JP2009189156A - 回転電機及び回転電機のシール方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コイル線材25の導電部25bと発電出力用リード線19の結線部19bとが電気的に接続された結合部21を備え、この結合部21には絶縁チューブ22が装着され、絶縁チューブ22の他端の開口部22bには、シール部材35が封入されていることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
この発電機は、自動二輪車のエンジンのクランクシャフトに連係される有底筒状のロータと、エンジンのケースの内側に固定されたステータとを備えている。ロータの内周面側には永久磁石が設けられ、一方、ステータには複数の電機子コイルが巻装されたティースが永久磁石に対応するように設けられている。そして、ロータが回転することによりティースに流れる磁束が変化し、これが起電力となって電機子コイルに電流が流れるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
電機子コイルと発電出力用リード線との結合は、例えばそれぞれの一端の端末部を重ね合わせて半田付けしたり、圧着スリーブを用いて加締めたりすることで行われる。そして、各結合部には、それぞれの絶縁性を確保するために絶縁チューブ(絶縁性被覆部材)が被覆されている。
このように構成することで、絶縁性被覆部材における結合部の先端側の端部がシール部材により閉塞される。これにより、絶縁性被覆部材と結合部との間のシール性を向上させることができる。
このように構成することで、絶縁性被覆部材と結合部の先端側の端部との間に油性ゲル状物質が充填されているため、絶縁性被覆部材と結合部との間のシール性を向上させることができる。
このように構成することで、絶縁性被覆部材における結合部の先端側の端部がシール部材により閉塞されるとともに、油性ゲル状物質により結合部の端部が覆われる。これにより、絶縁性被覆部材のシール性をより向上させることができる。
このように構成することで、電機子コイルを油中に浸漬配置することで、電機子コイルの冷却を行いつつ、ロータを回転させることができる。
このように構成することで、結合部を絶縁性被覆部材に挿入する前に、絶縁性被覆部材内に予め油性ゲル状物質を注入しておくことで、結合部の挿入時に、絶縁性被覆部材内における油性ゲル状物質の充填領域を結合部が通過すると、結合部の周囲に油性ゲル状物質が付着した状態となる。そして、絶縁性被覆部材の端部まで結合部を挿入することで、絶縁性被覆部材の端部が閉塞される。つまり、絶縁性被覆部材が閉塞されるとともに、各端末部に至るまで油性ゲル状物質が塗布される。よって、製造容易性及び製造効率を向上させることができるとともに、より確実にシール性を向上させることができる。
また、絶縁性被覆部材と結合部との間のシール性を向上させることができるため、絶縁性被覆部材からのエア漏れを防いで、エンジンの内部の気密性を向上させることができる。さらに、気密性の高い部品をエンジンに搭載することで、完成品検査の気密性試験において他の部品からエア漏れがあった場合に、エア漏れ対象部品を判断しやすくなる。
図1,2に示すように、発電機(回転電機)1は、例えば自動二輪車に用いられるアウターロータ型の発電機であって、エンジンのクランクシャフト2の先端に固定されたロータ3と、エンジンのケース30に固定されたステータ4とを備えている。エンジンのケース30内には、発電機1の後述する電機子コイル18や他の構成部材の冷却等を行うためにエンジンオイルが収容されており、発電機1は、その一部が浸漬された状態で配置されている。
ロータ3の周壁7には、内周面側に複数の永久磁石8(図1参照)が周方向に磁極が交互となるように設けられている。また、外周面側には、複数の突起9が周方向に等間隔に設けられている。これら突起9は、クランクシャフト2やロータ3の回転位置を検出するためのものである。
図3に示すように、まずコイル線材25の導電部25bと発電出力用リード線19の結線部19bとを、それぞれ同じ向きになるように重ね合わせて半田付けした後、絶縁チューブ22の一端側の開口部22a側を結合部21の先端に向けた状態で結合部21を挿入する。この時、絶縁チューブ22の他端の開口部22b側まで、結合部21を挿入する。
また、クランクシャフト2と共にロータ3が回転すると、永久磁石8がステータ4の周りを回転するので、電機子コイル18に誘導起電力が発生し、この起電力が発電出力用リード線19を介して不図示のバッテリに蓄電されたり、付属電気機器に電力供給されたりする。
図4に示すように、結合部21の周囲には、絶縁チューブ22の内壁との間にグリス(油性ゲル状物質)40が充填されている。このグリス40は、結合部21の先端面からコイル線材25の端末部25a及び発電出力用リード線19の端末部19aに至る部位まで塗布されている。これにより、絶縁チューブ22の他端の開口部22bは隙間なく閉塞されている。なお、グリス40の構成材料としては、比較的流動性が低く、かつ耐熱性の高い材料が好ましく、従来よりエンジンの構成部品の組み付けに用いられる公知のものを使用することが可能である。これにより、グリス40が溶けてエンジン内部に流出する虞もない。万が一エンジン内にグリス40が流出しても、エンジンの構成部品の組み付けに用いられるものを用いているため、エンジンに対して何ら悪影響を与えるものではない。
図4に示すように、まず絶縁チューブ22内にグリス40を予め充填しておく。具体的には、絶縁チューブ22の他端の開口部22b側から、絶縁チューブ22内に向けてグリス40を注入していく。この時、絶縁チューブ22の他端側において、絶縁チューブ22の径方向に隙間なく行渡らせるようにグリス40を注入することが好ましい。
よって、製造容易性及び製造効率を向上させることができるとともに、より確実にシール性を向上させることができる。
まず、本試験に用いる試験装置を説明する。
図5に示すように、試験装置60は、水が収容された試験槽61内にエンジンのケース(例えば、図1中ケース30)に相当する治具62が浸漬配置されている。治具62は密閉された箱型形状のものであり、その内部に発電機1が収容されている。なお、本試験においては、上述した第2実施形態の発電機1を用いた場合について説明する。
これに対して、対策後の発電機にあっては、経過時間の初期段階では、エア漏れが確認されなかった。また、経過時間が経つにつれてエアの漏れが若干確認されたものの、その値は小さく、直線Dから大きく下回ってOKゾーン内に確実に収まるという良好な結果が得られた。
例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせるような構成を採用することも可能である。これにより、絶縁チューブのシール性をより向上させることができる。また、絶縁チューブの他端の開口部を外側から覆うようなシール部材を用いてもよい。さらに、上述の実施形態では、絶縁性被覆部材として管状の絶縁チューブを用いるような構成について説明したが、これに限られることなく、絶縁性を有するシートで結合部を包むような構成等、種々の形状を用いることが可能である。
Claims (5)
- 電機子コイルが巻装されたステータと、前記ステータに対して回転自在に設けられたロータとを備えた回転電機において、
前記電機子コイルの端末部と発電出力用リード線の端末部とが電気的に接続された結合部を備え、この結合部は絶縁性被覆部材で覆われ、
前記絶縁性被覆部材における少なくとも前記結合部の先端側の端部には、シール部材が封止されていることを特徴とする回転電機。 - 電機子コイルが巻装されたステータと、前記ステータに対して回転自在に設けられたロータとを備えた回転電機において、
前記電機子コイルの端末部と発電出力用リード線の端末部とが電気的に接続された結合部を備え、この結合部は絶縁性被覆部材で覆われ、
前記絶縁性被覆部材と前記結合部の先端側の端部との間に油性ゲル状物質が充填されていることを特徴とする回転電機。 - 電機子コイルが巻装されたステータと、前記ステータに対して回転自在に設けられたロータとを備えた回転電機において、
前記電機子コイルの端末部と発電出力用リード線の端末部とが電気的に接続された結合部を備え、この結合部は絶縁性被覆部材で覆われ、
前記絶縁性被覆部材における少なくとも前記結合部の先端側の端部には、シール部材が封止されているとともに、前記絶縁性被覆部材と前記結合部の先端側の端部との間に油性ゲル状物質が充填されていることを特徴とする回転電機。 - 前記電機子コイルの一部が、流体中に浸漬されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の回転電機。
- 電機子コイルが巻装されたステータと、前記ステータに対して回転自在に設けられたロータとを備えた回転電機のシール方法であって、
前記電機子コイルの端末部と発電出力用リード線の端末部とを電気的に結合させる工程と、
前記結合部を被覆する絶縁性被覆部材の一端側から前記絶縁性被覆部材内に油性ゲル状物質を注入する工程と、
前記絶縁性被覆部材の他端側から前記結合部を挿入する工程とを有することを特徴とする回転電機のシール方法。
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