JP2009181928A - 固体酸化物形燃料電池セル体およびその固体酸化物形燃料電池セル体を用いた燃料電池 - Google Patents
固体酸化物形燃料電池セル体およびその固体酸化物形燃料電池セル体を用いた燃料電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009181928A JP2009181928A JP2008022371A JP2008022371A JP2009181928A JP 2009181928 A JP2009181928 A JP 2009181928A JP 2008022371 A JP2008022371 A JP 2008022371A JP 2008022371 A JP2008022371 A JP 2008022371A JP 2009181928 A JP2009181928 A JP 2009181928A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrolyte
- air electrode
- fuel cell
- weight
- cell body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Abstract
【課題】導電率のよいLa1−ySryNi1−xFexO3を空気極支持体として用いた固体酸化物形燃料電池セル体を提供すること。
【解決手段】空気極支持体と、前記空気極支持体に配置される電解質と、を備える固体酸化物形燃料電池セル体であって、前記空気極支持体がLa1−ySryNi1−xFexO3からなり、また前記電解質が少なくとも安定化ジルコニアとFe元素を含み、前記電解質における前記Fe元素の含有量がFe2O3の酸化物換算量で0.5重量%以上、20重量%以下であることで、導電率のよいLa1−ySryNi1−xFexO3を空気極支持体として用いた固体酸化物形燃料電池セル体を提供することが可能になった。
【選択図】 図1
【解決手段】空気極支持体と、前記空気極支持体に配置される電解質と、を備える固体酸化物形燃料電池セル体であって、前記空気極支持体がLa1−ySryNi1−xFexO3からなり、また前記電解質が少なくとも安定化ジルコニアとFe元素を含み、前記電解質における前記Fe元素の含有量がFe2O3の酸化物換算量で0.5重量%以上、20重量%以下であることで、導電率のよいLa1−ySryNi1−xFexO3を空気極支持体として用いた固体酸化物形燃料電池セル体を提供することが可能になった。
【選択図】 図1
Description
本発明は空気極支持体を備えた固体酸化物形燃料電池セル体に関する。
従来の固体酸化物形燃料電池用空気極材料として、La1−ySryNi1−xFexO3で表される空気極材料が提案されている(例えば特許文献1参照)。前記空気極材料は導電率が高いので、固体酸化物形燃料電池セル体の出力性能の向上を行なう上で有望な材料として検討されている。
また、固体酸化物形燃料電池の電解質としては、電解質材料として安定化ジルコニアを用い、前記安定化ジルコニアにFe元素を含ませた電解質が提案されている(例えば特許文献2、3)。特許文献2、3では安定化ジルコニアにFe元素を含ませることで、電解質のガス機密性や導電率を向上させている。
さらに、固体酸化物形燃料電池セル体として、(La,Sr)MnO3で表されるようなペロブスカイト型酸化物を空気極支持体とした固体酸化物形燃料電池セル体も提案されている(例えば特許文献4)。
特開2002−151091号公報
特開平6−103988号公報
特開2001−118590号公報
特開2007−73336号公報
ところで、本発明者らは固体酸化物形燃料電池セル体の出力性能を向上させるために様々な検討を行なった結果、導電率のよいLa1−ySryNi1−xFexO3を空気極支持体として用いた際に不具合の発生する場合があることを見出した。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、導電率のよいLa1−ySryNi1−xFexO3を空気極支持体として用いた固体酸化物形燃料電池セル体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の固体酸化物形燃料電池セル体は、空気極支持体と、前記空気極支持体に配置される電解質と、を備える固体酸化物形燃料電池セル体であって、前記空気極支持体がLa1−ySryNi1−xFexO3からなり、また前記電解質が少なくとも安定化ジルコニアとFe元素を含み、前記電解質における前記Fe元素の含有量がFe2O3の酸化物換算量で0.5重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、導電率のよいLa1−ySryNi1−xFexO3を空気極支持体として用いた固体酸化物形燃料電池セル体を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態を説明するのに先立って、本発明の作用効果について説明する。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池セル体は、空気極支持体と、前記空気極支持体に配置される電解質と、を備える固体酸化物形燃料電池セル体であって、前記空気極支持体がLa1−ySryNi1−xFexO3からなり、また前記電解質が少なくとも安定化ジルコニアとFe元素を含み、前記電解質における前記Fe元素の含有量がFe2O3の酸化物換算量で0.5重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする。
この好ましい様態によれば、電解質にFe2O3の酸化物換算量で0.5重量%以上、20重量%以下のFe元素を含むことで導電率の高いLa1−ySryNi1−xFexO3空気極支持体を用いた際に不具合なくセルを作製することができる。そのため、導電率のよいLa1−ySryNi1−xFexO3を空気極支持体として用いた固体酸化物形燃料電池セル体を提供することができる。
また、本発明に係る固体酸化物形燃料電池セル体は、空気極支持体と、前記空気極支持体に配置される空気極中間層と、前記空気極中間層に配置される電解質と、を備える固体酸化物形燃料電池セル体であって、前記空気極支持体がLa1−ySryNi1−xFexO3からなり、また前記電解質が少なくとも安定化ジルコニアとFe元素を含み、前記電解質における前記Fe元素の含有量がFe2O3の酸化物換算量で0.5重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする。
この好ましい様態によれば、電解質にFe2O3の酸化物換算量で0.5重量%以上、20重量%以下のFe元素を含むことで導電率の高いLa1−ySryNi1−xFexO3空気極支持体を用い、空気極支持体に空気極中間層を配置した際にも不具合なくセルを作製することができる。そのため、導電率のよいLa1−ySryNi1−xFexO3を空気極支持体として用いた固体酸化物形燃料電池セル体を提供することができる。さらに空気極中間層を空気極支持体に配置させることで、空気極支持体内部を流れてきた電子と外部の酸素ガスが反応し、酸素イオンを生じる反応が進みやすくなるので、より出力性能の高い固体酸化物形燃料電池セル体を提供することができる。
また、本発明に係る固体酸化物形燃料電池セル体は、前記固体酸化物形燃料電池セル体が円筒型であることが好ましい。
この好ましい様態によれば、固体酸化物形燃料電池セル体が円筒型であることで、ガスシール性に優れ、温度の昇降温に対する熱応力に強く、また機械的強度に優れた固体酸化物形燃料電池セル体とすることができる。
また、本発明に係る固体酸化物形燃料電池は、空気極支持体と、前記空気極支持体に配置される空気極中間層と、前記空気極中間層に配置される電解質と、を備える固体酸化物形燃料電池セル体であって、前記空気極支持体がLa1−ySryNi1−xFexO3からなり、また前記電解質が少なくとも安定化ジルコニアとFe元素を含み、前記電解質における前記Fe元素の含有量がFe2O3の酸化物換算量で0.5重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池セル体を備えることが好ましい。
この好ましい様態によれば、出力性能の高い、高導電性空気極支持体を用いてセル体を作製することができたので、必要出力を得るためのセル体数を少なくすることが可能となり、ダウンサイジングしたコンパクトな固体酸化物形燃料電池とすることができる。
以下、本発明における固体酸化物形燃料電池セル体について、詳細に説明する。
代表的な固体酸化物形燃料電池セル体の一例である、円筒型セル体を図1に示す。空気極支持体1上に固体電解質3、さらに固体電解質3の上にインターコネクタ2と接触しないように燃料極4が構成されている。発電に際して、空気極支持体1と固体電解質3の界面で、インターコネクタ2を経由して空気極内部を流れてきた電子と外部の酸素ガスが反応し、(1)式に示すように酸素イオンを生じる。この酸素イオンが固体電解質3を通って燃料極4に達し、燃料ガス中の水素や一酸化炭素と酸素イオンが反応して水あるいは二酸化炭素と電子を生成する。これらの反応は(2)、(3)式で示される。
O2+4e− → 2O2− …(1)
H2+O2− → H2O+2e− …(2)
CO+O2− → CO2+2e− …(3)
O2+4e− → 2O2− …(1)
H2+O2− → H2O+2e− …(2)
CO+O2− → CO2+2e− …(3)
円筒型タイプの支持体としては、カルシア安定化ジルコニア等の支持機能のみを持たせたタイプ、(La,Sr)MnO3等の空気極と支持機能の2機能をあわせもつタイプ、および燃料極と支持機能の2機能をあわせもつタイプがある。このうち、支持機能のみを持たせたタイプは、空気極を支持体とするタイプと比較して電子伝導性が低下し出力性能が低下する。一方、燃料極を支持体とするタイプでは、作動温度700℃〜1000℃において、固体酸化物形燃料電池で発電した電気を長時間安定に集電する方法に課題がある。また、燃料極は通常、セル体作製時には酸化物であり発電時に金属に還元されるが、このとき体積変化が生じるため、燃料極を支持体とする場合はセル体が破損しやすい恐れがある。このように、空気極を支持体とするタイプは出力性能、信頼性ともに高く、安定して電気を供給することができる。なお、この場合の支持体は円筒型タイプに限らず、他の型であっても同様のことが言える。
高い出力性能を得るために、空気極には高い電子導電性をもつことが求められる。円筒型セル体は空気極内部を流れる電流の流路が長いため、セル体の総抵抗における空気極の寄与率が大きい。そのため、電子導電性の高い材料を空気極に用いることにより、出力性能が大きく向上することが、発明者らのシミュレーション結果から明らかになっている。
本発明の固体酸化物形燃料電池セル体は、空気極支持体と電解質の間に電子導電性材料及び酸素イオン導電性材料を含む空気極中間層を備えていてもよい。空気極中間層を備えることで、インターコネクタを経由して空気極内部を流れてきた電子と外部の酸素ガスが反応し、酸素イオンを生じる反応が促進され、出力性能が向上するので好ましい。
本発明の安定化ジルコニアには、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、イッテルビウム安定化ジルコニア(YbSZ)、カルシア安定化ジルコニア(CSZ)、その他、Sm、Eu、Gd、Dy、Erなどの希土類酸化物で安定化したジルコニアなどが用いられる。また、前記安定化ジルコニアにはさらにCeO2、Y2O3、Er2O3などの希土類酸化物やAl2O3が1種または2種以上、適量固溶されていてもよい。酸素イオン導電性が高い点から、ScSZが好ましく、コストの点からはYSZやCSZが好ましい。
電解質は複数層で構成されていてもよい。導電率の高いScSZと安価なYSZやCSZを積層させてもよい。複数層とすることで、性能向上とコスト低減の両方を兼ね備えることができるのでより好ましい。さらに、酸素イオン導電性の高い材料が電極と接しているほうが、電極過電圧が低減する。前記点から、空気極及び燃料極にScSZが接するように電解質をScSZ/YSZ/ScSZのように3層積層体としたほうが更なる性能向上の点からより好ましい。
以下に本発明の実施例を添付の図面を参照して説明する。なお、当然のことであるが本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(空気極の導電率評価)
空気極の導電率を評価するために、以下のような実験を行なった。まず、各実験用試料の作製方法について、以下に記載する。
空気極の導電率を評価するために、以下のような実験を行なった。まず、各実験用試料の作製方法について、以下に記載する。
(参考例1)
空気極の組成はLa0.95Sr0.05Ni0.5Fe0.5O3(LSNF)組成で表されるSrを固溶させたランタンニッケル鉄系ペロブスカイト型酸化物であって、粉末混合法で作製後熱処理して原料粉末を得た。原料粉末を押し出し成形し、焼成することで円筒型空気極支持体を得た。前記円筒型空気極支持体を実験用試料とした。
空気極の組成はLa0.95Sr0.05Ni0.5Fe0.5O3(LSNF)組成で表されるSrを固溶させたランタンニッケル鉄系ペロブスカイト型酸化物であって、粉末混合法で作製後熱処理して原料粉末を得た。原料粉末を押し出し成形し、焼成することで円筒型空気極支持体を得た。前記円筒型空気極支持体を実験用試料とした。
(参考例2)
空気極の組成はLa0.75Sr0.25MnO3(LSM)組成で表されるSrを固溶させたランタンマンガン系ペロブスカイト型酸化物であって、粉末混合法で作製後熱処理して原料粉末を得た。原料粉末を押し出し成形し、焼成することで円筒型空気極支持体を得た。前記円筒型空気極支持体を実験用試料とした。
空気極の組成はLa0.75Sr0.25MnO3(LSM)組成で表されるSrを固溶させたランタンマンガン系ペロブスカイト型酸化物であって、粉末混合法で作製後熱処理して原料粉末を得た。原料粉末を押し出し成形し、焼成することで円筒型空気極支持体を得た。前記円筒型空気極支持体を実験用試料とした。
(評価方法)
参考例1及び参考例2の導電率について、次のように評価した。まず作製した実験用試料の両端表面にPtペーストを円周方向に一周塗布し、乾燥させて電流用電極とした。次に電流用電極から5mm距離をとった内側にPtペーストを円周方向に一周塗布し、乾燥させて電圧用電極とした。前記電流用電極上及び電圧用電極上にφ5mmのPt線を円周方向に一周巻きつけ、Ptペーストを塗布し、乾燥後、1000℃、1時間で焼付けることで電流端子及び電圧端子を取り付けた。前記実験用試料を900℃、大気雰囲気の条件下にて、直流4端子法による導電率測定を行ない、(4)式より導電率を算出した。
σe=L/A×(V/I) ・・・(4)
ここで、σeは導電率、Lは電位端子間距離、Aは試料の断面積、Vは電位、Iは電流を示す。
参考例1及び参考例2の導電率について、次のように評価した。まず作製した実験用試料の両端表面にPtペーストを円周方向に一周塗布し、乾燥させて電流用電極とした。次に電流用電極から5mm距離をとった内側にPtペーストを円周方向に一周塗布し、乾燥させて電圧用電極とした。前記電流用電極上及び電圧用電極上にφ5mmのPt線を円周方向に一周巻きつけ、Ptペーストを塗布し、乾燥後、1000℃、1時間で焼付けることで電流端子及び電圧端子を取り付けた。前記実験用試料を900℃、大気雰囲気の条件下にて、直流4端子法による導電率測定を行ない、(4)式より導電率を算出した。
σe=L/A×(V/I) ・・・(4)
ここで、σeは導電率、Lは電位端子間距離、Aは試料の断面積、Vは電位、Iは電流を示す。
(評価結果)
導電率評価結果について、表1に示す。表1より参考例1は参考例2に比べ導電率が2倍以上であることが確認された。導電率が高いほどインターコネクタを経由して流れてくる電子を効率よく空気極支持体の円周方向に流すことができるので、出力性能に優れる、特には電流量の多くなる高電流密度領域での出力性能を向上させた固体酸化物形燃料電池セル体を提供することができる。
導電率評価結果について、表1に示す。表1より参考例1は参考例2に比べ導電率が2倍以上であることが確認された。導電率が高いほどインターコネクタを経由して流れてくる電子を効率よく空気極支持体の円周方向に流すことができるので、出力性能に優れる、特には電流量の多くなる高電流密度領域での出力性能を向上させた固体酸化物形燃料電池セル体を提供することができる。
(電解質の製膜評価)
次に、電解質が製膜でき、セル体が作製可能であるかどうかを評価するために、以下のような実験を行なった。まず、各実験用試料の作製方法について、以下に記載する。
次に、電解質が製膜でき、セル体が作製可能であるかどうかを評価するために、以下のような実験を行なった。まず、各実験用試料の作製方法について、以下に記載する。
(実施例1)
(1)空気極支持体の作製
空気極の組成はLa0.95Sr0.05Ni0.5Fe0.5O3(LSNF)組成で表されるSrを固溶させたランタンニッケル鉄系ペロブスカイト型酸化物であって、粉末混合法で作製後熱処理して原料粉末を得た。原料粉末を押し出し成形法し、焼成することで円筒型空気極支持体を得た。
(1)空気極支持体の作製
空気極の組成はLa0.95Sr0.05Ni0.5Fe0.5O3(LSNF)組成で表されるSrを固溶させたランタンニッケル鉄系ペロブスカイト型酸化物であって、粉末混合法で作製後熱処理して原料粉末を得た。原料粉末を押し出し成形法し、焼成することで円筒型空気極支持体を得た。
(2)空気極中間層の作製
空気極中間層として、La0.75Sr0.25MnO3と90mol%ZrO2‐10mol%Sc2O3とからなる材料(以下、LSM/ScSZと示す)を用いた。前記LSM/ScSZの重量比率は、50:50とした。La,Sr,Mn,ZrおよびScの各々の硝酸塩水溶液を用いて、前記組成になるように調合した後、シュウ酸を加え沈殿させた。該沈殿物と上澄み液を乾燥し、さらに熱処理し、粒径を制御した後原料粉末を得た。該電極反応層粉末40重量部と溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。前記スラリーを、空気極支持体上にスラリーコート法で成膜、焼成することで空気極中間層膜を得た。
空気極中間層として、La0.75Sr0.25MnO3と90mol%ZrO2‐10mol%Sc2O3とからなる材料(以下、LSM/ScSZと示す)を用いた。前記LSM/ScSZの重量比率は、50:50とした。La,Sr,Mn,ZrおよびScの各々の硝酸塩水溶液を用いて、前記組成になるように調合した後、シュウ酸を加え沈殿させた。該沈殿物と上澄み液を乾燥し、さらに熱処理し、粒径を制御した後原料粉末を得た。該電極反応層粉末40重量部と溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。前記スラリーを、空気極支持体上にスラリーコート法で成膜、焼成することで空気極中間層膜を得た。
(3)電解質の作製
電解質材料として、90mol%ZrO2‐10mol%Y2O3(以下10YSZと示す)を用いた。ZrO2を100℃で加熱した3N以上の濃硝酸に溶解させ、蒸留水で希釈した後、硝酸塩水溶液を得た。Y2O3についても同様の方法から硝酸塩水溶液を得た。各々の硝酸塩水溶液を前記組成になるように調合し、シュウ酸水溶液を加え、共沈させた。共沈して得られた沈殿物と上澄み液を200℃程度で乾燥し、500℃で熱分解、さらに800℃で10時間熱処理をして原料粉末を得た。該粉末39.8重量部とFe2O3粉末0.2重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。空気極中間層上に、スラリーコート法で成膜、焼成することで電解質膜を得た。
電解質材料として、90mol%ZrO2‐10mol%Y2O3(以下10YSZと示す)を用いた。ZrO2を100℃で加熱した3N以上の濃硝酸に溶解させ、蒸留水で希釈した後、硝酸塩水溶液を得た。Y2O3についても同様の方法から硝酸塩水溶液を得た。各々の硝酸塩水溶液を前記組成になるように調合し、シュウ酸水溶液を加え、共沈させた。共沈して得られた沈殿物と上澄み液を200℃程度で乾燥し、500℃で熱分解、さらに800℃で10時間熱処理をして原料粉末を得た。該粉末39.8重量部とFe2O3粉末0.2重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。空気極中間層上に、スラリーコート法で成膜、焼成することで電解質膜を得た。
(実施例2)
10YSZ粉末を39.6重量部、Fe2O3粉末を0.4重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
10YSZ粉末を39.6重量部、Fe2O3粉末を0.4重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
(実施例3)
10YSZ粉末を39.2重量部、Fe2O3粉末を0.8重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
10YSZ粉末を39.2重量部、Fe2O3粉末を0.8重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
(実施例4)
10YSZ粉末を38.8重量部、Fe2O3粉末を1.2重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
10YSZ粉末を38.8重量部、Fe2O3粉末を1.2重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
(実施例5)
10YSZ粉末を38.4重量部、Fe2O3粉末を1.6重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
10YSZ粉末を38.4重量部、Fe2O3粉末を1.6重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
(実施例6)
10YSZ粉末を37.6重量部、Fe2O3粉末を2.4重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
10YSZ粉末を37.6重量部、Fe2O3粉末を2.4重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
(実施例7)
10YSZ粉末を37.2重量部、Fe2O3粉末を2.8重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
10YSZ粉末を37.2重量部、Fe2O3粉末を2.8重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
(実施例8)
10YSZ粉末を36.8重量部、Fe2O3粉末を3.2重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
10YSZ粉末を36.8重量部、Fe2O3粉末を3.2重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
(実施例9)
10YSZ粉末を36重量部、Fe2O3粉末を4重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
10YSZ粉末を36重量部、Fe2O3粉末を4重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
(実施例10)
10YSZ粉末を34重量部、Fe2O3粉末を6重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
10YSZ粉末を34重量部、Fe2O3粉末を6重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
(実施例11)
10YSZ粉末を32重量部、Fe2O3粉末を8重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
10YSZ粉末を32重量部、Fe2O3粉末を8重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
(比較例1)
10YSZ粉末を40重量部とし、Fe2O3粉末を加えなかったこと以外は実施例1と同様である。
10YSZ粉末を40重量部とし、Fe2O3粉末を加えなかったこと以外は実施例1と同様である。
(比較例2)
10YSZ粉末を39.88重量部、Fe2O3粉末を0.12重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
10YSZ粉末を39.88重量部、Fe2O3粉末を0.12重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
(比較例3)
10YSZ粉末を30重量部、Fe2O3粉末を10重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
10YSZ粉末を30重量部、Fe2O3粉末を10重量部としたこと以外は実施例1と同様である。
(実施例12)
電解質材料として、89mol%ZrO2‐10mol%Sc2O3‐1mol%CeO2(以下10ScSZと示す)を用いた。ZrO2を100℃で加熱した3N以上の濃硝酸に溶解させ、蒸留水で希釈した後、硝酸塩水溶液を得た。Sc2O3、CeO2についても同様の方法から硝酸塩水溶液を得た。各々の硝酸塩水溶液を前記組成になるように調合し、シュウ酸水溶液を加え、共沈させた。共沈して得られた沈殿物と上澄み液を200℃程度で乾燥し、500℃で熱分解、さらに800℃で10時間熱処理をして原料粉末を得た。該粉末39.8重量部とFe2O3粉末0.2重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。実施例1と同様の空気極中間層上に、スラリーコート法で成膜、焼成することで電解質膜を得た。
電解質材料として、89mol%ZrO2‐10mol%Sc2O3‐1mol%CeO2(以下10ScSZと示す)を用いた。ZrO2を100℃で加熱した3N以上の濃硝酸に溶解させ、蒸留水で希釈した後、硝酸塩水溶液を得た。Sc2O3、CeO2についても同様の方法から硝酸塩水溶液を得た。各々の硝酸塩水溶液を前記組成になるように調合し、シュウ酸水溶液を加え、共沈させた。共沈して得られた沈殿物と上澄み液を200℃程度で乾燥し、500℃で熱分解、さらに800℃で10時間熱処理をして原料粉末を得た。該粉末39.8重量部とFe2O3粉末0.2重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。実施例1と同様の空気極中間層上に、スラリーコート法で成膜、焼成することで電解質膜を得た。
(実施例13)
10ScSZ粉末を39.6重量部、Fe2O3粉末を0.4重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
10ScSZ粉末を39.6重量部、Fe2O3粉末を0.4重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
(実施例14)
10ScSZ粉末を39.2重量部、Fe2O3粉末を0.8重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
10ScSZ粉末を39.2重量部、Fe2O3粉末を0.8重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
(実施例15)
10ScSZ粉末を38.8重量部、Fe2O3粉末を1.2重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
10ScSZ粉末を38.8重量部、Fe2O3粉末を1.2重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
(実施例16)
10ScSZ粉末を38重量部、Fe2O3粉末を2重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
10ScSZ粉末を38重量部、Fe2O3粉末を2重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
(実施例17)
10ScSZ粉末を37.6重量部、Fe2O3粉末を2.4重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
10ScSZ粉末を37.6重量部、Fe2O3粉末を2.4重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
(実施例18)
10ScSZ粉末を37.2重量部、Fe2O3粉末を2.8重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
10ScSZ粉末を37.2重量部、Fe2O3粉末を2.8重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
(実施例19)
10ScSZ粉末を36.8重量部、Fe2O3粉末を3.2重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
10ScSZ粉末を36.8重量部、Fe2O3粉末を3.2重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
(比較例4)
10ScSZ粉末を40重量部とし、Fe2O3粉末を加えなかったこと以外は実施例12と同様である。
10ScSZ粉末を40重量部とし、Fe2O3粉末を加えなかったこと以外は実施例12と同様である。
(比較例5)
10ScSZ粉末を39.88重量部、Fe2O3粉末を0.12重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
10ScSZ粉末を39.88重量部、Fe2O3粉末を0.12重量部としたこと以外は実施例12と同様である。
(実施例20)
実施例1と同様の空気極中間層上に実施例2で作製したYSZ電解質をスラリーコート法で成膜した後、YSZ電解質上に実施例13で作製したScSZ電解質をスラリーコート法で成膜し、焼成することでYSZ/ScSZ積層電解質膜を得た。すなわちYSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で1重量%、ScSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で1重量%含まれており、電解質全体としてFe元素がFe2O3の酸化物換算量で2重量%含まれている電解質膜である。
実施例1と同様の空気極中間層上に実施例2で作製したYSZ電解質をスラリーコート法で成膜した後、YSZ電解質上に実施例13で作製したScSZ電解質をスラリーコート法で成膜し、焼成することでYSZ/ScSZ積層電解質膜を得た。すなわちYSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で1重量%、ScSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で1重量%含まれており、電解質全体としてFe元素がFe2O3の酸化物換算量で2重量%含まれている電解質膜である。
(実施例21)
実施例1と同様の空気極中間層上に実施例3で作製したYSZ電解質をスラリーコート法で成膜した後、YSZ電解質上に実施例14で作製したScSZ電解質をスラリーコート法で成膜し、焼成することでYSZ/ScSZ積層電解質膜を得た。すなわちYSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で2重量%、ScSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で2重量%含まれており、電解質全体としてFe元素がFe2O3の酸化物換算量で4重量%含まれている電解質膜である。
実施例1と同様の空気極中間層上に実施例3で作製したYSZ電解質をスラリーコート法で成膜した後、YSZ電解質上に実施例14で作製したScSZ電解質をスラリーコート法で成膜し、焼成することでYSZ/ScSZ積層電解質膜を得た。すなわちYSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で2重量%、ScSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で2重量%含まれており、電解質全体としてFe元素がFe2O3の酸化物換算量で4重量%含まれている電解質膜である。
(実施例22)
実施例1と同様の空気極中間層上に実施例13で作製したScSZ電解質をスラリーコート法で成膜した後、実施例2で作製したYSZ電解質をスラリーコート法で成膜し、さらにYSZ電解質上に実施例13で作製したScSZ電解質をスラリーコート法で成膜し、焼成することでScSZ/YSZ/ScSZ積層電解質膜を得た。すなわち空気極中間層側ScSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で1重量%、YSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で1重量%、YSZ電解質上のScSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で1重量%含まれており、電解質全体としてFe元素がFe2O3の酸化物換算量で3重量%含まれている電解質膜である。
実施例1と同様の空気極中間層上に実施例13で作製したScSZ電解質をスラリーコート法で成膜した後、実施例2で作製したYSZ電解質をスラリーコート法で成膜し、さらにYSZ電解質上に実施例13で作製したScSZ電解質をスラリーコート法で成膜し、焼成することでScSZ/YSZ/ScSZ積層電解質膜を得た。すなわち空気極中間層側ScSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で1重量%、YSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で1重量%、YSZ電解質上のScSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で1重量%含まれており、電解質全体としてFe元素がFe2O3の酸化物換算量で3重量%含まれている電解質膜である。
(実施例23)
実施例1と同様の空気極中間層上に実施例14で作製したScSZ電解質をスラリーコート法で成膜した後、実施例3で作製したYSZ電解質をスラリーコート法で成膜し、さらにYSZ電解質上に実施例14で作製したScSZ電解質をスラリーコート法で成膜し、焼成することでScSZ/YSZ/ScSZ積層電解質膜を得た。すなわち空気極中間層側ScSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で2重量%、YSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で2重量%、YSZ電解質上のScSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で2重量%含まれており、電解質全体としてFe元素がFe2O3の酸化物換算量で6重量%含まれている電解質膜である。
実施例1と同様の空気極中間層上に実施例14で作製したScSZ電解質をスラリーコート法で成膜した後、実施例3で作製したYSZ電解質をスラリーコート法で成膜し、さらにYSZ電解質上に実施例14で作製したScSZ電解質をスラリーコート法で成膜し、焼成することでScSZ/YSZ/ScSZ積層電解質膜を得た。すなわち空気極中間層側ScSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で2重量%、YSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で2重量%、YSZ電解質上のScSZにFe元素がFe2O3の酸化物換算で2重量%含まれており、電解質全体としてFe元素がFe2O3の酸化物換算量で6重量%含まれている電解質膜である。
(比較例6)
実施例1と同様の空気極中間層上に比較例1で作製したYSZ電解質をスラリーコート法で成膜した後、YSZ電解質上に比較例4で作製したScSZ電解質をスラリーコート法で成膜し、焼成することでYSZ/ScSZ積層電解質膜を得た。すなわち電解質にはFe元素が含まれていない積層電解質膜である。
実施例1と同様の空気極中間層上に比較例1で作製したYSZ電解質をスラリーコート法で成膜した後、YSZ電解質上に比較例4で作製したScSZ電解質をスラリーコート法で成膜し、焼成することでYSZ/ScSZ積層電解質膜を得た。すなわち電解質にはFe元素が含まれていない積層電解質膜である。
(Fe元素含有量分析方法)
実施例及び比較例の電解質に含まれるFe元素の含有量の分析方法を以下に示す。作製した試料を電解質の断面が露出するように切断し、樹脂包埋した後、鏡面研磨し電解質断面の平面を出した。前記のように調整した試料の電解質断面を島津製作所製の島津電子線マイクロアナライザーEPMA−8705を用いて定量分析を行なった。測定条件は以下の測定条件で行った。
加速電圧:15kW
照射電流量:50nA
分光結晶:LiF
分析線:FeKα線(1.937Å)
実施例及び比較例の電解質に含まれるFe元素の含有量の分析方法を以下に示す。作製した試料を電解質の断面が露出するように切断し、樹脂包埋した後、鏡面研磨し電解質断面の平面を出した。前記のように調整した試料の電解質断面を島津製作所製の島津電子線マイクロアナライザーEPMA−8705を用いて定量分析を行なった。測定条件は以下の測定条件で行った。
加速電圧:15kW
照射電流量:50nA
分光結晶:LiF
分析線:FeKα線(1.937Å)
(評価方法)
実施例1〜23及び比較例1〜6の試料について、電解質焼成後の膜が製膜されているかどうかの確認を目視にて行なった。
実施例1〜23及び比較例1〜6の試料について、電解質焼成後の膜が製膜されているかどうかの確認を目視にて行なった。
(評価結果)
実施例1〜23は電解質焼成後の電解質膜が剥がれることなく製膜されており、比較例1〜6は電解質焼成後に電解質膜が剥がれてしまっていた。製膜可否の結果を表2に示す。電解質焼成後の膜が製膜できたものを○、製膜できずに膜が剥がれてしまったものを×で表記した。表2の電解質におけるFe元素含有量はFe2O3の酸化物換算量で示した。また、表2の実施例20〜23及び比較例6は積層電解質に含まれるFe元素含有量の全量をFe2O3の酸化物換算量で示している。表2より、実施例1〜23は電解質膜が剥がれず、製膜することが出来た。一方、比較例1〜6は焼成後に膜が剥がれてしまい、セルを作製できなかった。従って、YSZ及びScSZにFe元素を0.5重量%以上、20重量%以下含むことで、LSNFを空気極支持体とした固体酸化物形燃料電池セル体を作製することが可能になった。また、実施例20〜23及び比較例6より電解質を複数層とした場合でもYSZ及びScSZ電解質にFe元素を含むことで製膜が出来ることが確認された。
実施例1〜23は電解質焼成後の電解質膜が剥がれることなく製膜されており、比較例1〜6は電解質焼成後に電解質膜が剥がれてしまっていた。製膜可否の結果を表2に示す。電解質焼成後の膜が製膜できたものを○、製膜できずに膜が剥がれてしまったものを×で表記した。表2の電解質におけるFe元素含有量はFe2O3の酸化物換算量で示した。また、表2の実施例20〜23及び比較例6は積層電解質に含まれるFe元素含有量の全量をFe2O3の酸化物換算量で示している。表2より、実施例1〜23は電解質膜が剥がれず、製膜することが出来た。一方、比較例1〜6は焼成後に膜が剥がれてしまい、セルを作製できなかった。従って、YSZ及びScSZにFe元素を0.5重量%以上、20重量%以下含むことで、LSNFを空気極支持体とした固体酸化物形燃料電池セル体を作製することが可能になった。また、実施例20〜23及び比較例6より電解質を複数層とした場合でもYSZ及びScSZ電解質にFe元素を含むことで製膜が出来ることが確認された。
以上より、電解質が少なくとも安定化ジルコニアとFe元素を含み、前記Fe元素がFe2O3の酸化物換算量で0.5重量%以上、20重量%以下であることで、La1−ySryNi1−xFexO3からなる空気極支持体を用いた際に電解質を製膜できることが明らかになった。従って、空気極の導電率を向上させて、かつ電解質が製膜できる固体酸化物形燃料電池セル体を提供することが可能になった。本発明によって、出力性能の高い固体酸化物形燃料電池セル体を提供することができる。さらには、出力性能の高い、高導電性空気極支持体を用いてセル体を作製することができたので、必要出力を得るためのセル体数を少なくすることが可能となり、モジュールとしてダウンサイジングしたコンパクトな固体酸化物形燃料電池モジュールを提供することが可能となる。
1…空気極支持体
2…インターコネクター
3…固体電解質
4…燃料極
2…インターコネクター
3…固体電解質
4…燃料極
Claims (4)
- 空気極支持体と、前記空気極支持体に配置される電解質と、を備える固体酸化物形燃料電池セル体であって、前記空気極支持体がLa1−ySryNi1−xFexO3からなり、また前記電解質が少なくとも安定化ジルコニアとFe元素を含み、前記電解質における前記Fe元素の含有量がFe2O3の酸化物換算量で0.5重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池セル体。
- 空気極支持体と、前記空気極支持体に配置される空気極中間層と、前記空気極中間層に配置される電解質と、を備える固体酸化物形燃料電池セル体であって、前記空気極支持体がLa1−ySryNi1−xFexO3からなり、また前記電解質が少なくとも安定化ジルコニアとFe元素を含み、前記電解質における前記Fe元素の含有量がFe2O3の酸化物換算量で0.5重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池セル体。
- 前記固体酸化物形燃料電池セル体が円筒型であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池セル体。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池セル体を備える固体酸化物形燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008022371A JP2009181928A (ja) | 2008-02-01 | 2008-02-01 | 固体酸化物形燃料電池セル体およびその固体酸化物形燃料電池セル体を用いた燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008022371A JP2009181928A (ja) | 2008-02-01 | 2008-02-01 | 固体酸化物形燃料電池セル体およびその固体酸化物形燃料電池セル体を用いた燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009181928A true JP2009181928A (ja) | 2009-08-13 |
Family
ID=41035711
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008022371A Pending JP2009181928A (ja) | 2008-02-01 | 2008-02-01 | 固体酸化物形燃料電池セル体およびその固体酸化物形燃料電池セル体を用いた燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009181928A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013191546A (ja) * | 2012-02-17 | 2013-09-26 | Ngk Insulators Ltd | 固体酸化物型燃料電池 |
WO2017183748A1 (ko) * | 2016-04-21 | 2017-10-26 | 한국에너지기술연구원 | 원통형 sofc를 이용한 가압운전 시스템 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11242960A (ja) * | 1997-12-09 | 1999-09-07 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | ニッケル鉄系ペロブスカイト型固体燃料電池用空気極材料 |
JP2001118590A (ja) * | 1999-10-21 | 2001-04-27 | Toto Ltd | 高導電性固体電解質膜及びその製造方法 |
JP2002151091A (ja) * | 2000-11-13 | 2002-05-24 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | アルカリ土類添加ニッケル−鉄系ペロブスカイト型低温動作固体燃料電池用空気極材料 |
JP2006236820A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 固体酸化物型燃料電池および固体酸化物型燃料電池の製造方法 |
JP2006302709A (ja) * | 2005-04-21 | 2006-11-02 | Toto Ltd | 固体酸化物形燃料電池 |
JP2007200693A (ja) * | 2006-01-26 | 2007-08-09 | Central Res Inst Of Electric Power Ind | 固体酸化物型燃料電池材料の製造方法 |
-
2008
- 2008-02-01 JP JP2008022371A patent/JP2009181928A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11242960A (ja) * | 1997-12-09 | 1999-09-07 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | ニッケル鉄系ペロブスカイト型固体燃料電池用空気極材料 |
JP2001118590A (ja) * | 1999-10-21 | 2001-04-27 | Toto Ltd | 高導電性固体電解質膜及びその製造方法 |
JP2002151091A (ja) * | 2000-11-13 | 2002-05-24 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | アルカリ土類添加ニッケル−鉄系ペロブスカイト型低温動作固体燃料電池用空気極材料 |
JP2006236820A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 固体酸化物型燃料電池および固体酸化物型燃料電池の製造方法 |
JP2006302709A (ja) * | 2005-04-21 | 2006-11-02 | Toto Ltd | 固体酸化物形燃料電池 |
JP2007200693A (ja) * | 2006-01-26 | 2007-08-09 | Central Res Inst Of Electric Power Ind | 固体酸化物型燃料電池材料の製造方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013191546A (ja) * | 2012-02-17 | 2013-09-26 | Ngk Insulators Ltd | 固体酸化物型燃料電池 |
WO2017183748A1 (ko) * | 2016-04-21 | 2017-10-26 | 한국에너지기술연구원 | 원통형 sofc를 이용한 가압운전 시스템 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5251982B2 (ja) | インターコネクタ用材料、セル間分離構造体および固体電解質形燃料電池 | |
JP2011119178A (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP5336207B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP2012074306A (ja) | 固体酸化物形燃料電池用発電セル | |
JP5555474B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池用燃料極、固体酸化物形燃料電池および固体酸化物形燃料電池の作動方法 | |
JP5272572B2 (ja) | インターコネクタ用材料、セル間分離構造体および固体電解質形燃料電池 | |
KR102111859B1 (ko) | 고체산화물 연료 전지 및 이를 포함하는 전지 모듈 | |
JP2010103122A (ja) | 固体酸化物型燃料電池および固体酸化物型燃料電池の製造方法 | |
JPWO2012132894A1 (ja) | 燃料電池 | |
JP2009181928A (ja) | 固体酸化物形燃料電池セル体およびその固体酸化物形燃料電池セル体を用いた燃料電池 | |
JP5596594B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池セルの燃料極材料,燃料極,固体酸化物形燃料電池セル,および燃料極材料の製造方法 | |
JP5133787B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP5198109B2 (ja) | 横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックおよび燃料電池 | |
JP5613808B1 (ja) | 燃料電池 | |
JP5270807B1 (ja) | 固体酸化物型燃料電池 | |
JP2013051043A (ja) | 燃料電池用燃料極およびその製造方法 | |
JP5401405B2 (ja) | 横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック、横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルおよび燃料電池 | |
JP5117834B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP5198108B2 (ja) | 横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックおよび燃料電池 | |
JP4690755B2 (ja) | 横縞形燃料電池セル、セルスタック、および、燃料電池 | |
JP2004303713A (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP5597177B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池の空気極材料及び固体酸化物形燃料電池 | |
JP6063368B2 (ja) | 燃料電池 | |
JP2004259691A (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP5916013B2 (ja) | 多段式電気化学反応器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100910 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121004 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121015 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130225 |