JP2009182922A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画質の劣化を防止するとともに、小型化を図ることができるようにする。
【解決手段】撮像装置11には、CCD21とペルチェ素子22とが設けられており、CCD21はプリント基板27に固定され、ペルチェ素子22はCCD21と放熱筐体23との間に配置されている。また、プリント基板27は、金属よりも熱伝導率の低いスリーブ29およびビス28により放熱筐体23に固定されている。したがって、スリーブ29およびビス28が断熱材となり、プリント基板27が放熱筐体23から断熱される。その結果、放熱筐体23からCCD21への熱の回り込みを抑制し、画質の劣化を防止することができる。本発明は、冷却CCDカメラに適用することができる。
【選択図】図1
【解決手段】撮像装置11には、CCD21とペルチェ素子22とが設けられており、CCD21はプリント基板27に固定され、ペルチェ素子22はCCD21と放熱筐体23との間に配置されている。また、プリント基板27は、金属よりも熱伝導率の低いスリーブ29およびビス28により放熱筐体23に固定されている。したがって、スリーブ29およびビス28が断熱材となり、プリント基板27が放熱筐体23から断熱される。その結果、放熱筐体23からCCD21への熱の回り込みを抑制し、画質の劣化を防止することができる。本発明は、冷却CCDカメラに適用することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は撮像装置に関し、特に、電子冷却素子により固体撮像素子を冷却し、より暗電流ノイズの少ない画像を得ることができるようにした撮像装置に関する。
従来、被写体を撮像するCCD(Charge Coupled Devices)およびペルチェ素子を内蔵し、CCDをペルチェ素子により冷却する冷却CCDカメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。そのような冷却CCDカメラでは、CCDが実装されたプリント基板が、放熱板に取り付けられ、CCDと放熱板との間にペルチェ素子が配置される。
ところで、CCDが実装されたプリント基板が放熱板に取り付けられる場合、プリント基板に設けられた取り付け穴に通された段付きねじが、放熱板に取り付けられたスタッドのねじ穴に挿入されてねじ止めされる。この段付きねじにはコイルばねが挿入されており、プリント基板は、放熱板側とは反対側からコイルばねにより押されて放熱板に固定される。
このような冷却CCDカメラでは、CCDとプリント基板の取り付け穴との距離を充分に離すことで、プリント基板に断熱材の機能を持たせ、ペルチェ素子の動作時に、放熱板に放熱された熱がプリント基板を介して再びCCDに回り込まないようになされている。
しかしながら、通常、プリント基板の表層および内層には、電気回路を構成するパターンが銅により形成されているため、銅の熱伝導によりプリント基板の断熱材としての機能が充分に発揮されているとはいえなかった。したがって、放熱板に放熱された熱がプリント基板を介して再びCCDに回り込むため、CCDを充分に冷却することができず、その結果、暗電流ノイズが発生して撮像される画像の画質が劣化する恐れがあった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、画質の劣化を防止するとともに、撮像装置の小型化を図ることができるようにするものである。
本発明の撮像装置は、撮像素子と、放熱部材と、前記撮像素子と前記放熱部材との間に配置され、前記撮像素子からの熱を前記放熱部材に伝導して前記撮像素子を冷却する電子冷却素子と、前記撮像素子が配置され、前記放熱部材に固定される基板と、前記放熱部材と前記基板との間に配置され、前記放熱部材と前記基板とを断熱する断熱部材とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、被写体を撮像することができる。特に、本発明によれば、画質の劣化を防止するとともに、撮像装置の小型化を図ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を適用した実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明を適用した撮像装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
図1は、本発明を適用した撮像装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
撮像装置11は、例えば固体撮像素子としてのCCD21を、電子冷却素子としてのペルチェ素子22により冷却しながら被写体の撮像を行う冷却CCDカメラである。
撮像装置11では、CCD21およびペルチェ素子22が、放熱筐体23および前筐体24により囲まれる空間内に配置されており、前筐体24は、外側に設けられたフランジ部の穴に通されたビス25−1およびビス25−2により放熱筐体23に固定されている。また、前筐体24の放熱筐体23に当接する面には溝24aが設けられており、溝24aにはOリング26が嵌入されている。これにより、前筐体24は、Oリング26を介して放熱筐体23に密着し、撮像装置11の内部の空間の気密性が保たれている。
また、撮像装置11の内部においては、CCD21が固定されているプリント基板27が、ビス28−1およびビス28−2により放熱筐体23に取り付けられている。すなわち、プリント基板27には、ビス28−1およびビス28−2を通す取り付け穴27aおよび取り付け穴27bが設けられており、放熱筐体23には、ビス28−1およびビス28−2が挿入されるねじ穴23aおよびねじ穴23bが設けられている。
さらに、プリント基板27と放熱筐体23との間にはスリーブ29−1およびスリーブ29−2が配置され、ビス28−1が、取り付け穴27aおよびスリーブ29−1の中央の穴に通されて、ねじ穴23aに螺挿される。また、ビス28−2が、取り付け穴27bおよびスリーブ29−2の中央の穴に通されて、ねじ穴23bに螺挿される。このように、プリント基板27は、締結部材としてのビス28−1およびビス28−2によって、断熱部材であり支持部材としてのスリーブ29−1およびスリーブ29−2を介して放熱筐体23にねじ止めされる。
ここで、ビス28−1、ビス28−2、スリーブ29−1、およびスリーブ29−2は、金属よりも熱伝導率の低い部材、例えば熱伝導率が0.2W/(m・K)程度であるポリアミド等の樹脂により成型されている。プリント基板27は、熱伝導率の低いスリーブ29−1およびスリーブ29−2を介して、ビス28−1およびビス28−2により放熱筐体23に固定されているため、放熱筐体23に対して断熱された状態となる。
なお、以下、ビス28−1およびビス28−2を個々に区別する必要のない場合、単にビス28とも称し、スリーブ29−1およびスリーブ29−2を個々に区別する必要のない場合、単にスリーブ29とも称する。
また、プリント基板27の中央には、CCD21の撮像面21aが図中、下側を向くように、CCD21が半田付けされて固定されている。さらに、プリント基板27のCCD21が配置された部分には、プリント基板27を貫通する角穴27cが設けられており、その角穴27cを貫通するように、ペルチェ素子22が配置されている。
ペルチェ素子22は、冷却面22aおよび放熱面22bを有している。ペルチェ素子22は、その冷却面22aが伝熱性両面テープ30を介してCCD21の裏面に接し、放熱面22bが熱伝導シート31を介して放熱筐体23に設けられた突部23cに接するように、CCD21と放熱筐体23との間に配置されている。
すなわち、ペルチェ素子22の冷却面22aと、CCD21の撮像面21aと反対側の面とは伝熱性両面テープ30により接着され、放熱面22bは、熱伝導シート31を介して図中、下方向に突出した突部23cに押し付けられている。
ここで、熱伝導シート31は、シリコーン等の樹脂製のシートであり、図中、上下方向の厚みの寸法が、放熱面22bと突部23cとの間の長さよりも長いものとされている。そして、ペルチェ素子22の取り付け時には、放熱面22bが熱伝導シート31に押し付けられると、熱伝導シート31がつぶれるように変形し、これによりペルチェ素子22と放熱筐体23との密着性が確保される。例えば、放熱面22bと突部23cとの間の距離が0.4mmである場合、熱伝導シート31の厚みは、0.5mmとされる。
また、前筐体24における撮像面21aと対向する部分には、被写体からの光を撮像面21aに入射させるための開口24bが設けられている。さらに、前筐体24の開口24bの部分には、ガラス板32が固定されており、開口24bがガラス板32により覆われている。すなわち、前筐体24のガラス板32に当接する面には、開口24bを囲むように溝24cが設けられており、溝24cにはOリング33が嵌入されて、Oリング33によりガラス板32と前筐体24との間の隙間が封止されている。これにより、ガラス板32は、Oリング33を介して前筐体24に密着するように固定され、撮像装置11内部の気密性が確保される。
次に、撮像装置11の動作について説明する。
被写体からの光は、ガラス板32および開口24bを通過して、CCD21の撮像面21aに入射する。すると、CCD21は、撮像面21aにおいて被写体からの光を受光して、受光した光を光電変換することにより、被写体の画像を撮像する。そして、撮像により得られた電気信号に対して、必要に応じてプリント基板27に実装された図示せぬ回路により所定の処理が施され、その結果、被写体の画像である撮像画像の画像データが得られる。
このとき、CCD21が動作して発熱し、CCD21の温度が上昇すると、CCD21の温度に起因する暗電流ノイズが発生し、この暗電流ノイズにより、撮像画像の画質が劣化してしまうことがある。そこで、撮像装置11は、図示せぬ電源からペルチェ素子22に電力を供給し、CCD21を冷却させる。
ペルチェ素子22は、電源から電力が供給されて所定の電圧が印加されると、冷却面22aから放熱面22bに熱を移動させることで、CCD21を冷却する。そして、冷却面22aから放熱面22bに移動した熱は、さらに放熱筐体23に伝導されて、放熱筐体23により外気に放出(放熱)される。
ここで、放熱筐体23に固定されているプリント基板27は、断熱材としてのビス28およびスリーブ29により放熱筐体23から断熱されている。つまり、放熱筐体23とプリント基板27とは、金属などの熱伝導率の高い部材により接続されていない。そのため、CCD21から放熱筐体23に伝導された熱が、プリント基板27に移動することはない。
このように、CCD21が配置されたプリント基板27を、熱伝導率の低いビス28およびスリーブ29を用いて放熱筐体23に固定することで、ビス28およびスリーブ29により、プリント基板27と放熱筐体23とを断熱することができる。これにより、CCD21において発生した熱が、再びCCD21に回り込むことを防止することができ、CCD21をより効率よく冷却することができる。その結果、CCD21における暗電流ノイズの発生を抑制し、撮像画像の画質の劣化を防止することができる。また、ペルチェ素子22を冷却する為に供給する電圧を必要以上に多くすることがなく、エネルギー効率のよい撮像装置を提供することができる。
しかも、プリント基板27は断熱されているので、CCD21がプリント基板27のどの位置に配置されても、すなわちCCD21とビス28との距離が近くても、CCD21から放熱筐体23に移動した熱がCCD21に戻ることはない。したがって、プリント基板27の大きさをより小さくすることが可能となり、撮像装置11の小型化を図ることができる。
また、CCD21は、放熱筐体23、前筐体24、およびガラス板32により囲まれて形成される密閉空間内に配置され、撮像装置11の外部から内部に水蒸気が進入することもないので、CCD21の冷却に伴う撮像面21aの結露を防止することができる。
なお、ビス28は樹脂などから構成されると説明したが、撮像装置11を特に小型化する必要がない場合には、プリント基板27の取り付け穴27aおよび取り付け穴27bの周辺に銅のパターンを引き回さないようにし、ビス28を金属製のものとしてもよい。このように金属製のビス28を用いると、断熱効果を維持しつつプリント基板27を堅固に固定することができる。
[第2の実施の形態]
図2は、本発明を適用した撮像装置の他の実施の形態の構成例を示す図である。なお、図2において、図1における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図2は、本発明を適用した撮像装置の他の実施の形態の構成例を示す図である。なお、図2において、図1における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図2に示す撮像装置11は、図1の撮像装置11と比べてプリント基板27の固定方法だけが異なっている。すなわち、図2の撮像装置11では、例えば、アルミニウムや銅、真鍮、ステンレス等の金属からなる金属ビス61−1および金属ビス61−2により、プリント基板27が放熱筐体23に固定される。
プリント基板27には、取り付け穴27dおよび取り付け穴27eが設けられている。そして、取り付け穴27dには、図中、上側から段付きスリーブ62−1が嵌入され、図中、下側から固定補助部材としての段付きワッシャ63−1が嵌入されて、プリント基板27が段付きスリーブ62−1および段付きワッシャ63−1により挟み込まれている。
同様に、取り付け穴27eには、図中、上側から段付きスリーブ62−2が嵌入され、図中、下側から固定補助部材としての段付きワッシャ63−2が嵌入されて、プリント基板27が段付きスリーブ62−2および段付きワッシャ63−2により挟み込まれている。
ここで、段付きスリーブ62−1および段付きスリーブ62−2は、外径の異なる2つの円筒が同心となるように接続された形状とされており、例えばポリアミド等の熱伝導率の低い樹脂により成型される。そして、段付きスリーブ62−1および段付きスリーブ62−2は、図中、下側に設けられた、より外径の小さい円筒形の突出部分(小径部分)が、上から下方向に取り付け穴27dおよび取り付け穴27eに挿入されて嵌合される。
したがって、段付きスリーブ62−1および段付きスリーブ62−2は、プリント基板27と放熱筐体23との間に配置されることになる。
また、段付きワッシャ63−1および段付きワッシャ63−2は、外径の異なる2つの円筒が同心となるように接続された形状とされており、例えばポリアミド等の熱伝導率の低い樹脂により成型される。段付きワッシャ63−1および段付きワッシャ63−2は、図中、上側に設けられた、より外径の小さい円筒形の突出部分(小径部分)が、下から上方向に取り付け穴27dおよび取り付け穴27eに挿入されて嵌合される。
段付きワッシャ63−1および段付きワッシャ63−2は、プリント基板27における段付きスリーブ62−1および段付きスリーブ62−2が配置される面とは、反対側の面に配置されている。
また、図2では、段付きスリーブ62−1および段付きワッシャ63−1のそれぞれの小径部分の端面が互いに当接するようになされている。同様に、段付きスリーブ62−2および段付きワッシャ63−2のそれぞれの小径部分の端面も互いに当接するようになされている。
取り付け穴27dに、段付きスリーブ62−1および段付きワッシャ63−1が嵌入されると、金属ビス61−1が、段付きスリーブ62−1および段付きワッシャ63−1のそれぞれの中央に設けられた穴に通されて、ねじ穴23aに螺挿される。
同様に、取り付け穴27eに、段付きスリーブ62−2および段付きワッシャ63−2が嵌入されると、金属ビス61−2が、段付きスリーブ62−2および段付きワッシャ63−2のそれぞれの中央に設けられた穴に通されて、ねじ穴23bに螺挿される。
このようにして、プリント基板27は、段付きスリーブ62−1および段付きスリーブ62−2と、段付きワッシャ63−1および段付きワッシャ63−2とに挟まれた状態で、締結部材としての金属ビス61−1および金属ビス61−2により放熱筐体23にねじ止めされる。したがって、プリント基板27が金属ビス61−1および金属ビス61−2に接触することがない。
ここで、放熱筐体23とプリント基板27との間には、段付きスリーブ62−1および段付きスリーブ62−2が配置されている。また、プリント基板27と、金属ビス61−1および金属ビス61−2との間には、段付きワッシャ63−1および段付きワッシャ63−2が配置されている。したがって、プリント基板27は、放熱筐体23、金属ビス61−1、および金属ビス61−2に直接接触せずに放熱筐体23に固定され、放熱筐体23に対して断熱された状態となる。
なお、以下、金属ビス61−1および金属ビス61−2を個々に区別する必要のない場合、単に金属ビス61と称する。また、以下、段付きスリーブ62−1および段付きスリーブ62−2を個々に区別する必要のない場合、単に段付きスリーブ62と称し、段付きワッシャ63−1および段付きワッシャ63−2を個々に区別する必要のない場合、単に段付きワッシャ63と称する。
以上のように、断熱部材としての段付きスリーブ62および段付きワッシャ63を用いて、プリント基板27を放熱筐体23に固定することで、放熱筐体23および金属ビス61がプリント基板27に、接触しない構造とすることができる。これにより、放熱筐体23の熱がプリント基板27を介してCCD21に回り込まないようにすることができ、撮像画像の画質の劣化を防止することができる。また、取り付け穴27dおよび取り付け穴27eと、CCD21との距離をより短くすることができ、撮像装置11の小型化を図ることができる。
また、段付きスリーブ62と段付きワッシャ63の各々の小径部間は、隙間を有して配置してもよい。
なお、以上においては、取り付け穴27dおよび取り付け穴27eに、段付きスリーブ62と段付きワッシャ63とが嵌入(嵌合)されると説明したが、段付きスリーブ62だけが嵌入されるようにしてもよい。
そのような場合、例えば図3に示すように、取り付け穴27dおよび取り付け穴27eに、段付きスリーブ62−1および段付きスリーブ62−2が嵌入され、取り付け穴27dおよび取り付け穴27eの下側に、ワッシャ91−1およびワッシャ91−2が配置される。なお、図3において、図2における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図3では、プリント基板27の取り付け穴27dの図中、下側にはワッシャ91−1が配置されており、金属ビス61−1が、段付きスリーブ62−1およびワッシャ91−1のそれぞれの中央に設けられた穴に通されて、ねじ穴23aに螺挿される。
同様に、プリント基板27の取り付け穴27eの図中、下側にはワッシャ91−2が配置されており、金属ビス61−2が、段付きスリーブ62−2およびワッシャ91−2のそれぞれの中央に設けられた穴に通されて、ねじ穴23bに螺挿される。
ここで、ワッシャ91−1およびワッシャ91−2には、段付きスリーブ62−1および段付きスリーブ62−2のそれぞれの小径部分の端面が当接するようになされている。また、ワッシャ91−1およびワッシャ91−2は、例えば金属よりも熱伝導率の低いポリアミド等の樹脂により成型される。したがって、図3に示す撮像装置11においても、プリント基板27は、放熱筐体23および金属ビス61から断熱された状態となるので、CCD21を効率よく充分に冷却することができる。
さらに、ワッシャ91−1およびワッシャ91−2は小径部分を有しておらず、一般的なワッシャの形状とされるため、ワッシャ91−1およびワッシャ91−2として、市販品を用いることができ、撮像装置11の製造コストを抑えることができる。
なお、段付きスリーブ62の小径部分の端面がワッシャ91と当接するとしたが、段付きスリーブ62の小径部分をプリント基板27の厚さよりも短くし、段付きスリーブ62とワッシャ91との間に隙間を形成してもよい。
さらに、図4に示すように、放熱筐体23に、段付きスリーブ62−1および段付きスリーブ62−2を嵌入(圧入)するための溝23dおよび溝23eが設けられるようにしてもよい。なお、図4において、図2における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜、省略する。
図4では、放熱筐体23には、ねじ穴23aと同心の溝23d、およびねじ穴23bに同心の溝23eが設けられている。そして、段付きスリーブ62−1および段付きスリーブ62−2の放熱筐体23に当接する端のそれぞれが、溝23dおよび溝23eに嵌入されて、段付きスリーブ62−1および段付きスリーブ62−2が放熱筐体23に固定されている。
このように、段付きスリーブ62−1および段付きスリーブ62−2を、溝23dおよび溝23eに嵌入(圧入)することで、プリント基板27の放熱筐体23に対する位置決めの精度を向上させることができる。
また、段付きスリーブ62−1および段付きスリーブ62−2が放熱筐体23に対して固定されるので、撮像装置11の組み立て時に、プリント基板27を簡単に放熱筐体23に固定することができる。なお、段付きスリーブ62−1および段付きスリーブ62−2を溝23dおよび溝23eに挿入して接着することにより、段付きスリーブ62を放熱筐体23に固定するようにしてもよい。
さらに、段付きスリーブ62の外周部の外径のうち、プリント基板27に嵌入される部分の外径が、嵌入されない部分の外径よりも大きくなるようにしてもよい。そのような場合、例えば、図5に示すように、段付きスリーブ62−1の取り付け穴27dに嵌入される部分の外径は、その部分の図中、上側の部分、つまり取り付け穴27dに嵌入されない部分の外径よりも大きくなっている。したがって、放熱筐体23からの熱が、プリント基板27により伝わり難くなり、断熱効率を向上させることができる。
なお、プリント基板27の固定に図5の段付きワッシャ63−1ではなく、図3のワッシャ91−1が用いられる場合、つまりワッシャが取り付け穴27dに嵌入されない場合においても、段付きスリーブ62−1の取り付け穴27dに嵌入される部分の外径が他の部分より大きくなるようにしてもよい。
また、図2の撮像装置11の変形例として、例えば図6に示すように、段付きスリーブ62の表面の一部に金属薄膜(導電性薄膜)を蒸着し、プリント基板27に設けられた回路のグランドと、放熱筐体23の筐体グランドとが直接、接続されるようにしてもよい。
なお、図6Aは、段付きスリーブ62を図2中、斜め上側から見た図であり、図6Bは、段付きスリーブ62を図2中、斜め下側から見た図を示している。
図6Aおよび図6Bでは、段付きスリーブ62の放熱筐体23の表面に当接(接触)する面62aと、段付きスリーブ62のプリント基板27の表面に当接(接触)する面62bとに、銅や金などからなる金属薄膜が蒸着されている。また、段付きスリーブ62の側面の一部の面62cにも銅や金などからなる金属薄膜が蒸着されており、面62aと面62bとに形成された金属薄膜は、面62cに形成された金属薄膜により電気的に接続されている。
ところで、一般的に、放熱筐体23には図示せぬコネクタ等が設けられ、そのコネクタにケーブルが接続されるため、放熱筐体23には、筐体グランド(フレームグランド)が設けられている。
また、フレームグランドと、プリント基板27に設けられた電気回路のグランドとの間で電位差が生じると、撮像画像の画質が劣化したり、EMI(Electro Magnetic Interference)(不要電磁波の輻射)特性が悪化したりすることが知られている。したがって、電気回路のグランドと、フレームグランドとはインピーダンスの低い状態で電気的に接続されていることが望ましい。
ところが、図2に示した撮像装置11では、放熱筐体23とプリント基板27とは電気的に接続されず、電気回路のグランドとフレームグランドとを接続することはできない。そこで、図6Aおよび図6Bに示すように、段付きスリーブ62に金属を蒸着することで、段付きスリーブ62に導電性を持たせ、これにより電気回路のグランドとフレームグランドとを電気的に接続することができるようになる。
そのような場合、例えばプリント基板27内部の取り付け穴27d、および取り付け穴27eの外周部分には電気回路のグランドと電気的に接続されるスルーホールが設けられる。また、放熱筐体23の段付きスリーブ62と当接(接触)する面には、金属面が露出するか、またはニッケルメッキなどの導電性に優れた表面処理が施される。
これにより、面62a乃至面62cに蒸着された金属薄膜およびスルーホールを介して、プリント基板27上の電気回路のグランドと、フレームグランドとが電気的に接続され、断熱性はわずかに低下するが、良好なグランド接続が可能となる。したがって、撮像画像の画質の劣化や、不要電磁波の輻射を抑制することができる。
なお、図6の例では、段付きスリーブ62の表面の一部に金属薄膜が蒸着されるとしたが、表面の全部に金属薄膜が蒸着されるようにしてもよい。また、段付きスリーブ62の表面だけでなく、段付きワッシャ63の表面の一部や全部に金属薄膜を蒸着するようにしてもよいし、段付きスリーブ62および段付きワッシャ63の両方の表面に金属薄膜を蒸着するようにしてもよい。
また、例えば、図7に示すように、プリント基板27とCCD21との間に、CCD21の温度を測定する温度センサ141が設けられるようにしてもよい。なお、図7において、図1における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は省略する。
図7では、温度センサ141は、プリント基板27におけるペルチェ素子22近傍の位置に固定されており、その表面がCCD21のプリント基板27と対向する面に接触するようになされている。
このように、CCD21に接触するように温度センサ141を設けることで、撮像装置11は、温度センサ141にCCD21の温度を測定させ、その測定結果に応じてペルチェ素子22を制御し、CCD21を適切な温度に冷却することができる。
また、CCD21と温度センサ141との接触を良好な状態に保ち、温度センサ141による温度の測定結果のばらつきを吸収するために、例えば図8Aおよび図8Bに示すように、プリント基板27の一部が片持ち梁状の形状とされるようにしてもよい。なお、図8Bは、プリント基板27を図8A中、下から上方向に見た図を示している。
図8Aおよび図8Bでは、プリント基板27には、ペルチェ素子22を配置するための角穴27fが設けられている。また、図8Bに示すように、角穴27fは、矩形状の穴の図中、右側に、さらに長方形状の2本の切り込みが設けられた形状とされている。これらの切り込みは、温度センサ141の図8B中、上側と下側に設けられており、プリント基板27の切り込みにより囲まれる湾曲部27gがたわむようになされている。
したがって、湾曲部27gがたわむと、そのたわみにより湾曲部27gの先端に設けられた温度センサ141がCCD21に押し付けられて密着する。このように、プリント基板27の弾性を利用して温度センサ141をCCD21に密着させる場合、湾曲部27gのたわみにともない、温度センサ141がわずかに傾斜するため、温度センサ141の表面とCCD21の表面とが平行ではなく、いわゆる片当たりの状態で接触することがある。そのような場合、より正確に温度を測定するために、温度センサ141とCCD21との間には熱伝導グリスが塗布される。
また、湾曲部27gの弾性を強化するために、例えば、図9Aおよび図9Bに示すように、湾曲部27gの表面に板ばね171が固定されるようにしてもよい。図9Aおよび図9Bに示すように、板ばね171は、湾曲部27gの温度センサ141が設けられる面とは反対側の面に配置され、ビス等によりプリント基板27に固定されている。
この板ばね171は、例えばステンレス、りん青銅などからなり、温度センサ141がCCD21側に押されるように、湾曲部27gをたわませる。
さらに、図10Aおよび図10Bに示すように、温度センサ141がCCD21の側面に直接、実装されるようにしてもよい。なお、図10Aおよび図10Bにおいて、図2における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜、省略する。
図10Aでは、温度センサ141は、CCD21の図中、左側の側面に固定されている。温度センサ141が固定されるCCD21の側面には、図10Bに示すように、CCD21とプリント基板27とを電気的に接続するためのピンが複数設けられている。
図10Bでは、それらの複数のピンのうち、図中、右側の2つのピン21bおよびピン21cが、通常では使用されない空きピン(端子)とされている。そして、温度センサ141は、CCD21に設けられたこれらのピン21bおよびピン21cに半田付け等により固定されている。また、これらのピン21bおよびピン21cは、プリント基板27に設けられたパターンを介して検出回路に電気的に接続されており、温度センサ141による温度の測定結果は、検出回路に供給される。
このように、空きピンを利用して、温度センサ141をCCD21の側面に直接実装することで、プリント基板27をより小さくすることができ、撮像装置11の小型化を図ることができる。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
11 撮像装置, 21 CCD, 22 ペルチェ素子, 23 放熱筐体, 23c 放熱面, 27 プリント基板, 27a 取り付け穴, 27b 取り付け穴, 27d 取り付け穴, 27e 取り付け穴, 28−1,28−2,28 ビス, 29−1,29−2,29 スリーブ, 61−1 金属ビス, 61−2 金属ビス, 62−1,62−2,62 段付きスリーブ, 63−1,63−2,63 段付きワッシャ, 91−1 ワッシャ, 91−2 ワッシャ
Claims (8)
- 撮像素子と、
放熱部材と、
前記撮像素子と前記放熱部材との間に配置され、前記撮像素子からの熱を前記放熱部材に伝導して前記撮像素子を冷却する電子冷却素子と、
前記撮像素子が配置され、前記放熱部材に固定される基板と、
前記放熱部材と前記基板との間に配置され、前記放熱部材と前記基板とを断熱する断熱部材と
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 前記断熱部材は、
金属より熱伝導率の低い材料からなり、前記放熱部材と前記基板との間に配置される支持部材と、
金属より熱伝導率の低い材料からなり、前記基板、前記支持部材、および前記放熱部材に通されて前記基板を前記放熱部材にねじ止めする締結部材と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記断熱部材は、
金属より熱伝導率の低い材料からなり、前記放熱部材と前記基板との間に配置される支持部材と、
金属より熱伝導率の低い材料からなり、前記基板における前記支持部材が配置される面とは反対の面に配置される固定補助部材と
を備え、
前記基板は、前記固定補助部材、前記基板、前記支持部材、および前記放熱部材に通された締結部材により前記放熱部材にねじ止めされる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記支持部材は、前記基板に設けられた、前記締結部材が通される取り付け穴に嵌合される第1の突出部を有し、
前記固定補助部材は、その端が前記第1の突出部の端と当接するように前記取り付け穴に嵌合される第2の突出部を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 前記支持部材は、その端が前記固定補助部材の端と当接するように、前記基板に設けられた、前記締結部材が通される取り付け穴に嵌合される突出部を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 前記突出部は、その外径が、前記支持部材の前記突出部とは異なる部分の外径よりも大きくなるようになされている
ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。 - 前記放熱部材には、前記支持部材が嵌合される穴が設けられている
ことを特徴とする請求項2乃至請求項6の何れかに記載の撮像装置。 - 前記支持部材の表面の全面または一部には導電性薄膜が形成され、前記導電性薄膜により、前記基板と前記放熱部材とが電気的に接続される
ことを特徴とする請求項3乃至請求項7の何れかに記載の撮像装置。
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-
2008
- 2008-02-01 JP JP2008022411A patent/JP2009182922A/ja not_active Withdrawn
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