JP2009181203A - バス調停装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リアルタイム性を要求される処理を実施する場合、CPU11の共通メモリ15へのアクセスの際の優先順位を、リアルタイム性の要求されない処理を実施する際の処理と比較して高く設定すると共に、CPU11の優先度が高く設定されている場合は、共通メモリ15へアクセスする際の最大バースト長を通常と比較して短くするよう、バス調停を実施する。
【選択図】図2
Description
HiSWANaで採用されたTDMA方式は、管理端末と呼ばれる1台の端末によりネットワーク内の各端末は管理される。管理端末は、ネットワーク全体の時刻同期を管理するためBeacon信号と呼ばれるパケットデータ(以下、BCHと記す。)を予め定められた周期で同報通信する(HiSWANaでは2ms周期)。尚、図10に、1Beacon周期内(以下、1フレームと記す。)の各種データの送受信タイミングを示している。
従来のバス調停装置は、バス調停装置に接続されている複数のバスマスタらのアクセス要求を、予め定められた優先順位に基づいて許可を与える優先度固定方式、各バスマスタからアクセス要求をほぼ均等に割り当てるようにするローテーション方式などがある。優先度固定方式は、優先順位の低いバスマスタについては共通メモリへのアクセス権が全く与えられず、システムが破綻してしまう場合がある。一方、ローテーション方式の場合は、均等にバスアクセス権は各バスマスタに与えられるが、リアルタイム性の要求されないバスマスタに対しても多くのバスアクセス権が与えられるため、システムとしてバス性能を必要以上にあげるため回路規模が増加してしまう。また、優先度固定方式の改良版としては、予め定められた期間以上アクセス権が与えられないバスマスタについては優先度を上げる方式などが考案されている。更には、各バスマスタのアクセス権の要求頻度をCPUにて監視し、要求頻度に応じてCPUによりダイナミックに優先度を変更する方式も例えば特許文献1等に記載されている。また、例えば、特許文献2では、複数のバスマスタからの各要求の優先順位を所定時間間隔毎に設定を変更する優先順位制御部と優先順位制御部によって設定が変更された優先順位に基づきバスを調停する方式が記載されている。
また、電灯線を用いたデータ通信では、コンセントに接続された例えば家電機器の動作状況に応じて伝送路の特性は時々刻々と変化する。CPUは、コンセントに接続された各クライアント端末との通信状態を監視し、時々刻々と変化する伝送路特性に合わせ、伝送路に送出するデータに施す変調方式を切り換える指示を、高速PLCのPHY部(物理層)に出力する。更に、CPUは管理端末全体の制御(機器管理)、あるいは新規に接続されたクライアント端末からのネットワーク接続要求に対して、機器認証などを実施する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るバス調停装置を適用する高速PLCネットワークシステムの概略を示す構成図である。
図示のネットワークシステムは、管理端末1、クライアント端末2,3,4、電灯線5コンセント6,7,8,9、からなる。
管理端末1は、高速PLCネットワーク全体を管理する端末であり、コンセント6は管理端末1と電灯線5とを接続するためのコンセントである。クライアント端末2〜4は、それぞれコンセント7〜9により電灯線5に接続され、PLCネットワークシステムに接続されたクライアント端末である。図示のように、実施の形態1では、管理端末1、クライアント端末2〜4によって高速PLCネットワークシステムを構成している。尚、図1に示された高速PLCネットワークシステムの構成は、本発明のデータ送受信装置におけるバス調停装置が適用できるシステム構成の一例として高速PLCを用いた場合について示したものであり、本発明のデータ送受信装置におけるバス調停装置は、他の構成を持つ高速PLCネットワークシステム、無線LANを用いたネットワーク、光を用いたネットワーク、Ethernetを用いたネットワークなどの他のシステムにも同様に適用可能である。
クライアント端末2〜4は、管理端末1より出力されるBCH信号を受信すると、その受信タイミングを元に自端末内の基準時刻の補正を実施する。BCHを用いた基準時刻補正実施後、各クライアント端末2〜4は、管理端末1より出力されるFCHを元に自端末のデータ送信タイミング、およびデータ受信タイミングを、MAC部、および変復調部に通知する(これらの構成の詳細については、図7を用いて後述する)。データ送信、および受信タイミングの通知を受けると変復調部はBCHにより補正された基準時刻情報を元にデータの送信、および受信準備を開始する。
具体的には、データ受信の場合は、FCHに基づく受信時刻になると高速PLCデータ復調回路部は、データ受信動作を開始し、データの先頭に予め付加されているプリアンブル情報の検出を実施する。プリアンブル情報が所定のタイミングで検出されると、高速PLCデータ復調回路部は検出したプリアンブル情報を元に受信データの先頭を検出して受信データを復調し、復調したデータをMAC部に出力する。一方、所定のタイミングでプリアンプルが検出できない場合は、高速PLCデータ復調回路部はMAC部に対して受信できなかった旨を通知する。
図2は本発明の実施の形態1に係るバス調停装置を適用する高速PLCを用いたデータ送受信装置の概略ブロック構成図である。
図示のように、データ送受信装置10は、CPU11、Ethernetインタフェース回路12、ブリッジインタフェース回路13、バス調停回路14、共通メモリ15、PLCモデム回路16、CPUバス17からなる。このデータ送受信装置10は、図1で示した管理端末1やクライアント端末2〜4に相当するものである。
CPU11は、データ送受信装置10各部の制御を行うと共に、後述するスケジュール生成を行うためのプロセッサである。Ethernetインタフェース回路12は、Ethernetネットワーク(第2のネットワーク)に接続される入力端子20より、Ethernetフレームデータを入力し、また、Ethernetネットワークに接続される出力端子21を介してEthernetフレームデータを出力するためのインタフェースである。ブリッジインタフェース回路13は、Ethernetインタフェース回路12より入力されるEthernetフレームデータ、Ethernetインタフェース回路12へ出力されるEthernetフレームデータ、PLCモデム回路16へ出力されるEthernetフレームデータ、PLCモデム回路16から入力されるEthernetフレームデータをブリッジするブリッジインタフェース回路である。また、これらEthernetインタフェース回路12及びブリッジインタフェース回路13によって、第1のネットワークとは異なる第2のネットワークに接続され、第1の通信手段で受信したデータの第2のネットワークのへの送信および第1の通信手段で送信するデータの第2のネットワークからの受信を行う第2の通信手段が構成されている。尚、第1のネットワークおよび第1の通信手段はPLCネットワークおよびPLCモデム回路16に相当するが、これらについては後述する。
PLCモデム回路16は、出力端子22を介して第1のネットワークであるPLCネットワークに対してPLC送信データを出力すると共に、入力端子23を介してPLCネットワークからPLC受信データを取得する回路である。CPUバス17は、CPU11、Ethernetインタフェース回路12、ブリッジインタフェース回路13、バス調停回路14、PLCモデム回路16を相互に接続するバスである。
図示のように、バス調停回路14は、優先度制御回路101、バス制御回路102、セレクタ103、I/O制御回路104を備えている。優先度制御回路101は、バス競合時に共通メモリ15へのアクセス権を与える際の優先度を出力する制御回路である。バス制御回路102は、優先度制御回路101から出力される優先度情報を元に、各ペリフェラルから入力される共通メモリ15へのアクセス要求を調停し、優先度の高い要求に対してアクセス受付信号を出力する制御回路である。
また、入力端子113〜118はバス制御回路102の入力端子である。入力端子113は、CPU11からのデータ書き込み/読み出し要求信号の入力端子、入力端子114は、PLC送信制御回路40(後述する図5、図6参照)からのPLC制御データ読み出し制御要求信号の入力端子、入力端子115は、Ethernet受信データの書き込み要求信号の入力端子、入力端子116は、Ethernet送信データの読み出し要求信号の入力端子、入力端子117は、PLC受信データのデータ書き込み要求信号の入力端子、入力端子118はPLC送信データの読み出し要求信号の入力端子である。
出力端子132〜134は、I/O制御回路104の出力端子である。出力端子132は共通メモリ15から読み出したデータの出力端子、出力端子133は共通メモリ15へ書き込む書き込みデータの出力端子、出力端子134は共通メモリ15へ出力する制御信号の出力端子である。
優先度制御回路101は、優先度テーブル(A)151、優先度テーブル(B)152、バースト長テーブル(A)153、バースト長テーブル(B)154、セレクタ155,156、セレクタ制御回路157、CPUバスインタフェース回路158を備えている。
優先度テーブル(A)151及び優先度テーブル(B)152は、共通メモリ15へのアクセス権の優先度を記憶した優先度テーブルであり、図示のように、優先度テーブル(B)152では優先度テーブル(A)151に比べて、CPUデータ読み出し/書き込みの優先度が高くなるよう設定されている。また、バースト長テーブル(A)153及びバースト長テーブル(B)154は、共通メモリ15へのアクセスの際の最大バースト長を記憶したバースト長テーブルであり、バースト長テーブル(B)154のバースト長の方が、バースト長テーブル(A)153のバースト長に比べて短くなるよう設定されている。セレクタ155は、優先度テーブル(A)151と優先度テーブル(B)152の出力を切り換えるセレクタ、セレクタ156はバースト長テーブル(A)153とバースト長テーブル(B)154の出力を切り換えるセレクタである。
PLCモデム回路16は、PLC送信制御回路40およびPLC受信制御回路50を備えている。PLC送信制御回路40は、共通メモリ15内に記憶されているEthernetインタフェース回路12にて受信したEthernetフレームデータを複数個連結し、PLC用のMACフレームを生成する送信制御回路である。PLC受信制御回路50は、電灯線5を介して受信したPLC用MACフレームデータからEthernetフレームを分離し、共通メモリ15に出力する受信制御回路である。
PLC送信制御回路40は、PLCヘッダ生成回路401、パケットデータ生成回路402、PLC送受信タイミング生成回路403、PLCネットワーク制御データ生成回路404、PLC送信用メモリ制御回路405、暗号化回路406、PLCヘッダ付加回路407、誤り訂正符号回路408、デジタル変調回路409を備えている。
PLC受信制御回路50は、デジタル復調回路501、PLCヘッダ解析回路502、誤り訂正復号回路503、暗号復号回路504、PLC制御フレーム分離回路505、PLC受信用メモリ制御回路506、PLC受信タイミング生成回路507およびPLC制御フレームデータ記憶回路508で構成される。
先ず、データ送受信装置10におけるPLCネットワークへのデータ送信時の動作を説明する。
入力端子20を介して入力されたEthernetフレームデータは、Ethernetインタフェース回路12にて予めデータに付加されているEthernet用MACヘッダ情報を元にデータ長などの情報が分離解析され、ブリッジインタフェース回路13へ出力される。ブリッジインタフェース回路13では、Ethernetインタフェース回路12よりEthernetフレームデータが入力されると、Ethernet用のMACヘッダより、送信先MACアドレス情報を用いて送り先ポートアドレスを検索する。Ethernetフレームに付加されているMACヘッダ情報の解析が終了すると、ブリッジインタフェース回路13は、受信したEthernetフレームデータを、送り先ポートの検出結果を元に共通メモリ15への書き込みアドレスおよび書き込み制御信号を生成し、バス調停回路14に対して、受信したEthernetフレームデータの書き込み要求を出力する。
実施の形態1では、共通メモリ15として、例えば一般的なSDRAMを使用した場合について説明する。通常のSDRAMへのデータの書き込み、あるいは読み出しを実施する場合のタイミングチャートを図8に示す。
バス調停回路14からの書き込み要求受付信号を受信した周辺ペリフェラルは、バス制御回路102より出力される最大バースト長情報(図示は省略している)を元に、共通メモリ15へのデータの書き込み制御信号(あるいは読み出し制御信号)を出力する。具体的には、図8に示すようにロウアドレス出力後、カラムアドレスをセレクタ103に出力する。実施の形態1では書き込みデータ、あるいは読み出しデータのバースト長はローアドレス情報と共に入力されるものとする。カラムアドレス出力後、データ書き込みであれば上記最大バースト長までの書き込みデータ、および実際に書き込むデータのバースト長情報をセレクタ103に出力する。セレクタ103では、上記バースト長情報を元に、図示していないセレクタ103内のFIFOメモリに書き込みデータを一旦記憶する。一般に、SDRAMでは、アドレス情報に引き続き出力する書き込みデータの出力タイミング、あるいはSDRAM内に記憶されているデータの読み出しタイミングは、前回アクセスを行ったアドレスによりその遅延時間が異なる。具体的には、バンクが切り換わる場合には、バンクの切り換え時間分の遅延時間が発生する。セレクタ103では、バス制御回路102の出力に基づき入力端子126〜131より入力される制御信号の切り換えを実施すると共に、書き込み、あるいは読み出しデータ、および制御信号の遅延時間の調整も実施するものとする。
図9は、PLCネットワークを介してデータの送受信が開始された際のCPU11の動作を示すフローチャートである。
CPU11は、PLCネットワークを介したデータの送受信が開始されると、通常の機器管理タスクを起動する(ステップST1)。具体的には、PLCネットワークに新たなクライアント端末が参加要求をした場合のアソシエーション・認証処理、ネットワーク接続端末管理(具体的には、定期的に通信のないクライアント端末に対してデータを送信し、接続されているかなどを確認する)、PLCネットワークの伝送路の推定などのタスクを起動する。通常、これらタスクは、リアルタイム性が要求されるものではなく、処理は数百msから数秒程度で処理を実施すればよい。機器管理タスクが起動されると、OS(オペレーティングシステム)の指令に基づき各タスクを切り換えながら実行する(ステップST2)。
管理端末1では、PLCネットワークを管理するため背景技術の項でも述べたように周期的にBCH(Beaconフレーム)、およびFCH(スケジュール情報)を出力しネットワークを管理する。図10に1フレーム内の各種データの送信タイミングを示す。尚、実施の形態1ではBCHなどのPLCネットワーク管理情報は10ms周期で出力されるものとする。よって、管理端末1内のPLC送信制御回路40ではBeaconフレーム、およびスケジュール情報を10msに一度生成する。実施の形態1では、Beaconフレーム情報としては、Beaconフレームを送出する際の管理端末1の時刻情報をペイロード情報として送出するものとする。具体的には、Beaconフレームデータ送出時のPLCネットワーク制御データ生成回路404内の基準時刻情報をペイロードとしてパケットデータ生成回路402に出力する。受信端末では、Beaconフレーム情報を受信すると内部の受信基準時刻をBeaconフレームに付加された送信側基準時刻に合わせる。管理端末1はBCHの送信に引き続きFCH(スケジュール情報)の送信を実施する。
図10にはFCH内のスケジュール情報の一例を示している。FCHは図に示すように受信時に受信データの先頭位置、およびクロック位相を検出するためのプリアンブル情報に続きスケジュール情報が付加され伝送される。スケジュール情報には、データ送受信期間に設けられた通信スロット毎に送信開始時間、送信時間、どの端末(送信端末)からどの端末(受信端末)へのデータ送信かを示す端末情報、およびデータを送受信する際の関連情報を送信する。尚、実施の形態1では、送信端末情報、および受信端末情報については各機器の持つMACアドレス情報(Media Access Control Address:メディアアクセスコントロールアドレス)を用いるものとする。尚、MACアドレス情報以外に、例えばそのPLCネットワーク内の論理ポート番号、あるいはネットワーク内でプライベートに定められた識別情報であっても同様の効果を奏することはいうまでもない。FCH内のスケジュール情報には図10に示すように通信スロット毎に上記情報が付加され伝送される。尚、通信スロットについては、データを持つ各端末が管理端末1に対して従来と同様にRCH情報、あるいは実際にデータの送信を行っている端末に関してはそのMACヘッダ部に帯域割り当て要求を付加し伝送することにより送信スロットを割り当てる。
実施の形態1では、PLCネットワーク制御データ生成回路404内の図示していない1フレーム内の時刻情報を管理するカウンタ(管理タイマ)のカウント値が予め定められた値となったときにPLCネットワーク制御データ生成回路404からCPU11に対してスケジューリングを開始するよう割り込み信号を出力する。同様に、PLCネットワーク制御データ生成回路404はバス調停回路14内の優先度制御回路101に優先度テーブルを切り換えるための優先度切り換え開始信号を出力する。また、CPU11からスケジューリングの終了が通知された場合は、優先度制御回路101に優先度テーブルを切り換える(元に戻す)ための優先度切り換え開始信号を出力する。
PLC送受信タイミング生成回路403は、スケジュール情報に基づき次に送信する宛先のクライアント端末の情報および上記連結情報をPLC送信用メモリ制御回路405に出力する。その際、PLC送受信タイミング生成回路403はPLCネットワーク制御データ生成回路404に対しても次に送信するクライアント端末の情報を出力する。PLCネットワーク制御データ生成回路404では次に送信するクライアント端末の情報が入力されると、バス調停回路14に対して共通メモリ15内の所定のエリアに記憶されている誤り訂正符号回路408、およびデジタル変調回路409の制御用データの読み出し要求信号を出力する。実施の形態1では、クライアント端末毎にデジタル変調の際の変調方式を切り換えて出力するものとする。これは、電灯線5内に加わるノイズの影響がクライアント端末周辺に接続された電機製品の動作状態により時々刻々と変化するからである。従って、PLCを用いたデータ送受信装置は、接続先のクライアント端末との通信路の状態を監視しておき、通信状態が悪くなったら、伝送速度を落としノイズに強い変調方式に切り換える。一方、通信状態が回復したら伝送速度を上げる制御を実施する。
バス調停回路14には、上記PLCネットワーク制御データ生成回路404からの上記制御用データの読み出し要求とPLC送信用メモリ制御回路405からのEthernetフレームデータの読み出し要求が入力される。また、バス調停回路14へは、ブリッジインタフェース回路13からの受信Ethernetフレームのデータ書き込み要求、およびEthernetインタフェース回路12への送信データの読み出し要求が非同期で入力される。また、CPU11も上述したように、リアルタイム性の要求されないタスク処理が実行されており、データの共通メモリ15への書き込み要求、および読み出し要求がバス調停回路14に入力される。
管理端末1が起動し、データの送受信が開始されるとバス調停回路14中のバス制御回路102は共有メモリ15へのアクセス要求がないか確認する(ステップST21)。入力端子113〜118を介して上記要求信号が入力されると、バス制御回路102は、現在共有メモリ15はアクセス中かを確認する。具体的には、共通メモリバスビジー信号がアクティブであるか確認する(ステップST22)。共通メモリバスビジー信号がアクティブな場合は、バスアクセス権が解放されるまで待つ。共通メモリバスビジー信号が非アクティブになると、バス制御回路102は、複数のペリフェラルからの要求か確認する(ステップST23)。単一のペリフェラルからの要求であった場合は、バスアクセスを要求してきたペリフェラルに対して要求受付信号を出力(例えばPLC送信データ読み出し要求のみを受け取った場合はPLC送信データ読み出し要求受付信号を出力)する(ステップST24)と共に、共通メモリバスビジー信号をセットする(ステップST25)。その際、セレクタ103に対して所定の入力を選択するよう制御信号を出力する。尚、実施の形態1では、図8に示すタイミングで共通メモリ15を制御するので、上記セレクタ103への上記制御信号の出力タイミングは共通メモリバスビジー信号の立ち上がりエッジに同期して切り換えるよう制御する。そして、バス制御回路102は許可したペリフェラルが共通メモリ15へのアクセスが完了するまで待機する(ステップST26)。許可したペリフェラルの共通メモリ15へのアクセスが完了すると、バス制御回路102はバスビジー信号をリセットし(ステップST27)、共通メモリ15へのアクセス要求がないか確認する(ステップST21)。
複数のペリフェラルからのアクセス要求がある場合、バス制御回路102は優先度制御回路101に対して各ペリフェラルの優先度および共通メモリ15へのアクセス時のバースト長情報(SDRAMへ連続して転送するデータの最大ワード長)を確認するよう指示を出す。優先度制御回路101では、二つの優先度テーブルを管理しており、管理端末1がリアルタイム性の要求されるスケジュール生成などの処理をCPU11にて実施している場合、セレクタ155では優先度テーブル(B)152を選択し、セレクタ156ではバースト長テーブル(B)154を選択する。一方、CPU11がリアルタイム性の要求されない伝送路推定などの処理を実施している場合、セレクタ155は優先度テーブル(A)151を選択し、セレクタ156はバースト長テーブル(A)153を選択する。
実施の形態1では、優先度制御回路101はPLCネットワーク制御データ生成回路404よりスケジュール開始要求がセレクタ制御回路157に入力されると、セレクタ155および156に対して、それぞれ優先度テーブル(B)152およびバースト長テーブル(B)154を選択するよう制御信号を出力する。尚、PLCネットワーク制御データ生成回路404は、その際、CPU11に対してもスケジュール生成を開始するよう割り込み信号を出力する。
また、CPU11は通常キャッシュメモリ(例えば32KB程度)を内蔵している。例えば、キャッシュメモリのヒット率を95%程度とすると20命令に1回程度アクセス要求が発生する。従って、CPU11の優先順位を4番目に上げたとしても、順位の下がったEthernetインタフェース回路12からの送受信データについても共通メモリ15へのアクセス権は与えられることになる。
一般に、バースト長が長いと例えば図8に示す実際にアドレス入力からメモリアクセスまでの時間が一定であるのでデータの転送効率は上がるが、反対に、アクセス権を獲得するまでのレイテンシ(遅延時間)が増加する。実施の形態1では、スケジュール生成時には、少なくともPLCネットワークからの受信データの共通メモリ15への書き込み、およびPLCネットワークへの送信データ共通メモリ15からの読み出しの際のバースト長を小さくするように構成する。これは、次のような理由からである。
複数のペリフェラルからの共通メモリ15へのアクセス要求を確認する(ステップST23)と、バス制御回路102は優先度制御回路101より出力される優先度テーブル情報、および最大バースト長情報を確認する。そして、優先度情報に基づき、競合しているアクセス要求の中から一番優先度の高いアクセス要求を選択し、要求受付信号を出力する(ステップST28、ST29)。例えば、優先度制御回路101では優先度テーブル(A)151が選択されており、入力端子113を介して入力されるCPUデータ書き込み/読み出し要求信号、入力端子114を介して入力されるPLC制御データ読み出し要求信号、および入力端子116を介して入力されるPLC送信データ読み出し要求信号が競合していた場合、バス制御回路102は、優先度の一番高いPLC制御データ読み出し要求に対する受付信号を出力端子121を介して要求元であるPLCネットワーク制御データ生成回路404に出力する。その際、実施の形態1では最大バースト長情報についてもPLCネットワーク制御データ生成回路404に通知するものとする。要求受付信号を受信した周辺ペリフェラルは、その際受信した最大バースト長情報を確認し、送信データのバースト長を決定し、制御信号と共にデータ書き込みであれば共通メモリ15への書き込みデータをバス調停回路14内のセレクタ103へ出力する。一方、読み出しの場合は、最大バースト長情報を元に、共通メモリ15から読み出したデータの受け入れ準備を実施する。
管理端末1が起動すると、初期化のシーケンスで、CPU11はCPUバスインタフェース回路158を介して優先度テーブル(A)151、優先度テーブル(B)152、バースト長テーブル(A)153およびバースト長テーブル(B)154に所定の優先順位、およびバースト長データを書き込む。上記テーブルデータの書き込みが完了すると優先度制御回路101は通常の動作を開始する。通常動作を開始すると、優先度制御回路101は、優先度テーブル(A)151およびバースト長テーブル(A)153を選択するようセレクタ制御回路157より制御信号を出力する。その後、CPU11は初期化動作を完了するとPLCネットワークの管理端末として動作を開始する。具体的には、10ms周期でBCH、FCHなどの制御フレームの送信を開始する。制御フレームの送信が開始されるとPLCネットワーク制御データ生成回路404は所定のタイミングで、CPU11、および優先度制御回路101にスケジュール生成開始(優先度切り換え開始信号)を通知する。優先度切り換え開始信号が入力されるとセレクタ制御回路157はセレクタ155、および156に優先度テーブルB152、およびバースト長テーブルBを選択するよう制御信号を出力する。
CPU11での例えばスケジューリング処理はリアルタイム制を要求されるために予め定められたタイミング(FCH送信の前)までに完了しておく必要がある。しかしながら、処理途中であっても、その時点までに完了しているスケジュールデータをPLCネットワークに送出してもシステムとして破綻することはない。これは、具体的には、例えば、管理端末1からクライアント端末2〜4への送信用タイムスロットについて、スケジューリングは完了しており、クライアント端末2〜4から管理端末1へのタイムスロットは、例えばクライアント端末2のみ完了している場合は、そこまでのスケジューリング結果をFCHにて送信するよう制御する。この場合、実際には、クライアント端末3、およびクライアント端末4に対してもタイムスロット割り当てることはできるため伝送帯域は有効に活用することはできないが、システムとしては破綻しない。
PLC送受信タイミング生成回路403よりデータを送信するクライアント端末情報、スケジュール情報、および連結情報が入力されるとPLC送信用メモリ制御回路405はバス調停回路14に対して送信するEthernetフレームデータの読み出し要求を出力する。また、PLC送受信タイミング生成回路403はPLCネットワーク制御データ生成回路404に対して送信するクライアント端末情報、およびPLC制御データを読み込むためのタイミング信号を出力する。PLCネットワーク制御データ生成回路404は上記タイミング信号が入力されると、クライアント端末情報を元に、送信先クライアント端末の各キャリアのデジタル変調テーブル(適応変調テーブル)、スクランブル情報、誤り訂正符号化モード情報などが記憶されている共通メモリ15のアドレス情報を確認し、バス調停回路14に対してこれら情報を読み出すための要求信号を出力する。
各クライアント端末2〜4は、上述したようにBeaconフレーム(BCH)により、管理端末1と自端末の間の時刻同期を確立する。Beaconフレームにより時刻同期(基準時刻合わせ)が確立すると、その基準時刻を元に管理端末1−各クライアント端末間のMACフレームデータの送受信を実施する。よって、PLCネットワークを介したデータの送受信動作が開始されると、各クライアント端末は管理端末1より送出されるBeaconフレーム(BCH)の検出を開始する。BCHを検出すると、Beaconフレーム中に付加されている管理端末1の基準時刻情報を元に各受信端末の基準時刻の補正を実施する。
尚、バス調停回路14でのアクセス権調停動作は送信時に説明したものと同一であるのでここでの詳細な説明は省略する。
実施の形態2は、バス調停手段が、処理毎にバスアクセス権の最大遅延時間を設定し、最大遅延時間を超えた処理が存在した場合はその処理のバスアクセス権の優先度を高くするようにしたものである。
図14は、実施の形態2のバス調停装置におけるバス調停回路の内部を示す構成図である。
実施の形態2では、入力端子113〜118とバス制御回路141との間に、それぞれ遅延時間計測カウンタ142〜147が設けられている。これらの遅延時間計測カウンタ142〜147は、それぞれ入力端子113〜118を介してアクセス権要求信号が入力されるとカウントを開始し、アクセス権が受け付けられるとバス制御回路141より出力されるバスアクセス権受付を示す信号によりカウント値を0にリセットすると共にカウント動作を停止するよう構成されたカウンタである。バス制御回路141は、実施の形態1のバス制御回路102と同様の機能を有すると共に、遅延時間計測カウンタ142〜147のカウント値に基づいて、入力端子113〜118からのアクセス要求信号に対する優先度の制御する機能を有している。
これ以外の構成は実施の形態1と同様であるため、その他の構成については説明を省略する。
実施の形態2では、バス調停回路14内の共通メモリ15へのアクセスの際の優先順位を決定する動作が実施の形態1で説明したものと異なる。よって、実施の形態2では、実施の形態1と異なるバス調停回路14のバスアクセス権の調停動作のみについて詳細な動作説明を行い、実施の形態1と同様の動作についてはその説明を省略する。
管理端末1が起動し、データの送受信が開始されるとバス調停回路14中のバス制御回路141は、共有メモリ15へのアクセス要求がないかを確認する(ステップST21)。入力端子113〜118を介して上記要求信号が入力されると、バス制御回路141は、現在共有メモリ15はアクセス中かを確認する。具体的には、共通メモリバスビジー信号がアクティブであるか確認する(ステップST22)。その際、バス調停回路14内のアクセス要求のあったペリフェラルの要求信号に接続された遅延時間計測カウンタ142〜147のカウントを開始する。実施の形態2では、優先順位の低い周辺ペリフェラルからのアクセス要求についても所定の時間以内にはアクセスできるように、アクセス権の要求信号受信後、遅延時間計測カウンタ142〜147のカウントを開始し、予め定められた時間以上アクセス権が獲得できなかった場合、バス制御回路141は、次のバス調停の際に、優先順位を一番高く設定するように制御する。これにより、優先順位が低く、アクセス権が中々獲得できないペリフェラルに関しても、最低限のアクセス権を与えることができるようになる。
複数のペリフェラルからのアクセス要求がある場合、バス制御回路141は優先度制御回路101に対して各ペリフェラルの優先度、および共通メモリ15へのアクセス時のバースト長情報(SDRAMへ連続して転送するデータの最大ワード長)を確認するよう指示を出す。その際、実施の形態2では、各周辺ペリフェラルの最大遅延時間(優先順位を切り換える際の、遅延時間計測カウンタのカウント値)についても最大バースト長情報と共に優先度制御回路101から入手する。尚、優先度制御回路101の通常動作時の制御は、上記最大バースト情報に加え、最大遅延時間情報をバス制御回路141に通知することのみ実施の形態1とは異なり、優先度テーブル、最大バースト長情報などの内容、およびテーブル切り換え制御などの回路動作は同一であるのでここでの詳細な説明は省略する。また、初期化のシーケンスでの動作についても、最大バースト長情報と共に、バースト長テーブル(A)153、およびバースト長テーブル(B)154に最大遅延時間情報を書き込む動作のみが実施の形態1とは異なるだけなので、詳細な動作説明は省略する。
実施の形態1で説明したように、例えばCPU11はリアルタイム性の要求されないタスクを実施している場合は、共通メモリ15へのアクセス権は一番低く設定されている。しかし、例えばEthernetインタフェース回路12にて受信したEthernetフレームに誤りが検出された場合、あるいはオーバーランエラーなどが発生した場合に、通常Ethernetインタフェース回路12に対して割り込みを発生させ、異常が起きたことを通知する。しかしながら、割り込みを受け取った場合でも、CPU11は優先順位が一番低く設定されており、かつ、PLCモデム回路16でのデータ送受信状況などで共通メモリ15へのアクセス権が全く取れない場合が発生する。本件は、リアルタイム性を要求される処理ではないが、エラー処理などを各周辺ペリフェラルに通知するなどの処理を実施する必要がある。このようなケースで、CPU11が少なくとも予め定められた時間以内で処理が完了できるように、実施の形態2では、各周辺ペリフェラルからのアクセス権要求に対する最大遅延時間を設定する。これにより、各周辺ペリフェラルは共通メモリ15へのアクセス権を、少なくとも一定の遅延時間以内には獲得することができるので、優先順位の低いペリフェラルも一定の共通メモリ15へのアクセス権を獲得できる。これにより、システム設計の際の、最大レイテンシが机上で計算できるので、システム設計の際に、内蔵するFIFOメモリの容量などを必要以上に大きくする必要がなく、システムの最適化を図ることができる。
バス制御回路141は、複数のペリフェラルからの共通メモリ15へのアクセス要求を確認する(ステップST23)と、バス制御回路141は、優先度制御回路101より出力される優先度テーブル情報、最大バースト長情報、および各周辺ペリフェラルの最大遅延時間情報を確認する。次に、バスアクセス権を要求してきている各周辺ペリフェラルの遅延時間を確認する。具体的には、遅延時間計測カウンタ142〜147の出力が最大遅延時間情報より大きくないか確認する。大きいものがあった場合は、その優先度を、優先度制御回路101より出力される優先度よりも高く設定する。更に、複数の周辺ペリフェラルの要求が最大遅延時間を上回っていた場合は、最大遅延時間が上回っていた周辺ペリフェラルの中で、一番優先度の高いものに対してアクセス権を与えるよう制御する。一つしかなかった場合は、最大遅延時間を上回っていたペリフェラルにアクセス権を与える。
また、実施の形態1では、スケジュール生成時のみ、CPU11の優先順位を上げるように制御したが、これに限るものではなく、スケジュール生成と同様にリアルタイム性の要求される処理をCPU11にて実施する場合は、CPU11の優先度を、リアルタイム性の要求されない処理を実施する場合と比較して高くするよう制御すれば良い。更に、二つ以上リアルタイム性の要求される処理がある場合、それぞれの処理で、優先順位が異なるようバス調停回路14を制御しても同様の効果を有することは言うまでもない。例えば、スケジュール生成以外のリアルタイム性の要求される処理が、非常に短いステップで実施される場合、実施の形態1とは異なり、本処理の優先順位を最優先としても同様の効果を有することは言うまでもない。
Claims (4)
- 予め定められた周期で与えられるデータ送受信タイミングデータに基づいて、第1のネットワークを介してデータの送受信を行う第1の通信手段と、
前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークに接続され、前記第1の通信手段で受信したデータの送信および前記第1の通信手段で送信するデータの前記第2のネットワークからの受信を行う第2の通信手段と、
前記データ送受信タイミングデータの生成を行う送受信タイミングデータ生成手段と、
前記第1の通信手段、前記第2の通信手段および前記送受信タイミングデータ生成手段とはバスを介して接続され、前記第1の通信手段の送受信データと前記第2の通信手段の送受信データを記憶すると共に、前記送受信タイミングデータ生成手段がアクセスを行う共通メモリと、
前記バスを介して行われる前記共通メモリへの前記第1の通信手段、前記第2の通信手段および前記送受信タイミングデータ生成手段からのデータ書き込み/読み出し要求を調停すると共に、前記送受信タイミングデータ生成手段で前記データ送受信タイミングデータの生成を実施する場合は、当該送受信タイミングデータ生成手段のバス調停の優先順位を、前記第2の通信手段にて受信した受信データの前記共通メモリへの書き込みおよび前記第2の通信手段から送信される送信データの前記共通メモリからの読み出し要求より高くし、他の処理では前記第1の通信手段および前記第2の通信手段にて受信した受信データの前記共通メモリへの書き込みと、前記第1の通信手段および前記第2の通信手段で送信する送信データの前記共通メモリからの読み出しよりバス調停の際の優先順位を低くするよう制御するバス調停手段とを備えたバス調停装置。 - バス調停手段は、少なくとも、送受信タイミングデータ生成手段がデータ送受信タイミングデータの生成を行う場合は、第1の通信手段および第2の通信手段が共通メモリへアクセスする際のデータ長を短く制限するよう制御することを特徴とする請求項1項記載のバス調停装置。
- 送受信タイミングデータ生成手段は、予め定められた周期で送信されるデータ送受信タイミングデータの送信タイミングを管理する管理タイマを有し、
バス調停手段は、前記管理タイマが所定の時刻になった際に、前記送受信タイミングデータ生成手段の優先順位を上げると共に、前記送受信タイミングデータ生成手段での前記データ送受信タイミングデータ作成が完了した場合は、優先順位を下げるよう制御することを特徴とする請求項1または請求項2記載のバス調停装置。 - バス調停手段は、処理毎にバスアクセス権の最大遅延時間を設定し、当該最大遅延時間を超えた処理が存在した場合は前記処理のバスアクセス権の優先度を高くすることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のバス調停装置。
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