JP2009183871A - 固定床反応器 - Google Patents

固定床反応器 Download PDF

Info

Publication number
JP2009183871A
JP2009183871A JP2008026764A JP2008026764A JP2009183871A JP 2009183871 A JP2009183871 A JP 2009183871A JP 2008026764 A JP2008026764 A JP 2008026764A JP 2008026764 A JP2008026764 A JP 2008026764A JP 2009183871 A JP2009183871 A JP 2009183871A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
reaction tube
reaction
bed reactor
fixed bed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008026764A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5500775B2 (ja
Inventor
Masahide Kondo
正英 近藤
Mieharu Sugiyama
美栄治 杉山
Hiroyuki Naito
啓幸 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2008026764A priority Critical patent/JP5500775B2/ja
Publication of JP2009183871A publication Critical patent/JP2009183871A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5500775B2 publication Critical patent/JP5500775B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Devices And Processes Conducted In The Presence Of Fluids And Solid Particles (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】簡便な操作により、触媒の活性および選択性を向上できる固定床反応器の提供。
【解決手段】少なくともモリブデンを含む固体粒状触媒11が充填された反応管12を備えた固定床反応器10において、前記反応管12の内面がモリブデン化合物で被覆されたことを特徴とする固定床反応器10。
【選択図】図1

Description

本発明は、固定状の触媒を用いた気相接触酸化反応等に好適な、固定床反応器に関する。
一般に、触媒が充填された反応管を備えた固定床反応器を用いる気相接触酸化反応等では、一度反応管に触媒を充填すると、触媒を交換したり補充したりすることなく、長期間固定床反応器を使用する場合が多い。そして、触媒交換時には、使用済みの触媒を抜取り、反応管を洗浄した後、新品の触媒を充填するといった作業を行う。そのため、使用期間内の反応管の圧力損失の増大を防いだり、反応管に充填する触媒の活性、選択性、及び寿命をできるだけ良好な状態に維持したりする必要があり、触媒の組成を変更して触媒自身を改善する以外にも、触媒の充填方法や反応管を改良する試みがなされている。
そこで、酸化反応時のホットスポットの発生を回避し、触媒の選択性や寿命を改善することを目的として、触媒群毎に触媒の組成を変える方法(例えば、特許文献1参照。)や、触媒群毎に担持率を変えた担持触媒を充填する方法(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。
また、固体触媒の落下充填に際し、触媒の粉化や崩壊を抑制し、反応管の圧力損失を軽減することを目的として、反応管が鉛直方向に対して3〜30°の傾きを有する固定床反応器が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平3−215441号公報 特開平6−192144号公報 特開平9−141083号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の方法では触媒の種類が多くなるため、触媒製造の手間が増えたり、既存の反応器の改造を必要としたりするため、必ずしも現実的な方法ではなかった。
また、触媒製造や反応器の改造において工夫を行なった場合でも、触媒使用期間内の触媒の活性や選択性は必ずしも十分ではなかった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、簡便な操作により、触媒の活性および選択性を向上できる固定床反応器の提供を目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、少なくともモリブデンを含む固体粒状触媒が充填される反応管を備えた固定床反応器において、反応管の内面をモリブデン化合物で被覆することで、触媒の活性および選択性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の固定床反応器は、少なくともモリブデンを含む固体粒状触媒が充填された反応管を備えた固定床反応器において、前記反応管の内面がモリブデン化合物で被覆されたことを特徴とする。
ここで、前記反応管を複数配置した多管式であってもよい。
また、前記固体粒状触媒がさらにビスマスおよび鉄を含むことが好ましい。
さらに、前記固体粒状触媒がさらにリンおよびバナジウムを含むことが好ましい。
また、前記モリブデン化合物が、モリブデンを含む酸化物であることが好ましい。
本発明の固定床反応器によれば、簡便な操作により、触媒の活性および選択性を向上できる。
また、本発明によれば、触媒の充填状態が改善され、同じ触媒を充填した場合でも、活性や選択性が向上する。
以下、本発明の固定床反応器の一例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の固定床反応器の概略図である。この例の固定床反応器10は、固体粒状触媒(以下、単に「触媒」という場合がある。)11が充填された反応管12を備えており、該反応管12に、所定の原料化合物を通過させながら、気相接触反応により原料化合物を酸化させ、目的化合物を得るものである。
また、固定床反応器10は、反応器下部に設けられた原料ガス入口13と、反応器上部に設けられた反応生成物出口14と、反応管12を加熱または除熱するための熱媒体を反応器内に導入する熱媒体入口15と、熱媒体を反応器内から排出する熱媒体出口16とを有して概略構成される。
本発明の固定床反応器10に備わる反応管12は、単数であってもよく、図1に示すように複数配置されていてもよい。反応管12が複数配置される場合、反応管12は通常、内径が約15〜50mmの範囲から選ばれる実質的に同一形状の金属管である。ここで「実質的に同一形状」とは、反応管の外径、肉厚および長さが設計誤差の範囲にあることを意味する。なお、設計誤差は通常±2.5%以内、好ましくは±0.5%以内が許容される。また、反応管12の内径は、後述する触媒径の4倍以上となるように、反応管12の内径と触媒径とを決定するのが好ましいが、特に制限されるものではない。
また、反応管12は、コイル状であってもよいが、通常は直線状の直管が使用される。直管は水平配置、垂直配置のいずれでもよいが、通常は垂直方向に配置され、原料化合物を垂直方向に通過させる縦型である。
また、反応管12はその内面がモリブデン(Mo)化合物で被覆されている。Mo化合物としては、Moを含む酸化物であることが好ましい。さらに、Moを含む酸化物が、反応管に充填される触媒と同一組成のものである場合、触媒の活性や選択性がより向上する。触媒の活性や選択性が向上する理由は明らかではないが、反応管内面をモリブデン(Mo)化合物で被覆することで、内面に小さな凹凸が形成され、反応管での充填された触媒の充填密度(見掛け嵩密度)が小さくなり、生成ガスの拡散が良好になったり、反応管内面に被覆されたMoを含む酸化物も触媒として作用したりするためと推測される。
Moを含む酸化物としては、例えば三酸化モリブデン、ビスマスモリブデート、ニッケルモリブデート、コバルトモリブデート、リンモリブデン酸、バナドリンモリブデン酸などのモリブデンを含むヘテロポリ酸、およびこれらのアルカリ金属塩等が挙げられる。これらのMoを含む酸化物は、1種単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
反応管12の内面にMo化合物を被覆する際のMo化合物の厚さは、反応管12の形状や触媒径によって適宜選択されるが、0.01〜10mmが好ましく、0.1〜5mmがより好ましく、1〜3mmが特に好ましい。被覆の厚さが薄くなるほど反応による発熱の除去が容易となり、厚くなるほどMo化合物の被覆の効果が大きくなる。
また、Mo化合物の被覆の方法としては、Mo化合物の水溶液または分散液を用いた塗布、焼付け等、特に限定されないが、Mo化合物の粉体や成形品を反応管に充填し、抜き取ることで、反応管に均一に付着させる方法が簡便であるため、好ましい。
また、反応管内面を被覆するMo化合物と、反応管に充填される触媒の組成を同じものにする場合は、例えば触媒を反応管に充填し、反応に用いる原料混合ガス等を反応管内に通過させた後、抜き取ることで、反応管内面に触媒と同じ組成のMo化合物を被覆できる。この場合、被覆に用いる原料混合ガスと、実際の反応に用いる原料混合ガスとは同一であってもよく、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
また、触媒を交換するに際して、反応管内面に被覆されたMo化合物の厚さが厚すぎて、反応管内面の熱伝導率が悪くなる場合には、反応管内の一部または全部を洗浄してもよい。ただし、反応管内面の洗浄工程を行わずに、そのまま次の新品触媒を充填する方が簡便であるため、好ましい。
反応管12に充填される触媒11は、少なくともモリブデンを含む固体粒状触媒である。
モリブデンを含む固体粒状触媒は、例えば、イソブチレンおよび/またはtert−ブチルアルコール(以下、「イソブチレン等」という。)からメタクロレイン等への酸化反応、プロピレンからアクロレイン等への酸化反応、メタクロレインからメタクリル酸への酸化反応、アクロレインからアクリル酸への酸化反応等に適している。中でも、イソブチレン等からメタクロレイン等への酸化反応、およびメタクロレインからメタクリル酸への酸化反応に好適である。
前記固体粒状触媒を、イソブチレン等からメタクロレイン等への酸化反応や、プロピレンからアクロレイン等への酸化反応に用いる場合、固体粒状触媒にはさらにビスマスおよび鉄が含まれることが好ましく、特に下記式(1)で表される組成である場合が好適である。
MoBiFeSi ・・・(1)
式(1)中、Mo、Bi、Fe、SiおよびOは、それぞれモリブデン、ビスマス、鉄、ケイ素および酸素を示し、Mはコバルトおよびニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Xはクロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタルおよび亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Yはリン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム、タングステン、アンチモンおよびチタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Zはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。また、a、b、c、d、e、f、g、hおよびiは各元素の原子比率を表し、a=12の時、b=0.01〜3、c=0.01〜5、d=1〜12、e=0〜8、f=0〜5、g=0.001〜2、h=0〜20であり、iは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子数である。
さらに、前記固体粒状触媒を、メタクロレインからメタクリル酸への酸化反応に用いる場合、固体粒状触媒にはさらにリンおよびバナジウムが含まれることが好ましく、特に下記式(2)で表される組成である場合が好適である。
MoCu ・・・(2)
式(2)中、P、Mo、V、CuおよびOは、それぞれリン、モリブデン、バナジウム、銅および酸素を示し、Xはアンチモン、ビスマス、ヒ素、ゲルマニウム、ジルコニウム、テルル、セレン、ケイ素、タングステン、ホウ素及び銀からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Yは鉄、亜鉛、クロム、マグネシウム、タンタル、マンガン、コバルト、バリウム、ガリウム、セリウム及びランタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Zはカリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。また、p、q、r、s、t、u、vおよびwは各元素の原子比率を表し、q=12の時、p=0.5〜3、r=0.01〜3、s=0〜2、t=0〜3、u=0〜3、v=0.01〜3であり、wは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子数である。
このような触媒の形状としては、球形粒状、円柱形ペレット状、リング形状、あるいは成形後に粉砕分級した顆粒状などの形状が挙げられ、特に制限されるものではない。触媒の大きさとしては、通常、触媒径が10mm以下であることが好ましい。触媒径が10mmを超えると、活性が低下する恐れがある。また、触媒径が過度に小さくなると、反応管内の圧力損失が大きくなるため、通常、触媒径は0.1mm以上であることが好ましい。
また、本発明に用いる触媒は、反応に対して不活性な不活性充填材で希釈して用いてもよい。さらに、触媒を複数の触媒層に分けて反応管内に充填してもよく、その場合には触媒層同士の間に不活性充填材層を介在させてもよい。
不活性充填材の材質としては、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリコンカーバイト、酸化チタン、酸化マグネシウム、セラミックボール、ステンレス鋼などが挙げられる。また、不活性充填剤の形状としては、球形粒状、円柱形ペレット状、リング形状、星型状、鞍型状などが挙げられる。
反応管に触媒を充填する際には、触媒を反応管ごと、または充填回ごとに管理目標量を計り取り、計量した触媒を上部開口部から反応管に充填する。
ここで、管理目標量は体積でも質量でもよいが、精度が高くなるという点で、質量で計量することが好ましい。管理目標量が体積の場合、その量は反応管の容積から、一方質量の場合は反応管の容積と、別途予備的に測定される触媒充填密度とから容易に算出される。また、触媒を計量する際には、反応管に充填する触媒量と、それら管理目標量との差は、触媒量の平均値の±10%以内、好ましくは±5%以内とする。反応管に充填する触媒量と管理目標量との差が、この範囲でない場合は、反応管の触媒負荷が不均一となる場合がある。
また、計量した触媒を反応管に全て充填し終わる前に、反応管が満たされる場合には、反応管内での触媒のブリッジ等による充填ミスが考えられるので、その反応管については触媒の再充填を行う必要がある。
また、触媒を充填する際には、反応管の充填長と充填長の平均値との差が一定の範囲内になるようにする。すなわち、充填長の平均値に対する反応管の充填長と、充填長の平均値との差の割合(管理巾)が±20%以内、好ましくは±15%以内、さらに好ましくは±10%以内、特に好ましくは±5%以内となるようにする。このようにすれば、触媒のブリッジや破砕による触媒充填ミスを容易に発見でき、特に反応管を複数配置する場合、全ての反応管の触媒充填密度を均一にできる。なお、充填長が管理巾から外れた場合は、各反応管間での反応が不均一になり、反応率および収率が低下するので、管理巾の範囲となるまで、その反応管の触媒充填をやり直す。
なお、触媒の充填長は、図1に示す上部の管理面17からの反応管12の無充填空間の深さを充填前後に測定し、その差として求めることができる。無充填空間の深さは、例えば針金等を差し込み、その針金の長さを測定して求めることができる。
上述した反応管を備えた本発明の固定床反応器10は、通常、熱交換型反応器として使用される。この熱交換型反応器では、触媒が充填された反応管12の外側にジャケット(シェル)部(図示略)を有し、熱媒体入口15からジャケット(シェル)内を通過し、熱媒体出口16から排出される熱媒体によって、反応で生成した反応熱を除去する。具体的には、ディスク・アンド・ドーナツ型の多管式反応器、欠円バッフル型の多管式反応器などが好適に使用される。
熱媒体としては、例えば溶融塩、スチーム、有機化合物、溶融金属などが挙げられ、特に溶融塩、スチームを使用するのが熱安定性や取り扱い性の上から好ましい。
なお、本発明に用いる反応管は、内面を洗浄してもMo化合物による被覆が除去されないので、反応に使用した反応管を洗浄した後、再使用することが可能である。従って、反応毎に反応管の内面をMo化合物で被覆する手間が省ける。
このように、本発明の固定床反応器によれば、内面をMo化合物により被覆した反応管を備えるので、触媒の活性および選択性を向上できる。また、Mo化合物を被覆する際も簡便な操作で実施することができる。
さらに、本発明によれば、特定の触媒を用いることで、メタクロレイン等またはメタクリル酸等を高収率で製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<反応器>
固定床反応器には、溶融塩(硝酸ナトリウム/硝酸カリウム/亜硝酸ナトリウム=1/1/1重量比)を熱媒体とするジャケットを備え、1本の反応管(SUS304管、内径23mm、長さ5m)を備えた、固定床多管式熱交換型反応器を用いた。
<反応率および選択率の算出>
実施例および比較例中の原料イソブチレンの反応率、生成する不飽和アルデヒド(メタクロレイン)の選択率、不飽和カルボン酸(メタクリル酸)の選択率、不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸の合計収率(以下、合計収率という。)は、下記式(3)〜(6)により算出した。
イソブチレンの反応率(%)=A/B×100 ・・・(3)
不飽和アルデヒドの選択率(%)=C/A×100 ・・・(4)
不飽和カルボン酸の選択率(%)=D/A×100 ・・・(5)
合計収率(%)=(C+D)/B×100 ・・・(6)
ここで、Aは反応した原料イソブチレンのモル数、Bは供給した原料イソブチレンのモル数、Cは生成した不飽和アルデヒドのモル数、Dは生成した不飽和カルボン酸のモル数である。分析はガスクロマトグラフィーを用いて行った。
また、実施例および比較例中の原料不飽和アルデヒド(メタクロレイン)の反応率、生成する不飽和カルボン酸(メタクリル酸)の選択率、不飽和カルボン酸の収率は、下記式(7)〜(9)により算出した。
不飽和アルデヒドの反応率(%)=E/F×100 ・・・(7)
不飽和カルボン酸の選択率(%)=G/E×100 ・・・(8)
不飽和カルボン酸の収率(%)=G/F×100 ・・・(9)
ここで、Eは反応した不飽和アルデヒド(メタクロレイン)のモル数、Fは供給した原料不飽和アルデヒドのモル数、Gは生成した不飽和カルボン酸のモル数である。分析はガスクロマトグラフィーを用いて行った。
[実施例1]
下記組成(ただし酸素を除く)の、イソブチレンの気相接触酸化によるメタクロレインおよびメタクリル酸合成用触媒の触媒粉末を調製した。
Mo12.0Bi0.8Fe1.5Sb0.7Co8.0Zn0.1Cs0.4
得られた触媒粉末5000質量部に、有機バインダーであるメチルセルロースと純水1750質量部を加え、混練し、外径5mm、内径2mm、高さ4mmのリング状に押出成形し、固体粒状触媒とした。
次いで、三酸化Moの粉末600gを反応器の上側開口部より反応管に落下充填した後、抜き取った。この操作を2回繰り返し、三酸化Moを0.2mmの厚さで反応管内面に被覆させた。その後、固体粒状触媒を反応管1本当たり1200g充填し、反応管外部に設けられた熱媒浴の温度を330℃に設定し、空気を流通させながら、固体粒状触媒中の有機バインダーを除去した。
次いで、イソブチレン5%、酸素12%、水蒸気10%および窒素73%の原料混合ガスを、原料ガス入口から接触時間4.5秒で反応管に充填された触媒層(下から上)に通過させた。
反応生成物出口から採取したガスを、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、イソブチレンの反応率96.9%、メタクロレインの選択率87.5%、メタクリル酸の選択率5.2%、合計収率89.8%であった。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1で得られた固体粒状触媒1200gを反応器の上側開口部より反応管に落下充填した。次いで、反応管外部に設けられた熱媒浴の温度を330℃に設定し、空気を流通させながら、固体粒状触媒中の有機バインダーを除去した後、イソブチレン5%、酸素12%、水蒸気10%および窒素73%の原料混合ガスを、原料ガス入口から接触時間4.5秒で反応管に充填された触媒層(下から上)に通過させた。その後、触媒を抜き取った。この充填、熱処理、反応、抜取りの操作を5回繰り返し、Moを含む固体粒状触媒を1.5mmの厚さで反応管内面に被覆させた。
次いで、再度固体粒状触媒を充填し、固体粒状触媒中の有機バインダーを除去した後、イソブチレン5%、酸素12%、水蒸気10%および窒素73%の原料混合ガスを、原料ガス入口から接触時間4.5秒で反応管に充填された触媒層(下から上)に通過させた。
反応生成物出口から採取したガスを、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、イソブチレンの反応率97.2%、メタクロレインの選択率87.7%、メタクリル酸の選択率5.3%、合計収率90.4%であった。結果を表1に示す。
[比較例1]
反応管内面を三酸化Moの粉末にて被覆しなかった以外は、実施例1と同様にして、イソブチレンの気相接触酸化を行った。
反応生成物出口から採取したガスを、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、イソブチレンの反応率96.5%、メタクロレインの選択率87.2%、メタクリル酸の選択率5.1%、合計収率89.1%、であった。結果を表1に示す。
Figure 2009183871
[実施例3]
下記組成(ただし酸素を除く)の、メタクロレインの気相接触酸化によるメタクリル酸合成用触媒の触媒粉末を調製した。
Mo12.00.9Cu0.10.5Ge0.3Bi0.2Cs1.0
得られた触媒粉末5000質量部を、グラファイト粉末100質量部と混合した後、外径5mm、高さ5mmに打錠成形し、固体粒状触媒とした。
次いで、三酸化Moの粉末600gを反応器の上側開口部より反応管に落下充填した後、抜き取った。この操作を4回繰り返し、三酸化Moを0.4mmの厚さで反応管内面に被覆させた。その後、固体粒状触媒を反応管1本当たり2300g充填し、反応管外部に設けられた熱媒浴の温度を290℃に設定した。
次いで、メタクロレイン5%、酸素12%、水蒸気10%および窒素73%の原料混合ガスを、原料ガス入口から接触時間4.5秒で反応管に充填された触媒層(下から上)に通過させた。
反応生成物出口から採取したガスを、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、メタクロレインの反応率86.0%、メタクリル酸の選択率84.4%、メタクリル酸の収率72.6%であった。結果を表2に示す。
[実施例4]
実施例3で得られた固体粒状触媒2300gを反応器の上側開口部より反応管に落下充填した。次いで、反応管外部に設けられた熱媒浴の温度を290℃に設定し、メタクロレイン5%、酸素12%、水蒸気10%および窒素73%の原料混合ガスを、原料ガス入口から接触時間4.5秒で反応管に充填された触媒層(下から上)に通過させた。その後、触媒を抜き取った。この充填、反応、抜取りの操作を8回繰り返し、Moを含む固体粒状触媒を1.6mmの厚さで反応管内面に被覆させた。
次いで、再度固体粒状触媒を充填し、反応管外部に設けられた熱媒浴の温度を290℃に設定し、メタクロレイン5%、酸素12%、水蒸気10%および窒素73%の原料混合ガスを、原料ガス入口から接触時間4.5秒で反応管に充填された触媒層(下から上)に通過させた。
反応生成物出口から採取したガスを、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、メタクロレインの反応率86.4%、メタクリル酸の選択率84.7%、メタクリル酸の収率73.2%であった。結果を表2に示す。
[比較例2]
反応管内面を三酸化Moの粉末にて被覆しなかった以外は、実施例3と同様にして、メタクロレインの気相接触酸化を行った。
反応生成物出口から採取したガスを、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、メタクロレインの反応率85.5%、メタクリル酸の選択率83.3%、メタクリル酸の収率71.2%であった。結果を表2に示す。
Figure 2009183871
表1、2からも明らかなように、実施例では、目的とする反応生成物を高収率で得ることができた。
一方、比較例は、固定床反応器に備わる反応管の内面がMo化合物で被覆されていなかったため、実施例に比べて目的とする反応生成物の選択率、反応率、および収率が低かった。
本発明の固定床反応器の一例を示す概略図である。
符号の説明
10:固定床反応器
11:固体粒状触媒
12:反応管

Claims (5)

  1. 少なくともモリブデンを含む固体粒状触媒が充填された反応管を備えた固定床反応器において、
    前記反応管の内面がモリブデン化合物で被覆されたことを特徴とする固定床反応器。
  2. 前記反応管を複数配置した多管式であることを特徴とする請求項1に記載の固定床反応器。
  3. 前記固体粒状触媒がさらにビスマスおよび鉄を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の固定床反応器。
  4. 前記固体粒状触媒がさらにリンおよびバナジウムを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の固定床反応器。
  5. 前記モリブデン化合物が、モリブデンを含む酸化物であることを特徴とする請求項1〜4に記載の固定床反応器。
JP2008026764A 2008-02-06 2008-02-06 固定床反応器 Active JP5500775B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008026764A JP5500775B2 (ja) 2008-02-06 2008-02-06 固定床反応器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008026764A JP5500775B2 (ja) 2008-02-06 2008-02-06 固定床反応器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009183871A true JP2009183871A (ja) 2009-08-20
JP5500775B2 JP5500775B2 (ja) 2014-05-21

Family

ID=41067701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008026764A Active JP5500775B2 (ja) 2008-02-06 2008-02-06 固定床反応器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5500775B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011106728A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 多管式反応器用伝熱管
CN103769005A (zh) * 2012-10-25 2014-05-07 中国石油化工股份有限公司 一种列管式固定床反应器

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004507346A (ja) * 2000-08-31 2004-03-11 デグサ アクチエンゲゼルシャフト スロット形状反応スペースを有する反応器内で反応を実施する方法及び装置
JP2005224661A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Mitsubishi Rayon Co Ltd 固体触媒の充填方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004507346A (ja) * 2000-08-31 2004-03-11 デグサ アクチエンゲゼルシャフト スロット形状反応スペースを有する反応器内で反応を実施する方法及び装置
JP2005224661A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Mitsubishi Rayon Co Ltd 固体触媒の充填方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011106728A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 多管式反応器用伝熱管
CN103769005A (zh) * 2012-10-25 2014-05-07 中国石油化工股份有限公司 一种列管式固定床反应器

Also Published As

Publication number Publication date
JP5500775B2 (ja) 2014-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2671862B1 (en) Method for producing unsaturated aldehyde and/or unsaturated carboxylic acid
JP2017088606A5 (ja)
JP2018140993A5 (ja)
RU2349576C2 (ru) Способ длительного проведения гетерогенно катализируемого частичного окисления в газовой фазе пропена в акролеин
WO2009147965A1 (ja) 触媒並びに不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造方法
AU2002357503A1 (en) Method for vapor phase catalytic oxidation
EP2295136A1 (en) Method of packing solid particulate substance into fixed-bed multitubular reactor
JP6694884B2 (ja) 不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法
WO2014014041A1 (ja) 不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法
JP5130562B2 (ja) メタクロレイン及び/又はメタクリル酸の製造方法
JP5500775B2 (ja) 固定床反応器
JP2002306953A (ja) 固定床多管式反応器およびその使用方法
JP4295462B2 (ja) 気相接触酸化方法
JP6398974B2 (ja) (メタ)アクリル酸の製造方法
CN100425334C (zh) 多管反应器的小规模试验方法
JP5451271B2 (ja) 不飽和アルデヒド又は不飽和カルボン酸の製造方法
JP5618800B2 (ja) 固定床多管式反応器および該固定床多管式反応器を用いた不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法
JP4824871B2 (ja) アクロレインおよびアクリル酸の製造方法
JP4279038B2 (ja) 固体触媒の充填方法
JP4194359B2 (ja) 気相接触酸化方法
JP5479803B2 (ja) (メタ)アクロレインまたは(メタ)アクリル酸の製造方法
JP5607865B2 (ja) メタクリル酸の製造方法
JP5590382B2 (ja) 不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸の製造方法
JP2009161445A (ja) 固定床反応器および不飽和カルボン酸の製造方法
WO2024080208A1 (ja) 不飽和アルデヒドの製造方法および不飽和アルデヒドの製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120717

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120912

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130625

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140311

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5500775

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250