JP2009185401A - 原着糸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、原着糸の製造方法に関して、特に、着色剤を含有するマスターチップの添加率が微小であっても、原着糸の長手方向に色斑がなく、色調を安定化させることが可能な原着糸の製造方法を提供するものである。
【解決手段】
ベースチップに対し着色剤を含有するマスターチップを混合した後、溶融紡糸・巻き取りを行う原着糸の製造方法であって、マスターチップとベースチップを計量混合し溶融紡糸機に供する工程において、マスターチップの計量に0.8cc以下の計量マスを有する計量ディスクを用いることを特徴とする原着糸の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、原着糸の製造方法に関する。特に、着色剤を含有するマスターチップの添加率が微小であっても、原着糸の長手方向に色斑がなく、色調を安定化させることが可能な原着糸の製造方法に関する。
原着糸とは、予め目的の色調を有する着色剤を含有したポリマーを溶融紡糸をすることにより着色された繊維としたものであるが、一般に着色剤として染料ではない顔料を使用するため、耐候堅牢性、洗濯堅牢性、耐薬品性等が優れるという特徴を有している。したがって、原着糸は、特に紫外線の当たる屋外での用途や、繰り返し洗濯を必要とする用途、病院や医療施設での用途などにおいて特に好適に用いられている。
原着糸の代表的な製造方法としては、予め着色剤を分散させておいたポリマーチップ(マスターチップ)と、該マスターチップを希釈するための非着色のポリマーチップ(ベースチップ)とを、溶融前のチップの段階において所定の比率で混合し、その後混合チップを溶融紡糸する方法が知られている。
しかし、上記の方法に代表される従来の原着糸の製造方法においては、ベースチップに対して、最終的に所定の色調となるよう調整したマスターチップをチップ形状で混合する方法がとられているため、得られた原着糸の色調が目的とする色調と異なる場合にはその修正がきわめて困難であった。すなわち、明度(L値)の調整については、往々にしてマスターチップの添加率を変更することによりある程度は達成可能であったが、特に色相(a値やb値)の変更が必要な場合には、マスターチップの添加率だけでは修正することができず、マスターチップの作り直しを行わなければならないことから、作業能率が極めて劣るものであった。
この問題を解決するために、着色剤の異なる複数種のマスターチップを使用し、それらの添加率を適宜変更することにより所望の色調を有する原着糸を容易に製造する方法が開示されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1は、原着糸の長手方向の色斑の抑制や、色調の安定化については不十分であった。
以上より、原着糸の製造方法に関して、特に、着色剤を含有するマスターチップの添加率が微小であっても、原着糸の長手方向に色斑がなく、色調を安定化させる方法は、これまで見出されていないのが実状であった。
特開2003−293214号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として鋭意検討した結果、達成されたものである。
本発明者らが特許文献1の製造方法に基づき、原着糸の色調調整を検討した結果、確かに色調修正の容易性については一定の効果が認められるが、経時的に、即ち、得られる原着糸の長手方向に色斑が発生し、色調の安定性が不十分であることがわかった。これは、特許文献1の製造方法によれば、複数種のマスターチップを使用して原着糸の色出しを行うため、原着糸の色相や明度によっては、マスターチップの添加率が微小となり、そのマスターチップに含有する着色剤が原着糸の長手方向に均一に分散されないことが原因であると推定される。
即ち、本発明は、原着糸の製造方法に関して、特に、着色剤を含有するマスターチップの添加率が微小であっても、原着糸の長手方向に色斑がなく、色調を安定化させることが可能な原着糸の製造方法を提供するものである。
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
1.ベースチップに対し着色剤を含有するマスターチップを混合した後、溶融紡糸・巻き取りを行う原着糸の製造方法であって、マスターチップとベースチップを計量混合し溶融紡糸機に供する工程において、マスターチップの計量に0.8cc以下の計量マスを有する計量ディスクを用いることを特徴とする原着糸の製造方法。
2.マスターチップとベースチップの体積差が10体積%未満であることを特徴とする上記1に記載の原着糸の製造方法。
3.マスターチップ中の着色剤の濃度が、0.1〜50重量%、且つマスターチップの添加率がマスターチップとベースチップの合計量を100体積%として0.01〜0.35体積%であることを特徴とする上記1または2に記載の原着糸の製造方法。
4.マスターチップに帯電防止剤が、マスターチップの重量に対して0.01〜1重量%添加されていることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の原着糸の製造方法。
5.計量マスの形状が、円錐台であり、底面の直径が上面の直径の1.1〜2倍であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の原着糸の製造方法。
6.原着糸がナイロン原着糸であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の原着糸の製造方法。
7.原着糸が捲縮加工糸であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の原着糸の製造方法。
本発明によれば、原着糸の製造方法に関して、特に、着色剤を含有するマスターチップの添加率が微小であっても、原着糸の長手方向に色斑がなく、色調を安定化させることが可能な原着糸の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の原着糸の製造方法は、着色剤を含有するマスターチップと希釈用のベースチップを計量混合し溶融紡糸機に供する工程において、マスターチップの計量に0.8cc以下の計量マスを有する計量ディスクを用いることに特徴がある。
ここで、着色剤としては、特に限定されず、従来公知の着色剤を使用できるが、無機顔料、有機顔料、染料等が挙げられる。具体的には、鉛、クロムおよびカドミウムを除く酸化物系無機顔料、フェロシアン化物無機顔料、珪酸塩無機顔料、炭酸塩無機顔料、燐酸塩無機顔料、カ−ボンブラック、アルミニウム粉、ブロンズ粉およびチタン粉末被覆雲母等の無機顔料、フタロシアニン系有機顔料、ペリレン系有機顔料、イソイントセリノン系有機顔料等の有機顔料、および複素環系染料、ヘリノン系染料、ペリレン系染料およびチオインジオ系染料等から選ばれた2種以上を組み合わせたものである。例えば、無機顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、チタン・コバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−鉄系ブラック等の酸化物、紺青のようなフェロシアン化物、群青のような珪酸塩、炭酸カルシウムのような炭酸塩、マンガンバイオレットのような燐酸塩、カーボンブラック、アルミニウム粉やブロンズ粉、およびチタン粉末被覆雲母等が用いられ、鉛、クロムおよびカドミウム等の重金属を含む無機顔料は用いない。有機顔料としては、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーンおよび臭素化銅フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系、ペリレンスカーレット、ペリレンレァ、ペリレンマルーン等のペリレン系、イソインドリノン系等が用いられる。また、染料としては、アンスラキノン系、複素環系、ヘリノン系、ペリレン系、およびチオインジオ系が用いられる。また、着色剤は、上記無機顔料、有機顔料および染料から選ばれた2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明における着色剤を含有するマスターチップの主成分は、着色剤と熱可塑性ポリマーである。熱可塑性ポリマーとしては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン等や、それらの共重合体、ブレンドが例示できる。一般的には、ポリマーの分散性や製糸性、加工性、染色性の観点から、希釈用のベースチップの主成分として使用する熱可塑性ポリマーと同一のポリマーを使用する。また、着色剤を含有するマスターチップのその他の成分として、分散剤、耐候剤、耐熱剤等の一般的な添加剤を適宜添加しても良い。
着色剤を含有するマスターチップは、1種類でも良いし、2種類以上でも良い。2種類以上であれば、原着糸の色調調整が容易にできるため、より好ましい。
本発明における希釈用のベースチップの主成分は、熱可塑性ポリマーである。熱可塑性ポリマーとしては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン等や、それらの共重合体、ブレンドが例示できる。その他の成分として、分散剤、耐候剤、耐熱剤等の一般的な添加剤を適宜添加しても良い。
本発明における溶融紡糸機は、特に限定されないが、溶融ポリマー中での着色剤の分散性を高めるため、1軸又は2軸のエクストルーダー型紡糸機が好ましい。また、同様の観点から、エクストルーダーと紡糸パック間のポリマ配管や紡糸パック中に静的混練装置(”スタティクミキサ−”や”ハイミキサ−”)を組み込むことが好ましい。
紡糸機の直上には、複数種のチップを別々に計量し、さらにそれらをチップ状態で混合できる設備を設ける。上記設備は、特に限定されないが、例えば、図1のような設備であり、クボタカラートロニック社製の密閉型自動計量混合装置(ミコスーパー)「MS10−6」等が挙げられる。
チップの計量には、同一形状の計量マスを複数個有する計量ディスクを使用し、この計量ディスクが回転することで、計量マスに入ったチップがチップ混合機に順次投入される。
本発明では、上記計量マスが0.8cc以下と微小であることが重要であり、これにより、微少量のマスターチップの添加が可能となる。つまり、単位時間あたりのマスターチップの投入頻度を考えた時、従来、例えば5ccの計量マスで、1カウント(計量マス1個分)チップを投入していたのに対して、本発明の0.8cc以下の計量マスであれば、5カウント以上となり、微少量のマスターチップを複数回に分けてチップ混合機に投入することができる。これにより、チップ混合機内でのマスターチップとベースチップのブレンド性が高まり、それが、紡糸機内におけるポリマー中の着色剤の分散性の向上と、紡糸口金からポリマーを吐出し繊維化した原着糸の長手方向の色斑抑制の効果が発現する。
複数のマスターチップを使用する場合は、少なくとも1種のマスターチップに対して、0.8cc以下の計量マスを使用すれば良く、特に、添加量が少ないマスターチップに対して0.8cc以下の計量マスを使用することが有効である。
本発明では、チップ混合機内でのマスターチップとベースチップのブレンド性を高めるために、マスターチップとベースチップの体積差が10体積%未満であることが好ましく、5体積%未満であることがさらに好ましい。チップの形状は、特に限定されず、俵型、球型等を採用できるが、マスターチップとベースチップのブレンド性を高めるために、両者は同じ形状であることが好ましい。チップの体積は、特に限定されないが、計量性を高めるためには、体積が小さく、また、マスターチップ同士、ベースチップ同士の体積差が小さいことが好ましい。例えば、俵型の場合では、マスターチップ、ベースチップの両者ともに、直径0.5〜3.0mm、長さ1.0〜4.0mmで、体積差は、両者ともに10体積%未満であることが好ましい。
マスターチップ中の着色剤の濃度は、0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜30重量%であることがより好ましい。着色剤の濃度が0.1重量%未満や50重量%を超えるマスターチップでは、マスターチップ間での着色剤の濃度斑や、体積斑が生じるため好ましくない。さらに、マスターチップの添加率は、ベースチップとマスターチップの添加量全体に対して、0.01〜0.35体積%であることが好ましく、0.1〜0.30体積%であることがより好ましい。0.01体積%未満の添加率では、添加率が低すぎるため、チップ混合機内でのマスターチップとベースチップのブレンドが不十分となり、それが、紡糸機内におけるポリマー中の着色剤の分散性の低下と、それに引き続き、紡糸口金からポリマーを吐出し繊維化した原着糸の長手方向の色斑の発生を招く場合がある。また、0.35体積%を超える添加率では、添加率が高いため、本発明の特徴である0.8cc以下と微小な計量マスを使用する意味が薄れる。
本発明のマスターチップには、帯電防止剤が、マスターチップの重量に対して0.01〜1重量%添加されていることが好ましく、0.05〜0.5重量%添加されていることがより好ましい。本発明においては、0.8cc以下と微小な計量マスを使用することから、計量マスに入るチップの個数が、チップに発生した静電気に大きく左右される。即ち、安定な軽量性を保つためには、静電気の発生を防ぐことがより好ましい。帯電防止剤は、特に限定されず、公知の界面活性剤を使用すれば良い。例えば、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、第4級アンモニウム塩、アルキルホスフェートなどが挙げられる。
本発明において、0.8cc以下の計量マスの形状は、円錐台であり、底面の直径が上面の直径の1.1〜2倍であることが好ましく、1.25〜1.8倍であることがより好ましい。なお、円錐台とは円錐を底面に平行な平面で切り、小円錐の部分を除いた立体のことである。このような形状にすることにより、微小の計量マスにおいても、チップの流れが安定し、良好な計量性を保つことが可能となる。円錐台の寸法としては、高さが5〜15mm、底面の直径が5〜20mm、上面の直径が、3〜15mmであることが好ましい。
本発明における原着糸は、特に紫外線の当たる屋外での用途や、繰り返し洗濯を必要とする用途、病院や医療施設での用途で好適に使用できることから、強力、寸法安定性、耐摩耗性、耐薬品性などにおいて、優れた特性を示すナイロン原着糸であることが好ましい。また、特に、カーマットやタイルカーペット、ラグマット、ロールカーペット、ダスコンマット等、耐久性や色調に関して要求レベルの高いカーペットの分野で好適に使用できるため、原着糸が捲縮加工糸であることが好ましい。
溶融紡糸や捲縮加工の方法は、使用するポリマーや用途に応じて、適宜条件設定すれば良く、特に限定されず公知の方法を採用できる。
以上のように、本発明によれば、原着糸の製造方法に関して、特に、着色剤を含有するマスターチップの添加率が微小であっても、原着糸の長手方向に色斑がなく、色調を安定化させることが可能な原着糸の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等限定されるものではない。なお、実施例中の各測定値の測定方法は以下の通りである。
(1)マスターチップとベースチップの体積差
体積は、チップを実測することにより求めた。マスターチップを任意に20個選び、その最大値をMmax、最小値をMminとした。また、ベースチップを任意に20個選び、その最大値をBmax、最小値をBminとした。マスターチップとベースチップの体積差を、((Mmax−Bmin)/Bmin)×100(体積%)、((Bmax−Mmin)/Mmin)×100(体積%)の内、大きい方とした。
(2)色斑
原着糸を小池機械製作所社製筒編み機「TN−21」にて、針数104本、5G(ゲージ)で1kg分筒編みした。この筒編みを、スガ試験機社製測色機「SM−P」にて、測色径30mmで測色した。
1kgの筒編みを40g間隔で計25点測色し、それぞれの点でのL値、a値、b値を求めた。25点の平均値(Lav、aav、bav)を基準色として、25点それぞれの基準色からの色差△Eを、((L−Lav+(a−aav+(b−bav1/2で算出し、その最大値△Emaxを色斑の指標とした。
(3)総繊度
JIS L1013(1999)8.3.1(正量繊度)B法により、所定荷重0.882mN/dtex、所定糸長90cmで正量繊度を測定した。
(4)中空率
単糸の断面を切り出し、中空部を含む繊維の断面積Sと中空部の面積sから次式により求めた。10サンプルの平均値から求めた。
中空率=(s/S)×100(%)
(5)強度、伸度
JIS L1013(1999)の方法で測定した。オリエンテック社製テンシロン引張り試験機を用い、試長250mm、引張速度300mm/minの条件で強力を測定した。強度は強力を測定した試料の総繊度で除した値である。
(6)捲縮伸長率
捲縮糸をかせ状にとり、20℃、65%RHの室内に3時間放置して放縮させた。次いで、沸騰水中に20分間浸漬して沸騰水処理を行った。騰水処理したかせ状の糸条を12時間前記室内で放置乾燥させた。次に、該糸条を1m程度の長さに切り取り、糸条の総繊度をA(dtex)とすると17.7A(μN)(1.8A(mg))の初荷重を30秒間加えた後の糸条の長さL1を先ず測定した。
次に、883A(μN)(90A(mg))の定荷重を30秒間加えた後の糸条の長さL2を測定した。本発明における捲縮伸長率G(%)はL1,L2より、以下の式から求めた。
G=((L2−L1)/L1)×100(%)
[ベースチップ]
硫酸相対粘度2.8のナイロン6ポリマー(東レ社製ナイロン6チップ「T250」)を使用した。
[マスターチップA−1]
T250にカーボンブラック(黒色顔料)を20重量%含有したチップを使用した。
マスターチップの作製方法は次の通りである。T250チップとカーボンブラックを2軸溶融混練機に所定量投入し、混練した後、溶融ポリマーを水中に吐出した。得られたガット状の冷却固化ポリマーを連続的にチップカッターでカットすることにより、マスターチップを得た。ここで、マスターチップの体積は、チップカッターでのカット速度を調整することにより、自由に変更することが可能である。ベースチップとの体積差が、3体積%となるようにカット速度を調整し、マスターチップA−1を得た。
[マスターチップA−2]
T250にカーボンブラック(黒色顔料)を20重量%含有したチップを使用した。
ベースチップとの体積差が、7体積%となるようにカット速度を調整し、マスターチップA−2を得た。
[マスターチップA−3]
T250にカーボンブラック(黒色顔料)を20重量%含有したチップを使用した。
ベースチップとの体積差が、15体積%となるようにカット速度を調整し、マスターチップA−3を得た。
[マスターチップA−4]
マスターチップA−1に、帯電防止剤として、ポリオキシエチレンステアリルエーテルを0.1重量%添加(チップ表面に付着)したチップを使用した。
[マスターチップB]
T250にシアニンブルー(青色顔料)を13重量%含有させ、帯電防止剤として、ポリオキシエチレンステアリルエーテルを0.1重量%添加(チップ表面に付着)したチップを使用した。ベースチップとの体積差は、3体積%であった。
[マスターチップC]
T250に酸化チタン(白色顔料)を15重量%含有させ、帯電防止剤として、ポリオキシエチレンステアリルエーテルを0.1重量%添加(チップ表面に付着)したチップを使用した。ベースチップとの体積差は、3体積%であった。
[実施例1]
ベースチップとマスターチップA−1を使用し、計量マスをそれぞれ20cc(円柱)と0.5cc(円柱:高さ10mm、底面の直径8mm)として、マスターチップA−1の添加率を0.2体積%となるように、クボタカラートロニック社製の密閉型自動計量混合装置(ミコスーパー)「MS10−6」にて計量混合した後、混合チップを1軸エクストルーダー型紡糸機に供した。
紡糸温度は265℃、田型中空糸用の孔スペックを有する口金を用いて、溶融紡糸した。引取速度は800m/分、延伸倍率3.3倍(1段目2.8倍、2段目1.18倍)、延伸温度は、1段目50℃、2段目140℃、セット温度198℃で熱延伸した。次いで延伸糸条は連続して捲縮ノズルで0.9MPaの加熱蒸気により、捲縮ノズル温度225℃にて捲縮処理した。引き続き冷却ロールで冷却した後、0.12cN/dtexをかけてストレッチし、捲縮を潜在化させ、交絡ノズルを通して、約10個/mの交絡を付与して、2060m/分で巻き取った。
得られた原着糸は、総繊度1320dtex、フィラメント数54本、中空率15%、強度2.7cN/dtex、伸度52%、捲縮伸長率27%であった。
色斑を評価した結果、△Emaxは0.54と良好であった。使用したマスターチップおよび結果を表1に示す。
[実施例2]
マスターチップA−1の代わりにマスターチップA−2を使用したこと以外は、実施例1と同様にして原着糸を得た。得られた原着糸の色斑は、△Emaxが0.69と良好であった。使用したマスターチップおよび結果を表1に示す。
[実施例3]
マスターチップA−1の代わりにマスターチップA−3を使用したこと以外は、実施例1と同様にして原着糸を得た。得られた原着糸の色斑は、△Emaxが0.86とまずまず良好であった。使用したマスターチップおよび結果を表1に示す。
[実施例4]
マスターチップA−1の代わりにマスターチップA−4を使用したこと以外は、実施例1と同様にして原着糸を得た。得られた原着糸の色斑は、△Emaxが0.42と良好であった。使用したマスターチップおよび結果を表1に示す。
Figure 2009185401
[実施例5]
マスターチップA−4の計量マスの形状を円錐台(高さ10mm、底面の直径9mm、上面の直径7mm、(底面の直径/上面の直径=1.3))としたこと以外は、実施例4と同様にして原着糸を得た。得られた原着糸の色斑は、△Emaxが0.32と良好であった。使用したマスターチップおよび結果を表2に示す。
[実施例6]
マスターチップA−4を、添加率:0.35体積%、計量マス:0.5cc、計量マスの形状:円錐台(高さ10mm、底面の直径9mm、上面の直径7mm、(底面の直径/上面の直径=1.3))、マスターチップBを、添加率:0.09体積%、計量マス:0.5cc、計量マスの形状:円錐台(高さ10mm、底面の直径9mm、上面の直径7mm、(底面の直径/上面の直径=1.3))、マスターチップCを、添加率:1.75体積%、計量マス:1cc、計量マスの形状:円錐台(高さ10mm、底面の直径12.1mm、上面の直径11mm、(底面の直径/上面の直径=1.1))としたこと以外は、実施例1と同様にして原着糸を得た。得られた原着糸の色斑は、△Emaxが0.63と良好であった。使用したマスターチップおよび結果を表2に示す。
[比較例1]
マスターチップA−4の計量マスを1cc(円錐台:高さ10mm、底面の直径12.1mm、上面の直径11mm、(底面の直径/上面の直径=1.1))に変更したこと以外は、実施例5と同様にして原着糸を得た。得られた原着糸は、△Emaxが1.42と実施例5の原着糸に比べて色斑が大きかった。使用したマスターチップおよび結果を表2に示す。
[比較例2]
マスターチップA−4とマスターチップBの計量マスを1cc(円錐台:高さ10mm、底面の直径12.1mm、上面の直径11mm、(底面の直径/上面の直径=1.1))に変更したこと以外は、実施例6と同様にして原着糸を得た。得られた原着糸は、△Emaxが1.81と実施例6の原着糸に比べて色斑が大きかった。使用したマスターチップおよび結果を表2に示す。
Figure 2009185401
表1、2から明らかなように、実施例1〜6の原着糸は、△Emaxが1未満であり、原着糸の長手方向に色斑が少なく、色調が安定していることがわかる。
一方、比較例1、2の原着糸は、△Emaxが1以上であり、原着糸の長手方向に色斑があり、色調が不安定であることがわかる。
本発明によれば、原着糸の製造方法に関して、特に、着色剤を含有するマスターチップの添加率が微小であっても、原着糸の長手方向に色斑がなく、色調を安定化させることが可能な原着糸の製造方法を提供することができる。
本発明の溶融紡糸装置の一実施態様を構成するチップ混合部の概略図である。 本発明のチップ計量装置(内部構造)の概略図である。 本発明の計量ディスクの概略図である。 本発明の計量マスの形状(円錐台)を示す概略図である。
符号の説明
1 マスターチップI用ホッパー
2 マスターチップII用ホッパー
3 マスターチップIII用ホッパー
4 マスターチップIV用ホッパー
5 マスターチップV用ホッパー
6 ベースチップ用ホッパー
7 マスターチップI用計量装置
8 マスターチップII用計量装置
9 マスターチップIII用計量装置
10 マスターチップIV用計量装置
11 マスターチップV用計量装置
12 ベースチップ用計量装置
13 チップ混合機
14 エクストルーダー
15 計量ポンプ
16 紡糸パック
17 糸条
18 チップ計量装置
19 チップ
20 計量ディスク(10穴)
21 計量マス
22 回転軸

Claims (7)

  1. ベースチップに対し着色剤を含有するマスターチップを混合した後、溶融紡糸・巻き取りを行う原着糸の製造方法であって、マスターチップとベースチップを計量混合し溶融紡糸機に供する工程において、マスターチップの計量に0.8cc以下の計量マスを有する計量ディスクを用いることを特徴とする原着糸の製造方法。
  2. マスターチップとベースチップの体積差が10体積%未満であることを特徴とする請求項1に記載の原着糸の製造方法。
  3. マスターチップ中の着色剤の濃度が、0.1〜50重量%、且つマスターチップの添加率がマスターチップとベースチップの合計量を100体積%として0.01〜0.35体積%であることを特徴とする請求項1または2に記載の原着糸の製造方法。
  4. マスターチップに帯電防止剤が、マスターチップの重量に対して0.01〜1重量%添加されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の原着糸の製造方法。
  5. 計量マスの形状が、円錐台であり、底面の直径が上面の直径の1.1〜2倍であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の原着糸の製造方法。
  6. 原着糸がナイロン原着糸であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の原着糸の製造方法。
  7. 原着糸が捲縮加工糸であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の原着糸の製造方法。
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