JP2009180842A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
転写紙が厚紙の場合であって、加圧ローラを温めるための前回転時間が長い場合であっても、サーミスタが検知する温度が目標温度に対して高い方に発散せず、1枚目の転写紙先端部分の定着性を満足することを可能とする。
【解決手段】
電力制御手段は立ち上げ制御手段からPI制御に切替える切替え時に立ち上げ制御終了時の通電量を初期のオフセット値として記憶しておき、通紙された転写紙の先端が定着ニップ突入直前に、記憶された初期オフセット値を用いた通電量に変更することで、1枚目の転写紙先端部分の定着性を満足することができる。
【選択図】 図3
転写紙が厚紙の場合であって、加圧ローラを温めるための前回転時間が長い場合であっても、サーミスタが検知する温度が目標温度に対して高い方に発散せず、1枚目の転写紙先端部分の定着性を満足することを可能とする。
【解決手段】
電力制御手段は立ち上げ制御手段からPI制御に切替える切替え時に立ち上げ制御終了時の通電量を初期のオフセット値として記憶しておき、通紙された転写紙の先端が定着ニップ突入直前に、記憶された初期オフセット値を用いた通電量に変更することで、1枚目の転写紙先端部分の定着性を満足することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、プリンタ装置、ファクシミリ装置、複写機等の画像形成装置において、転写紙上に画像形成・転写されたトナー像を熱と圧力を利用して転写紙に定着させる画像形成装置に関するものである。
転写紙に画像形成された未定着のトナー画象を該転写紙に定着させる定着装置として、加熱部材にローラを使用し熱源をハロゲンヒータとするローラ定着と、加熱部材にフィルムを使用し熱源をセラミックヒータとするフィルム定着などが知られている。
上記定着装置の温度制御は、加熱部材の温度を検出する温度検出素子(以下、サーミスタ)からの出力値を取得し、この情報を基にスイッチング素子によりヒータに通電するAC電位を位相/波数制御によりパルス幅変調をかけてヒータへの通電電力を制御することで行う。上記ヒータへの通電電力量を、以降ヒータ出力値と記載する。
また、上記ヒータ出力値は、加熱部材の目標温度へ適切に立ち上げるための立ち上げ制御と、目標温度に追従させるためのPI制御(比例(Proportional)+積分(Integral)制御)により設定している。
上記立ち上げ制御は、サーミスタの検知温度(以下、サーミスタ検知温度)から得られる温度上昇率に応じてヒータ出力値を適切に変更しながら定着装置を立ち上げる電力制御方法である。
上記PI制御は、前記立ち上げ制御終了時のヒータ出力値を初期の基準電力(以下、オフセット値)として電力制御される。オフセット値は積分制御(以下、I制御)により設定される値であり、I制御で決定したオフセット値を基準に比例制御(以下、P制御)の要素を加味した値が最終的なヒータ出力値となる。
画像形成過程における電力制御は、定着ニップに転写紙を通過させてよい温度(以下、前回転目標温度)まで上記立ち上げ制御を用いて定着装置を立ち上げ、上記サーミスタ検知温度が前回転目標温度に達すると上記PI制御に切替える。PI制御移行後には定着ニップに転写紙が存在している(以下、通紙)時と、存在していない(以下、紙間)時も関係なく同じPI制御を実行している。
転写紙が厚紙の場合、加圧部材(以下、加圧ローラ)の保有温度を高くする必要があるため、上記サーミスタ検知温度が上記前回転目標温度に到達してから通紙まで(以下、前回転)の時間を長く実行している。
上記前回転中はPI制御を実行しており、定着ニップに転写紙が無い状態でI制御も実行することにより通紙直前でのオフセット値は減少してしまう。オフセット値が減少した状態で通紙状態に移行すると、電力不足が発生し、且つサーミスタ検知温度も通紙用の目標温度に達しないため定着不良を起こしてしまう。
これを回避するために、前回転中はI制御を行わず、立ち上げ終了時のヒータ出力値を初期オフセット値とし、以降のオフセット値は固定したままP制御での要素値を加算してPI制御のヒータ出力値としている。
しかしながら、I制御を行わないことで、目標温度とサーミスタ検知温度の定常偏差を解消するための基準電力が固定されることと、転写紙に奪われる熱を考慮して設定されている厚紙用のP制御を用いることでサーミスタ検知温度が目標温度に対して高くなる方に発散してしまう。サーミスタ検知温度が目標温度に対して高くなる方に発散してしまうと、通紙状態に移行した時点で、サーミスタ検知温度が目標温度よりも高い位置にあるのでヒータ出力値を減算することになる。通紙される転写紙の先端が定着ニップ通過時に電力値が足りなければ、定着不良が発生してしまう。
そこで、本発明の目的は、転写紙が厚紙の場合であって、加圧ローラを温めるための前回転時間が長い場合であっても、サーミスタが検知する温度が目標温度に対して高い方に発散せず、1枚目の転写紙先端部分の定着性を満足することを目的とする。
本発明による画像形成装置は、画像情報に基づいて転写紙にトナー像を形成する作像装置と、ヒータを内蔵した加熱部材と加圧ローラが互いに圧接して形成している定着ニップ部に転写紙を通過させて、トナー像が形成された転写紙を加熱定着する定着装置と、加熱部材の目標温度を設定する温度設定手段と、加熱部材の温度を検知する温度検知手段と、ヒータへの通電量を制御する電力制御手段と、を備え、電力制御手段は、温度設定手段によって設定された目標温度まで所定時間内で立ち上げるための立ち上げ制御と、温度検知手段によって検知される検知温度を目標温度に追従させるためのPI制御を行い、検知温度が目標温度に到達後に立ち上げ制御手段からPI制御に切替える切替え手段とを有する画像形成装置において、電力制御手段の切替え時に立ち上げ制御終了時の通電量を初期のオフセット値として記憶する記憶手段を備え、電力制御手段は、通紙された転写紙の先端が定着ニップ突入直前に、記憶手段によって記憶された初期オフセット値を用いた通電量に変更することを特徴とする。
また、加熱部材は、フィルム部材で構成されるようにしてもよい。
本発明によれば、転写紙が厚紙の場合で前回転時間が長くても、前回転実行中はPI制御を実行することでサーミスタ検知温度の発散を防ぐことができ、且つ、前回転終了後1枚目の転写紙に対して、立ち上げ制御終了時のオフセット値を用いることで転写紙先端部分の電力不足を解消することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態では、画像形成装置の一例としてプリンタについて説明するが、本発明はプリンタに限られるものではなく、複写機、ファクシミリ等、他の画像形成装置にも適用可能である。
図1は、本実施形態におけるプリンタのシステム概略の構成を示す図である。プリンタ1は、ホストコンピュータ等の外部装置2から、画像出力に必要なコマンド、及び画像データを受信する。
プリンタ1は、外部装置2から送られてくる画像データとしての、文字情報、イメージ情報、あるいはベクトル情報等のデータを解析し、ページ単位でビデオ信号に変換するビデオコントローラ3と、このビデオ信号に応じてレーザを変調し、転写紙に文字や画像等の可視画像をトナー作像するための作像装置7と、転写紙を給紙搬送する搬送装置6と、転写紙にトナー画像を熱と圧力により定着させる定着装置5と、作像装置7、搬送装置6、定着装置5を制御するエンジンコントローラ4によって構成されている。本発明は、図1において、定着装置5及び、その制御に関連している。
図2は定着装置5の構成概略を示している。定着装置5は、転写紙12に圧力をかける加圧ローラ8と、この加圧ローラ8を温め、転写紙12に熱を与えるためのヒータ10と、温度を検知する図示していないサーミスタとを内蔵した薄肉の加熱部材9を有し、加熱部材9と加圧ローラ8により形成される定着ニップ11にトナー像の載った転写紙12を通過させることでトナー像を転写紙12に定着させる。加熱部材9は加圧ローラ8が熱定着に必要な温度を保てるように、サーミスタが検知する温度に基づいてヒータ10への通電電力値を制御している。
図3は厚紙の転写紙に画像形成を行った場合のサーミスタ検知温度の推移と、電力制御方法を示す。まず、上記エンジンコントローラ4から温調指示を受けると、定着装置5は所定時間内に定着実行に必要な温度(前回転目標温度)に立ち上げるため、所定間隔でサーミスタ検知温度の温度上昇率を測定し、該温度上昇率によりヒータ出力値を補正しながら加熱部材の温度制御を行う(図中立ち上げ制御)。
電力制御はサーミスタ検知温度が前回転目標温度到達後に上記立ち上げ制御からPI制御に切替える。
上記PI制御は、サーミスタ検知温度と前回転目標温度の定常偏差を解消するため、I制御により基準電力(オフセット値)を補正し、該サーミスタ検知温度と該前回転目標温度との差分により出力値を決定するP制御を順次行い、I制御で求めたオフセット値にP制御で求めた出力値を加算して最終的なヒータ出力値を設定する。
上記PI制御に移行後、加圧ローラ8を温める為、定着ニップ11への通紙を直ぐには許可せず、前回転目標温度を維持したまま所定時間(ここでは5secとする)温調を行う。上記所定時間経過後、定着ニップ11へ上記搬送装置6により、転写紙12を搬送する。転写紙先端が定着ニップ突入直前、目標温度を前回転目標温度から通紙目標温度に設定変更し、通紙用の温調を開始する。この間、電力制御は上記PI制御を継続する。
画像形成枚数が1枚の場合、転写紙12の後端が定着ニップ11を抜けた時点で電力制御をOFFして所定時間温調しない後回転に入る。また、画像形成枚数が複数の場合、転写紙12の後端が定着ニップ11を抜けた時点で、通紙目標温度から所定温度減算した紙間目標温度に設定し、電力制御はPI制御を継続する。これを画像形成終了するまで繰り返し、上記後回転を経て画像形成工程を完了する。
図4は、本発明におけるヒータ電力制御の流れを示すフローチャートである。まず、上記エンジンコントローラ4から温調指示を受けると(S1)、定着装置5の温度保有状態、通紙する転写紙12の紙種、サイズ等により加熱部材9の目標温度を前回転用に設定する(S2)。サーミスタ検知温度が該目標温度に到達したかを判断し(S3)、該目標温度に達するまで前記立ち上げ制御を行う(S3,NO)。
上記サーミスタ検知温度が上記目標温度を検知すると(S3,YES)、立ち上げ制御後の電力制御であるPI制御用に、該立ち上げ制御終了時のヒータ出力値をオフセット値として設定する(S4)。また、この時のオフセット値をbuf_offset値として記憶しておく(S5)。
次に、上記オフセット値を使用して前記PI制御を開始する(S6)。前回転状態での温調は、前記所定時間(5sec)経過し、転写紙12が定着ニップ11に突入するタイミングまで、目標温度を前回転用に保ったまま、PI制御を所定間隔で実行する(S7,NO)。
上記所定時間経過後、搬送装置6によって転写紙12を定着ニップ11まで搬送し、該転写紙12の用紙先端が定着ニップ11に突入する直前(S7,YES)に前記記憶していたbuf_offset値を通紙/紙間状態で使用する初期のオフセット値とし(S8)、加熱部材9の目標温度を前回転用から通紙用に設定変更する(S9)。該通紙目標温度は該前回転目標温度より高く設定される。
以降、定着ニップ11に転写紙12がある場合(S11,NO/S14,NO)に該目標温度を通紙用に、定着ニップに転写紙が無い場合(S11,YES/S14,YES)に該目標温度を紙間用に設定して上記PI制御を継続する。
指定された画像形成枚数の画像形成処理が終了すれば(S15,YES)、電力制御をOFFして後回転処理を実行し(S16)、定着装置5の画像形成工程を終了する。
なお、初期オフセット値は、前記立ち上げ制御終了時の通電量から所定量補正を行っても良い。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。例えば、本発明の画像形成装置は、プリンタを例として説明したが、複写機、ファクシミリあるいは、これらの複合機等であってもよい。
1 画像形成装置本体
2 外部装置
3 ビデオコントローラ
4 エンジンコントローラ
5 定着装置
6 搬送装置
7 作像装置
8 加圧ローラ
9 加熱部材(フィルム部材)
10 ヒータ
11 定着ニップ
12 転写紙
2 外部装置
3 ビデオコントローラ
4 エンジンコントローラ
5 定着装置
6 搬送装置
7 作像装置
8 加圧ローラ
9 加熱部材(フィルム部材)
10 ヒータ
11 定着ニップ
12 転写紙
Claims (2)
- 画像情報に基づいて転写紙にトナー像を形成する作像装置と、
ヒータを内蔵した加熱部材と加圧ローラが互いに圧接して形成している定着ニップ部に転写紙を通過させて、トナー像が形成された転写紙を加熱定着する定着装置と、
前記加熱部材の目標温度を設定する温度設定手段と、
前記加熱部材の温度を検知する温度検知手段と、
前記ヒータへの通電量を制御する電力制御手段と、を備え、
前記電力制御手段は、前記温度設定手段によって設定された目標温度まで所定時間内で立ち上げるための立ち上げ制御と、前記温度検知手段によって検知される検知温度を前記目標温度に追従させるためのPI制御を行い、
前記検知温度が前記目標温度に到達後に前記立ち上げ制御手段から前記PI制御に切替える切替え手段を有する画像形成装置において、
前記電力制御手段の切替え時に、前記立ち上げ制御終了時の通電量を初期のオフセット値として記憶する記憶手段を備え、
前記電力制御手段は、通紙された転写紙の先端が定着ニップ突入する直前に、前記記憶手段によって記憶された初期オフセット値を用いた通電量に変更することを特徴とする画像形成装置。 - 前記加熱部材は、フィルム部材で構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008018395A JP2009180842A (ja) | 2008-01-29 | 2008-01-29 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008018395A JP2009180842A (ja) | 2008-01-29 | 2008-01-29 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009180842A true JP2009180842A (ja) | 2009-08-13 |
Family
ID=41034884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008018395A Withdrawn JP2009180842A (ja) | 2008-01-29 | 2008-01-29 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009180842A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011164234A (ja) * | 2010-02-07 | 2011-08-25 | Ricoh Co Ltd | 定着装置及び画像形成装置 |
JP2015165277A (ja) * | 2014-03-03 | 2015-09-17 | 株式会社リコー | 定着装置及び画像形成装置 |
-
2008
- 2008-01-29 JP JP2008018395A patent/JP2009180842A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015165277A (ja) * | 2014-03-03 | 2015-09-17 | 株式会社リコー | 定着装置及び画像形成装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110405 |