JP2009186543A - プロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】照明光量の調整に際して液晶ライトバルブそれ自体のコントラストを調整できるプロジェクタを提供すること。
【解決手段】遮光部材51を動作位置とすることで、±X軸方向や±Y軸方向に対しての中間方向の傾斜光束に関して、相対的に遮光量を増加させることができる。ここで、照明光が傾斜する方向に関して、±X軸方向や±Y軸方向は、液晶ライトバルブ31のコントラストを良好に維持する方向であるから、動作位置に配置された遮光部材51によって上記中間方向の遮光量を増加させることに伴って、投射レンズ29を経て不図示のスクリーン上に形成される投射画像のコントラストを、遮光部材51が退避位置にある元の場合に比較して相対的に向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成用の液晶表示装置を組み込んだプロジェクタに関する。
従来のプロジェクタとして、照明光を均一化するためのインテグレータ付近に、液晶ライトバルブ上での光量を調整し得る光束調整用の一対のスリットや遮光板を設けたものが存在する(特許文献1、2、3等参照)。
特開2001−228569号公報 特開2003−241311号公報 特開2005−311103号公報
しかし、従来のプロジェクタは、液晶ライトバルブの照明光量を調整するものであり、液晶ライトバルブそれ自体のコントラストを調整する機能を有しない。すなわち、上記従来技術の調光機能を利用すれば、暗い画面で照明光を部分的に遮断し、明るい画面で照明光を遮断しないことにより、時間軸で感じるコントラストを向上させることができる。しかしながら、このように時間軸を利用するコントラスト調整では、液晶ライトバルブに入射する照明光の配光分布が考慮されておらず、液晶ライトバルブの視野角特性を考慮すると、液晶ライトバルブ本来のコントラストを有効に向上させることができない。
そこで、本発明は、照明光量の調整に際して液晶ライトバルブそれ自体のコントラストを効率的に調整できるプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るプロジェクタは、(a)照明用の光束を射出する照明装置と、(b)照明装置からの光束によって照明される液晶表示装置と、(c)液晶表示装置によって形成された画像を投射する投射レンズと、(d)システム光軸と直交する絞り面上にあって、システム光軸に対して直交する第1基準軸と、システム光軸及び第1基準軸に対して直交する第2基準軸とによって4分割される象限領域において、システム光軸側の開口部分とシステム光軸から離れた周辺側の遮光部分とをそれぞれ有する遮光部材によって、遮光を行う遮光装置と、を備え、(d1)各象限領域内の開口部分と遮光部分との境界線が、当該境界線の両端を結ぶ直線以上にシステム光軸寄りに配置されている。
上記プロジェクタでは、遮光部材に設けた開口部分と遮光部分との境界線が、当該境界線の両端を結ぶ直線以上にシステム光軸寄りに配置されているので、第1基準軸の方向と第2基準軸の方向との中間方向に関して相対的に遮光量を増加させることができる。よって、第1基準軸の方向と第2基準軸の方向とが液晶表示装置の照明光の配光方向に関連してコントラストを良好にする方向であれば、投射像を単に暗くすることができるだけでなく、上記中間方向の遮光量の増加に伴って投射像それ自体のコントラストを確実に向上させることができる。
また、本発明の具体的な態様又は観点によれば、上記プロジェクタにおいて、遮光装置が、遮光部材を光路上の動作位置と光路外の退避位置とに進退可能に配置する。この場合、液晶表示装置を、遮光部材を動作位置に配置した高コントラスト状態と、遮光部材を退避位置に配置した低コントラスト状態とで切替えてプロジェクタを動作させることができる。
また、本発明の別の態様によれば、遮光部材が、液晶表示装置の後段から投射レンズまでの間に配置される。この場合、液晶表示装置を経た画像に対応する光束を視野角に対応して遮光することによって、コントラストを直接的に調整することができる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、照明装置が、光源からの光束を均一化する均一化光学系を有し、遮光部材は、均一化光学系における光源像の結像位置近傍に配置される。この場合、遮光部材の遮光による照明光の均一性劣化を抑えやすくなる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、均一化光学系が、光源から射出された光束を複数の要素レンズによって複数の部分光束に分割する第1レンズアレイと、第1レンズアレイから射出された複数の分割光束の状態を複数の要素レンズによって個別に調整する第2レンズアレイと、第2レンズアレイを経た複数の分割光束をそれぞれ液晶表示装置の被照明領域に重畳して入射させる重畳レンズとを備え、遮光部材が、第2レンズアレイの前段及び後段のいずれか一方に配置される。この場合、均一化光学系によって光源光の分割と重畳とが可能になり、照明光の均一性を高めることができる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、第1基準軸と第2基準軸とが、液晶表示装置の視野角特性の相対的に良好な方位に対応する。この場合、液晶表示装置の視野角特性の比較的良好な方位からの光束を有効に活用して投射像のコントラストを向上させることができる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、第1基準軸と第2基準軸とが、液晶表示装置の画面の横方向と縦方向とにそれぞれ対応する。この場合、液晶表示装置の視野角特性が画面の横方向と縦方向とに関して補償されていることになる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、液晶表示装置が、液晶を含む液晶パネルと、液晶パネルを光学的に補償するための光学補償部材とを有する。この場合、液晶表示装置の視野角特性を光学補償部材によって改善することができ、特に視野角特性の良好な方向を除いた中間方向からの光束を遮光部材によって遮断することで投射像のコントラストを向上させることができる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの光学系の構成を説明する概念図である。
本プロジェクタ10は、光源光を射出する光源装置21と、光源装置21からの光源光を赤緑青の3色に分離する色分離光学系23と、色分離光学系23から射出された各色の照明光によって照明される光変調部25と、光変調部25からの各色の画像光を合成するクロスダイクロイックプリズム27と、クロスダイクロイックプリズム27を経た画像光をスクリーン(不図示)に投射するための投射光学系である投射レンズ29とを備える。このうち、投射レンズ29内には、投射画像のコントラストを調整するための遮光装置50が組み込まれている。
以上のプロジェクタ10において、光源装置21は、光源ランプユニット21aと、凹レンズ21bと、第1レンズアレイ21dと、第2レンズアレイ21eと、偏光変換部材21gと、重畳レンズ21iとを備える。このうち、第1及び第2レンズアレイ21d,21eと、重畳レンズ21iとは、均一化された照明光を形成するための均一化光学系として機能する。光源装置21において、光源ランプユニット21aは、例えば高圧水銀ランプからなり、光源光を回収して前方に射出させる凹面鏡を備える。凹レンズ21bは、光源ランプユニット21aからの光源光を平行化する役割を有するが、省略することもできる。第1及び第2レンズアレイ21d,21eは、マトリクス状に配置された複数の要素レンズからなり、これらの要素レンズによって凹レンズ21bを経た光源ランプユニット21aからの光源光を分割して個別に集光・発散させる。偏光変換部材21gは、第2レンズアレイ21eから射出した光源光を例えば図1の紙面に垂直なS偏光成分のみに変換して次段光学系に供給する。重畳レンズ21iは、偏光変換部材21gを経た照明光を全体として適宜収束させることにより、光変調部25に設けた各色の液晶表示装置に対する重畳照明を可能にする。つまり、両レンズアレイ21d,21eと重畳レンズ21iとを経た照明光は、以下に詳述する色分離光学系23を経て、光変調部25に設けられた各色の液晶パネル25a,25b,25cを均一に重畳照明する。
色分離光学系23は、第1及び第2ダイクロイックミラー23a,23bと、補正光学系である3つのフィールドレンズ23f,23g,23hと、反射ミラー23j,23m,23n,23oとを備え、光源装置21とともに照明装置を構成する。ここで、第1ダイクロイックミラー23aは、赤緑青の3色のうち例えば赤光及び緑光を反射し青光を透過させる。また、第2ダイクロイックミラー23bは、入射した赤及び緑の2色のうち例えば緑光を反射し赤光を透過させる。この色分離光学系23において、光源装置21からの略白色の光源光は、反射ミラー23jで光路を折り曲げられて第1ダイクロイックミラー23aに入射する。第1ダイクロイックミラー23aを通過した青光は、例えばS偏光のまま、反射ミラー23mを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ23fに入射する。また、第1ダイクロイックミラー23aで反射されて第2ダイクロイックミラー23bでさらに反射された緑光は、例えばS偏光のままフィールドレンズ23gに入射する。さらに、第2ダイクロイックミラー23bを通過した赤光は、例えばS偏光のまま、レンズLL1,LL2及び反射ミラー23n,23oを経て、フィールドレンズ23hに入射する。レンズLL1,LL2及びフィールドレンズ23hは、リレー光学系を構成している。このリレー光学系は、第1レンズLL1の像を、第2レンズLL2を介してほぼそのままフィールドレンズ23hに伝達する機能を備えている。
光変調部25は、3つの液晶パネル25a,25b,25cと、各液晶パネル25a,25b,25cを挟むように配置される3組の偏光フィルタ25e,25f,25gとを備える。ここで、第1光路OP1に配置された青光用の液晶パネル25aと、これを挟む一対の偏光フィルタ25e,25eとは、青光を画像情報に基づいて2次元的に輝度変調するための青色用の液晶ライトバルブを構成する。同様に、第2光路OP2に配置された緑光用の液晶パネル25bと、対応する偏光フィルタ25f,25fも、緑色用の液晶ライトバルブを構成し、第3光路OP3に配置された赤光用の液晶パネル25cと、偏光フィルタ25g,25gも、赤色用の液晶ライトバルブを構成する。
青光用の第1液晶パネル25aの被照明領域には、色分離光学系23の第1ダイクロイックミラー23aを透過することによって分岐された青光が、フィールドレンズ23fを介して入射する。緑光用の第2液晶パネル25bの被照明領域には、色分離光学系23の第2ダイクロイックミラー23bで反射されることによって分岐された緑光が、フィールドレンズ23gを介して入射する。赤光用の第3液晶パネル25cの被照明領域には、第2ダイクロイックミラー23bを透過することによって分岐された赤光が、フィールドレンズ23hを介して入射する。各液晶パネル25a〜25cは、入射した照明光の偏光状態の空間的分布を画素単位で変調するための非発光型の液晶表示デバイスであり、各液晶パネル25a〜25cにそれぞれ入射した3色の光は、各液晶パネル25a〜25cに電気的信号として入力された駆動信号或いは画像信号に応じて変調される。その際、偏光フィルタ25e,25f,25gによって、各液晶パネル25a〜25cに入射する照明光の偏光方向が調整されるとともに、各液晶パネル25a〜25cから射出される変調光から所定の偏光方向の成分光が画像光として取り出される。
クロスダイクロイックプリズム27は、光合成部材であり、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、X字状に交差する一対の誘電体多層膜27a,27bが形成されている。一方の第1誘電体多層膜27aは青色光を反射し、他方の第2誘電体多層膜27bは赤色光を反射する。このクロスダイクロイックプリズム27は、液晶パネル25aからの青光を第1誘電体多層膜27aで反射して進行方向右側に射出させ、液晶パネル25bからの緑光を第1及び第2誘電体多層膜27a,27bを介して直進・射出させ、液晶パネル25cからの赤光を第2誘電体多層膜27bで反射して進行方向左側に射出させる。
投射レンズ29は、クロスダイクロイックプリズム27で合成されたカラーの画像光を、所望の倍率でスクリーン(不図示)上に投射する。つまり、各液晶パネル25a〜25cに入力された駆動信号或いは画像信号に対応する所望の倍率のカラー動画やカラー静止画がスクリーン上に投射される。
投射レンズ29内に組み込まれた遮光装置50は、投射レンズ29内においてその瞳位置近傍に配置される遮光部材51と、遮光部材51を駆動して光路上に進退させる駆動装置52とを備える。この遮光部材51は、光路外の退避位置に配置された場合、光束を遮蔽することなく略すべて透過させることによって光量重視の画像投射を可能にする。また、遮光部材51は、光路上の動作位置に配置された場合、システム光軸SAから離れた周辺光束を所定のパターンで遮蔽することによってコントラスト重視の画像投射を可能にする。
図2は、図1に示すプロジェクタ10の光変調部25を構成する特定色用の液晶ライトバルブの構造を説明する拡大断面図である。この液晶ライトバルブ31は、液晶表示装置として機能し、図1の例えば第1光路OP1に配置されている青光用の液晶パネル25aに相当する液晶パネル31aと、液晶パネル25aを挟む一対の偏光フィルタ25e,25eに相当する偏光フィルタ31b,31cとによって構成される。
図示の液晶ライトバルブ31において、入射側の偏光素子である第1偏光フィルタ31bと、射出側の偏光素子である第2偏光フィルタ31cとは、入出射面の法線がそれぞれシステム光軸SAすなわちZ軸に平行になっており、クロスニコルを構成するように配置されている。これら第1及び第2偏光フィルタ31b,31cの間に挟まれた液晶パネル31aは、第1偏光フィルタ31b側から入射した入射光LIの偏光方向を入力信号に応じて画素単位で2次元的に変化させ、変化後の変調光を射出光LOとして第2偏光フィルタ31c側に射出する。液晶パネル31aと両偏光フィルタ31b,31cとの間には、入射側に第1光学補償板OC1が配置され、射出側に第2光学補償板OC2が配置されている。これらの第1及び第2光学補償板OC1,OC2は、ともに平板状の外形を有する光学補償部材であり、入出射面の法線がシステム光軸SAすなわちZ軸に平行になるように配置されている。
液晶パネル31aは、ツイストネマティックモードで動作する液晶(すなわちツイストネマティック型の液晶)で構成される液晶層71を挟んで、入射側に第1基板72と、射出側に第2基板73とを備える。これらの基板72,73は、ともに平板状であり、入出射面の法線がシステム光軸SAすなわちZ軸に平行になるように配置されている。なお、入射光LIが入射する第1基板72は、XY面に平行な面に沿って延びるマイクロレンズアレイ72aと、マイクロレンズアレイ72aの内側に配置される本体部分72bとを備える。このマイクロレンズアレイ72aは、後述する透明画素電極77すなわち画素部分PPに対応する所定パターンで2次元的に配列された多数の要素レンズELを有する。
液晶パネル31aにおいて、第1基板72の液晶層71側の面上には、透明な共通電極75が設けられており、その上には、例えば配向膜76が形成されている。一方、第2基板73の液晶層71側の面上には、マトリクス状に配置された複数の透明画素電極77と、各透明画素電極77に電気的に接続されている薄膜トランジスタ(不図示)とが設けられており、その上には、例えば配向膜78が形成されている。この液晶パネル31aを構成する各画素部分PPは、1つの画素電極77と、共通電極75の一部と、両配向膜76,78の一部と、液晶層71の一部とを含む。各画素部分PPには、入射側の第1基板72に設けた各マイクロレンズアレイ72aによって、入射光LIの光束を絞ってこの光束を選択的に入射させることができるようになっている。なお、第1基板72と共通電極75との間には、各画素部分PPを区分するように格子状のブラックマトリクス79が設けられている。
以上の液晶パネル31aにおいて、配向膜76,78は、液晶層71を構成する液晶性化合物を必要な方向に配列させるためのものである。入射側の配向膜76は、これに接する液晶性化合物を第1ラビング方向(例えばX軸方向)に配向させ、射出側の配向膜78は、これに接する液晶性化合物を第2ラビング方向(例えばY軸方向)に配向させる。液晶層71に電圧が印加されないオフ状態において、配向膜76は、液晶性化合物の光学軸を第1偏光フィルタ31bの偏光面であるXZ面を含んだ方向に配向させる役割を有し、配向膜78は、液晶性化合物の光学軸を第2偏光フィルタ31cの偏光面であるYZ面を含んだ方向に配向させる役割を有する。結果的に、液晶層71中の液晶性化合物の光学軸は、第1基板72から第2基板73にかけて徐々にねじれるように配置される。つまり、第1及び第2基板72,73の内側すなわち配向膜76,78に隣接して液晶層71の両端側に配置される一組の液晶性化合物の光学軸は、XY平面上に投影した場合、互いに例えば90°のツイスト角をなす。これにより、一対の偏光フィルタ31b,31cの間に挟まれた液晶層71をノーマリホワイトモードで動作させることになり、電圧非印加のオフ状態で最大透過状態(光オン状態)を確保することができる。なお、後に詳述するが、液晶層71の両端側すなわち配向膜76,78の近傍位置において、液晶性化合物の光学軸は、XY平面すなわち配向膜76,78に対向する入射面や出射面に対して精密に平行になっておらず、かかる入射面や出射面に対して一定のプレチルト角だけ傾いた状態で配置されている。つまり、液晶層71中の液晶性化合物の光学軸は、システム光軸SAに対して傾斜した状態を保持しつつ、システム光軸SAに平行な軸上の位置に応じてこの軸のまわりのツイスト角が徐々に増大するような角度状態で配置されている。
一方、液晶層71に電圧が印加されたオン状態すなわち遮光状態(光オフ状態)において、両配向膜76,78から離れた位置にある液晶性化合物の光学軸は、第1基板72の法線に平行な方向(具体的にはZ方向)に配向する。しかしながら、液晶層71の両端側すなわち配向膜76,78の近傍において、液晶性化合物の光学軸は、略元のままに維持されている。つまり、入射側や射出側における液晶性化合物の光学軸は、第1及び第2偏光フィルタ31b,31cの偏光面に沿ったX方向やY方向に配向されているが、XY面すなわち配向膜76,78に対向する入射面や出射面に平行になっていない。つまり、入射側や射出側における液晶性化合物の光学軸は、システム光軸SAに対して傾斜した状態に維持されており、入射面や出射面に対して一定のチルト角或いは極角だけ傾いた状態に維持されている。なお、液晶層71に電圧が印加されていないオフ状態と電圧が印加されたオン状態とにおいて、配向膜76,78の近傍位置に存在する液晶性化合物の光学軸は、多少変動するがXY面に対して傾いた傾斜状態に維持される。よって、オン状態すなわち遮光状態の液晶層71に対する光学的補償を目的とする場合、このような傾斜状態に対応する傾斜角をプレチルト角と呼ぶものとする。
液晶パネル31aの入射側に配置される第1光学補償板OC1は、正の一軸性の屈折率を有する光学材料である平板状の水晶板で形成されており、例えばかかる水晶板を一枚の平板状のガラス板等で支持した構造とすることもできるが、平板状の水晶板単体とすることもできる。この第1光学補償板OC1を構成する第1の水晶板の光学軸は、例えばXZ面に対して平行であり、X軸方向に配向するとともにZ軸に対して所定の光学軸極角をなす。射出側に配置される第2光学補償板OC2も、平板状の水晶板で形成されており、例えばかかる水晶板を一枚の平板状のガラス板等で支持した構造とすることもできるが、平板状の水晶板単体とすることもできる。この第2光学補償板OC2を構成する第2の水晶板の光学軸は、例えばYZ面に対して平行であり、Y軸方向に配向するとともにZ軸に対して所定の光学軸極角をなす。以上で説明した第1及び第2光学補償板OC1,OC2は、協働して液晶層71のプレチルトに起因する視野角依存性やコントラスト低下を補償する役割を有する。具体的には、第1光学補償板OC1に設けた第1の水晶板と、第2光学補償板OC2に設けた第2の水晶板とが、液晶層71の入射端側及び射出端側に存在する液晶のプレチルトに起因する液晶リタデーションを実効的にキャンセルする。このため、第1及び第2光学補償板OC1,OC2の製造時において、これらを構成する第1及び第2の水晶板の厚みとともにこれらの光学軸の方位角や極角が上記プレチルト角に合わせてそれぞれ調整される。
図3(A)〜3(E)は、第1及び第2光学補償板OC1,OC2によるプレチルトの補償(すなわち液晶リタデーションの補償)を概念的に説明する斜視図である。なお、これらの図3(A)〜3(E)に関する説明は、液晶ライトバルブ31への垂直入射光についてのものである。
図3(A)に示すように、液晶層71の入射面側の平均的なプレチルトは、例えばXZ面に対して略平行でシステム光軸SAに平行なZ軸に対して角φ0だけ傾いていると見ることができる。すなわち、このようなプレチルト状態の屈折率楕円体RIE0は、光学軸OA01がZ軸に対して極角φ0だけ傾いた状態となっており、光学軸OA01が略+X方向に配向している。なお、液晶層71の入射面に近い位置において、特に入射面に極めて近い液晶性化合物の光学軸は、電圧を印加する前のプレチルト角と等しく、一般的に入射面となす角度は10°未満程度である。さらに、電圧印加時において液晶層中心部に向かうに従って液晶性化合物の光学軸は、急激に入射面法線方向すなわちZ方向に平行になる角度に近づく。
図3(B)に示すように、液晶層71の射出面側の平均的なプレチルトは、例えばYZ面に対して略平行でシステム光軸SAに平行なZ軸に対して角φ0だけ傾いていると見ることができる。すなわち、プレチルトの屈折率楕円体RIE0は、光学軸OA02がZ軸に対して極角φ0だけ傾いた状態となっており、光学軸OA02が略+Y方向に配向している。なお、液晶層71の射出面に近い位置において、特に射出面に極めて近い液晶性化合物の光学軸は、電圧を印加する前のプレチルト角と等しく、一般的に入射面となす角度は10°未満程度である。さらに、電圧印加時において液晶層中心部に向かうに従って液晶性化合物の光学軸は、急激に射出面法線方向すなわちZ方向に平行になる角度に近づく。
図3(C)に示すように、第1光学補償板OC1を構成する第1の水晶板の屈折率楕円体RIE1は、正の一軸性の屈折率に相当するものであり、その光学軸OA1がラビング方向に対応するX方向を含むXZ面に対して略平行で、システム光軸SAに平行なZ軸に対して光学軸極角θ1だけ傾いた状態となっている。また、図3(D)に示すように、第2光学補償板OC2を構成する第2の水晶板の屈折率楕円体RIE2は、正の一軸性の屈折率に相当するものであり、その光学軸OA2がラビング方向に対応するY方向を含むYZ面に対して略平行で、システム光軸SAに平行なZ軸に対して光学軸極角θ2だけ傾いた状態となっている。
図3(E)は、第1及び第2光学補償板OC1,OC2による補償の総合的な効果を概念的に説明する図である。液晶層71の入射面及び射出面近傍のプレチルトと、両光学補償板OC1,OC2を構成する第1及び第2の水晶板の屈折率異方性とを合成した屈折率楕円体RIEtは、その光学軸OAtがZ軸に平行な長径となっている正の一軸性の屈折率特性を有している。この屈折率楕円体RIEtは、Z方向から見たXY面内の屈折率が等しく円形であるので、液晶層71に対する垂直入射光に関して、液晶層71のプレチルトによる液晶リタデーションを補償したものとなっている。
実際の入射光LIは、照明光の入射角度範囲に対応する広がりを有する。よって、液晶層71に対して傾斜して入射する傾斜入射光に関しても、その入射の方位に関する液晶リタデーションを補償して視野角特性すなわちコントラストの劣化を抑えることが望ましい。このため、シミュレーション等を用いて光学補償板OC1,OC2の厚みや光学軸OA1,OA2の方向が適切なものとなるように仕様を決定することになるが、このような仕様決定は、通常X軸方向やY軸方向に関する視野角特性の評価を基礎とすることになる。この結果、液晶ライトバルブ31は、変調時のコントラストに関して非等方的な視野角特性を有することになり、一般的な傾向として、システム光軸SAに対してX軸方向やY軸方向に傾いた光束に対して相対的に高いコントラスト特性を有するとともに、システム光軸SAに対して中間角度α=45°,135°,225°,315°(+X軸に対するZ軸まわりの回転角)に相当する中間方向に傾いた光束に対して相対的に低いコントラスト特性を示す。
図4は、液晶ライトバルブ31のコントラストの視野角特性を観念的に説明するグラフである。グラフにおいて、中心からの距離(例えばX軸又はY軸上の位置)は、照明光のシステム光軸SAに対する傾き角すなわち極角β1,β2(β2>β1)を示している。この場合、等コントラスト線CO1,CO2(CO1>CO2)からも明らかなように、X軸及びY軸方向にコントラストが高く、その間の45°等の中間方向にコントラストが低くなる傾向が生じている。
図5は、遮光部材51の形状や機能を説明する図である。遮光部材51は既に説明したように、図1に示す投射レンズ29の瞳位置近傍であって、システム光軸SAに垂直な絞り面に沿って配置されている。ここで、x軸は、各色の光路を展開した場合において図2のX軸の方向に対応しており、y軸は、各色の光路を展開した場合において図2のY軸の方向に対応している。そして、x軸は、液晶ライトバルブ31の画角若しくは被照明領域を考えた場合に、かかる画面の横方向に対応する第1の基準軸であり、y軸は、かかる画面の縦方向に対応する第2の基準軸である。
図からも明らかなように、遮光部材51は、中間角度45°,135°,225°,315°に対応する4つの中間方向に配置される4つの可動部51a,51b,51c,51dを有する。なお、実線は動作位置の遮光部材51を示し、点線は退避位置の遮光部材51を示す。また、遮光部材51に重ねて示す矩形の升目SQは、第2レンズアレイ21eを構成する要素レンズに対応するものであり、換言すれば、第2レンズアレイ21eの近傍に形成される仮想的な光源面(発光管の放電によるアーク像が、凹面鏡及び第1レンズアレイを経て結像する光源像)に対応するものとなっている。これらの升目SQをまとめた矩形の全体領域TAは、液晶ライトバルブ31を照明する照明光の配光特性若しくは配光範囲に対応するものとなっており、液晶ライトバルブ31を経た変調光は、この範囲を通過することになる。
以下、可動部51a,51b,51c,51dのうち、全体領域TAの第1象限に配置される可動部51aについて説明する。可動部51aは、第1象限領域A1の外側を遮光しており、システム光軸SAから離れた周辺側に遮光部分55aを有し、結果的に、システム光軸SA側に開口部分55bを有する。つまり、可動部51aは、システム光軸SAに近い中心側領域に入射する画像光を通過させ、システム光軸SAから特にx軸やy軸に対しての中間方向に離れた四隅側領域に入射する画像光を遮断する役割を有している。可動部51aの形状についてより詳しく説明すると、遮光部分55aと開口部分55bとの境界線BL1は、全体領域TAの輪郭線CL(又はx軸若しくはy軸)上に端点ED1,ED2を有する。そして、境界線BL1は、両端点ED1,ED2を結ぶ直線LLよりもシステム光軸SA寄りに配置されている。つまり、可動部51aの遮光部分55aは、システム光軸SAに向かって凸形状を有しており、システム光軸SAからx軸方向やy軸方向に離れた点に入射する画像光を通過させ、システム光軸SAから45°の中間方向に大きく離れた点に入射する画像光を遮断する。
他の象限に配置される可動部51b,51c,51dも、可動部51aと同様の形状を有する。つまり、各可動部51b,51c,51dにおいて、遮光部分55aと開口部分55bとの境界線BL2,BL3,BL4は、両端点ED1,ED2を結ぶ直線LLよりもシステム光軸SA寄りに配置されており、システム光軸SAから±x軸方向や±y軸方向に離れた点に入射する画像光を通過させ、システム光軸SAから135°等の中間方向に大きく離れた点に入射する画像光を遮断する。
以上のような可動部51a,51b,51c,51dを有する遮光部材51によって画像光の通過及び遮断を切替えることにより、投射画像の状態の切替えが可能になる。すなわち、遮光部材51を動作位置とすることで、±x軸方向や±y軸方向に対しての中間方向の傾斜光束に関して、相対的に遮光量を増加させることができる。ここで、照明光が傾斜する配向方向に関して、±x軸方向や±y軸方向は、液晶ライトバルブ31のコントラストを良好に維持する方向(±X軸方向や±Y軸方向)に相当するから、動作位置に配置された遮光部材51によって上記中間方向の遮光量を増加させることに伴って、投射レンズ29を経て不図示のスクリーン上に形成される投射画像のコントラストを、遮光部材51が退避位置にある元の場合に比較して効率よく向上させることができる。なお、遮光部材51を退避位置に配置してコントラストを低下させた場合、投射画像の輝度を相対的に向上させることになる。
以上の説明では、液晶ライトバルブ31を構成する液晶パネル31aがツイストネマティック型であるものとしたが、液晶ライトバルブ31を構成する液晶パネル31aが垂直配向型であっても、図2に示す構造と同様のものとなる。ただし、液晶層71の特性が異なるものに置き換わることに対応して、配向膜76,78の状態が変更され、第1及び第2光学補償板OC1,OC2のうち例えば第1光学補償板OC1のみが単独で配置される。また、液晶ライトバルブ31は、ノーマリブラックモードで動作することになり、電圧非印加のオフ状態で最小透過状態(光オフ状態)となる。
図6(A)〜6(C)は、第1光学補償板OC1によるプレチルトの補償を概念的に説明する斜視図である。なお、これらの図6(A)〜6(C)に関する説明は、液晶ライトバルブ31への垂直入射光についてのものである。
図6(A)に示すように、電界が印可されていないオフ状態の液晶層71の平均的なプレチルトは、システム光軸SAに平行なZ軸に対して角φ03だけ傾いており、この傾きの配向方向は、例えばX軸方向やY軸方向の中間方向になっている。すなわち、このようなプレチルトの屈折率楕円体RIE03は、その光学軸OA03がZ軸に対して極角φ03だけ傾いた状態となっており、光学軸OA03が45°の方位角方向に配向している。
図6(B)に示すように、第1光学補償板OC1を構成する例えばサファイアの屈折率楕円体RIE3は、負の一軸性に相当するものであり、その光学軸OA3がZ軸に対して極角φ3だけ傾いた状態となっており、光学軸OA3が45°の方位角方向に配向している。なお、第1光学補償板OC1は、例えばサファイアを一枚の平板状のガラス板で支持した構造とすることもできるが、平板状のサファイア板単体とすることもできる。
図6(C)は、第1光学補償板OC1による補償の効果を概念的に説明する図である。電圧非印加のオフ状態で、液晶層71の平均的なプレチルトと、第1光学補償板OC1を構成するサファイアの屈折率異方性とを合成した屈折率楕円体RIEcは、その光学軸OAcがZ軸に平行な略球状の屈折率特性を有している。この屈折率楕円体RIEcは、Z方向から見たXY面内の屈折率が等しく円形であるので、液晶層71に対する垂直入射光に関して、液晶層71のプレチルトによる液晶リタデーションを補償したものとなっている。
以上の説明は、液晶ライトバルブ31に垂直入射する照明光についてのものであり、実際の入射光LIは、照明光の入射角度範囲に対応する広がりを有する。よって、傾斜入射光も配慮したシミュレーション等を用いて第1光学補償板OC1の厚みや光学軸OA1の方向が適切なものとなるように仕様を決定することになるが、このような仕様決定は、通常X軸方向やY軸方向に関する視野角特性の評価を基礎とすることになる。この結果、液晶ライトバルブ31は、変調時のコントラストに関して非等方的な視野角特性を有することになり、一般的な傾向として、図4の場合と同様に、システム光軸SAに対してX軸方向やY軸方向に傾いた光束に対して相対的に高いコントラスト特性を有するとともに、システム光軸SAに対して中間方向に傾いた光束に対して相対的に低いコントラスト特性を示す。よって、図5に示すように、遮光部材51を動作位置に配置することで投射画像のコントラストを高くすることができ、遮光部材51を退避位置に配置することで投射画像のコントラストを低くすることができる。なお、遮光部材51を退避位置に配置してコントラストを低下させた場合、投射画像の輝度を向上させることになる。
以下、シミュレーションを利用した具体例について説明する。図7(A)は、図5に示すような遮光部材51を動作位置に配置した場合において、液晶ライトバルブ31のマイクロレンズアレイ72aを通過する光量の空間分布を示し、図7(B)は、その場合における、液晶ライトバルブ31を通過する光束の配光分布すなわち傾斜角の分布を示す。なお、図7(C)は、遮光部材51を退避位置に配置した場合において、液晶ライトバルブ31のマイクロレンズアレイ72aを通過する光量の空間分布を示し、図7(D)は、その場合における、液晶ライトバルブ31を通過する光束の配光分布すなわち傾斜角の分布を示す。図7(B)と図7(D)とを比較すれば明らかなように、動作位置に配置された遮光部材51によって、X軸及びY軸(又はx軸及びy軸)に対応する横方向及び縦方向に傾いた照明光を残し、かつ、四隅の存在する中間方向に傾いた照明光の遮光量を増加させることができる。
参考のため、図8(A)に示すように、上下一対の可動部851a,851bを有する上下遮光用の遮光部材851を用いた場合や、図8(B)に示すように、円形の可動部951aを有する全周遮光用の遮光部材951を用いた場合についても、同様のシミュレーションを行って、比較を行った。図7(E)は、図8(A)の遮光部材851を動作位置に配置した場合において、液晶ライトバルブ31のマイクロレンズアレイ72aを通過する光量の空間分布を示し、図7(F)は、その場合における、液晶ライトバルブ31を通過する光束の配光分布すなわち傾斜角の分布を示す。また、図7(G)は、図8(B)の遮光部材951を動作位置に配置した場合において、液晶ライトバルブ31のマイクロレンズアレイ72aを通過する光量の空間分布を示し、図7(H)は、その場合における、液晶ライトバルブ31を通過する光束の配光分布すなわち傾斜角の分布を示す。以上の場合、X軸及びY軸(又はx軸及びy軸)に対応する横方向や縦方向に傾いた照明光を残しつつ四隅の存在する中間方向に傾いた照明光を除去する効果が十分に得られないことが分かる。
図9は、遮光によるコントラスト向上を説明するグラフである。横軸は、遮光部材51,851,951による遮光光量を示し、縦軸は、液晶ライトバルブ31のコントラストを示す。ここで、記号◇で示す直線は、遮光部材51による図7(A)の四隅遮光パターンに対応し、記号△で示す直線は、比較例の遮光部材851による図7(E)の上下遮光パターンに対応し、記号□で示す直線は、比較例の遮光部材951による図7(G)の全周遮光パターンに対応する。グラフからも明らかなように、本実施形態のような遮光部材51を用いることで、比較例の遮光部材851,951よりも液晶ライトバルブ31のコントラストを向上させ得ることが分かる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態に係るプロジェクタについて説明する。第2実施形態のプロジェクタは、第1実施形態のプロジェクタを変形したものであり、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
図10は、第2実施形態のプロジェクタに組み込まれる遮光装置50を構成する遮光部材151の形状等を説明する図である。この場合も、第1象限に配置される可動部51aは、第1象限領域A1の外側を遮光しているが、遮光部分55aと開口部分55bとの境界線BL1は、輪郭線CL上とx軸上とに端点ED1,ED2を有する。そして、境界線BL1は、両端点ED1,ED2を結ぶ直線LLよりもシステム光軸SA寄りに配置されている。つまり、可動部51aの遮光部分55aは、システム光軸SAに向かって凸形状を有しており、システム光軸SAからx軸方向やy軸方向に離れた点に導かれる画像光を比較的多く通過させ、システム光軸SAから45°の中間方向に離れた点に導かれる画像光を比較的多く遮断する。
他の象限に配置される可動部51b,51c,51dも、可動部51aと同様の形状を有する。つまり、各可動部51b,51c,51dにおいて、遮光部分55aと開口部分55bとの境界線BL2,BL3,BL4は、両端点ED1,ED2を結ぶ直線LLよりもシステム光軸SA寄りに配置されており、システム光軸SAから±x軸方向や±y軸方向に離れた点に導かれる画像光を通過させ、システム光軸SAから135°等の中間方向に大きく離れた点に導かれる画像光を遮断する。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態に係るプロジェクタについて説明する。第3実施形態のプロジェクタは、第1実施形態のプロジェクタを変形したものであり、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
図11は、第3実施形態のプロジェクタに組み込まれる遮光装置50を構成する遮光部材251の形状等を説明する図である。この場合も、第1象限に配置される可動部51aは、第1象限領域A1の外側を遮光しているが、遮光部分55aと開口部分55bとの境界線BL1は、輪郭線CL上とy軸上とに端点ED1,ED2を有する。そして、境界線BL1は、両端点ED1,ED2を結ぶ直線LLよりもシステム光軸SA寄りに配置されている。つまり、可動部51aの遮光部分55aは、システム光軸SAに向かって凸形状を有しており、システム光軸SAからx軸方向やy軸方向に離れた点に導かれる画像光を比較的多く通過させ、システム光軸SAから45°の中間方向に離れた点に導かれる画像光を比較的多く遮断する。
他の象限領域A2〜A4に配置される可動部51b,51c,51dも、可動部51aと同様の形状を有する。つまり、各可動部51b,51c,51dにおいて、遮光部分55aと開口部分55bとの境界線BL2,BL3,BL4は、両端点ED1,ED2を結ぶ直線LLよりもシステム光軸SA寄りに配置されており、システム光軸SAから±x軸方向や±y軸方向に離れた点に導かれる画像光を通過させ、システム光軸SAから135°等の中間方向に大きく離れた点に導かれる画像光を遮断する。
以上のような可動部51a,51b,51c,51dを有する遮光部材251によって、画像光の通過及び遮断を切替えることにより、投射画像のコントラストの切替えが可能になる。
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態に係るプロジェクタについて説明する。第4実施形態のプロジェクタは、第1実施形態のプロジェクタを変形したものであり、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
図12は、第4実施形態のプロジェクタに組み込まれる遮光装置50を構成する遮光部材351の形状等を説明する図である。この場合、遮光部材351は、全体領域TAのうち上側の左右一対の隅に配置された矩形部を遮光する可動部351aと、下側の左右一対の隅に配置された矩形部を遮光する可動部351bとを備える。これらの可動部351a,351bを光路上に進退させて画像光の通過及び遮断を切替えることによっても、投射画像のコントラストの切替えが可能になる。
〔第5実施形態〕
以下、本発明の第5実施形態に係るプロジェクタについて説明する。第5実施形態のプロジェクタは、第1実施形態のプロジェクタを変形したものであり、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
図13は、第5実施形態のプロジェクタに組み込まれる遮光装置50を構成する遮光部材451の形状等を説明する図である。この場合、遮光部材451は、全体領域TAのうち上側の左右一対の隅に配置された台形部を遮光する可動部451aと、下側の左右一対の隅に配置された台形部を遮光する可動部451bとを備える。これらの可動部451a,451bを光路上に進退させて画像光の通過及び遮断を切替えることによっても、投射画像のコントラストの切替えが可能になる。
〔第6実施形態〕
以下、本発明の第6実施形態に係るプロジェクタについて説明する。第6実施形態のプロジェクタは、第1〜第5実施形態のプロジェクタを変形したものであり、特に説明しない部分は、第1実施形態等と同様である。
図14は、第6実施形態のプロジェクタの光学系の構成を説明する概念図である。本プロジェクタ510は、光源光を射出する光源装置21において、投射画像のコントラストを調整するための遮光装置50が組み込まれている。
光源装置21内に組み込まれた遮光部材51(又は遮光部材151,251,351,451)は、第2レンズアレイ21eの近傍であって第2レンズアレイ21eの前段に配置されている。つまり、遮光部材51〜451は、第2レンズアレイ21eの前後に形成される仮想的な光源面(発光管の放電によるアーク像が、凹面鏡及び第1レンズアレイを経て結像する位置、すなわち光源像の結像位置)近傍に配置されている。この場合、第2レンズアレイ21eの周囲の矩形輪郭に対応させて、画像光用であった全体領域TA(図5、図10〜13参照)を照明光用とする。具体的には、遮光部材51〜451のサイズを適宜調整することで、第2レンズアレイ21e近傍に配置された遮光部材51〜451による遮光を、投射レンズ29の瞳位置での遮光と等価なものとできる。ただし、この場合、液晶パネル31aは、マイクロレンズアレイ72aを備えないものとすることが望ましい。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
すなわち、遮光部材51〜451は、動作位置と退避位置との2箇所間で切り替える場合に限らず、動作位置で連続的に移動させて遮光量を調整することができる。また、遮光部材51〜451は、機械機構によって動作させる場合に限らず、電子的に動作するライトバルブ等に置き換えることもできる。
また、上記実施形態において、光学補償板OC1,OC2の材料、厚み、配置箇所、光学軸の配向方向及び極角、異方性材料の構成枚数等に関する記載は、単なる例示であり、これらの条件は、用途等に応じて適宜変更である。
また、上記実施形態では、遮光部材51〜451を投射レンズ29の瞳位置付近に配置しているが、これら遮光部材51〜451は、液晶パネル25a,25b,25cから投射レンズ29までの適所に配置することができる。
また、上記実施形態のプロジェクタ10では、光源装置21を、光源ランプユニット21a、一対のレンズアレイ21d,21e、偏光変換部材21g、及び重畳レンズ21iで構成したが、レンズアレイ21d,21e、偏光変換部材21g等については省略することができ、光源ランプユニット21aも、LED等の別光源に置き換えることができる。
また、上記実施形態では、色分離光学系23を用いて照明光の色分離を行って、光変調部25において各色の変調を行った後に、クロスダイクロイックプリズム27において各色の像の合成を行っているが、単一の液晶パネルすなわち液晶ライトバルブ31によって画像を形成することもできる。
上記実施形態では、3つの液晶パネル25a〜25cを用いたプロジェクタ10の例のみを挙げたが、本発明は、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、或いは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
上記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
第1実施形態のプロジェクタについて光学系の構成を説明する図である。 図1のプロジェクタを構成する液晶ライトバルブを説明する拡大断面図である。 (A)〜(E)は、補償素子によるプレチルトの補償を説明する図である。 液晶ライトバルブのコントラストの視野角特性を観念的に説明するグラフである。 遮光部材の形状及び機能を説明する図である。 (A)〜(C)は、補償素子によるプレチルトの補償を説明する図である。 (A)〜(H)は、図5に示すような遮光部材を用いた場合にMLAを通過する光量の空間分布や配光分布を説明する図である。 (A)、(B)は、比較例の遮光部材の形状等を説明する図である。 遮光によるコントラスト向上を説明するグラフである。 第2実施形態のプロジェクタに組み込まれる遮光部材の形状等を説明する図である。 第3実施形態のプロジェクタに組み込まれる遮光部材の形状等を説明する図である。 第4実施形態のプロジェクタに組み込まれる遮光部材の形状等を説明する図である。 第5実施形態のプロジェクタに組み込まれる遮光部材の形状等を説明する図である。 第6実施形態のプロジェクタの光学系の構成を説明する概念図である。
符号の説明
10…プロジェクタ、 21…光源装置、 21a…光源ランプユニット、 21d,21e…レンズアレイ、 21g…偏光変換部材、 21i…重畳レンズ、 23…色分離光学系、 23a,23b…ダイクロイックミラー、 25…光変調部、 25a,25b,25c…液晶パネル、 25e,25f,25g…偏光フィルタ、 27…クロスダイクロイックプリズム、 29…投射レンズ、 31…液晶ライトバルブ、 31a…液晶パネル、 31b,31c…偏光フィルタ、 50…遮光装置、 51…遮光部材、 51a,51b,51c,51d…可動部、 52…駆動装置、 55a…遮光部分、 55b…開口部分、 71…液晶層、 72,73…基板、 72a…マイクロレンズアレイ、 75…共通電極、 76,78…配向膜、 77…透明画素電極、 79…ブラックマトリクス、 A1〜A4…第1象限領域、 BL1〜BL4…境界線、 CL…輪郭線、 ED1,ED2…端点、 LI…入射光、 LO…射出光、 OC1,OC2…光学補償板

Claims (8)

  1. 照明用の光束を射出する照明装置と、
    前記照明装置からの光束によって照明される液晶表示装置と、
    前記液晶表示装置によって形成された画像を投射する投射レンズと、
    システム光軸と直交する絞り面上にあって、前記システム光軸に対して直交する第1基準軸と、前記システム光軸及び前記第1基準軸に対して直交する第2基準軸とによって4分割される各象限領域において、前記システム光軸側の開口部分と前記システム光軸から離れた周辺側の遮光部分とをそれぞれ有する遮光部材によって、遮光を行う遮光装置と、を備え、
    前記各象限領域内の前記開口部分と前記遮光部分との境界線は、当該境界線の両端を結ぶ直線以上に前記システム光軸寄りに配置されている、
    プロジェクタ。
  2. 前記遮光装置は、前記遮光部材を光路上の動作位置と光路外の退避位置とに進退可能に配置する、請求項1に記載のプロジェクタ。
  3. 前記遮光部材は、前記液晶表示装置の後段から前記投射レンズまでの間に配置される、請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
  4. 前記照明装置は、前記光源からの光束を均一化する均一化光学系を有し、前記遮光部材は、前記均一化光学系における光源像の結像位置近傍に配置される、請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
  5. 前記均一化光学系は、前記光源から射出された光束を複数の要素レンズによって複数の部分光束に分割する第1レンズアレイと、前記第1レンズアレイから射出された前記複数の分割光束の状態を複数の要素レンズによって個別に調整する第2レンズアレイと、前記第2レンズアレイを経た前記複数の分割光束をそれぞれ前記液晶表示装置の被照明領域に重畳して入射させる重畳レンズとを備え、
    前記遮光部材は、第2レンズアレイの前段及び後段のいずれか一方に配置される、請求項4に記載のプロジェクタ。
  6. 前記第1基準軸と前記第2基準軸とは、前記液晶表示装置の視野角特性の相対的に良好な方位に対応する、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のプロジェクタ。
  7. 前記第1基準軸と前記第2基準軸とは、前記液晶表示装置の画面の横方向と縦方向とにそれぞれ対応する、請求項6に記載のプロジェクタ。
  8. 前記液晶表示装置は、液晶を含む液晶パネルと、前記液晶パネルを光学的に補償するための光学補償部材とを有する、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のプロジェクタ。
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