モニタ回路14内の抵抗R30を経由して低レベル電源電位(GND)に流れる電流を完全に遮断することができる。したがって、例えば、1次コイルL1を駆動する送電ドライバ13の初期故障検出時において、スイッチ回路SW3をオフすることによって、1次コイルL1の一端(ノードN1)の電圧を高レベルにしようとした場合に、不要な電流が波形モニタ回路を経由して低レベル電源電位に洩れることが防止される。よって、1次コイルL1のノードN1の電圧は、送電ドライバ13に故障がなければ、確実に高レベルに達する。よって、正確な送電ドライバの初期故障検出が実現される。また、初期故障検出時のみならず、波形モニタ回路14の抵抗R30を経由して流れる直流電流が無視できないことによって、何らかの不都合が生じる場合は、適宜、適切なタイミングでスイッチ回路をオフすることによって、上述の不都合を回避することができる。このことは、無接点電力伝送システムの、例えば信頼性の向上に寄与する。波形モニタ回路14は、高電圧を扱う回路であるため、外付けの回路とするのが望ましい(但し、これに限定されるものではない)。波形モニタ回路14が外付け回路である場合、実装基板にスイッチSW3を実装することは容易である。
図6(B)では、波形モニタ回路14において、ノードN1からグランドに直流電流が流れる信号経路が、複数、並列に存在する場合、各信号経路にスイッチ回路SW3およびSW4が設けられる。スイッチSW3およびスイッチSW4の各々のオン/オフは、送電側制御回路22からの切換制御信号QC1およびQC2の各々によって制御される。
初期故障が検出された場合には、例えば、通常駆動を不可とすると共に初期故障を報知する。これによって、例えば、その機器を回収して修理するといった適切な対応を迅速に採ることができ、安全性がより向上する。
(通常送電時の故障の検出)
通常動作中においても、CMOSドライバの故障検出ができれば、無接点電力伝送システムの信頼性、安全性はさらに高まる。例えば、CMOSドライバを構成するNMOSトランジスタが故障して完全なオフが実現できない(つまり、常に電流が流れる)場合、そのことを検出できないまま通常送電を続けていると、貫通電流によって、やがて正常なPMOSトランジスタも故障してしまう場合がないとは言えない。PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの双方が故障した場合、電源間に大電流が流れ、そのことが発熱や機器破壊の原因となる場合がある。したがって、通常動作中において上述のような故障が生じた場合には、速やかに故障を検出して対策を講じるのが望ましい。
図7(A)〜図7(D)は、送電ドライバの通常送電時の故障(通常故障)の検出原理を説明するための図である。ここでは、送電ドライバ13の故障検出について説明する(送電ドライバ15の故障検出も同様である)。
図7(A)に示すように、DRP1,DRP2を共に“L”とすると、送電ドライバ13が正常(故障無しの場合)ならば、PMOSトランジスタM1はオンし、NMOSトランジスタM2はオフし、出力端の電位は“H”になるはずである。しかし、例えば、図7(B)に示すように、NMOSトランジスタM2に短絡故障が生じているとすると、オフしているはずのNMOSトランジスタM2が実質的にはオンしていることになり、PMOSトランジスタM1がオンする期間では、大きな貫通電流IRが生じる。貫通電流が繰り返し流れると、やがて、正常なPMOSトランジスタM1も故障し、この場合には、電源間ショートという最悪の事態を招くことになる。
そこで、送電ドライバ13の出力端(1次コイルのコイル端N1)の電位を監視し、その電位が、送電ドライバ13の入力信号の電圧レベルに対応したものであるか否かを検出し、これによって、故障を検出する。
すなわち、NMOSトランジスタM2に短絡故障が生じていなければ、図7(A)に示すように、DRP1,DRN2が共に“L”の場合には、出力端の電圧は“H”になるはずであり、一方、NMOSトランジスタM2に短絡故障が生じていれば、図7(B)に示すように、出力端電圧は“H”レベル以外の電圧(例えば、電源電圧の1/2の電圧)になる。このように、送電ドライバの出力端(1次コイルのコイル端N1)の電圧を監視することによって、NMOSトランジスタM2の短絡故障を検出することができる。
なお、通常故障検出の場合は、ノードN1の電圧が、送電ドライバ13の出力信号(交流)に対応したものであるか否かを判定する。通常動作時においては、送電ドライバ13を構成するMOSトランジスタM1,M2は交互にオンする。MOSトランジスタM1,M2のオン抵抗は極めて小さいため、初期故障診断時のように、波形モニタ回路14の検出用抵抗RA1,RA2を経由して洩れる電流は無視できる。よって、通常故障検出時においては、波形モニタ回路14内のスイッチ回路SW3はオン状態のままである(但し、必要に応じて、スイッチSW3をオン/オフすることもできる)。
図7(C)では、送電ドライバ13の入力信号であるDRP1およびDRN1を、共に“H”レベルとする。この場合、PMOSトランジスタM1がオフし、NMOSトランジスタM2がオンするはずであるが、PMOSトランジスタM1に短絡故障が生じている場合には、図7(D)に示すように、駆動時に大きな貫通電流IRが流れ、このことが繰り返されるうちに双方のトランジスタが故障して、電源間ショートに至るおそれがある。そこで、送電ドライバ13の出力端の電圧(1次コイルのコイル端N2の電圧)を監視し、その電位が、送電ドライバ13の入力信号の電圧レベルに対応したものであるか否かを検出し、これによって、故障を検出する。
すなわち、PMOSトランジスタM1に短絡故障が生じていなければ、図7(C)に示すように、DRP1,DRN2が共に“H”の場合には、出力端の電圧は“L”になるはずであり、一方、PMOSトランジスタM1に短絡故障が生じていれば、図7(D)に示すように、出力端電圧は“L”レベル以外の電圧(例えば、電源電圧の1/2の電圧)になる。このように、送電ドライバの出力端(1次コイルのコイル端N2)の電圧を監視することによって、PMOSトランジスタM1の短絡故障を検出することができる。
故障検出回路(図10の参照符号34)は、通常送電中において上述のような故障検出を実行し、通常送電中に生じた短絡故障を早期に検出する。これによって、例えば、送電を停止して故障を報知するといった、適切な対応を迅速に採ることが可能となる。
(コンデンサの初期故障検出)
上述の説明では、送電ドライバ13(および15)を構成するトランジスタの故障を検出した。但し、これに限定されるものではなく、本実施形態によれば、1次コイル(L1)と共に直列共振回路を構成するコンデンサC2の初期故障を検出することもできる。
図8は、共振回路を構成するコンデンサの初期故障の検出原理を説明するための図である。図8では、2つのテスト用ドライバ(TE1,TE2)を同時に動作させて、2つのコイル端(ノードN1およびノードN3)の電圧を相補的に変化させる。図8に示すように、例えば、テスト用ドライバTE1の出力電圧を“L”から“H”に変化させたとき、これと同期させてテスト用ドライバTE2の出力電圧を“H”から“L”に(つまり相補的に)変化させる。
これによって、電圧変化によって生じた交流成分は、ノードN1から、コンデンサC2を経由してノードN3に流れる。したがって、この交流成分によるコイル端電圧の交流的な変動を検出できない場合には、コンデンサC2に初期故障が生じていると判定することができる。
すなわち、図8の下側に示すように、ノードN3の電圧(DRV2)を監視し、A1のような交流成分を検出できれば、正常と判定し、A2のような不完全な変動が検出された場合や、A3のように変動がまったく観測できない場合には、コンデンサC2の少なくとも一方に初期故障が生じていると判定することができる。
コンデンサの初期故障が検出された場合には、例えば、通常駆動を不可とすると共に初期故障を報知する。これによって、その機器を回収して修理するといった適切な対応を迅速に採ることができ、安全性がさらに向上する。
(コイル端電圧のモニタタイミング)
精度良く故障を検出するためには、コイル端(ノードN1およびノードN3)の電圧を正確に測定する必要がある。そこで、本実施形態では、コイル端電圧を故障検出回路に伝達するためにモニタウインドウ回路(広義のスイッチ回路)を設け、また、タイミング制御回路を設け、そのモニタウインドウ回路(スイッチ回路)を、コイル端電圧の初期変動が抑制されて、電圧が安定している期間(安定期間)においてのみオンさせ、正確なコイル端電圧を故障検出回路(図10の参照符号34)に伝達する。
図9(A)および図9(B)は、モニタウインドウ回路(スイッチ回路)の構成と動作タイミングを示す図である。図9(A)はモニタウインドウ回路の構成を示す図であり、図9(B)はオン/オフタイミングを示す図である。
図9(A)に示されるように、モニタウインドウ回路(MWD1:広義のスイッチ回路)は、モニタタイミング信号(Q8)でオン/オフが制御されるスイッチSW1と、送電部12の電源電圧VDD1(例えば5V)で動作するインバータINV1と、を有する。
モニタウインドウ回路(MWD2)も同様の構成であり、スイッチのオン/オフは、モニタタイミング信号(Q9)によって制御される。なお、モニタタイミング信号は、タイミング制御回路(図10の参照符号33)が生成する。
モニタウインドウ回路のスイッチ(SW1)は、コイル端電圧DRV1(DRV2)のハイレベル期間(あるいはローレベル期間)の初期変動期間を避けてオンし、安定した電圧をサンプリングして故障検出回路(図10の参照符号34)に伝達するのが望ましい。
そこで、図9(B)に示すように、コイル端電圧DRV1(DRV2)のハイレベル期間(またはローレベル期間)の後半期間において、モニタウインドウ回路のスイッチ(SW1)をオンする。「後半期間」とは、図示されるように、ハイレベル期間(ローレベル期間)の開始時点(t1)と終了時点(t4)の中間の時点(t2)以降の期間(中間時点(t2)を含む))であり、この後半期間は、初期の電圧変動が収拾した安定期間である。図9(B)では、後半期間の時刻t3において、スイッチSW1をオンさせ、安定したコイル端電圧をサンプリングして、故障検出回路(図10の参照符号34)に伝達する。
(第2の実施形態)
本実施形態では、送電部の具体的な回路構成の一例について説明する。
(送電制御装置および送電部の具体的な内部回路構成の例)
図10は、送電制御装置および送電部の具体的な内部回路構成の例を示すブロック図である。図10において、図2と共通する部分には同じ参照符号を付してある。図10では、波形モニタ回路14内にスイッチSW3を設けて、初期故障診断時にスイッチSW3をオフさせる。また、図10において、波形モニタ回路14内に設けられるスイッチSW3は、NMOSトランジスタMSKにて構成される。NMOSトランジスタMSKのオン/オフは、送電側制御回路22内に設けられる、タイミング制御回路33によって制御される。タイミング制御回路33の動作は、故障検出回路34によって制御される。
以下、具体的な回路構成について説明する。送電制御装置20は、発振回路24と、送電側制御回路22と、ドライバ制御回路26と、を有する。送電側制御回路22は、駆動クロック生成回路31と、カウンタ32と、タイミング制御回路33と、故障検出回路34と、送電制御装置10の電源電圧(VDD2:例えば3V)で動作するインバータINV3,INV4と、フリップフロップ35,36と、を有する。また、ドライバ制御回路26は、パワーMOSドライブ回路(27、29)を有する。
また、送電部12は、送電ドライバ(13,15)と、テスト用ドライバ(TE1,TE2)と、モニタウインドウ(MWD1,MWD2)と、を有する。
タイミング制御回路33は、タイミング制御信号Q1,Q2によって、パワーMOSドライブ回路27の動作タイミングを制御し、これによって、送電ドライバ13の入力信号(DRP1,DRN2)のハイ/ローの切り替わりタイミングが決定される。同様に、タイミング制御回路33は、タイミング制御信号Q3,Q4によって、パワーMOSドライブ回路29の動作タイミングを制御し、これによって、送電ドライバ15の入力信号(DRP2,DRN2)のハイ/ローの切り替わりタイミングが決定される。
また、タイミング制御回路33は、タイミング制御信号Q6,Q7(図11のINTP1,INTP2に相当する)によって、テスト用ドライバTE1を構成するトランジスタ(M5,M6)の各々のオン/オフのタイミングを制御する。同様に、タイミング制御回路33は、タイミング制御信号Q10,Q11(図11のINTP2,INTN2に相当する)によって、テスト用ドライバTE2を構成するトランジスタ(M7,M8)の各々のオン/オフのタイミングを制御する。また、スイッチ切換制御信号QC1によって、波形モニタ回路14内に設けられたスイッチSW3(NMOSトランジスタMSK)のオン/オフを制御する。上述のとおり、初期故障診断時において、スイッチSW3(NMOSトランジスタMSK)はオフ状態となる。
また、タイミング制御回路33は、タイミング制御信号Q8,Q9(図11のDRVONに相当する)によって、モニタウインドウ回路(MWD1,MWD2)構成するスイッチ(SW1,SW2)の各々のオン/オフのタイミングを制御する。また、タイミング制御回路33は、タイミング制御信号Q12,Q13(図11のラッチ信号LATHに相当する)によって、フリップフロップ(FF35およびFF36)のラッチタイミングを制御する。
(送電装置の各部の具体的な動作タイミングの例)
図11は、図10に示される送電装置の具体的な動作タイミングの例を示すタイミング図である。
図11において、「DRP1およびDRN1」は、送電ドライバ13の入力信号であり、「DRV1」は、コイル端(N1)の電圧(コイル端電圧)であり、「INTP1およびINTN2」は、テスト用ドライバ(TE1)の入力信号であり、図10のタイミング制御信号Q6とQ7に相当する。
また、「DRP21およびDRN2」は、送電ドライバ15の入力信号であり、「DRV2」は、コイル端(N2)の電圧(コイル端電圧)であり、「INTP2およびINTN2」は、テスト用ドライバ(TE2)の入力信号であり、図10のタイミング制御信号Q10とQ11に相当する。
また、DRVONは、モニタウインドウ回路(MWD1,MWD2)に内蔵されるスイッチSW1,SW2のオン/オフ制御信号であり、図10のタイミング制御信号(Q8,Q9)に相当する。また、LATHは、図10のフリップフロップ(FF35およびFF36)のラッチタイミングを制御するタッチタイミング制御信号であり、図10のタイミング制御信号Q12,Q13に相当する。
また、図11において、斜線で示される期間は、所定箇所の電位を決定する複数のトランジスタが共にオフとなって、その電位を特定できない期間を示す。また、図11では、CMOS型のドライバを構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタの電圧変化タイミングは意図的にずらされており、両トランジスタが同時にオンして大きな貫通電流が流れないように配慮されている。
図11において、期間T10(時刻37までの期間)が初期故障モニタ期間であり、期間T20(時刻t37〜t38)が初期故障判定期間であり、期間T30(時刻t38〜t51)が通常送電期間(通常故障判定期間)である。
まず、初期故障検出について説明する。初期故障検出を行う期間では、切換制御信号QC1はLレベルとなり、波形モニタ回路14内のスイッチSW3はオフする。これによって、不要な直流電流が流れることが防止され、確実な初期故障検出が可能である。通常故障検出では、切換制御信号QC1がHとなり、波形モニタ回路14内のスイッチSW3はオン状態を維持する。
初期故障検出期間(時刻t39までの期間)では、送電ドライバ13,15はオフさせて、代わりに、テスト用ドライバ(TE1,TE2)をオンさせる。したがって、送電ドライバTE1の入力信号であるDRP1は“H”レベルであり、DRN1は“L”レベルであり、同様に、送電ドライバTE2の入力信号であるDRP2は“H”レベルであり、DRN2は“L”レベルであり、これによって、送電ドライバ13,15の出力端はフローティング状態となる。また、スイッチ切換制御信号QC1は、初期故障診断が終了する時刻t38までの期間、Lレベルとなる。この結果、NMOSトランジスタMSKからなるスイッチSW3は、初期故障診断時においてはオフし、不要な直流電流がノードN1からグランドに流れることが防止される。
この状態において、時刻t32において、テスト用ドライバTE1の入力信号であるINTP1(Q6)が“L”から“H”に変化し、時刻t33において、INTN1(Q7)が“L”から“H”に変化する。また、INTN1(Q7)は、時刻t36において、“L”レベルに復帰する。
同様に、テスト用ドライバTE2の入力信号であるINTP2(Q10)が“H”から“L”に変化する。このINTP2(Q10)は、時刻t37において、“H”レベルに復帰する。また、時刻t33において、INTN2(Q11)が“H”から“L”に変化する。
第1のコイル端(N1)電圧DRV1は、時刻t33〜時刻t36の期間において、“H”レベルとなる。同様に、第2のコイル端(N2)電圧DRV2は、時刻t33〜時刻t37の期間において、“L”レベルとなる。すなわち、第1および第2のコイル端(N1,N2)は、同時的かつ相補的に駆動される。
モニタウインドウ回路(MWD1,MWD2)のスイッチSW1,SW2のオン/オフのタイミング制御信号DRVON(Q8,Q9)は、時刻t34において、アクティブとなり、これによって、スイッチSW1,SW2がオンして、コイル端電圧(DRV1,DRV2)がサンプリングされる。上述のとおり、時刻t34は、DRV1のローレベル期間(t33〜t36)、および、DRV2のハイレベル期間(t33〜t37)の後半の期間に属している。
そして、時刻t35において、ラッチタイミング制御信号(LATH)がアクティブとなり、これによって、コイル端(N1およびN2)の電圧(コイル端電圧:DRV1,DRV2)が、フリップフロップ(FF35,FF36)に取り込まれる。
故障検出回路34は、期間T20(時刻t37〜t38)において、FF35,36にラッチされた電圧が、テスト用ドライバTE1,TE2の出力電圧レベルと一致しているかを判定し、これによって、送電ドライバ13,15の初期故障を判定する。
本実施形態では、通常送電時における通常故障の検出も実行する。なお、通常送電期間(期間T30)においては、切換制御信号QC1はハイレベルに維持される。通常送電期間(T30)においては、テスト用ドライバTE1,TE2は使用されないから、INTP1(Q6)およびINTP2(Q10)は共に“H”レベルに固定され、INTN1(Q7)およびINTN2(Q11)は共に“L”レベルに固定される。
一方、DRP1,DRN1がH/Lを繰り返し、また、DRP2,DRN2がH/Lを繰り返す。送電ドライバ13,15によって1次コイルの第1および第2のコイル端(N1,N2)が相補的に駆動され、通常送電(通常パワーによる連続送電)が実行される。時刻t38から時刻t42において、コイル端(N1)の電圧DRV1は“H”となり、また、時刻t39から時刻t42において、コイル端(N2)の電圧DRV2は“L”となる。
モニタウインドウ回路(MWD1,MWD2)は、DRV1の“H”およびDEV2の“L”を、時刻t40にサンプリングし、そのサンプリングされた電圧は、時刻t41において、フリップフロップFF(35,36)にラッチされる。また、時刻t43から時刻t46において、コイル端(N1)の電圧DRV1は“L”となり、また、時刻t43から時刻t46において、コイル端(N2)の電圧DRV2は“H”となる。モニタウインドウ回路(MWD1,MWD2)は、DRV1の“L”およびDEV2の“H”を、時刻t44にサンプリングし、そのサンプリングされた電圧は、時刻t45において、フリップフロップFF(35,36)にラッチされる。
以下同様の動作が繰り返され、通常送電中に、間欠的にコイル端(N1,N2)の電圧がサンプリングされ、フリップフロップ(FF35,36)にラッチされ、そして、そのラッチされた電圧が、送電ドライバ13,15の各々の入力信号に対応した電圧レベルであるかが定期的にチェックされ、これによって、通常故障が生じたときは、ただちに、その故障が検出されることになる。そして、通常故障が検出されると、エラーの報知がなされ、送電装置10はリセットされて通常送電は停止される。その後、例えば、所定時間後に再び、送電装置10はパワーオン状態となり、その時点でも初期故障が検出されたときには、通常送電を行うことなく、故障の報知がなされ、送電装置10は修理あるいは破棄されることになる。
以上説明したように、本発明の幾つかの実施形態によれば、例えば、以下の効果が得られる。ただし、以下の効果が同時に得られるとは限らず、以下に列挙する効果が本発明を不当に限定する根拠として用いられてはならない。
(1)送電部において、1次コイルの第1のノードにはコンデンサを接続せず、第2のノードのみに共振コンデンサを接続して直列共振回路を構成した場合でも、送電ドライバの初期故障診断時において、第1のノードから、1次コイルに電気的に接続される他の回路(波形モニタ回路等)を経由してグランドに不要な直流電流が流れない。よって、1次コイルのコイル端電圧を監視し、送電ドライバの入力電圧に対応したコイル端電圧になっているか否かによって、送電ドライバの短絡故障を確実に検出することができる。したがって、送電装置ならびに無接点電力伝送システムの安全性を向上させることができる。また、コンデンサの数を減少させることによって、コンデンサにおける信号損失の低減、部品点数の削減、送電部の実装面積の削減を図ることができる。
(2)上記の他の回路(波形モニタ回路等)の内部にスイッチを設けて、初期故障診断時において、スイッチをオフすることによって、不要な直流電流を完全にカットすることができる。よって、誤判定を、確実に防止できる。
(3)第1のノードからグランドに直流電流が流れる可能性がある経路が、複数(並列に)存在する場合、すべての経路にスイッチ回路を設けることによって、確実な初期故障診断が保証される。
(4)1次コイルを駆動するドライバの、初期故障を検出して、通常送電を行うことなく、故障の報知、機器の回収や修理等を行うことが可能となり、よって、無接点電力伝送システムの安全性がより向上する。
(5)初期故障検出に加えて、通常送電時における送電ドライバの故障を検出して、送電停止や故障の報知を行うことによって、無接点電力伝送システムの安全性が、さらに向上する。
(6)安全性の高い無接点電力システム用の送電部を実現することができる。
(7)安全性の高い無接点電力伝送システムを実現でき、このことは、無接点電力伝送技術の普及に貢献する。
以上、本発明を、実施形態を参照して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々、変形、応用が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲において多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。
従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(低電位側電源、電子機器等)と共に記載された用語(GND、携帯電話機・充電器等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態および変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。
また、送電制御装置、送電装置、受電制御装置、受電装置の構成・動作や、送電側における受電側の負荷検出の手法も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
本発明は、例えば、1次コイルの一方の端のみにコンデンサを接続して直列共振回路を構成した場合でも、送電ドライバの故障を確実に検出できるようにし、部品点数が削減された小型の無接点電力伝送システムの信頼性や安全性を向上するという効果を奏し、したがって、送電制御装置(送電制御IC)、無接点電力伝送システム、送電装置(ICモジュール等)、および電子機器(携帯端末および充電器等)として利用可能である。なお、「携帯端末」には、携帯電話端末、PDA端末、持ち運び可能なコンピュータ端末が含まれる。
図1(A),図1(B)は、無接点電力伝送を利用した電子機器の例を示す図 本発明の送電装置、送電制御装置、受電装置、受電制御装置の具体的な構成の一例を示す図 図3(A),図3(B)は、送電側機器と受電側機器との間の情報伝送の原理を説明するための図 送電部の具体的な回路構成ならびにコイル端電圧の監視について説明するための回路図 図5(A),図5(B)は、送電ドライバの初期故障検出のための具体的な動作を説明するための図 図6(A),図6(B)は、直流電流の影響を受けずにコイル端電圧を正確に検出できるように対策した送電部の構成例を示す図 図7(A)〜図7(D)は、送電ドライバの通常送電時の故障(通常故障)の検出原理を説明するための図 共振回路を構成するコンデンサの初期故障の検出原理を説明するための図である。 図9(A),図9(B)は、モニタウインドウ回路(スイッチ回路)の構成と動作タイミングを示す図 送電制御装置および送電部の具体的な内部回路構成の例を示すブロック図 図10に示される送電装置の具体的な動作タイミングの例を示すタイミング図
符号の説明
L1 1次コイル、L2 2次コイル、10 送電装置、12 送電部、
14 波形モニタ回路、13,15 送電ドライバ、
C2 直列共振回路を構成するコンデンサ、TE1,TE2 テスト用ドライバ、
17、19 テスト用ドライバを構成するCMOSバッファ、
DRP1およびDRN1 送電ドライバ13の入力信号、
DRP2およびDRN2 送電ドライバ15の入力信号、
INTP1,INTN1 テスト用ドライバを構成するCMOSバッファ17の入力信号、
INTP2,INTN2 テスト用ドライバを構成するCMOSバッファ19の入力信号、MWD1,MWD2 モニタウインドウ回路、
DRVON(Q8,Q9) モニタタイミング信号(電圧サンプリングタイミング信号)16 表示部、20 送電制御装置、22 送電側制御回路、
DRV1,DRV2 ノードN1およびノードN3のコイル端電圧、
24 送電側発振回路、26 ドライバ制御回路、28 波形検出回路、
40 受電装置、42 受電部、43 整流回路、46 負荷変調部、
48 給電制御部、50 受電制御装置、52 受電側制御回路、56 位置検出回路、
58 受電側発振回路、60 周波数検出回路、62 満充電検出回路、
90 受電側機器の本負荷、92 充電制御装置(充電制御IC)、
94 負荷としてのバッテリ(2次電池)、107 波形モニタ回路、
LEDR 電池残量や電池の状態のインジケータとしての発光装置

Claims (12)

  1. 1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて送電装置から受電装置に対して電力を伝送し、前記受電装置の負荷に対して前記電力を供給する無接点電力伝送システムの前記送電装置に設けられる送電制御装置であって、
    前記送電装置の動作を制御する送電側制御回路と、
    前記送電装置の送電部に設けられる第1の送電ドライバおよび第2の送電ドライバの動作を制御するドライバ制御回路と、
    前記1次コイルの電圧および電流の少なくとも一方をモニタする波形モニタ回路のモニタ信号に基づいて波形検出処理を実行する波形検出回路と、
    を含み、
    前記第1の送電ドライバは、コンデンサを介さずに前記1次コイルの第1のノードを駆動し、前記第2の送電ドライバは、コンデンサを介して前記1次コイルの第2のノードを駆動し、
    前記波形モニタ回路における、前記1次コイルと低レベル電源電位との間の信号経路にはスイッチ回路が設けられ、
    前記送電側制御回路は、切換制御信号によって、前記スイッチ回路のオン/オフを切り換える、ことを特徴とする送電制御装置。
  2. 請求項1記載の送電制御装置であって、
    前記波形モニタ回路における、前記1次コイルと低レベル電源電位との間の信号経路が複数ある場合には、各々の前記信号経路に、前記スイッチ回路が設けられることを特徴とする送電制御装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の送電制御装置であって、
    前記送電部は、前記1次コイルの前記第1のノードを駆動する第1のテスト用ドライバと、前記第2の送電ドライバの出力ノードと前記コンデンサの一極との共通接続ノードである第3のノードを駆動する第2のテスト用ドライバと、を有し、
    前記送電側制御回路は、前記第1および第2のテスト用ドライバを用いて前記第1および第2の送電ドライバの初期故障検出を実行するときに、前記切換制御信号によって、前記スイッチ回路をオフさせることを特徴とする送電制御装置。
  4. 請求項3記載の送電制御装置であって、
    前記送電側制御回路は、前記第1の送電ドライバまたは第2の送電ドライバの各々の入力信号のレベルを、前記1次コイルの前記第1のノードまたは前記第3のノードがフローティング状態となるレベルとし、
    その状態で、前記第1のテスト用ドライバおよび前記第2のテスト用ドライバの各々によって前記1次コイルの前記第1のノードおよび前記第3のノードの各々を駆動し、
    前記第1のノードまたは前記第3のノードの電圧が、前記第1のテスト用ドライバまたは前記第2のテスト用ドライバの駆動出力レベルに対応した電圧ではないときに、前記第1の送電ドライバまたは前記第2の送電ドライバには初期故障が生じていると判定することを特徴とする送電制御装置。
  5. 1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて送電装置から受電装置に対して電力を伝送し、前記受電装置の負荷に対して前記電力を供給する無接点電力伝送システムであって、
    前記送電装置は、
    第1の送電ドライバおよび第2の送電ドライバを有する送電部と、
    前記送電装置の動作を制御する送電制御装置と、
    前記1次コイルの電圧および電流の少なくとも一方をモニタする波形モニタ回路と、
    を含み、
    前記波形モニタ回路における、前記1次コイルと低レベル電源電位との間の信号経路にはスイッチ回路が設けられ、
    また、前記送電制御装置は、
    前記送電装置の動作を制御する送電側制御回路と、
    前記第1の送電ドライバおよび前記第2の送電ドライバの動作を制御するドライバ制御回路と、
    前記波形モニタ回路のモニタ信号に基づいて波形検出処理を実行する波形検出回路と、
    を含み、
    前記第1の送電ドライバは、コンデンサを介さずに前記1次コイルの第1のノードを駆動し、前記第2の送電ドライバは、コンデンサを介して前記1次コイルの第2のノードを駆動し、
    前記送電側制御回路は、切換制御信号によって、前記波形モニタ回路に設けられる前記スイッチ回路のオン/オフを切り換え、
    また、前記受電装置は、
    前記2次コイルの誘電電圧を整流する整流回路を含む受電部と、
    前記受電装置から送電装置へのデータ送信のための負荷変調部と、
    前記負荷への給電を制御する給電制御部と、
    を有することを特徴とする無接点電力伝送システム。
  6. 請求項5記載の無接点電力伝送システムであって、
    前記波形モニタ回路における、前記1次コイルと低レベル電源電位との間の信号経路が複数ある場合には、各々の前記信号経路に、前記スイッチ回路が設けられることを特徴とする無接点電力伝送システム。
  7. 請求項5または請求項6記載の無接点電力伝送システムであって、
    前記送電部は、前記1次コイルの前記第1のノードを駆動する第1のテスト用ドライバと、前記第2の送電ドライバの出力ノードと前記コンデンサの一極との共通接続ノードである第3のノードを駆動する第2のテスト用ドライバと、を有し、
    前記送電側制御回路は、前記第1および第2のテスト用ドライバを用いて前記第1および第2の送電ドライバの初期故障検出を実行するときに、前記切換制御信号によって、前記スイッチ回路をオフさせることを特徴とする無接点電力伝送システム。
  8. 請求項7記載の無接点電力伝送システムであって、
    前記送電側制御回路は、前記第1の送電ドライバまたは前記第2の送電ドライバの各々の入力信号のレベルを、前記1次コイルの前記第1のノードまたは前記第3のノードがフローティング状態となるレベルとし、
    その状態で、前記第1のテスト用ドライバおよび前記第2のテスト用ドライバの各々によって前記1次コイルの前記第1のノードおよび前記第3のノードの各々を駆動し、
    前記第1のノードまたは前記第3のノードの電圧が、前記第1のテスト用ドライバまたは前記第2のテスト用ドライバの駆動出力レベルに対応した電圧ではないときに、前記第1の送電ドライバまたは前記第2の送電ドライバには初期故障が生じていると判定することを特徴とする無接点電力伝送システム。
  9. 請求項1または請求項2記載の送電制御装置と、
    前記1次コイルを駆動する前記第1および第2の送電ドライバを有する送電部と、
    前記スイッチ回路を有する波形モニタ回路と、を含むことを特徴とする送電装置。
  10. 請求項3または請求項4記載の送電制御装置と、
    前記1次コイルを駆動する前記第1および第2の送電ドライバと、前記1次コイルの前記第1のノードを駆動する第1のテスト用ドライバと、前記1次コイルの前記第2のノードを駆動する第2のテスト用ドライバと、を有する送電部と、
    前記スイッチ回路を有する波形モニタ回路と、を含むことを特徴とする送電装置。
  11. 請求項9または請求項10のいずれかに記載の送電装置を含むことを特徴とする電子機器。
  12. 1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて送電装置から受電装置に対して電力を伝送する無接点電力伝送システムの前記送電装置に設けられ、前記1次コイルの電圧および電流の少なくとも一方をモニタする波形モニタ回路であって、
    一端および他端を有し、前記一端が前記1次コイルに電気的に接続された抵抗と、
    前記抵抗の前記他端と低レベル電源電位との間の信号経路に設けられたスイッチ回路と、
    を含むことを特徴とする波形モニタ回路。
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