JP2009185359A - 液体原料気化装置及びそれを用いた成膜装置 - Google Patents

液体原料気化装置及びそれを用いた成膜装置 Download PDF

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Abstract

【課題】キャリアガスを用いることなくいわゆる水撃圧現象を利用して高圧で吐出口から液体原料の液滴を吐出させる。
【解決手段】液体原料を所定の圧力で流通させる液体原料流路110の上流側に気化器310を設けるとともに,下流側に圧力変動発生機構350を設ける。気化器は拡張室322と,吐出口324と,吐出口を開閉する弁体330と,この弁体が開閉することで吐出口から吐出される液体原料の液滴を気化して原料ガスを生成する気化室340とを備える。圧力変動発生機構により液体原料流路を周期的に開閉することで液体原料流路の上流側に周期的な圧力変動を発生させる。これにより,気化器の拡張室内の圧力を変動させて弁体を開閉駆動させて液滴を吐出させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は,液体原料を気化して原料ガスを生成する液体原料気化装置及びそれを用いた成膜装置に関する。
一般に,誘電体,金属,半導体などで構成された各種薄膜を成膜する方法として,有機金属化合物などの有機原料ガスを成膜室に供給し,酸素やアンモニアなどの他のガスと反応させて成膜する化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法が知られている。このようなCVD法で用いられる有機原料には,常温で液体あるいは固体であるものが多いため,有機原料を気化させるための気化器が必要になる。例えば上記有機原料は,通常,溶媒を用いて希釈したり,溶解させたりすることによって液体原料とされる。
このような液体原料を気化させて原料ガスを生成する気化器としては,従来より液体原料を一定の圧力で吐出口に供給することで吐出口から液滴状(ミスト状)の液体原料を吐出させるものが知られている。そして,液体原料の液滴を加熱した気化室内に吐出させたり,減圧した気化室内に吐出させたりして気化させて原料ガスを生成する。このような気化器においては,気化効率を高めるために液体原料をできるだけ微細な液滴を生成することが好ましい。
ところが,このような気化器では,液体原料を送出する圧力エネルギだけで吐出させていたため,微細な液滴を安定して形成するには圧力が不十分であり,液体原料の気化が十分に行なわれないという問題があった。
この点,例えば特許文献1に記載のように液体原料を吐出する吐出口の近傍にキャリアガスを流すことで吐出口の近傍に負圧を発生させることにより,液体原料を送出する圧力エネルギのみならず,キャリアガスによる運動エネルギも利用して吐出口から液滴を吐出させるものもある。
特開2001−49438号公報
しかしながら,上述したようなキャリアガスを用いて液体原料を吐出させるものでは,そのキャリアガスにより気化室に供給される液体原料に気泡が生じ,気化効率が低下する上,完全に気化しなかったり再液化した液体原料がキャリアガスにより成膜室内に侵入してパーティクル発生の要因になるという問題があった。例えば気化しきれなかった液体原料の液滴が成膜室内に浸入する虞がある。した際にその成膜室に酸素が残留していると,その液滴が酸化して微細なパーティクルとなり,これが基板に付着すると異常成膜や膜質不良が生じるという問題がある。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,キャリアガスを用いることなく,液体原料から十分に微細かつ均一なサイズの液滴を形成することができる液体原料気化装置及びそれを用いた成膜装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,前記液体原料供給源からの液体原料を所定の圧力で流通させて循環させる液体原料流路と,前記液体原料流路の途中に設けられ,前記液体原料流路の一部を拡張する拡張室と,この拡張室内から前記液体原料を吐出する細孔の吐出口と,この拡張室内の圧力変動に応じて前記吐出口を前記拡張室側から開閉する可撓性部材からなる弁体と,この弁体が開閉することで前記吐出口から吐出される液敵状の液体原料を気化して原料ガスを生成する気化室とを備える気化器と,前記液体原料流路の途中であって前記拡張室よりも下流側に設けられ,前記液体原料流路を周期的に開閉することによって,前記液体原料流路の上流側に周期的な圧力変動を発生させて,前記拡張室内の圧力を変動させることにより前記弁体を開閉駆動させる圧力変動発生機構とを備えたことを特徴とする液体原料気化装置が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,液体原料を気化して原料ガスを生成する液体原料気化装置と,前記液体原料気化装置から供給される原料ガスを導入して被処理基板に対して成膜処理を行う成膜室とを有する成膜装置であって,前記液体原料気化装置は,前記液体原料供給源からの液体原料を所定の圧力で流通させて循環させる液体原料流路と,前記液体原料流路の途中に設けられ,前記液体原料流路の一部を拡張する拡張室と,この拡張室内から前記液体原料を吐出する細孔の吐出口と,この拡張室内の圧力変動に応じて前記吐出口を前記拡張室側から開閉する可撓性部材からなる弁体と,この弁体が開閉することで前記吐出口から吐出される液敵状の液体原料を気化して原料ガスを生成する気化室とを備える気化器と,前記液体原料流路の途中であって前記拡張室よりも下流側に設けられ,前記液体原料流路を周期的に開閉することによって,前記液体原料流路の上流側に周期的な圧力変動を発生させて,前記拡張室内の圧力を変動させることにより前記弁体を開閉駆動させる圧力変動発生機構とを備えたことを特徴とする成膜装置が提供される。
このような本発明によれば,液体原料流路において気化器の拡張室よりも下流側に圧力変動発生機構を配設し,それによって液体原料流路を開閉することで,液体原料流路が閉じられたときにそれよりも上流側にいわゆる水撃圧(ウォーターハンマー)によって液体原料を送出する圧力の数倍以上の極めて高い圧力変動(圧力上昇)が生じる。この圧力変動は上流側の拡張室まで伝搬し,拡張室内の圧力を上昇させるため,吐出口から微細かつ均一な液滴状の液体原料を吐出させることができる。しかも,圧力変動発生機構により液体原料流路を周期的に開閉するので,圧力変動も周期的に発生し,吐出口から液滴状の液体原料を安定して吐出させることができる。
通常はこのような水撃圧現象は発生しないように工夫がなされるのであるが,本発明では発想の転換によりこのような水撃圧現象による圧力変動を液滴状の液体原料を吐出させる圧力として利用することで,従来以上の圧力エネルギで従来以上に微細かつ均一なサイズの液滴状の液体原料を従来以上に安定して形成できるようにしたものである。これにより,液体原料の気化効率を従来以上に向上させることができる。
また,上記圧力変動発生機構は,前記液体原料流路の前記圧力変動発生機構よりも下流側と連通する液溜室と,前記液体原料流路の前記圧力変動発生機構よりも上流側と前記液溜室とを連通する細孔の流路開閉口と,この流路開閉口を開閉する可撓性部材からなる開閉弁と,この開閉弁を所定の周期で開閉駆動させる弁駆動部とを備えるように構成することが好ましい。これによれば,弁駆動部によって極めて小さい流路開閉口を開閉させるだけで,その上流側に大きな圧力変動を発生させることができるので,開閉弁を駆動する弁駆動部も小型化できる。
また,上記弁体は,例えばダイヤフラムである。また,上記開閉弁は,例えばダイヤフラムであり,前記弁駆動部は例えば圧電素子である。弁体又は開閉弁をダイヤフラムで構成することにより,これらを高速で開閉駆動することができる。
本発明によれば,キャリアガスを用いることなく液体原料を送出する圧力の数倍以上の高圧で吐出口から液体原料の液滴を吐出できるので,液体原料から十分に微細かつ均一なサイズの液滴を形成することができる気化器等を提供できるものである。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(成膜装置)
まず,本発明の実施形態にかかる成膜装置について図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態にかかる成膜装置の概略構成例を説明するための図である。図1に示す成膜装置100は,被処理基板例えば半導体ウエハ(以下,単に「ウエハ」という)W上にCVD法により金属酸化物膜を成膜するものであり,Hf(ハフニウム)を含有する有機化合物からなる液体原料を供給する液体原料供給源112と,液体原料供給源112から供給される液体原料を気化させて原料ガスを生成する液体原料気化装置300と,液体原料気化装置300により生成された原料ガスを用いてウエハWに例えばHfO膜を形成する成膜室200と,成膜装置100の各部を制御する制御部140を備えている。
液体原料供給源112と液体原料気化装置300は,液体原料供給配管114で接続されている。液体原料供給源112からの液体原料は液体原料供給配管114を介して液体原料気化装置300に供給されると,液体原料気化装置300内の流路を流通し,液体原料循環配管118を介して液体原料供給源112に戻される。ここでは,この液体原料が流通する循環系の流路全体を液体原料流路110と称する。液体原料気化装置300内では,液体原料流路110の途中に設けられた後述する圧力変動発生機構350の作用により気化器310内で液体原料の液滴を生成し,これを気化して原料ガスを生成する。
液体原料気化装置300と成膜室200は,原料ガス供給配管132で接続されており,液体原料気化装置300で生成された原料ガスは,原料ガス供給配管132を介して成膜室200に供給される。そして,液体原料供給配管114には液体原料流量制御バルブ116が設けられ,原料ガス供給配管132には原料ガス流量制御バルブ134が設けられている。これら液体原料流量制御バルブ116,原料ガス流量制御バルブ134は,制御部140からの制御信号によってそれぞれの開度が調整され,液体原料流量,原料ガスの流量がそれぞれ制御されるようになっている。
成膜室200は,例えば略円筒状の側壁を有し,この側壁と天壁210と底壁212に囲まれた内部空間に,ウエハWが水平に載置されるサセプタ222を備えて構成される。側壁と天壁210と底壁212は,例えばアルミニウム,ステンレスなどの金属で構成される。サセプタ222は,円筒状の複数の支持部材224(ここでは,1本のみ図示)により支持されている。また,サセプタ222にはヒータ226が埋め込まれており,電源228からこのヒータ226に供給される電力を制御することによってサセプタ222上に載置されたウエハWの温度を調整することができる。
成膜室200の底壁212には,排気ポート230が形成されており,この排気ポート230には排気系232が接続されている。そして排気系232により成膜室200内を所定の真空度まで減圧することができる。
成膜室200の天壁210には,シャワーヘッド240が取り付けられている。このシャワーヘッド240には原料ガス供給配管132が接続されており,この原料ガス供給配管132を経由して,液体原料気化装置300で生成された原料ガスがシャワーヘッド240内に導入される。シャワーヘッド240は,内部空間242と,この内部空間242に連通する多数のガス吐出孔244を有している。原料ガス供給配管132を介してシャワーヘッド240の内部空間242に導入された原料ガスは,ガス吐出孔244からサセプタ222上のウエハWに向けて吐出される。
本実施形態にかかる成膜装置100において,液体原料供給源112は,図示はしないが液体原料として例えばHTB(ハフニウムタートブトキサイド)を貯留する貯留部と,この貯留部から液体原料を液体原料供給配管114を介して液体原料気化装置300に向けて所定の圧力で圧送する圧送機構を有する。圧送機構としては例えば所定の圧力で不活性ガスなどを貯留部に供給して貯留部から液体原料を送出させる。そして,液体原料循環配管118を介して戻された液体原料は貯留部に戻され,再び液体原料気化装置300に向けて送出される。こうして,成膜装置100で用いる原料ガスを生成する際には,常に液体原料流路110に液体原料が所定の圧力で流通している。
このような構成の成膜装置100では,液体原料気化装置300で生成された原料ガスが原料ガス供給配管132を介して成膜室200に供給され,成膜室200内のウエハWに対して成膜処理など所望のプロセス処理が施される。
(気化器の構成例)
次に,本発明の実施形態にかかる液体原料気化装置300の構成例について図面を参照しながら説明する。図2は,本実施形態にかかる液体原料気化装置300の概略構成を説明するための断面図である。図3は気化器310の吐出部本体320を構成するブロック体の外観斜視図である。図4は,吐出部本体320に形成される拡張室322の形状を説明するための図であって,吐出部本体320を水平面で切断した断面の概略図である。図5は,吐出部本体320に形成される拡張室322の形状の変形例を示す図であって,図4に対応する断面の概略図である。図6は圧力変動発生機構350の流路開閉部本体360を構成するブロック体の外観斜視図である。
図2に示すように,液体原料気化装置300は,大別すると,液滴状(ミスト状)の液体原料を吐出しこれを気化して原料ガスを生成する気化器310と,液体原料流路110を所定の周期で開閉することにより周期的な圧力変動を発生させる圧力変動発生機構350とからなる。
このような気化器310を液体原料流路110の上流側に配設するとともに,その下流側に圧力変動発生機構350を配設する。これにより,圧力変動発生機構350で液体原料流路110を閉じたときにそれよりも上流側にいわゆる水撃圧(ウォーターハンマー)による極めて高いパルス的な圧力変動(圧力上昇)が生じる。この圧力変動を気化器310内で液滴状の液体原料を吐出させる圧力として利用することで,従来のようなキャリアガスを用いることなく,微細な液滴状の液体原料を安定して吐出させることができる。
以下,液体原料気化装置300の各部の構成をより詳細に説明する。図2に示すように気化器310は,液体原料流路110の一部を拡張する拡張室322と,この拡張室322内から液体原料を吐出する吐出口324と,この拡張室322内の圧力変動に応じて吐出口324を拡張室322側から開閉する可撓性部材からなる弁体330と,この弁体330が開閉することで吐出口324から吐出される液敵状の液体原料を気化して原料ガスを生成する気化室340とを備える。
具体的には,上記拡張室322及び吐出口324は,吐出部本体320に形成される。吐出部本体320は,例えば図3に示すようにアルミニウム製の円柱状のブロック体よりなる。吐出部本体320の上側に拡張室322を区画する凹部323が形成されており,吐出部本体320の凹部323の中央には略円錐形状の凸部325が形成されている。凸部325の下方には,吐出部本体320の下側(下流側)に向けて次第に拡開された略円錐形状の凹部326が形成される。この凹部326は,気化室340内に区画される気化空間342に連通することになる。吐出部本体320の凸部325にはその中央に,気化室340の気化空間342と連通された細孔の吐出口324が形成されている。
吐出部本体320の上面には図2に示すように凹部323の全体を覆うように台座332が接合されている。この台座332にも上記凹部323と対応させて凹部334を設けている。そして,この台座332側の凹部334と吐出部本体320側の凹部323との間を気密に仕切るように円板状の弁体330を介在させている。この弁体330は拡張室322内の圧力変動に応じて吐出口324を拡張室322側から開閉可能なように,板厚方向へ可撓可能な例えばダイヤフラムで構成される。このダイヤフラムは,例えばステンレス製の薄い金属円板で構成される。その他,弁体330は,ゴム,樹脂,金属など振動性や弾性を有する部材で構成してもよい。
このように弁体330で区画された吐出部本体320側の凹部323により拡張室322が形成される。そして,吐出部本体320の側部には凹部323に貫通する流路327,328が対向して形成されている。一方の流路327は上流側の液体原料供給配管114に連通し,他方の流路328は接続配管119に連通しており,拡張室322は接続配管119を介して圧力変動発生機構350に接続される。
これらの流路327,328及び拡張室322は,液体原料流路110の一部を構成している。図4に示すように上流側の液体原料供給配管114からの液体原料は流路327,拡張室322,流路328を通り,接続配管119を介して下流側の圧力変動発生機構350に流通する。すなわち,液体原料供給配管114からの液体原料は拡張室322に充満した状態で圧力変動発生機構350に向けて流通する。
そして,図2に示す点線のように上記弁体330が吐出口324に着座して閉塞している状態で,圧力変動発生機構350の作用により発生した圧力変動により拡張室322内の圧力が急激に高くなると弁体330が上方に凸になるように撓むので,吐出口324が開いて液体原料の液滴が気化空間342に向けて吐出される。その後,圧力が低下すると,弁体330は元に戻り再び吐出口324に着座して閉塞する。これが繰り返されることにより,吐出口324から液体原料の液滴が次々と吐出される。
なお,本実施形態における拡張室322は,図4に示すように水平断面が円形になるような形状にした場合について説明したが,これに限られるものはない。例えば拡張室322を図5に示すように水平断面が液体原料の流通方向(図4に示す矢印方向)に向けて中央部まで徐々に拡大し,中央部から徐々に縮小するような形状にしてもよい。このように拡張室322の大きさが滑らかに変化する形状にすることにより,液体原料の流れも滑らかにできるとともに,下流側の圧力変動発生機構350の作用により発生した圧力変動の伝搬効率を高めることができる。
気化室340は,円筒状の側壁とその下端部を閉じる下端壁を有し,これら側壁と底壁によって内部に気化空間342を区画する。気化室340の上端部には,開口部341を有する上端壁が設けられ,この開口部341を介して吐出口324と気化空間342とが連通するようになっている。気化空間342の形状は吐出口324からの液滴の吐出方向と直交する断面が円形となる略円筒形である。これによって吐出口324から吐出された液滴に対して気化室340の内壁面の位置が等方的になるため,後述するヒータ344からの熱を液滴に効率よく伝達することができ,気化効率を高めることができる。
気化室340には,円筒状の側壁および下端壁の周りを覆うようにヒータ344が設けられている。このヒータ344によって,気化室340内の雰囲気を液体原料の液滴が気化するのに適切な温度に調整することができる。具体的には,気化室340内の雰囲気を,液体原料の気化温度より高く,液体原料が固化してしまう分解温度より低い温度に調整することが好ましい。なお,このヒータ344としては,例えばカートリッジ型やテープ型などの抵抗加熱式のヒータを用いることができる。
気化室340の測壁には原料ガス導出口346が形成されており,この原料ガス導出口346に原料ガス供給配管132が接続されている。これにより,気化室340で生成された原料ガスは,原料ガス供給配管132を介して成膜室200に供給される。
上記圧力変動発生機構350は,液体原料流路110の圧力変動発生機構350よりも下流側と連通する液溜室362と,液体原料流路110の圧力変動発生機構350よりも上流側と液溜室362とを連通する細孔の流路開閉口364と,この流路開閉口364を開閉する可撓性部材からなる開閉弁370と,この開閉弁370を所定の周期で開閉駆動させる弁駆動部380とを備える。
具体的には,上記液溜室362及び流路開閉口364は,流路開閉部本体360に形成される。流路開閉部本体360は,例えば図6に示すようにアルミニウム製の円柱状のブロック体よりなる。流路開閉部本体360の上側に液溜室362を区画する凹部363が形成されており,流路開閉部本体360の凹部363の中央には略円錐形状の凸部365が形成されている。この凸部365の中央には細孔の流路開閉口364が形成されている。
流路開閉部本体360の上面には図2に示すように凹部363の全体を覆うように台座372が接合されている。この台座372にも上記凹部363と対応させて凹部374を設けている。そして,この台座372側の凹部374と流路開閉部本体360側の凹部363との間を気密に仕切るように円板状の開閉弁370を介在させている。この開閉弁370は流路開閉口364を開閉可能なように,板厚方向へ可撓可能な例えばダイヤフラムで構成される。このダイヤフラムは,例えばステンレス製の薄い金属円板で構成される。その他,開閉弁370は,ゴム,樹脂,金属など振動性や弾性を有する部材で構成してもよい。
このように開閉弁370で区画された流路開閉部本体360側の凹部363により液溜室362が形成される。そして,液溜室362内に開口する流路開閉口364は下方に延びて途中から水平に向かって流路開閉部本体360の側部に貫通する流路366に連通している。この流路366の上流側は接続配管119と連通しているので,流路開閉口364は流路366,接続配管119を介して上流側の拡張室322に連通する。
また,流路366が形成された位置と反対側の流路開閉部本体360の側部には,凹部363に貫通する流路368が形成されており,この流路368は下流側の液体原料循環配管118に連通している。これらの流路366,368及び液溜室362は,液体原料流路110の一部を構成しており,上流側の接続配管119からの液体原料を流路367,流路開閉口364を通って液溜室362に流れ込み,流路368を通って下流側の液体原料循環配管118に流通する流れを形成する。すなわち,接続配管119からの液体原料は,流路開閉口364を通って液溜室362に流れ込み,液溜室362に充満した状態で液体原料循環配管118から液体原料供給源112に戻る。従って,開閉弁370で流路開閉口364を閉塞することで液体原料流路110が閉じられる。
このような開閉弁370の開閉駆動は,開閉弁370の上部に設けた弁駆動部380により行われる。ここでは弁駆動部380を圧電素子により構成している。圧電素子からなる弁駆動部380は制御部140からの制御信号(電圧)により例えば厚み方向に伸縮する。これに応じて開閉弁370が撓んで流路開閉口364を閉塞し,又は開閉弁370が元に戻って流路開閉口364を開くので,流路開閉口364を開閉させることができる。
次に,本実施形態にかかる液体原料気化装置300の動作について図面を参照しながら説明する。図7(A),(B)は液体原料気化装置300の動作を説明するための図であて,同図(A)は流路開閉口364が開いている状態を示し,同図(B)は流路開閉口364が閉じた状態を示す。図8は弁駆動部を制御する電圧波形の具体例を示す図である。ここでは,弁駆動部380を圧電素子により構成し,制御部140により図8に示すような電圧波形が制御信号として弁駆動部380に与えられるものとする。
先ず,液体原料供給源112から液体原料を液体原料供給配管114を介して液体原料気化装置300に一定の圧力で供給する。すると,拡張室322と液溜室362に充填される。液体原料が拡張室322と液溜室362に完全に充填されると,液体原料流路110を循環し,一定の圧力(例えば数気圧)で流通する。
この状態で,制御部140により制御信号を出力して,図8に示すような電圧波形によって弁駆動部380を伸縮駆動させる。具体的には電圧V0から電圧V1までの立ち上がりで,図7(A)に示す状態から弁駆動部380が伸びて開閉弁370が撓み,図7(B)に示すように流路開閉口364が閉塞される。そして,電圧V1から電圧V0の立ち下がりで,図7(B)に示す状態から弁駆動部380が縮んで開閉弁370が元に戻り,図7(A)に示すように流路開閉口364が開放される。これが繰り返される。
図7(B)に示すように流路開閉口364が閉じると,液体原料流路110には流路開閉口364よりも上流側にいわゆる水撃圧による極めて高い圧力が瞬間的に発生し,その圧力変動が上流側の拡張室322まで伝搬し,拡張室322内が瞬間的に極めて高い圧力になる。このとき,拡張室322内の圧力は,液体原料流路110を流通する圧力の数倍以上(例えば4〜10倍以上)にまで達する。これにより,気化器310では弁体330が撓んで吐出口324が開き,液体原料の液滴が気化空間342に向けて吐出される。
図7(A)に示すように流路開閉口364が開くと,液体原料流路110には再び液体原料が流通し,拡張室322内の圧力が低下する。これにより,気化器310では弁体330が元に戻り吐出口324を閉塞する。
このように,吐出口324は拡張室322内の圧力が一定の圧力以上になっている間だけ開く。例えば液体原料流路110が5気圧で流通している場合に拡張室322内の圧力は水撃作用によって1気圧〜50気圧程度の間で変動するので,拡張室322内の圧力が一定の圧力(例えば20気圧)以上になっている場合だけ吐出口324が開くことになる。なお,吐出口324が開く一定の圧力は,弁体330のバネ乗数,弁体330と吐出口324との隙間の大きさなどに応じて変わるので,一定の圧力が所望の圧力になるようにするには,これらを考慮しつつ適切に設計することが好ましい。
こうして,例えば弁駆動部380により開閉弁370を所定の周期Tで駆動して開閉駆動させることにより,弁体330による吐出口324の開閉が所定の周期Tで繰り返される。例えば弁駆動部380を圧電素子で構成する場合は,100kHz以上の周波数で開閉弁370を高速に駆動する。これにより,吐出口324からサイズが均一でより微細な液体原料の液滴が次々と安定して吐出される。
なお,圧力変動発生機構350の開閉弁370の開閉周期や開閉速度は,気化器310の弁体330の開閉周期や開閉速度に対応し,これらによって吐出口324から吐出される液滴のサイズも変わる。このため,開閉弁370の開閉周期や開閉速度を変えることにより,吐出口324から吐出される液滴のサイズを変えることができる。従って,制御部140によって弁駆動部380を駆動させる電圧波形によって液滴のサイズを制御することができる。例えば図8に示す電圧波形の周期Tが短いほど液滴のサイズは大きくなり,立ち上がり時間Sが短いほど,すなわち立ち上がりの傾きが大きいほど液滴のサイズは小さくなる。
このような本実施形態によれば,液体原料流路110に流通させる液体原料の圧力の数倍以上の圧力が発生するいわゆる水撃圧現象を利用して吐出口324から液体原料の液滴を吐出させることにより,キャリアガスによる引き込み力を用いることなく,液体原料の圧力だけで吐出口324から液体原料の液滴を吐出させることができる。しかも,液体原料から微細かつ均一なサイズの液滴を形成することができるので,その液滴を確実に気化することができる。これにより,パーティクルを含まない良質な原料ガスを生成することができる。また,キャリアガスを用いなくて済むので,液滴が気化しきれずに原料ガスとともに成膜室まで到達してしまうことを防止できる。
また,圧力変動発生機構350では極めて小さな流路開閉口364を開閉するだけで,その上流側に大きな圧力変動を発生させることができるので,開閉弁370を駆動する弁駆動部380も小型化できる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば上記実施形態では,例えば枚葉CVD装置などの成膜装置に用いられる液体原料気化装置について説明したが,必ずしもこれに限定されるものではなく,その他の装置例えばLP−CVD装置(縦型炉又は横型炉),ALD(原子層成膜)装置などで用いられる液体原料気化装置に適用してもよい。
本発明は,液体原料を気化して原料ガスを生成する液体原料気化装置及びそれを用いた成膜装置に適用可能である。
本発明の実施形態にかかる成膜装置の概略構成例を示すブロック図である。 同実施形態にかかる液体原料気化装置の概略構成例を示す縦断面図である。 図2に示す気化器の吐出部本体を構成するブロック体の外観斜視図である。 図3に示す拡張室の形状を説明するための図であって,吐出部本体を水平面で切断した断面の概略図である。 同実施形態にかかる拡張室の形状の変形例を示す図であって,図4に対応する断面の概略図である。 図2に示す変動発生機構の流路開閉部本体を構成するブロック体の外観斜視図である。 同実施形態にかかる液体原料気化装置の動作を説明するための図であて,同図(A)は流路開閉口が開いている状態を示し,同図(B)は流路開閉口が閉じた状態を示す。 同実施形態における弁駆動部を伸縮駆動させるための電圧波形の一例である。
符号の説明
100 成膜装置
110 液体原料流路
112 液体原料供給源
114 液体原料供給配管
116 液体原料流量制御バルブ
118 液体原料循環配管
119 接続配管
132 原料ガス供給配管
134 原料ガス流量制御バルブ
140 制御部
200 成膜室
210 天壁
212 底壁
222 サセプタ
224 支持部材
226 ヒータ
228 電源
230 排気ポート
232 排気系
240 シャワーヘッド
242 内部空間
244 ガス吐出孔
300 液体原料気化装置
310 気化器
320 吐出部本体
322 拡張室
323,363 凹部
324 吐出口
325,365 凸部
326 凹部
327,328 流路
330 弁体
332,372 台座
334,374 凹部
340 気化室
341 開口部
342 気化空間
344 ヒータ
346 原料ガス導出口
350 圧力変動発生機構
360 流路開閉部本体
362 液溜室
364 流路開閉口
366,368 流路
367 流路
370 開閉弁
380 弁駆動部
W ウエハ

Claims (5)

  1. 前記液体原料供給源からの液体原料を所定の圧力で流通させて循環させる液体原料流路と,
    前記液体原料流路の途中に設けられ,前記液体原料流路の一部を拡張する拡張室と,この拡張室内から前記液体原料を吐出する細孔の吐出口と,
    この拡張室内の圧力変動に応じて前記吐出口を前記拡張室側から開閉する可撓性部材からなる弁体と,この弁体が開閉することで前記吐出口から吐出される液敵状の液体原料を気化して原料ガスを生成する気化室とを備える気化器と,
    前記液体原料流路の途中であって前記拡張室よりも下流側に設けられ,前記液体原料流路を周期的に開閉することによって,前記液体原料流路の上流側に周期的な圧力変動を発生させて,前記拡張室内の圧力を変動させることにより前記弁体を開閉駆動させる圧力変動発生機構と,
    を備えたことを特徴とする液体原料気化装置。
  2. 前記圧力変動発生機構は,前記液体原料流路の前記圧力変動発生機構よりも下流側と連通する液溜室と,前記液体原料流路の前記圧力変動発生機構よりも上流側と前記液溜室とを連通する細孔の流路開閉口と,この流路開閉口を開閉する可撓性部材からなる開閉弁と,この開閉弁を所定の周期で開閉駆動させる弁駆動部とを備えることを特徴とする液体原料気化装置。
  3. 前記弁体は,ダイヤフラムであることを特徴とする請求項1に記載の液体原料気化装置。
  4. 前記開閉弁は,ダイヤフラムであり,前記弁駆動部は圧電素子であることを特徴とする請求項2に記載の液体原料気化装置。
  5. 液体原料を気化して原料ガスを生成する液体原料気化装置と,前記液体原料気化装置から供給される原料ガスを導入して被処理基板に対して成膜処理を行う成膜室とを有する成膜装置であって,
    前記液体原料気化装置は,
    前記液体原料供給源からの液体原料を所定の圧力で流通させて循環させる液体原料流路と,前記液体原料流路の途中に設けられ,前記液体原料流路の一部を拡張する拡張室と,この拡張室内から前記液体原料を吐出する細孔の吐出口と,この拡張室内の圧力変動に応じて前記吐出口を前記拡張室側から開閉する可撓性部材からなる弁体と,この弁体が開閉することで前記吐出口から吐出される液敵状の液体原料を気化して原料ガスを生成する気化室とを備える気化器と,
    前記液体原料流路の途中であって前記拡張室よりも下流側に設けられ,前記液体原料流路を周期的に開閉することによって,前記液体原料流路の上流側に周期的な圧力変動を発生させて,前記拡張室内の圧力を変動させることにより前記弁体を開閉駆動させる圧力変動発生機構と,
    を備えたことを特徴とする成膜装置。
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