JP2009184446A - 車両用懸架装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気バネを利用して、高周波振動にも追従可能で、かつ車体の浮き沈みによらず常に一定の所望の振動伝達防止作用が得られる車両用懸架装置を提供する。
【解決手段】車体1と車輪2との間に、車体が沈むほど車体を支持する弾性力が大きくなるコイルバネ20と、磁石51,52の上下方向中心位置が一致した状態においてこの一致した位置を中心とする車体上下方向の所定範囲において車体が沈むほど車体を支持する弾性力が小さくなる磁気バネ50とを並列に設ける。コイルバネ20及び磁気バネ50は、前記所定範囲において弾性力の合力がほぼ一定となるようにそれらの構造及び特性を設定する。所定周波数未満のばね上荷重の増減に伴う車体の沈き浮みの量を検出する沈浮量検出手段61,62と、沈浮量に基づいて両磁石51,52の一方をこれらの上下方向中心位置が一致するように上下方向に移動させるモータ41を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、車体と車輪との間に設けられる車両用懸架装置に関し、車両用懸架装置の技術分野に属する。
従来より、車両用懸架装置として、車体と車輪との間に、コイルバネやエアバネ等の弾性体とダンパとを設けた構造のものが周知であり、そのダンパとしては油圧式のものが周知であり、また電磁式のものが研究されている。
この電磁式のダンパとして、例えば、特許文献1には、車体側に設けられ、車両の運転状態に応じて回転制御されるモータと、該モータの出力軸に連結された螺子軸、及び車輪側に設けられたナットからなる螺子機構とを有し、例えば車両の運転状態に応じて前記モータの出力軸を正転あるいは反転させることにより前記裸子軸を回転させて車体と車輪との間の上下間隔を変更可能に構成したものが開示されている。
特開2005−162021号公報(図4参照)
ところで、前記電磁式ダンパを構成するモータは回転慣性が大きいので、高周波振動に対する追従性が十分でなく、該振動を十分に減衰させることができないという問題がある。
そこで、車両用懸架装置を、高周波振動にも追従可能な磁気バネを利用して構成することが考えられる。例えば、車体と車輪との間に、車体が沈むほど車体を支持する弾性力が大きくなる弾性体と、車体側及び車輪側にそれぞれ連結された車体側磁石及び車輪側磁石で構成され、両磁石の上下方向中心位置が一致した状態においてこの一致した位置を中心とする車体上下方向の所定範囲において車体が沈むほど車体を支持する弾性力が小さくなる磁気バネとを並列に設けると共に、前記弾性体及び磁気バネの構造及び特性を、前記所定範囲において弾性力の合力がほぼ一定となるように設定するのである。このような構成によれば、前記所定範囲内においては、車体が一定の力で支持されると共に、路面の凹凸等により車輪側に振動が発生したとしても、該振動がこの所定範囲内のものである限り、その振動が車体へ伝達するのが防止されることとなる。また、磁気バネは、モータのような慣性の問題がないので、高周波振動に対しても良好に追従することとなる。
しかし、このような構造の場合、以下のような問題がある。
すなわち、バネ上荷重は、乗員人数やカーブ走行により変化するが、これにより、車体が浮きまたは沈んだ状態が継続し、車体側磁石の上下方向中心位置の初期位置が車輪側磁石の上下方向中心位置に一致しなくなり、所望の振動伝達防止作用が得られなくなるのである。
そこで、本発明は、磁気バネを利用して、高周波振動にも追従可能で、かつ車体の浮き沈みによらず常に一定の所望の振動伝達防止作用が得られる車両用懸架装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、車体と車輪との間に設けられる車両用懸架装置であって、車体と車輪との間に、車体が沈むほど車体を支持する弾性力が大きくなる弾性体と、車体側及び車輪側にそれぞれ連結された車体側磁石及び車輪側磁石で構成され、両磁石の上下方向中心位置が一致した状態においてこの一致した位置を中心とする車体上下方向の所定範囲において車体が沈むほど車体を支持する弾性力が小さくなる磁気バネとが、並列に設けられていると共に、前記弾性体及び磁気バネは、前記所定範囲において弾性力の合力がほぼ一定となるように、それらの構造及び特性が設定されており、所定周波数未満のばね上荷重の増減に伴う車体の沈き浮みの量を検出する沈浮量検出手段と、該沈浮量検出手段で検出された沈浮量に基づいて、前記両磁石の一方を、両磁石の上下方向中心位置が一致するように上下方向に移動させる磁石移動手段とを有していることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の車両用懸架装置において、車体と車輪との間にストラットが備えられており、前記両磁石及び磁石移動手段は、該ストラットに設けられていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1に記載の車両用懸架装置において、前記両磁石及び磁石移動手段は、車輪内に設けられていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項2または請求項3に記載の車両用懸架装置において、前記車体側磁石は車体に対して上下方向に移動可能に、前記車輪側磁石は車輪に対して移動不能に支持されており、前記磁石移動手段は、車体側磁石を上下方向に移動させることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項2または請求項3に記載の車両用懸架装置において、前記車体側磁石は車体に対して移動不能に、前記車輪側磁石は車輪に対して上下方向に移動可能に支持されており、前記磁石移動手段は、車輪側磁石を上下方向に移動させることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項2または請求項3に記載の車両用懸架装置において、前記車体側及び車輪側磁石は車体及び車輪に対して移動不能に支持されており、前記磁石移動手段は、前記弾性体の伸縮状態を変更させないで、車体を上下方向に移動させて、車体側磁石を上下方向に移動させることを特徴とする。
次に、本発明の効果について説明する。
まず、請求項1に記載の発明によれば、車体と車輪との間に設けられる車両用懸架装置であって、車体と車輪との間に、車体が沈むほど車体を支持する弾性力が大きくなる弾性体と、車体側及び車輪側にそれぞれ連結された車体側磁石及び車輪側磁石で構成され、両磁石の上下方向中心位置が一致した状態においてこの一致した位置を中心とする車体上下方向の所定範囲において車体が沈むほど車体を支持する弾性力が小さくなる磁気バネとが、並列に設けられているので、これらの合力により、車体が支持されることとなる。その場合に、前記弾性体及び磁気バネは、前記所定範囲において弾性力の合力がほぼ一定となるようにそれらの特性が設定されているので、前記所定範囲内においては、車体が一定の力で支持されることとなる。すなわち、路面の凹凸等により車輪側に振動が発生したとしても、該振動がこの所定範囲内のものである限り、その振動が車体へ伝達するのが防止されることとなる。また、磁気バネは、モータのような慣性の問題がないので、高周波振動に対しても良好に追従させることができる。
その場合に、例えば乗員の人数が変化したり、カーブを走行したりすると、ばね上荷重の増減により車体が浮き沈みし、両磁石の上下方向中心位置がずれることとなるが、本発明においては、沈浮量検出手段により所定周波数未満のばね上荷重の増減に伴う車体の沈き浮みの量が検出され、検出された沈浮量に基づいて、前記両磁石の一方が、両磁石の上下方向中心位置が一致するように上下方向に移動させられることとなる。すなわち、車体が浮き沈みしたとしても、前記所定範囲がこの浮き沈みに追随して上下することとなり、これにより、前述の振動伝達防止効果が常に得られることとなる。
また、請求項2に記載の発明によれば、車体と車輪との上下間隔を変更可能に支持するストラットを有している場合に、前記両磁石及び磁石移動手段を、ストラットを利用して設けることができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記両磁石及び磁石移動手段は、車輪内に設けられているから、車輪外のスペースを圧迫することがない。すなわち、例えば、エンジンルームや、車室における有効スペースが拡大することとなる。
また、請求項4に記載の発明によれば、前記車体側の磁石は車体に対して上下方向に移動可能に、前記車輪側の磁石は車輪に対して移動不能に支持されている場合に、前記車体側の磁石が上下方向に移動し、これにより、請求項1の作用が達成されることとなる。すなわち、簡単な構造で、請求項1の作用及び効果を達成することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、前記車体側の磁石は車体に対して移動不能に、前記車輪側の磁石は車輪に対して上下方向に移動可能に支持されている場合に、前記車輪側の磁石が上下方向に移動し、これにより、請求項1の作用が達成されることとなる。すなわち、簡単な構造で、請求項1の作用及び効果を達成することができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、前記車体側及び車輪側の磁石は車体及び車輪に対して移動不能に支持されている場合に、車体を上下方向に移動させることにより、車体側の磁石が上下方向に移動し、これにより、請求項1の作用が達成されることとなる。すなわち、簡単な構造で、請求項1の作用及び効果を達成することができる。また、このとき、弾性体の伸縮状態が変化しないので、弾性体の弾性力が変化することがない。
また、このような構成の場合、結果的に、車体の浮き沈みがなくなるので、車体姿勢の変化が生じることがない。例えば、カーブ走行時にローリングを抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る車両用懸架装置について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る車両用懸架装置が適用された車両を模式的に示しており、本車両の懸架装置は、車体1と各車輪2…2との間に設けられたサスペンション本体10…10と、該サスペンション本体10…10の作動を制御するサスペンション制御装置60とを有している。
サスペンション本体10は、車体1と各車輪2…2との間にストラット11を有する構成とされると共に、車体1と各車輪2…2との間に並列に設けられたコイルバネ20及び磁気バネ装置30と、駆動機構40とを有している。また、ストラット11に磁気バネ装置30と、駆動機構40が設けられた構成とされている。
図2に示すように、駆動機構40は、コマ内蔵型のサーボモータまたはステッピングモータにより構成されたモータ41と、該モータ41により上下に移動されるネジ軸42とを有している。モータ41は、車体取付部材37を介して車体1を構成する車体パネル1aに固定されている。
磁気バネ装置30は、軸方向が略上下方向を向き、上側が開口する有底円筒状のシリンダ31と、前記シリンダ31内を上下に摺動可能な第1ピストン33と、該第1ピストン33の下方に連結部材35を介して連結され、前記シリンダ31内を上下に摺動可能な第2ピストン34と、シリンダ31の内周面に、第1ピストン33と第2ピストン34の間において支持部材36を介して取り付けられたリング状の第1磁石51(車輪側磁石)と、前記連結部材35の上下方向略中間位置に設けられた第2磁石52(車体側磁石)とを有し、第1ピストン33が、前記ネジ軸42及びモータ41を介して車体1に連結され、前記シリンダ31の下端部に形成された連結部31aが車輪2のロアアーム2aを介して車輪2に連結されている。前記連結部材35は、第1、第2ピストン33,34の中心同士を連結しており、これにより、第1磁石51と第2磁石52とは同心状に配置されている。ネジ軸42の下部には、フレキシブルジョイント32aが介装されている。
コイルバネ20は、金属製のバネ材によって構成されており、サスペンション本体10を車体1に固定する車体取付部材37の下面と、シリンダ31の周面部に設けられたバネ受部31bとの間に、上下方向に圧縮して設置されている。
ここで、第1磁石51と第2磁石52とで構成される磁気バネ50の詳細について説明する。
図3(a)に示すように、磁気バネ50の第1磁石51は、軸方向に沿って、上側にN極、下側にS極を有している。第2磁石52も同様に、軸方向に対し、上側にN極、下側にS極を有している。なお、磁石としては、希土類でなる永久磁石や、アルニコ磁石、フェライト磁石などの永久磁石や、電磁石を利用することができる。また、各磁石におけるN極及びS極の配列は、図示したものとは逆に、上側にS極、下側にN極としても良い。
ここで、図3(a)は、各磁石51,52の上下方向中心位置51a,52aが一致した状態を示しており、この状態においては、いずれの磁石にも軸方向に移動させようとする力は働いていない。すなわち、平衡位置にある。ここで、この上下方向中心位置とは、N極とS極の境界位置である。
図3(b)は、第2磁石52が、第1磁石51の上下方向中央位置51aよりも下方に位置しており、この状態では、第2磁石52には、平衡位置から下方に押し下げようとする力が働く、そして、その力は、この平衡位置から所定量下方となるまで増大し、その後減少に転じる。
図3(c)は、第2磁石52が、第1磁石51の上下方向中央位置51aよりも上方に位置しており、この状態では、第2磁石52には、平衡位置から上方に押し上げようとする力が働く、そして、その力は、この平衡位置から所定量上方となるまで増大し、その後減少に転じる。
すなわち、磁気バネ50は、車体1の浮き沈みにより、第2磁石52が平衡位置からずれたときに、図4に示すような特性を示すこととなる。すなわち、所定範囲Xにおいて、車体1が沈むほど車体1を支持する弾性力が小さくなる特性を有する。
一方、コイルバネ20は、図4に示すように、車体1が沈むほど車体1を支持する弾性力が大きくなる特性を有する。本実施形態では、コイルバネ20は、バネ上荷重が標準荷重(車両荷重に所定の乗員荷重を加算した荷重)のときに(静的状態)のときに、図3(a)に示すように、第1磁石51の上下方向中心位置と第2磁石52の上下方向中心位置とが一致するように設定されている。
また、本実施の形態においては、前記コイルバネ20及び磁気バネ50は、図4に示すように、前記所定範囲Xにおいて弾性力の合力がほぼ一定となるように、それらの構造及び特性が設定されている。例えば、コイルバネ20の形状、寸法等、磁気バネ50を構成する第1、第2磁石51,52の形状、寸法、隙間等が設定されている。これにより、コイルバネ20及び磁気バネ50からなる系全体において、平衡位置を中心とする所定範囲X内においては、車体が浮き沈みしても弾性力が一定値に維持され、ばね定数がほぼ0となる。したがって、この範囲Xにおいては、路面側からサスペンション本体10の下端側に範囲X内の振動入力が加わっても、この振動入力に対するばね定数は0であるため、車体に加振力が伝わることはない。
次に、このような構成のサスペンション本体10の作動を制御するサスペンション制御装置60の構成について説明する。
すなわち、図1に示すように、このサスペンション制御装置60は、ECU(電子制御装置)61と、超音波により車両の車高を検出する車高センサ62…62とを有している。
車高センサ62…62は、超音波センサにより構成されて、車体1を構成するフロアパネル1aにおける各車輪の近傍部分の下面に設けられており、超音波により該部分と路面との間の上下距離(車高)を検出する。
ECU(電子制御装置)61には、車高センサ62…62からの信号入力部に所定周波数値以下の周波数成分のみを通過させるローパスフィルタ部(図示せず)が設けられている。このローパスフィルタ部は、所定周波数以下(例えば1Hz以下)の周波数成分のみを通過させるようになっている。すなわち、乗員重量の増減による車高変化や、カーブ走行等の秒単位の車高変化を検出可能に構成されている。
車高センサ62…62の出力信号はECU61に入力され、ECU61は、ローパスフィルタ部を通過した信号に基づいて、前記モータ41の駆動量を演算し、その出力信号を前記モータ41に電力を供給するドライバ(図示せず)に出力する。そして、ドライバは、この出力信号に基づいて電動モータ41を駆動する。
図5は、サスペンション制御装置60によるサスペンション本体10の制御のフローチャートを示している。なお、このフローチャートは、所定周期(例えば数mS周期)で繰り返し実行される。
まず、ステップS1では、車高センサ62…62からの信号をローパスフィルタ部を介して入力する。
次に、ステップS2で、ローパスフィルタを通過した車高信号に基づいて、現在の車高と標準車高との差、すなわち乗員重量の増減による車高変化やカーブ走行等の秒単位の車高変化による車体の浮き沈み量を算出する。
次に、ステップS3で、この算出された浮き沈み量分、ネジ軸を上下させる大きさの出力信号をドライバに出力する。そして、これにより、モータが、ドライバを介して駆動される。
次に、本実施の形態に係る車両用懸架装置の作用、効果について説明する。
すなわち、本実施の形態に係る車両用懸架装置においては、車体1と車輪2との間に、車体1が沈むほど車体1を支持する弾性力が大きくなるコイルバネ20(弾性体)と、車体1側及び車輪2側にそれぞれ連結された車体側磁石51及び車輪側磁石52で構成され、両磁石51,52の上下方向中心位置51a,51bが一致した状態において該中心位置51a,51bを中心とする車体上下方向の所定範囲Xにおいて車体1が沈むほど車体1を支持する弾性力が小さくなる磁気バネ50とが、並列に設けられているので、これらの合力により、車体1が支持されることとなる。その場合に、前記コイルバネ20及び磁気バネ50は、前記所定範囲Xにおいて弾性力の合力がほぼ一定となるようにそれらの特性が設定されているので、前記所定範囲X内においては、車体1が一定の力で支持されることとなる。すなわち、路面の凹凸等により車輪側に振動が発生したとしても、該振動がこの所定範囲X内のものである限り、その振動が車体1へ伝達するのが防止されることとなる。また、磁気バネ50は、モータのような慣性の問題がないので、高周波振動に対しても良好に追従させることができる。(第2〜第6の実施の形態において同じ。なお、符号は各実施の形態の対応するものに適宜読み替えられたい)。
ここで、車両の実積載荷重は、乗員の人数や荷物量等により変化するが、例えば、車両の実積載荷重が、標準荷重である場合は、コイルバネ20及び磁気バネ50の状態は図2のように第1磁石51と第2磁石52の上下方向中心位置がほぼ一致した状態となる。したがって、前述した良好な防振能力が得られることとなる。
一方、例えば乗員の人数が多いことによって、車両の実積載荷重が、標準荷重よりも大きい場合は、コイルバネ20が、標準荷重時よりも圧縮され、符号αで示すように、車体1が仮想線で示すように下方に沈む。しかし、本実施の形態においては、車体1が下方に沈むと、車体1の沈み込み量α1(ローパスフィルタを通った所定周波数未満のもの)と同じ量だけ、モータ41によりネジ軸42が車体1に対して上方へ移動させられる。すなわち、第2磁石52が車体1に対して上方に移動する(図2からわかるように、第2磁石52の絶対位置は変化しない)。したがって、第1磁石51と第2磁石52の上下方向中心位置51a,52aがほぼ一致した状態となる。すなわち、車体1が沈んだとしても、前記所定範囲Xがこの沈みに追随して移動するので、常に良好な防振能力が得られることとなる。なお、前記フローチャートの制御周期(繰り返し周期)をモータ41が追従可能な範囲で短くすることにより、その精度をより向上させることができる。以下の実施の形態において同じ。
なお、逆に、車両の実積載荷重が、標準荷重よりも小さい場合は、図示はしないが、コイルバネ20が積標準荷重時よりも伸び、車体1が上方に浮く。しかし、本実施の形態においては、車体1が浮くと、車体1の浮き量(ローパスフィルタを通った量)と同じ量だけ、モータ41によりネジ軸42が車体1に対して下方へ移動させられる。すなわち、第2磁石52が車体1に対して下方に移動する(第2磁石52の絶対位置は変化しない)。したがって、車両の実積載荷重が、標準荷重よりも大きい場合同様、第1磁石51と第2磁石52の上下方向中心位置がほぼ一致した状態となり、常に良好な防振能力が得られることとなる。
また、カーブ等において、左右一方の車輪2側が沈み、他方の車輪側が浮いた場合においても、車高センサ62により左右それぞれにおいて検出された浮き沈み分、沈んだ側においてはネジ軸42が上方へ移動し、浮いた側においてはネジ軸42が下方へ移動させられることとなり、この場合においても、全車輪2…2において、標準積載荷重時同様の防振能力が得られることとなる。
また、本実施の形態に係る車両用懸架装置は、車体と車輪との上下間隔を変更可能に支持するストラット11を有しているが、前記両磁石51及びモータ41を、ストラット11を利用して設けることができる(第2〜第4の実施の形態において同じ。なお、符号は各実施の形態の対応するものに適宜読み替えられたい)。
また、本実施の形態に係る車両用懸架装置のサスペンション本体には、コイルバネが用いられているが、例えば前記特許文献1等に記載のようなエアバネが用いられたサスペンション本体にも、本発明は適用可能である。第2〜第4の実施の形態において同じ。
また、以下のような効果が、本実施の形態及び後述する第2〜第6の実施の形態において得られる。
すなわち、磁気バネにより、高周波振動に対する応答性が向上することにより、サスペンション本体の車体への取付部にゴム等のマウント部材を設ける必要がなくなる。
また、モータは、バネ上荷重の変化や、旋回などごく低周波の車体姿勢変化の復元機能だけをもたせればよいので、減速比を大きくしてモータを小さくできる。したがって、車体前部のエンジンルーム内に容易に収容することができる。
また、モータは、ごく低周波で作動させればよいので、該モータに利用されるボールネジの寿命、耐久性が改善される。
また、磁気バネは、動作ストロークが短くても防振性能に優れる。エアバネの1/3のストロークで同等の防振性能が得られる。したがって、サスペンションの動作ストロークを短縮して、より車体に取り付けやすい小型のサスペンションを実現することができる。
なお、浮き沈み量の検出は、例えば、シリンダの底面と第2ピストンとの間隔を音波センサで測定することにより、検出することもできる。
また、磁石移動手段として、モータを利用したが、油圧機構を用いてもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態について図6を用いて説明する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態において、磁気バネ装置とモータとの上下位置を反転させた構造とされている。
詳しく説明すると、図6に示すように、 サスペンション本体210は、車体1と各車輪2…2との間にストラット211を有する構成とされると共に、車体1と各車輪2…2との間に並列に設けられたコイルバネ220及び磁気バネ装置230と、駆動機構240とを有している。また、ストラット211に磁気バネ装置230と、駆動機構240が設けられた構成とされている。
駆動機構240は、コマ内蔵型のサーボモータまたはステッピングモータにより構成されたモータ241と、該モータ241により上下に移動されるネジ軸242とを有している。モータ241は、シリンダ231とほぼ同形状の支持部材238に取り付けられている。支持部材238の下端部に形成された連結部238aが車輪2のロアアーム2aに連結されている。なお、ネジ軸242の上部には、フレキシブルジョイント242aが介装されている。
磁気バネ装置230は、軸方向が略上下方向を向き、下側が開口する有底円筒状のシリンダ231と、前記シリンダ231内を上下に摺動可能な第1ピストン233と、該第1ピストン233の上方に連結部材235を介して連結され、前記シリンダ231内を上下に摺動可能な第2ピストン234と、シリンダ231の内周面に、第1ピストン233と第2ピストン234の間において支持部材236を介して取り付けられたリング状の第1磁石251(車体側磁石)と、前記連結部材235の上下方向略中間位置に設けられた第2磁石252(車輪側磁石)とを有し、前記シリンダ231が車体取付部材237を介して車体1を構成する車体パネル1aに固定されている。前記連結部材234は、第1、第2ピストン233,234の中心同士を連結しており、これにより、第1磁石251と第2磁石252とは同心状に配置されている。第1、第2磁石251,252は、第1の実施の形態の第1、第2磁石51,52と同様の構造であり、詳細な説明は省略する。
コイルバネ220は、金属製のバネ材によって構成されており、サスペンション本体210を車体1に固定する車体取付部材237の下面と、支持部材238の周面部に設けられたバネ受部238bとの間に、上下方向に圧縮して設置されている。
サスペンション制御装置は、第1の実施の形態と同様の構成とされており、説明は、省略する。
次に、第2の実施の形態に係る車両用懸架装置の作用、効果について説明する。
まず、車両の実積載荷重が、標準荷重である場合は、コイルバネ220及び磁気バネ250の状態は図6のように第1磁石251と第2磁石252の上下方向中心位置がほぼ一致した状態となる。したがって、第1の実施の形態同様、良好な防振能力が得られることとなる。
一方、例えば乗員の人数が多いことによって、車両の実積載荷重が、標準荷重よりも大きい場合は、コイルバネ220が、積標準荷重時よりも圧縮され、符号βで示すように、車体1が仮想線で示すように下方に沈む。しかし、本実施の形態においては、車体1が下方に沈むと、車体1の沈み込み量β1(ローパスフィルタを通った所定周波数未満のもの)と同じ量だけ、モータ241によりネジ軸242が下方へ移動させられる。すなわち、第2磁石252が下方に移動する。したがって、第1磁石251と第2磁石252の上下方向中心位置251a,252aがほぼ一致した状態となる。すなわち、車体1が沈んだとしても、前記所定範囲Xがこの沈みに追随して移動するので、常に良好な防振能力が得られることとなる。
なお、逆に、車両の実積載荷重が、標準荷重よりも小さい場合は、図示はしないが、コイルバネ220が積標準荷重時よりも伸び、車体1が上方に浮く。しかし、本実施の形態においては、車体1が浮くと、車体1の浮き量(ローパスフィルタを通った量)と同じ量だけ、モータ241によりネジ軸242が上方へ移動させられる。すなわち、第2磁石252が上方に移動する。したがって、車両の実積載荷重が、標準荷重よりも大きい場合同様、第1磁石251と第2磁石252の上下方向中心位置がほぼ一致した状態となり、常に良好な防振能力が得られることとなる。
また、カーブ等において、左右一方の車輪2側が沈み、他方の車輪側が浮いた場合においても、車高センサ62により左右それぞれにおいて検出された浮き沈み分、沈んだ側においてはネジ軸242が下方へ移動し、浮いた側においてはネジ軸242が上方へ移動させられることとなり、この場合においても、全車輪2…2において、標準荷重時同様の防振能力が得られることとなる。
次に、本発明の第3の実施の形態について図7を用いて説明する。
すなわち、第3の実施の形態においては、第1ピストン333は、Y字状部材339を介して車体1側に連結され、コイルバネ320は、上端部がネジ軸342及びモータ340を介して車体1側に連結されている等において異なっている。
より、詳しく説明すると、図7に示すように、サスペンション本体310は、車体1と各車輪2…2との間にストラット311を有する構成とされると共に、車体1と各車輪2…2との間に並列に設けられたコイルバネ320及び磁気バネ装置330と、駆動機構340とを有している。また、ストラット311に磁気バネ装置330と、駆動機構340が設けられた構成とされている。
駆動機構340は、コマ内蔵型のサーボモータまたはステッピングモータにより構成されたモータ341と、該モータ341により上下に移動されるネジ軸342とを有している。モータ341は、車体取付部材337を介して車体1を構成する車体パネル1aに固定されている。
磁気バネ装置330は、第1の実施の形態の磁気バネ装置30と同様の構成であり、軸方向が略上下方向を向き、上側が開口する有底円筒状のシリンダ331と、前記シリンダ331内を上下に摺動可能な第1ピストン333と、該第1ピストン333の下方に連結部材335を介して連結され、前記シリンダ331内を上下に摺動可能な第2ピストン334と、シリンダ331の内周面に、第1ピストン333と第2ピストン334の間において支持部材336を介して取り付けられたリング状の第1磁石351(車輪側磁石)と、前記連結部材335の上下方向略中間位置に設けられた第2磁石352(車体側磁石)とを有し、第1ピストン333が、Y字状部材339、及び車体取付部材337を介して、車体1に連結され、前記シリンダ331の下端部に形成された連結部331aが、車輪2のロアアーム2aを介して車輪2に連結されている。前記連結部材335は、第1、第2ピストン333,334の中心同士を連結しており、これにより、第1磁石351と第2磁石352とは同心状に配置されている。第1、第2磁石351,352は、第1の実施の形態の第1、第2磁石51,52と同様の構造であり、詳細な説明は省略する。Y字状部材339には、フレキシブルジョイント339aが介装されている。
コイルバネ320は、金属製のバネ材によって構成されており、サスペンション本体310を車体1に固定する車体取付部材337の下面と、シリンダ331の周面部に設けられたバネ受部331bとの間に、上下方向に圧縮して設置されている。
サスペンション制御装置は、第1の実施の形態と同様の構成とされており、説明は、省略する。
次に、第3の実施の形態に係る車両用懸架装置の作用、効果について説明する。
まず、車両の実積載荷重が、標準荷重である場合は、コイルバネ320及び磁気バネ350の状態は図7のように第1磁石351と第2磁石352の上下方向中心位置がほぼ一致した状態となる。したがって、前述した良好な防振能力が得られることとなる。
一方、例えば乗員の人数が多いことによって、車両の現積載荷重が、標準荷重よりも大きい場合は、コイルバネ320が、標準荷重時よりも圧縮され、符号γで示すように、車体1が下方に沈む。また、車体1側にY字状連結部材339を介して連結された第2磁石352が下方に移動し、第1磁石351との位置がずれてしまう。しかし、本実施の形態においては、車体1が下方に沈むと、車体1の沈み込み量γ1(ローパスフィルタを通った所定周波数未満のもの)と同じ量だけ、第2磁石352が上方へ移動するように、モータ341が回転し、モータ341がネジ軸342に対して上方へ移動することとなる。その場合に、このときコイルバネ320は現積載荷重に応じた分だけ圧縮されたままの状態であり、コイルバネ320の路面に対する上端位置は変化しない。したがって、モータ341が路面に対して上方へ移動することとなる、つまり、車体1が標準荷重時における位置に復元することとなる。すなわち、車体1が沈んだとしても、前記所定範囲Xがこの沈みに追随して移動するので、常に良好な防振能力が得られることとなる。
逆に、車両の実積載荷重が、標準荷重よりも小さい場合は、図示はしないが、コイルバネ320が、標準荷重時よりも伸び、車体1が上方に浮く。また、車体1側にY字状連結部材339を介して連結された第2磁石352が上方に移動し、第1磁石351との位置がずれてしまう。しかし、本実施の形態においては、車体1が上方に浮くと、車体1の浮き量(ローパスフィルタを通った所定周波数未満のもの)と同じ量だけ、第2磁石352が下方へ移動するように、モータ341が回転し、モータ341がネジ軸342に対して下方へ移動することとなる。その場合に、このときコイルバネ320は現積載荷重に応じた分だけ圧縮されたままの状態であり、コイルバネ320の路面に対する上端位置は変化しない。したがって、モータ341が路面に対して下方へ移動することとなる、つまり、車体1が標準荷重時における位置に復元することとなる。すなわち、車体1が浮いたとしても、前記所定範囲Xがこの浮きに追随して移動するので、常に良好な防振能力が得られることとなる。
なお、この制御を、例えばmsec単位で繰り返し行えば、第1磁石351と第2磁石352の上下方向中心位置が一致した状態に保持され、常に、標準積載荷重時同様の防振能力が得られると共に、車体1のロールを抑制することができる(第4の実施の形態において同様)。
また、カーブ等において、左右一方の車輪2側が沈み、他方の車輪2側が浮いた場合においても、車高センサ62により左右それぞれにおいて検出された浮き沈み分、沈んだ側においてはネジ軸342が下方へ移動し、浮いた側においてはネジ軸342が上方へ移動させられることとなり、この場合においても、全車輪2…2において、標準荷重時同様の防振能力が得られることとなる。また、カーブ走行時におけるローリングを抑制することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態について図8を用いて説明する。
第4の実施の形態は、第3の実施の形態において、磁気バネ装置とモータとの上下位置を反転させた構造とされている。
詳しく説明すると、図8に示すように、サスペンション本体410は、車体1と各車輪2…2との間にストラット411を有する構成とされると共に、車体1と各車輪2…2との間に並列に設けられたコイルバネ420及び磁気バネ装置430と、駆動機構440とを有している。また、ストラット411に磁気バネ装置430と、駆動機構440が設けられた構成とされている。
駆動機構440は、コマ内蔵型のサーボモータまたはステッピングモータにより構成されたモータ441と、該モータ441により上下に移動されるネジ軸442とを有している。モータ441は、シリンダ431とほぼ同形状の支持部材438に取り付けられている。支持部材438の下端部に形成された連結部438aが車輪2のロアアーム2aに連結されている。
磁気バネ装置430は、軸方向が略上下方向を向き、下側が開口する有底円筒状のシリンダ431と、前記シリンダ431内を上下に摺動可能な第1ピストン433と、該第1ピストン433の上方に連結部材435を介して連結され、前記シリンダ431内を上下に摺動可能な第2ピストン434と、シリンダ431の内周面に、第1ピストン433と第2ピストン434の間において支持部材436を介して取り付けられたリング状の第1磁石451(車体側磁石)と、前記連結部材435の上下方向略中間位置に設けられた第2磁石452(車輪側磁石)とを有し、第1ピストン433が、Y字状部材439を介して前記支持部材438の取付部438bに連結され、前記シリンダ431が車体取付部材437を介して車体1を構成する車体パネル1aに固定されている。なお、Y字状部材439の上部には、フレキシブルジョイント439aが介装されている。前記連結部材435は、第1、第2ピストン433,434の中心同士を連結しており、これにより、第1磁石451と第2磁石452とは同心状に配置されている。第1、第2磁石451,452は、第1の実施の形態の第1、第2磁石51,52と同様の構造であり、詳細な説明は省略する。
コイルバネ420は、金属製のバネ材によって構成されており、サスペンション本体410を車体1に固定する車体取付部材437の下面と、前記ネジ軸432の上端部に取り付けられたバネ受部材471との間に、上下方向に圧縮して設置されている。
サスペンション制御装置は、第1の実施の形態と同様の構成とされており、説明は、省略する。
次に、第3の実施の形態に係る車両用懸架装置の作用、効果について説明する。
まず、車両の実積載荷重が、標準荷重である場合は、コイルバネ420及び磁気バネ450の状態は図7のように第1磁石451と第2磁石452の上下方向中心位置がほぼ一致した状態となる。したがって、前述した良好な防振能力が得られることとなる。
一方、例えば乗員の人数が多いことによって、車両の現積載荷重が、標準荷重よりも大きい場合は、コイルバネ420が、標準荷重時よりも圧縮され、車体1が下方に沈む。したがって、車体1側に設けられた第1磁石451が下方に移動する。一方、車輪2側にY字状連結部材439を介して連結された第2磁石452の位置は変化せず、その結果、第1磁石451と第2磁石452との位置がずれてしまう。しかし、本実施の形態においては、車体1が下方に沈むと、車体1の沈み量(ローパスフィルタを通った所定周波数未満のもの)と同じ量だけ、第1磁石451が上方へ移動するように、モータ441が回転し、ネジ軸442がモータ441(車輪側)に対して上方へ移動することとなる。その場合に、このときコイルバネ420は現積載荷重に応じた分だけ圧縮されたままの状態である。したがって、コイルバネ420及び車体1が、路面に対して上方へ移動することとなる、つまり、車体1のフロア面が当初位置に復元することとなる。すなわち、車体1が沈んだとしても、前記所定範囲Xがこの沈みに追随して移動するので、常に良好な防振能力が得られることとなる。
逆に、車両の実積載荷重が、標準荷重よりも小さい場合は、図示はしないが、コイルバネ420が、標準荷重時よりも伸び、車体1が上方に浮く。したがって、車体1側に設けられた第1磁石451が上方に移動する。一方、車輪2側にY字状連結部材439を介して連結された第2磁石452の位置は変化せず、その結果、第1磁石451と第2磁石452との位置がずれてしまう。しかし、本実施の形態においては、車体1が上方に浮くと、車体1の浮き量(ローパスフィルタを通った所定周波数未満のもの)と同じ量だけ、第1磁石451が下方へ移動するように、モータ441が回転し、ネジ軸442がモータ441(車輪側)に対して上方へ移動することとなる。その場合に、このときコイルバネ420は現積載荷重に応じた分だけ圧縮されたままの状態である。したがって、コイルバネ420及び車体1が、路面に対して下方へ移動することとなる、つまり、車体1のフロア面が当初位置に復元することとなる。すなわち、車体1が浮いたとしても、前記所定範囲Xがこの沈みに追随して移動するので、常に良好な防振能力が得られることとなる。
また、カーブ等において、左右一方の車輪2側が沈み、他方の車輪2側が浮いた場合においても、車高センサ62により左右それぞれにおいて検出された浮き沈み分、沈んだ側においてはネジ軸442が上方へ移動し、浮いた側においてはネジ軸442が下方へ移動させられることとなり、この場合においても、全車輪2…2において、標準荷重時同様の防振能力が得られることとなる。また、カーブ走行時におけるローリングを抑制することができる。
次に、第5の実施の形態について図9〜図11を用いて説明する。
第5の実施の形態においては、本発明はインホイールモータ式の車両に適用されている。すなわち、本実施の形態に係る車両の車輪2は、車体側ブラケット1d及び後述する支持機構510を介して車体1のホイールハウス部1cに支持されるホイール支持部材503と、該ホイール支持部材503に軸受部材504を介して回動可能に支持されるホイール505とを有している。そして、ホイール505のリム505aの内周面には、ロータコイル506が取り付けられていると共に、ホイール支持部材503の円筒部503aの外周面には、ステータコイル507が設けられている。
支持機構510は、ホイール支持部材503の円筒部503aの上部と、下部に設けられた固定ブロック508間を連結する軸部材511と、該軸部材511にその軸方向に摺動可能に支持されると共に車体1側のブラケット1dに固定された可動ブロック512と、該可動ブロック512と前記固定ブロック508との間に介装されたコイルバネ513とを有している。
また、ホイール支持部材505の内部空間には、可動ブロック512を軸部材511に沿って上下に移動させる移動機構520が設けられている。
この移動機構520は、前記ホイール支持部材503の円筒部503aの上部と下部との間に前記軸部材511に平行に設けられたネジ軸521と、該ネジ軸521に螺合された円筒状のボールナット522と、該ボールナット522の周囲にベアリング523を介して配設され、前記ホイール支持部材503の側面部503bに上下方向に移動可能に、かつ軸回りに回転しないように支持された有底円筒状のケース524と、該ケース524に固定され、駆動軸525aが軸部材521の軸方向に延び、下端部にギヤ526が取り付けられたモータ525と、前記ネジ軸521上に該ネジ軸521に対して不接触状態で設けられると共に、前記ボールナット522の下面に固着され、かつ、前記モータ525側のギヤ526に噛合するネジ軸521側のギヤ527とを有している。
可動ブロック512には第1磁石531が、ケース524には、第2磁石532が取り付けられ、これらの磁石531,532により磁気バネ530が構成されている。なお、これらの531,532自体は、第1の実施の形態で説明したのと同様の構造をしている。
サスペンション制御装置は、第1の実施の形態と同様の構成とされており、説明は、省略する。
次に、第5の実施の形態に係る車両用懸架装置の作用、効果について説明する。
まず、車両の実積載荷重が、標準荷重である場合は、コイルバネ513及び磁気バネ530の状態は図11のように第1磁石531と第2磁石532の上下方向中心位置がほぼ一致した状態となる。したがって、前述した良好な防振能力が得られることとなる。
一方、例えば乗員の人数が多いことによって、車両の現積載荷重が、標準荷重よりも大きい場合は、コイルバネ513が標準荷重時よりも圧縮されつつ、第1可動ブロック512(車体1側)が下方に移動する。したがって、可動ブロック512に取り付けられた(車体1側に設けられた)第1磁石531が下方に移動する。一方、車輪2側に取り付けられた第2磁石532の位置は変化せず、その結果、第1磁石531と第2磁石532との位置がずれてしまう。しかし、本実施の形態においては、車体1が下方に沈むと、車体1の沈み量(ローパスフィルタを通った所定周波数未満のもの)と同じ量だけ、第2磁石532が下方へ移動するように、モータ525が回転し、その結果、第1、第2ギヤ526,527を介してボールナット522が回転し、ケース524及び該ケース524に取り付けられたモータ525、並びに第2磁石532が下方へ移動することとなる。したがって、第1磁石531と第2磁石532の上下方向中心位置がほぼ一致した状態となる。すなわち、車体1が沈んだとしても、前記所定範囲Xがこの沈みに追随して移動するので、常に良好な防振能力が得られることとなる。
逆に、車両の実積載荷重が、標準荷重よりも小さい場合は、図示はしないが、コイルバネ513が標準荷重時よりも伸び、可動ブロック512(車体1側)が上方に移動する。したがって、第1可動ブロック512に取り付けられた(車体1側に設けられた)第1磁石531が上方に移動する。一方、車輪2側に取り付けられた第2磁石532の位置は変化せず、その結果、第1磁石531と第2磁石532との位置がずれてしまう。しかし、本実施の形態においては、車体1が上方に浮くと、車体1の浮き量(ローパスフィルタを通った所定周波数未満のもの)と同じ量だけ、第2磁石532が上方へ移動するように、モータ525が回転し、その結果、第1、第2ギヤ526,527を介してボールナット522が回転し、ケース524及び該ケース524に取り付けられたモータ525、並びに第2磁石532が上方へ移動することとなる。したがって、第1磁石531と第2磁石532の上下方向中心位置がほぼ一致した状態となる。すなわち、車体1が浮いたとしても、前記所定範囲Xがこの沈みに追随して移動するので、常に良好な防振能力が得られることとなる。
また、カーブ等において、左右一方の車輪側が沈み、他方の車輪側が浮いた場合においても、車体1の浮き沈み量(ローパスフィルタを通った所定周波数未満のもの)と同じ量だけ、モータが駆動される。したがって、この場合においても、全車輪において、標準積載荷重時同様の防振能力が得られることとなる。
なお、このようなインホイールタイプのものに、本発明を適用することにより、以下のような効果も得られる。第6の実施の形態において同じ。
すなわち、前述のように、モータを小さくすることができるので、ホイール内に収容しやすくなる。
また、磁気バネは、動作ストロークが短くても防振性能に優れる。例えば、エアバネの1/3のストロークで同等の防振性能が得られる。したがって、ホイール内に配置しやすい。
また、後輪に適用した場合、リアサスタワーが不要となり、車室内スペースを拡大することができる。
また、前輪に適用した場合、フロントサスタワーが不要となり、ボンネットを低くすることができる。
次に、第6の実施の形態について図12を用いて説明する。
第6の実施の形態に係る車両用懸架装置は、第5の実施の形態同様、インホイールモータ式の車両に適用されているが、支持機構、移動機構、磁気バネ等の構成が異なっている。
すなわち、支持機構610は、ホイール支持部材603の円筒部603aの上部と下部間を連結する軸部材611と、該軸部材611にその軸方向に摺動可能に支持されると共に車体1側のブラケット1dに固定された第1可動ブロック612と、該第1可動ブロック612の下方において、該軸部材611にその軸方向に摺動可能に支持された第2可動ブロック613と、第1、第2可動ブロック612,613間に介装されたコイルバネ614とを有している。
また、ホイール支持部材603の内部空間には、第2可動ブロック613を軸部材611に沿って上下に移動させる移動機構620が設けられている。
この移動機構620は、前記ホイール支持部材603の円筒部603aの上部と下部との間に前記軸部材611に平行に設けられたネジ軸621と、該ネジ軸621に螺合された円筒状のボールナット622と、該ボールナット622の周囲にベアリング623を介して配設され、前記第2可動ブロック613に固定された有底円筒状のケース624と、該ケース624に固定され、駆動軸625aが車幅方向に延び、その一端部にギヤ626が取り付けられたモータ625と、前記ネジ軸621上に該ネジ軸621に対して不接触状態で設けられると共に、前記ボールナット622の上面に固着され、かつ、前記モータ625側のギヤ626に噛合するネジ軸621側のギヤ627とを有している。
第1可動ブロック612には第1取付部材633を介して第1磁石632が、ホイール支持部材605には第2取付部材634を介して第2磁石631が取り付けられ、これらの磁石631,632により磁気バネ630が構成されている。
サスペンション制御装置は、第1の実施の形態と同様の構成とされており、説明は、省略する。
次に、第6の実施の形態に係る車両用懸架装置の作用、効果について説明する。
まず、車両の実積載荷重が、標準荷重である場合は、コイルバネ614及び磁気バネ530の状態は図12のように第1磁石632と第2磁石631の上下方向中心位置がほぼ一致した状態となる。したがって、前述した良好な防振能力が得られることとなる。
一方、例えば乗員の人数が多いことによって、車両の現積載荷重が、標準荷重よりも大きい場合は、コイルバネ614が、標準荷重時よりも圧縮されつつ、第1可動ブロック612(車体1側)が下方に沈む。したがって、第1可動ブロック612に取り付けられた(車体1側に設けられた)第1磁石632が下方に移動する。一方、車輪側に取り付けられた第2磁石631の位置は変化せず、その結果、第1磁石632と第2磁石631との位置がずれてしまう。しかし、本実施の形態においては、車体1が下方に沈むと、車体1の沈み量(ローパスフィルタを通った所定周波数未満のもの)と同じ量だけ、第1磁石632が上方へ移動するように、モータ625が回転し、その結果、第1、第2ギヤ626、627を介してボールナット622が回転し、ケース624及び該ケース624に取り付けられたモータ625、並びに第2可動ブロック613が車輪2に対して上方へ移動することとなる。その場合に、このときコイルバネ614は現積載荷重に応じた分だけ圧縮されたままの状態である。したがって、コイルバネ614及び第1可動ブロック612すなわち車体1が、路面に対して上方へ移動することとなる、つまり、車体1のフロア面が当初位置に復元することとなる。
なお、この制御を、例えばmsec単位で繰り返し行えば、第1磁石632と第2磁石631の上下方向中心位置が継続的に一致することとなり、常に、標準荷重時同様の防振能力が得られると共に、車体1のロールを抑制することができる。
また、カーブ等において、左右一方の車輪2側が沈み、他方の車輪2側が浮いた場合においても、車高センサ2により左右それぞれにおいて検出された変位に対応する分、モータ625が駆動される。したがって、この場合においても、全車輪2において、標準荷重時同様の防振能力が得られることとなる。また、カーブ走行時におけるローリングを抑制することができる。
本発明は、車両用懸架装置において、磁気バネを利用して、高周波振動にも追従可能で、かつ車体の浮き沈みによらず常に一定の所望の振動伝達防止作用が得られ、自動車産業に広く利用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る車両用懸架装置が搭載された自動車の概略模式図である。 第1の実施の形態に係る車両用懸架装置の構造を示す断面図である。 磁気バネの作用の説明図である。 磁気バネとコイルバネとを利用したサスペンション本体による生じる弾性力の特性図である。 制御の一例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る車両用懸架装置の構造を示す断面図である。 第3の実施の形態に係る車両用懸架装置の構造を示す断面図である。 第4の実施の形態に係る車両用懸架装置の構造を示す断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る車両用懸架装置が搭載された自動車の概略模式図である。 第5の実施の形態に係る車両用懸架装置の構造を示す断面図である。 同じく第5の実施の形態に係る車両用懸架装置の構造を示す断面図である。 第6の実施の形態に係る車両用懸架装置の構造を示す断面図である。
符号の説明
1 車体
2 車輪
10 サスペンション本体
11 ストラット
20 コイルバネ(弾性体)
41 モータ(磁石移動手段)
50 磁気バネ
51 第1磁石
52 第2磁石
51 ネジ軸(螺子軸)
61 車高センサ(浮沈量検出手段)
62 ECU(浮沈量検出手段)

Claims (6)

  1. 車体と車輪との間に設けられる車両用懸架装置であって、
    車体と車輪との間に、車体が沈むほど車体を支持する弾性力が大きくなる弾性体と、車体側及び車輪側にそれぞれ連結された車体側磁石及び車輪側磁石で構成され、両磁石の上下方向中心位置が一致した状態においてこの一致した位置を中心とする車体上下方向の所定範囲において車体が沈むほど車体を支持する弾性力が小さくなる磁気バネとが、並列に設けられていると共に、
    前記弾性体及び磁気バネは、前記所定範囲において弾性力の合力がほぼ一定となるように、それらの構造及び特性が設定されており、
    所定周波数未満のばね上荷重の増減に伴う車体の沈き浮みの量を検出する沈浮量検出手段と、
    該沈浮量検出手段で検出された沈浮量に基づいて、前記両磁石の一方を、両磁石の上下方向中心位置が一致するように上下方向に移動させる磁石移動手段とを有していることを特徴とする車両用懸架装置。
  2. 前記請求項1に記載の車両用懸架装置において、
    車体と車輪との間にストラットが備えられており、
    前記両磁石及び磁石移動手段は、該ストラットに設けられていることを特徴とする車両用懸架装置。
  3. 前記請求項1に記載の車両用懸架装置において、
    前記両磁石及び磁石移動手段は、車輪内に設けられていることを特徴とする車両用懸架装置。
  4. 前記請求項2または請求項3に記載の車両用懸架装置において、
    前記車体側磁石は車体に対して上下方向に移動可能に、前記車輪側磁石は車輪に対して移動不能に支持されており、
    前記磁石移動手段は、車体側磁石を上下方向に移動させることを特徴とする車両用懸架装置。
  5. 前記請求項2または請求項3に記載の車両用懸架装置において、
    前記車体側磁石は車体に対して移動不能に、前記車輪側磁石は車輪に対して上下方向に移動可能に支持されており、
    前記磁石移動手段は、車輪側磁石を上下方向に移動させることを特徴とする車両用懸架装置。
  6. 前記請求項2または請求項3に記載の車両用懸架装置において、
    前記車体側及び車輪側磁石は車体及び車輪に対して移動不能に支持されており、
    前記磁石移動手段は、前記弾性体の伸縮状態を変更させないで、車体を上下方向に移動させて、車体側磁石を上下方向に移動させることを特徴とする車両用懸架装置。
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