JP2009154790A - 非空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤへの加圧空気を不要として、タイヤに所要大きさの上下剛性、前後剛性及び横剛性のそれぞれを、付与できて、乗心地や操縦性に優れた非空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ1は、リム2とリング3とを有する非空気入りタイヤであり、リム2とリング3との相互間に複数のリンク機構4を設け、このリンク機構4は、幅方向に沿って間隔を空けて配置される2つのリンクL1、L2を有する。このリンクL1、L2は、それぞれリム2に揺動可能に連結し、ヒンジ連結部C2を介して弾性部材5で連結され、継手C3を介して揺動可能なセグメント6で一体に連結し、当該セグメント6は、リング3の裏面に接合されると共に、その接地開始側端縁e1で、リング3を介して伝達される回転方向からの圧接力を当該セグメント6の幅W方向に分散させる少なくとも1つの凸形状Pを形作り、また接地終了側端縁e2でV字形を形成する凹形状Nを形作る。
【選択図】図1
【解決手段】タイヤ1は、リム2とリング3とを有する非空気入りタイヤであり、リム2とリング3との相互間に複数のリンク機構4を設け、このリンク機構4は、幅方向に沿って間隔を空けて配置される2つのリンクL1、L2を有する。このリンクL1、L2は、それぞれリム2に揺動可能に連結し、ヒンジ連結部C2を介して弾性部材5で連結され、継手C3を介して揺動可能なセグメント6で一体に連結し、当該セグメント6は、リング3の裏面に接合されると共に、その接地開始側端縁e1で、リング3を介して伝達される回転方向からの圧接力を当該セグメント6の幅W方向に分散させる少なくとも1つの凸形状Pを形作り、また接地終了側端縁e2でV字形を形成する凹形状Nを形作る。
【選択図】図1
Description
本発明は、加圧空気を充填不要で、車両の状態に応じた大きさの上下剛性、前後剛性及び横剛性をそれぞれ、簡易に付与することができる非空気入りタイヤに関するものである。
自動車等に使用されるタイヤとしては空気入りタイヤが一般的であるが、空気入りタイヤは、その充填空気圧がパンク等に起因して減少し、又は消失するという問題がある。
このため、空気圧を用いない非空気入りタイヤとして、例えば、中実構造のソリッドタイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−293203号公報
しかしながら、ソリッドタイヤは、重量及び硬さ共に大きく、空気入りタイヤに比べて、十分な乗心地や操縦性を確保することができない。また、転がり抵抗も大きくなるため、特殊な用途以外では使用されない状況にある。
これに対し、空気入りタイヤは、タイヤにとって重要な特性である、上下剛性、前後剛性及び横剛性をそれぞれ、車種や使用環境又は運転者の要求等に合せてある程度調整できるものの、これらの剛性をそれぞれ、互いに独立した関係の下で、所望の通りに調整することは困難である。このため、従来の空気入りタイヤの多くは、最適な剛性特性とはなっていなかった。なお、本明細書中において、「剛性」とは、ずれ変形に対する弾性の強さを言うものとする。
本発明の解決すべき課題は、従来の非空気入りタイヤでは空気入りタイヤに比べて乗心地や操縦性に改善の余地があることと、従来の空気入りタイヤではタイヤの上下剛性、前後剛性及び横剛性がそれぞれ、車両の特性、運転者の要求に合わせ、相互に独立させて簡易に付与できないことにあり、
本発明の目的とするところは、タイヤへの加圧空気その他気体の充填を不要として、タイヤ内圧の低下、消失等のおそれを十分に取り除くと共に、タイヤに所要に応じた大きさの上下剛性、前後剛性及び横剛性のそれぞれを、相互に独立させて簡易に付与できて、乗心地や操縦性に優れた非空気入りタイヤを提供することにある。
本発明の目的とするところは、タイヤへの加圧空気その他気体の充填を不要として、タイヤ内圧の低下、消失等のおそれを十分に取り除くと共に、タイヤに所要に応じた大きさの上下剛性、前後剛性及び横剛性のそれぞれを、相互に独立させて簡易に付与できて、乗心地や操縦性に優れた非空気入りタイヤを提供することにある。
本発明である非空気入りタイヤは、回転軸に連結されるリム状部材と、このリム状部材の外側に間隔を空けて配置される弾性リングとを有し、円周方向及び子午線方向への変形及び復元を可能とした非空気入りタイヤであって、リム状部材と弾性リングとの相互間に円周方向に沿って間隔を空けて配置される複数のリンク機構を設け、このリンク機構はそれぞれ、幅方向に沿って間隔を空けて配置される2つのリンクを有し、このリンクをそれぞれ、リム状部材に揺動可能に連結される第一リンク部材と、この第一リンク部材に揺動可能に連結される第二リンク部材とで構成し、第一リンク部材と第二リンク部材との連結部をそれぞれ、弾性手段で連結すると共に、第二リンク部材をそれぞれ、当該第二リンク部材に対して揺動可能なセグメントで一体に連結してなり、当該セグメントは、弾性リングに接合されると共に、その接地開始側端縁で、前記弾性リングを介して伝達される回転方向からの圧接力を当該セグメントの幅方向に分散させる少なくとも1つの凸形状を形作ることを特徴とするものである。
本発明において、「円周」、「幅」及び「半径」とは、タイヤの「円周」、「幅」及び「半径」をいい(リム状部材又は弾性リングについても同義)、「子午線」方向とは、タイヤをその円周方向に対して直交する断面で見たときに表れる外観形状に沿った線をいう。
ここで、「第一リンク部材がリム状部材に揺動可能に連結される」とは、少なくとも、第一リンク部材が、リム状部材に連結される一端を有し当該一端を基点に幅方向に揺動可能であればよいことを意味する。
この場合、少なくとも幅方向の揺動を許容する場合には、リム状部材に対して第一リンク部材を回転可能に軸支する等があるが、円周方向の揺動等を許容する際には、ユニバーサルジョイント(自在継手)を採用することが好ましい。
また本発明において、「第二リンク部材が第一リンク部材に揺動可能に連結される」とは、少なくとも、第二リンク部材が、第一リンク部材の他端に連結される一端を有し当該一端を基点に幅方向に揺動可能であればよいことを意味する。
このため、第一リンクと第二リンク部材との連結には、ピン等を用いて回転可能に連結するヒンジ連結部を採用できるが、自在継手を採用してもよい。
また本発明において、「第二リンク部材をそれぞれ、当該第二リンク部材に対して揺動可能なセグメントで一体に連結し、」とは、少なくとも、第二リンク部材の自由端(他端)をそれぞれ、当該他端を基点に回転して幅方向に揺動可能なセグメントで一体に連結すればよいことを意味する。
この場合も、少なくとも幅方向の揺動を許容する場合には、第二リンク部材に対してセグメントを回転可能に軸支する等があるが、円周方向の揺動等を許容する際には、自在継手を採用することが好ましい。
また、第一リンク部材と第二リンク部材との連結部をそれぞれ連結する弾性手段には、弾性部材、例えば、ゴム弾性体、ゴム弾性体を繊維補強したもの、コイルスプリング、空気ばね等が挙げられる。
本発明において、前記セグメントの接地終了側端縁で、前記接地開始側端縁の凸形状と共にV字形を形成する凹形状を形作ることが好ましい。
本発明によれば、弾性リングとリム状部材との相互間に円周方向に沿って間隔を空けて複数のリンク機構を設けたことで、加圧空気その他気体の充填が不要となることにより、タイヤ内圧の低下、消失等のおそれを十分に取り除くことができる。また、本発明によれば、第一リンク部材と第二リンク部材との連結部をそれぞれ弾性手段で連結することにより、タイヤの上下剛性、前後剛性及び横剛性をそれぞれ、互いに独立させた関係の下で簡易に所望の通りに調整することができる。
更に、本発明によれば、第二リンク部材をそれぞれ、当該第二リンク部材に対して揺動可能なセグメントで一体に連結し、更に、当該セグメントを弾性リングに接合することで、円周方向に沿って間隔を空けて配置された各リンク機構を互いに独立して機能させつつも、タイヤ全体としては一体ものとして機能するため、より大きな接地面積が確保されることで圧接力(グリップ力)が向上し、その場合の接地圧分布についても、より均一なものとすることができる。
加えて、本発明によれば、リム状部材周りに配置した複数のセグメントがそれぞれ、その接地開始側端縁で、少なくとも1つの凸形状を形作ることから、弾性リングが接地を開始するときには、各セグメントは弾性リングを介して徐々に接地するので、単位セグメント当たりの入出力負荷が分散される結果、スムーズな転動が実現される。
従って、本発明によれば、タイヤへの加圧空気その他気体の充填を不要として、タイヤ内圧の低下、消失等のおそれを十分に取り除くと共に、タイヤに所要に応じた大きさの上下剛性、前後剛性及び横剛性のそれぞれを、相互に独立させて簡易に付与できて、乗心地や操縦性に優れた非空気入りタイヤを提供することができる。
特に、本発明において、前記セグメントの接地終了側端縁で、前記接地開始側端縁の凸形状と共にV字形を形成する凹形状を形作れば、リム状部材周りの互いに隣り合う各セグメントを均等な間隔の隙間で効率的に配置できるので、単位セグメント当たりの入出力負荷が更に分散される結果、乗心地が向上する上、より大きな接地面積が確保されることでグリップ力が向上し、その場合の接地圧分布についても、より均一なものとすることができる。
以下、図面を参照して、本発明に従う非空気入りタイヤを詳細に説明する。
図1(a),(b)はそれぞれ、本発明の第一の形態であるメカニカルタイヤ(以下、「タイヤ」という)1の正面図及び、その斜視図である。また、図2は、図1のA−A断面図である。
符号2は、図1に示すように、図示せぬ車軸(回転軸)に連結される円筒形のリム状部材(以下、「リム」という。)である。リム2は、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料により構成されている。
符号3は、図1の点線で示すように、リム2の外側に間隔を空けて配置される弾性リングである。弾性リング3は、ゴム等の弾性材料からなる。なお、本形態に係る弾性リング3は、クラウン部のみからなる平面的な形状であるが、本来の意味でのタイヤと同様、ショルダ部やサイド部を設けてリム2の内側に巻き込ませてもよい。
符号4は、図2に示すように、リム2と弾性リング3との相互間に、(タイヤ1の)円周方向S(図1(b)参照)に沿って間隔を空けて配置される複数のリンク機構である。リンク機構4はそれぞれ、図2に示すように、(タイヤ1の)幅方向Wに沿って間隔を空けて配置される2つのリンクL1,L2を有する。
リンクL1は、同図に示すように、リム2の側面部に自在継手C1を介して連結される一端部を有し当該一端部の自在継手C1を基点に揺動可能な第一リンク部材4aと、この第一リンク部材4aの他端部にヒンジ連結部C2を介して連結される一端部を有し当該一端部のヒンジ連結部C2を基点に揺動可能な第二リンク部材4bとを有し、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料により構成されている。
リンクL2も、同様に、リム2に自在継手C1を介して連結される第一リンク部材4aと、この第一リンク部材4aにヒンジ連結部C2を介して揺動可能に連結される第二リンク部材4bとを有し、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料により構成されている。
自在継手C1は、少なくとも、第一リンク部材4aが円周方向S及び幅方向Wに揺動することを許容するようにリム2と第一リンク部材4aとを連結し、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料により構成されている。
また、ヒンジ連結部C2は、例えば、第一リンク部材4aと第二リンク部材4bとをピンを用いて回転可能に連結するものであり、その回転方向は、第一リンク部材4aと第二リンク部材4bとを幅方向Wに揺動させる方向である。なお、ヒンジ連結部C2も、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料により構成されており、自在継手C1に置き換えてもよい。
符号5は、リンクL1のヒンジ連結部C2とリンクL2のヒンジ連結部C2とを連結する弾性手段である。弾性手段5は、リム2と弾性リング3とを一体物としてみたときの、円周方向S、幅方向W及び半径方向Rそれぞれの相対変位に対して所要の剛性(例えば、車種や使用環境又は運転者の要求等により決定される剛性)をもたらすものである。
弾性手段5には、ゴム弾性体、ゴム弾性体を繊維補強したもの、コイルスプリング、空気ばね等が挙げられ、これらの内から一つを単独で、又は、これらのうちから二以上組み合わせてなる。
図1に示す符号6は、第二リンク部材4bの他端をそれぞれ、自在継手C3を介して揺動可能に一体に連結するセグメントである。
セグメント6は、図2に示すように、幅方向Wに延在する平坦なプレート部材6aと、このプレート部材6aの延在方向に沿って間隔を空けて一体に設けられる2つのブラケット部6bとを有し、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料により構成されている。
各セグメント6は、そのプレート部材6aの外表面に、図2に示すように、弾性リング3の裏面が接合されている。即ち、リム2の円周方向に沿って配置された複数のセグメント6はそれぞれ、弾性リング3によって一体になるように規制されている。
自在継手C3は、自在継手C1と同様のものであって、少なくとも、セグメント6が第二リンク部材4bに対して回転して円周方向Sに揺動すると共に幅方向Wに揺動することを許容するように、第二リンク部材4bとブラケット部6bとを連結するものである。
即ち、リンク機構4は、リム2に繋がるリンクL1,L2、これらリンクL1,L2を関連付ける弾性手段5及びセグメント6からなり、そのそれぞれが、弾性リング3によって一体的に規制されている。
弾性リング3にセグメント6を接合させるにあたっては、隣り合うセグメント6が円周方向に沿って少許の間隔を形成するように、セグメント6の大きさ、又は、リンク機構4の配置を決定する。
これにより、リンク機構4はそれぞれ、そのセグメント6により、弾性リング5を円周方向に沿って少許の間隔を空けて保持する。なお、少許の間隔は、車種や使用環境、又は、運転者の要求等に応じて適宜設定することができる。
このため、例えば、図3(a)の実線に示すような状態から、荷重直下で、仮想線で示す如く、リム2と弾性リング3とが半径方向Rに沿って互いに接近するように変位すると、リンクL1,L2はそれぞれヒンジ連結部C2を基点に互いに接近するように屈曲し、弾性手段5を幅方向Wに圧縮変形させる。
しかしながら、弾性手段5の圧縮変形は、同時に、リンクL1,L2を離間させる反力をヒンジ連結部C2に作用させる。即ち、リンク機構4はそれぞれ、弾性手段5の存在により、リム2と弾性リング3とが半径方向Rに接近するときに、所要の上下剛性(半径方向における剛性)を生じさせることができる。
また、図3(b) の実線に示すような状態から、仮想線で示す如く、リム2と弾性リング3とが円周方向Sに沿って相対変位すると、リンク機構4全体が伸長することで、直接的にはリンクL1,L2の全長が長くなることで、弾性手段5に引張り変形を生じさせる。
しかしながら、弾性手段5の引張り変形は、同時に、リンクL1,L2を円周方向Sに接近させる反力をヒンジ連結部C2に作用させる。即ち、リンク機構4はそれぞれ、弾性手段5の存在により、リム2と弾性リング3とが円周方向Sに相対変位するときに、所要の前後剛性(円周方向における剛性)を生じさせることができる。
また、図3(c) の実線に示すような状態から、仮想線で示す如く、リム2と弾性リング3とが幅方向Wに相対変位すると、リンク機構4全体が揺動変位することで、直接的にはリンクL1,L2が自在継手C1及びヒンジ連結部C2を基点に揺動変位することで、弾性手段5に引張り変形を生じさせる。
しかしながら、弾性手段5の引張り変形は、同時に、リンクL1,L2を幅方向Wに接近させる反力をヒンジ連結部C2に作用させる。即ち、リンク機構4はそれぞれ、弾性手段5の存在により、リム2と弾性リング3とが幅方向に相対変位するときに、所要の横剛性(幅方向における剛性)を生じさせることができる。
なお、上述したところでは、リム2と弾性リング3との間に、円周方向S、幅方向W及び半径方向Rの変位がそれぞれ、互いに独立して生じる場合について説明したが、この発明に係るタイヤでは、それらの相対変位の二種類以上が同時に発生する場合にあっても、所要の剛性を複合的なものとして、同時にもたらし得ることはもちろんである。
加えて、かかる構成によれば、複数のリンク機構4がそれぞれ、弾性リング5を円周方向に沿って少許の間隔を空けて保持しつつ、個々のリンク機構4は互いに独立して機能することから、タイヤ1の負荷転動等により、弾性リング3に大きな荷重が作用すると、その部分における複数のリンク機構4を中心として、個々のリンク機構4が揺動・変位するので、接地圧分布の偏りを抑えつつ、接地面積をより大きく確保できる。
即ち、本形態によれば、リム2と弾性リング3との相互間に円周方向Sに沿って間隔を空けて複数のリンク機構4を設けたことで、加圧空気その他気体の充填が不要となることにより、タイヤ内圧の低下、消失等のおそれを十分に取り除くことができる。また、本形態によれば、ヒンジ連結部C2をそれぞれ弾性手段5で連結することにより、タイヤ1の上下剛性、前後剛性及び横剛性をそれぞれ、互いに独立させた関係の下で簡易に所望の通りに調整することができる。
更に、本形態によれば、第二リンク部材4bの他端をそれぞれ、当該他端を、自在継手C3を基点に回転して円周方向に揺動すると共に幅方向に揺動可能なセグメント6で一体に連結し、更に、当該セグメント6を弾性リング3に接合することで、円周方向Sに沿って間隔を空けて配置された各リンク機構4を互いに独立して機能させつつも、タイヤ1全体としては一体ものとして機能するため、より大きな接地面積が確保されることでグリップ力が向上し、その場合の接地圧分布についても、より均一なものとすることができる。
ところで、セグメント6の形状には種々のものが考えられるが、本発明では、タイヤ回転時の踏み蹴り部でのセグメント6の回転挙動に着目して、タイヤ1が、よりスムーズに転動するように構成する。
即ち、タイヤ1が矢印d1に示す方向に回転したとき、セグメント6が弾性リング3を介してグリップ力(圧接力)が最初に入力される、プレート部材6aの接地開始側端縁e1と、その接地終了側端縁e2とに着目し、プレート部材6aの基本形状を幅Wに沿って延在する矩形の平面プレートとし、接地開始側端縁e1の一部(幅Wの中心付近部)を、図1(a)に示すように、当該グリップ力をプレート部材6aの幅W方向に分散させる凸形状Pで形作ると共に、その接地終了側端縁e2を、接地開始側端縁e1の凸形状Pと共にV字形を形成する凹形状Nで形作る。
この場合、リム2周りに配置した複数のセグメント6がそれぞれ、その接地開始側端縁e1で、1つの凸形状Pを形作ることから、弾性リング3が接地を開始するときには、各セグメント6は弾性リング3を介して徐々に接地するので、単位セグメント当たりの入出力負荷が分散される結果、スムーズな転動が実現される。
従って、本形態によれば、タイヤ1への加圧空気その他気体の充填を不要として、タイヤ内圧の低下、消失等のおそれを十分に取り除くと共に、タイヤ1に所要に応じた大きさの上下剛性、前後剛性及び横剛性のそれぞれを、相互に独立させて簡易に付与できて、乗心地や操縦性に優れた非空気入りタイヤを提供することができる。
加えて、本形態によれば、複数のセグメント6がそれぞれ、弾性リング5を円周方向Sに沿って少許の間隔を空けて、個々のリンク機構4で互いに独立して機能することから、タイヤ1の負荷転動等により、弾性リング3に大きな荷重が作用すると、その部分における複数のリンク機構4を中心として、個々のリンク機構4が揺動・変位するので、接地圧分布の偏りを抑えつつ、接地面積をより大きく確保できる。
特に、本形態の如く、セグメント6の接地終了側端縁e2の一部を、接地開始側端縁e1の凸形状Pと共にV字形を形成する凹形状Nで形作れば、リム2周りの互いに隣り合う各セグメント6を均等な間隔の隙間で効率的に配置できるので、単位セグメント当たりの入出力負荷が更に分散される結果、乗心地が向上する上、より大きな接地面積が確保されることでグリップ力が向上し、その場合の接地圧分布についても、より均一なものとすることができる。
なお、本形態では、凸形状P及び凹形状Nを直線で構成された台形状に形作っているが、凸形状P及び凹形状Nは曲線で形作ってもよい。
図4(a),(b)はそれぞれ、本発明の第二の形態であるタイヤ1の正面図及び、その斜視図である。なお、第一の形態と同一部分は、同一符号をもってその説明を省略する。
本形態も、プレート部材6aの基本形状を幅Wに沿って延在する矩形の平面プレートとするが、矢印d1の回転方向でみると、接地開始側端縁e1で2つの凸形状Pを形作ると共に、接地終了側端縁e2で接地開始側端縁e1の凸形状Pそれぞれと共にV字形を形成する2つの凹形状Nを形作る。これは裏返しに、矢印d2の回転方向でみると、接地終了側端縁e2の2つの凹形状Nの相互間で見かけ上1つの凸形状Pを形作り、また、接地開始側端縁e1の2つの凸形状Pの相互間で1つの凹形状Nを形作る。
即ち、本形態に係るプレート部材6aは、その接地開始側端縁e1で矢印d1方向から弾性リング3を介して入力されるグリップ力を当該プレート部材6aの幅W方向に分散させる2つの凸形状P1を構成すると共に、その接地終了側端縁e2で、矢印d1とは逆の矢印d2方向から弾性リング3を介して入力されるグリップ力を当該プレート部材6aの幅W方向に分散させる1つの凸形状Pを構成することができる。
なお、各形態において、リンク機構4には、図5〜8に例示するように、捩りばねとしてのトーションバー8,9を設けることが好ましい。
本形態に係る弾性手段5は、スプリングであって、リンク部材4a又は4bに固定される台座4dによって、リンクL1のヒンジ連結部c2とリンクL2のヒンジ連結部c2との間に配置されている。
トーションバー8は、図5に示すように、幅方向Wに沿って延在し、その両端8a,8bがリム2の外側壁2a(図1等参照)に回転不能に固定されている。また、トーションバー8には、リンクL1及びリンクL2の連結部C1がそれぞれ、幅方向Wに沿って揺動可能に連結されている。これにより、トーションバー8は、リム2に対し、リンクL1における連結部C1を中心とした円周方向Sへの捩れに対する捩りばねと、リンクL2における連結部C1を中心とした円周方向Sへの捩れに対する捩りばねとして機能する。
一方、トーションバー9は、図5に示すように、幅方向Wに沿って延在し、リム2の外側壁2aの内側に設けた内側壁(図示せず)に回転可能に保持されている。また、トーションバー9の端部9a,9bの内側付近はそれぞれ、図6に示すように、モーメントアーム10の一端部が一体に固定されている。
これに対し、モーメントアーム10の他端部には、連結部C4を介してコネクティングロッド11が連結されている。連結部C4は、少なくとも、コネクティングロッド11の一端部がモーメントアーム10の軸線周りを回転(幅方向Wに沿って揺動)することを許容すると共に、モーメントアーム10の他端部を中心として円周方向Sに揺動することを許容する。
また、コネクティングロッド11の他端部はそれぞれ、台座4dを介して連結部C4及び弾性手段5に連結されている。これにより、トーションバー9は、リンクL1, L2の幅方向Wへの変位に対する捩りばねとして機能する。
バー12は、図5に示すように、幅方向Wに沿って延在し、その両端12a,12bには、セグメント6(例えば、ブラケット部6b)が回転可能に保持されている。また、バー12には、リンクL1及びリンクL2の連結部C3がそれぞれ、幅方向Wに沿って揺動可能に連結されている。
かかる構成によれば、例えば、弾性リング3が図5(a)に示す状態から 図6(a)に示すように、リム2に対して半径方向Rに沿って接近すると、弾性手段5の長さがl1からl2に圧縮されることにより、その圧縮変形に伴う復元力を生じさせる。
即ち、かかる構成によれば、他の形態と同様、弾性リング3がリム2に対して半径方向Rに沿って接近又は離脱すると、弾性手段5の圧縮又は伸張により、所要の上下剛性を付与することができる。
また、かかる構成によれば、例えば、リンク機構4が図7(b)に示すに示すように、リム2に対して円周方向Sに沿って傾倒すると、トーションバー8がその軸線周りに捩れることにより、その捩れ変形に伴う復元力を生じさせる。
即ち、かかる構成によれば、他の形態と同様、リンク機構4がリム2に対して円周方向Sに沿って傾倒すると、トーションバー8の捩れ変形に伴う復元力により、所要の前後剛性を付与することができる。
更に、かかる構成によれば、弾性リング3がリム2に対して幅方向Wに沿って左右に変位したときの横剛性についても更に有効である。
例えば、リンク機構4がリム2に対して図8(a) の矢印に示す方向に、幅方向Wに沿って変位すると、これに伴いリンクL1のヒンジ連結部C2とリンクL1のヒンジ連結部C2との間には、図8(b)の符号θで示すような半径方向Rに沿った高さ変化が生じる。
これにより、図8(a)に示すように、トーションバー9には、弾性手段5、モーメントアーム10及びコネクティングロッド11を通して捩れが生じると共に、その捩れ変形に伴う復元力が生じる。
即ち、かかる構成によれば、トーションバー9の捩れ変形に伴う復元力により、横剛性を更に高めることができる。
従って、ヒンジ連結部C2を弾性手段5で連結すると共に、トーションバー8,9を付加した場合、弾性手段5のみの場合と比べて、前後剛性および横剛性を更に確実に生じさせることができる。
上述したところは本発明の好適な形態を説明したものであるが、請求の範囲内で種々の変更を加えることができる。例えば、凸形状Pは、少なくとも接地開始側端縁e1に形作られていればよく、凸形状Pは少なくとも1つ存在すればよい。また、接地開始側端縁e1側の凹形状Nの存在は、任意であるが、本形態の如く、セグメントがV字形を形作ることが好ましい。更に、本発明によれば、上述した各形態及びそれに含まれる様々な構成は、車種や使用環境又は運転者の要求等に合せて、適宜組み合わせることができる。
サイズが225/55ZR17の従来の空気入りタイヤ(充填空気圧230kPa)を基準として、同サイズの実施例1及び2のそれぞれにつき、比較例1及び2と共に乗心地性を求めたところ、表1に示す結果を得た。
ここで、実施例1及び2はそれぞれ、図1に示すタイヤと、図4に示すタイヤである。また、比較例1は、複数のリンク機構4を介してリム2に、図1及び4に示すセグメント6に替えて周方向に連続するリング(ドラム)状部材を連結したものであり、比較例2は、図1及び4に示すセグメント6の接地開始側端縁e1及び接地終了側端縁e2を幅方向Wに沿って直線的に延在させた矩形プレートとしたものである。
また、乗心地性は、排気量3000ccの乗用車に各タイヤを装着して、2名乗車の荷重条件(負荷荷重4.0kN)で実車走行したときのフィーリングをもって評価した。
表1に示す結果によれば、実施例1及び2は共に、従来タイヤや比較例1及び2に比較して、特に、乗心地性が改善されていることが理解される。
本発明は、乗用車、トラック、クレーンやパワーショベル等の作業車、又は、荷物等を積載する台車の車輪等として適用することができる。
1 メカニカルタイヤ(非空気入りタイヤ)
2 リム状部材
3 弾性リング
4 リンク機構
4a 第一リンク部材
4b 第二リンク部材
5 弾性手段
6 セグメント
6a プレート部材
6b ブラケット(軸受台座)
8 トーションバー
8a,8b トーションバー端部
9 トーションバー
10 モーメントアーム
11 コネクティングロッド
12 バー
C1 自在継手
C2 ヒンジ連結部
C3 自在継手
C4 ボールジョイント
d1,d2 タイヤ回転方向
e1 接地開始側端縁
e2 接地終了側端縁
L1,L2 リンク
P 凸形状
N 凹形状
2 リム状部材
3 弾性リング
4 リンク機構
4a 第一リンク部材
4b 第二リンク部材
5 弾性手段
6 セグメント
6a プレート部材
6b ブラケット(軸受台座)
8 トーションバー
8a,8b トーションバー端部
9 トーションバー
10 モーメントアーム
11 コネクティングロッド
12 バー
C1 自在継手
C2 ヒンジ連結部
C3 自在継手
C4 ボールジョイント
d1,d2 タイヤ回転方向
e1 接地開始側端縁
e2 接地終了側端縁
L1,L2 リンク
P 凸形状
N 凹形状
Claims (2)
- 回転軸に連結されるリム状部材と、このリム状部材の外側に間隔を空けて配置される弾性リングとを有し、円周方向及び子午線方向への変形及び復元を可能とした非空気入りタイヤであって、
リム状部材と弾性リングとの相互間に円周方向に沿って間隔を空けて配置される複数のリンク機構を設け、
このリンク機構はそれぞれ、幅方向に沿って間隔を空けて配置される2つのリンクを有し、
このリンクをそれぞれ、リム状部材に揺動可能に連結される第一リンク部材と、この第一リンク部材に揺動可能に連結される第二リンク部材とで構成し、
第一リンク部材と第二リンク部材との連結部をそれぞれ、弾性手段で連結すると共に、
第二リンク部材をそれぞれ、当該第二リンク部材に対して揺動可能なセグメントで一体に連結してなり、
当該セグメントは、弾性リングに接合されると共に、その接地開始側端縁で、前記弾性リングを介して伝達される圧接力を当該セグメントの幅方向に分散させる少なくとも1つの凸形状を形作ることを特徴とする非空気入りタイヤ。 - 請求項1において、前記セグメントの接地終了側端縁で、前記接地開始側端縁の凸形状と共にV字形を形成する凹形状を形作ることを特徴とする非空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007337300A JP2009154790A (ja) | 2007-12-27 | 2007-12-27 | 非空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007337300A JP2009154790A (ja) | 2007-12-27 | 2007-12-27 | 非空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009154790A true JP2009154790A (ja) | 2009-07-16 |
Family
ID=40959261
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007337300A Withdrawn JP2009154790A (ja) | 2007-12-27 | 2007-12-27 | 非空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009154790A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101450475B1 (ko) | 2013-10-30 | 2014-10-13 | 금호타이어 주식회사 | 비공기압 타이어 |
KR101475623B1 (ko) * | 2013-09-09 | 2014-12-22 | 금호타이어 주식회사 | 비공기압 타이어 |
JP2016124539A (ja) * | 2015-01-05 | 2016-07-11 | ハンコック タイヤ カンパニー リミテッド | エアレスタイヤ |
CN112172407A (zh) * | 2020-10-09 | 2021-01-05 | 湖南科技大学 | 一种可变截面可变刚度的机械弹性车轮 |
-
2007
- 2007-12-27 JP JP2007337300A patent/JP2009154790A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101475623B1 (ko) * | 2013-09-09 | 2014-12-22 | 금호타이어 주식회사 | 비공기압 타이어 |
KR101450475B1 (ko) | 2013-10-30 | 2014-10-13 | 금호타이어 주식회사 | 비공기압 타이어 |
JP2016124539A (ja) * | 2015-01-05 | 2016-07-11 | ハンコック タイヤ カンパニー リミテッド | エアレスタイヤ |
CN112172407A (zh) * | 2020-10-09 | 2021-01-05 | 湖南科技大学 | 一种可变截面可变刚度的机械弹性车轮 |
CN112172407B (zh) * | 2020-10-09 | 2022-03-08 | 湖南科技大学 | 一种可变截面可变刚度的机械弹性车轮 |
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