JP2009184435A - 自動二輪車 - Google Patents

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Koichiro Kawada
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Abstract

【課題】全周に亘って剛性の変化を小さくし、ほぼ均一な剛性を有するキャストホイールを備えた自動二輪車を提案する。
【解決手段】前輪ホイール31のスポーク部37と、後輪ホイール41のスポーク部47とは、前輪4もしくは後輪15の回転中心を通って半径方向へ放射状に伸びる線分Sに対して所望の角度で傾斜して形成されるとともに、前輪ホイール31のスポーク部37と後輪ホイール41のスポーク部47とでは、線分Sに対する傾斜方向がそれぞれ異なる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、前輪および後輪に一体に形成されたホイールを用いた自動二輪車に関する。
自動二輪車の前輪および後輪のホイールにはワイヤスポークホールまたはキャストホイールなどの一体に形成されたホイールが広く用いられる。
このうち、一体に形成されたホイールは、前輪または後輪の車軸を支持するハブ部と、タイヤが被着されるリム部と、ハブ部とリム部とに架設された軸状のスポーク部とから構成される。
ここで、特許文献1に記載のホイールのスポーク部は、車軸の回転軸から半径方向に沿って放射状に延設される。
また、特許文献2に記載のホイールのスポーク部は、ハブ部外周の接線に沿って放射状に延設される。自動二輪車が前進する際の前輪および後輪の回転方向では、リム部とスポーク部との接続部は、スポーク部とハブ部との接続部よりも遅角させて形成される。
特開2003−320801号公報 実開平03−96201号公報
先ず、自動二輪車の停止状態において、車軸と路面との間に介在する一体に形成されたホイール、例えばキャストホイールの部分的な剛性を考える。
図6は、スポーク部が車軸の回転軸から半径方向に沿って放射状に延設された従来のキャストホイールの剛性を示す概略図であり、図7はスポーク部がハブ部外周の接線に沿って放射状に延設された従来のキャストホイールの剛性を示す概略図である。
図6に示すように、従来のキャストホイール60は、前輪または後輪の車軸61を支持するハブ部62と、タイヤ63が被着されるリム部64と、ハブ部62とリム部64とに架設された軸状のスポーク部65とから構成される。スポーク部65は車軸61の回転軸から半径方向に沿って放射状に延設される。
ここで、ハブ部62とリム部64との間にスポーク部65が架設された部分を連結部66と呼び、スポーク部65が架設されていない部分を一般部67と呼ぶ。
このように構成された従来のキャストホイール60では、任意の回動位置において車軸61と路面Gとの間に介在する部分に着目した剛性は、連結部66で極大(Rh1)となり、一般部67では極小(Rl1)となりつつ、連結部66と一般部67との間で極大(Rh1)から極小(Rl1)へ、極小(Rl1)から極大(Rh1)へと連続して周期的に変化する(破線R1)。
また、図7に示すように、従来のキャストホイール70は、前輪または後輪の車軸61を支持するハブ部62と、タイヤ63が被着されるリム部64と、ハブ部62とリム部64とに架設された軸状のスポーク部74とから構成される。スポーク部74はハブ部62の外周の接線に沿って放射状に延設される。
このように構成された従来のキャストホイール70では、任意の回動位置において車軸61と路面Gとの間に介在する部分に着目した剛性は、連結部66Aで極大(Rh2)となり、一般部67Aでは極小(Rl2)となりつつ、連結部66Aと一般部67Aとの間で極大(Rh2)から極小(Rl2)へ、極小(Rl2)から極大(Rh2)へと連続して周期的に変化する(破線R2)。
ここで、従来のキャストホイール60と従来のキャストホイール70との剛性を比較すると、従来のキャストホイール60の連結部66における剛性(Rh1)よりも従来のキャストホイール70の連結部66Aにおける剛性(Rh2)のほうが低くなる(Rh2<Rh1)。また、従来のキャストホイール70の全周における剛性の高低差、すなわち振幅(|Rh2−Rl2|)は、従来のキャストホイール60の振幅(|Rh1−Rl1|)よりも小さくなる。
これは、鉛直軸(一点鎖線g)近傍に位置する連結部66、66Aに着目すると、従来のキャストホイール60ではスポーク部65の長手軸方向の縦剛性が連結部66の剛性(Rh1)に支配的であるのに対して、従来のキャストホイール70ではスポーク部74の長手軸方向の縦剛性および曲げ剛性が連結部66Aの剛性(Rh2)に支配的に作用していることに起因している。
次に、自動二輪車の走行状態において、車軸と路面との間に介在するキャストホイールの部分的な剛性を考える。
図8は、スポーク部がハブ部外周の接線に沿って放射状に延設された従来のキャストホイールに作用する力の関係を示す概略図である。
図8に示すように、従来のキャストホイール70は、自動二輪車が前進(実線矢A)する際の前輪の回転方向(実線矢W)では、リム部64とスポーク部74との接続部75は、スポーク部74とハブ部62との接続部76よりも遅角させて形成される。
従来のキャストホイール70について、リム部64とスポーク部74との接続部75に着目すると、接続部75には、前輪分担荷重の反力による鉛直上向の力Pwと、タイヤを介して路面Gから作用する荷重の反力による接線方向の力Pbとによって、力Pwと力Pbとの合力Pが作用する。なお、力Pbは、前輪に制動力が作用した際に顕著に働く力であり、自動二輪車の後方に向かって作用する。したがって、力Pは自動二輪車の後斜め上方に向かう力である。
スポーク部74に着目すると、力Pは長手軸方向に圧縮する軸方向分力Fsと、曲げ方向分力Frとして作用する。
従来のキャストホイール70は、リム部64とスポーク部74との接続部75がスポーク部74とハブ部62との接続部76よりも遅角(実線矢D)されているので、力Pは、曲げ方向分力Frよりも軸方向分力Fsにより大きく働くことになる。
したがって、従来のキャストホイール70を用いた自動二輪車では、スポーク部74に作用する力Pは主に軸方向分力Fsとして作用するため、自動二輪車の走行状態における連結部66Aの剛性(Rhr2)はスポーク部74の長手軸方向の縦剛性が支配的になり、自動二輪車の停止状態における連結部66Aの剛性(Rh2)に比べて高くなる。すなわち、自動二輪車の走行状態における連結部66Aと一般部67Aとの剛性差が拡大する。
そうすると、前輪の車軸61と路面Gとの間に介在する従来のキャストホイール70の剛性は大きな振幅を伴って周期的に変化し、自動二輪車の乗り心地を悪化させ、接地性を安定できず、制動力を確実に路面Gに伝えられず、自動二輪車の操縦性や安定性を損なう虞がある。
他方、一般的に駆動輪である後輪では、制動力が作用するときよりもエンジンからの駆動力が作用した加速状態のときのほうが力Pwおよび力Pbが大きく作用する。この場合には、接線方向の力Pbは自動二輪車の前方(図8中の実線矢Pbの反対方向)に向かって作用し、力Pは軸方向分力Fsよりも曲げ方向分力Frに、より大きく働くことになる。したがって、連結部66Aの剛性はスポーク部74の曲げ剛性が支配的になり、連結部と一般部との剛性差は綬和される。
本発明は、全周に亘って剛性の変化を小さくし、ほぼ均一な剛性を有する一体に形成されたホイールを備えた自動二輪車を提案する。
前記の課題を解決するため本発明では、前輪または後輪の車軸が支持される車軸孔を有するハブ部と、タイヤが外周部に被着される円筒状のリム部と、前記ハブ部および前記リム部の間に架設されるスポーク部とを有するホイールを前輪および後輪に備え、前記前輪の備えた前記ホイールのスポーク部は、前記前輪の回転中心を通り、前記車輪の半径方向へ伸びる線分に対して一方に傾斜させて形成され、前記後輪の備えた前記ホイールのスポーク部は、前記後輪の回転中心を通り、前記車輪の半径方向へ伸びる線分に対して他方に傾斜させて形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、全周に亘って剛性を均一化し、ほぼ均一な剛性を有する一体に形成されたホイールを備えた自動二輪車を提供することができる。
本発明に係る自動二輪車の実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
図1は、本発明に係る自動二輪車の実施形態を示す自動二輪車の左側面図である。
図1に示すように、自動二輪車1は車体フレーム2を有し、その前方にヘッドパイプ3が設けられる。ヘッドパイプ3にはサスペンション機構(図示省略)が内装され、前輪4を回動自在に支持する左右一対のフロントフォーク5やハンドルバー6等から構成されるステアリング機構7が設けられる。前輪4は、ハンドルバー6によって左右に回動自在に操舵される。
車体フレーム2は、例えばツインチューブ型のもので、主にヘッドパイプ3の直後で左右方向に拡開された後、互いに平行に斜下後方に延びるタンクレールを兼ねた左右一対のメインフレーム8と、メインフレーム8の後端部に一体的に接続され、略上下方に向かって延びる左右一対のセンターフレーム9と、センターフレーム9の後上端から斜め後上方に延びる左右一対のシートレール10とから構成される。
メインフレーム8の上方には燃料タンク11が配置される。シートレール10の上方には運転シート12が配置される。センターフレーム9の略中央下部にはピボット軸13が架設される。ピボット軸13にはスイングアーム14がピボット軸13廻りにスイング自在に枢着される。スイングアーム14の後端には後輪15が回動自在に軸支される。
車体の中央下部、すなわち燃料タンク11下方の車体フレーム2には4サイクル多気筒エンジン16が搭載される。
エンジン16の後上部にはエンジン吸気系を構成するスロットルボディ17が接続される。スロットルボディ17の上流側にはエアクリーナ18が接続される。
他方、エンジン16の前部にはエンジン排気系を構成するエキゾーストパイプ19が接続され、エンジン16の下部を回って後方に延びると共に、車体の一側、本実施形態では後輪15の右側にはマフラ20が斜め後上がりに配置される。エキゾーストパイプ19とマフラ20とは接続管21によって接続される。
エンジン16出力は2次減速機構22を構成するチェーン23からドリブンスプロケット24を介して後輪15に伝達される。
また、自動二輪車1は車体の少なくとも一部、本実施形態では前部から中央下部にかけては流線形のカウリング25で覆われ、自動二輪車1の走行中の空気抵抗低減と、走行風圧からのライダの保護とが図られる。
前輪4は、前輪車軸30によってフロントフォーク5に回動自在に軸支される前輪ホイール31と、前輪ホイール31の外周部に被着された前輪タイヤ32と、前輪ホイール31にボルトなどによって固着された前輪ブレーキプレート33とを備える。
前輪ホイール31はアルミニウム等の軽合金の鋳造または鍛造により一体に成形されたホイールであり、前輪車軸30を支持するハブ部35と、前輪タイヤ32が被着される円筒状のリム部36と、ハブ部35とリム部36とに架設された軸状のスポーク部37とから構成される。スポーク部37はハブ部35の外周の接線に沿って放射状に延設される。自動二輪車1が前進(実線矢A)する際の前輪4の回転方向(実線矢Wf)では、リム部36とスポーク部37との接続部38は、スポーク部37とハブ部35との接続部39よりも進角させて形成される。
後輪15は、後輪車軸40によってスイングアーム14に回動自在に軸支される後輪ホイール41と、後輪ホイール41の外周部に被着された後輪タイヤ42と、後輪ホイール41にボルトなどによって固着された後輪ブレーキプレート(図示省略)とを備える。
後輪ホイール41はアルミニウム等の軽合金の鋳造または鍛造により一体に成形されたホイールであり、後輪車軸40を支持するハブ部45と、後輪タイヤ42が被着される円筒状のリム部46と、ハブ部45とリム部46とに架設された軸状のスポーク部47とから構成される。スポーク部47はハブ部45の外周の接線に沿って放射状に延設される。自動二輪車1が前進(実線矢A)する際の後輪の回転方向(実線矢Wr)では、リム部46とスポーク部47との接続部48は、スポーク部47とハブ部45との接続部49よりも遅角させて形成される。
すなわち、前輪ホイール31のスポーク部37と、後輪ホイール41のスポーク部47とは、前輪4もしくは後輪15の回転中心を通って半径方向へ放射状に伸びる線分Sに対して所望の角度で傾斜して形成されるとともに、前輪ホイール31のスポーク部37と後輪ホイール41のスポーク部47とでは、線分Sに対する傾斜方向がそれぞれ異なる。前輪ホイール31は、前輪4の回転方向(実線矢Wf)では、リム部36とスポーク部37との接続部38がスポーク部37とハブ部35との接続部39より回転方向前方に配設されてスポーク部37が傾斜される。他方、後輪ホイール41は、後輪15の回転方向(実線矢Wr)では、リム部46とスポーク部47との接続部48がスポーク部47とハブ部45との接続部49より回転方向後方に配設されてスポーク部27が傾斜される。
ここで先ず、前輪ホイール31の部分的な剛性について説明する。
図2は、本発明に係る自動二輪車の実施形態の前輪を示す自動二輪車の部分的な左側面図である。
図2に示すように、前輪ホイール31は、自動二輪車1が前進(実線矢A)する際の前輪の回転方向(実線矢Wf)では、リム部36とスポーク部37との接続部38は、スポーク部37とハブ部35との接続部39よりも進角(実線矢C)させて形成される。
前輪ホイール31のハブ部35には、前輪車軸30を軸支する車軸孔50と、同心円上に等間隔に離間され、前輪ブレーキプレート33が取り付けられるブレーキプレート取付用孔51とが設けられる。
スポーク部37は、複数、本実施形態では8本が等間隔に離間されてハブ部35とリム部36との間に架設される。また、スポーク部37は、ハブ部35からリム部36に向かって、その長手軸直交方向の断面積が漸減された軸状に形成される。リム部36とスポーク部37との接続部38と、スポーク部37とハブ部35との接続部39とは滑らかな円弧状に形成される。
このように構成された前輪ホイール31では、任意の回動位置において前輪車軸30と路面Gとの間に介在する部分に着目した剛性は、連結部52で極大(Rfh)となり、一般部53では極小(Rfl)となりつつ、連結部52と一般部53との間で極大(Rfh)から極小(Rfl)へ、極小(Rfl)から極大(Rfh)へと連続して周期的に変化する(破線Rf)。
ここで、従来のキャストホイール60と前輪ホイール31との剛性を比較すると、従来のキャストホイール60の連結部66における剛性(Rh1)よりも前輪ホイール31の連結部52における剛性(Rfh)のほうが低くなる(Rfh<Rh1)。また、前輪ホイール31の全周における剛性の高低差、すなわち振幅(|Rfh−Rfl|)は、従来のキャストホイール60の振幅(|Rh1−Rl1|)よりも小さくなる。
これは、鉛直軸(一点鎖線g)近傍に位置する連結部66、52に着目すると、従来のキャストホイール60ではスポーク部65の長手軸方向の縦剛性が連結部66の剛性(Rh1)に支配的であるのに対して、前輪ホイール31ではスポーク部37の長手軸方向の縦剛性および曲げ剛性が連結部52の剛性(Rfh)に支配的に作用していることに起因している。
ここで、自動二輪車1の走行状態において、前輪4に着目して前輪車軸30と路面との間に介在する前輪ホイール31の部分的な剛性を考える。
図3は、本発明に係る自動二輪車の実施形態の前輪ホイールに作用する力の関係を示す概略図である。
図3に示すように、前輪ホイール31について、リム部36とスポーク部37との接続部38に着目すると、接続部38には、前輪分担荷重の反力による鉛直上向の力Pfwと、前輪タイヤ32を介して路面Gから作用する荷重の反力による接線方向の力Pfbとによって、力Pfwと力Pfbとの合力Pfが作用する。なお、力Pfbは、前輪4に制動力が作用した際に顕著に働く力であり、自動二輪車1の後方に向かって作用する。また、接線方向とは、前輪車軸30の回転中心を原点とし、接続部38を含む円Ofについて、接続部38における円Ofの接線に沿う方向である。したがって、力Pfは自動二輪車1の後斜め上方に向かう力である。
スポーク部37に着目すると、力Pfは長手軸方向に圧縮する軸方向分力Ffsと、曲げ方向分力Ffrとして作用する。
前輪ホイール31では、接続部38がスポーク部37とハブ部35との接続部39よりも進角されているので、力Pfは、軸方向分力Ffsよりも曲げ方向分力Ffrにより大きく働くことになる。
したがって、前輪ホイール31のスポーク部37に作用する力Pfは主に曲げ方向分力Ffrとして作用するため、自動二輪車1の走行状態における連結部52の剛性(Rfhr)はスポーク部37の曲げ剛性が支配的になり、自動二輪車1の停止状態における連結部52の剛性(Rfh)に比べて、より低くなる。すなわち、前輪ホイール31の全周では、自動二輪車1の走行状態における連結部52と一般部53との剛性差が小さくなり、従来のキャストホイール70に比べて均一化される。
そうすると、前輪車軸30と路面Gとの間に介在する前輪ホイール31の剛性は、従来のキャストホイール70に比べて、より小さい振幅で周期的に変化する。
したがって、前輪ホイール31によれば、自動二輪車1の乗り心地を改善させ、接地性を高め、制動力や駆動力を確実に路面Gに伝え、自動二輪車1の操縦性や安定性を向上させる。
次に、後輪ホイール41の部分的な剛性について説明する。
図4は、本発明に係る自動二輪車の実施形態の後輪を示す自動二輪車の部分的な左側面図である。
図4に示すように、後輪ホイール41は、自動二輪車1が前進(実線矢A)する際の後輪の回転方向(実線矢Wr)では、リム部46とスポーク部47との接続部48は、スポーク部47とハブ部45との接続部49よりも遅角(実線矢D)させて形成される。
後輪ホイール41のハブ部45には、後輪車軸40を軸支する車軸孔54と、同心円上に等間隔に離間され、後輪ブレーキプレートが取り付けられるブレーキプレート取付用孔55が設けられる。
スポーク部47は、複数、本実施形態では8本が等間隔に離間されてハブ部45とリム部46との間に架設される。また、スポーク部47は、ハブ部45からリム部46に向かって、その長手軸直交方向の断面積が漸減された軸状に形成される。リム部46とスポーク部47との接続部48と、スポーク部47とハブ部45との接続部49とは滑らかな円弧状に形成される。
このように構成された後輪ホイール41では、任意の回動位置において後輪車軸40と路面Gとの間に介在する部分に着目した剛性は、連結部56で極大(Rrh)となり、一般部57では極小(Rrl)となりつつ、連結部56と一般部57との間で極大(Rrh)から極小(Rrl)へ、極小(Rrl)から極大(Rrh)へと連続して周期的に変化する(破線Rr)。
ここで、従来のキャストホイール60と後輪ホイール41との剛性を比較すると、従来のキャストホイール60の連結部66における剛性(Rh1)よりも後輪ホイール41の連結部56における剛性(Rrh)のほうが小さくなる(Rrh<Rh1)。また、後輪ホイール41の全周における剛性の高低差、すなわち振幅(|Rrh−Rrl|)は、従来のキャストホイール60の振幅(|Rh1−Rl1|)よりも小さくなる。
これは、鉛直軸(一点鎖線g)近傍に位置する連結部66、86に着目すると、従来のキャストホイール60ではスポーク部65の長手軸方向の縦剛性が連結部66の剛性(Rh1)に支配的であるのに対して、本実施形態における後輪ホイール41ではスポーク部47の長手軸方向の縦剛性および曲げ剛性が連結部56の剛性(Rrh)に支配的に作用していることに起因している。
次に、自動二輪車1の走行状態において、後輪15に着目して後輪車軸40と路面Gとの間に介在する後輪ホイール41の部分的な剛性を考える。
図5は、本発明に係る自動二輪車の実施形態の後輪ホイールに作用する力の関係を示す概略図である。
図5に示すように、後輪ホイール41について、リム部46とスポーク部47との接続部48に着目すると、接続部48には、後輪分担荷重の反力および駆動力の伝達による鉛直上向の力Prwと、後輪タイヤ42を介して路面Gから作用する荷重の反力および駆動力の伝達による接線方向の力Prbとによって、力Prwと力Prbとの合力Prが作用する。なお、力Prbは、後輪に駆動力が作用した際に顕著に働く力であり、自動二輪車1の前方に向かって作用する。また、接線方向とは、後輪車軸40の回転中心を原点とし、接続部48を含む円Orについて、接続部48における円Orの接線に沿う方向である。したがって、力Prは自動二輪車の前斜め上方に向かう力である。
スポーク部47に着目すると、力Prは長手軸方向に圧縮する軸方向分力Frsと、曲げ方向分力Frrとして作用する。
後輪ホイール41では、接続部48がスポーク部47とハブ部45との接続部49よりも遅角されているために、力Prは、軸方向分力Frsよりも曲げ方向分力Frrにより大きく働く。
したがって、後輪ホイール41のスポーク部47に作用する力Prは主に曲げ方向分力Frrとして作用するため、自動二輪車1の走行状態における連結部56の剛性(Rrhr)はスポーク部47の曲げ剛性が支配的になり、自動二輪車1の停止状態における連結部56の剛性(Rrh)に比べて、より低くなる。すなわち、自動二輪車1の走行状態における連結部56と一般部57との剛性差が小さくなる。
そうすると、後輪車軸40と路面Gとの間に介在する後輪ホイール41の剛性は、前輪ホイール31と略同等の振幅で周期的に変化する。
したがって、後輪ホイール41によれば、自動二輪車1の乗り心地を改善させ、接地性を高め、制動力や駆動力を確実に路面Gに伝え、自動二輪車1の操縦性や安定性を向上させる。
すなわち、前輪ホイール31と後輪ホイール41とを備えた本実施形態に係る自動二輪車1によれば、自動二輪車1の乗り心地を改善させ、接地性を高め、制動力や駆動力を確実に路面Gに伝え、自動二輪車1の操縦性や安定性を向上させることができる。
本発明に係る自動二輪車1によれば、全周に亘って剛性を均一化し、ほぼ均一な剛性を有する一体に形成されたホイールを備えた自動二輪車を提供できる。
本発明に係る自動二輪車の実施形態を示す自動二輪車の左側面図。 本発明に係る自動二輪車の実施形態の前輪を示す自動二輪車の部分的な左側面図。 本発明に係る自動二輪車の実施形態の前輪ホイールに作用する力の関係を示す概略図。 本発明に係る自動二輪車の実施形態の後輪を示す自動二輪車の部分的な左側面図。 本発明に係る自動二輪車の実施形態の後輪ホイールに作用する力の関係を示す概略図。 スポーク部が車軸の回転軸から半径方向に沿って放射状に延設された従来のキャストホイールの剛性を示す概略図。 スポーク部がハブ部外周の接線に沿って放射状に延設された従来のキャストホイールの剛性を示す概略図。 スポーク部がハブ部外周の接線に沿って放射状に延設された従来のキャストホイールに作用する力の関係を示す概略図。
符号の説明
1 自動二輪車
2 車体フレーム
3 ヘッドパイプ
4 前輪
5 フロントフォーク
6 ハンドルバー
7 ステアリング機構
8 メインフレーム
9 センターフレーム
10 シートレール
11 燃料タンク
12 運転シート
13 ピボット軸
14 スイングアーム
15 後輪
16 エンジン
17 スロットルボディ
18 エアクリーナ
19 エキゾーストパイプ
20 マフラ
21 接続管
22 2次減速機構
23 チェーン
24 ドリブンスプロケット
25 カウリング
30 前輪車軸
31 前輪ホイール
32 前輪タイヤ
33 前輪ブレーキプレート
35 ハブ部
36 リム部
37 スポーク部
38、39 接続部
40 後輪車軸
41 後輪ホイール
42 後輪タイヤ
45 ハブ部
46 リム部
47 スポーク部
48、49 接続部
50 車軸孔
51 ブレーキプレート取付用孔
52 連結部
53 一般部
54 車軸孔
55 ブレーキプレート取付用孔
56 連結部
57 一般部
60 従来のキャストホイール
61 車軸
62 ハブ部
63 タイヤ
64 リム部
65 スポーク部
66、66A 連結部
67、67A 一般部
70 従来のキャストホイール
74 スポーク部
75、76 接続部

Claims (2)

  1. 前輪または後輪の車軸が支持される車軸孔を有するハブ部と、
    タイヤが外周部に被着される円筒状のリム部と、
    前記ハブ部および前記リム部の間に架設されるスポーク部とを有し一体に成形されたホイールを前輪および後輪に備え、
    前記前輪の備えた前記ホイールのスポーク部は、前記前輪の回転中心を通り、前記車輪の半径方向へ伸びる線分に対して一方に傾斜させて形成され、
    前記後輪の備えた前記ホイールのスポーク部は、前記後輪の回転中心を通り、前記車輪の半径方向へ伸びる線分に対して他方に傾斜させて形成されたことを特徴とする自動二輪車。
  2. 前記前輪の備えた前記ホイールの前記スポーク部は、前記自動二輪車が前進する際の回転方向では、前記リム部と前記スポーク部との接続部が前記スポーク部と前記ハブ部との接続部より回転方向前方に配設させて傾斜され、
    前記後輪の備えた前記ホイールの前記スポーク部は、前記自動二輪車が前進する際の回転方向では、前記リム部と前記スポーク部との接続部が前記スポーク部と前記ハブ部との接続部より回転方向後方に配設させて傾斜されたことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
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