JP2009178718A - 機差模擬プレス - Google Patents

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Abstract

【課題】量産用プレス等を模擬対象プレスとして、この模擬対象プレスとの機差を低減または無くすことができるように調整可能なプレス機械を提供する。
【解決手段】被加工物をプレスするための金型が取り付けられる金型保持部材25,3bと、該金型保持部材の外周部を支持する支持部材34,3aと、を備える機差模擬プレス10であって、プレス加工時において、金型保持部材25,3bおける支持部材34,3aに支持されない部分に荷重を作用させることで金型保持部材25,3bのたわみを調整する荷重付与手段9を備える
【選択図】図1

Description

本発明は、模擬対象プレスとの機差を模擬できる機差模擬プレスに関する。
自動車ボデー等の量産に用いる大型プレス金型(以下、金型という)は、自動車の価値を決定するため非常に重要である。このため金型は、車体デザインをパネル加工面に正確に転写するため、金型加工面(プレス面)はCAD,CAMシステムによりパネル板厚分をオフセットして完全に一致するように製作されている。
しかし、プレス加工時の成形圧により、金型(下金型と上金型)およびプレス装置(ボルスターとスライド)が変形し、下型と上型のプレス面は完全には一致しなくなる。そのため、プレス加工時において、プレス面が正確に一致するように金型製作の最終工程において、熟練技能者による「型合わせ作業」の繰り返しが必要となる。
型合わせ工程は、金型メーカにおいて試作用プレスを用いて行う工程(メーカでの型合わせ)と、金型ユーザ(自動車メーカ等)の量産用プレスを用いて行う工程(ユーザでの型合わせ)とがある。型合わせ工程の作業時間は両者合わせて、金型生産時間の1/2〜2/5に相当し、型合わせ工程の削減が生産性向上のため強く要望されている。
なお、本発明に関連する先行技術として、特許文献1が既に開示されている。特許文献1は、ベッドと金型支持板との間に弾性変形する部材を複数設けて、金型形状を調整するものである。
特開2005−169408号公報 「プレス加工用金型台およびプレス機械」
上述した金型の型合わせ工程において、ユーザでの型合わせは、通常100〜200時間であり、型合わせ工程全体の1/3以上に達している。ユーザでの型合わせは、その作業工費に加えて、その間のプレスラインの停止ロスがある。そのため、ユーザでの型合わせ工程は、金型ユーザ(自動車メーカ等)にとっても工程時間の短縮が強く要望されている。
あらかじめ金型メーカにおいて完全に型合わせが完了しているにもかかわらず、ユーザでの型合わせにも長時間を必要とするのは、金型メーカにおいて使用する試作用プレスと金型ユーザにおいて使用する量産用プレスとの間に差(プレス間の機差)があるためである。
そこで、本発明の目的は、量産用プレス等を模擬対象プレスとして、この模擬対象プレスとの機差を低減または無くすことができるように調整可能な機差模擬プレスを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によると、被加工物をプレスするための金型が取り付けられる金型保持部材と、該金型保持部材の外周部を支持する支持部材と、を備える機差模擬プレスであって、
プレス加工時において、前記金型保持部材における前記支持部材に支持されない部分に荷重を作用させることで前記金型保持部材のたわみを調整する荷重付与手段を備える、ことを特徴とする機差模擬プレスが提供される。
本発明の好ましい実施形態によると、前記荷重付与手段は、前記金型保持部材に荷重を作用させるたわみ調整シリンダ装置であり、さらに、たわみ調整シリンダ装置が前記金型保持部材に作用させる荷重を調整するたわみ調整装置と、を備える。
本発明の好ましい実施形態によると、前記金型保持部材は、ボルスタとスライドプレートの少なくともいずれかである。
上記構成では、荷重付与手段により、プレス加工時における前記金型保持部材のたわみを調整できる。このたわみ調整により、前記金型保持部材のたわみ分布を模擬対象プレスの金型保持部材のたわみ分布に一致させ、または、近似させることができる。
よって、前記金型保持部材のたわみ分布に関する機差を低減または無くすことができる。
本発明の好ましい実施形態によると、上記機差模擬プレスは、目標たわみ量に基づいて、プレス加工時における前記金型保持部材のたわみが目標たわみ量になるような前記荷重の値を算出する荷重演算装置を備え、
前記たわみ調整装置は、たわみ調整シリンダ装置が前記金型保持部材に作用させる荷重が前記算出された値になるように前記たわみ調整シリンダ装置を調整する。
これにより、目標たわみ量を入力するだけで、自動的に金型保持部材のたわみを目標たわみ量に調整できる。
本発明の好ましい実施形態によると、前記金型は、被加工物を上下方向に挟んでプレス加工する上金型と下金型であり、上記機差模擬プレスは、
該上金型が下面に取り付けられ昇降運動させられるスライドと、
該スライドを昇降させプレス成型力を発生させるスライド駆動機構と、
そのストローク位置の変化によりスライドの傾きを変化させるように前記スライドに荷重を作用させる傾き調整シリンダ装置と、
該傾き調整シリンダ装置のストローク位置を調整する傾き調整装置と、備える。
上記構成では、傾き調整シリンダ装置および傾き調整装置により、スライドの傾きを調整できる。従って、スライドの傾きに関する機差をも低減または無くすことができる。
本発明の好ましい実施形態によると、前記金型は、被加工物を上下方向に挟んでプレス加工する上金型と下金型であり、上記機差模擬プレスは、
該上金型が下面に取り付けられ昇降運動させられるスライドと、
プレス加工時に上金型との間に被加工物を挟んだ状態で下降する可動部を有するダイクッション装置と、
前記可動部の動作を制御するクッション制御装置と、を備え、
前記クッション制御装置は、所定の目標クッション特性を与えるための可動部作動パターンを記憶した記憶部を有し、
前記クッション制御装置は、前記可動部作動パターンに従って前記可動部の動作を制御する。
上記構成では、クッション制御装置は、目標クッション特性を与えるための前記可動部作動パターンに従って前記可動部の動作を制御する。これにより、模擬対象プレスの目標クッション特性を模擬することができ、ダイクッションの特性に関する機差をも低減または無くすことができる。
本発明の好ましい実施形態によると、上記機差模擬プレスは、前記金型保持部材と金型との間に、面圧分布調整板を備える。
好ましくは、前記面圧分布調整板は、複数の凸平面を有し、各凸平面の高さはそれぞれ独立に設定されている。
上記構成では、面圧分布調整板により、前記金型保持部材と金型との間における接触圧分布を調整できる。
従って、この接触圧分布に関する機差をも低減または無くすことができる。
本発明の好ましい実施形態によると、(1)金型保持部材のたわみ分布に関する機差、(2)スライドの傾きに関する機差、(3)ダイクッションの特性に関する機差、および(4)金型保持部材と金型との接触圧分布に関する機差のすべてを低減または無くすことができる。これにより、模擬対象プレスと本発明の機差模擬プレスとの間における上金型と下金型によるプレス面の差を相乗的に低減または無くすことができる。
上述した本発明によると、量産用プレス等を模擬対象プレスとして、この模擬対象プレスとの機差を低減または無くすことができる。
本発明を実施するための最良の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
[機差模擬プレスの全体構成]
図1は、本発明の第1実施形態による機差模擬プレスの構成図である。機差模擬プレス10は、スライド3、スライド駆動機構5、カウンタバランスシリンダ7、たわみ調整シリンダ装置9、たわみ調整装置11、傾き調整シリンダ装置13、傾き調整装置15、ダイクッション装置17、クッション制御装置19、面圧分布調整板23A,23Bを備える。
スライド3は、上金型(図示せず)が下面に固定され昇降運動させられる。図1の例では、スライド3は、スライド本体3aと、このスライド本体3aの下面に固定されたスライドプレート3bとを有する。スライド本体3bは、スライドプレート3bの支持部材であり、スライドプレート3bの外周部を支持する。上金型は、後述のボルスタ25の上面に固定される下金型(図示せず)との間で被加工物を挟んでプレス加工を行う。
スライド駆動機構5は、1つまたは複数のサーボモータ(図示せず)と、上部のクラウン27内に設けられ上記サーボモータにより回転駆動させられる駆動ギア5aと、駆動ギア5aとスライド3とを連結し駆動ギア5aの回転運動をスライド3の昇降運動に変換する変換機構5b(図1の例では、リンク)とを有する。
カウンタバランスシリンダ7は、スライド3および上金型の重量とバランスする上向き力をスライド3に付加し、その上下動を容易にするようになっている。
たわみ調整シリンダ装置9は、プレス加工時において、金型保持部材(図1の例では、ボルスタ25とスライドプレート3b)に荷重を作用させる。
ボルスタ25は支持部材(図1の例では、後述のキャリア34)によりその外周部が支持されており、たわみ調整シリンダ装置9は、支持部材25により支持されていないボルスタ部分に上向き荷重を作用させる下剛性調整シリンダ9aを含む。図1の例では、上剛性調整シリンダ9bはボルスタ25の中央部に上向き荷重を作用させる。
スライドプレート3bは支持部材(図1の例では、スライド本体3a)によりその外周部が支持されており、たわみ調整シリンダ装置9は、支持部材3aにより支持されていないスライドプレート部分に下向き荷重を作用させる上剛性調整シリンダ9bを含む。図1の例では、上剛性調整シリンダ9bはスライドプレート3bの中央部に下向き荷重を作用させる。
なお、下剛性調整シリンダ9aと上剛性調整シリンダ9bのうち一方のみを設けるようにしてもよい。
たわみ調整装置11は、プレス加工時にたわみ調整シリンダ装置9が上記金型保持部材に作用させる荷重を調整するものであって、上剛性調整シリンダ9b用のたわみ調整装置11と下剛性調整シリンダ用のたわみ調整装置11とを別個に設けることができる。たわみ調整装置11の構成については後述する。
傾き調整シリンダ装置13は、スライド駆動機構5とスライド3を連結し、これにより、傾き調整シリンダ装置13のストローク位置変化によりスライド駆動機構5とスライド3との相対位置が変化する。即ち、スライド駆動機構5とスライド3とは傾き調整シリンダ装置13を介して連結されている。従って、傾き調整シリンダ装置13のストローク量(即ち、ストローク位置)を調整することで、水平方向に対するスライド3の傾きが調整可能になっている。図2は、図1のII−II線矢視図であるが、スライド3の付近のみ示している。図1、図2の例では、4つの傾き調整シリンダ装置13が設けられており、これら各傾き調整シリンダ装置13は、その一端部がそれぞれスライド3の外周部付近に固定され、その他端部がスライド駆動機構5のリンク5bにピンにより回転可能に連結されている。
傾き調整装置15は、傾き調整シリンダ装置13のストローク位置を調整するものである。傾き調整装置15は、傾き調整シリンダ装置13の圧力を制御して間接的に傾き調整シリンダ装置13のストローク位置を調整し、または、傾き調整シリンダ装置13のストローク位置を直接制御する。傾き調整装置15は、各傾き調整シリンダ装置13のストローク位置調整を、他の傾き調整シリンダ装置13のストローク位置調整とは独立して行える。
ダイクッション装置17は、図1の例では、油圧シリンダ装置であり、プレス加工時に、上向き推力が付与されながら、上金型との間に被加工物を挟んだ状態で下降して上金型に対し上向き荷重を作用させる可動部17a(図1では、ピストン)と、可動部17aの上端部により上方向に押されるクッションパッド17bと、クッションパッド17bに支持されるピンプレート17cと、ピンプレート17cに支持されるクッションピン17dと、を備える。
クッション制御装置19は、目標クッション特性を与えるようにダイクッション装置17を制御する。クッション制御装置19の構成については後述する。
面圧分布調整板23A,23Bは、ボルスタ25及びスライド3(図1の例では、スライドプレート3b)と図示しない金型の支持面との間に設けられる。これにより、金型間の接触圧力分布の機差を低減またはなくす。
面圧分布調整板23A,23Bは、金型との接触面に複数の凸平面29を有する。また、各凸平面29は、FEMにより求めたシム調整厚をそれぞれ有し、各凸平面29の高さが、それぞれ独立に接触圧力分布の機差を低減するように設定されている。
なお、面圧分布調整板23A,23Bは、それぞれ一体であるのが好ましいが、各凸平面29ごとに分離でき、それぞれが独立した厚さを有するシム板であってもよい。
面圧分布調整板23A,23Bによる圧力調整方法については後述する。
機差模擬プレス10のフレームは、プレス加工時にスライド3から上向き荷重を受ける上荷重支持部材27(図1の例では、クラウン)と、プレス加工時にボルスタ25から下向き荷重を受ける下荷重支持部材31(図1の例では、ベッド)とを複数の連結部材33(図1の例では、複数のタイロッド)で連結したものである。なお、上荷重支持部材27と下荷重支持部材31との間にアプライト35を挟持した状態で上荷重支持部材と下荷重支持部材が連結部材33により連結されている。ベッド31はキャリア34を支持している。上述のように、キャリア34は、ボルスタ35の支持部材であり、ボルスタ35の外周部を支持している。
[たわみ調整方法]
(第1実施例)
図3は、本発明の機差模擬プレス10の第1実施例による剛性調整方法を示す全体フロー図である。この図において、本発明の方法は、S1〜S8の各ステップからなる。
ステップS1では、模擬対象プレスの歪計測から歪データを取得する。模擬対象プレスは、例えば金型ユーザの量産用プレスである。また歪計測は、金型保持部材(ボルスタ25とスライドプレート3b)のプレス時の歪を計測する。
ステップS2では、得られた歪データから模擬対象プレスのたわみ分布を推定計算する。この計算は、FEM計算または理論計算による。得られたたわみ分布を「目標たわみ分布」とする。
ステップS3では、本発明の機差模擬プレス10のたわみ計算をする。この計算は、等分布荷重としてFEMによる。
ステップS4では、上述したたわみ調整シリンダ装置9の荷重設定をする。即ち、プレス加工時におけるボルスタ25またはスライドプレート3bのたわみ分布が目標たわみ分布となるように、または、目標たわみ分布と近似するように、たわみ調整シリンダ装置9がプレス加工時にボルスタ25またはスライドプレート3bの中央部に作用させる荷重を設定する。
ステップS5では、たわみ調整シリンダ装置9の設定荷重でのたわみ計算をFEMで行う。
ステップS6では、たわみ計算で得られたたわみ分布が目標どおりであることを確認する。
ステップS7では、金型を含むたわみ計算をFEMで行う。
ステップS8では、金型の影響は小さいことを確認する。
ステップS6,S8で問題がなければ本発明によるたわみ調整(剛性調整)を終了する。問題がある場合には、ステップS3〜S7を繰り返す。
(第2実施例)
第2実施例では、目標たわみ量Wtを次式(1)により計算する。Wtは、機差模擬プレス10におけるプレス加工時での金型保持部材の目標たわみ量である。好ましくは、Wtは模擬対象プレスにおける金型保持部材の中央の変位量である。
Wt=Pt/Kt ・・・(1)
この式(1)においてPtは、模擬対象プレスでプレス加工を行った場合にプレス加工時に金型に作用するプレス荷重であり、金型毎に異なる。なお、このプレス荷重は、プレス加工時に金型に作用する総プレス荷重であってよい。
また、式(1)において、Ktは、模擬対象プレスでのプレス加工時における、たわみWと金型に作用するプレス荷重Pとの関係を示す剛性であり、次式(2)で表される。
Kt=P/W ・・・(2)
Pは、模擬対象プレスにおけるプレス加工時に、金型に作用するプレス荷重であり、Ptと同義である。
Wは、模擬対象プレスにおけるプレス加工時での金型保持部材のたわみ量であり、上記ステップS2の演算と同様の計算で求めてよい。また、Wは模擬対象プレスにおける金型保持部材の中央の変位量であってよい。
第2実施例をフローチャートで示すと例えば図4のようになる。以下、図4を参照しつつ説明する。
・ステップST2〜ST5
Ptを金型毎に、Ktを模擬対象プレス毎に予め求めておく(ステップST2〜ST5)。一例として、模擬対象プレスAと模擬対象プレスBがあり、金型aまたは金型bを用いる模擬対象プレスAを模擬し、金型bまたは金型cを用いる模擬対象プレスBを模擬する場合について説明する。
金型aまたは金型bを用いた模擬対象プレスAを機差模擬プレス10で模擬する場合、および、金型cまたは金型dを用いた模擬対象プレスBを機差模擬プレス10で模擬する場合に備えて、Pt、Pt、Kt、Pt、Pt、Ktを予め求めておく。Ptは、金型aを用いた模擬対象プレスAにおけるプレス加工時に、金型aに作用するプレス荷重であり、Ptは、金型bを用いた模擬対象プレスAにおけるプレス加工時に、金型bに作用するプレス荷重であり、Ptは、金型cを用いた模擬対象プレスBにおけるプレス加工時に、金型cに作用するプレス荷重であり、Ptは、金型dを用いた模擬対象プレスBにおけるプレス加工時に、金型dに作用するプレス荷重である。また、Ktは、模擬対象プレスAにおけるプレス加工時での金型保持部材のたわみ量であり、金型によって変化しない模擬対象プレスAに固有の値である。Ktは、模擬対象プレスBにおけるプレス加工時での金型保持部材のたわみ量であり、金型によって変化しない模擬対象プレスBに固有の値である。
Pt、Ktは、次のように求める。金型aを用いた模擬対象プレスAでプレスを行い、このプレス加工時におけるPtと金型保持部材のたわみ量Waを求める。Ptは、例えば金型aの裏面などに貼り付けた歪みゲージにより得られた歪みデータから求め(ST2、ST3)、金型保持部材のたわみ量Waは、第1実施例の上記ステップS2と同じ方法で求めてよい(ST2、ST3)。次に、上式(2)を用いて、KtをKt=Pt/Waとして求める(ST4)。Ptについては、Ptの場合と同様に、金型bを用いた模擬対象プレスAでプレスを行い、このプレス加工時におけるPtを求める。Pt、Pt、Ktも同様にして求める。
このようにステップST2〜ST5を繰り返し、求めたPt、Pt、Kt、Pt、Pt、Ktを所定の記憶装置に記憶しておく(ST5)。
・ステップST6
金型aを用いた模擬対象プレスAを機差模擬プレスで10模擬する場合には、上式(1)を用いて、WtをWt=Pt/Ktとして求める(ST6)。金型bを用いた模擬対象プレスAを機差模擬プレス10で模擬する場合には、上式(1)を用いて、WtをWt=Pt/Ktとして求める(ST6)。金型cまたは金型dを用いた模擬対象プレスBを機差模擬プレス10で模擬する場合も同様である。なお、各模擬対象プレスで使用する金型の数が上記の例から増減する場合や、模擬対象プレスの数が上記の例から増減する場合も、上述と同様である。
以上のように、ステップST1において、模擬対象プレスの模擬に必要なデータが既知でない場合には、各模擬対象プレスにおいて、使用する金型毎にステップST2〜ステップST5を行って必要なデータを得る。上述の例では、Pt、Pt、Kt、Pt、Pt、Ktを得る。
このように必要なデータを得たら、ステップST6にて、上式(1)を用いて目標たわみ量Wtを計算する。上記の例では、金型aを用いた模擬対象プレスAを模擬する場合には、上式(1)において、PtにPtを代入し、KtにKtを代入して、Wt=Pt/Ktを求め、金型bを用いた模擬対象プレスAを模擬する場合には、上式(1)において、PtにPtを代入し、KtにKtを代入して、Wt=Pt/Ktを求める。模擬対象プレスBの場合も同様である。その後は、第1実施例と同様に第1実施例のステップS3、S5〜S8を行う。
第2実施例の演算を行う目標たわみ演算装置について説明する。第2実施例では、上述のように、各金型毎に当該金型に作用するプレス荷重Pt(上記の例では、模擬対象プレスAについてはPt、Pt、模擬対象プレスBについてはPt、Pt)を求め、各模擬対象プレス毎に剛性Kt(上記の例では、Kt、Kt)を求め、これらのデータを上記の記憶装置に記憶しておく。目標たわみ演算装置は、このように記憶装置に記憶された各金型毎のプレス荷重Pt、および、各模擬対象プレス毎の剛性Ktに基づいて、上述のように上式(1)を用いて目標たわみ量Wtを計算して、後述の荷重演算装置に出力する。なお、目標たわみ演算装置は、模擬対象プレスおよび対象とする金型を指定するための操作部を有し、オペレータがこの操作部を操作して、模擬対象プレス(例えば、模擬対象プレスA)および対象とする金型(例えば、金型a)が指定されると、これを模擬するための目標たわみ量Wt(この場合、Wt=Pt/Kt)を計算する。
[荷重演算装置]
機差模擬プレス10は、上述したたわみ調整方法の第1実施例または第2実施例で求めた目標たわみ量に基づいて、プレス加工時における金型保持部材のたわみが目標たわみ量になるような上記ステップS4の上記設定荷重の値を算出する荷重演算装置を備える。
この荷重演算装置は、上記ステップS2またはST6の演算により得られたたわみ分布・目標たわみ量(好ましくは、金型保持部材の中央の変位量)と、機差模擬プレス10のたわみ特性とに基づいて、上記ステップS4における上記設定荷重の値を演算する装置であってよい。このたわみ特性は、プレス加工時にたわみ調整シリンダ装置9が金型保持部材(好ましくは、その中央部)に作用させる荷重と、プレス加工時における金型保持部材のたわみ量(好ましくは、その中央部の鉛直下方の変位量)との関係であり、予め設定されている。この場合、この荷重演算装置は、機差模擬プレス10の金型保持部材の中央の変位量が模擬対象プレスの金型保持部材の中央の変位量と一致するように、上記設定荷重の値を算出してよい。なお、荷重演算装置は、上記たわみ特性を記憶する記憶部を有するのがよい。
さらに、荷重演算装置は、上記ステップS1で得られた歪データに基づいて、上記ステップS2の演算も行ってよい。この場合には、荷重演算装置は、上記ステップS1で得られた歪データから上記設定荷重の値を算出する。
また、上記たわみ特性が線形的な関係である場合には、荷重演算装置は、次の式(3)で表されるたわみ特性に基づいて、上記設定荷重の値を換算値Fとして演算してよい。
Wt=W0+w1×F ・・・(3)
Wt:機差模擬プレス10におけるプレス加工時での金型保持部材の目標たわみ量であり、上記ステップS2の演算により得られた値である。好ましくは、Wtは模擬対象プレスにおける金型保持部材の中央の変位量である。
W0:機差模擬プレス10において、プレス加工時にたわみ調整シリンダ装置9が金型支持部材に荷重を作用させない場合の金型支持部材のたわみ量である。
w1:機差模擬プレス10において、プレス加工時にたわみ調整シリンダ装置9が金型支持部材に所定の単位荷重を作用させた場合に、金型支持部材がたわむ量である。好ましくは、w1は金型保持部材の中央の変位量である。w1は予め設定される。
なお、模擬対象プレスにおける金型保持部材の上記歪データおよびたわみ分布と、上記設定荷重の値とは、模擬対象プレスごとにデータベースとしておくのがよい。従って、模擬対象プレスごとの当該歪データ、たわみ分布、設定荷重値を、荷重演算装置の記憶部に記憶しておくのがよい。この場合、荷重演算装置は、操作部を有し、オペレータがこの操作部を操作して、どの模擬対象プレス用の上記設定荷重値に基づいてたわみ調整シリンダ装置9を制御するかを選択できるようになっているのがよい。
上記荷重演算装置が算出した上記設定荷重値は、たわみ調整装置11に入力されるのがよい。この場合、たわみ調整装置11は、入力された設定荷重値に基づいて、たわみ調整シリンダ装置9が金型保持部材に作用させる荷重が、該設定荷重値になるようにたわみ調整シリンダ装置9を調整・制御する。
[たわみ調整装置の構成]
以下、本発明のたわみ調整装置11の具体例を説明する。なお、以下の例では、ボルスタ25を対象とするが、スライドプレート3bの場合も同様であり、上剛性調整シリンダ9b用のたわみ調整装置11の構成は下剛性調整シリンダ9a用のたわみ調整装置11の構成と同様である。
図5A〜図5Dは、本発明のたわみ調整装置11の第1実施形態図である。この例では、ボルスタ25を支持する油圧シリンダのサーボ制御により,油圧シリンダによる支持剛性(即ち、プレス加工時におけるボルスタ中央の変位量)を調整する。
図6A、図6Bは、本発明のたわみ調整装置11の第2実施形態図である。この例では、たわみ量に応じて油圧シリンダの推力を制御する。
すなわち圧力制御弁またはフィードバック制御等により,ボルスタプレート25を支持する油圧シリンダの推力制御を行う。油圧シリンダ推力制御の制御目標値は,設定する支持剛性特性から,ボルスタたわみ量の検出値に基づいて設定する。
図7A、図7Bは、本発明のたわみ調整装置11の第3実施形態図である。この例では、発生荷重に応じて油圧シリンダの変位量を制御する。
すなわちボルスタ25を支持する油圧シリンダは,位置制御を行う。油圧シリンダ位置制御の制御指令値は,設定する支持剛性特性から,油圧シリンダに加わる荷重値の検出値に基づいて設定する。
図8A〜図8Dは、本発明のたわみ調整装置11の第4実施形態図である。この例では、ボルスタ25を支持するストローク位置を変化させて,油圧シリンダによる支持剛性を調整する。
ボルスタ25のたわみに対して,油圧シリンダが発生する反力は,シリンダ内に封入されている作動油の圧縮量により決定される。圧力変化量は、式(4)で示される。
ΔP = K × ΔV/V・・・(4)
ここで、ΔPは圧力変化量,Kは作動油体積弾性係数,ΔVは作動油体積変化量,Vは作動油初期体積である。
この関係式(4)によれば,同じボルスターたわみによるΔVが発生したとしても,Vの状態によって発生するΔPの値が異なる。すなわち,ボルスタ25を支持するシリンダストローク位置を変化させることにより,ボルスタたわみに対して発生するシリンダ反力を変化させることができ,油圧シリンダの支持剛性を調整することが可能である。
図9A、図9Bは、本発明のたわみ調整装置11の第5実施形態図である。
図9Aに示すように、シリンダストローク位置を変化させるには,上記油圧シリンダよりも充分高い剛性を持つ,何らかの直動機構(送りねじ機構,シリンダ,ジャッキ等)により,上記油圧シリンダのケーシングを昇降させることにより可能である。
また,図9Bに示すように、油圧シリンダのケーシングを設置する架台を,いくつか異なる高さの架台を用意して,目標とする支持剛性となる支持位置となるように,架台を交換しても良い。この場合,以降に紹介するアキュムレータまたは予圧力による方法を併用することにより,任意の支持剛性に調整可能となる。
図10A〜図10Dは、本発明のたわみ調整装置11の第6実施形態図である。この例では、アキュムレータ容積を変更することにより,支持剛性を調整する。
すなわち、アキュムレータ封入ガスの圧縮性を利用して,油圧シリンダによる支持剛性を発生させる。シリンダストローク圧縮量に対して発生するシリンダ反力は,アキュムレータ内ガスの圧縮量により決定されるので,アキュムレータ内のガス容積を変化させることにより,油圧シリンダ支持剛性を調整することが可能となる。
アキュムレータ内のガス容積を変化させる方法としては,以下の方法が挙げられる。
・アキュムレータガスの初期封入圧力の設定
・作動油圧の定圧供給値の設定
・複数のアキュムレータを設置し,使用するアキュムレータを選択する
一例として,図11、図12にアキュムレータガスの初期封入圧力の設定による,シリンダ支持剛性の変化量を示す。
アキュムレータの初期封入圧力を設定する方法の他,シリンダに供給する圧力(定圧供給値)の設定により,アキュムレータ内のガス容積を変化させることができるので,同様にシリンダ支持剛性を調整することが可能となる。また,複数のアキュムレータを用意して,使用するアキュムレータの選択/切換を行うことによっても,シリンダ支持剛性を調整することができる。さらに,各方法を併用すれば,その調整範囲を広げることが可能である。
図13A,図13Bは、本発明のたわみ調整装置11の第7実施形態図である。この例では、油圧シリンダの予圧量を変更することにより,支持剛性を調整する。
油圧作動油の体積弾性係数は,その作動圧力によって変化するので,作動圧力領域を変化させることにより,油圧シリンダによる支持剛性が調整可能となる。
図14〜図16は、油圧シリンダ予圧量の変更による支持剛性調整の一例である。
図15に示すように、圧力0〜40MPa・absの範囲において、約1.7〜2.2GPaの範囲で体積弾性係数が変化する作動流体を使用したとすれば、図14において油圧シリンダの初期圧力を設定して,体積弾性係数を変化させることにより,油圧シリンダの支持剛性が調整可能となる。一例として,図16に初期圧力の変化による,油圧シリンダ反力vsストローク圧縮量の特性変化を示す。
上記設定荷重をボルスタ25の中央位置に下方から上方に向けて作用させることで、模擬対象プレスにおけるボルスタ25の目標たわみ分布を精度よく模擬できる。ボルスタ25に作用するプレス荷重の重心がボルスタ25の中央位置である場合だけでなく、この重心がボルスタ25の中央位置からずれている場合でも、上記目標たわみ分布を精度よく模擬できることを解析で確認した。図17と図18に、その解析結果を示す。
図17は、上記重心がボルスタ25の中央位置である場合であり、図18は、上記重心がボルスタ25の中央位置からずれている場合である。図17、図18において、横軸は、図1における左右方向におけるボルスタ25の位置を示し、縦軸は、図1における紙面と垂直な方向に関してはボルスタ中央でのプレス加工時のボルスタたわみ量(鉛直方向の変位)を示している。また、図17、図18において、破線は目標たわみ分布を示し、実線はたわみ調整シリンダ装置9aにより上記設定荷重をボルスタ中央部に作用させた場合のたわみ分布を示している。
上述したたわみ調整により、ボルスタ25とスライドプレート3bのたわみに関する機差を低減または無くすことができる。
[スライドの傾き調整]
図19は、スライド3の傾き調整方法を示すフローチャートである。スライド3の傾きは、実質的にはスライド3の下面(図1の例では、スライドプレート3bの下面)の傾きを意味する。
ステップS11において、模擬対象プレスのスライド3の傾きを目標傾きとして取得する。例えば、模擬対象プレスのスライド3の傾きを計測により取得することができる。このスライド3の傾きは、上金型が被加工物と接触しているプレス加工時(例えば、スライド3が下死点に位置する時)のものとするのがよい。
ステップS12において、プレス加工時における機差模擬プレス10でのスライド3の傾きと目標傾きとの差を低減または無くすように、傾き調整シリンダ装置13のストローク位置を調整する。
好ましくは、機差模擬プレス10の連結部材33を、これに対応する模擬対象プレスの連結部材の剛性より高くしておくことで、ステップS12の調整を効果的に行える。この場合、ステップS12において傾き調整シリンダ装置13の剛性を下げる方向に(例えば、傾き調整シリンダ装置13の弾性率を高くする方向に)、傾き調整シリンダ装置13のストローク位置を傾き調整装置15により調整し、これにより、プレス加工時におけるスライド3の傾きの差を模擬対象プレスと機差模擬プレス10との間で低減または無くす。
ステップS12を実施するための傾き調整装置15の構成について説明する。
例えば、傾き調整装置15は、傾き調整シリンダ装置13のシリンダ室の圧力を制御してストローク位置を制御してよいし、そのストローク位置を直接制御してもよい。傾き調整装置15は、例えば図20や図21のような構成であってよい。
図20は、傾き調整シリンダ装置13の圧力(即ち、シリンダ室内の圧力)を積極的に制御することでスライド3の傾きを調整する場合の傾き調整装置15の構成図である。図20に示すように、傾き調整装置15は、圧力指令装置15a、制御装置15b、油圧制御回路15cを有する。
圧力指令装置15aは、上記の目標傾きのデータが入力されるデータ入力部(例えば、インターフェース、パネル、キーボードなど)を有し、入力された目標傾きと、後述の傾き特性とに基づいて、各傾き調整シリンダ装置13についての圧力指令値を出力する。傾き特性は次のように求める。各傾き調整シリンダ装置13の複数の圧力値の各々ついて、それぞれ、他の3つの傾き調整シリンダ装置13の圧力値の複数の組み合わせの各々でのスライド3の傾きを理論計算、FEMまたは実験により求め、この関係を傾き特性として圧力指令装置15aに記憶しておく。
制御装置15bは、各圧力指令値と、各傾き調整シリンダ装置13の圧力を検出する圧力センサからの各圧力検出値と基づいて、各傾き調整シリンダ装置13の圧力が圧力指令値になるように油圧制御回路15cを制御する。
油圧制御回路15cは、制御装置15bにより制御されて各傾き調整シリンダ装置13へ供給する油圧を制御する。
なお、このような制御と傾き特性の取得は、プレス加工時を対象として行われてよい。
図21は、傾き調整シリンダ装置13のストローク位置を積極的に調整することで、スライド3の傾きを調整する場合の傾き調整装置16の構成図である。この傾き調整装置16は、傾き調整装置15の代わりに設けられる。この図21に示すように、傾き調整装置16は、位置指令装置16a、制御装置16b、油圧制御回路16cを有する。
位置指令装置16aは、上記の目標傾きのデータが入力されるデータ入力部(例えば、インターフェース、パネル、キーボードなど)を有し、入力された目標傾きと、後述の傾き特性とに基づいて、各傾き調整シリンダ装置13についてのストローク位置指令値を出力する。傾き特性は次のように求める。各傾き調整シリンダ装置13の複数のストローク位置の各々ついて、それぞれ、他の3つの傾き調整シリンダ装置13のストローク位置の複数の組み合わせの各々でのスライド3の傾きを理論計算、FEMまたは実験により求め、この関係を傾き特性として位置指令装置16aに記憶しておく。
制御装置16bは、各ストローク位置指令値と、各傾き調整シリンダ装置13のストローク位置を検出するストローク位置センサからの各ストローク位置検出値とに基づいて、各傾き調整シリンダ装置13のストローク位置がストローク位置指令値になるように油圧制御回路16cを制御する。
油圧制御回路16cは、制御装置16bにより制御されて各傾き調整シリンダ装置13へ供給する油圧を制御する。
なお、このような制御と傾き特性の取得は、プレス加工時を対象として行われてよい。
上述したスライド3の傾き調整によると、傾き調整シリンダ装置13のストローク位置を調整することで、スライド傾きを調整することができる。従って、プレス加工時におけるスライド3の傾きに関する機差を低減または無くすことが可能になる。
また、傾き調整シリンダ装置13のストローク位置変化によりスライド駆動機構5とスライド3との相対位置が変化するので、プレス加工時におけるスライド3の傾きを効果的に調整できる。
傾き調整シリンダ装置13のストローク位置を調整することで、プレス加工時における連結部材33の伸び量を調整可能になっているので、連結部材33の伸び量の調整により、プレス加工時におけるスライド3の変形量を効果的に調整できる。
複数の傾き調整シリンダ装置13が、それぞれスライド3の複数個所に荷重を作用させるので、これら傾き調整シリンダ装置13を別個に調整することで、スライド3の傾きを一層細かく調整ができ、これにより機差を一層低減または無くすことはできる。
機差模擬プレス10の連結部材33の剛性が、模擬対象プレスの連結部材の剛性より高いので、傾き調整シリンダ装置13の剛性を下げる方向に、傾き調整シリンダ装置13のストローク位置を節することで、スライド3の傾きを効果的に調整できる。
なお、図19の調整方法と、図3または図4の調整方法を合わせて行うことができる。例えば、最初に、たわみ調整シリンダ装置9の調整を行わずに傾き調整シリンダ装置13を調整することでスライド3の傾きの調整を行い、その後、傾き調整シリンダ装置13の調整を行わずに傾き調整シリンダ装置13の調整を行うことでスライドプレート3bのたわみの調整を行うことができる。また、スライド3の傾きと金型保持部材のたわみに関する機差が十分に低減または無くなるまで、図19の調整方法と、図3または図4の調整方法を交互に繰り返し行ってよい。
[クッション特性模擬]
クッション制御装置19の第1構成例を図22に示す。クッション制御装置19は、可動部位置検出装置19a、推力指令装置19b、推力検出装置19c、推力制御装置19dを有する。可動部位置検出装置19aは、可動部17aの位置(図1の例では、油圧シリンダのストローク位置)を検出するものであって、例えばリニアスケールなどであってよい。推力指令装置19bは、上記記憶部を有し、これに記憶された推力パターンと、可動部位置検出装置19aからの可動部17aの検出位置とに基づいて、指令推力値を出力する。推力検出装置19cは、可動部17aの上向き推力を検出する。推力制御装置19dは、推力指令装置19bからの指令推力値(上向き推力の指令値)と、推力検出装置19cが検出した上向き推力値とに基づいて、可動部17aを制御する。なお、上記記憶部は、複数の可動部作動パターンを記憶しており、クッション制御装置19は操作部を有し、オペレータが操作部を操作して、複数の可動部作動パターンのいずれを実施するかを選択できるようになっている。
推力検出装置19cは、上部シリンダ室内の圧力を検出しこの圧力検出値を出力する第1の圧力センサ19c−1と、下部シリンダ室内の圧力を検出しこの圧力検出値を出力する第2の圧力センサ19c−2と、第1の圧力センサ19c−1からの圧力検出値および第2の圧力センサ19c−2からの圧力検出値に基づいて可動部17aの上向き推力を算出する推力演算部19c−3と、を有する。
推力制御装置19dは、制御信号出力装置19d−1と油圧回路19d−2を有する。制御信号出力装置19d−1は、推力指令装置19bからの指令推力値と、推力検出装置19cが検出した上向き推力値とに基づいて、推力制御信号を出力する。油圧回路19d−2は、この推力制御信号によりシリンダ室(図22の例では、上部シリンダ室と下部シリンダ室)の油圧を制御する。例えば、油圧回路19d−2は、油圧源37と、上記推力制御信号により制御される切換弁(サーボ弁)38を有し、切換弁38の制御により、油圧源37からの圧油を上部シリンダ室または下部シリンダ室に供給し、下部シリンダ室または上部シリンダ室の圧油を油タンクへ排出させる。
また、クッション制御装置19はスライド位置検出装置19eを有する。スライド位置検出装置19eは、スライド3の昇降位置を検出する。このスライド位置検出装置19eは、スライド3を駆動させる上記サーボモータの回転角または駆動ギア5aの回転角などの回転位置を検出する回転角センサ(例えば、ロータリーエンコーダ)と、この回転角センサが検出した回転位置に基づいて、スライド3の昇降位置を算出する演算部とを有するものであってよい。代わりに、スライド位置検出装置19eは、スライド3の昇降位置を直接検出する位置センサ(例えば、リニアスケール)であってもよい。
可動部17aをその上限位置で係止するために、上限ストッパ部材22が機差模擬プレス10に設けられる。上限ストッパ部材22は、可動部17aが所定の上限位置より上昇しないように該上限位置まで上昇した可動部17aを係止する。上限ストッパ部材22は、機差模擬プレス10のフレーム(例えば、ベッド31)に固定されている。
また、クッション制御装置19の制御信号出力装置19d−1は、該スライド位置検出装置19eによるスライド3の検出位置に基づいて、スライド3が可動部17aに下向き荷重を与え始める直前のクッション力発生直前位置になったと判断した時に、上限ストッパ部材22に係止されている可動部17aの上向き推力を低下させる制御をダイクッション装置17に対して行う。また、制御信号出力装置19d−1は、スライド位置検出装置19eによるスライド3の検出位置に基づいて、スライド3が可動部17aに下向き荷重を作用させるクッション力発生開始位置に下降したと判断した時に、可動部作動パターンに従う制御を開始する。
次に、第1構成例のクッション制御装置19によるクッション模擬動作について説明する。
図23は、模擬対象プレスのダイクッション装置を示している。この例では、模擬対象プレスの模擬対象クッション特性は、一定空気圧が封入されたエアシリンダとタンクにより得られるクッション特性であるとし、クッション力は封入空気圧により決定されるものとする。図24は、このような場合の模擬対象クッション特性を示している。この場合、プレス加工前の待機状態では、上限ストッパ部材22がエアシリンダの上向き推力を受けている。この状態からスライド3が下降し、スライド3がエアシリンダに下向き荷重を作用させ始めた時点から、クッション力が発生する。このクッション力は、スライド3の下降によりエアシリンダのシリンダ室の封入空気圧が圧縮されることで、スライド3の下降に応じて上昇する。
図25は、第1構成例によるクッション模擬動作を示すフローチャートである。
ステップS21において、スライド3と上金型が被加工物を介してダイクッション装置17に下向き荷重を作用させ始める前において、上向き推力が付与されているピストン17aが上限ストッパ部材22に係止された状態で待機する。即ち、プレス加工前の待機状態において、クッション制御装置19は、可動部17aに所定の大きさの上向き推力を付与するようにダイクッション装置17を制御する。
続いて、ステップS22において、スライド3が下降してきて、スライド3と上金型が被加工物を介してダイクッション装置17に下向き荷重を作用させ始める直前のクッション力発生直前位置に到達したかを制御信号出力装置19d−1が判断する。制御信号出力装置19d−1は、この判断を上記スライド位置検出装置19eからのスライド3の検出位置に基づいて行う。制御信号出力装置19d−1が、スライド3が上記クッション力発生直前位置に到達していないと判断した場合には、ステップS22の判断を時々刻々と繰り返す。制御信号出力装置19d−1が、スライド3が上記クッション力発生直前位置に到達したと判断した場合には、ステップS23へ進む。
ステップS23では、制御信号出力装置19d−1は、スライド3が上記クッション力発生直前位置に到達したと判断した時に、可動部17aに付与する上向き推力を低下させる制御を行う。例えば、制御信号出力装置19d−1が油圧シリンダのシリンダ室(図22の例では、下部シリンダ室)の圧油を抜く制御を行うことで、ピストン17aに付与する上向き推力を低下させる。
ステップS24では、スライド3と上金型がダイクッション装置17に下向き荷重を作用させ始めるクッション力発生開始位置に到達したかを判断する。制御信号出力装置19d−1は、この判断を上記スライド位置検出装置19eからのスライド3の検出位置に基づいて行う。制御信号出力装置19d−1が、スライド3が上記クッション力発生開始位置に到達していないと判断した場合には、ステップS24の判断を時々刻々と繰り返す。制御信号出力装置19d−1が、スライド3が上記クッション力発生開始位置に到達したと判断した場合には、ステップS25へ進む。なお、ステップS24において、制御信号出力装置19d−1は、ピストン17aの上向き推力を低下させ続ける制御をダイクッション装置17に対して行ってよい。
ステップS25では、スライド3が上記クッション力発生開始位置に到達したと判断した時に、クッション制御装置19は、上記の可動部作動パターンに従う制御を開始する。具体的には、クッション制御装置19の制御信号出力装置19d−1は、スライド位置検出装置19eからのスライド位置検出値に基づいて、スライド3が上記クッション力発生開始位置に到達したと判断した時から、推力指令装置19bからの指令推力値と、推力検出装置19cからの可動部17aの上向き推力検出値とを比較し、可動部17aの上向き推力を指令推力値に追従させるための制御信号を時々刻々と出力する。なお、推力指令装置19bは、上記スライド位置検出値とは関係なく、推力パターンと、可動部位置検出装置19aからの可動部17aの検出位置とに基づいて指令推力値を時々刻々と出力する。
図26は、図25のフローチャートに従った場合において、可動部17aの位置変位(油圧シリンダのストローク位置変位)、可動部17aの上向き推力、および、可動部17aがスライド3に作用させる上向き荷重(即ち、クッション力)を、時間に対して表したグラフである。なお、図26の可動部の上向き推力のグラフとクッション力のグラフで、実線が第1構成例によるクッション制御装置19のクッション模擬動作の結果を示し、破線が模擬対象を示す。また、図26において、スライド3がピストン17aに下向き荷重を作用させ始める直前のクッション力発生直前位置で、可動部17aの上向き推力を低下させるので、スライド3または上金型がダイクッション装置17に下向き荷重を作用させ始めた直後にクッション力が過大となることを回避できる。また、可動部17aが上限ストッパ部材22に係止されている状態において、クッション制御装置19は、可動部作動パターンに定められた可動部17aの初期上向き推力と同じ程度の大きさの上向き推力を可動部17aに与えているので、可動部作動パターンの開始時点において、可動部作動パターンに定められた初期上向き推力と、実際の可動部17aの上向き推力との差を低減または無くすことができる。
次に、第2構成例によるクッション制御装置21について説明する。第2構成例によるクッション制御装置21は、第1構成例のクッション制御装置19の代わりに設けられる。第2構成例では、上限ストッパ部材22を省略する。
図27は、第2構成例によるクッション制御装置21の構成を示している。クッション制御装置21は、可動部位置検出装置21a、推力指令装置21b、推力検出装置21c、推力制御装置21dを有する。第2構成例の可動部位置検出装置21a、推力指令装置21b、推力検出装置21cは、それぞれ、第1構成例による可動部位置検出装置19a、推力指令装置19b、推力検出装置19cと構成が同じであってよい。
第2構成例では、推力制御装置21dの制御信号出力装置21d−1は、スライド3が可動部17aに下向き荷重を作用させる前において、ピストン17aのストローク位置を一定に保持しており、スライド3が油圧シリンダに対し下向き荷重を作用させ始めるクッション力発生開始位置からスライド3がさらに下降することで、可動部17aの上向き推力が増加し所定値に達したら、可動部作動パターンに従う制御を開始するように構成されている。第2構成例のクッション制御装置21では、スライド位置検出装置21eを省略してよい。第2構成例による推力制御装置21dの油圧回路21d−2の構成は、第1構成例の油圧回路19d−2と同じであってよい。
次に、第2構成例のクッション制御装置21によるクッション模擬動作について説明する。図28は、第2構成例のクッション制御装置21によるクッション模擬動作を示すフローチャートである。なお、この場合も、図24のクッション特性が模擬対象のクッション特性である。
ステップS31において、推力制御装置21dは、可動部位置検出装置21aからのピストン17aの検出位置に基づいてピストン17aを所定のストローク位置に保持して待機する。この場合、推力制御装置21dにより油圧シリンダの上部シリンダ室と下部シリンダ室の圧力をそれぞれ一定値にするようにしてよい。例えば、切換弁38を図27の状態にしておく。
その後、スライド3が下降してダイクッション装置17と接触し可動部17aを押し下げる。
ステップS32では、スライド3による可動部17aの押し下げにより、油圧シリンダのシリンダ室の圧油が圧縮されることで可動部17aの上向き推力が所定値に達したかどうかを判断する。この判断は、制御信号出力装置21d−1が、推力検出装置21cからの推力検出値に基づいて行う。また、この判断は、上向き推力が所定値に達するまで、時々刻々と繰り返す。上向き推力が上記所定値に達したと判断した場合には、ステップS33へ進む。ステップS32において、この例では、切換弁38は図27の状態であってよい。
ステップS33では、制御信号出力装置21d−1は、上向き推力が上記所定値に達したと判断した時から、推力指令装置21bからの指令推力値と、推力検出装置21cからの可動部17aの上向き推力検出値とを比較し、可動部17aの上向き推力を指令推力値に追従させるための制御信号を時々刻々と出力する。なお、推力指令装置21bは、推力検出装置21cからの指令推力値とは関係なく、推力パターンと、可動部位置検出装置21aからの可動部17aの検出位置とに基づいて指令推力値を時々刻々と出力する。
図29は、図28のフローチャートに従った場合において、可動部17aの位置変位(油圧シリンダのストローク位置変位)、可動部17aの上向き推力、および、可動部17aがスライド3に作用させる上向き荷重(即ち、クッション力)を、時間に対して表したグラフである。なお、図29の可動部の上向き推力のグラフとクッション力のグラフで、実線が第2構成例のクッション制御装置21によるクッション模擬動作の結果を示し、破線が模擬対象を示す。また、図29において、推力制御装置21dにより可動部17aを所定位置に待機させた状態から、スライド3が下降することでスライド3から可動部17aに下向き荷重が作用し、これにより、可動部17aの上向き推力が所定値に達したら、推力パターンによる制御を開始する。従って、上限ストッパ部材22を用いなくても、クッション制御装置21の油圧サーボ制御機能だけで、目標のクッション特性を模擬できる。
[面圧分布調整板による圧力調整方法]
図30は、本発明の機差模擬プレス10の圧力分布調整方法を示す全体フロー図である。この図において、本発明の方法は、S41〜S46の各ステップからなる。
ステップS41では、模擬対象プレスの歪計測から歪データを取得する。模擬対象プレスは、例えば金型ユーザの量産用プレスである。また歪計測は、金型保持部材(ボルスタ25とスライドプレート3b)のプレス加工時の歪を計測する。
ステップS42では、得られた歪データから模擬対象プレスの接触圧力分布を推定計算する。この計算は、FEM計算または理論計算による。得られた接触圧力分布を「目標接触圧力分布」とする。
図31は、ステップS43、S44の模式図である。
ステップS43では、シム調整位置を設定する。
シム調整位置は、ボルスタ25及びスライド3と図示しない金型の支持面との間であって、クッションピン17d、たわみ調整シリンダ装置9等と干渉せず、かつボルスタ25及びスライドプレート3bと金型の支持面の両方に両面が一致する位置に図31Aのように設定する。
各シム調整位置をk(k=1,2,3・・・N)とする。
ステップS44では、各シム調整位置における単位厚のシムによる接触圧力分布の変化率を算出する。
すなわち、FEMモデル上の各シム調整位置に単位厚さのシムを強制変位として図31Bのように与え、金型の接触圧力の変化率を図31Cのように算出する。
各シム調整位置における単位厚のシムによる接触圧力分布の変化率をdP(x、y)とする。
ステップS45では、目標接触圧力分布が得られる必要シム調整量を算出する。すなわち、目標接触圧力分布とシム調整後の接触圧力分布との差異を適切な評価関数で表現し、それを最小にするシム調整量を求める。
このような評価関数は、例えば下記(5)式のPであってよい。下記(5)式において、P(x、y)は模擬対象プレスの目標接触圧力分布であり、P(x、y)は機差模擬プレス10の調整前の接触圧力分布であり、a(k)は各シム調整位置における必要シム調整量であり、最小二乗法によりPを最小にする必要シム調整量a(k)を求める。
P=(P(x、y)+Σa(k)×dP(x、y))−P(x、y)・・・(5)
すなわち、ステップS43では、まずFEM計算モデルにより、シム調整をしない場合の接触圧力分布をP(x、y)を求めておく。
次にN個(図31Aでは15箇所)のシム調整位置を設定する。
ステップS44では、FEM計算モデル上で、N個の点それぞれに単位シム調整量を強制変位として与え、そのときの接触圧力分布の変化率をdP(x、y)を記憶しておく。
各点の必要シム調整量をa(k)とし、目標とするP(x、y)と、計算されたP(x、y)およびdP(x、y)を用いて、式(5)でP(k=1〜N)が最小と成るような必要シム調整量a(k)を決定する。
ステップS46では、必要シム調整量a(k)を適用した解析により、接触圧力分布が目標どおりであることを確認する。
ステップS46で問題がなければ本発明による圧力分布調整を終了する。問題がある場合には、ステップS43〜S45を繰り返す。
上述した圧力調整方法によれば、ステップS43でシム調整位置を設定し、ステップS44で各シム調整位置における単位厚のシムによる接触圧力分布の変化率を算出し、ステップS45で目標接触圧力分布が得られる必要シム調整量を算出するので、各シム調整位置に必要シム調整量のシム調整厚をそれぞれ有する面圧分布調整板23A,23Bを準備することができる。また、この面圧分布調整板23A,23Bをボルスタ25及び/又はスライドプレート3bと金型の支持面との間に挟持することにより、金型間の接触圧力分布の機差を低減またはなくすことができる。
以上のように、本発明の実施形態による機差模擬プレス10では、(1)金型保持部材のたわみ分布に関する機差、(2)スライド3の傾きに関する機差、(3)ダイクッションの特性に関する機差、および(4)金型保持部材3bと金型との接触圧分布に関する機差のすべてを低減または無くすことができる。これにより、模擬対象プレスと本発明の機差模擬プレス10との間における上金型と下金型によるプレス面の差を相乗的に低減または無くすことができる。
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、ボルスタ25に荷重を作用させる単一のたわみ調整シリンダ装置9aを設けたが、ボルスタ2に上向き荷重を作用させる複数のたわみ調整シリンダ装置を設けてもよい。同様に、スライドプレート3bに荷重を作用させる単一のたわみ調整シリンダ装置9bを設けたが、スライドプレート3bに下向き荷重を作用させる複数のたわみ調整シリンダ装置を設けてもよい。これにより、ボルスタ25またはスライドプレーと3bのたわみ分布を目標たわみ分布に一致または近似させるようにしてもよい。
上述した実施形態では、荷重付与手段は、たわみ調整シリンダ装置9であったが、たわみ調整シリンダ装置9の代わりに、上記の設定荷重をボルスタ25またはスライドプレーと3bにそれぞれ作用させる剛性を持つバネであってもよい。
上述した実施形態では、荷重付与手段は、油圧を用いるたわみ調整シリンダ装置9であったが、たわみ調整シリンダ装置9の代わりに圧電素子や超磁歪素子などを用いて荷重付与手段を構成してもよい。
上述した実施形態では、プレス加工時の模擬対象プレスのスライドの傾きを計測し、この計測したスライド傾きを目標傾きとしたが、上金型と被加工物が接触していない非プレス加工時の模擬対象プレスのスライドの傾きを計測し、この計測したスライド傾きを目標傾きとしてもよい。この場合、機差模擬プレス10のスライド傾きの調整も、非プレス加工時を対象とする。なお、この場合、傾き調整シリンダ装置13の上部シリンダ室と下部シリンダ室の両方に液体を供給して傾き調整するのがよい。また、非プレス加工時のスライド傾きを調整の対象とする場合における傾き調整シリンダ装置13と傾き調整装置15の構成とスライド傾き調整方法の他の点は、上記実施形態と同様であってよい。
スライド駆動機構5は、駆動ギア5aとリンク5bを用いてスライド3を昇降させたが、スライド3を昇降させる他の手段でスライド駆動機構を構成してもよい。
上述した実施形態では、4つの傾き調整シリンダ装置13を設けたが、4つ以外の他の数(1つも含む)の傾き調整シリンダ装置13を設けてもよい。
上述の実施形態では、ダイクッション装置17は油圧シリンダ装置から構成されたが、本発明によると、ダイクッション装置17は、他の液圧シリンダまたはエアシリンダで構成されてもよい。この場合、液圧シリンダまたはエアシリンダのシリンダ室(好ましくは、上部シリンダ室と下部シリンダ室)の液圧または空気圧を制御することで、上記目標クッション特性(可動部作動パターン)が得られるように、クッション制御装置が上記液圧または空気圧を制御してよい。
また、本発明によれば、ダイクッション装置17は、シリンダ装置に限定されず、その上向き推力が制御可能な他の手段であってもよい。例えば、ダイクッション装置17は、サーボモータなどの駆動モータと、該駆動モータの回転駆動力を上向き推力に変換する変換機構(例えば、ボールスクリューとボールナット)を含むものであってもよい。この場合、上記ステップS23における上向き推力の低下は、駆動モータへの供給電圧を低下することにより行ってよい。
油圧シリンダのダイクッション装置17を図1のように複数設ける場合には、ダイクッション装置17のシリンダ室を互いに連通させて(例えば、下部シリンダ室同士を連通させ、上部シリンダ室同士を連通させて)、単一のクッション制御装置により複数のダイクッション装置17を制御してもよい。
また、ダイクッション装置17を図1のように複数設ける場合に、ダイクッション装置17ごとに、クッション制御装置を設けてもよい。
上述の実施形態では、ダイクッション装置17の可動部17aはピストンであったが、ピストンをベッド31などに固定した場合には、ピストンに対し上下動可能なシリンダ部が可動部であってよい。
可動部作動パターンは、可動部17aの上向き推力を、可動部17aの位置に対して定めた推力パターンであったが、本発明はこれに限定されない。即ち、可動部作動パターンは、スライド3の位置または時間に対して定めた推力パターンであってよい。この場合、クッション制御装置は、スライド3の検出位置または計測時間に基づいて、可動部17aが可動部作動パターンに従って動作するように、ダイクッション装置17を制御する。
本発明の実施形態による機差模擬プレスの構成図である。 図1のII−II線断面図である。 機差模擬プレスの第1実施例による剛性調整方法を示す全体フロー図である。 機差模擬プレスの第2実施例による剛性調整方法を示す全体フロー図である。 本発明の剛性調整手段の第1実施形態図である。 本発明の剛性調整手段の第2実施形態図である。 本発明の剛性調整手段の第3実施形態図である。 本発明の剛性調整手段の第4実施形態図である。 本発明の剛性調整手段の第5実施形態図である。 本発明の剛性調整手段の第6実施形態図である。 第6実施形態の実施例である。 アキュムレータガスの初期封入圧力とシリンダ支持剛性との関係図である。 本発明の剛性調整手段の第7実施形態図である。 第7実施形態の実施例である。 体積弾性係数と圧力の関係図である。 初期圧力の変化による油圧シリンダ反力とストローク圧縮量の関係図である。 プレス荷重が偏心していない場合における、ボルスタの目標たわみ分布と、たわみ調整シリンダ装置により調整した後のボルスタのたわみ分布を示している。 プレス荷重が偏心している場合における、ボルスタの目標たわみ分布と、たわみ調整シリンダ装置により調整した後のボルスタのたわみ分布を示している。 スライドの傾き調整方法を示すフローチャートである。 傾き調整装置の第1構成例を示している。 傾き調整装置の第2構成例を示している。 クッション制御装置の第1構成例を示している。 模擬対象のクッション装置の構成を示している。 模擬対象のクッション特性を示す図である。 第1構成例のクッション制御装置によるクッション模擬動作を示すフローチャートである。 第1構成例のクッション制御装置により、図24のクッション特性を模擬した結果を示している。 クッション制御装置の第2構成例を示している。 第2構成例のクッション制御装置によるクッション模擬動作を示すフローチャートである。 第2構成例のクッション制御装置により、図24のクッション特性を模擬した結果を示している。 圧力分布調整方法を示す全体フロー図である。 ステップS43、S44の模式図である。
符号の説明
3 スライド、3a スライド本体、3b スライドプレート(支持部材)
5 スライド駆動機構、5a 駆動ギア、5b 変換機構(リンク)
7 カウンタバランスシリンダ、9 たわみ調整シリンダ装置
9a 下剛性調整シリンダ、9b 上剛性調整シリンダ
10 機差模擬プレス、11 たわみ調整装置、13 傾き調整シリンダ装置
15、16 傾き調整装置、15a 圧力指令装置、15b 制御装置
15c 油圧制御回路、16a 位置指令装置、16b 制御装置
16c 油圧制御回路、17 ダイクッション装置、17a 可動部(ピストン)
17b クッションパッド、17c ピンプレート、17d クッションピン
19,21 クッション制御装置、19a 可動部位置検出装置
19b 推力指令装置、19c 推力検出装置、19c−1 第1の圧力センサ
19c−2 第2の圧力センサ、19c−3 推力演算部
19d 推力制御装置、19d−1 制御信号出力装置、19d−2 油圧回路
19e スライド位置検出装置、21a 可動部位置検出装置
21b 推力指令装置、21c 推力検出装置、21c−1 第1の圧力センサ
21c−2 第2の圧力センサ、21c−3 推力演算部、21d 推力制御装置
21d−1 制御信号出力装置、21d−2 油圧回路
21e スライド位置検出装置、22 上限ストッパ部材
23A,23B 面圧分布調整板、25 ボルスタ、27 クラウン
29 凸平面、31 下荷重支持部材(ベッド)、33 連結部材
34 キャリア(支持部材)、35 アプライト、37 油圧源
38 切換弁

Claims (7)

  1. 被加工物をプレスするための金型が取り付けられる金型保持部材と、該金型保持部材の外周部を支持する支持部材と、を備える機差模擬プレスであって、
    プレス加工時において、前記金型保持部材における前記支持部材に支持されない部分に荷重を作用させることで前記金型保持部材のたわみを調整する荷重付与手段を備える、ことを特徴とする機差模擬プレス。
  2. 前記荷重付与手段は、前記金型保持部材に荷重を作用させるたわみ調整シリンダ装置であり、
    さらに、たわみ調整シリンダ装置が前記金型保持部材に作用させる荷重を調整するたわみ調整装置と、を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の機差模擬プレス。
  3. 前記金型保持部材は、ボルスタとスライドプレートの少なくともいずれかである、ことを特徴とする請求項1に記載の機差模擬プレス。
  4. 目標たわみ量に基づいて、プレス加工時における前記金型保持部材のたわみが目標たわみ量になるような前記荷重の値を算出する荷重演算装置を備え、
    前記たわみ調整装置は、たわみ調整シリンダ装置が前記金型保持部材に作用させる荷重が前記算出された値になるように前記たわみ調整シリンダ装置を調整する、ことを特徴とする請求項2に記載の機差模擬プレス。
  5. 前記金型は、被加工物を上下方向に挟んでプレス加工する上金型と下金型であり、
    該上金型が下面に取り付けられ昇降運動させられるスライドと、
    該スライドを昇降させプレス成型力を発生させるスライド駆動機構と、
    そのストローク位置の変化によりスライドの傾きを変化させるように前記スライドに荷重を作用させる傾き調整シリンダ装置と、
    該傾き調整シリンダ装置のストローク位置を調整する傾き調整装置と、備える、ことを特徴とする請求項1に記載の機差模擬プレス。
  6. 前記金型は、被加工物を上下方向に挟んでプレス加工する上金型と下金型であり、
    該上金型が下面に取り付けられ昇降運動させられるスライドと、
    プレス加工時に上金型との間に被加工物を挟んだ状態で下降する可動部を有するダイクッション装置と、
    前記可動部の動作を制御するクッション制御装置と、を備え、
    前記クッション制御装置は、所定の目標クッション特性を与えるための可動部作動パターンを記憶した記憶部を有し、
    前記クッション制御装置は、前記可動部作動パターンに従って前記可動部の動作を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の機差模擬プレス。
  7. 前記金型保持部材と金型との間に、面圧分布調整板を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の機差模擬プレス。
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