JP2009179222A - 非空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤへの加圧空気その他気体の充填を不要として、タイヤ内圧の低下、消失等のおそれを十分に取り除くと共に、乗心地や操縦性に優れた非空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】本発明のタイヤ1は、リム2の外側にその円周方向Sに沿って間隔を空けて複数のリンク機構を配置し、当該リンク機構の上部に設けられたセグメントを構成するプレート部材6aにそれぞれ、弾性を有するトレッド部材3を装着するにあたり、トレッド部材3の裏面に、プレート部材6aが嵌合する複数の凹部3nを設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、加圧空気を充填不要で、ロードノイズの抑制された乗心地の優れた非空気入りタイヤに関するものである。
自動車等に使用されるタイヤとしては空気入りタイヤが一般的であるが、空気入りタイヤは、その充填空気圧がパンク等に起因して減少し、又は消失するという問題がある。
このため、空気圧を用いない非空気入りタイヤとして、例えば、中実構造のソリッドタイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−293203号公報
ところが、こうした従来のソリッドタイヤは、重量及び硬さ共に大きく、空気入りタイヤに比べて、十分な乗心地や操縦性を確保することができない。また、転がり抵抗も大きくなるため、特殊な用途以外では使用されない状況にある。
そこで、本願発明者は、リム状部材の外側にその円周方向に沿って間隔を空けて複数のリンク機構を配置し、当該リンク機構に設けられたセグメントにそれぞれ、無終端部材を装着してなる、新規な非空気入りタイヤを開発するに至った。
かかる構成によれば、リム状部材の周りに配置された無終端部材は、その円周方向に間隔を空けて配置した複数のセグメントによって保持される。このため、接地面積の確保と共に、接地圧分布の均一化を図ることができるので、空気入りタイヤに比べて十分な乗心地や操縦性を確保することができるという格別な効果を奏する。
しかしながら、本願発明者は、更なる試験・研究の結果、かかる構成の非空気入りタイヤにあっても、走行時において、乗心地の悪さの原因となるロードノイズを発することがあり、その原因が各セグメントを無終端部材に結合してもなお、その相互間がガタつくことにあることを見出した。
本発明の目的とするところは、タイヤへの加圧空気その他気体の充填を不要として、タイヤ内圧の低下、消失等のおそれを十分に取り除くと共に、乗心地や操縦性に優れた非空気入りタイヤを提供することにある。
本発明である非空気入りタイヤは、リム状部材の外側にその円周方向に沿って間隔を空けて複数のリンク機構を配置し、当該リンク機構の上部に設けられたセグメントにそれぞれ、無終端部材を装着してなる非空気入りタイヤであって、前記無終端部材の裏面に、前記セグメントが合さる複数の凹部、又は、前記セグメントの相互間に形成された隙間に合さる複数の凸部を設けたことを特徴とするものである。
本発明において、前記リンク機構はそれぞれ、幅方向に沿って間隔を空けて配置される2つのリンクを有し、このリンクをそれぞれ、リム状部材に揺動可能に連結される第一リンク部材と、この第一リンク部材に揺動可能に連結される第二リンク部材とで構成し、第一リンク部材と第二リンク部材との連結部をそれぞれ、変形及び復元の可能な弾性手段で連結すると共に、第二リンク部材をそれぞれ、前記セグメントに対して揺動可能に連結してなるものが好ましい。
本発明において、「円周」、「幅」及び「半径」とは、タイヤの「円周」、「幅」及び「半径」をいう(リム状部材又は無終端部材についても同義)。また、本明細書中において、「無終端」とは、環状形又は円筒形のように、その両端が繋がって、内側に閉じられた空間を形成する形状を言うものとする。
ここで、「第一リンク部材がリム状部材に揺動可能に連結される」とは、例えば、第一リンク部材が、リム状部材に連結される一端を有し当該一端を基点に幅方向に揺動可能であればよいことを意味する。
この場合、少なくとも幅方向の揺動を許容する場合には、リム状部材に対して第一リンク部材を回転可能に軸支するだけでよいが、円周方向の揺動等を許容する際には、ユニバーサルジョイント(自在継手)を採用することが好ましい。
また本発明において、「第二リンク部材が第一リンク部材に揺動可能に連結される」とは、例えば、第二リンク部材が、第一リンク部材の他端に連結される一端を有し当該一端を基点に幅方向に揺動可能であればよいことを意味する。
このため、第一リンクと第二リンク部材との連結は、少なくとも回転可能に軸支等をすればよいため、ピン等を用いて回転可能に連結するヒンジ連結部を採用できるが、自在継手を採用してもよい。
また本発明において、「第二リンク部材をそれぞれ、当該第二リンク部材に対して揺動可能なセグメントで一体に連結し、」とは、例えば、第二リンク部材の自由端(他端)をそれぞれ、少なくとも当該他端を基点に幅方向に揺動可能なセグメントで一体に連結すればよいことを意味する。
この場合も、少なくとも幅方向の揺動を許容する場合には、第二リンク部材に対してセグメントを回転可能に軸支するだけでよいが、円周方向の揺動等を許容する際には、自在継手を採用することが好ましい。
また、第一リンク部材と第二リンク部材との連結部をそれぞれ連結する弾性手段には、弾性部材、例えば、ゴム弾性体、ゴム弾性体を繊維補強したもの、コイルスプリング、空気ばね等が挙げられる。
また、本発明にあっては、前記弾性手段を、例えば、第一リンク部材と第二リンク部材との連結部がリム状部材及びセグメントとの連結部よりも幅方向内側に配置される場合には、当該弾性手段を圧縮又は伸張させない自然長の状態(定常状態)よりも圧縮した状態で、また、第一リンク部材と第二リンク部材との連結部がリム状部材及びセグメントとの連結部によりも幅方向外側に配置される場合には、当該弾性手段を前記定常状態よりも伸張した状態で組み付けることが好ましい。
本発明によれば、リム状部材の外側にその円周方向に沿って間隔を空けて複数のリンク機構を配置し、当該リンク機構の上部に設けられたセグメントにそれぞれ、無終端部材を装着したことにより、加圧空気その他気体の充填が不要となるので、タイヤ内圧の低下、消失等のおそれを十分に取り除くことができる。
また、リム状部材の周りに複数のセグメントを配置したことで、円周方向に沿って間隔を空けて配置された各リンク機構を互いに独立して機能させつつも、タイヤ全体としては一体ものとして機能するため、より大きな接地面積が確保されることで圧接力(グリップ力)が向上し、その場合の接地圧分布についても、より均一なものとすることができる。
加えて、本発明によれば、無終端部材の裏面に、セグメントが合さる複数の凹部、又は、セグメントの相互間に形成された隙間に合さる複数の凸部を設けたことで、無終端部材に対して各セグメントは相対変位ができないように規制される。
このため、各セグメントは、走行中であっても、その動きが無終端部材で規制されるため、その相互間でのガタツキを生じない。即ち、本発明によれば、各セグメントの相互間におけるガタつきに伴うロードノイズを抑制し、なお一層の乗心地の良さを実現することができる。
従って、本発明によれば、タイヤへの加圧空気その他気体の充填を不要として、タイヤ内圧の低下、消失等のおそれを十分に取り除くと共に、乗心地や操縦性に優れた非空気入りタイヤを提供することができる。
ところで、空気入りタイヤやソリッドタイヤは、その剛性を空気圧や、材質又は形状等によって調整するため、タイヤにとって重要な特性である、上下剛性、前後剛性及び横剛性をそれぞれ、車種や使用環境又は運転者の要求等に合せて、互いに独立した関係の下で、所望の通りに調整することは困難である。このため、従来から提案されているタイヤの多くは、上下方向、前後方向及び横方向の個々に対して最適な剛性特性とはなっていなかった。
そこで、本発明にあっては、かかるリンク機構をそれぞれ、幅方向に沿って間隔を空けて配置される2つのリンクを有し、このリンクをそれぞれ、リム状部材に揺動可能に連結される第一リンク部材と、この第一リンク部材に揺動可能に連結される第二リンク部材とで構成し、第一リンク部材と第二リンク部材との連結部をそれぞれ、変形及び復元の可能な弾性手段で連結すると共に、第二リンク部材をそれぞれ、前記セグメントに対して揺動可能に連結してなるものとすれば、弾性手段を調整することにより、タイヤの上下剛性、前後剛性及び横剛性をそれぞれ、互いに独立させた関係の下で簡易に所望の通りに調整することができる。
即ち、かかる構成によれば、タイヤに所要に応じた大きさの上下剛性、前後剛性及び横剛性のそれぞれを、相互に独立させて簡易に付与できて、乗心地や操縦性に優れた非空気入りタイヤを提供することができる。なお、本明細書中において、「剛性」とは、ずれ変形に対する弾性の強さを言うものとする。
ところで、本願発明者は、各セグメントの相互間の隙間部分(セグメントの存在しない部分)では、セグメントの存在する部分に比べて、トレッドの円周方向における曲げ剛性が小さくなることを見出した。
そこで、本発明にあっては、上述した新規なリンク機構の如く、第一リンク部材と第二リンク部材との連結部をそれぞれ、弾性手段で連結する場合、この弾性手段を、例えば、第一リンク部材と第二リンク部材との連結部がリム状部材との連結部及びセグメントとの連結部よりも幅方向内側に配置される場合には、当該弾性手段を圧縮又は伸張させない自然長の状態(定常状態)よりも圧縮した状態で、また、第一リンク部材と第二リンク部材との連結部がリム状部材との連結部及びセグメントとの連結部によりも幅方向外側に配置される場合には、当該弾性手段を前記定常状態よりも伸張した状態で組み付ける。
この場合、各リンク機構が各セグメントを無終端部材に押し付ける力は、弾性手段を定常状態で組み付けたときに比べて大きくなり、無終端部材の径は弾性手段を定常状態で組み付けた場合に比べて拡張される。
即ち、無終端部材に形成した凹部に又は凸部でセグメントを固定すると共に、弾性手段を圧縮した状態又は伸張した状態で組み付ければ、リム状部材の周りに配置された各セグメントの前後(円周)方向の動きは、無終端部材によって、より強固に規制される。
従って、かかる構成を採用すれば、セグメントの存在しない部分も併せたトレッドの円周方向における曲げ剛性が増加することで、接地圧分布が更に均一なものとなることから、ロードノイズのより一層の抑制が図れる等、乗心地の改善に更に有効である。
以下、図面を参照して、本発明に従う非空気入りタイヤを詳細に説明する。
図1(a),(b)はそれぞれ、本発明の一形態であるメカニカルタイヤ(以下、「タイヤ」という)1を模式的に示す斜視図及び、同図(a)のタイヤ1から後述のトレッド部材(無終端部材)3を取り除いた状態を模式的に示す斜視図である。また、図2(a),(b)はそれぞれ、図1(a)のA−A断面図及び、セグメント6をその上面側から示す斜視図である。
符号2は、図1に示すように、図示せぬ車軸(回転軸)に連結される円筒形のリム状部材(以下、「リム」という。)である。リム2は、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料により構成されている。
符号3は、図1に示すように、リム2の外側に間隔を空けて配置されるトレッド部材である。トレッド部材3は、ゴム等の弾性材料からなる。なお、本形態に係るトレッド部材3は、クラウン部のみからなる平面的な形状であるが、本来の意味でのタイヤと同様、ショルダ部やサイド部を設けてリム2の内側に巻き込ませてもよい。
符号4は、図2(a)に示すように、リム2とトレッド部材3との相互間に、(タイヤ1又はリム2の)円周方向Sに沿って間隔を空けて配置される複数のリンク機構である。リンク機構4はそれぞれ、同図に示すように、(タイヤ1又はリム2の)幅方向Wに沿って間隔を空けて配置される2つのリンクL1,L2を有する。
リンクL1は、同図に示すように、リム2の側面部2aに自在継手C1を介して連結される一端部を有し当該一端部の自在継手C1を基点に揺動可能な第一リンク部材4aと、この第一リンク部材4aの他端部にヒンジ連結部C2を介して連結される一端部を有し当該一端部のヒンジ連結部C2を基点に揺動可能な第二リンク部材4bとを有し、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料により構成されている。
リンクL2も、同様に、リム2に自在継手C1を介して連結される第一リンク部材4aと、この第一リンク部材4aにヒンジ連結部C2を介して揺動可能に連結される第二リンク部材4bとを有し、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料により構成されている。
自在継手C1は、少なくとも、第一リンク部材4aが円周方向S及び幅方向Wに揺動することを許容するようにリム2と第一リンク部材4aとを連結し、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料により構成されている。
また、ヒンジ連結部C2は、例えば、第一リンク部材4aと第二リンク部材4bとをピンを用いて回転可能に連結するものであり、その回転方向は、第一リンク部材4aと第二リンク部材4bとを幅方向Wに揺動させる方向である。なお、ヒンジ連結部C2も、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料により構成されており、自在継手C1に置き換えてもよい。
符号5は、リンクL1のヒンジ連結部C2とリンクL2のヒンジ連結部C2とを連結する弾性手段である。弾性手段5は、リム2とトレッド部材3とを一体物としてみたときの、円周方向S、幅方向W及び半径方向Rそれぞれの相対変位に対して所要の剛性(例えば、車種や使用環境又は運転者の要求等により決定される剛性)をもたらすものである。
弾性手段5には、例えば、ゴム弾性体、ゴム弾性体を繊維補強したもの、コイルスプリング、空気ばね等が挙げられ、これらの内から一つを単独で、又は、これらのうちから二以上組み合わせてなる。
特に、本形態では、弾性手段5を、予め自然長の状態(定常状態)から圧縮した状態にしておき、これをリンク機構4の一部として組み付けている。これにより、リンク機構4は、弾性手段5を定常状態で組み付ける場合に比べて径方向Rに伸張している。
符号6は、図2(a)に示すように、第二リンク部材4bの他端をそれぞれ、自在継手C3を介して揺動可能に一体に連結するセグメントである。
セグメント6は、図2(b)に示すように、幅方向Wに延在する2つの平坦なプレート部材6aと、このプレート部材6aの延在方向に沿って間隔を空けて一体に設けられる4つのブラケット部6bとを有し、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料により構成されている。なお、符号Bは、後述のシャフト4cを回転可能に保持する軸受である。
即ち、本形態のセグメント6は、図2(b)に示すように、2つのプレート部材6aを円周方向Sに沿って間隔ΔX1を空けて4つのブラケット部6bで接合したものである。この場合、2つのプレート部材6aを用いて円周方向Sに沿って間隔ΔX1を空けて配置することで、円周方向Sにおける中心付近で生じる接地圧の集中が緩和されるため、より均一な接地圧分布を実現できる。
各セグメント6は、2つのプレート部材6aの外表面それぞれに、図2(a)に示すように、トレッド部材3の裏面が接合されている。即ち、リム2の円周方向に沿って配置された複数のセグメント6はそれぞれ、トレッド部材3によって一体になるように規制されている。
図3(a),(b)はそれぞれ、トレッド部材3とセグメント6との接合状態を示す要部斜視図及び要部側面図である。
トレッド部材3の裏面には、同図に示すように、プレート部材6aが嵌合する複数の凹部3nが設けられている。これにより、各リンク機構4に設けられた2つのプレート部材6aをそれぞれ、2つトレッド部材3の凹部3nに嵌合させれば、各プレート部材6aはトレッド部材3に対して相対変位ができないように規制される。このため、各セグメント6は、走行中であっても、その動きがトレッド部材3で規制されるため、プレート部材6a又はセグメント6の相互間でのガタツキを生じない。なお、図3では、1つのセグメント6のみ例示している。
自在継手C3は、自在継手C1と同様のものであって、少なくとも、セグメント6が第二リンク部材4bに対して回転して円周方向Sに揺動すると共に幅方向Wに揺動することを許容するように、第二リンク部材4bとブラケット部6bとを連結するものである。なお、本形態の自在継手C3は、かかる動作を実現するあたり、4つのブラケット部6bで回転可能に保持されるシャフト4cに揺動可能に保持させているが、サイドウォール側に位置する2つのブラケット部6bそれぞれに、第二リンク部材4bを直結させる構成とすることも可能である。
即ち、リンク機構4は、リム2に繋がるリンクL1,L2、これらリンクL1,L2を関連付ける弾性手段5及びセグメント6からなり、そのそれぞれが、トレッド部材3によって一体的に規制されている。
トレッド部材3にセグメント6を接合させるにあたっては、隣り合うセグメント6が円周方向Sに沿って少許の間隔を形成するように、プレート部材6aの大きさ、又は、リンク機構4の配置を決定する。
これにより、リンク機構4はそれぞれ、各セグメント6により、トレッド部材3を円周方向Sに沿って少許の間隔を空けて保持する。なお、少許の間隔は、車種や使用環境、又は、運転者の要求等に応じて適宜設定することができる。
このため、例えば、図4(a)の実線に示すような状態から、荷重直下で、仮想線で示す如く、リム2とトレッド部材3とが半径方向Rに沿って互いに接近するように変位すると、リンクL1,L2はそれぞれヒンジ連結部C2を基点に互いに接近するように屈曲し、弾性手段5を幅方向Wに圧縮変形させる。
しかしながら、弾性手段5の圧縮変形は、同時に、リンクL1,L2を離間させる反力をヒンジ連結部C2に作用させる。即ち、リンク機構4はそれぞれ、弾性手段5の存在により、リム2とトレッド部材3とが半径方向Rに接近するときに、所要の上下剛性(半径方向における剛性)を生じさせることができる。
また、図4(b) の実線に示すような状態から、仮想線で示す如く、リム2とトレッド部材3とが円周方向Sに沿って相対変位すると、リンク機構4全体が伸長することで、直接的にはリンクL1,L2の全長が長くなることで、弾性手段5に引張り変形を生じさせる。
しかしながら、弾性手段5の引張り変形は、同時に、リンクL1,L2を円周方向Sに接近させる反力をヒンジ連結部C2に作用させる。即ち、リンク機構4はそれぞれ、弾性手段5の存在により、リム2とトレッド部材3とが円周方向Sに相対変位するときに、所要の前後剛性(円周方向における剛性)を生じさせることができる。
また、図4(c) の実線に示すような状態から、仮想線で示す如く、リム2とトレッド部材3とが幅方向Wに相対変位すると、リンク機構4全体が揺動変位することで、直接的にはリンクL1,L2が自在継手C1及びヒンジ連結部C2を基点に揺動変位することで、弾性手段5に引張り変形を生じさせる。
しかしながら、弾性手段5の引張り変形は、同時に、リンクL1,L2を幅方向Wに接近させる反力をヒンジ連結部C2に作用させる。即ち、リンク機構4はそれぞれ、弾性手段5の存在により、リム2とトレッド部材3とが幅方向に相対変位するときに、所要の横剛性(幅方向における剛性)を生じさせることができる。
なお、上述したところでは、リム2とトレッド部材3との間に、円周方向S、幅方向W及び半径方向Rの変位がそれぞれ、互いに独立して生じる場合について説明したが、この発明に係るタイヤでは、それらの相対変位の二種類以上が同時に発生する場合にあっても、所要の剛性を複合的なものとして、同時にもたらし得ることはもちろんである。
本発明によれば、リム2の外側にその円周方向に沿って間隔を空けて複数のリンク機構4を配置し、当該リンク機構4の上部に設けられたセグメント6にそれぞれ、トレッド部材3を装着したことにより、加圧空気その他気体の充填が不要となるので、タイヤ1の内圧の低下、消失等のおそれを十分に取り除くことができる。
また、リム2の周りに複数のセグメント6を配置したことで、円周方向Sに沿って間隔を空けて配置された各リンク機構4を互いに独立して機能させつつも、タイヤ1の全体としては一体ものとして機能するため、より大きな接地面積が確保されることで圧接力(グリップ力)が向上し、その場合の接地圧分布についても、より均一なものとすることができる。
加えて、本形態によれば、トレッド部材3の裏面に、セグメント6を構成する2つのプレート部材6aが合さる複数の凹部3nを設けたことで、トレッド部材3に対して各セグメント6は相対変位ができないように規制される。
このため、各セグメント6は、走行中であっても、その動きがトレッド部材3で規制されるため、その相互間でのガタツキを生じない。即ち、本形態によれば、各セグメント6の相互間におけるガタつきに伴うロードノイズを抑制し、なお一層の乗心地の良さを実現することができる。
従って、本形態によれば、タイヤ1への加圧空気その他気体の充填を不要として、タイヤ内圧の低下、消失等のおそれを十分に取り除くと共に、乗心地や操縦性に優れた非空気入りタイヤを提供することができる。
また、本形態の如く、リンク機構4をそれぞれ、幅方向Wに沿って間隔を空けて配置される2つのリンクL1,L2を有し、このリンクL1,L2をそれぞれ、リム2に揺動可能に連結される第一リンク部材4aと、この第一リンク部材4aに揺動可能に連結される第二リンク部材4bとで構成し、これらを連結するヒンジ連結部C2をそれぞれ、変形及び復元の可能な弾性手段5で連結すると共に、第二リンク部材4bをそれぞれ、セグメント6に対して揺動可能に連結してなるものとすれば、弾性手段5を調整することにより、タイヤ1の上下剛性、前後剛性及び横剛性をそれぞれ、互いに独立させた関係の下で簡易に所望の通りに調整することができる。
即ち、かかる構成によれば、タイヤ1に所要に応じた大きさの上下剛性、前後剛性及び横剛性のそれぞれを、相互に独立させて簡易に付与できて、乗心地や操縦性に優れた非空気入りタイヤを提供することができる。
また、本形態にあっては、弾性手段5を、定常状態から圧縮した状態で組み付けることで、各リンク機構4が各セグメント6をトレッド部材3に押し付ける力は、弾性手段5を定常状態で組み付けたときに比べて大きくなり、トレッド部材3の径は弾性手段5を定常状態で組み付けた場合に比べて拡張される。
即ち、トレッド部材3に形成した凹部3nでセグメント6を固定すると共に、弾性手段5を圧縮した状態で組み付けることで、リム2の周りに配置された各セグメント6の前後(円周)方向Sの動きは、トレッド部材3によって、より強固に規制される。
従って、かかる構成を採用すれば、セグメント6の存在しない部分も併せたトレッドの円周方向Sにおける曲げ剛性が増加することで、接地圧分布が更に均一なものとなることから、ロードノイズのより一層の抑制が図れる等、乗心地の改善に更に有効である。
なお、本形態においては、ヒンジ連結部C2が自在継手C1,C3よりも幅方向Wの内側に配置される場合には、当該弾性手段5を定常状態よりも圧縮した状態で組み付けるが、ヒンジ連結部C2が自在継手C1,C3よりも幅方向Wの外側に配置される場合には、当該弾性手段5を定常状態よりも伸張した状態で組み付ける。
また、セグメント6を複数のプレート部材6aに分割したもので説明したが、セグメント6を1つのプレート部材6aの単体とした場合も同様の構成を採用すれば、同様の効果を得ることができる。また、図3(a)に示すトレッド部材3の形態にあっては、凹部3nを幅方向Wに沿ってその両端に至るまで切り欠いた形成としたが、幅方向Wの両端を切り欠くことなく残してもよい。
更に、本形態においては、トレッド部材3の裏面に、セグメント6が合さる複数の凹部3nを形成するとして説明したが、セグメント6(プレート部材6a)の相互間に形成された隙間ΔX1に合さる複数の凸部3pとみてもよい。
また、各形態において、リンク機構4には、図5〜8に例示するように、捩りばねとしてのトーションバー8,9を設けることが好ましい。
本形態に係る弾性手段5は、スプリングであって、リンク部材4a又は4bに固定される台座4dによって、リンクL1のヒンジ連結部c2とリンクL2のヒンジ連結部c2との間に配置されている。
トーションバー8は、図5に示すように、幅方向Wに沿って延在し、その両端8a,8bをリム2の外側壁2a(図1等参照)に回転不能に対して固定することもできるが、好適には、トーションバー8の中央部(即ち、トーションバー8の真ん中)をリム2に対して回転不能に対して固定する。また、トーションバー8には、リンクL1及びリンクL2の連結部C1がそれぞれ、幅方向Wに沿って揺動可能に連結されている。これにより、トーションバー8は、リム2に対し、リンクL1における連結部C1を中心とした円周方向Sへの捩れに対する捩りばねと、リンクL2における連結部C1を中心とした円周方向Sへの捩れに対する捩りばねとして機能する。
一方、トーションバー9は、図5に示すように、幅方向Wに沿って延在し、リム2の外側壁2aの内側に設けた内側壁(図示せず)に回転可能に保持されている。また、トーションバー9の端部9a,9bの内側付近はそれぞれ、図6に示すように、モーメントアーム10の一端部が一体に固定されている。
これに対し、モーメントアーム10の他端部には、連結部C4を介してコネクティングロッド11が連結されている。連結部C4は、少なくとも、コネクティングロッド11の一端部がモーメントアーム10の軸線周りを回転(幅方向Wに沿って揺動)することを許容すると共に、モーメントアーム10の他端部を中心として円周方向Sに揺動することを許容する。
また、コネクティングロッド11の他端部はそれぞれ、台座4dを介して連結部C4及び弾性手段5に連結されている。これにより、トーションバー9は、リンクL1, L2の幅方向Wへの変位に対する捩りばねとして機能する。
クロスバー12は、図5に示すように、幅方向Wに沿って延在し、その両端12a,12bには、セグメント6(例えば、ブラケット部6b)が回転可能に保持されている。また、クロスバー12には、リンクL1及びリンクL2の連結部C3がそれぞれ、幅方向Wに沿って揺動可能に連結されている。
かかる構成によれば、例えば、トレッド部材3が図5(a)に示す状態から図6(a)に示すように、リム2に対して半径方向Rに沿って接近すると、弾性手段5の長さがl1からl2に圧縮されることにより、その圧縮変形に伴う復元力を生じさせる。
即ち、かかる構成によれば、他の形態と同様、トレッド部材3がリム2に対して半径方向Rに沿って接近又は離脱すると、弾性手段5の圧縮又は伸張により、所要の上下剛性を付与することができる。
また、かかる構成によれば、例えば、リンク機構4が図7(b)に示すに示すように、リム2に対して円周方向Sに沿って傾倒すると、トーションバー8がその軸線周りに捩れることにより、その捩れ変形に伴う復元力を生じさせる。
即ち、かかる構成によれば、他の形態と同様、リンク機構4がリム2に対して円周方向Sに沿って傾倒すると、トーションバー8の捩れ変形に伴う復元力により、所要の前後剛性を付与することができる。
更に、かかる構成によれば、トレッド部材3がリム2に対して幅方向Wに沿って左右に変位したときの横剛性についても更に有効である。
例えば、リンク機構4がリム2に対して図8(a) の矢印に示す方向に、幅方向Wに沿って変位すると、これに伴いリンクL1のヒンジ連結部C2とリンクL2のヒンジ連結部C2との間には、図8(b)の符号θで示すような半径方向Rに沿った高さ変化が生じる。
これにより、図8(a)に示すように、トーションバー9には、弾性手段5、モーメントアーム10及びコネクティングロッド11を通して捩れが生じると共に、その捩れ変形に伴う復元力が生じる。
即ち、かかる構成によれば、トーションバー9の捩れ変形に伴う復元力により、横剛性を更に高めることができる。
従って、ヒンジ連結部C2を弾性手段5で連結すると共に、トーションバー8,9を付加した場合、弾性手段5のみの場合と比べて、前後剛性および横剛性を更に確実に生じさせることができる。
上述したところは本発明の好適な形態を説明したものであるが、請求の範囲内で種々の変更を加えることができる。例えば、上述した各形態及びそれに含まれる様々な構成は、車種や使用環境又は運転者の要求等に合せて、適宜組み合わせることができる。
サイズが225/55ZR17の従来の空気入りタイヤ(充填空気圧230kPa)を基準として、同サイズの実施例1及び2のそれぞれにつき、トレッド部材3の裏面にセグメント6をそのまま結合させた比較例1と、乗心地に関して評価したところ表1に示す結果を得た。
ここで、実施例1及び2はそれぞれ、トレッド部材3の裏面に形成した凹部3nにプレート部材6aを嵌合させてトレッド部材3とセグメント6とを結合させたタイヤのうち、リンク機構4内の弾性手段5を定常状態で組み付けたものと、リンク機構4内の弾性手段5を圧縮状態で組み付けて径拡張を図ったものである。
なお、表1に示す乗心地は、数値が大きいほど乗心地が良好であると評価する。
Figure 2009179222
表1に示す結果によれば、実施例1及び2は共に、比較例1に比べて、乗心地が向上していることが理解できる。
本発明は、乗用車、トラック、クレーンやパワーショベル等の作業車、又は、荷物等を積載する台車の車輪等として適用することができる。
(a),(b)はそれぞれ、本発明の第一の形態であるメカニカルタイヤの斜視図及び、当該タイヤからトレッド部材及びセグメントの一部を取り除いた状態を示す斜視図である。 (a),(b)はそれぞれ、図1(a)のA−A断面図及び、セグメントをその上面側から示す斜視図である。 (a),(b)はそれぞれ、同形態における、トレッド部材とセグメントとの接合状態を示す要部斜視図及び要部側面図である。 (a)〜(c)はそれぞれ、無負荷の状態から直下に荷重を負荷したときに、同形態のタイヤに発生する上下剛性を説明するスケルトン図、同形態のタイヤに発生する前後剛性を説明するスケルトン図及び、同形態のタイヤに発生する左右剛性を説明するスケルトン図である。 (a),(b)はそれぞれ、本発明に係るタイヤに採用されるリンク機構の他の形態を無負荷の状態として模式的に示す正面図及び側面図である。 (a),(b)はそれぞれ、同形態のリンク機構の直下に荷重を負荷したときの状態を模式的に示す正面図及び側面図である。 (a),(b)はそれぞれ、同形態のリンク機構が傾倒したときの状態を模式的に示す正面図及び側面図である。 (a),(b)はそれぞれ、同形態のリンク機構が横方向に移動したときの状態を模式的に示す正面図及び側面図である。
符号の説明
1 メカニカルタイヤ(非空気入りタイヤ)
2 リム(リム状部材)
3 トレッド部材(無終端部材)
3n トレッド部材裏面に形成した凹部
4 リンク機構
4a 第一リンク部材
4b 第二リンク部材
4c シャフト
4d 台座
5 弾性手段
6 セグメント
6a プレート部材
6b ブラケット(軸受台座)
8 トーションバー
8a,8b トーションバー端部
9 トーションバー
10 モーメントアーム
11 コネクティングロッド
12 クロスバー
C1 自在継手
C2 ヒンジ連結部
C3 自在継手
C4 連結部
L1,L2 リンク

Claims (3)

  1. リム状部材の外側にその円周方向に沿って間隔を空けて複数のリンク機構を配置し、当該リンク機構の上部に設けられたセグメントにそれぞれ、弾性を有する無終端部材を装着してなる非空気入りタイヤであって、
    前記無終端部材の裏面に、前記セグメントが合さる複数の凹部、又は、前記セグメントの相互間に形成された隙間に合さる複数の凸部を設けたことを特徴とする非空気入りタイヤ。
  2. 請求項1において、前記リンク機構はそれぞれ、幅方向に沿って間隔を空けて配置される2つのリンクを有し、
    このリンクをそれぞれ、リム状部材に揺動可能に連結される第一リンク部材と、この第一リンク部材に揺動可能に連結される第二リンク部材とで構成し、
    第一リンク部材と第二リンク部材との連結部をそれぞれ、変形及び復元の可能な弾性手段で連結すると共に、
    第二リンク部材をそれぞれ、前記セグメントに対して揺動可能に連結してなることを特徴とする非空気入りタイヤ。
  3. 請求項2において、前記弾性手段を、圧縮した状態又は伸張した状態で組み付けてなることを特徴とする非空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015120393A (ja) * 2013-12-21 2015-07-02 東洋ゴム工業株式会社 非空気圧タイヤ

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JP2015120393A (ja) * 2013-12-21 2015-07-02 東洋ゴム工業株式会社 非空気圧タイヤ

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