JP5394176B2 - 自動二輪車 - Google Patents

自動二輪車 Download PDF

Info

Publication number
JP5394176B2
JP5394176B2 JP2009210090A JP2009210090A JP5394176B2 JP 5394176 B2 JP5394176 B2 JP 5394176B2 JP 2009210090 A JP2009210090 A JP 2009210090A JP 2009210090 A JP2009210090 A JP 2009210090A JP 5394176 B2 JP5394176 B2 JP 5394176B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axle bracket
disposed
socket
motorcycle
axle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009210090A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011057113A (ja
Inventor
隆真 上岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Priority to JP2009210090A priority Critical patent/JP5394176B2/ja
Publication of JP2011057113A publication Critical patent/JP2011057113A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5394176B2 publication Critical patent/JP5394176B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Axle Suspensions And Sidecars For Cycles (AREA)

Description

本発明は、自動二輪車に関し、さらに詳しくは、倒立型のフロントフォークを備える自動二輪車に関する。
実公昭60−2069号公報(特許文献1)は、変形しにくく、かつ、放熱しやすいフロントフォークを備える自動二輪車を開示する。特許文献1では、ボトムケースの外周の少なくとも略々半周に径方向に突出するリブが設けられる。リブはボトムケースの軸方向に複数設けられる。これらのリブは、飛び石等によるボトムケースの変形を防止し、フロントフォークの円滑な作動を保証する。
実公昭60−2069号公報
フロントフォークの剛性が高いほど、操作感は向上するが、乗り心地は悪くなる。より具体的には、フロントフォークの剛性が高ければ、フロントフォークは横曲げやねじれに強い。ライダがハンドルを操作するとき、フロントフォークは横方向やねじれ方向に変形することなくハンドルに追従するため、操作感は向上する。しかしながら、フロントフォークの剛性が高ければ、縦曲げにも強い。そのため、路面の凹凸に基づく振動が、フロントフォークで緩衝されにくく、ハンドルを掴むライダの腕に伝わりやすい。その結果、ライダの腕に大きな負担がかかり、乗り心地は悪くなる。
本発明の目的は、優れた操作感及び乗り心地を有する自動二輪車を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明による自動二輪車は、フロントフォークと、フロントフォークに取り付けられる前輪とを備える。フロントフォークは、アウタチューブと、インナチューブと、アクスルブラケットとを備える。インナチューブは、アウタチューブの下端からアウタチューブ内に挿入される。アクスルブラケットは、インナチューブの下端に取り付けられる。アクスルブラケットは、ソケットと、ボスとを備える。ソケットは、上端に開口を有し、開口からインナチューブの下端にはめ込まれる。ボスは、ソケットの前方に配置され、ソケットの外周面の前端下部とソケットの底とに連結される。ボスは、前輪と対向する内側面と、内側面と反対側の外側面と、内側面と外側面との間に形成され前輪の車軸が挿入される貫通孔とを有する。ボスはソケットの中心軸よりも前輪側に配置される。アクスルブラケットはさらに、第1のリブを備える。第1のリブは、内側面の後端と外周面の下部との間に配置される。
本発明による自動二輪車は、第1のリブを含むアクスルブラケットを備える。第1のリブは、フロントフォークの縦曲げ剛性の向上を抑制しつつ、横曲げ剛性及びねじれ剛性を向上する。そのため、自動二輪車の操作感が向上し、かつ、乗り心地が悪くなりにくい。
本発明の実施の形態による自動二輪車の全体を示す側面図である。 図1中のフロントフォークの斜視図である。 図2中のアクスルブラケットの斜視図である。 図3に示すアクスルブラケットの平面図である。 図3に示すアクスルブラケットの底面図である。 図3に示すアクスルブラケットを自動二輪車の前方向に対して右側から見た側面図である。 図3に示すアクスルブラケットを自動二輪車の前方向に対して左側から見た側面図である。 図3に示すアクスルブラケットの正面図である。 図3に示すアクスルブラケットの背面図である。 図3と異なる他のアクスルブラケットの斜視図である。 図10に示すアクスルブラケットの側面図である。 種々のフロントフォークの剛性値を示す図である。 図3及び図10と異なる他のアクスルブラケットの斜視図である。 種々のアクスルブラケットのブレーキ台座の剛性値を示す図である。
本発明者は、横曲げ剛性及びねじれ剛性を縦曲げ剛性に対して相対的に向上すれば、操作感が向上し、かつ、乗り心地が悪くなりにくいと考えた。そこで、本発明者は、横曲げ剛性及びねじれ剛性を縦曲げ剛性に対して相対的に向上する方法を検討した。
フロントフォークは片持ち梁に類似した構造を有する。片持ち梁全体の剛性を向上するためには、支持端近傍の梁部分の剛性を向上するのが一般的である。したがって、フロントフォーク全体の剛性を向上するために、支持端となるヘッドパイプ近傍に配置されるフロントフォーク部材の剛性を向上することが考えられる。倒立型のフロントフォークの場合、ヘッドパイプ近傍に配置されるアウタチューブの剛性が向上すれば、フロントフォークの剛性が向上する。
しかしながら、本発明者の検討の結果、アウタチューブの剛性を調整することにより、フロントフォーク全体の縦曲げ剛性を向上せず、横曲げ剛性及びねじれ剛性を向上することは困難であることがわかった。アウタチューブの剛性を調整するために、アウタチューブの肉厚を調整することが考えられる。しかしながら、アウタチューブの肉厚を調整した場合、フロントフォークの縦曲げ剛性、横曲げ剛性及びねじれ剛性の全てが向上してしまい、横曲げ剛性及びねじれ剛性のみを向上しにくい。
そこで、本発明者は、支持端近傍のアウタチューブに注目するのではなく、支持端から最も離れたフロントフォークの下端部に取り付けられるアクスルブラケットに注目した。一般的には、支持端から遠い部材ほどフロントフォークの剛性への影響は小さいと考えられる。しかしながら、アクスルブラケットは複雑な形状を有するため、アクスルブラケットの形状に対応した補強部材を配置しやすい。したがって、本発明者は、適切な補強部材がアクスルブラケットに配置されれば、フロントフォーク全体の横曲げ剛性及びねじれ剛性が縦曲げ剛性に対して相対的に向上できると考えた。
以上の観点に基づいて、本発明の自動二輪車は完成された。以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[自動二輪車1の全体構成]
図1は、本発明の実施の形態による自動二輪車1の前方向(FWD)に向かって左側面を示す。図1を参照して、自動二輪車1は、不整地走行用のモトクロッサであって、クレードル型の車体フレーム2、エンジン3、吸気装置6、排気装置7、前輪11、後輪15、ハンドル12、座席シート8、及び燃料タンク4を備える。
車体フレーム2は、一対のメインフレーム20と、一対のダウンフレーム21と、一対の下部フレーム22とを備える。メインフレーム20は、ヘッドパイプ9から後方に向かって斜め下に延びる。ダウンフレーム21は、ヘッドパイプ9の下方に配置され、下方でかつやや後方に延びる。下部フレーム22は、ダウンフレーム21の下端と、メインフレーム20の下端とを接続する。
ヘッドパイプ9の後方には、エアクリーナ30が配置される。エアクリーナ30の後方であって、メインフレーム20の上方には、燃料タンク4が配置される。燃料タンク4の上方には、座席シート8の前部が配置される。座席シート8は、燃料タンク4から後方へ延びる。
メインフレーム20の下方で、かつ、ダウンフレーム21の後方には、エンジン3が配置される。メインフレーム20の後部にはピボット軸20Aが設けられる。リヤアーム14は、その前端部でピボット軸20A周りに上下に揺動可能に支持される。リヤアーム14の後端部には、後輪15が回転可能に取り付けられる。後輪15の上方にはリアフェンダ19が配置される。エンジン3と後輪15との間にはリヤサスペンション16が配置される。
ヘッドパイプ9の上方には、ハンドル12が回転可能に配置される。ヘッドパイプ9のやや前方には、フロントフォーク10が配置される。フロントフォーク10の下端には、前輪11が回転可能に取り付けられる。前輪11の上方には、フロントフェンダ13が配置される。フロントフォーク10の下部には、フォークカバー18が取り付けられる。フォークカバー18は、飛び石等からフロントフォーク10を保護する。
フロントフォーク10は、下端に一対のアクスルブラケット50L、50R(図2参照)を備える。前輪11は、タイヤ11Aと、フロントホイール11Bと車軸11Cとを備える。アクスルブラケット50は、車軸11Cを支持する。
前輪11には、ブレーキ装置17が配置される。ブレーキ装置17は、ブレーキキャリパ17Aとブレーキディスク17Bとを備える。ブレーキディスク17Bは円板状であって、前輪11の左側に、前輪11と同軸に配置される。ブレーキキャリパ17Aは、前輪11の左側に配置されたアクスルブラケット50Lの後端に取り付けられる。
[フロントフォーク10]
図2は、図1中のフロントフォーク10の斜視図である。図2を参照して、フロントフォーク10は、一対のアウタチューブ101と、一対のインナチューブ102と、一対のアクスルブラケット50とを備える。
一対のアウタチューブ101は、フロントフォーク10の上部に配置される。各アウタチューブ101は円筒状である。2つのアウタチューブ101は、ヘッドパイプ9よりもやや前方に、左右に並んで配置される。2つのアウタチューブ101の間には隙間が形成され、ヘッドパイプ9は、2つのアウタチューブ101の間に配置される。
一対のアウタチューブ101と、ヘッドパイプ9とは、アッパブラケット103及びアンダブラケット104に取り付けられる。
アッパブラケット103は梁状の部材であって、両端近傍に、一対のアウタチューブ101に対応する一対の貫通孔103Aを有する。アッパブラケット103はさらに、中央の後端近傍にヘッドパイプ9に対応する貫通孔103Bを有する。貫通孔103Aにはアウタチューブ101の上端が挿入され、貫通孔103Bにはヘッドパイプ9の上端が挿入される。アウタチューブ101は、ボルト103Cによりアッパブラケット103に取り付けられる。
アンダブラケット104は、アッパブラケット103よりも下方に配置される。アンダブラケット104は、梁状の部材である。アンダブラケット104は、2つの貫通孔104Aと貫通孔104Bとを有する。貫通孔104Aにはアウタチューブ101が挿入され、貫通孔104Bにはヘッドパイプ9の下端が挿入される。アウタチューブ101は、ボルト104Cによりアンダブラケット104に取り付けられる。ヘッドパイプ9は、アンダブラケット104とアッパブラケット103との間に、図示しないベアリングを介して回転自在に取り付けられる。
一対のインナチューブ102は、フロントフォーク10の下部に配置される。各インナチューブ102は円筒状である。インナチューブ102の外径は、対応するアウタチューブ101の内径よりも小さい。インナチューブ102の上部は、アウタチューブ101の下端からアウタチューブ101内に挿入される。インナチューブ102はアウタチューブ101内を上下にスライドする。このインナチューブ102の動作により減衰力及びばね力が生じ、路面からの衝撃が吸収される。
一対のアクスルブラケット50L及び50Rは、一対のインナチューブ102の下端に取り付けられる。左側のインナチューブ102に取り付けられるアクスルブラケット50Lは、後端にブレーキ台座90を備える。ブレーキ台座90には、ブレーキキャリパ17Aが取り付けられる。右側のインナチューブ102に取り付けられるアクスルブラケット50Rは、ブレーキ台座90を備えない。ブレーキ装置17は、前輪11の左側にのみ配置されるからである。
[アクスルブラケット50L]
前輪11の左側に配置されるアクスルブラケット50Lの構成について説明する。図3はアクスルブラケット50Lの斜視図である。図3を参照して、アクスルブラケット50Lは、ソケット60と、ボス70と、ブレーキ台座90とを備える。
[ソケット60]
ソケット60は、円筒状の外周面601と、開口600とを有する。開口600は、ソケット60の上端に形成される。図4はアクスルブラケット50Lの平面図であり、図5は底面図である。図4及び図5を参照して、ソケット60はさらに、底602を有する。底602の中心には、貫通孔603が形成される。貫通孔603は円形状であり、その外径は、ソケット60の内径よりも小さい。貫通孔603の中心はソケット60の中心軸60Cに配置される。貫通孔603には、図示しない調整ボルトが挿入される。調整ボルトは、インナチューブ内に配置される緩衝装置(図示せず)に結合され、フロントフォーク10の減衰力及びばね力を調整する。
ソケット60は、インナチューブ102の下端にはめ込まれる。インナチューブ102の下端及びソケット60の内周面の下部には、ねじ山が形成されている。インナチューブ102は、ねじによりソケット60に取り付けられる。
図6はアクスルブラケット50Lの前方向(FWD)に向かって右側面を示し、図7は左側面を示し、図8は正面を示す。図8におけるアクスルブラケット50Lの左側に、前輪11が配置される。図6〜図8を参照して、ソケット60の外周面601の前端上部には2つの貫通孔604が形成され、前輪11と反対側の外周面601の上端には、貫通孔605が形成される。これらの貫通孔604及び605にはボルトが挿入される。貫通孔604及び605に挿入されるボルトにより、フォークカバー18がアクスルブラケット50Lに取り付けられる。
アクスルブラケット50Lはさらに、図6に示すように、前輪11と対向する外周面601のほぼ中央に、貫通孔606を有する。貫通孔606には、ねじが挿入される。インナチューブ102は、貫通孔606に挿入されるねじにより、ソケット60内で回転するのを抑制される。
[ボス70]
図3を参照して、ボス70は、ソケット60の前方に配置される。ボス70は、外周面601の前端下部と底602とに連結される。ボス70はさらに、ソケット60の後端に配置されたブレーキ台座90の前端下部と連結される。
ボス70は、前輪11の車軸11Cを支持する。図6〜図8を参照して、ボス70は、内側面701と、外側面702とを備える。内側面701は、前輪11と対向する。外側面702は、内側面701と反対側に配置される。
内側面701と外側面702との間には貫通孔703が形成される。貫通孔703は、左右方向に延びる。貫通孔703には車軸11Cが挿入される。
ボス70の前部には、車軸固定部710が形成される。図4及び図5に示すように、車軸固定部710は、左右に並ぶ2つの貫通孔711を有する。2つの貫通孔711は、上下方向に延びる。図6〜図8を参照して、車軸固定部710は、スリット705により上下に分けられる。スリット705は、ボス70の前面704と貫通孔703との間に形成される。各貫通孔711にはボルトが挿入される。貫通孔711の下部には、ねじ山が形成される。貫通孔711に挿入されたボルトが締められると、スリット705の幅が狭まり、車軸11Cがボス70に固定される。
図4及び図8を参照して、ボス70は、ソケット60の中心軸C60よりも前輪11側に配置される。ボス70を前輪11側に寄せた分、車軸11Cを短くできる。そのため、自動二輪車1のハンドル近傍部分の重量を軽くすることができ、操作感及び接地感が向上する。
ボス70の内側面701は、外周面601よりも、前輪11に近い。要するに、ボス70はソケット60よりも前輪11側に突き出ている。
[ブレーキ台座90]
図3、図6及び図7を参照して、ブレーキ台座90は、ソケット60の後端に形成される。ブレーキ台座90はブレーキキャリパ17Aに取り付けられる。ブレーキ台座90は、ウェブ91と、フランジ92と、上部ブレーキキャリパ取付部材93と、下部ブレーキキャリパ取付部材94とを備える。ウェブ91は板状であって、ソケット60の後端に前輪11とほぼ並行に立てられる。ウェブ91は、上方に向かってやや後方に延びる上部ウェブ911と、後方に向かってやや下方に延びる下部ウェブ912とを含む。
フランジ92は、ウェブ91の周縁に形成される。上部ブレーキキャリパ取付部材93及び下部ブレーキキャリパ取付部材94は、フランジ92に形成される。上部ブレーキキャリパ取付部材93は、上部ウェブ911の先端に配置される。下部ブレーキキャリパ取付部材94は、下部ウェブ912の先端に配置される。上部ブレーキキャリパ取付部材93及び下部ブレーキキャリパ取付部材94はそれぞれ、左右方向に延びる貫通孔95を有する。貫通孔95に挿入されるボルトにより、ブレーキキャリパ17Aがアクスルブラケット50Lに取り付けられる。
図9はアクスルブラケット50Lの背面図である。図9を参照して、ブレーキ台座90は、中心軸60Cよりも前輪11側に配置される。さらに、図9中に点線で示すように、ウェブ91は、フランジ92の中央C92よりも前輪11側に配置される。このようにウェブ91が配置されることにより、アクスルブラケット50Lの内側(前輪11側)の剛性が向上し、ブレーキ時にブレーキ台座が変形しにくくなる。
[リブ80及び補強部81、82]
図3及び図6を参照して、アクスルブラケット50Lは、リブ80を備える。リブ80は、ボス70の内側面701の後端と外周面601の下部との間に配置される。好ましくは、リブ80は、貫通孔703の中心軸と外周面601の下部とを結ぶ仮想線上に配置される。より好ましくは、自動二輪車1にアクスルブラケット50Lが取り付けられたとき、リブ80はほぼ水平に延びる。このようにリブ80が配置されることで、フロントフォークの横剛性及びねじれ剛性が向上する。
ボス70はさらに、補強部81及び82を含む。補強部81は、リブ80よりも上方の内側面701の後端と滑らかに連結される。そして、補強部81は、内側面701の後端と外周面601との間に配置される。補強部82は、リブ80よりも下方の内側面701の後端と滑らかに連結される。そして、補強部82は、内側面701と底602との間に配置される。補強部82はさらに、ブレーキ台座90の前端下部と連結される。
要するに、補強部81及び補強部82により、内側面701の後端とソケット60とは滑らかに連結される。そのため、内側面701の後端とソケット60との間に段差が形成される場合と比較して、ボス70とソケット60との間の部分が厚肉になる。
図3及び図6では、補強部81及び82の表面は平坦である。しかしながら、補強部81及び82の表面は湾曲していてもよい。補強部81及び82は、リブ80と同様に、リブ形状を有してもよい。リブ形状を有する補強部81及び82は、リブ80と並んで配置される。要するに、ボス70とソケット60との間の部分が厚肉になればよい。
リブ80と、補強部81及び82とは、フロントフォーク10の横曲げ剛性及びねじれ剛性を向上する。一方、リブ80、補強部81及び82は、フロントフォーク10の縦剛性を向上しにくい。そのため、乗り心地が悪くなるのを抑制しながら、操作感を向上できる。
アクスルブラケット50Lはさらに、図7及び図8に示すように、外側面702の上部と外周面601との間に配置されるリブ83を備える。リブ83も、リブ80、補強部81及び82と同様に、フロントフォーク10の横曲げ剛性及びねじれ剛性を向上する。
[アクスルブラケット50R]
アクスルブラケット50Rは、前輪11の右側に配置される。アクスルブラケット50Rは、アクスルブラケット50Lと比較して、ブレーキ台座90を備えない。そのため、アクスルブラケット50Rの補強部82はブレーキ台座90と連結されない。
図10は、アクスルブラケット50Rの斜視図である。アクスルブラケット50Rは、アクスルブラケット50Lと同様に、ソケット60とボス70とを備える。アクスルブラケット50Rにおいても、ボス70はソケット60の中心軸よりも前輪11側に配置される。図11は、アクスルブラケット50Rの前方向(FWD)に向かって左側面を示す。図10及び図11を参照して、補強部82は、リブ80の下方の内側面701の後端となめらかに連結される。そして、補強部82は、内側面701の後端と底602との間に配置される。アクスルブラケット50Rのその他の構成は、アクスルブラケット50Lと同様である。
[リブ80、83及び補強部81、82の作用]
リブ80及び83と、補強部81及び82とは、乗り心地を悪くなるのを抑制しつつ操作感を向上する。さらに、内側面701近傍に形成されるリブ80、補強部81及び82は、ブレーキ台座90のウェブ91との相互作用により、アクスルブラケット50Lの内側(前輪11側)の剛性を向上する。そのため、ブレーキ時に、ブレーキ台座90が変形しにくい。以下、これらの特徴について詳述する。
[操作感の向上]
図12は、リブ80、83及び補強部81、82の効果を示すシミュレーション結果である。図12の結果は、以下の方法により求めた。
実施例1〜4のフロントフォークを準備した。実施例1のフロントフォークでは、次に示す一対のアクスルブラケットを使用した。フロントフォークの左側には、図13に示すアクスルブラケット100Lを使用した。アクスルブラケット100Lは、図3のアクスルブラケット50Lと比較して、リブ80、83、補強部81及び82を有さなかった。そのため、図13中の実線で囲まれた領域110(ソケットとボスとの間の部分)において、ソケットとボスとの間には段差が生じていた。領域110の部分の肉厚は、図3のアクスルブラケット50Lよりも薄かった。また、アクスルブラケット100Lのブレーキ台座のウェブは、フランジの中央に配置された。アクスルブラケット100Lのその他の構成及びサイズはアクスルブラケット50Lと同じであった。フロントフォークの右側のインナチューブに取り付けられたアクスルブラケットは、アクスルブラケット100Lと比較してブレーキ台座を有さなかった。その他の構成はアクスルブラケット100Lと同様であった。
実施例2のフロントフォークでは、実施例1と比較して、アウタチューブの重量を3%増加し、増加された重量3%分で肉厚を増加した。その他の構成は実施例1と同じとした。
実施例3のフロントフォークでは、実施例1と比較して、アクスルブラケット100Lの代わりに、リブ80を有するアクスルブラケットを使用した。つまり、実施例3のアクスルブラケットは、図3に示すアクスルブラケット50Lと比較して、補強部81及び82と、リブ83とを有しなかった。その他の構成はアクスルブラケット50Lと同じであった。また、フロントフォークの右側のインナチューブに取り付けられるアクスルブラケットも同様に、リブ80を有し、補強部81、82及びリブ83を有しなかった。
実施例4のフロントフォークは、実施例1と比較して、アクスルブラケット100Lの代わりに、図3に示すアクスルブラケット50Lを使用した。また、フロントフォークの右側には図10に示すアクスルブラケット50Rを使用した。
上述の実施例1〜4のフロントフォークの縦曲げ剛性、横曲げ剛性及びねじれ剛性を、有限要素法を用いたシミュレーションにより求めた。
図12の縦軸は、各実施例の縦曲げ剛性、横曲げ剛性及びねじれ剛性を、実施例1の縦曲げ剛性、横曲げ剛性及びねじれ剛性を基準値(100)とした比率で示す。図12を参照して、実施例2のフロントフォークでは、実施例1と比較して、全ての剛性(縦曲げ剛性、横曲げ剛性及びねじれ剛性)が向上した。一方、本発明の実施例3のフロントフォークは、実施例1と比較して、横曲げ剛性及びねじれ剛性が向上した。一方、縦曲げ剛性は実施例1と同じであった。したがって、実施例3の自動二輪車は、乗り心地が悪くなるのを抑制しつつ、操作感が向上した。
さらに、本発明の実施例4のフロントフォークでは、実施例1の自動二輪車と比較して、縦曲げ剛性は変化せずに、横曲げ剛性及びねじれ剛性が顕著に増大した。リブ80とともに、リブ83、補強部81及び82が形成されているためと考えられる。
上述のとおり、アクスルブラケットはフロントフォークの支持端(ヘッドパイプ9)から最も遠くに離れている。しかしながら、図12に示すように、アクスルブラケットにリブ80が形成されれば、フロントフォークの縦曲げ剛性の向上が抑えられ、横曲げ及びねじれ剛性を向上できる。さらに、実施例4に示されるように、補強部81及び82が形成されれば、リブと補強部との相乗効果により、フロントフォークの横曲げ剛性及びねじれ剛性が顕著に向上する。そのため、乗り心地が悪くなるのを抑制しつつ、操作感が向上する。
[剛性の向上]
図3に示すアクスルブラケット50Lと、図13に示したアクスルブラケット100Lとを用いて、ブレーキ荷重を負荷した場合のブレーキ台座の変形量を比較した。より具体的には、アクスルブラケット50L及び100Lにブレーキ荷重を負荷した場合のブレーキ台座の変形量を、有限要素法を用いたシミュレーションにより求めた。
求めた結果を図14に示す。図14の縦軸は、アクスルブラケット100Lの上部ブレーキキャリパ取付部材及び下部ブレーキキャリパ取付部材の変形量を基準値(100)とした場合の、上部ブレーキキャリパ取付部材及び下部ブレーキキャリパ取付部材の変形量の比率を示す。
図14を参照して、アクスルブラケット50Lはアクスルブラケット100Lよりも、上部ブレーキキャリパ取付部材93及び下部ブレーキキャリパ取付部材94の変形量が小さかった。つまり、アクスルブラケット50Lの前輪11側の剛性は、アクスルブラケット100Lよりも高かった。
以上のとおり、アクスルブラケット50Lの前輪11側に配置されたリブ80、補強部81及び82と、フランジ92の中央C92よりも前輪11側に配置されたウェブ91とは、アクスルブラケットの内側(前輪11側)の剛性を向上する。
上述のアクスルブラケット50L及び50Rは、補強部81及び/又は82を有さなくてもよい。また、アクスルブラケット50L及び50Rは、リブ83を有さなくてもよい。アクスルブラケット50L及び50Rが少なくともリブ80を有すれば、上述のとおり、縦曲げ剛性を抑えつつ、横曲げ剛性及びねじれ剛性を向上できる。
さらに、アクスルブラケット50L及び50Rは、リブ80、83、補強部81及び82のうち、リブ80及び補強部81のみを有してもよく、リブ80及び補強部82のみを有してもよい。要するに、アクスルブラケット50L及び50Rは、リブ80と、補強部81、82及びリブ83のうちの少なくとも1つ以上とを有すれば、横曲げ剛性及びねじれ剛性を向上できる。
さらに、アクスルブラケット50Lは、少なくとも、リブ80を備え、かつ、フランジ92の中央C92よりも前輪11側に配置されたウェブ91を備えていれば、ブレーキ台座90の変形を抑制できる。
以上、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
1 自動二輪車
9 ヘッドパイプ
10 フロントフォーク
11 前輪
11C 車軸
17A ブレーキキャリパ
50、50L、50R アクスルブラケット
60 ソケット
70 ボス
80,83 リブ
81,82 補強部
90 ブレーキ台座
91 ウェブ
92 フランジ
93,94 ブレーキキャリパ取付部材
101 アウタチューブ
102 インナチューブ
701 内側面
702 外側面

Claims (5)

  1. フロントフォークと、
    前記フロントフォークに取り付けられる前輪とを備え、
    前記フロントフォークは、
    アウタチューブと、
    前記アウタチューブの下端から前記アウタチューブ内に挿入されるインナチューブと、
    前記インナチューブの下端に取り付けられるアクスルブラケットとを含み、
    前記アクスルブラケットは、
    上端に開口を有し、前記開口から前記インナチューブの下端にはめ込まれるソケットと、
    前記ソケットの前方に配置され、前記ソケットの外周面の前端下部と前記ソケットの底とに連結されるボスとを備え、
    前記ボスは、
    前記前輪と対向する内側面と、前記内側面と反対側の外側面と、前記内側面と外側面との間に形成され前記前輪の車軸が挿入される貫通孔とを有し、前記ソケットの中心軸よりも前記前輪側に配置され、
    前記アクスルブラケットはさらに、
    前記内側面の後端と前記外周面の下部との間に配置される第1のリブを備える、自動二輪車。
  2. 請求項1に記載の自動二輪車であって、
    前記ボスはさらに、
    前記第1のリブよりも上方の前記内側面の後端と滑らかに連結され、前記内側面の後端と前記外周面との間に配置される第1の補強部を備える、自動二輪車。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の自動二輪車であって、
    前記ボスはさらに、
    前記第1のリブよりも下方の前記内側面の後端と滑らかに連結され、前記内側面の後端と前記底との間に配置される第2の補強部を備える、自動二輪車。
  4. 請求項1に記載の自動二輪車であってさらに、
    前記ソケットの後端に配置され、前記ブレーキキャリパに取り付けられるブレーキ台座を備え、
    前記ブレーキ台座は、
    前記ソケットの後端に前記前輪とほぼ平行に立てられる板状のウェブと、
    前記ウェブの周縁に形成されるフランジと、
    前記フランジに形成されるブレーキキャリパ取付部材とを備え、
    前記ウェブは、前記フランジの幅中央よりも前記前輪側に配置される、自動二輪車。
  5. 請求項1に記載の自動二輪車であって、
    前記アクスルブラケットはさらに、
    前記外側面の上部と前記外周面の下部との間に配置される第2のリブを備える、自動二輪車。
JP2009210090A 2009-09-11 2009-09-11 自動二輪車 Expired - Fee Related JP5394176B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009210090A JP5394176B2 (ja) 2009-09-11 2009-09-11 自動二輪車

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009210090A JP5394176B2 (ja) 2009-09-11 2009-09-11 自動二輪車

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011057113A JP2011057113A (ja) 2011-03-24
JP5394176B2 true JP5394176B2 (ja) 2014-01-22

Family

ID=43945268

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009210090A Expired - Fee Related JP5394176B2 (ja) 2009-09-11 2009-09-11 自動二輪車

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5394176B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5671398B2 (ja) * 2011-03-31 2015-02-18 カヤバ工業株式会社 フロントフォーク
WO2023175997A1 (ja) * 2022-03-18 2023-09-21 日立Astemo株式会社 アクスルブラケット及びこれを備えた鞍乗り型車両用フロントフォーク

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007230376A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Yamaha Motor Co Ltd 自動二輪車

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011057113A (ja) 2011-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4071577B2 (ja) 自動二輪車等車両におけるリンク式フロントサスペンション装置
TWI410346B (zh) 自行車座管
US10780937B2 (en) Frame structure for a motorcycle
AU2011203561B2 (en) Vehicle
JP6476224B2 (ja) 鞍乗型車両のリアフェンダ支持構造
JP2006347450A (ja) 自動二輪車の車体構造
JP2014177242A (ja) 鞍乗型車両
JP5394176B2 (ja) 自動二輪車
JP5665646B2 (ja) 車両のホイール
JP6029445B2 (ja) 車輌の前輪支持構造
JP4247839B2 (ja) 自動二輪車の車体構造
JP2017217947A (ja) 自動二輪車及びそのダウンフォース発生装置
KR100472323B1 (ko) 자동 이륜차의 리어 스윙 아암
CN112644634B (zh) 骑乘式车辆
EP3015353B1 (en) Straddle-type vehicle
JP2011084231A (ja) 自動二輪車のフレーム構造
JP4727315B2 (ja) 自動二輪車の車体構造
US9168973B2 (en) Motorcycle suspension system
CN201040566Y (zh) 跨骑式摩托车车架
JP6221651B2 (ja) スイングアーム
JP6766111B2 (ja) 鞍乗型車両
JP2008149951A (ja) 車両
JP2024053974A (ja) 鞍乗型車両
JP2016132303A (ja) 鞍乗り型車両のフロントサスペンション
JP4913453B2 (ja) 鞍乗型車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120903

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131001

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131016

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees