JP2009185172A - エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた電気電子部品 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた電気電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】 部品との接着性に優れ、しかも絶縁性、耐熱性に優れた高いTgのエポキシ樹脂組成物及びこのエポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品を提供する。
【解決手段】 (a)エポキシ樹脂、(b)酸無水物、(c)イミダゾール又はその誘導体からなる硬化促進剤及び(d)酸無水物系シランカップリング剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物。カルボキシル基を含有する基材に前記のエポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気電子部品の絶縁処理に好適なエポキシ樹脂組成物及びこれらを用いた電気電子部品に関する。
従来、エポキシ樹脂組成物は、優れた電気特性、機械特性、耐クラック性及び絶縁性を有するために、電気絶縁用、特に絶縁保護、高電圧特性(耐アーク性、耐トラッキング性)、耐クラック性等の向上を目的として、例えば、酸無水物硬化型エポキシ樹脂や、アミン系硬化型エポキシ樹脂に多量の充填剤および難燃剤等を含んだエポキシ樹脂組成物が用いられている。
また、近年電気機器の小型軽量化および搭載される部品が多種複雑化する傾向にあり、特にその要求用途から所謂エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれる高性能樹脂からなる部材が採用されつつある。これら高性能樹脂の特徴は、物質的に安定であり、耐熱性、耐化学薬品性に優れる反面、接着剤や注型対象物に接着し難いという課題があり、この課題を解決するために、例えば特開平5−202245号公報、特開平5−39419号公報、特開平7−11136号公報に示すような、接着官能基となるカルボキシル基を含むエラストマー成分を添加したり、エポキシ樹脂を添加するなどのアロイ系エンプラが開発されるようになってきている。また、エポキシ樹脂組成物としては特開平5−140270号公報、特開平5−295237号公報、特開平5−339472号公報、特許第2902356号公報、特許第2911157号公報に示すような、かとう性エポキシを添加する、ゴム成分を添加する、エポキシを変性する等の手法が提案されているが、ガラス点移転の低下や線膨張係数の増加などの課題があり、更にはエポキシ組成物を注型する際のハンドリング性や価格的な課題があるため、特に高電圧電気機器等や注型材として用いる場合に適用が難しい状況にある。
機器の信頼性向上に伴う部品との接着性向上の要求に対し、特に高電圧電気機器においては、部品との接着性が従来のエポキシ樹脂組成物では不充分で、部品界面の剥離やそれに伴なうクラックなどの問題が発生しており、更なる接着性を向上したエポキシ組成物が要求されるようになってきている。
さらに、近年電気機器の小型軽量化に伴い、モールド部分に掛かる電気的負荷が大きくなってきており、高負荷時に発生する熱に耐えうる性能が要求され、高Tg化が求められるようになってきている。
特開平5−202245号公報 特開平5−39419号公報 特開平7−11136号公報 特開平5−140270号公報 特開平5−295237号公報 特開平5−339472号公報 特許第2902356号公報 特許第2911157号公報
本発明は、このような従来技術の問題を解決し、部品との接着性に優れ、しかも絶縁性、耐熱性に優れた高いTgのエポキシ樹脂組成物、特に対象基材にカルボキシル基を含む基材に対する接着性を向上させ、しかも絶縁性、耐熱性に優れた高いTgのエポキシ樹脂組成物及びこのエポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品を提供するものである。
本発明は、[1](a)エポキシ樹脂、(b)酸無水物、(c)イミダゾール又はその誘導体からなる硬化促進剤及び(d)酸無水物系シランカップリング剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[2]さらに、(e)充填剤として無機フィラーを含有してなる上記[1]に記載のエポキシ樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[3](d)酸無水物系シランカップリング剤を(a)エポキシ樹脂100重量部に対し0.1〜5.0重量部含む上記[1]又は上記[2]に記載のエポキシ樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[4]カルボキシル基を含有する基材に上記[1]ないし上記[3]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品に関する。
本発明のエポキシ組成物は、部品との接着性に優れ、しかも絶縁性、耐熱性に優れた高いTgを有する。特に、カルボンキシル基を含む基材に対し、接着性に優れ、且つ高Tg、絶縁性、耐熱性に優れる。
本発明で用いるエポキシ樹脂としては、1分子中に少なくもと2個のエポキシ基を有する化合物が用いられるが、エポキシ当量が100〜4000であり、エポキシ当量が150〜1000のものが好ましく、エポキシ当量が170〜500のものがより好ましい。
エポキシ当量がこの範囲より大きい場合は作業時の粘度が高く注型作業に不向きになり小さい場合は一般的に蒸気圧が低くなるため耐熱性に劣る。
エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、 フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、セバチン酸、ドデカンニ酸等のポリカルボン酸のポリグリシジルエステル、 ポリブタジエンのポリエポキシ化物などが用いられる。これらの樹脂としては、特に制限はないが、常温(25℃)で液状のものが好ましく、市販品としてはエピコート828(油化シェルエポキシ株式会社製商品名)、GY−260(チバガイギー社製商品名)、DER−331(ダウケミカル日本株式会社製商品名)などが挙げられる。これらは併用して用いることができる。
また、エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型やクレゾールノボラック型等のエポキシ樹脂、テトラグリシジル化合物等の3官能以上のエポキシ化合物と併用する事ができ、更にはポリエチレングリコールグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル等の反応性希釈剤となる低分子量エポキシ樹脂も熱特性の許容される範囲で併用することができる。
また、本発明に用いるエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を1個だけ有するエポキシ化合物を含んでいてもよい。このようなエポキシ化合物は、エポキシ樹脂全量に対して0〜40重量%の範囲で使用することが好ましく、0〜20重量%の範囲で使用することが好ましい。このようなエポキシ化合物としては、n−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル等がある。また、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物を使用することもできる。
本発明に用いる酸無水物としては、例えばメチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサビドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸ポリ無水物などが挙げられる。
酸無水物の使用量は、エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基1当量当たり0.3〜3.0モルとされ、0.5〜2.0モルが好ましく0.6〜1.3モルの範囲が更に好ましい。
この範囲を超えるとTgや絶縁性が低下する傾向にある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、イミダゾール又はその誘導体を含む事が必須であり、イミダゾール及びその誘導体は硬化促進剤として作用する。ここでいうイミダゾール及びその誘導体とは、例えば2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチルイミダゾール等が挙げられる。
イミダゾール及びその誘導体の添加量は、酸無水物100重量部当たり0.03〜2.0重量部が好ましく、0.05〜1.0重量部が更に好ましい。イミダゾール及びその誘導体が0.03重量部未満の場合、硬化性が低下する傾向にあり、2.0重量部を超える場合、充分なポットライフが得られない傾向にある。また、硬化促進剤として、例えば4級アンモニウム塩やホスホニウム塩等のオニウム塩、トリスジメチルアミノメチルフェノール等の第3級アミン類などを併用する事ができる。硬化促進剤の使用量は、イミダゾール及びその誘導体の添加量とは別に、酸無水物100重量部当たり0.0〜4.0重量部であり、0.0〜3.0重量部が好ましく、0.0〜2.0重量部がより好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、(e)充填剤として無機フィラーを併用することができる。無機フィラーとしては、溶融シリカ、結晶シリカ、タルク、炭酸カルシウム、クレー等が挙げられる。無機フィラーの使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して120〜300重量部が好ましく、150〜250重量部がより好ましく、170〜200重量部が特に好ましい。
無機フィラーの量がエポキシ樹脂100重量部に対して120重量部未満であると、線膨張係数の増加や、ガラス移転点の低下、樹脂組成物の耐クラック性が低下し易くなる。また、全充填剤量がエポキシ樹脂100重量部に対して300重量部を超えると粘度が高くなり作業性が劣る傾向にある。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、酸無水物系シランカップリング剤が必須である。ここでいう酸無水物系シランカップリング剤には、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−メチルジメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、メチルジエトキシシリルプロピルコハク酸無水物、1−カルボキシ−3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられる。その使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部、好ましくは0.3〜3.0重量部である。0.1重量部未満の場合、接着性が低下する傾向があり、5.0重量部を超える場合、Tgが低下する傾向にある。
また、必要に応じてその他のシランカップリング剤を添加することができる。その他のシランカップリング剤として例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、イミダゾリンシラン、N−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−3−(4−(3−アミノプロポキシ)ブトキシ)プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアジンシラン等のアミノシラン類、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、4−グリシジルブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロルシラン類、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリルシラン類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類等が、また、チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルバイロフォスフエト)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチルアミノエチル)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート等が挙げられる。また、アルミネートカップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられ、フィラーの濡れ性、粘度、電気特性等から選定される。これらは1種又は2種以上を併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてさらに、ベンガラ、酸化第2鉄、カーボン、チタンホワイト等の着色剤を添加する事ができる。
本発明で使用するカルボキシル基を含有する基材は、カルボキシル基含有樹脂、又はその樹脂をブレンドした樹脂からなる基材である。カルボキシル基含有樹脂は、カルボキシル基含有単量体類を必須とし共重合可能な他の単量体類とを用い、常法により、共重合させて得られる、いわゆるビニル共重合樹脂が挙げられる。
カルボキシル基含有単量体類として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、モノエチルマレート、モノ−n−ブチルフマレートまたはモノ−n−ブチルイタコネートなどをはじめ、各種のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステル類と、マレイン酸、こはく酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ベンゼントリカルボン酸、ベンゼンテトラカルボン酸、テトラクロルフタル酸またはドデシニルこはく酸の如き、各種のポリカルボン酸の無水物との付加物などである。
次いで、カルボキシル基含有単量体類と共重合可能な他の単量体類としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンまたはビニルトルエンの如き芳香族ビニル単量体類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジブロモプロピル(メタ)アクリレートまたはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドまたはN−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有アミド系単量体類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートまたはジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類;tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、tert−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、tert−ブチルアミノブチル(メタ)アクリレート、アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、ピロリジニルエチル(メタ)アクリレートまたはピペリジニルエチル(メタ)アクリレート等の塩基性窒素原子含有単量体;(メタ)アクリロイロキシアルキルアシッドホスファイト類、さらには(メタ)アクリロイロキシアルキルアシッドホスフェート類、またはアシッドホスファイト類のアルキレンオキシド付加物、グリシジル(メタ)アクリレートやメチルグリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有ビニル単量体類とリン酸ないし亜リン酸あるいはこれらの酸性エステル類とのエステル化物、3−クロロ−2−アシッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレートなどのリン原子含有単量体類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチル−モノブチルフマレートまたはポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のα,β−不飽和カルボン酸ヒドロアルキルエステル類と、マレイン酸、こはく酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ベンゼントリカルボン酸、ベンゼンテトラカルボン酸、テトラクロルフタル酸またはドデシニルこはく酸等のポリカルボン酸の無水物との付加物、ビニルエトキシシラン、α−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシリコン単量体類;グリシジル(メタ)アクリレート、(β−メチル)グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有単量体類;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水トリメリット酸のビニルエステルなどの酸無水物基含有単量体類;フマル酸またはイタコン酸等の不飽和ジカルボン酸と1価アルコールとのジエステル類;酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジ−パーフルオロシクロヘキシルフマレートまたはN−iso−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドエチル(メタ)アクリレート等の(パー)フルオロアルキル基含有のビニルエステル類、ビニルエーテル類、(メタ)アクリレート類または不飽和ポリカルボン酸エステル類などの含フッ素重合性化合物;あるいは(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニルまたは塩化ビニリデン等のオレフィン類等のビニル単量体類などである。
さらに、必要に応じて、共重合性不飽和結合含有樹脂として、不飽和結合を含有する油または脂肪酸で変性されたアルキド樹脂、または不飽和結合含有ポリエステル樹脂、または不飽和結合含有ビニル樹脂などを例示することができる。
カルボキシル基含有ビニル共重合体の調製は、常法に従い、たとえば、有機溶剤中で、過酸化物やアゾ系化合物などの重合開始剤によるラジカル共重合を行なえばよい。カルボキシル基含有ビニル共重合体の酸価としては、30〜150mgKOH/gの範囲内が好適であるが制限するものではない。カルボキシル基含有ビニル樹脂として特に好ましいものは、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ビニル共重合樹脂であるアクリル樹脂と称する部類の樹脂である。
エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれる高性能樹脂にカルボキシル基を含有するビニル共重合樹脂をブレンドすることが特に、本発明のエポキシ樹脂組成物との接着性に優れるので好ましい。
本発明の電気電子部品としては、イグニッションコイル、フライバックトランス、放電灯点灯用などの高圧トランス、回転機又は回転電機類、発電機、電気モーター、電磁式クラッチなどの電気コイル部品、絶縁ブッシング、圧力・回転・流量・日射・温度・距離・加速度・角速度・磁気などを感知するセンサー類、イグナイターやECUなどに代表される樹脂製及びセラミックなどの回路基板と半導体素子関連部品からなる電子部品及びそれらを複数まとめた混成集積回路装置や半導体モジュール、トランジスタ、コンデンサー、回路基板なども挙げられる。また、処理方法により発光表示装置や液晶表示装置なども挙げられる。また、黒鉛との複合により処理した摺動抵抗体及びそれを用いた可変抵抗器なども挙げられる。さらには気体又は液体の流体を制御する電磁弁、燃料電池用バインダーや隔壁セル、マグネット式スイッチ、電気コネクター、リレーや二次電池、燃料電池、太陽電池などの電池部品も挙げられる。これらの部品は産業用、民生用、車両用、軍需用などいかなる用途でも使用することが可能である。
本発明の電気電子部品において収納容器(ケース)はSUS、銅、鉄、アルミ、セラミックスなどの無機材料及び熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、生分解性樹脂、天然樹脂などの有機材料の中から目的、用途によって選ばれる。特に、収納容器は、その表面に、カルボキシル基を含有するプライマー、塗料、接着剤などの層で被覆されていることが好ましい。本発明のエポキシ樹脂組成物は、絶縁体として用いられる。
(ベース基材の製造)
攪拌機付のオ−トクレ−ブにN−メチルピロリドン 2003重量部と硫化ナトリウム2.7水塩 529重量部(4.0モル)、水酸化ナトリウム 1.6重量部(0.04モル)および安息香酸ナトリウム 144重量部(1.0モル)とを仕込み、窒素雰囲気下に200℃まで約3時間かけて攪拌しながら徐々に昇温させて101mlの水を留出させた。次いで、反応系を100℃に冷却したのちp−ジクロルベンゼン 588重量部(4.0モル)と1,2,4−トリクロルベンゼン 1.8重量部(0.01モル)およびN−メチルピロリドン 330重量部を加え、2時間かけて220℃まで昇温、220℃で4時間、さらに250℃で4時間反応させた。
次いでオートクレーブを冷却して内容物を濾別し、次いでケ−キを熱水で5回洗浄し、さらにアセトンで3回洗浄してから120℃で乾燥し、380重量部のPPS樹脂を得た。
(カルボキシ基含有基材(基材1)の製造)
ベース基材の製造で製造したPPS樹脂60重量部とエチレン/アクリル酸エチル/無水マレイン酸=70/28/2重量比からなるエチレン系共重合体40重量部とγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン0.5重量部を均一に混合の後、直径30mmの2軸押出機にて300℃で溶融混練しペレットを得た。
このペレットをインラインスクリュ−式の3オンス射出成形機を用いシリンダ−温度300℃、金型温度100℃、射出圧力800kgf/cm(78.5MPa)にて、ATSM1型のダンベル片を作製した。
(実施例1)
(a)エポキシ樹脂としてビスフェノールAエポキシ樹脂(シェル化学株式会社製:エピコート828)100重量部、(e)無機フィラーとしてとして結晶シリカ(東海ミネラル株式会社製:EC−100)150重量部、(d)酸無水物系シランカップリング剤として3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物(信越化学工業株式会社製:A−12−967)1重量部、シリコーン系消泡剤(信越化学工業株式会社製:KS−603)0.03重量部を、ラボスターラーを用い1000rpmで10分間均一に攪拌し、主剤Aを得た。
(b)酸無水物としてヘキサヒドロ無水フタル酸(日立化成工業株式会社製:HN5500)87重量部に、(c)イミダゾール又はその誘導体からなる硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製:2MZE)0.2重量部をラボスターラーを用い1000rpmで10分間均一に攪拌し、硬化剤Bを得た。
上記の主剤A及び硬化剤Bをラボスターラーを用い1000rpmで5分間均一に攪拌し液状のエポキシ樹脂組成物を得た。この液状のエポキシ樹脂組成物を100℃、3時間、140℃、3時間で硬化し、注型物を得た。なお、この液状のエポキシ樹脂組成物の硬化物のTgは146℃であった。
(実施例2〜4及び比較例1〜4)
実施例1と同様に表1、表2に示した配合でそれぞれ液状のエポキシ樹脂組成物を得た。
(基材に対するせん断接着力)
ダンベル片の端部に硬化前の液状のエポキシ樹脂組成物を100mmの面積で塗布し、100℃、3時間、そして140℃、3時間の環境下で硬化処理し、常温(25℃)まで自然冷却したものを試験片とした。
この試験片の両端を治具に固定し、JIS K 6911に準じて株式会社島津製作所製オートグラフにて引張りせん断接着力を測定した。
(エポキシ樹脂組成物のガラス転移温度)
各実施例、比較例で得た液状のエポキシ樹脂組成物を100℃、3時間、140℃、3時間で硬化し、注型物を得て、これをTMA(型番;TMA−2000、リガク社製)を用いて昇温速度10℃/分の条件でガラス転移温度を測定した。
測定した引張りせん断接着力、ガラス転移温度をそれぞれ表1、表2に示した。
Figure 2009185172
Figure 2009185172
本願発明で用いる(d)酸無水物系シランカップリング剤の代わりにエポキシ基を含有するカップリング剤を用いた比較例1〜3では、基材に対するせん断接着力に劣る。また、本願発明で用いる(c)イミダゾール又はその誘導体からなる硬化促進剤を用いない比較例4は、ガラス転移温度で類似組成の実施例4より劣る。
本願発明の(a)エポキシ樹脂、(b)酸無水物、(c)イミダゾール又はその誘導体からなる硬化促進剤及び(d)酸無水物系シランカップリング剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物は、実施例1〜4に示したように、基材に対するせん断接着力、ガラス転移温度において、特に、(c)、(d)を併用した場合にいずれも高い値を示して良好である。(d)成分の酸無水物系シランカップリング剤を含有しない比較例1に対し、類似組成の実施例1では、基材に対するせん断接着力が57%程度高くなった。
(実施例5)
ポリフェニレンサルファイド(PPS)製ケース材に、磁性体コア、アルミ電極、点火タイミング制御回路部品(構成:IC付セラミック基板/エポキシ樹脂で部品封止)、シクロオレフィン系ポリマ製ボビンの1次コイルおよび2次コイルを組み込んだ点火コイルに実施例1に示したエポキシ樹脂組成物を注型した。
点火コイル一例の断面構造を模式的に示すと図1のようになる。ここで、点火コイルは、コアa、1次ボビンb、1次コイルc、2次ボビンd、2次コイルe、端子fなどで構成されている。1次コイルは、直径0.5mm程度のエナメル線を約200回、2次コイルは、直径0.05mm程度のエナメル細線を20000回程度ボビンに巻線されている。1次コイルは、バッテリーに接続され直流電流が流れるが、点火タイミング調整電子回路部品およびパワースイッチにより流れる電流を断続させて磁束を変化させ、自己誘導作用により一次電圧を得る。この一次電圧を、1次コイルと2次コイルの相互誘導作用により、20〜40KVの高電圧とし、端子に接続した点火プラグに火花放電を起こさせる電気電子部品である。
注型封止した点火プラグを(−55℃,60分+150℃,60分)を1サイクルとするヒートサイクル試験を100サイクル行い、試験後に一次電圧として12V印加したときに、2次電圧として20KV以上の出力が得られるか試験した。また、試験後の部品を切断して剥離の有無を光学顕微鏡により観察した。その結果、20KV以上の出力が得られ、また、剥離は見られなかった。
本発明の電気電子部品の一例の点火コイルの断面構造模式図である。
符号の説明
a コア
b 1次ボビン
c 次コイル
d 2次ボビン
e 2次コイル
f 端子

Claims (4)

  1. (a)エポキシ樹脂、(b)酸無水物、(c)イミダゾール又はその誘導体からなる硬化促進剤及び(d)酸無水物系シランカップリング剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
  2. さらに、(e)充填剤として無機フィラーを含有してなる請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. (d)酸無水物系シランカップリング剤を(a)エポキシ樹脂100重量部に対し0.1〜5.0重量部含む請求項1又は請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. カルボキシル基を含有する基材に請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品。
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