JP2009185461A - ドア - Google Patents
ドア Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009185461A JP2009185461A JP2008023894A JP2008023894A JP2009185461A JP 2009185461 A JP2009185461 A JP 2009185461A JP 2008023894 A JP2008023894 A JP 2008023894A JP 2008023894 A JP2008023894 A JP 2008023894A JP 2009185461 A JP2009185461 A JP 2009185461A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- door
- cam
- rotation
- sliding surface
- cam body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Wing Frames And Configurations (AREA)
- Closing And Opening Devices For Wings, And Checks For Wings (AREA)
Abstract
【解決手段】
開いたどの位置からも一定の回転力で始動させるようにしたカム体とカム車輪からなる駆動部を調節して、回転速度をかろうじて動く速度に設定し、回転時にだけ作用するバネから密閉時にのみ作用するバネにリレーすることで閉まる直前に一旦停止し、且つ低速回転の後に減速しながら強く密閉する機能を持ち、ドアに伝える回転力の大きさを制御することで摩擦抵抗を使わず減速する構造的特徴を持つ。
【選択図】 図22
Description
力が作用すると運動速度は加速する、何処においてもドアに力が作用するので、たとえ減速しても減速されながらドアの回転速度は加速の一途をたどる。本発明はドアが閉まる直前(以下、閉止直前という)に最高値に達した回転速度を減速して衝撃を緩和し、しかもドアを戸当たりに当たる時(以下、密閉時という)まで回転させて確実に密閉するようになされたものである。
従ってドアが勝手に閉まるようにするバネの力よりもドアを戸当りに押圧し密閉する力のほうが大きいことになる。しかも、バネの力が弱まったドアを閉める最後の段階で、ドアを戸当りに押圧するための最大の力が要求される。
ドアを開き始めるとき、バネの力は上記の「戸当りに押圧するための最大の力(以下、密閉力という)」であり、ドアを開くときこれを初期値にして、バネの力は増加する。即ちドアを開くとき、強くした密閉力は最後まで影響を与える。本発明はドアを開くときの力を最小限に留めて、しかも密閉力を最大にするようになされたものである。
本発明はドアを閉める回転作業と最後に密閉する作業を別々に処理して、ドアを閉めるバネが閉まるときに限って作用して、ドアを密閉する際働かないようにするもので、ドアを開くときドアが重たく感じないようにするものである。
特許文献1〜5に限らず従来の減速装置は密閉力に反対方向の力を負荷して密閉力を弱めるものであり、本願の装置は密閉力を温存しながら回転力を弱めるもので、摩擦抵抗などの反対方向の力を負荷して密閉力を弱めるものではなく力の働く方向を変えることによって回転力を増減して制御するもので、ドアの閉止と密閉に必要な力を最小限にしている。
特許文献6〜9は本願出願人のドアに関する一連の発明であり未公開であるが、既に本願の回転装置と密閉装置について記載している。
低速回転でどこからでも手を放しても止まったままにならず、かろうじて閉まり始めるようすることで、ドアを開いたどの位置においても、かろうじて閉まり始めるために必要な力以上の力が働かないようにすることであり、ドアを開くときにドアが重たく感じられないようにするには、ドアを開くときに初めから終わりまで均等の力でドアを開くことである。
「ドアクローザと同等以上の性能を有する目的」を達成するための第一の課題は、ドアに働く回転力が「止まったままにならずに、かろうじて閉まり始めるようする必要で且つ十分な最小の力」であって、ドアを開いたどの位置においても、常に一定であるようにすることである。
ドアに働く回転力である「止まったままにならずに、かろうじて閉まり始めるようする必要で且つ十分な最小の力」はドアによって異なり、本発明においても、1つの回転伝達装置で全てのドアに対応できることと、1つのドアに対してもドアの回転速度を最低速度に調節できることが必要である。
「ドアクローザと同等以上の性能を有する目的」を達成するための第ニの課題は、ドアに働く回転力を調節することである。
バネの力はドアが開くに従い大きくなり、通常のドアクローザでは上記の密閉する強い力に加えてドアが開くに従い大きくなる力が加算されるためドアを開くときにドアが重たく感じられるが、本発明のようにカム車輪とカム体摺動面とによる回転伝達装置では、ドアを開くときに上記の密閉する強い力が影響しないように出来る。
「ドアクローザと同等以上の性能を有する目的」を達成するための第三の課題は、上記の密閉する強い力がドアを開くときに影響しないようにしてドアを密閉するときにだけ働くようにすることである。
衝撃を伴うことなく強くドアを密閉するための第四の課題は、ドアを減速しながら密閉する装置である。この密閉装置の密閉に伴う動作に伴うドアの回転を出来るだけ小さくすることによって、即ち密閉装置の作動ができるだけ瞬間的に実行されることによって、更なるドアの回転の加速を最小に留めることができる。
「カム体回転軸の周りを回転自在に軸支されるカム体に設けられたカム体摺動面に沿って、回転体回転軸の周りを回転自在に軸支される回転体の先端部に設けられた回転支軸に取付けたカム車輪が移動して、上記カム体摺動面が上記カム車輪を押圧して上記回転体を回転させる回転伝達装置において、上記カム車輪と上記回転支軸とを通る押圧力の作用線が回転体回転軸と一定の距離を保つようにしたカム体摺動面の形状」である。
「回転体回転軸Oを中心とする円Rb上に等分に配した点bi(i=0,1,2、・・・)を通る接線Ti(i=0,1,2、・・・)が回転体回転軸Oを中心とする仮想円Raの接点ai(i=0,1,2、・・・)に接するとして、
上記点biを通り上記接点aiを中心とする次の円弧の始点biに、上記点bi−1を通り上記接点ai−1を中心とする前の円弧が交わるように、上記前の円弧をカム体回転軸Qを中心に回転移動して、上記次の円弧に上記前の円弧を連続し、更に移動した前の円弧の始点bi−1に、前の円弧の前の円弧を連続して作図されるカム体摺動面の形状」である。
カム車輪がカム体摺動面を押圧してカム体を回転させ場合の「カム車輪とカム体摺動面との間で働く押圧力の作用線が回転体回転軸と一定の距離を保ようにするカム体摺動面の形状」は図8に説明するようにインボリュート渦線である。形状がインボリュート渦線であるカム体摺動面に押圧力が作用するときカム体の移動軌道に関係なくカム体が一定の回転力で回転するので、この回転伝達装置は
「形状がインボリュート渦線であるカム体摺動面にカム車輪が押圧力を作用させてカム体を一定の回転力で回転させる回転伝達装置で、且つカム体の回転力でカム車輪に一定の押圧力を作用させる移動装置」である。
「上記カム体回転軸と上記回転体回転軸とに間の距離が変化するカム車輪とカム体とによる回転伝達装置」や「上記カム車輪の上記回転支軸と上記回転体回転軸との間の距離が変化するカム車輪とカム体とによる回転伝達装置」は回転体を回転させる回転力を調節することが出来、「ドアに働く回転力を調節する」第ニの課題を解決する手段である。
この手段は止まってしまったドアを再び動き出すように調節し、ドアを回転させるには力不足の状態を解消させることによってドアの閉止速度を止まるか止まらないかの最低速度に調節するもので、カム体摺動面がカム車輪に働く押圧力の方向を変化させて調節するものである。通常のドアクローザのようにドアを閉止する力の方向と反対方向に抵抗その他の力を作用させるものではないので、ドアを開くときの力がそれだけ軽減される。又摩擦抵抗による減速装置ではないので、磨耗がなく、また性能の低下はなく安定している。
「上記カム体摺動面の上記カム体回転軸に近い部分を直線或いは凸面にして、上記カム車輪が上記カム体回転軸に近い部分にあるとき、上記カム車輪と上記回転支軸とを通る押圧力の作用線が回転体回転軸との距離を大きく変化させるカム体摺動面をもつ回転伝達装置」であり、ドアを開くときに影響しない「カム体摺動面がカム車輪を押圧する強い力」が、ドアが閉まる直前に大きくその威力を発揮するようになる。
「カム体回転軸の周りを回転自在に軸支されるカム体に設けられた凹面或いは凸面のカム体摺動面に沿って、回転体回転軸の周りを回転自在に軸支される回転体の先端部に設けられた回転支軸に取付けたカム車輪が移動して、上記カム体摺動面が上記カム車輪を押圧して上記回転体を回転させる回転伝達装置で、上記カム車輪と上記回転支軸とを通る押圧力の作用線が上記凹面或いは凸面の焦点を通るようにしたカム体摺動面をもつ回転伝達装置」であり、この装置はドアが閉止する直前で「凹面或いは凸面の焦点を通るようにした押圧力の作用線」がかならず回転体回転軸を通るか接近するかして、ドアの回転を停止させるか減速するかの状態にする。
凹面のカム体摺動面の1例として円弧のカム体摺動面を、また凸面のカム体摺動面の1例として直角に折れたカム体摺動面を図19に示し、それぞれの実施例を図20,21に示す。
「上記カム体回転軸と上記回転体回転軸とに間の距離が変化する回転伝達装置」とすることによって動き出すように調整し第四の課題のドアを減速しながら密閉する課題を解決する。またこの装置がドアの回転を伴わず作動するものとするために図20、21に説明するように、「上記カム体回転軸が回転移動する回転伝達装置」とする。
図24、25の実施例は「上記カム車輪と上記回転支軸とを通る押圧力の作用線が回転体回転軸と一定の距離を保つようにしたカム体摺動面と、それに沿って円運動するカム車輪と、上記カム車輪と上記回転支軸とを通る押圧力の作用線が上記凹面或いは凸面の焦点を通るようにしたカム体摺動面と、それに沿って円運動するカム車輪とを備え、
上記カム車輪と上記回転支軸とを通る押圧力の作用線が上記凹面或いは凸面の焦点を通るようにしたカム体摺動面に上記カム車輪が接触するとき、上記カム車輪と上記回転支軸とを通る押圧力の作用線が回転体回転軸と一定の距離を保つようにしたカム体摺動面に上記カム車輪が接触しないようにした回転伝達装置」であり、
図26、27の実施例は「上記カム車輪と上記回転支軸とを通る押圧力の作用線が上記凹面或いは凸面の焦点を通るようにしカム体摺動面と、それに沿って円運動するカム車輪とを備え、
上記カム車輪が接触するとき回転し、接触しないとき回転しない上記カム体摺動面を有する回転伝達装置」である。
「ドア枠に取り付けられるプレートに取付けられる回転軸に固着する回転体と、該回転体の該回転軸と反対側の端部に設けられる回転支軸と、中間の連結軸で連結されるリンクとバネと、該リンクの片方の側面に接触する当りと、上記プレートに取付けられる固定支軸とを備え、
上記リンクの連結軸の反対側の接続軸が上記回転支軸に回転自在に軸支されるとき、上記リンクの両端の接続軸の間の距離が上記回転支軸と上記回転軸との間の距離であるようにし、且つ上記当りを上記回転体に取付けて、
或いは上記リンクの連結軸の反対側の接続軸が上記固定支軸に回転自在に軸支されるとき、上記リンクの両端の接続軸の間の距離が上記固定支軸と上記回転軸との間の距離であるようにし、且つ上記当りを上記プレートに取付けて、
上記回転体の回転の途中までは上記リンクの回転が上記当りによって止められ、上記連結軸を上記回転軸の位置に留めるようにして上記バネが伸縮しないようにして、上記回転体の回転の途中からは上記リンクと上記当たりが離れて、上記連結軸が回転軸の位置から離れるようにして上記バネが伸縮するようにし、上記回転体に回転の途中から作用するバネ」である。
「前記リンクに車輪が取り付き、前記リンクが前記当たりから離れたあと、該車輪が前記プレートに取付けられる滑走面に沿って移動することで、前記連結軸を前記回転軸の位置に留めるようにして前記バネが伸縮しないようにして、
或いは前記リンクに滑走面が取り付き、前記リンクが前記当たりから離れたあと、該滑走面が前記プレートに取付けられる車輪に沿って移動することで、前記連結軸を前記回転軸の位置に留めるようにして前記バネが伸縮しないようにして、
前記回転体が更に回転し、上記滑走面と上記当たりが離れて、上記連結軸が回転軸の位置から離れるようにして上記バネが伸縮するようにし、上記回転体に回転の途中から作用するバネ」である。
強風にあおられてもドアが閉まる前に停止する機能を有する必要がある。これが第六の課題である
「駆動する回転軸に固着される回転体の該回転軸と反対側の端部に設けられた接続軸とドアの接続軸とを2つのリンクによって連結し、ドアが全開状態から閉まる直前までは上記2つのリンクが一直線を保ち、ドアが閉まる直前で上記回転体とそれに連結するリンクが側面で互いに接触して一体となり、
上記2つのリンクA及びAAの連結点PPが、上記回転体Jの回転軸Qと上記接続軸Cとを結ぶ直線Zを境界にして、上記ドアDの回転軸Oを含まない領域内にドアが閉まる直前に移動するようにして、上記回転体の回転によってドアが開く方向に回転し、ドアに力が作用しても動かない状態にするドアの連結部を有するドア」であり、このドアは上述した本発明の「減速して回転する駆動部」によって回転することで、ドアが閉まる前に一旦停止状態になるが、単にバネで動く場合は、ドアが開く方向に回転したあと、バネが無負荷状態になって、一瞬にしてバネが縮みドアが閉まる前に一旦停止状態にならない。カム体とカム車輪とからなる駆動部の場合、ドアが開く方向に回転させるために時間が経過して緩慢に回転させることになり、ドアを回転させる必要のない一旦停止状態になっても駆動部が無負荷状態にならないので、一瞬にしてバネが縮み駆動部一瞬にして回転を終えることはない。
また本発明ではドアに作用する力の方向をドアの回転の接線方向から半径方向に移行させることによって、密閉時にはバネの力の最大値を、全開時には最小値を作用させるようにしている。またドアの回転量に対してバネの伸縮量を少なくして、ドアの開閉に力がかからないようにしている
カム車輪に沿ってカム体の摺動面が移動するときカム体とカム車輪との接点には押圧力が作用し、押圧力の作用線がカム体回転軸との間に距離が生まれて、カム体回転軸の周りに回転力が働く。
本発明のカム体の摺動面の形状は、上記押圧力の作用線とカム体回転軸との間に距離を一定にするもので、カム体とカム車輪との接点に一定の押圧力が作用させたときカム体回転軸の周りに一定の回転力が働くようにするものである。
本願図面に図示する力の作用線のすべては、力の作用線の方向を表すもので、図示される力の作用線の長さは力の大きさを表すものではない。
引きバネVは片端をカム体KKの接続軸Skに接続し多端を接続軸Swに固定して、且つ回転軸Qを中心とする円周のガイドレールKsに沿って伸縮するようにして、カム体の回転と引きバネVの長さの変化が比例するようにしている。引きバネVの引張力の作用線Fvは円周Qsの接線であり、回転軸Qから一定の距離を保つ。従ってカム体の回転とカム体に働く回転モーメントMkは比例する。
図2はカム車輪Bに一定の押圧力が作用するものとして、アームAに一定の回転モーメントを与えるカム体KKの摺動面Kの形状を定義するものである。
カム車輪Bと接する摺動面形状は限りなく円Rbに近似し、等長の半径r0、r1、r2・・・を持つ円弧であり、図1に示されたカム体摺動面Kを分割してどの位置を取り出しても合同な円弧R0、R1、R2・・・であって、図1に示したカム体摺動面Kが同じ円弧の集合体であると仮定することが出来る。
図2(a)において渦線K2は円弧R2であり、渦線K1は円弧R0、R1を点Qを中心に回転移動し、円弧R2に連続させてたものである。連続した渦線K1K2は図1に示したカム体摺動面Kを形成する。渦線K1K2を摺動面とし、回転軸Qを中心に回転する図示されないカム体がカム車輪Bを押圧して回転体Aを回転させるとき、カム車輪Bはカム体摺動面K1K2に沿って移動し、カム車輪Bがどの位置にあっても同じ回転力が働くことになる。
次に作図方法について説明する。
円弧R3の始点b3に連続する円弧K2は、点a2の点Qを中心に円運動する軌跡Ra2上で、点b3から距離r2にある点ak2を中心とする円弧である。同様に円弧K2の始点k2に連続する円弧K1は、点a1の点Qを中心に円運動する軌跡Ra1上で、点k2から距離r1にある点ak1を中心とする円弧である。以下同様にして円弧K0は点ak0を中心とする円弧である。
カム体摺動面KがQを中心に図中矢印イ方向に回転して点k6が点b6に移動するとき、カム体摺動面Kとカム車輪Bの円運動の軌跡Rbとの交点は点b7から点b6に移り、図示されないカム車輪Bも点b7の位置から点b6の位置に移動する。次に点k5が点b5の位置に至るとカム体摺動面Kと軌跡Rbとの交点はb5の位置になり、カム車輪Bもb5の位置に移動する。このようにして点k0が点b0の位置に至るとカム車輪Bはb0の位置に移動している。
カム車輪とカム体摺動面との間に働く押圧力の作用線が回転体回転軸と一定の距離を保ようにしたカム体摺動面の形状は次の説明する手順で作図される。
カム体摺動面Kとカム車輪Bの接点bi(i=0,1,2、・・・)を回転体回転軸Oを中心とする円Rb上に等分に配し、次に接点biを通り回転体回転軸Oを中心とする仮想円Ra上の点ai(i=0,1,2、・・・)に接する接線Ti(i=0,1,2、・・・)を描き、接点biを通り点aiを中心とする円弧aiciを描く。
円弧aiciの終点ci(i=0,1,2、・・・)は接点bi+1を通りカム体回転軸Qを中心とする円Rqi+1(i=0,1,2、・・・)との交点とし、次の円弧bi+1ci+1の始点bi+1と交点ciは円Rqi+1上にある、
次の円弧bi+1ci+1をカム体回転軸Qを中心に回転移動して、次の円弧bi+1ci+1の始点bi+1を前の円弧biciの終点ciの位置に移動し、前の円弧biciに次の円弧bi+1ci+1を順次連続してカム体摺動面の形状が作図される。
図3(a)に点線で示される渦線K0K1K2・・・R7は上に説明した手順と反対の作図されたもので、上に説明した手順で作図されたカム体摺動面の形状と合同である。前の円弧biciをカム体回転軸Qを中心に回転移動して、次の円弧bi+1ci+1の始点biの位置に前の円弧biciの終点ciを移動して、次の円弧bi+1ci+1に前の円弧biciが順次連続してカム体摺動面の形状K0K1K2・・・R7が作図される。
カム体摺動面上の各点k0、k1,k2・・・b7は、図3(b)に示す各直角三角形aibiO(i=0,1,2,3・・・)をQを中心に回転して、円弧R0、R1、R2・・・R7が連続するようにしたときの位置である。図2図3に示した摺動面はカム車輪に働く押圧力が一定のとき、回転軸Oの周りに一定の回転力が働くようにするものである。
図3の場合においても図3(b)に示すように、カム車輪Bが移動した位置における各力の作用線と回転軸Qとの距離Qq0,Qq1,Qq2・・・は変化し、カム車輪Bに働く押圧力を一定にするためには、力の作用線と回転軸Qとの距離の変化に対応して点Qの周りに働くモーメントの大きさも変化しなければならない。図2図3で仮定したように、車輪に働く押圧力を一定にすることは設計上無理な場合がある。
図4は回転中心Oの周りのモーメントを一定に保つため、「一定でないカム車輪Bに働く押圧力」に対応して形状を変えるものである。図4(a)は該押圧力Fbが開くに従い弱くなる場合で、次第に減少する各押圧力の作用線Fb0,Fb1,Fb2・・・Fb7と回転中心Oとの距離を次第に増加させることで、回転軸Oの周りの回転モーメントを一定に保つようにしている。
図4(b)は該押圧力Fbが開くに従い強くなる場合で、次第に増加する各押圧力の作用線Fb0,Fb1,Fb2・・・Fb7と、回転中心Oとの距離を次第に減少させることで、回転軸Oの周りの回転モーメントを一定に保つようにしている。
図4において渦線KAは図3に示した渦線KAであり、押圧力Fbが一定に働く場合で渦線Kbは押圧力Fbが開くに従い減少する場合で、渦線KAに比べて回転軸Qに近づくに従い曲率が変化する割合が大きくなる。渦線Kcは押圧力Fbが開くに従い増加する場合で、渦線KAに比べて回転軸Qに近づくに従い曲率が変化する割合が小さくなる。
図1においてガイドKsの円周の半径をrkとすると、回転軸Qのまわりのモーメントの釣り合いから、
Fv=(Fb/rk)Lb (数式1)
であり、ここに(Fb/rk)は一定であるからFVはLbに比例する。Lbの変化は図3(b)において点Qと各点q0、q1、q2・・・との間の距離の変化であり、この距離の変化にFVの変化が対応している。バネVの片方の支点をQに固定し、片方の支点を各点q0、q1、q2・・・を通る点線で示される曲線に沿って移動させたときのバネの長さの変化に対応している。
図5においてバネVの片方の支点を固定点Swとし、他方の支点Skをカム体KKに取付けるとすると、図5(a)においては回転軸Qを中心にカム体KKが回転すると、バネの支点も回転軸Qの周りを公転し、位置をq0、q1、q2・・・q7の位置に順次移動し、バネVの長さの変化は図3(b)で示す押圧力の作用線と回転軸Qとの間の距離の変化に一致する。図5(a)の場合カム体KKに働くバネの力の作用線はバネの軸芯線であり、回転軸Qとの距離が変化し、数式1の仮定のrkが一定である条件を満たしていない。
又図5(a)においてバネの支点Skの位置がq2q3・・・の位置に順次移動し、そのときのバネの長さの変化が図5(b)においてバネの支点Skの位置がq2からq3の位置に移動し、バネVがガイドKsに巻きつきながら長さを変化させるときの長さの変化と一致するものとするならば、図5(b)に示すバネの機構は図3に示すカム車輪に働く押圧力を一定にすることになる。
しかしバネの引張力はバネ全長の変化ではなくバネの伸縮量に比例するので、図5(c)に示すように固定点側のバネの支点をSwの位置からバネの自然長LVの長さだけ延長した位置Swwに移動させる。図5(b)においてSwの位置からq3の位置に図示するバネの部分はバネの引張力に比例する伸縮量を示すことになる。
図5(c)はこれを改善するもので、図5(b)に示したガイドKsの形状を円弧Ksから渦線Kssにしてカム体に働く回転軸Qの周りの回転モーメントを調整している。即ちカム体KKが回転するに従い、バネと回転軸との距離の変化が関係することになる。
図6(b)図7(b)図8(b)は、図2で説明した作図方法に従ってそれぞれの場合のカム体摺動面形状を作図するもので、すべての場合において図3(a)の場合と同じく、カム車輪Bの軌道とカム体摺動面との交点bにおけるカム体摺動面の接線に垂直な直線Tは、点Oを中心とする仮想円Raに接点aにて接している。カム体摺動面に垂直な直線Tはカム車輪に作用する力或いはカム車輪が作用する力の作用線で、回転軸Oとの距離を一定に保っている。従って回転軸Oの周りの回転モーメントは常に一定である。
カム体摺動面を細かく分割してカム体摺動面をその分割した微分要素の集合体と考えると、
交点bを通るカム体摺動面の微分要素は、「垂線Tと仮想円Raの接点a」を中心として距離abを半径とする円弧Ri(i=0,1,2・・・)に近似している。
円弧Riと接線Tiからなる図形aibici(i=0,1,2・・・)を、図6(b)においては点Qを、図7(b)図8(b)においては点Oを中心に回転移動して、図6(b)においてはR5に、図7(b)図8(c)においてはRoに連続するようにすると、各々のRii(i=0,1,2・・・)はKii(i=0,1,2・・・)に回転移動してカム体摺動面が作図される。
図1〜図6のカム体摺動面において、カム体摺動面の接線に垂直な直線Tは、カム体が回転させる相手の回転体Aの回転軸を中心とする仮想円に接している。従って図1〜図6のカム体摺動面の形状は相手の回転体Aの回転軸の位置によって変化する。
これに対して図7図8のカム体摺動面において、カム体摺動面の接線に垂直な直線Tは、自身の回転軸を中心とする仮想円に接している。従って図7図8のカム体摺動面の形状は相手の回転体Aの回転軸の位置によって変化されない。図7図8のカム体摺動面の形状は自身の回転軸を中心とする仮想円の大きさによって決定する。
これに対してカム車輪が移動する円軌道の中心は、カム体摺動面に立てた垂線Tが接する仮想円の中心ではなく、カム車輪は仮想円の中心からの距離を変化させて移動する。図7(b)図8(b)に示すようにカム体摺動面の微分要素の円弧の半径は、カム車輪とカム体摺動面との接点bが仮想円の中心から離れるに従いおおきくなる。カム体摺動面の微分要素の円弧の半径は、カム車輪とカム体摺動面との接点bが仮想円の中心から離れるに従い大きくなるが、分要素の円弧は次第に同一に近づき図7図8のカム体摺動面の形状はカム体の回転軸から離れるに従い円に近づく。
図7図8の場合、カム体の回転軸から離れたカム体摺動面の円に近い場所ではカム車輪の移動に対してカム体が大きく回転することになり、図1〜図6においてカム体と回転体の速比がほとんど一定であるのに対して、図7図8の場合、カム体の回転軸から離れる程に速比が大きく変化する。
このことは図7図8の場合カム体の回転軸から離れる程に車輪が移動しにくくなることを意味しており、カム体の回転軸から離れる程に速比が大きく変化する意味も含めて、カム車輪がカム体の回転軸に近づくに従いカム体の回転が速くなることを意味している。
図7の場合でも、図8場合でも、仮想円の大きさを同じ大きさに設定するならばカム体摺動面の形状は一致する。
図8は回転運動を上下の移動手段に用いる一般的な手段ではあるが、初めから終わりまで一定の回転力で物を上下に移動することになる。図8で定義するカム摺動面を有するカム体を採用すれば、初めから終わりまで作用させる力を均一にすることによって、最も弱い力で重量物を上下に移動することを可能になる。
円Oを中心とする円Ri(i=0,1,2・・・)とカム車輪が移動する軌道との交点を点bi(i=0,1,2・・・)とし、直線Ti(i=0,1,2・・・)が点bi(i=0,1,2・・・)を通り、仮想円Raと接点ai(i=0,1,2・・・)で接するとし、点aiを中心とする半径をaibiとする円弧と円Ri−1との交点をci(i=0.1.2.・・・)とすると、図7(b)においても図8(b)においても、円弧biciは、円Riとカム車輪が移動する軌道との交点を点biが円Ri上のどの位置にあってもどうどうである。図7(b)に示した円弧と図8(b)に示した円弧とは合同である。
点biが円Ri上のどこにあっても定義される円弧biciは全て合同であるので、円弧biciを回転移動して連続させて作図される渦線b0k1k2k3・・・はカム車輪の移動が如何なるものであっても1つに決定する。
図8(b)において円弧biciの始点biは半径方向の直線上に等分に配しているが、円弧biciの長さは点Oから離れるに従い長くなり、円弧biciの終点ci付近では垂線が仮想円Ra上の接点aiを通るが仮想円Raに接するようにならないので、図8(b)において円弧biciの長さを一定にして円Riと円Ri−1との間隔を漸次減少させていくと、より精度のよい渦線が得られる。
仮想円Raに点jiで接し点jiを中心に長さjikiを半径とする円弧kiki+1を描き、仮想円Raから遠いほうの端点ki+1に、端点ki+1を通り仮想円Raに点ji+1で接する接線Ti+1の長さji+1iki+1を半径とし点ji+1を中心とする「円弧kiki+1と等長である円弧ki+1ki+2」を順次連結していくとより精度のよい渦線が得られる。
図8(a)に示すようにカム体摺動面の任意の点に立てた垂線がひとつの仮想円に接する場合、カム体摺動面の渦線形状はインボリュート渦線であり、初めから終わりまで一定の回転力で物を上下に移動する図8のカム体摺動面の渦線形状はインボリュート渦線である。図8(b)に示した作図方法はインボリュート関数を使わない点において簡便である。このインボリュート渦線はカム車輪の移動に関係なくは決定する。これに対して図1〜6のカム体摺動面の渦線はカム車輪の移動軌道によって変化する渦線である。
図1〜6のカム体摺動面の渦線は仮想円と移動軌道が決まれば渦線の形状が決まるが、カム体摺動面が決められた後で、カム体と回転体の回転軸間の距離を変化させるなどしてカム車輪の移動を変化させると、カム車輪に働く押圧力の作用線の方向が変化する。図7,8に示す渦線は、カム車輪の移動を変化させてもカム車輪に働く押圧力の作用線の方向は変化しない。図7,8に示す、インボリュート渦線と図1〜6の渦線とは明らかに異なっている。
実施例図3図6において、カム車輪の円運動の移動方向、即ち図3図6においてはカム車輪の移動Rb方向とカム体摺動面とは常に同じ角度で交わっている。実施例図7においては実施例図3図6の場合と異なり、カム車輪の移動が回転の中心から常に同じ距離を保つ円運動ではなく回転の中心からの距離が変化し、一定の押圧力で同じ回転力を与えるために、カム車輪の移動Rb方向がカム体摺動面と交わる角度は変化している。
実施例図3図6の場合、一定の勾配の坂道で止まる「一定の重さを積載した台車」はどの位置においても止まり、動き始める台車はどの位置においても動き始める。カム体摺動面Kが一定の押圧力Fbでカム車輪に働くとき、どの位置においても止まり、動き始める台車はどの位置においても動き始める。
実施例図7の場合、「一定の重さを積載した台車」に働く重力は坂道の上のほうでは小さくなる状態で、どの位置においても止まり、動き始めるためには坂道の勾配は坂道の上のほうでは小さくなる。
図9(a)(b)(c)は、それぞれ図3図6図7についてカム車輪の移動方向とカム体摺動面との交角の異なる場合の異なるカム体摺動面の形状を示すものである。異なるカム体摺動面KX,KY,KZのそれぞれは回転軸Oを中心に異なる半径の円RX、RY、RZに対応している。
図9(a)(b)のカム体摺動面Kは、分割してどの位置を取り出しても合同な円弧で、同じ円弧の集合体である。図中qX,qY,qZのそれぞれはカム体摺動面KX,KY,KZの微分要素の円弧の中心の移動を示す。
図9(c)はのカム体摺動面Kの微分要素の円弧は合同ではない。微分要素の円弧の中心は回転軸Oで移動しない。
図10〜図14に説明するように、同じ交角で一定であるカム体摺動面でも、「回転体回転軸Qとカム回転軸Oとの間の距離」を変化させることによって、「カム車輪の移動方向とカム体摺動面との交角」を変えることが出来る。また「カム車輪の移動方向とカム体摺動面との交角」は、「カム車輪の移動方向とカム体摺動面との交点b」と回転の中心との距離Rbを変化することによって変えることが出来る。
「止まったままではなく動き始めるために必要なカム体摺動面の勾配」はドアによって異なり、「カム車輪の移動方向とカム体摺動面との交角」が変化するように調整できれば回転し易いドアに取付けたカム体でも、回転しにくいドアに転用することが出来る。又同じドアに同じカム体をつける場合でも、バネの強さを止まってしまわない程度に調整することが出来る。このようにしてドアには回転し易いドアと回転しにくいドアのどのドアに対しても1つのカム体摺動面を用意して、ドアの回転速度を止まってしまわない程度に調整することが出来る。
また「カム車輪の移動方向とカム体摺動面との交点b」と回転の中心との距離Rbを変化させた場合の「カム車輪の移動方向とカム体摺動面との交角の変化」を図10,13において説明する。
このようにして「回転軸からカム車輪の先端までの距離」を変化させることによってドアの回転速度を調節することが出来る。
カム車輪とカム体摺動面とが接する点を接点bとし、接点bと回転体回転軸Oとの距離をLaとすると、図10(a)に示した回転軸QからLfの距離にある回転軸Ofは、点Qを中心とする半径Lfの円Rfと、点bを中心とする半径Laの円Rlaとの交点の位置にある。同様に図10(b)に示した回転軸Onは円Rnと円Rlaとの交点の位置にある。
図10(a)のように回転体とカム体を遠ざけると、「カム体摺動面Kとカム車輪の円軌道Rbfとの交角」は大きくなり、回転体は回されやすくなり、又図10(b)のように回転体カム体を近づけると、「カム体摺動面Kとカム車輪の円軌道Rbfとの交角」は小さくなり回転体は回されにくくなる。このことは図1〜5の実施例のカム体をドアの駆動部に採用したとき止ってしまう場合は、回転体とカム体を遠ざけて動くようにすることが出来、又ドアが速く動きすぎる場合は近づけて減速することが出来る。
図11(a)は図10(c)に説明したように、カム体回転軸と回転体回転軸との間を遠ざけた場合の回転軸Ofの位置は、回転軸Qからの距離がLfであるので、点Qを中心とする半径Lfの円Rfと、点bを中心とする半径Laの円Rlaとの交点の位置にある。交点bが円軌道Rb上をb2、b3、・・・b7と移動するとき、図11(a)において回転体回転軸Ofの位置をf2f3・・・f7に示し、それぞれの押圧力の作用線までの距離をaf2f2、af3f3・・・af7f7で示している。図11(b)においては回転軸Ofの位置をn0,n1,n2・・・n7で示し、それぞれの押圧力の作用線までの距離をan0n0、an1n1、an2n2・・・an7n7に示す。
図12(b)ではそれぞれの接線Tと回転軸Onとの間の距離の変化を表している。
カム体と回転体の回転軸を互いに遠ざけて止まったドアが動き出すと途中で止まることはなく、ドアが全開状態のときかろうじて動き出すようにすれば、最も小さな力でドアが回転することになる。この場合ドアが閉まるに従い大きな力が働くので、ドアが閉まるに従い加速することになる。
図1〜5の実施例について図11に説明したように、図6図7の実施例の場合においても、カム体摺動面の任意の位置に立てた垂線Tは仮想円Raに接し、接点bの位置と仮想円Raの関係はカム車輪の公転の中心の位置即ち回転体Aの回転軸の位置に無関係に成立している。
「回転体回転軸からカム車輪とカム体摺動面との接点までの距離」がL1或いはL2の場合、それぞれ回転体回転軸の位置は円Ro上のO1,O2の位置になる。図13(a)から判断できるように、図6の実施例においてはカム体摺動面上で接点bが同じであるとき、「回転体回転軸からカム車輪とカム体摺動面との接点までの距離」が短くなると、「カム体摺動面がカム車輪を押す力の作用線T」との距離が短くなるので動きにくくなる。また「回転体回転軸からカム車輪とカム体摺動面との接点までの距離」が長くなると、「カム体摺動面がカム車輪を押す力の作用線T」との距離が長くなるので動きやすくなる。
カム体に働く押圧力Fbは一定であり、カム体KKは回転軸Qを中心に一定の回転力で回転する。カム体に働く押圧力の作用線Fbとカム体KKは回転軸Qとの距離は一定であるが、カム体と回転体の回転軸間の距離がLaからLfに大きくなると、回転体の回転軸Oの位置は接点bを中心として半径がLaである円Rla上の点Ofに移動し、押圧力Fbの作用線Tまでの距離は小さくなる。
押圧力Fbが一定であるのでカム体に回転を与える回転モーメントは小さくなる。図13(b)に示すようにカム体と回転体の回転軸を離せば離すほど、カム車輪Bの移動方向に対してカム体摺動面の勾配が小さくなり、小さな回転力でも移動可能となる。
図14は図6に示した実施例においてカム体と回転体の回転軸との距離が変化した場合の押圧力の作用線Fbの方向の変化を示すもので、図14(a)はカム体と回転体の回転軸とを遠ざけた場合で、図14(b)か近づけた場合である。
図14(a)に示すようにカム体と回転体の回転軸を互いに遠ざけると、回転中心と力の作用線との距離は総じて小さくなり、ドアは閉まるに従い作用する回転力は小さくなる。又互いに近づけると図14(b)に示すように総じて大きくなる。
カム体摺動面においてカム体摺動面の任意の点に立てた垂線はカム体回転軸からの距離によって異なるものである。またカム体摺動面の任意の点のカム体回転軸からの距離を決めればその点に立てた垂線の方向は決定するが。図1〜6の実施例のカム体摺動面において、カム体摺動面の任意の点に立てた垂線の方向は回転体回転軸を中心とする仮想円の接線でありカム体回転軸と回転体回転軸との距離が異なれば異なることになる。
図7,8の場合カム体摺動面の任意の点に立てた垂線の方向は回転体回転軸ではなく自身のカム体回転軸を中心とする仮想円の接線であるので、カム体回転軸と回転体回転軸との距離に関係なく、カム体回転軸からの距離を決めれば決定する。従って図7,8の場合、カム体回転軸と回転体回転軸との距離を変えても図1〜6の実施例のようにカム体摺動面に立てた垂線の方向は変化しない。
図7,8の場合カム体摺動面上の任意の点においてその場所にカム車輪が接触するとき、カム車輪に働く押圧力の作用線はその接点を通る摺動面に立てた垂線であり、摺動面上のカム車輪の位置が決まればカム車輪の公転軌道に関係なく押圧力の方向は決まる。図7、8に示した摺動面Kは一定の押圧力がカム体に働くと、一定の回転力でカム体が回転するようにしたもので、カム車輪の公転の中心即ち回転体回転軸に関係しない。
円周Rf上の各点f0、f1、f2・・・の各点から力の作用線T0,T1,T2・・・までの距離は点Qから作用線T0,T1,T2までの距離より小さく、カム体KKに働く押圧力が一定であることから、f0、f1、f2・・・の各点の周りの回転モーメントは小さくなる。従って小さな回転力でカム体を回転させることが出来る。
図13(b)から判断できるように回転体回転軸をカム体回転軸から遠ざけることによって、カム車輪がカム摺動面に進入する角度が小さくなり、カム車輪が摺動面上を移動しやすくなる。
円周Rn上の各点n0、n1、n2・・・の各点から力の作用線T0,T1,T2・・・までの距離は点Qから作用線T0,T1,T2までの距離より大きく、カム体KKに働く押圧力が一定であることから、f0、f1、f2・・・の各点の周りの回転モーメントは大きくなる。従ってカム体を回転させるためには大きな回転力が必要となる。
又閉止時にはドアを回転させるだけでなくドア側面に取り付けたラッチをドア枠に施したラッチ穴に嵌め込む作業が追加される。従ってドアの閉止時に必要な力は、回転時に必要な力以上の大きな力となる。通常のバネで動くドアはドアを開き始めるときに「回転時に必要な力以上の大きな力」が必要で、更に開くに従い開く力は更に大きくなり、ドアを開くときにドアが重たく感じることになる。
ドアを少し開いた状態から手を放してもドアは閉まり始めて、しかもドアの逆回転防止装置であるタッチ装置を作動させて、ドアを戸当たりに強く押圧する必要がある。そのためドアの閉止時には、回転時に必要とした最小の力以上の別の力が必要となる。
又カム車輪を移動させるために必要な力はバネの力が大きく負荷されていても無関係であり、ドアを開くときに必要な力にバネの力は影響しない。
即ちドアの閉止時にバネの力の作用線の方向を突如として変えることによって、閉止時にドアに大きな密閉力を働かせることが出来る。この密閉力でも不足する場合は、図28,29に後述するように密閉時にだけドアに作用するバネを追加する。
そのため閉止直前にブレーキをかける必要があるが、通常用いるブレーキシューによる摩擦抵抗などは、反対方向の力を作用させてドアに働く回転力を弱めるものである。単に回転力を弱めるだけであるならば、以上に説明したカム車輪に働く押圧力の方向をより回転中心に向くようにすることで解決できる。
図16〜18は図1〜15に説明したカム体摺動面の曲線の形状をカム体摺動面の始点部付近で変化させるもので、カム体回転軸に近い部分において車輪に働く押圧力の方向を回転の中心に向かう方向に次第に近づけるもので、ドアが閉止する直前でドアに与える回転力が不足してドアの回転速度が減速し、やがて止まってしまうようにするものである。
ゴム製の車輪は変形して接地面積を大きくし転がり摩擦が大きいが、磨耗して材質も性能も劣化し易く転がり摩擦の効果も不安定である。本発明のカム車輪には変形せず接地面が点であり転がり摩擦の小さい例えば鋼製の車輪を用い、出来ればベアリング入りの車輪が望ましく、ドアを開くときの抵抗をできるだけ小さくしてドアが重たく感じられないようにするものである。
閉止直前でブレーキをかける手段はブレーキ調整が難しく、止まってしまうか動き出して速く動きすぎるかのどちらかであるが、図19に説明する調整では、減速速度を無段階に調整することが出来る。
ドアの閉止速度が低速であっても加速しながら閉止するが、十分に減速され閉止時の衝撃が少ない場合はカム体摺動面Kの曲線の始点部付近で、直線の摺動面KCや凸面の摺動面KDを連続して、ドアの閉止直前で急激に加速してもかまわないが、カム体摺動面Kの曲線の始点部付近で実線で示す円弧の摺動面KAを連続させて、ドアの閉止直前で減速しながら強く密閉することが望ましい。
ドアを強く密閉する構造を追加することは構造を複雑にする。またドアをを強く密閉する前にドアの回転速度を減速する構造にすると構造が複雑になるだけではなく、その調整が難しくなる。このようなことから、ドアを強く密閉する構造を追加するのではなく、カム体摺動面Kの曲線の始点部付近で、直線の摺動面KCや凸面の摺動面KDを連続して、1つのカム体摺動面でドアを弱い力で回転させた後に強く密閉するバネだけで満足できるのであればそれが最も望ましい。
カム体摺動面Kに2点鎖線で示す直線の摺動面KCが連続する場合、カム車輪Bに働く押圧力の作用線Tと回転体Aの回転軸Oとの距離を大きくし、ドアを強く密閉することになる。
図17(b)において直線KBが回転してカム車輪Bが円軌道Rbに沿って移動し、公転をb2、b1、b0の位置に順次移動するとき、押圧力の作用線はT2,T1、T0と変化し、交点b1において作用線T1が回転軸Oを通るように設計している。
カム車輪Bが交点bからb0に僅かに移動すると、カム車輪がカム摺動面の始点からカム体回転軸Oに向かう径方向の部分に沿って移動し、作用線T0と回転軸Oとの距離l0は急激に増加する。
図19(a)において図16(b)で示した途中で止まるようにした状態を点線で表し、回転軸間の距離を大きくすることによって回転が増加した状態を実線で示す。
回転体回転軸をカム体回転軸Qから徐々に遠ざけると、図16(b)で示した途中で止まるようにした状態で、力の作用線の回転中心からの距離がゼロの状態から徐々に大きくすることが出来、ドアが閉止直前に途中で止まる状態から徐々に動く状態に移行させることが出来、閉止直前のドアの回転速度を止まるか止まらないかの速度にすることが出来る。
カム体回転軸を回転体回転軸Oから遠ざけると、摺動面KBが回転したとき、カム車輪は図中に示す点b0の位置に至らず摺動面KB上を後戻りして力の作用線と回転中心Oとの距離を大きくしてドアを密閉する。
図20は図19(a)に示した装置においてカム体回転軸Qが移動するものであり、図19(a)は図20においてカム体回転軸をQoの位置に固定するものである。
図20において図示されないカム車輪は回転軸Oを中心とする円Rb上をカム摺動面KAに沿って移動し、押圧力の力の作用線Tは常にカム車輪とカム摺動面との接点と円弧KA0の中心Cを通る。
即ちドアが閉止直前でカム車輪Bが交点bの位置で停止して、カム体回転軸が円Rq上を移動すると、カム車輪Bとドアは停止してもカム体は回転し続け装置は動作し、強い密閉力が働くようになる。
引きバネVをカム体KKに設けた支点Skと固定した支点Swに取付けると、回転軸Qとカム車輪と間の距離が回転軸Q2と支点Skとの距離より大きいとき、カム体回転軸はQ0の位置にある。カム体KKはQ0を中心に回転し、カム車輪はカム体摺動面KA上を移動する。又回転軸Qとカム車輪と間の距離が回転軸Q2と支点Skとの距離より小さいとき、カム体KKはカム車輪とカム摺動面との交点bを中心に回転し、リンクAkは回転する。この時車輪Bは止まっているが、カム体摺動面KAは車輪Bに沿って移動する。
図20(c)においては瞬時にリンクAkは回転しカム体も回転するが、図20(b)においてはリンクAkとカム体は減速しながら回転する。
図20(c)においてはカム体回転軸Qの位置がカム車輪Bが停止している位置bから遠ざかる移動をする。カム体回転軸Qの位置がカム車輪Bから遠ざかる移動をするときリンクAkは回転軸QQの周りを回転しやすく、カム体は加速しながら回転する。図20(b)においてはカム体回転軸Qの位置が車輪Bが停止している位置bに近づく移動をする。このときリンクAkは回転軸QQの周りを回転し難く、カム体は加速しながら回転する。
図20(b)(c)において、引きバネが縮む限り、或いはカム体が同方向に回転し続ける限り、カム車輪の移動が停止してもあるいはカム体摺動面上を逆戻りしても装置は動き続ける。図20は、カム車輪の移動が停止しても、或いは減速しても、リンクAkが回転するなどして装置は動き続けることで、ドアが閉まる寸前で一旦停止状態になり、しかも再び動き出すようにするものである。
このようなことからリンクAkの回転軸QQの位置を変えることで、「カム体回転軸Qの位置が一旦停止状態にあるカム車輪Bに近づく移動をする度合い」を調整でき、ドアが閉まる寸前の一旦停止状態の時間の長さをコントロールできる。
図20(c)において、カム体回転軸Qの位置が一旦停止状態にあるカム車輪Bから遠ざかる移動をするとき、リンクAkは一瞬にして回転軸QQの周りを回転する。
また「ドアの閉止直前でカム体回転軸が移動せずカム体が点Q0の周りを回転するときのカム車輪の位置」よりも「ドアの閉止直前でカム体回転軸が移動してカム体が点Q2の周りを回転するときのカム車輪Bの位置」のほうがカム体の回転中心から離れており、バネの力が同じ回転力をカム体の回転に与えるとき、カム車輪に働く押圧力は小さくなり、閉まったドアを開くときそれだけ小さな力でカム体を回転させることが出来、それだけ小さな力でドアを開くことが出来る。
このようにしてドアを強く密閉することで、ドアを開くときにドアが重たく感じられる欠点を解消することが出来る。
図21において図示されないカム車輪は回転軸Oを中心とする円Rb上をカム摺動面KBに沿って移動し、押圧力の力の作用線Tは常にカム摺動面KBに直交する。カム車輪が円Rbとカム摺動面KB上を移動し、円Rbとカム摺動面KBとの交点bにある時、押圧力の力の作用線T0はカム車輪の公転の中心Oを通りカム車輪は停止する。図21(a)においてカム体回転軸は交点bを中心に円運動してQ0、Q1、Q2・・・に移動するものとすると、車輪Bは交点bの位置に留まり且つカム摺動面KA上でも移動しない。この時押圧力の作用線T0,T1,T2は車輪Bの公転の中心Oからの距離が増加して回転体Aに与える回転力が増加する。即ちドアが閉止直前でカム車輪Bが交点bの位置で停止して、カム体回転軸が円Rq上を移動すると、カム車輪Bとドアは停止してもカム体KKは公転し続け装置は動作し、強い密閉力が働くようになる。
引きバネVをカム体KKに設けた支点Skと固定した支点Swに取付けると、回転軸Qとカム車輪と間の距離が回転軸Q2と支点Skとの距離より大きいとき、カム体回転軸はQ0の位置にある。カム体KKはQ0を中心に回転し、カム車輪は摺動面K上を移動する。又回転軸Qとカム車輪と間の距離が回転軸Q2と支点Skとの距離より小さいとき、カム体KKはカム車輪とカム摺動面との交点bを中心に回転し、リンクAkは回転する。この時車輪Bはカム摺動面KBに沿って移動する。
カム体回転軸の位置がQ2に移動しリンクAkが当りG2に当って静止した後、カム体KKはQ2を中心に回転しカム車輪が再び動き回転する。
図21(b)においてはカム体回転軸Qの位置が車輪Bが停止している位置bに近づく移動をし、図21(c)においてはカム体回転軸Qの位置が車輪Bが停止している位置bから遠ざかる移動をする。
図21(b)において、車輪Bはカム摺動面KB上を戻ることなく移動し、図21(c)において、車輪Bはカム摺動面KB上を戻りながら移動する。図21(b)(c)において、「ドアの閉止直前でカム体回転軸が移動してカム体が点Q2の周りを回転してカム車輪Bを押圧する力」は、「ドアの閉止直前でカム体回転軸が移動せずカム体が点Q0の周りを回転してカム車輪を押圧するときの力」よりも弱く密閉力は小さくなるが、閉まったドアを開くときそれだけ小さな力で開くことが出来る。
範囲(あ)においてはカム車輪が摺動面K上を大きく移動しても、カム体の回転とバネVの長さの変化は少なく、範囲(い)においてはカム車輪が摺動面KA上を僅かに移動しても、カム体の回転とバネVの長さの変化は大きい。
またカム体摺動面がカム車輪を押圧する力の作用線Fbと回転体Aの回転軸Oとのあいだの距離は、範囲(あ)においては小さく回転体の回転速度は遅く、範囲(い)においては大きく、回転体の回転速度は速い。
図22(d)は密閉時にリンクAkが回転し、当りG2に当る状態を示している。又金具Wに取付けられる調整ネジGBによって、リンクAkkを接続軸QQQの周りに矢印ニ方向に回転し、金具WとリンクAkkとの間の間隙Lgを調節することによって、カム体と回転体の回転軸間の距離OQを調整し、図10〜12に説明したようにドアの回転速度を調整することが出来る。
ドアの全開時に近い範囲では回転体Aを僅かに回転させるだけでカム体は大きく回転し、カム車輪Bが円軌道Rb上を僅かに移動してもカム摺動面K上を大きく移動する。又カム車輪に働く押圧力がドアを開くに従い回転軸Qの方向に向かうので、図22(b)に示すようにカム車輪が摺動面末端に至る付近ではカム体の回転に大きなブレーキがかかる。このような理由からカム摺動面Kを延長するには限界があり、図22(b)に示す回転角以上にドアを開くことは困難となる。
カム体KKの摺動面Kは図6(b)に説明した渦線Kを外周とし、カム車輪Bと摺動面との接点bと車輪Bの回転軸Ibを結ぶ直線は、カム体摺動面がカム車輪を押圧する力の作用線で図23(a)に示すドアが閉まり始めて閉止直前に至るまでの範囲では、回転軸Oとは一定の距離を保っている。この範囲においてドアは一定の回転力で回転しバネの力を最も弱い力に設定することにより、開いたドアからどこで手を放してもドアは止まったままになることなく動き出すようにする。
範囲(あ)においてはカム車輪が摺動面K上を大きく移動しても、カム体の回転とバネVの長さの変化は少なく、範囲(い)においてはカム車輪が摺動面KB上を僅かに移動しても、カム体の回転とバネVの長さの変化は大きい。
またカム体摺動面がカム車輪を押圧する力の作用線Fbと回転体Aの回転軸Oとの間の距離は、範囲(あ)においては小さく回転体の回転速度は遅く、範囲(い)においては大きく、回転体の回転速度は速い。
金具Wに取付けられる調整ネジGBによって、リンクAkを接続軸QQの周りに矢印ニ方向に回転し、金具WとリンクAkとの間の間隙Lgを調節することによって、カム体と回転体の回転軸間の距離OQを調整し、図14に説明したようにドアの回転速度を調整することが出来る。
図23(b)に示すように、カム車輪を押圧する力の作用線Fbと回転体Aの回転軸Oとの間の距離が大きい場合、カム体KK回転軸Qが移動しないまま、カム体KKが回転軸Qを中心に矢印イ方向に回転する。この間カム車輪Bは摺動面Kに沿って移動しながら回転軸Oを中心とする円周Rb上を矢印ロ方向に移動する。同時に回転体Aが回転軸Oを中心に矢印ハ方向に回転する。
図23(c)に示すように、カム車輪を押圧する力の作用線Fbと回転体Aの回転軸Oとの間の距離が小さい場合、リンクAkが回転してカム体KK回転軸Qが移動する。リンクAkが当りG2に当った後、カム体KKが回転軸Qを中心に矢印イ方向に回転する。
この間カム車輪Bは摺動面Kに沿って逆戻り方向に移動する。同時に回転体Aが回転軸Oを中心に矢印ハ方向に回転するが、図23(b)に示すようにカム体KK回転軸Qが移動しないままカム体KKが回転する場合より回転体Aの回転は遅い。
図23(a)はドアの全開範囲をリンクAkが回転することによって拡げる状態を示すものである。
バネに「ドアを少し開いた位置から手を離してドアが密閉するす力」があれば、「ドアがどの位置からでも勝手に閉まる力」を持っているので、バネに「ドアを少し開いた位置から手を離してドアが密閉するす力」以上の力は必要でない。しかしながら図22,23の1つのカム体摺動面に2つの機能を持たせるものでは、ドアが密閉しても閉止速度が速いとか、閉止速度が減速されてもドアを密閉せずに途中で止まってしまうとか、2つの機能を同時に最も望ましい状態に調整できない場合がある。
図26、27は図22,23の1つのカム体摺動面の「減速しながら閉止する機能を持つカム体摺動面」と「減速したあと強く密閉する機能をもつカム体摺動面」とを別々の回転軸の周りを回転するようにして、「減速しながら閉止する動作」と「減速したあと強く密閉する動作」を別々にして、減速しながら閉止した後一旦停止して強く密閉するように出来、しかも別々に調整できるようにしたものである。
カム体KKは渦線Kを外周とするカム体KK1とカム摺動面KBを外周とするカム体KK2からなり、カム体KK1とカム体KK2は接続軸Ikで連結され、調整ネジBkでカム体KK2を接続軸Ikの周りに回転させカム体KK1とカム体KK2との間の角度Θkを固定できる。
金具Wに取付けられる調整ネジGBによって、リンクAkを接続軸QQの周りに矢印ニ方向に回転することによって、カム体と回転体の回転軸間の距離OQを調整し、図15に説明したようにドアの回転速度を調整することが出来る。
図24(b)〜(d)に示すようにドアを密閉する範囲(い)内では、バネV2の力の作用線と回転体Aの回転軸Oとの間の距離は大きくバネV2の力でドアを密閉する。バネV1の固定支点Swは回転軸QQの周りに回転自在に軸支されるアームAsの先端部に取付けられ、バネV1がドアを回転させた後自然長に戻ると、アームAsは回転軸QQの周りを矢印ホ方向に回転する。ドアが閉止する直前でバネV2の力がドアの回転に影響しないようになり、密閉時にドアを加速しないようにしている。バネV1がドアを回転させる間はアームAsは当りGsによって回転軸QQの周りを矢印ニ方向に回転しないようにしている。
カム体KK1の摺動面Kはドアが回転する範囲(あ)に携わるKの部分で摺動面KAは減速しながらドアを密閉する範囲(い)に携わる部分である。
バネの強さはドアを密閉する範囲(い)は出来るだけ小さいほうがよく、ドアを密閉するバネが働くときのバネの力が働かないことが望ましい。図28に後述するようにドアを密閉するバネはドアを密閉するする瞬間にだけ大きな力が発生するバネである必要がある。
ドアを回転する装置は図7に説明したカム車輪がカム体を押圧してカム体を回転させるもので、カム車輪B1がカム体KK1を押圧して回転させる。ドアを密閉する装置は図7に説明した円弧の摺動面によるもので、摺動面を曲率の大きな直線に近い円弧の摺動面Kにすることよって、カム体摺動面Kがカム車輪B3を押圧する力の作用線Fbとカム体回転軸Q1との距離の変化を大きくして、摺動面Kを移動するカム車輪B3に反対方向の力を作用させることによってドアの回転速度を減速する。反対方向の力とはカム車輪B3がドア枠に取付けた金具Wに設けた円弧の摺動面K3上を移動するとき、トグルバネV3が伸縮して発生する力である。
この間カム体KK1は回転し続けているがカム車輪B3がカム体KK2の摺動面Kに接触するとき、はじめてカム体KK2の回転に関与するのであるから、たとえ加速するように働くとしても、カム体KK2がはじめてカム体KK1の回転を始動させるので、静から動に移る慣性のため、カム体KK1の回転は減速する。
図26(a)の全開状態から26(c)の閉止直前の状態にいたる間、車輪B2はカム体KK2の摺動面Kに沿って移動する。この間カム体KK2は回転せず静止状態を維持する。またバネV2の長さは変化しないのでバネV2の力はカム体KK2の回転に寄与しない。図26(c)に示す閉止直前にカム体KK2の摺動面から離れてカム車輪B3がカム体KK2の摺動面に接触する。車輪B2がカム体KK2の摺動面から離れた瞬間にバネV2の力がカム体KK2に大きく作用し、図24,25の場合とは異なり、ドアを密閉する大きな力が突如として働くことになる。
即ちバネV2の力がカム体KK2に作用してカム体KK2が回転してカム車輪B3を押圧するが、この動作は車輪B2がカム体KK2の摺動面から離れた瞬間にバネV2の力がカム体KK2に大きく作用することによって始動し、それまで静止状態にあったバネV2とカム体KK2には静止状態を保とうとする静感性が働いており、突然運動し始めるには時間の経過が必要となる。この時間の経過がドアを閉止直前に一旦停止状態にする。
回転体A1の回転軸Oの周りの矢印ニ方向の回転は調整ネジGBによって制限され、車輪B1がカム体KK1の摺動面から離れる瞬間の位置は調整ネジGBによって調整することができる。
図26に示した手法は回転体に回転を与えるカム体側の回転軸は2つの装置で別にしており、密閉する範囲に携わる装置はドアが回転する範囲に携わる装置の動作が終了するまで静止している。図26に示した手法においては回転される側のカム体の回転に途中反対方向の力が作用してブレーキをかけられるが、継続している。
図27の手法はドアの回転から密閉に受け継がれる際に、ドアが回転する範囲に携わる装置が密閉する範囲に携わる装置を始動させるという余分な仕事をすることによって、回転の伝達機構に不連続を生じさせるものである。
これに対して図27においては、ドアを開くときカム車輪B3がカム体KK3の摺動面Kに沿って移動することにより、カム体KK3は回転軸Qを中心に矢印ホ方向と反対方向に回転する。カム車輪B3がカム体KK3の摺動面Kから離れるが、カム体KK3の車輪B2が金具Wに設けられる摺動面K3に沿って移動しカム体KK3は摺動面K3上に自立し、カム体KK3の回転軸Qと車輪B2の回転支軸を結ぶ線は摺動面K3に直交する。カム体KK3が摺動面K3上に自立することによりカム体KK2の逆方向の回転を阻止して、閉まるときのカム車輪B3の通路を確保する。
カム体KK3は中間部をカム体KK2と接続軸Qを介して回転自在に軸支され、摺動面は接続軸Qを中間にして、回転軸Q2に近い側の摺動面KAと遠い側の摺動面Kからなり、摺動面KAの末端部の回転支軸に車輪B2が取り付く。金具Wに設けられるあたりGwは車輪B2が金具Wに設けられる摺動面K3に沿う移動を阻止するものである。
カム車輪に働く押圧力が一定値を保たなくても、カム車輪がカム体摺動面を移動する速度はあまり影響されない。カム車輪がカム体摺動面を移動する速度は、カム車輪に働く力の作用線の方向に影響され、カム車輪に働く押圧力やバネの強さにあまり影響されない。
以下に説明するドアを密閉するときにだけ働くようにするバネは図24、25或いはそれ以前に示した手法のようにドアに回転を与える装置とドアを密閉する装置の回転軸が1つである装置に適用するものである。
図28は図24で説明したバネの機構の説明図で、ドアの回転に携わるバネV1から密閉に携わるバネV2へのリレーについての動作説明図で、図29は密閉の最後の瞬間にドアに作用するようにしたバネの動作説明図である。
図28においてプレートWに設けられる回転軸Qを中心に回転軸Qに固着される回転体Jは図中矢印→イ方向に回転しドアを閉める。
回転体Jに設けられる回転支軸SJ1、SJ2のそれぞれに、リンクS1,S2が回転自在に軸支され、リンクS1,S2の先端の接続軸SU1,SU2のそれぞれに、引きバネV1,V2の片方の端部が接続される。引きバネV1,V2の他方の端部は、それぞれプレートWに取り付く回転軸Iに軸支される回転アームAの先端の接続軸SAと、プレートWに設けられる接続軸SWに接続される。
図28(a)〜(b)へ移行する過程においてバネの長さは減少してその力を弱めるが、バネの力の作用線F1と回転軸Qとの距離L1は増加し、バネV1が回転体Jに与える回転モーメントは出来る限り一定に保たれる。
バネV1は長さに対してコイル径の大きなコイルバネで、自然長に戻る
位置は一定しており、バネV1の力がゼロになったとき、図28(c)に示すように回転リンクAは回転軸Iを中心に図中矢印→ロ方向に回転する。
図28(c)に示すように、バネの支点SVが回転軸Qから離れる以前は、リンクSの軸芯線とバネの軸芯線は折れ曲がり、離れる瞬間は一直線になる。閉止直前からリンクS2は当りGsから離れて、バネV2の力の作用線F2と回転軸Qとの距離L2を増加させながら、回転軸Qの周りの回転モーメントを増加させ、強い力でドアを密閉する。このとき回転軸Qと接続軸SJ2との距離が大きいほど回転体Jの小さな回転でバネV2の力の作用線F2と回転軸Qとの距離L2を大きく増加させる。
図28(c)に示す構造では当りGsは回転体JにではなくプレートWに設けられる。図28(a)〜(c)の場合と同様に、リンクS2は全開時から閉止直前までを当りG2に接触させて端部Sv2を回転軸Qの位置に留める。
図29に図示されるリンクS、回転軸IバネVとその支点SV、SWは、それぞれ図28に図示されるリンクS2、回転軸SJ2バネV2とその支点SV2,SWに同じ動作をするもので、リンクSには車輪Bが取り付き、図29においては図28に示した当りGsに代わって、回転軸Qを中心とする円周の摺動面K2が端部Svを回転軸Qの位置に留める役目を果たす。
図29(b)に示すように、バネの支点SVが回転軸Qから離れる以前は、リンクSの軸芯線とバネの軸芯線は折れ曲がり、図29(c)に示すように、離れた瞬間に一直線になる。このようにリンクSとバネが突如として一直線になるとき、バネVの力の作用線Fと回転軸との距離Sが瞬時に最大値を示すので、回転軸の周りの回転モーメントもドアの閉止終了時に瞬間的に発生する。即ちラッチが作動するドアの僅かな回転にだけバネVの力が作用することになる。
図29(c)の図中矢印→ロ方向は閉まったドアを開くときの車輪Bの移動方向を示し、ドアが閉まるとき車輪Bは摺動面K1の内側凸面上を移動するが、ドアを開くとき車輪Bは摺動面K1の外側凸面上を移動する。
円棒Mと軸受けNとの間の摩擦は円筒の軸受けNからバネの力が作用する円棒Mの端部までの距離Lmが大きいほど大きくなり、円筒の軸受けNから円棒Mの端部までの距離Lmを調節することでドアの回転速度を調節できる。図28に示す回転軸Qを図29(d)(e)に示す円筒の軸受けNと円棒Mにすると、このバネだけで回転する回転軸Qの回転をドアの回転に伝えるとしたら、このバネの構造の駆動部をドアに取付けるだけで、ドアを減速しながら回転させ、ドアを強く密閉することが出来る。
図30は図29と同様にリンクSの接続軸Sjを中心とする円運動の接線方向の動きを、リンクSの先端に取付けた車輪Bsが回転中心Qを中心とする円周の摺動面上Kwに沿って移動することによって阻止し、バネの支点Svを回転中心Qの位置にとどめるものである。
図29の場合は車輪Bsが摺動面Kwの円弧の内側に沿って移動するものであるが、図30は摺動面Kwの円弧の外側に沿って移動するものである。車輪Bsが摺動面Kwに乗り移るときバネの支点Svを回転中心Qの位置に引き寄せる。
図29の場合はバネの長さを縮めながら回転し、図30の場合はバネの長さを伸ばしながら回転する。回転体Jの回転速度は図29の場合は加速され、図30の場合は減速される。
図32、33は図29,30,31と異なり、回転体Jの回転支点Sjの周りにバネVが回転自在に軸支され、回転支点Swの周りにリンクSが回転自在に軸支される。
ドアが完全に閉まった状態からドアを開くとき、回転体Jが⇒と反対方向に回転して、車輪Bは摺動面Kのドアが閉まるときに接触した面と反対側の面上を通過する。ドアが閉まるとき車輪Bが摺動面Kと接触する面が図29,32、33においては内側であり、図30,31においては外側である。
ドアを開くとき車輪Bは図29,図32、33においては外側を通過し、図30においては内側を通過する。図29,30〜33の全ての場合においてドアを開くとき、車輪Bが閉まるときのルートと別のルートを通過し、いずれに場合もバネを伸ばしながら通過する。また抵抗を少なくしてドアを開くように出来る
ドアの駆動部は上部ドア枠に取り付けられ、ドア枠下縁X−Xより高い位置に取り付けられる。駆動部に接続するアームDaはドア枠下縁X−Xより高い位置にあって、ドア上部に取り付く金具Dwはドア枠下縁X−Xより低い位置にある。図34(a)においてアームDaの先端に取り付くローラーDbはドア上部に取り付く金具Dwの長穴Dh内を移動するようにしてあり、ドア枠下縁X−Xより低い位置にある。図35(b)において「アームDaとドア上部に取り付く金具Dwに接続されるリンクDl」とは接続軸Djによって接続される。接続軸Djドア枠下縁X−Xより低い位置にある。
ドアとドア枠に取付ける部品の全てはドアの駆動部ドアとトドア枠の間に挟まれる領域に進入することはなく、従ってドア開口部を塞ぐことはなく、ドア開口部を通過する人の邪魔にならない。
駆動部がドアに伝える回転が一定であっても、駆動部と連結部とを取付ける時の位置関係によって、ドアの全開の角度、ドアが減速する位置、ドアに強い密閉力がかかる位置が変化する。連結部分の構造は駆動部と連結部とを取付ける時の位置関係が如何なる場合であっても、ドアの全開の角度、ドアが減速する位置、ドアに強い密閉力がかかる位置を調節できるものでなければならない。
しかしながら、十分に減速して閉止するものでドアが加速されて密閉されるときの速度が大きくなければ、ドアの閉止時に激しい衝撃音を発することはない。通常このように減速せずに密閉するものであっても激しい衝撃音を発するものでない限り使用に耐えることが出来る。
図34に示す実施例において、カム体回転軸Qを回転させるバネ28V2は図5(c)で説明した円弧のガイドKssに沿って伸縮する。図34(a)に示すように、リンク29Sに取り付く車輪29Bが滑走面29Sから離れて、密閉時にのみ働くバネ28V2とリンク29Sは一直線になっている。
図34(b)は回転軸Odを中心に回転するドアDと連結部の動作を説明するもので、アームDaの先端に取り付くローラーDbがドア上部に取り付く金具Dwの長穴Dh内を移動しながら回転体回転軸Oを中心に公転する様子を示している。
図35(b)は回転軸Odを中心に回転するドアDと連結部の動作を説明するもので、アームDaの回転に対してドアの回転が大きく、ドアの全開時にはアームDaの回転がドアに伝わりにくく、ドアを手動で自由に回転できやすい状態になっていて静止させておきやすい状態になっている。又ドアの閉止時にはドアの密閉力がドアの回転軸Odの方向に向いており、ドアヒンジに緩みが出来てガタツキが生じたドアに対しても、ドアを傷めることなく、ドアをしっかりと閉止することが出来る。
図36において回転体Jはドア枠に取り付く回転軸Qを中心に回転し、ドアDは回転軸Oを中心に回転する。回転体J先端の接続軸Pとドアの接続軸Cとは2つのリンクA,AAで連結される。リンクAとAAとは接続軸PPで連結される。
回転体JとリンクAが互いに側面同士を接続させて一体にならない限り、点P,PP、Cの3点は常に一直線上にある。
ドアが閉まる直前でドアが慣性力によって加速し回転体Jの回転がドアDの回転に遅れる場合2つのリンクは折れ曲がり、2つのリンクの連結点PPが回転軸Qと接続軸Cとを結ぶ直線Zを境界にして回転軸Oを含まない領域内にある時、ドアDは回転体Jの回転によって回転してもドアを直接閉めようとしても閉まらない状態になる。
図36(b)に示すようにリンクAの先端をL型に曲げる場合、必ず連結点PPが直線Zを境界にして回転軸Oを含まない領域内に這入るときがあり、ドアは一旦開く方向に回転するか或いは一旦停止するかして、ドアが強風で急激に閉まってもドアが閉まる寸前で開いたままの状態で静止する。
このように回転半径が極端に小さくなることは、一体となったリンクAと回転体Jが回転軸Qを支点とするテコとなり、ドアを戸当たりGdに強く押圧する。
リンクAの先端が折り曲げられる場合、2つのリンクの接続軸PPは直線Zを境にしてOと反対側になるときがあり、このとき、ドアを閉める方向に強く押すと、力の作用線ZZが回転軸Qから見てOと反対側にあるので、図36(b)に示すように回転体Jを矢印イ方向に回転させ、接続軸PPは矢印ロ方向に移動し、直線P,PP、Cは折れ曲がる。
このとき回転体Jは開く方向に回転し、ドアを閉めることは出来ない。又、直線P,PP、Cが回転軸Qを通る場合も、ドアに力を作用させても各リンクは動くことなくドアは動かない。図36に示すドアはドアが閉まる直前でドアを押しても動かないドアで、回転体Jの図中イ方向と反対方向の回転で、ドアが開く方向に回転するドアある。
図37(a)に実線で示す部分は、ドアが閉まる直前の状態を。点線で示す部分は、ドアが全開した状態とドアが閉まった状態を示す。図37(a)の点線で示す全開した状態では、回転体JとリンクAは離れた状態であり、接続軸P,PP,Cは一直線上にある。
ドアが全開した状態から閉まるとき、接続軸Pにおいて回転体JとリンクAとがなす角度は次第に減少し、図37(a)の実線に示すようにドアを閉める直前で回転体JとリンクAとがなす角度が0になり、回転体JとリンクAが重なって一体となる。回転体JとリンクAとが互いに接触しあうと、接触したままの形を保持する。
また回転体JとリンクAが重なって一体となるまで、接続軸P,PP,Cは一直線上にある。回転軸先端Pがドア接続軸Cを牽引する力の作用線は先端が直角に曲げられ他リンクAの形状の如何に関係なく一直線である。
図37(a)に点線で示すように回転体JとリンクAが重なって一体となるとき、接続軸P,PP,Cは一直線上になく接続軸PPにおいてリンクAとAAとは折れ曲がっている。接続軸PPが円弧の軌跡の中央に向かうとき、AとAAとは折れ曲がった状態から一直線に近づこうとする。即ち、接続軸PとCは互いに遠ざかる。
このとき接続軸PPの移動のドアに直角の方向成分がドアに近づく方向で、ドアDは開く方向に回転し、更に回転体Jが回転して円弧の軌跡の中央を通り過ぎると、接続軸PPの移動のドアに直角の方向成分がドアから遠ざかる方向になるので、ドアDは再び閉まる方向に回転してドアを戸当たりに押さえつける。
このようにドアが閉まる前にドアが開く方向に回転するのは、接続軸PPの位置が接続軸Cを通りドアに垂直な直線Yのドア回転軸Oのある反対側にあるからである。
接続軸PPは回転軸Qの周りを公転しドアとほぼ平行に円弧の軌跡を描きながら、接続軸PPの移動のドアに直角の方向成分がドアから遠ざかる方向になり、ドアは開く方向に回転しない。
このようにすると図38の場合と同じく、ドアが閉まる前に回転体Jの回転によってドアが開く方向に回転する。
接続軸PPにおいてリンクAとAAとがそれ以上折れ曲がらないように接続軸PPに当りGqを取り付けると、ドアが開く方向に回転する範囲では図38の場合と同じく、回転体の回転でドアを動かすことが出来ても、ドアを押しても動かない状態となる。このことはドアが強風などによって強く押された場合でもドアは閉まることはなく、指が挟まれたり衝撃を伴ってドアが閉まることはないことを意味している。
図37の場合は接続軸PPが上記円弧の軌跡上を移動して図37(a)で示したPP+5の位置に到達すると、ドアを開くときドアによって回転体が回転することはなくなる。
図37において接続軸PPあるいはCにバネVを仕込むことによって、ドアが全開した状態から閉まる直前まで、接続軸P,PP,Cは一直線上になく、リンクAとAAは接続軸PPにおいて折れ曲がっている。
このことにより回転体JがY軸と平行になる以前に回転体Jが回転してリンクAと重なって一体となり、2つのリンクの連結点PPが回転軸Qと接続軸Cとを結ぶ直線Zを境界にして回転軸Oを含まない領域内にあって、ドアが閉まるまえに開く方向に回転するようにしている。接続軸PPの位置がこの回転軸Oを含まない領域内にあればあるほどドアが開く方向に回転するようになり、回転体Jの回転に負荷がかかり減速する。
図38(a)に示すドアが閉まる直前から開く方向に回転する範囲内では、接続軸PPに取り付けた当たりGqによって接続軸PPにおけるリンクAとAAの回転が制限され、ドアはドアを押しても動かない状態になる。しかし図38(b)に示すようにドアを押して開く場合、回転軸Qの位置は接続軸PとCを結ぶ直線の接続軸Pの移動方向と反対側にあるので、回転体JとリンクAは重なった状態から分離しながら回転し、ドアが開くようになる。
B 車輪
C 円の中心
D ドア或いはドアに取り付く金具
G 当たり
I 回転軸或いは回転支軸
K カム体或いはカム体摺動面
O カム体の回転軸
Q 回転体の回転軸
R 円弧
S バネ端部の接続軸
T 垂線
U 押しバネ
V 引きバネ
W ドア枠に取り付く金具或いはプレート
Claims (13)
- カム体回転軸の周りを回転自在に軸支されるカム体に設けられたカム体摺動面に沿って、回転体回転軸の周りを回転自在に軸支される回転体の先端部に設けられた回転支軸に取付けたカム車輪が移動して、上記カム体摺動面が上記カム車輪を押圧して上記回転体を回転させる回転伝達装置で、
上記カム車輪と上記回転支軸とを通る押圧力の作用線が回転体回転軸と一定の距離を保つようにしたカム体摺動面をもつ回転伝達装置 - 「前記回転体回転軸から前記カム車輪とカム体摺動面との接点間での距離」を半径して前記回転体回転軸を中心とする円上に等分に配される各点を始点とし、その中心を上記始点を通り前記回転体回転軸を中心とする仮想円と接する接線の上記仮想円との接点とし、その半径を上記始点から上記仮想円との接点までの距離とするそれぞれの円弧を描き、
「上記等分に配される各点の前の点を始点とする前の円弧」の上に「上記等分に配される各点の次の点を始点とする次の円弧」の始点があるように、カム体回転軸Qを中心に回転移動して、上記次の円弧の始点に上記前の円弧が連続するようにし、移動した上記前の円弧の始点に、上記前の円弧の前の円弧が順次連続して作図される渦線形状の請求項1記載のカム体摺動面をもつ回転伝達装置 - 形状がインボリュート渦線であるカム体摺動面にカム車輪が押圧力を作用させてカム体を一定の回転力で回転させる回転伝達装置で、且つカム体の回転力でカム車輪に一定の押圧力を作用させ上下方向に移動させる移動装置
- 前記カム体摺動面の前記カム体回転軸に近い部分を直線或いは凸面にして、前記カム車輪が前記カム体回転軸に近い部分にあるとき、前記カム車輪と前記回転支軸とを通る押圧力の作用線が前記回転体回転軸との距離を大きく変化させる前記カム体摺動面をもつ請求項1記載の回転伝達装置
- カム体回転軸の周りを回転自在に軸支されるカム体に設けられた凹面或いは凸面のカム体摺動面に沿って、回転体回転軸の周りを回転自在に軸支される回転体の先端部に設けられた回転支軸に取付けたカム車輪が移動して、上記凹面或いは凸面のカム体摺動面が上記カム車輪を押圧して上記回転体を回転させる回転伝達装置で、
上記カム車輪と上記回転支軸とを通る押圧力の作用線が上記凹面或いは凸面の焦点を通るようにしたカム体摺動面をもつ回転伝達装置 - 上記カム体回転軸と上記回転体回転軸とに間の距離が変化する請求項1或いは5記載の回転伝達装置
- 上記カム車輪の上記回転支軸と上記回転体回転軸との間の距離が変化する請求項1或いは5記載の回転伝達装置
- 上記カム体回転軸が回転移動する請求項1或いは5記載の回転伝達装置
- 上記カム車輪と上記回転支軸とを通る押圧力の作用線が回転体回転軸と一定の距離を保つようにした請求項1或いは3記載のカム体摺動面と、それに沿って円運動する請求項1或いは3記載のカム車輪と、
上記カム車輪と上記回転支軸とを通る押圧力の作用線が上記凹面或いは凸面の焦点を通るようにした請求項5記載のカム体摺動面と、それに沿って円運動する請求項5記載のカム車輪とを備え、
上記請求項5記載のカム車輪が上記請求項5記載のカム体摺動面に接触するとき、上記請求項1或いは3記載のカム車輪が上記請求項1或いは3記載のカム体摺動面から接触しないようにした回転伝達装置 - 上記カム車輪と上記回転支軸とを通る押圧力の作用線が上記凹面或いは凸面の焦点を通るようにした請求項5記載のカム体摺動面と、それに沿って円運動する請求項5記載のカム車輪とを備え、
上記請求項5記載のカム車輪が接触するとき回転し、接触しないとき回転しない上記請求項5記載のカム体摺動面を有する回転伝達装置 - 「ドア枠に取り付けられるプレートに取付けられる回転軸に固着する回転体と、該回転体の該回転軸と反対側の端部に設けられる回転支軸と、中間の連結軸で連結されるリンクとバネと、該リンクの片方の側面に接触する当りと、上記プレートに取付けられる固定支軸とを備え、
上記リンクの連結軸の反対側の接続軸が上記回転支軸に回転自在に軸支されるとき、上記リンクの両端の接続軸の間の距離が上記回転支軸と上記回転軸との間の距離であるようにし、且つ上記当りを上記回転体に取付けて、
或いは上記リンクの連結軸の反対側の接続軸が上記固定支軸に回転自在に軸支されるとき、上記リンクの両端の接続軸の間の距離が上記固定支軸と上記回転軸との間の距離であるようにし、且つ上記当りを上記プレートに取付けて、
上記回転体の回転の途中までは上記リンクの回転が上記当りによって止められ、上記連結軸を上記回転軸の位置に留めるようにして上記バネが伸縮しないようにして、上記回転体の回転の途中からは上記リンクと上記当たりが離れて、上記連結軸が回転軸の位置から離れるようにして上記バネが伸縮するようにし、上記回転体に回転の途中から作用するバネ - 前記リンクに車輪が取り付き、前記リンクが前記当たりから離れたあと、該車輪が前記プレートに取付けられる滑走面に沿って移動することで、前記連結軸を前記回転軸の位置に留めるようにして前記バネが伸縮しないようにして、
或いは前記リンクに滑走面が取り付き、前記リンクが前記当たりから離れたあと、該滑走面が前記プレートに取付けられる車輪に沿って移動することで、前記連結軸を前記回転軸の位置に留めるようにして前記バネが伸縮しないようにして、
前記回転体が更に回転し、上記滑走面と上記当たりが離れて、上記連結軸が回転軸の位置から離れるようにして上記バネが伸縮するようにし、上記回転体に回転の途中から作用する請求項11記載のバネ - 駆動する回転軸に固着される回転体の該回転軸と反対側の端部に設けられた接続軸とドアの接続軸とを2つのリンクによって連結し、ドアが全開状態から閉まる直前までは上記2つのリンクが一直線を保ち、ドアが閉まる直前で上記回転体とそれに連結するリンクが側面で互いに接触して一体となり、
上記2つのリンクの連結点が、上記回転体の回転軸と上記ドアの接続軸とを結ぶ直線を境界にして、上記ドアの回転軸を含まない領域内にドアが閉まる直前に移動するようにして、上記回転体の回転によってドアが開く方向に回転し、ドアに力が作用しても動かない状態にするドアの連結部を有するドア
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008023894A JP5365893B2 (ja) | 2008-02-04 | 2008-02-04 | 回転装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008023894A JP5365893B2 (ja) | 2008-02-04 | 2008-02-04 | 回転装置 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009185461A true JP2009185461A (ja) | 2009-08-20 |
JP2009185461A5 JP2009185461A5 (ja) | 2012-05-24 |
JP5365893B2 JP5365893B2 (ja) | 2013-12-11 |
Family
ID=41068970
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008023894A Expired - Fee Related JP5365893B2 (ja) | 2008-02-04 | 2008-02-04 | 回転装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5365893B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011099314A (ja) * | 2009-10-06 | 2011-05-19 | Koichi Okamoto | 回転体の回転制御機構とその回転体制御機構を用いたドア等の開閉装置 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0453988U (ja) * | 1990-09-13 | 1992-05-08 | ||
JP2000008699A (ja) * | 1998-06-23 | 2000-01-11 | Tateyama Alum Ind Co Ltd | 横軸回転窓のクッション装置 |
JP2005146544A (ja) * | 2003-11-11 | 2005-06-09 | Tateyama Alum Ind Co Ltd | 横軸回転窓 |
-
2008
- 2008-02-04 JP JP2008023894A patent/JP5365893B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0453988U (ja) * | 1990-09-13 | 1992-05-08 | ||
JP2000008699A (ja) * | 1998-06-23 | 2000-01-11 | Tateyama Alum Ind Co Ltd | 横軸回転窓のクッション装置 |
JP2005146544A (ja) * | 2003-11-11 | 2005-06-09 | Tateyama Alum Ind Co Ltd | 横軸回転窓 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011099314A (ja) * | 2009-10-06 | 2011-05-19 | Koichi Okamoto | 回転体の回転制御機構とその回転体制御機構を用いたドア等の開閉装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5365893B2 (ja) | 2013-12-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN104169510B (zh) | 汽车门锁 | |
JP6530612B2 (ja) | 戸吊装置 | |
US9582023B2 (en) | Operation handle mechanism and load support mechanism | |
CN100434294C (zh) | 用于车辆或电梯轿厢的旋转滑门 | |
JP2008525673A (ja) | 少なくとも1本の作動アームを有した作動装置 | |
JP6542540B2 (ja) | 戸吊装置 | |
CN109720971B (zh) | 自带轿门锁的电梯轿厢门机装置 | |
JP5365893B2 (ja) | 回転装置 | |
EP2522799B1 (en) | Self-closing device for sliding doors | |
JP2014118730A (ja) | 回転機構と減速機構とそれを備えたドア等の移動装置 | |
US8510912B2 (en) | Self-closing device for sliding doors | |
JP2015206219A (ja) | 自動的に抵抗を解除する減速装置 | |
JP4513109B2 (ja) | バネの力で付勢されて相対的に接近する2つの移動体の移動速度を減速する装置。 | |
JP5201504B2 (ja) | バネで動くドア | |
JP5201501B2 (ja) | ドア | |
JP4695214B2 (ja) | 回転体の回転制御機構とその回転体制御機構を用いたドア等の開閉装置 | |
JP5142053B2 (ja) | ドア | |
CN209872091U (zh) | 一种电梯门系统 | |
JP4163740B1 (ja) | バネで動くドア | |
JP5365895B2 (ja) | 減速装置 | |
JP4924510B2 (ja) | ドア位置規制装置 | |
JP5365892B2 (ja) | 減速装置 | |
CN109823171A (zh) | 一种溃缩踏板机构 | |
JP2011099314A (ja) | 回転体の回転制御機構とその回転体制御機構を用いたドア等の開閉装置 | |
JP4905398B2 (ja) | ドア位置規制装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100318 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100318 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120318 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120404 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120703 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120903 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121218 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130218 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130709 |
|
R155 | Notification before disposition of declining of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R155 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130829 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |