JP2009186905A - 透過型発光表示体 - Google Patents

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Abstract

【課題】透視性が高く、かつ、夜間における視認性が高い表示体を提供する。
【解決手段】透明基材の片面に複数の発光体が配列され、各発光体の透明基材への投影方向に遮光部材が設けられている透過型発光表示体。さらに電極を備え、前記発光体と電極とが、導通材を介して接続されている透過型発光表示体。また前記電極が透明電極である透過型発光表示体。また前記発光体が発光ダイオードである透過型発光表示体。前記透明基材平面上の遮光部材又は遮光部材と導通材とによって遮光される遮光領域の面積が、前記発光体の透明基材への投影面積の100〜150%である透過型発光表示体。そして前記発光体が並列型又は千鳥型に配列されている透過型発光表示体。
【選択図】なし

Description

本発明は、透視性を有する発光表示体に関する。
従来、広告宣伝は、テレビや新聞をはじめ、種々の媒体を用いて行われているが、立て看板や、商業ビルの看板のように、人目につく場所に広告媒体を設置することも、広告内容を人々に知らしめるために広く用いられている。また、これ以外にも、ショーウィンドウ、商業ビルの窓、バスやタクシーの窓等の、透明な窓や扉に広告宣伝を印刷した光透過性シートを貼付して、広告媒体とすることも行われている。
特許文献1及び2には、表裏面に異なる絵柄を有し、裏面からの光があると手前側の絵柄が消えたように見える装飾材が開示されており、窓ガラス等の透明な基材に用いることで宣伝広告に有効であることが記載されている。
特開平5−92694号公報 特開平5−92695号公報
しかしながら、窓ガラス等に貼付して用いられている一般的な光透過性シートや、特許文献1及び2に記載されている装飾材は、装飾材を境目としたとき、内側と外側との光源の有無、強弱によって、視認性が異なり、宣伝広告側の視認性を高めた場合、背景透視性が低くなり、視認性と背景透視性の2つを両立することは困難であった。
従って、本発明の課題は、透視性が高く、かつ、夜間における視認性が高い表示体を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、透明基材に発光体と遮光部材とを設けた表示体が、良好な透視性を有し、かつ、夜間での視認性が極めて高いことを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
1.透明基材の片面に複数の発光体が配列され、各発光体の透明基材への投影方向に遮光部材が設けられている透過型発光表示体、
2.さらに電極を備え、前記発光体と電極とが、導通材を介して接続されている上記1に記載の透過型発光表示体、
3.前記電極が透明電極である上記2に記載の透過型発光表示体、
4.前記発光体が発光ダイオードである上記1〜3のいずれかに記載の透過型発光表示体、
5.前記透明基材平面上の、遮光部材又は遮光部材と導通材とによって遮光される遮光領域の面積が、前記発光体の透明基材への投影領域の面積の100〜150%である上記1〜4のいずれかに記載の透過型発光表示体、
6.前記発光体が並列型又は千鳥型に配列されている上記1〜5のいずれかに記載の透過型発光表示体、
7.前記発光体の中心間の距離が5〜100mmである上記1〜6のいずれかに記載の透過性発光表示体、及び
8.前記透明基材が、ガラス基材又は合成樹脂基材である上記1〜7のいずれかに記載の透過型発光表示体、
を提供するものである。
本発明の透過型発光表示体は、良好な透視性を有し、かつ、夜間であっても視認性に優れた表示体である。
以下、本発明の透過型発光表示体を、図面を参考にして説明する。
図1(a)は本発明の透過型発光表示体の発光面側(表面側)を、図1(b)は本発明の透過型発光表示体の裏面側を各々示す斜視図であり、図2は本発明の透過型発光表示体を示す断面の模式図である。
本発明の透過型発光表示体においては、図1(a)に示すように、透明基材1の片面に複数の発光体2が配列されている。
本発明で用いられる透明基材1としては、透明性を有するものであれば特に限定されるものではないが、透明性が高いもの、すなわち、400〜700nmの波長領域における透過率の平均値が80%以上のものが好ましく、85%以上のものがより好ましい。
透明基材1の具体例としては、ガラスや合成樹脂をフィルム状、シート状又は板状とした、ガラス基材や合成樹脂基材が挙げられる。ガラス基材の材料としては、自動車用、建築用、産業用等に通常用いられているガラスを用いることができ、具体的には、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、硼硅酸ガラス、石英ガラス、高硅酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。合成樹脂基材の材料も特に限定されず、公知のものを使用することが可能であり、具体的には、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、アクリル、セルロース系等の各種樹脂が挙げられ、汎用性の面からポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂が好ましい。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート等が好ましく、ポリアミド系樹脂としては、全芳香族ポリアミド、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン共重合体等が好ましい。
透明基材1の形状や大きさは特に限定されず、方形、三角形、多角形、円形、楕円形等の各種形状のものを、適切な大きさとして用いることができるが、取り扱い上の点から、方形又は略方形であると好ましい。
透明基材1の厚みも特に限定されないが、実用性の観点から、通常は1μm〜50mm程度であり、好ましくは5μm〜30mm、より好ましくは50μm〜10mmである。
発光体2としては、発光ダイオード(LED)、電球、豆電球、麦球、発光管等を用いることができるが、消費電力、寿命、発熱、輝度、投影面積の小ささ等の観点から、LEDを用いることが好ましい。発光体2としては、赤色、緑色、青色、白色、橙色、黄色等の異なる色味のものから1種以上を用いることができ、また、2種以上の色味の発光体2を組み合わせ、これらを適宜配列することで、所望の文字、模様、図柄等を表示することが可能となる。例えば、図1(a)に示す本発明の態様では、青色発光体2−aと白色発光体2−bの2色の発光体を用いて数字[10]を表示している。
複数の発光体2の配列は特に限定されないが、発光体2が等間隔に散在するように配列することで、本発明の透過型発光表示体を透視しやすくなり、また、後述する発光面側から裏面側を透視困難とする効果が向上する。発光体2を等間隔に設ける配列の具体例としては、並列型、千鳥型、縞型、同心円型に設ける方法が挙げられ、並列型又は千鳥型に設けることが好ましい。発光体2を設ける間隔は、5〜100mmであると好ましく、10〜50mmであるとより好ましい。尚、ここで発光体の間隔とは、隣接する最も近い発光体の中心間の距離を示す。
発光体2を通電して発光させる場合には、本発明の透過型発光表示体は、さらに電極を備える。発光体に接続される電極を形成する電極材料としては、公知の導電性材料を用いることができ、各種金属材料(金、白金、ニッケルなど)又は透明電極材料を用いて電極を形成することが好ましい。
電極としては、図1及び図2に示すように、透明基材1に透明電極材料を用いて薄膜を形成したり、あるいは、貴金属(金、銀、白金等)を用いて膜厚10〜200nm程度の超薄膜を形成したりして透明電極5とすると、本発明の透過型発光表示体の透視性が良好となるため特に好ましい。透明電極としては、表面抵抗率で1000Ω/□以下、かつ可視領域における光線透過率が80%以上のものが好ましい。
透明電極材料の具体例としては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛、酸化亜鉛、酸化錫等の金属酸化物が挙げられる。
前記電極は、上記の材料を用いてEB法、スパッタ法、抵抗加熱蒸着法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の物理的蒸着法、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法、プラズマCVD法、光CVD法等の化学的気相成長法によって形成したり、あるいは、バインダー等に分散した導電ペーストを用いて、印刷や塗布する方法などの公知の方法により形成することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。電極の膜厚は通常30〜50000nm程度である。また、電極は、透明基材1の発光面側又は裏面側に設けることができるが、発光面側に設けると、発光体2と電極とを接続しやすく好ましい。電極のパターニングには、フォトリソグラフフィー法、マスキング法、レーザーエッチング法等の公知の方法を用いることができる。
また、発光体2と電極とを接続する方法は特に限定されないが、導通材4を介して接続されることが好ましい。導通材の具体例としては、はんだ、導電性塗料や、銀ペースト、カーボンブラック分散ペースト等の導電性ペースト等が挙げられる。
遮光部材3は、発光体2から発せられる光が、発光体2が配列されていない側(裏面側)に透過することを阻害するために、各発光体2の透明基材1への投影方向に設けられる。
遮光部材3としては、発光体2から発せられる光を阻害できる材質のものであれば特に限定されず、金属材料、樹脂材料、顔料、染料等を用いて設けることができ、塗料を塗布することで設けることもできる。黒色、紺色、紫色、茶色等の暗色の遮光部材3を用いると、本発明の透過型発光表示体の裏面側からの光が反射、散乱しづらくなるため、裏面側から発光面側が透視しやすくなる。暗色の遮光部材3としては、黒色顔料、黒色染料、カーボンブラック、アニリンブラック、黒鉛、鉄黒、無機顔料、有機顔料等を用いることができ、これらは単独で用いても、2種類以上混合して用いてもよい。また、上述の導通材4として挙げた材料のうち、遮光性を有するものを用いて、遮光部材3を形成することもできる。
上述のように、各遮光部材3は、本発明の透過型発光表示体の裏面側から発光面側を透視したときに、発光体2から発せられる光が視認し難くなるように各発光体2の透明基材1への投影方向に設けられるが、具体的な発光体2と遮光部材3との位置関係は、本発明の透過型発光表示体が透視される方向によっても異なる。例えば、本発明の透過型発光表示体が、裏面側から発光面側に向かって透明基板1の垂直方向に沿って透視されることが想定される場合には、図2に示す本発明の態様のように、透明基材1上に垂直に発光体2が投影される部分に遮光部材3を設けることができる。遮光部材3は、図2に示すように透明基材1の裏面側に設けることもできるが、透明基材1の発光面側、具体的には、発光体2と透明基材1との間、透明基材1と後述する透明電極5との間等に設けることも可能であり、後述する粘着剤層の裏面側や発光体2に直接設けることも可能である。遮光部材3は、発光体2からの距離が短くなる位置に設けると、比較的面積の小さい遮光部材3を用いて発光体2から発せられる光を阻害することができる点で好ましい。
透明基材1上に遮光部材3を設ける具体的な方法としては、例えば、上記金属材料、樹脂材料、顔料、染料等とバインダーとを用いて塗料を調整し、塗布、インクジェット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷などの公知の方法によって透明基材1上に塗膜を形成する方法が挙げられる。バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂などの中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられる。
また、遮光部材3の形状は特に限定されないが、透明基材1平面上の、遮光部材3又は遮光部材3と導通材4(はんだ、銀ペースト等)とによって遮光される領域(遮光領域)が、発光体2の透明基材1平面上への投影領域(発光体投影領域)の全域を覆っていることが好ましい。尚、上記遮光領域とは、本発明の透過型発光表示体が、発光体2と電極とを接続する導通材4を有しない場合には、透明基材1上の遮光部材3によって遮光される領域を示し、導通材4を有する場合には、遮光部材3と導通材4との少なくともいずれか一方によって遮光される領域を示し、遮光部材3及び導通材4によって重複して遮光される領域も含む。
例えば、発光体として砲弾型LEDを用いる場合には、遮光領域が、砲弾型LEDの透明基材1平面上への円形の投影領域の全域を覆うように、円形の遮光部材3を設けることが好ましく、あるいは、導通材4を用いて発光体2と電極とを接続する場合には、円形の投影領域の一部を導通材4によって遮光し、円形の投影領域の残りの領域については、その発光面側又は裏面側に遮光部材3を設けることで、円形の投影領域の全域を覆うこともできる。
前記遮光領域の面積は、発光体投影領域の面積よりやや広くなるようにすることが好ましく、具体的には、遮光領域の面積が、発光体2の透明基材1への投影面積の100〜150%であるとより好ましく、100〜130%であるとさらに好ましい。遮光領域の面積が、発光体投影領域の面積の100%以上であると、発光体2から発せられる光が裏面側から視認し難くなる点で好ましく、150%以下であると、遮光部材3及び/又は導通材4によって極端に視界が遮られないため、本発明の透過型発光表示体の裏面側から発光面側が透視しやすくなる点で好ましい。
遮光部材3の大きさと数については、本発明の透過型発光表示体の透視性を良好とする観点から、本発明の透過型発光表示体の全面積に占める遮光部材3の投影面積の割合が、5〜70%であると好ましく、10〜60%であるとより好ましい。
本発明の透過型発光表示体は、配列されている発光体2が視界を遮るため、本発明の透過型発光表示体の裏面側から発光面側は透視可能でありながら、発光面側から裏面側は透視困難とすることが可能である。この効果は、発光体2を点灯したり、本発明の透過型発光表示体の裏面側を暗くしたり、発光面側を照明や太陽光によって明るくしたりすることでより強く発現する。
上述のように、図1及び2に開示されている本発明の透過型発光表示体は、裏面側から透明基材1の垂直方向に沿って透視されることを想定し、遮光部材3の位置が求められているため、これを斜め方向に透視した場合には、発光体2から発せられる光の一部が視認されてしまう虞がある。従って、本発明の透過型発光表示体が斜めに透視されることが想定される場合には、所定の角度における、発光体2の透明基材1への投影方向の位置、形状及び面積等を求め、それを隠蔽するように遮光部材3を備えることが好ましい。
本発明の透過型発光表示体を窓ガラス等に設置する場合には、本発明の透過型発光表示体の裏面側の全面又は一部に粘着剤層等を適宜設けることができる。
粘着剤層としては透明なものが好ましく、粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えばアクリル系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などを使用することができる。
実施例1
基材である厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(商品名:「ダイアホイル T−100」、三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製)上に、厚み100nmのITO膜をスパッタリング法により成膜し、フォトリソグラフィー法によりITO膜のパターニングを行い、透明電極とした。その後、ポリエチレンテレフタレート側に、スクリーン印刷にて中心間の距離が10mmピッチの並列型で、導電性ペースト(商品名:「ドータイト FEC−198」、藤倉化成株式会社製)を用いて直径5mmの円形の黒色のドットを印刷し、遮光部材とした。更に、透明電極上に銀ペースト(商品名:「ドータイト XA−492」、藤倉化成株式会社製)を用いて、発光ダイオード(商品名:「ELPA」、朝日電器株式会社製、直径:5mm)を、各遮光部材の発光面側の対応部分に配置して透過型発光表示体を得た(図1参照)。
得られた透過型発光表示体をガラス板に取付け、暗室と明室との境界に、発光面側を暗室側に向けて設置した。1000Hz、100Vの電圧をかけ、発光ダイオードを点灯して確認したところ、発光面側からは発光ダイオードのデザインが確認できたが、裏面側の明室は透視できず、裏面側からは発光ダイオードのデザインは確認できないが、透過型発光表示体を通して、発光ダイオードによって照明された発光面側の暗室が透視可能であった。
実施例2
ポリエチレンテレフタレートに代えて厚み5mmのガラス板を用いた以外は、実施例1と同様にして透過型発光表示体を得た。
得られた透過型発光表示体に1000Hz、100Vの電圧をかけ、発光ダイオードを点灯して確認したところ、発光面側からは発光ダイオードのデザインが確認できたが、裏面側の明室は透視できず、裏面側からは発光ダイオードのデザインは確認できないが、透過型発光表示体を通して、発光ダイオードによって照明された発光面側の暗室が透視可能であった。
本発明の透過型発光表示体は、ショーウィンドウ、商業ビルの窓や、タクシーやバス等の自動車の窓等に貼付する広告媒体等として好適に用いられる。
(a)本発明の透過性発光表示体の発光面側を示す斜視図である。(b)本発明の透過性発光表示体の裏面側を示す斜視図である。 本発明の透過性発光表示体のX−X’線における断面図である。
符号の説明
1:透明基材
2:発光体
2−a:青色発光体
2−b:白色発光体
3:遮光部材
4:導通材
5:透明電極

Claims (8)

  1. 透明基材の片面に複数の発光体が配列され、各発光体の透明基材への投影方向に遮光部材が設けられている透過型発光表示体。
  2. さらに電極を備え、前記発光体と電極とが、導通材を介して接続されている請求項1に記載の透過型発光表示体。
  3. 前記電極が透明電極である請求項2に記載の透過型発光表示体。
  4. 前記発光体が発光ダイオードである請求項1〜3のいずれかに記載の透過型発光表示体。
  5. 前記透明基材平面上の、遮光部材又は遮光部材と導通材とによって遮光される遮光領域の面積が、前記発光体の透明基材への投影領域の面積の100〜150%である請求項1〜4のいずれかに記載の透過型発光表示体。
  6. 前記発光体が並列型又は千鳥型に配列されている請求項1〜5のいずれかに記載の透過型発光表示体。
  7. 前記発光体の中心間の距離が5〜100mmである請求項1〜6のいずれかに記載の透過性発光表示体。
  8. 前記透明基材が、ガラス基材又は合成樹脂基材である請求項1〜7のいずれかに記載の透過型発光表示体。
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