JP2009179837A - 巻取り式蒸着装置及び巻取り式蒸着方法並びにバリアフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子ビームにより加熱されて蒸発する蒸発物質を、巻取り走行されるフィルム基材12に蒸着してガスバリア性の薄膜を形成する巻取り蒸着装置において、成膜ロール15に正の電位を印加するプラズマ生成用直流電源26を設け、この直流電源26から成膜ロール15に正の電位を印加して、巻出し・巻取り室内20でフィルム基材12が成膜ロール15から剥離された後の当該フィルム基材12と成膜ロール15との間にプラズマ27を発生させる構成にした。
【選択図】図2
Description
ところが、アルミニウムなどの金属箔やアルミニウム蒸着フィルムを用いた包装材料は、ガスバリア性に優れるが、包装材料を透視して内容物を確認することができないだけではなく、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならない点や包装後の内容物などの検査の際に金属探知器が使用できないなどの問題を有していた。同様に、包装用途ではなくとも酸素や水蒸気の浸入で耐久性が劣化するようなエレクトロニクス部材等にもガスバリア性が必要とさる。同時に可視光線の透過が求められるときは、金属箔やアルミニウム蒸着フィルムでは対応しきれない問題があった。
この種、従来の巻取り式真空蒸着装置について、図1を参照して説明する。
図1は、従来における巻取り式真空蒸着装置の構成を示す概略図である。この図1において、成膜用の真空チャンバー1内は隔壁2により巻出し・巻取り室1aと成膜室1bとに仕切られている。この巻出し・巻取り室1aと成膜室1bには、それぞれの室を真空に排気する真空ポンプ3a,3bが接続されている。また、真空チャンバー1内には、仕切材2に形成した開口2aを通して巻出し・巻取り室1aと成膜室1bの両方に周面が臨むように配置された成膜ロール4が回転可能に設けられている。
巻出し・巻取り室1a内には、ロール状に巻回された長尺な樹脂フィルム基材5を成膜ロール4に向けて巻出す巻出しロール6と、成膜室1bでガスバリア性薄膜が蒸着された樹脂フィルム基材4を巻き取る巻取りロール7がそれぞれ回転可能に配設されている。また、成膜室1b内には、蒸発材料8Aを収容した耐熱性のるつぼ8及びるつぼ8内の蒸発材料8Aに高エネルギーの電子ビーム9aを照射することで加熱蒸発させる電子銃9が配設されている。
また、張力<静電気力の場合は、フィルム基材5が成膜ロール4の周面から剥がれることがないため、フィルム基材4は成膜ロール44の周面に張り付いたまま成膜ロール4と一体に成膜ロール3のフィルム基材引き出し側(巻取りロール7と対向する側)からフィルム基材の導入側へと巻き込まれ、その結果、フィルム基材の巻取りが不可能となる。これに対処するために、成膜ロール4での剥離箇所の静電気力を減らす方法が多数考えられてきた。この静電気力は電子ビームによって蒸発材料8Aの上部より散乱電子や反跳電子などがフィルム基材5まで到達したものと考えられている。これは、電子ビームを蒸発材料に照射することで急激に静電気力が増大している点から予想できる。さらに生成する薄膜も金属酸化物であると誘電体になるため、散乱電子や反跳電子などが蓄積してしまう。
さらに、放電すると静電気力が開放され、張力のバランスが崩れ巻取りの挙動が不安定となる。帯電が極度に増えるとフィルム基材が成膜ロールから剥がれなくなり、成膜ロールに何重にも巻き込まれてしまう。樹脂の種類によってはフィルムが切れてしまい、時間的影響が大きく生産性を低下させる。
また、特許文献1に示す巻取り式真空蒸着装置によれば、イオンによる中和で静電気力を減少させることが考えられている。このイオンの役割はフィルム基材に到達する前もしくはフィルム基材上で帯電のよう要因になる電子を中和することで静電気力の緩和を行う。ただし、イオン発生のための装置が必要なことと成膜条件によってイオン中和の最適条件が変わってしまう問題がある。
請求項3の発明は、請求項1記載の巻取り式蒸着装置において、前記真空チャンバー内で前記巻出し・巻取り室と前記成膜室との間に中間室が設けられ、前記中間室内を排気して第3の圧力に調節する第3の圧力調節手段が設けられ、前記成膜ロールに巻き掛けられた前記フィルム基材の一部が前記中間室に位置していることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4記載のバリアフィルムにおいて、前記蒸発材料が金属であり、前記成膜室内に酸素ガスを導入することで前記フィルム基材に金属酸化物からなるガスバリア性薄膜を成膜することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4記載のバリアフィルムにおいて、前記金属酸化物が酸化アルミニウムであることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項8記載のバリアフィルムにおいて、前記酸化化合物が酸化珪素であることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項8記載の巻取り式蒸着方法において、前記巻出し・巻取り室と前記成膜室との間に中間室が設けられ、前記中間室内を排気して第3の圧力に調節する第3の圧力調節手段が設けられ、前記成膜ロールに巻き掛けられた前記フィルム基材の巻き掛け範囲のうち、前記成膜室に位置する巻き掛け範囲の領域を除く他の巻き掛け範囲の領域が前記中間室に曝されていることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項11記載のバリアフィルムにおいて、前記蒸発材料が金属であり、前記成膜室内に酸素ガスを導入することで前記フィルム基材に金属酸化物からなるガスバリア性薄膜を成膜することを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項12記載のバリアフィルムにおいて、前記金属酸化物が酸化アルミニウムであることを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項12記載のバリアフィルム前記酸化化合物が酸化珪素であることを特徴とする。
これにより、従来のような剥離放電によるガスバリア性薄膜への放電痕や従来のような帯電による成膜ロールへのフィルム基材の巻き込みを防止することができ、バリアフィルムの生産の安定化およびバリア性を向上できる。
また、本発明においては、中間室を設けることで、巻出し・巻取室にてガスを導入しても成膜室の圧力上昇を抑制することができる。
また、本発明のバリアフィルムにおいては、酸化珪素や酸化マグネシウムの蒸発速度が速いため、反応性蒸着を用いるよりも通常の加熱蒸着を用いた方が成膜速度を速くすることができる。特に、酸化珪素膜はバリア性に優れており、さらにはバリア性能の維持、つまり、耐久性に優れ、好ましい。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図2は本発明方法を適用した巻取り式蒸着装置の実施の形態を示す概略構成図である。
巻取り式蒸着装置10は、図2に示すように、成膜用の真空チャンバー11、巻出しロール13、巻取りロール14、金属製の成膜ロール15、電子銃16、蒸発材料18を収容するるつぼ17、巻出し・巻取り室20、成膜室21、中間室22、第1〜第3の真空ポンプ23〜25、プラズマ発生用直流電源26等を含んで構成される。
巻出し・巻取り室20には、巻出し・巻取り室20内を排気して第1の圧力に調節する第1の真空ポンプ23(特許請求の範囲に記載の第1の圧力調節手段に相当する)が接続されている。また、成膜室21には、成膜室21内を排気して第2の圧力に調節する第2の真空ポンプ24(特許請求の範囲に記載の第2の圧力調節手段に相当する)が接続されている。さらに、中間室22には、中間室22内を排気して第3の圧力に調節する第3の真空ポンプ25(特許請求の範囲に記載の第3の圧力調節手段に相当する)が接続されている。
支持軸151は、その両端に樹脂製の電気絶縁材を介してフランジ結合した軸部(図示せず)を有し、この両端の軸部は、真空チャンバー11に設けた軸受部(図示せず)に回転可能に軸承されている。これにより、支持軸151を含めた成膜ロール15をグランドから電気的に絶縁するようになっている。これは、フィルム基材引出し側である成膜ロール15の箇所において、成膜ロール15の周面から剥離したフィルム基材12と成膜ロール15との間でのプラズマの発生を容易にするためである。
樹脂製の電気絶縁材に用いられる材質は、特に指定されないが、電気絶縁性、耐熱性、耐衝撃性、剛性 、耐疲労性、耐溶剤性などに優れたポリアセタール樹脂を用いることが好ましい。
巻出しロール13から巻出されるフィルム基材12はガイド用のフリーローラ13aを介して成膜ロール15の導入部位に向け連続的に案内され、中間室22内及び成膜室21内に臨むようにして成膜ロール15の周面に少なくとも180度の角度範囲に亘り巻き掛けられている。この場合、成膜ロール15に巻き掛けられたフィルム基材12の巻き掛け範囲のうち、成膜室21内に位置する巻き掛け範囲の領域A1を除く他の巻き掛け範囲の領域A2が中間室22に臨むようになっている。
また、成膜室21でガスバリア性薄膜が蒸着された後のフィルム基材12はガイド用のフリーローラ14aを介して巻取りロール14に巻き取られるようになっている。
プラズマ発生用直流電源26(特許請求の範囲に記載の電位印加手段に相当する)は、成膜ロール15に正の電位を印加して、巻出し・巻取り室20内で、成膜ロール15の周面から剥離した後のフィルム基材12と成膜ロール15との間にプラズマを発生させるためのものである。この直流電源26の正極は図示省略の摺接子を介して支持軸151に接続され、直流電源26の負極はグランドに接続されている。
巻出しロール13からフィルム基材12を巻出し、フリーローラ13aを介して成膜ロール15の導入部位に向け連続的に案内する。巻出されたフィルム基材12は成膜ロール15の回転に伴い成膜ロール15の周面に図2に示す状態に巻き掛けられて成膜室21へ連続的に案内される。ここで、電子銃26から発生する電子ビーム19をるつぼ17内の蒸発材料18に照射することにより蒸発材料18を加熱し蒸発させる。るつぼ17から蒸発する蒸発物質は、成膜ロール15の矢印方向への回転に伴い成膜ロール15に巻き掛けられながら成膜室21に臨むフィルム基材12の表面に蒸着され、ガスバリア性薄膜が順次形成される。そして、ガスバリア性薄膜が形成された後のフィルム基材12はフリーローラ14aを介して巻取りロール14に順次巻き取られる。
一方、直流電源26から成膜ロール15に正の電位が印加されると、巻取りロール14と対向する成膜ロール15のフィルム基材引出し側である巻出し・巻取り室20内で、成膜ロール15の周面から剥離された後のフィルム基材12と成膜ロール15との間にプラズマ27が発生する。
これにより、剥離放電によるガスバリア性薄膜への放電痕や帯電による成膜ロールへのフィルム基材の巻き込みを防止する。
また、巻取り室20と成膜室21の間に中間室23を設けることで、巻取り室20にガスを導入しても成膜室21の圧力上昇を抑制することができる。
一般的に真空蒸着圧力は低いほど好ましいが、プラズマの発生しやすい圧力は1[Pa]〜10−2[Pa]程度であるため、成膜室21と巻取り室20の圧力比は2.0×10−2[Pa]以上あれば巻取り室20のガスにより、成膜室21でのプラズマが発生することを防ぐことができる。これにより、巻取り室20内のみグロープラズマ27を生成し、成膜ロール15と樹脂フィルム基材12との間の剥離放電を効果的に緩和することができる。
また、成膜ロール15に正の電位を印加するために用いる直流電源26は、グロープラズマ27を維持できる電圧・電流の容量があればよく、特に限定がなく公知の直流電源を使用することができる。また、安定なグロープラズマを発生するためには300V、10A程度の電源容量があれば充分である。しかし、時には異常グロー放電からアーク放電に移行する場合もあるが、その際に電源が自動的にグロー放電に復帰できるようにすることが好ましい。
また、バリア性の酸化珪素膜や酸化マグネシウム膜を成膜する際に使用される蒸発材料には一酸化珪素や酸化マグネシウムを使用し、酸化アルミニウム膜はアルミニウムを蒸発材料として酸素ガスによる反応性蒸着にて成膜をすることが多い。蒸発速度が高い一酸化珪素や酸化マグネシウム材料に比べ、酸化アルミニウムは蒸発速度が低いため、アルミニウム金属材料からの反応性蒸着法の方が成膜速度を速くすることができるからである。
(実施例1)
フィルム基材に厚さが25μmのPET(ポリエチレンテレフタレート、東レ社製T60)フィルムを用い、電子銃の加速電圧を40kV、ビーム電流を0.25Aとして酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン社製)を電子ビームにより加熱した。プラズマ発生用直流電源(MDX−10K,Advanced Energy社)を用いて、その負極を接地電位に、正極を成膜ロールに接続することで、成膜ロールに正電位を印加する。巻取り室にはArガスを150sccm導入して、巻取り室の圧力を0.80Pa、成膜室の圧力を1.1×10−2Pa、中間室の圧力を3.0×10−3Paとした。この時のプラズマ発生用直流電源の電圧を200Vとし、電子銃によって加熱・蒸着したPETフィルムの成膜ロールの引き出し側にグロープラズマを生成した。この場合、プラズマ発生用直流電源から供給される電流は0.15Aだった。酸化珪素薄膜の膜厚が40nmとなるように巻取速度を調整して、電子ビーム加熱蒸着を行った。
実施例1と同様なフィルム基材と加熱条件でアルミニウム(純度99.9%)を加熱し、酸素ガスを480sccm導入して、反応性蒸着を行った。その場合、実施例1と同様に成膜ロールに酸化アルミニウム膜が30nmとなるように巻取速度を調整した。プラズマ発生用直流電源は200V,0.15Aで成膜ロールの引き出し側にプラズマを発生させた。巻取り室にはArガス150sccmを導入し、巻取り室の圧力を0.80Pa、成膜室の圧力を2.3×10−2Pa、中間室の圧力を4.3×10−3Paとして電子ビーム加熱蒸着を行った。
実施例1と同様なフィルム基材と酸化珪素材料、加熱条件、プラズマ条件、ガス導入条件、圧力条件で酸化珪素膜が80nmとなるように巻取速度を調整して、電子ビーム加熱蒸着を行った。
実施例1と同様なフィルム基材と酸化珪素材料、加熱条件、プラズマ条件、巻取り室のガス導入条件を同じにし、中間室にArガスを導入し、圧力条件変化させた。中間室へのArガス流量を30sccmを導入し中間室の圧力を8.2×10−2Paとし、巻取り室の圧力を0.80Pa、成膜室の圧力を2.4×10−2Paとした。この時、酸化珪素膜が40nmとなるように巻取速度を調整して、電子ビーム加熱蒸着を行った。
中間室23と成膜室21との間の隔壁28を取り外し、成膜室と巻取室との間の隔壁1枚で仕切られている形にし、実施例1と同様なフィルム基材と酸化珪素材料、加熱条件、プラズマ条件、ガス導入条件、酸化珪素膜厚が40nmとなるように巻取速度を調整して、電子ビーム加熱蒸着を行った。この時の巻取り室の圧力を0.80Pa、成膜室の圧力を1.2×10−1Paとした。
(比較例1)
直流電源の電圧を0Vとして、プラズマを発生しないこと以外は実施例1と同様なフィルム基材と酸化珪素材料、加熱条件、ガス導入条件、圧力条件で酸化珪素膜が40nmとなるように巻取速度を調整して、電子ビーム加熱蒸着を行った。
アルゴンガスを導入せずに巻取り室の圧力を4.2×10−3Pa、成膜室の圧力を3.0×10−3Pa、中間室の圧力を1.0×10−3Paとした以外は実施例1と同様なフィルム基材と酸化珪素材料、加熱条件、ガス導入条件、圧力条件で酸化珪素膜が40nmとなるようにした。直流電源は電圧200Vで0Aとなり、成膜ロールにはプラズマが発生しない状態で電子ビーム加熱蒸着を行った。
直流電源の電圧を0Vとし、プラズマを発生しないこと以外は実施例2と同様なフィルム基材と酸化珪素材料、加熱条件、ガス導入条件、圧力条件で酸化アルミニウム膜が40nmとなるように巻取速度を調整して、電子ビーム加熱蒸着を行った。
アルゴンガスを導入せずに巻取り室の圧力を6.4×10−3Pa、成膜室の圧力を5.8×10−3Pa、中間室の圧力を1.5×10−3Paとした以外は実施例1と同様なフィルム基材と酸化珪素材料、加熱条件、ガス導入条件、圧力条件で酸化アルミニウム膜が40nmとなるようにした。直流電源は電圧200Vだが電流は0Aとなり、成膜ロールにはプラズマが発生しない状態で電子ビーム加熱蒸着を行った。
図3に示す膜厚は、X線反射法によって測定(リガク社製、ATX−G)した。また、図3に示す水蒸気透過率は、モダンコントロール社製(MOCON PERMATRAN W3/33)を用いて、40℃−90%RH雰囲気下で測定した。また、図3に示す酸素透過率は、モダンコントロール社製(MOCON OX−TRAN2/20)を用いて、30℃―70%RH雰囲気下で測定した。また、図3に示す目視による傷の評価は、放電による流れ方向に垂直な傷があるかどうか判断した。
また、図3において、O.R.は測定限界以上示す。また、圧力比は、成膜室圧力/巻取室圧力で表される。
また、巻出し・巻取室の圧力と成膜室の圧力との圧力比が3.0×10−2[Pa]以下とすることで、成膜室でのプラズマ発生を防止することができ、巻取室内のみにグロープラズマが生成され、成膜ロールとフィルム基材との間の剥離放電を効果的に緩和することができるとともに、剥離放電によるフィルム基材及び蒸着膜へのピンホール等の傷の発生をなくすことができる。
これに対して、比較例1〜4では、PETからなるフィルム基材に放電によるピンホール等の傷が残っており、いずれも十分なバリア性能が得られないことが確認された。
Claims (14)
- 巻出し・巻取り室と成膜室を有する真空チャンバーと、
前記巻出し・巻取り室内を排気して第1の圧力に調節する第1の圧力調節手段と、
前記成膜室内を排気して前記巻出し・巻取り室の圧力と異なる第2の圧力に調節する第2の圧力調節手段と、
前記巻出し・巻取り室内に配設され、ロール状に巻回された長尺なフィルム基材を巻出す巻出しロールと、
円筒面状の周面を有し、前記周面が前記巻出し・巻取り室と前記成膜室の両方に臨むようにして前記真空チャンバー内に回転可能に設けられ、前記巻出しロールから巻出される前記フィルム基材を前記周面に巻き掛けて前記成膜室へ連続的に案内する金属製の成膜ロールと、
前記巻出し・巻取り室内に配設され、前記成膜室でガスバリア性薄膜が蒸着された後の前記フィルム基材を巻き取る巻取りロールと、
前記成膜室内に配置され蒸発材料を収容する容器と、
前記成膜室に設けられ前記蒸発材料に電子ビームを照射して加熱蒸発させることにより前記成膜ロールに巻き掛けられ前記成膜室に位置する前記フィルム基材の表面にガスバリア性薄膜を蒸着させる電子銃と、
前記成膜ロールに正の電位を印加して、前記巻出し・巻取り室内で前記フィルム基材が前記成膜ロールから剥離された後の該フィルム基材と前記成膜ロールとの間にプラズマを発生させる電位印加手段と、
を備えることを特徴とする巻取り式蒸着装置。 - 前記巻出し・巻取り室の第1の圧力と前記成膜室の第2の圧力との間の圧力比が3.0×10−2[Pa]以下であることを特徴とする請求項1記載の巻取り式蒸着装置。
- 前記真空チャンバー内で前記巻出し・巻取り室と前記成膜室との間に中間室が設けられ、前記中間室内を排気して第3の圧力に調節する第3の圧力調節手段が設けられ、前記成膜ロールに巻き掛けられた前記フィルム基材の一部が前記中間室に位置していることを特徴とする請求項1記載の巻取り式蒸着装置。
- 請求項1乃至3の何れか1項に記載の巻取り式蒸着装置を用いて形成されたことを特徴とするバリアフィルム。
- 前記蒸発材料が金属であり、前記成膜室内に酸素ガスを導入することで前記フィルム基材に金属酸化物からなるガスバリア性薄膜を成膜することを特徴とする請求項4記載のバリアフィルム。
- 前記金属酸化物が酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項4記載のバリアフィルム。
- 前記酸化化合物が酸化珪素であることを特徴とする請求項8記載のバリアフィルム。
- 排気により一定の圧力に調節される巻出し・巻取り室と成膜室を設け、
長尺なフィルム基材をロール状に巻回してなる巻出しロールと、成膜後のフィルム基材を巻き取る巻取りロールを前記巻出し・巻取り室に配設し、
前記巻出しロールからのフィルム基材を前記成膜室へ案内する金属製の成膜ロールを設け、
蒸発材料を収納する材料容器と前記蒸発材料に電子ビームを照射して加熱蒸発させる電子銃を前記成膜室に設け、
前記成膜ロールに正の電位を印加する電位印加手段を設け、
前記巻出しロールからフィルム基材を巻出し、
前記巻出された前記フィルム基材を前記成膜ロールに巻き掛けて前記成膜室へ連続的に案内し、かつ前記成膜ロールに巻き掛けられて前記成膜室に臨む前記フィルム基材の表面に前記電子銃からの電子ビームにより加熱され蒸発された蒸発物質を蒸着してガスバリア性薄膜を形成し、
前記電位印加手段から前記成膜ロールに正の電位を印加することにより、前記巻出し・巻取り室内で前記フィルム基材が前記成膜ロールから剥離された後の該フィルム基材と前記成膜ロールとの間にプラズマを発生させる、
ことを特徴とする巻取り式蒸着方法。 - 前記巻出し・巻取り室の第1の圧力と前記成膜室の第2の圧力との間の圧力比が3.0×10−2[Pa]以下であることを特徴とする請求項8記載の巻取り式蒸着方法。
- 前記巻出し・巻取り室と前記成膜室との間に中間室が設けられ、前記中間室内を排気して第3の圧力に調節する第3の圧力調節手段が設けられ、前記成膜ロールに巻き掛けられた前記フィルム基材の巻き掛け範囲のうち、前記成膜室に位置する巻き掛け範囲の領域を除く他の巻き掛け範囲の領域が前記中間室に曝されていることを特徴とする請求項8記載の巻取り式蒸着方法。
- 請求項8乃至10の何れか1項に記載の巻取り式蒸着方法を用いて形成されたことを特徴とするバリアフィルム。
- 前記蒸発材料が金属であり、前記成膜室内に酸素ガスを導入することで前記フィルム基材に金属酸化物からなるガスバリア性薄膜を成膜することを特徴とする請求項11記載のバリアフィルム。
- 前記金属酸化物が酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項12記載のバリアフィルム。
- 前記酸化化合物が酸化珪素であることを特徴とする請求項12記載のバリアフィルム。
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